【解決手段】回路基板10の貫通孔13を貫通して配置されるコネクタ1において、コネクタ本体2の一部2pが貫通孔13から非実装面12側へ突出する。一部2pに形成された挿入空間S1に接続部材6が非実装面12と平行な挿入方向X1に挿入される。コネクタ本体2に固定され実装面11に半田付けされる半田付け要素Hが、接続部材6と接続される複数のコンタクト3のみで構成される。各コンタクト3が、コネクタ本体2に固定された被固定部31と、被固定部31から実装面11と平行に互いに逆向きに延びる一対のリード部32,33とを含む。リード部32,33の先端部32b,33bが、実装面11において挿入方向X1に関して貫通孔13の両側で半田付けされる。
前記コネクタ本体は、前記挿入空間に挿入された前記接続部材の一対の側縁に設けられた係合部と係合することにより、前記接続部材が前記挿入方向の反対方向である抜脱方向へ抜脱されることを規制する一対の抜脱規制突起を含み、
前記複数のコンタクトが、各前記抜脱規制突起の前記挿入方向側に配置された一対のコンタクトを含む、請求項1〜4の何れか一項に記載のコネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、PCBに半田付けされる要素として、コンタクトの他に取付釘を用いるため、構造が複雑になる。
本発明の目的は、回路基板への取付強度が高く且つ構造を簡素化することができるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、実装面(11)と前記実装面の反対側の非実装面(12)とを貫通する貫通孔(13)が形成された回路基板(10)における前記貫通孔を貫通して配置されるコネクタ(1)であって、一部(2p)が前記貫通孔から前記非実装面側へ突出し、前記一部に、フレキシブルな接続部材(6)が一端(6e)側から前記非実装面と平行な挿入方向(X1)に挿入される挿入空間(S1)が形成された絶縁性のコネクタ本体(2)と、前記コネクタ本体に固定され且つ前記実装面に半田付けされる半田付け要素(3)と、を備え、前記半田付け要素が、前記挿入空間に挿入された前記接続部材と接続される複数のコンタクト(3)のみで構成され、前記複数のコンタクトが、前記挿入方向と直交する幅方向(W)に並んで配置され、各前記コンタクトが、前記コネクタ本体に固定された被固定部(31)と、前記被固定部から前記実装面と平行に互いに逆向きに延びる一対のリード部(32,33)と、を含み、前記一対のリード部の先端部(32b,33b)が、前記実装面において前記挿入方向に関して前記貫通孔の両側で半田付けされる、コネクタを提供する。
【0006】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2に記載の発明のように、前記コネクタ本体に、複数の固定溝(29a)が形成され、各前記固定溝には、対応するコンタクトの被固定部が圧入固定され、各前記固定溝が、前記対応するコンタクトの被固定部を前記実装面側から前記貫通孔に挿入可能なように、前記実装面と直交する方向(V)に関して前記実装面側に開放されていてもよい。
【0007】
請求項3に記載の発明のように、前記回路基板が金属基板を含み、前記コネクタ本体が、前記被固定部を前記挿入方向に挟んで配置され、互いの間に前記固定溝を形成する一対の第1介在部(71,81)と、前記一対の第1介在部から前記実装面と平行に互いに逆向きに延びる一対の第2介在部(72,82)と、を含み、各前記第1介在部が、前記被固定部と前記貫通孔の内周面(13a)との間に介在し、各前記第2介在部部が、対応するリード部と前記実装面における前記貫通孔の縁部(13b)との間に介在してもよい。
【0008】
