【解決手段】識別子を選択する手段と、前記図面上で第1の領域を決定する手段と、前記図面上で第2の領域を決定する手段と、前記第1の領域の座標と前記第2の領域の座標とに対応する第3の領域を前記図面上に決定する手段と、前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とを合成した画像を生成する手段と、前記識別子に前記生成された画像を関連付けると共に、前記生成された画像に、前記第1の領域、前記第2の領域、前記第3の領域の少なくとも1つの座標情報を関連付けて記憶する手段と、を備える情報処理装置を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施例による、配筋図を生成するユーザインターフェイスについて説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例による情報処理装置1000の機能ブロック図を示す。
【0014】
情報処理装置1000は、画面表示部1110、入力部1120、見出部分領域設定部1130、符号部分領域設定部1140、切出部分領域設定部1150、合成配筋図設定部1160、構造図記憶手段1210、物件識別子記憶手段1220、合成配筋図記憶手段1230、制御部1310を備える。
【0015】
画面表示部1110は、構造図や入力画面など、配筋図を生成するために必要な情報を表示するように構成されている。
【0016】
入力部1120は、見出部分や符号部分の範囲を入力したり、その他必要な情報を入力したりするように構成されている。例えば、テキスト入力や、マウスなどのGUI(Graphic User Interface)操作等が可能な画面を備えてもよい。また、画面表示部1110が、入力部1120の機能を有するように構成されてもよい。
【0017】
見出部分領域設定部1130は、入力部1120経由でのユーザの操作その他の機能により、見出部分の領域(
図4(a)の1を参照)を設定するように構成されている。
【0018】
符号部分領域設定部1140は、入力部1120経由でのユーザの操作その他の機能により、符号部分の領域(
図4(a)の2を参照)を設定するように構成されている。
【0019】
切出部分領域設定部1150は、見出部分の領域と符号部分の領域(
図4(a)の3を参照)の(例えば、各領域の角の4点の)座標情報から、切出部分の領域を設定するように構成されている。なお、本実施例における座標情報は、特別な説明がない限り、(表示画面を基準とした座標ではなく)構造図を基準とした座標である。例えば、表示画面上で、構造図を拡大縮小したとしても、構造図上の見出部分、符号部分、切出部分の座標情報は変化しない。
【0020】
合成配筋図設定部1160は、見出部分の領域と符号部分の領域とから切出部分の領域が生成された後に、これらの領域から合成された配筋図(
図4(b)を参照)を設定(画像を生成)するように構成されている。なお、本実施例の説明の便宜上、「合成された配筋図」は、合成配筋図や配筋リスト等とも称する場合があるが同義である。
【0021】
構造図記憶手段1210は、構造図(
図4(a)全体を参照)などの図面を記憶するように構成されている。構造図は、例えば、フロア(階数)毎に準備されていてもよい。
【0022】
物件識別子記憶手段1220は、柱、梁などの物件を識別するための識別子を記憶するように構成されている。ここで、識別子とは、配筋検査をおこなう柱、梁などの設置場所の識別符号である。また、識別子は、それぞれ一意となる任意の符号を付与してよいが、通常は、配筋検査を行いやすいように、建物のフロア(階数)や柱や梁の設置場所などの情報を基に符号を付与する。
【0023】
合成配筋図記憶手段1230は、合成された配筋図を、物件識別子記憶手段1220からの識別子と紐付けて記憶するように構成されている。
【0024】
なお、本実施例で説明した構造図記憶手段1210、物件識別子記憶手段1220、合成配筋図記憶手段1230は、メモリのような主記憶装置、ハードディスクドライブのような補助記憶装置、データベースなどの任意の記憶装置等を用いて、物理的に構成されてもよく、仮想的に構成されていてもよく、また、これらの組み合わせで構成されてもよい。