請求項4に記載の発明は、実装面と前記実装面の反対側の非実装面とを貫通する貫通孔が形成された回路基板における前記貫通孔を貫通して配置されるコネクタ(1P)であって、一部が前記貫通孔から前記非実装面側へ突出し、前記一部に、フレキシブルな接続部材が一端側から前記非実装面と平行な挿入方向に挿入される挿入空間が形成された絶縁性のコネクタ本体と、前記コネクタ本体に固定され且つ前記実装面に半田付けされる半田付け要素と、を備え、前記半田付け要素が、前記挿入空間に挿入された前記接続部材と接続される複数のコンタクトのみで構成され、前記複数のコンタクトが、前記挿入方向と直交する幅方向に交互に配置された第1コンタクト(3Q)と第2コンタクト(3R)とを含み、前記第1コンタクトが、前記コネクタ本体に固定された第1被固定部(31Q)と、前記第1被固定部から前記挿入方向と平行に延びる第1リード部(32Q)と、を含み、前記第2コンタクトが、前記コネクタ本体に固定された第2被固定部(31R)と、前記第2被固定部から前記第1リード部とは反対方向に延びる第2リード部(32R)と、を含み、前記第1リード部の先端部(32Qb)と第2リード部の先端部(32Rb)とが、前記実装面において前記挿入方向に関して前記貫通孔の両側に互い違いに半田付けされる、コネクタを提供する。
【0009】
請求項5に記載の発明のように、請求項1〜4の何れか一項において、前記コネクタ本体は、前記挿入空間に挿入された前記接続部材の一対の側縁(6c)に設けられた係合部(66)と係合することにより、前記接続部材が前記挿入方向の反対方向である抜脱方向(X2)へ抜脱されることを規制する一対の抜脱規制突起(23b)を含み、前記複数のコンタクトが、各前記抜脱規制突起の前記挿入方向側に配置された一対のコンタクト(3s)を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明では、回路基板の実装面に半田付けされる半田付け要素が、複数のコンタクトのみで構成される。このため、特許文献1で用いられる取付釘が不要となり、構造を簡素化することができる。また、各コンタクトにおいて、被固定部から延びる一対のリード部の先端部が、実装面において挿入方向に関して貫通孔の両側で半田付けされる。このため、回路基板に対して高い取付強度を達成することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、コネクタの組立に際してコンタクトをコネクタ本体に組み付けるときに、コンタクトの被固定部から延びる一対のリード部に邪魔されることなく、被固定部をコネクタ本体の固定溝に圧入固定することができる。このため、コネクタの組立性が向上する。
請求項3に記載の発明では、コネクタ本体の第1介在部と第2介在部とによって、コンタクトが、回路基板の実装面に半田付けされる部分以外で、金属基板と接触することが回避される。
【0012】
請求項4に記載の発明では、回路基板の実装面に半田付けされる半田付け要素が、複数のコンタクトのみで構成されるので、構造を簡素化することができる。また、複数のコンタクトが、挿入方向と直交する幅方向に交互に配置された第1コンタクト及び第2コンタクトを含み、また、第1コンタクトの第1リード部の先端部と第2コンタクトの第2リード部の先端部とが、実装面において挿入方向に関して貫通孔の両側に互い違いに半田付けされる。このため、回路基板に対して高い取付強度を達成することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、抜脱規制突起の挿入方向側にもコンタクトが配置される。このため、スペースの有効利用を図り且つ取付強度を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1A及び
図1Bは、本発明の第1実施形態に係るコネクタ1が適用された、コネクタと回路基板の接続構造100(以下では、単に接続構造100とも言う)の互いの別角度からの概略斜視図である。
図2Aは、接続構造100の平面図である。
図2Bは、接続構造100の断面図であって、
図2AのIIB−IIB線に沿って切断された断面図である。
図1A及び
図1B、並びに
図2A及び
図2Bに示すように、コネクタ1は、接続部材6と回路基板10とを接続するためのコネクタである。
【0016】
回路基板10は、上面である実装面11と、下面であって実装面11の反対側の面である非実装面12とを備える。回路基板10には、実装面11及び非実装面12を貫通する貫通孔13が形成されている。
回路基板10は、図示していないが、アルミニウム等の放熱性に優れた材料により形成された金属基板と、前記金属基板上に積層された絶縁層と、前記絶縁層上に積層された銅箔からなる導電層とを備えている。
【0017】
回路基板10の実装面11には、前記導電層の一部として、半田付けのための一対のランド群14G,15Gが配置されている。一対のランド群14G,15Gは、実装面11において貫通孔13を接続部材6の挿入方向X1に挟む両側の位置に配置されている。ランド群14Gは、実装面11上において、挿入方向X1と直交する幅方向Wに並べて配置された多数のランド14を含む。ランド群15Gは、実装面11上において、幅方向Wに並べて配置された多数のランド15を含む。
【0018】
コネクタ1は、コネクタ本体2と、複数のコンタクト3のみで構成される半田付け要素Hと、カバー4と、一対の支持具5とを含む。
コネクタ本体2は、絶縁性材料により形成されている。
図2Bに示すように、コネクタ本体2は、貫通孔13に挿通されており、コネクタ本体2の一部2pが、貫通孔13を挿通して非実装面12側へ突出している。コネクタ本体2の一部2pには、接続部材6が、その一端6e側から非実装面12と平行な挿入方向X1に挿入される挿入空間S1が形成されている。
【0019】
半田付け要素Hである各コンタクト3は、コネクタ本体2に保持されている。また、
図2Aに示すように、各コンタクト3は、実装面11に設けられた対応するランド14,15に半田付けされる。カバー4は、コネクタ本体2と一対の支持具5とによって、回動可能に支持されている(
図7を参照)。
図2Bに示すように、カバー4は、挿入空間S1に挿入された接続部材6をコンタクト3の接触部側へ加圧する機能を果たす。
【0020】
次いで、接続部材6について説明する。
図3Aは、接続部材6の平面図であり、
図3Bは、接続部材6の底面図であり、
図3Cは、接続部材6の側面図である。
図3A〜
図3Cを参照して、接続部材6は、FFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)やFPC(フレキシブル・プリンテッド・サーキット)などのフレキシブルな平形の接続部材である。本実施形態では、接続部材6がFFCである場合に則して説明する。
【0021】
接続部材6は、長手方向Lに延びている。接続部材6は、上面である第1面6aと、下面である第2面6bと、長手方向Lに延びる一対の側縁6cと、長手方向Lの一端6eとを含む。接続部材6は、コネクタ本体2の挿入空間S1(
図2Bを参照)に対して一端6e側から長手方向L(挿入方向X1に相当)に挿入される。
図3A〜
図3Cに示すように、接続部材6は、長手方向Lに延びる絶縁部61と複数の導体部62とを含む。絶縁部61は、接続部材6の厚み方向Tに積層されたベース部63とカバー部64と補強板65と含む。導体部62は、互いの間に長手方向L及び厚み方向Tと直交する幅方向Wに等間隔を隔てて配置されている。カバー部64は、第1面6aにおいて各導体部62の端部が露出するように、ベース部63及び各導体部62を覆っている。
【0022】
補強板65は、ベース部63に対してカバー部64とは反対側に配置されている。補強板65は、ベース部63に対して接続部材6の長手方向Lの一端6eから所定距離までの端部部分に積層され、該端部部分を補強している。
一対の側縁6cには、コネクタ本体2に設けられる抜脱規制突起23b(
図7を参照)に対して挿入方向X1の反対方向である抜脱方向X2に係合する係合部66が設けられている。各係合部66は、一端6eから所定距離離隔した位置に配置されており、各係合部66は、対応する側縁6cに形成された切欠き状の溝部67における、一端6e側の内壁部によって構成されている。溝部67は、カバー部64とベース部63と補強板65とを厚み方向Tに貫通している。
【0023】
図3Aに示すように、複数の導体部62のうち、各側縁6cに隣接する導体部62sは、対応する溝部67によって部分的に狭幅となるように切り欠かれている。すなわち、各導体部62sの一部の幅方向Wの幅が、残りの部分の幅方向Wの幅よりも狭くされている。
図4Aは、コネクタ1の平面図であり、
図4Bは、コネクタ1の底面図である。
図5Aは、コネクタ1の断面図であって、
図4AのVA−VA線に沿って切断された断面図である。
図5Bは、コネクタ1の断面図であって、
図4AのVB−VB線に沿って切断された断面図である。
図6は、コンタクト3の正面図である。