【0025】
制御部1310は、上述した各部を制御するように構成されてあり、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサでもよい。また、制御部は、情報処理装置1000内で独立して構成されていてもよく、各部の中にそれぞれ設けられるように構成されてもよい。
【0026】
図2Aは、構造図から所定の各領域を切り出して、当該切り出された各領域から合成された配筋図を生成するためのフローチャートの一例を示す。
【0027】
S1010では、ユーザの操作その他の機能により、構造図から見出部分(例えば、第1の領域と称してもよい)を決定する(
図4(a)の1を参照)。
【0028】
S1020では、ユーザの操作その他の機能により、構造図から符号部分(例えば、第2の領域と称してもよい)を決定する(
図4(a)の2を参照)。
【0029】
S1030では、見出部分および符号部分の領域に対応した切出部分(例えば、第3の領域と称してもよい)を決定する(
図4(a)の3を参照)。ここで、切出部分は、見出部分および符号部分の座標情報から決定する。なお、第1の領域、第2の領域、第3の領域は互いに入れ替えてもよい。
【0030】
S1040では、見出部分、符号部分、切出部分から合成された配筋図を生成して表示する(
図4(b)を参照)。さらに、配筋図に関する情報(個々の柱、梁などを識別するための情報など)を付加するように構成されてもよい。
【0031】
本実施例においては、説明の便宜のために、S1010からS1040が順番に処理されるように説明したが、S1010からS1040の処理の順番が異なっていてもよいし、S1010からS1040が並列処理するように構成されていてもよい。
【0032】
図2Bは、構造図から所定の各領域を切り出して、当該切り出された各領域から合成された配筋図を生成するためのフローチャートの別の例を示す。
【0033】
以下、
図2Bのフローチャートについて、
図3A−3Dまでの画面表示例および
図4の合成された配筋図を参照しながら説明する。
【0034】
S2010では、配筋図を作成したいフロア(階)を選択する(
図3A左を参照)。フロア(階)が選択されると、当該フロアに対応した構造図(本実施例では、柱のリスト)がデータベースから取得される(
図3A右を参照)。
【0035】
S2020では、取得された構造図を表示する。ユーザは、マウスなどの任意のデバイスを使用して、構造図の中で見出部分1点目を指定する(
図3Aを参照)。
図3Aにおいては、所望の四角形に対して、左上の点を指定する。見出部分の1点目の座標(X1,Y1)を任意のメモリに記憶する。
【0036】
S2030では、S2020と同様に、構造図の中で見出部分2点目を指定する(
図3Bを参照)。見出部分の2点目は、見出部分の1点目(左上の点)に対して対角線方向の点(右下の点)を指定する。見出部分の2点目の座標(X2,Y2)を任意のメモリに記憶する。
【0037】
S2040では、見出部分1点目と見出部分2点目とを対角線とした四角形の形状となる見出部分の範囲(領域)を決定する(
図3Bを参照)。すなわち、見出部分の1点目の座標(X1,Y1)および見出部分の2点目の座標(X2,Y2)の座標情報を使用して、四角形の領域を決定する。すなわち、上述した座標に加えて、(X1,Y2)および(X2,Y1)の座標を使用することにより、4角形の領域(第1の領域)を決定する。ここで、
図3B左の図に示すように、選択された領域を表示してもよい。
【0038】
S2050では、同じ構造図上で、符号部分の1点目を指定する若しくは自動的に候補を表示する(
図3Cを参照)。
図3Cにおいては、所望の四角形に対して、左上の点を指定する。自動的に候補を表示する場合には、見出部分の座標情報のX2(=x1)を用い、y1は予め決めておいた値を用いればよい。そして、符号部分の1点目の座標(x1,y1)を任意のメモリに記憶する。
【0039】