【0024】
次いで、コンタクト3について説明する。
図2Aに示すように、複数のコンタクト3は、挿入方向X1と直交する幅方向Wに並んで配置されている。
図5A及び
図6に示すように、各コンタクト3は、被固定部31と、一対のリード部32,33と、接続部34と、接触部35aを含む第1弾性片部35と、第2弾性片部36とを含む。
被固定部31は、コネクタ本体2に圧入固定される。具体的には、被固定部31は、略矩形板状に形成されており、上部31aと、下部31bと、一対の側部31c,31dとを有している。各側部31c,31dに、圧入によりコネクタ本体2に係止される係止突起31eが設けられている。
【0025】
一対のリード部32,33は、被固定部31の上部31aから、挿入方向X1と平行に(
図2B示すように実装面11と平行に)、互いに逆向きに延びている。各リード部32,33は、被固定部31と接続された基端部32a,33aと、基端部32a,33aの反対側の先端部32b,33bとを含む。先端部32b,33bは、実装面11側に向けて突出する凸部に形成されている。一対のリード部32,33の先端部32b,33bが、実装面11において挿入方向X1に関して貫通孔13の両側で対応するランド14,15に半田付けされて接続されている。
【0026】
接続部34は、被固定部31の側部31c側の下部31bから、側部31cと平行に下方に延びている。接続部34の先端部34aから、第1弾性片部35及び第2弾性片部36が、二股状に分岐されている。第1弾性片部35及び第2弾性片部36は、接続部34を介して被固定部31によって片持ち状に支持されている。
第1弾性片部35は、被固定部31と第2弾性片部36との間に配置されている。第1弾性片部35は、アングル状に形成されて第2弾性片部36と平行に抜脱方向X2に延びている。第1弾性片部35は、先端部又は先端部に近接する位置に、第2弾性片部36側に向けて突出する山形の1ないし複数の接触部35aを有している。
【0027】
第2弾性片部36は、接続部34の先端部34aから、挿入方向X1の反対方向である抜脱方向X2に延びている。第2弾性片部36の先端部36aは、第1弾性片部35の接触部35aと対向している。
次いで、コネクタ本体2について説明する。
図7はコネクタ1の概略斜視図である。
図5A、
図5B及び
図7を参照して、コネクタ本体2は、上壁部21と、下壁部22と、中間壁部23と、一対の後側側壁部24と、後壁部25と、一対の前側側壁部26と、一対の保持壁部27と、開放部28とを含む。
【0028】
上壁部21と下壁部22と中間壁部23とは、挿入方向X1に延びる板状をなしている。中間壁部23は、上壁部21の下方に連続して設けられている。
図7に示すように、中間壁部23は、案内面23aと、一対の抜脱規制突起23bとを含む。案内面23aは、中間壁部23の下面により形成されている。一対の抜脱規制突起23bは、案内面23aの前部であって幅方向Wの両端の位置に下方に突出するように形成された突起である。
【0029】
図5A、
図5B及び
図7に示すように、中間壁部23の下面である案内面23aと下壁部22の上面との間に、挿入空間S1が形成されている。中間壁部23は下壁部22よりも前方側(抜脱方向X2)へ長く形成されている。中間壁部23の前側部分の下方に、開放部28が形成されている。開放部28は、カバー4の回動によって開閉される。
挿入空間S1は、前方に開放されている。後壁部25は、上壁部21から下方に延び中間壁部23の後部と下壁部22の後部とを連結している。後壁部25は挿入空間S1の後方を閉塞している。
【0030】
図8に示すように、各抜脱規制突起23bは、挿入空間S1に挿入された接続部材6の対応する側縁6cの溝部67の係合部66と係合することにより、接続部材6が抜脱方向X2に抜脱されることを規制する。また、コンタクト3において幅方向Wの両端位置に配置された一対のコンタクト3s(
図7も参照)は、対応する抜脱規制突起23bの挿入方向X1側に配置されている。
【0031】
図7に示すように、各後側側壁部24は、上壁部21から下方に延び、中間壁部23の対応する側部と下壁部22の対応する側部とを連結している。一対の後側側壁部24は、挿入空間S1の側方を閉塞している。
図5Aに示すように、上壁部21を下方に貫通する態様で中間壁部23および下壁部22に、各コンタクト3に対応するコンタクト収容部29が形成されている。コンタクト収容部29は、中間壁部23に形成された固定溝29aおよび第1弾性片部収容溝29bと、下壁部22に形成された第2弾性片部収容溝29cとを含む。
【0032】
固定溝29aが、対応するコンタクト3の被固定部31を回路基板10の実装面11側から貫通孔13に挿入可能なように、実装面11と直交する直交方向Vに関して実装面11側に開放されている。コンタクト3の被固定部31の二対の係止突起31eが、固定溝29aの内面に圧入係止される。これにより、被固定部31がコネクタ本体2の固定溝29aに固定される。
【0033】
また、コネクタ本体2は、一対の第1介在部71,81と、一対の第2介在部72,82とを含む。一対の第1介在部71,81は、被固定部31を挿入方向X1に挟んで配置され、互いの間に固定溝29aを形成する。一方の第1介在部71は、コネクタ本体2の後壁部25の一部により形成される。他方の第2介在部72は、中間壁部23の前部の一部により形成される。一対の第2介在部72,82は、一対の第1介在部71,81から実装面11と平行に互いに逆向きに延びる。
【0034】
各第1介在部71,81が、被固定部31と貫通孔13の内周面13aとの間に介在する。また、各第2介在部72,82が、対応するリード部32,33と実装面11における貫通孔13の縁部13bとの間に介在する。これにより、コンタクト3が、実装面11に半田付けされる部分(リード部32,33の先端部32b,33b)以外で、回路基板10を構成する金属基板と接触することが回避され、絶縁性が確保される。
【0035】
第1弾性片部収容溝29bには、第1弾性片部35が収容される。第1弾性片部収容溝29bは、開放部28側と連通されており、自由状態の第1弾性片部35の接触部35aは、第1弾性片部収容溝29bから開放部28側へ突出され、挿入空間S1に臨んでいる。
第2弾性片部収容溝29cは、開放部28側と連通されている。第2弾性片部36の先端部36aは、第2弾性片部収容溝29cから開放部28側に突出し、カバー4と係合されている。
図5A及び
図5Bに示すように、閉じ位置にあるカバー4と中間壁部23との間に、挿入空間S1への挿入路S2が区画形成される。
【0036】
図7に示すように、一対の前側側壁部26は、中間壁部23の前側の一対の側部から下方に延設されている。一対の保持壁部27は、一対の前側側壁部26の延設端26aから互いに近づくように内向きに突出している。
次いで、
図7を参照して、カバー4について説明する。カバー4は、カバー本体41と、一対の支軸42と、一対の突起部43とを含む。カバー本体41は、幅方向Wに長い矩形形状をなす。カバー本体41は、矩形の長辺部である基端部41a及び先端部41bと、内面41cと、外面41dと、一対の側面41eとを含む。
【0037】
カバー本体41の基端部41aに形成された挿通孔41fに、コンタクト3の第2弾性片部36の先端部が挿入されている。
一対の支軸42は、基端部41aにおける一対の側面41eから幅方向Wの両側に突出する円柱軸である。各支軸42は、コネクタ本体2の対応する後側側壁部24と支持具5との保持溝の内面により形成される回動支持部によって、回動可能に支持されている。
【0038】
すなわち、カバー4のカバー本体41は、
図7に示すように、コネクタ本体2の中間壁部23から起立する状態で、開放部28を開放させる。また、カバー4のカバー本体41は、
図5Bに示すように、中間壁部23と略平行になる状態で、開放部28を閉じる。閉じ状態のカバー本体41は、コンタクト3の第2弾性片部36により第1弾性片部35側に付勢される。このため、
図2Bに示すように、接続部材6を第1弾性片部35の接触部35a側に加圧する機能を果たす。
【0039】
本実施形態によれば、回路基板10の実装面11に半田付けされる半田付け要素Hが、複数のコンタクト3のみで構成される。このため、特許文献1で用いられる取付釘が不要となり、構造を簡素化することができる。また、