S2060では、表示された符号部分の1点目を起点として、ユーザは、マウスなどの任意のデバイスを使用して、構造図上の符号部分の2点目を指定する(
図3Dを参照)。符号部分の2点目は、符号部分の1点目(左上の点)に対して対角線方向の点(右下の点)を指定する。符号部分の2点目の座標(x2,y2)を任意のメモリに記憶する。
【0040】
S2070では、符号部分の1点目と2点目とを対角線とした四角形の形状となる見出部分の範囲を決定する(
図3Dを参照)。すなわち、符号部分の1点目の座標(x1,y1)および符号部分の2点目の座標(x2,y2)の座標情報を使用して、四角形の領域を決定する。すなわち、上述した座標に加えて、(x1,y2)および(x2,y1)の座標を使用することにより、4角形の領域(第2の領域)を決定する。なお、第1の領域と第2の領域を決定する順番は逆でもよい。
【0041】
S2080では、決定された見出部分、決定された符号部分を表示する。そして、決定された見出部分と符号部分との座標情報を基に、切出部分の領域を決定して表示する(
図3D左の自動生成した領域を参照)。すなわち、見出部分のY1,Y2の座標情報および符号部分のx1,x2の座標情報を基に、配筋図の領域がなす四角形の点の座標(x1,Y1)(x1,Y2)(x2,Y1)(x2,Y2)を決定する。
【0042】
S2090では、見出部分、符号部分、切出図を基に合成された配筋図を作成する(
図4(b)を参照)。
【0043】
S2100では、ユーザがまたは自動的に、見出部分、符号部分、切出部分の表示は正しいか否かを確認する。正しい場合は、S2100へすすむ。正しくない場合は、S2020へ戻って、見出部分、符号部分を再度決定する処理する。別の実施例においては、S2020以外の任意の処理(例えば、符号部分のみを再度設定できるように、S2050の符号部分の表示の処理)へ戻ってもよい。
【0044】
S2110では、合成された図面を、柱や梁などの物件識別子と関連づけて記憶する。更に、合成された配筋図には、切出部分の座標情報を関連づけて記憶する。記憶されるデータ構造の一例を
図9に示す。
図9では、識別子である物件情報をキーとして、合成された配筋図(本実施例では、配筋図が記憶されているアドレス)が関連づけられており、更に、合成された配筋図が、切出領域の座標情報と関連づけられている。任意の配筋図と座標情報とが関連づけられることにより、例えば、配筋図の修正や再利用を容易にすることが可能になる。
【0045】
図9の別の実施例として、切出部分の座標情報に代えて、符号部分の座標情報と見出部分の座標情報を記憶するように構成されてもよい。符号部分の座標情報と見出部分の座標情報がわかれば、切出部分の座標情報もわかるからである。
【0046】
一方で、
図9において、切出部分の座標情報だけがわかっても、符号部分の座標情報と見出部分の座標情報の全てはわからないが、構造図を基準とした座標系において、見出部分のx軸の基準値は0(または任意の値)であり、符号部分のy軸の基準値が0(または任意の値)であるという前提が成立している場合は、切出部分の座標だけ記憶してもよい。x軸、y軸の基準値を利用すれば、符号部分の座標情報と見出部分の座標情報も決定できるからである。
【0047】
図5A(a)(b)は、配筋図を修正するためのフローチャートの一例を示す。ここでは、既に修正対象の配筋図のデータが情報処理装置に読み込まれていることを前提とする。
【0048】
図5(a)について説明する。S4010では、見出部分と符号部分との一方または両方の移動を検知する。ここで、移動の検知とは、見出部分や符号部分の領域がなす形状を維持したまま、構造図上の座標が移動することを意味する。
【0049】
S4020では、移動した見出部分と符号部分との移動と同時に、切出部分を移動させる。
【0050】
S4030では、見出部分、符号部分、切出部分の移動と同時に、合成された配筋図を再生成して、表示する。
【0051】
S4010からS4030で示した手順を実行することにより、ユーザは直感的にかつ正確に配筋図を修正することができる。また、S4020、S4030で示したように、同時移動を実現することにより、ユーザが間違いのない配筋図を作成することができる。
【0052】
図5(b)は、
図5(a)の別の例である。S4011では、切出部分の移動を検知する。S4021では、移動した切出部分との移動と同時に、見出部分と符号部分との一方または両方の移動を移動させる。S4030は、
図5(a)と同じ処理である。
【0053】
図5Bは、既に範囲設定して登録された配筋図を呼び出して、配筋図を修正するためのフローチャートの別の例を示す。なお、配筋図を呼び出す必要がない場合(例えば、配筋図を設定後すぐに修正する場合)は、S5010、S5020を省略してもよい。
【0054】
S5010では、呼び出したい配筋図に対応する識別子を選択して、登録された配筋図や見出部分、符号部分、切出部分の領域の座標情報(
図9のデータ構造を参照)を取得または計算する(
図6Aを参照)。また、当該識別子に対応する構造図も取得する。
【0055】
S5020では、
図9のデータ構造の領域の座標に関する情報を用いて、登録された配筋図に関する見出部分、符号部分、切出部分を構造図上に表示する(
図6Bを参照)。このときに、間違い防止のために別の色で表示されてもよい。
【0056】
S5030では、ユーザが登録したい見出部分または符号部分または切出部分を修正する。ここで、修正とは、少なくとも1つの領域の形状(四角形)の4角の座標情報が少なくとも1つ変更されることであり、視覚的には、見出部分や符号部分がなす領域の形状(四角形)は維持したまま大きさを変更することや、当該大きさを維持したまま、構造図上の座標情報を変更することを含む。当該修正が行われたことが検知されるとS5040にすすむ。
【0057】
S5040では、例えば、見出部分が修正されると、当該修正に連動して、切出部分が修正される。また、例えば、見出部分の大きさは維持したまま移動した場合には、見出部分の4角の各点の座標情報が修正されるので、当該修正された座標情報に連動して、切出部分の座標情報が修正される(
図6Cを参照)。
【0058】
S5050では、S5040で修正された見出部分、符号部分、切出部分が表示される(
図6Dを参照)。
【0059】
S5060では、S5050で決定された見出部分、符号部分、切出部分を基に新たに合成された配筋図を生成する。そして、当該新たに合成された配筋図が正しければ登録(記憶)する。もし、配筋図が正しくない場合は、例えば、S5020に戻って再度修正をしてもよい。
【0060】
図7は、配筋図作成の別の一例を示す。構造図上の各枠(四角形)の四隅を自動的に認識できるように構成しておき、見出部分や符号部分の領域の選択が容易にできるようにしてもよい。
【0061】
別の実施例においては、見出部分や符号部分の領域の選択が容易にできるようにしてもよい。例えば、直前若しくは以前の配筋図切り出し操作において、構造図上の座標情報を記憶しておくことにより、見出領域の幅(X1とX2の差)、見出領域の高さ(Y1とY2の高さ)、符号領域の幅(x1とx2の差)、符号領域の高さ(y1とy2の高さ)に関する情報が得られる。そして、例えば、直前の見出領域に隣接する領域に関する配筋図を生成する際には、見出領域の1点目に(X2,Y1)を指定し、見出領域の2点目に(X3,Y2)を指定することになるが、ここで、X3は、見出領域の1点目に、見出領域の幅を加えた座標をユーザに提案することができ、すなわち、X3=X2+(X2−X1)により計算した値を用いればよい。また、必要に応じて、ユーザは、本実施例の情報処理装置によって提案された座標に基づく領域を、マウス等の任意のデバイスを使用して、修正してもよい。同様に、符号領域に隣接する領域に関する配筋図を生成してもよい。
【0062】
図8は、配筋図作成の更に別の一例を示す。複数の領域を配筋図に含めたい場合(例えば、特記したい事項に関する画像を含めたい場合)には、追加で含めたい画像の領域を指定できるように構成されてもよい。
【0063】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。例えば、装置やシステム等のハードウェアで構成されてもよく、プログラム等のソフトウェアで構成されてもよく、これらの組み合わせで構成されてもよい。