図5Aに示すように、各コンタクト3において、被固定部31から延びる一対のリード部32,33の先端部32b,33bが、実装面11において挿入方向X1に関して貫通孔13の両側で半田付けされる。このため、回路基板10に対して高い取付強度を達成することができる。
【0040】
また、コネクタ本体2の各固定溝29aが、対応するコンタクト3の被固定部31を実装面11側から貫通孔13に挿入可能なように、実装面11と直交する直交方向Vに関して実装面11側に開放されている。このため、コネクタ1の組立に際してコンタクト3をコネクタ本体2に組み付けるときに、コンタクト3の被固定部31から延びる一対のリード部32,33に邪魔されることなく、被固定部31をコネクタ本体2の固定溝29aに圧入固定することができる。このため、コネクタ1の組立性が向上する。
【0041】
また、絶縁性のコネクタ本体2に設けられた第1介在部71,81と第2介在部72,82とによって、コンタクト3が、回路基板10の実装面11に半田付けされる部分(リード部32,33の先端部32b,33b以外で、回路基板10を構成する金属基板と接触することが回避される。これにより、金属基板に対する絶縁性を確保することができる。
【0042】
また、
図7及び
図8に示すように、複数のコンタクト3において幅方向Wの両端位置に配置された一対のコンタクト3sは、対応する抜脱規制突起23bの挿入方向X1側に配置されている。このため、スペースの有効利用を図り且つ取付強度を向上することができる。
(第2実施形態)
図9Aは、本発明の第2実施形態のコネクタ1Pの概略平面図である。
図9Bは、コネクタ1Pの断面図であって、
図9AのIXB−IXB線に沿って切断された断面図である
図9Cは、コネクタ1Pの断面図であって、
図9AのIXC−IXC線に沿って切断された断面図である。
【0043】
図9A〜
図9Bを参照して、第2実施形態のコネクタ1Pが第1実施形態のコネクタ1と主に異なるのは、下記である。すなわち、コネクタ1Pでは、半田付け要素Hを構成するコンタクトが、挿入方向X1と直交する幅方向Wに交互に配置された第1コンタクト3Qと第2コンタクト3Rとを含む。
第1コンタクト3Qが、コネクタ本体2に固定された第1被固定部31Qと、第1被固定部31Qから挿入方向X1及び抜脱方向X2の一方(本実施形態では、抜脱方向X2)に延びる第1リード部32Qとを含む。第1コンタクト3Qは、コネクタ本体2に対して挿入方向X1に沿って組み付けられる。
【0044】
第2コンタクト3Rが、コネクタ本体2に固定された第2被固定部31Rと、第2被固定部31Rから第1リード部32Qとは反対方向である挿入方向X1に延びる第2リード部32Rとを含む。第2コンタクト3Rは、コネクタ本体2に対して抜脱方向X2に沿って組み付けられる。
第1リード部32Qの先端部32Qbと第2リード部32Rの先端部32Qbとが、実装面11において挿入方向X1に関して貫通孔13の両側に互い違いに半田付けされる。
【0045】
図9A〜
図9Cの第2実施形態の構成要素において、第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、共通の参照符号が付されている。
第2実施形態によれば、回路基板10の実装面11に半田付けされる半田付け要素Hが、複数のコンタクト3Q,3Rのみで構成されるので、構造を簡素化することができる。また、複数のコンタクトが、挿入方向X1と直交する幅方向Wに交互に配置された第1コンタクト3Q及び第2コンタクト3Rを含み、また、第1コンタクト3Qの第1リード部32Qの先端部32Qbと第2コンタクト3Rの第2リード部32Rの先端部32Rbとが、実装面11において挿入方向X1に関して貫通孔13の両側に互い違いに半田付けされる。このため、回路基板10に対して高い取付強度を達成することができる。
【0046】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、図示していないが、接続部材6の側縁6cに隣接する導体部62sが、抜脱規制突起23bの挿入方向X1側に回り込むようにクランク状に形成されてもよい。また、抜脱規制突起23bの挿入方向X1側にコンタクトが配置されなくてもよい。その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。