【解決手段】可動軸31の下端に接続されると共に可動軸31の径方向に延びる第1アーム部60と、その第1アーム部60の延設先端側に接続され上方に延びる第2アーム部61と、その第2アーム部61の延設先端側に接続され可動軸31の径方向に延びる第3アーム部62と、を有するアーム6を備えるので、可動軸31の軸Oから偏心した位置であって、可動軸31の下端よりも上方側に第3アーム部62を配設できる。よって、その分、スイッチ103(基板)も筐体101の上板101a側に近づけて配設することができるので、上下方向においてスイッチ装置1(効果装置100)を小型化できる。また、可動軸31が復帰ばね4によって上方に付勢されるので、可動軸31を押圧した際の感触を得ることができる。
スイッチと、筐体と、その筐体に対して移動すると共に前記スイッチを押圧するための可動軸と、その可動軸の軸方向一端側に向けて前記可動軸を付勢する弾性部材と、を備えるスイッチ装置において、
前記可動軸の軸から偏心した位置で前記スイッチを押圧するためのアームを備えることを特徴とするスイッチ装置。
前記アームは、前記可動軸の軸方向他端側に接続されると共に前記可動軸の径方向に延びる第1アーム部と、その第1アーム部の延設先端側に接続され前記軸方向一側に延びる第2アーム部と、その第2アーム部の延設先端側に接続され前記軸方向視において前記第1アーム部に重ならない方向であって前記可動軸の径方向または周方向に延びる第3アーム部と、を備え、
前記被ガイド部は、前記第2アーム部に形成されると共に前記軸方向に沿って延設されることを特徴とする請求項3記載のスイッチ装置。
前記軸方向視において、前記第3アーム部によるスイッチの押圧位置は、凸状の前記ガイド部または前記被ガイド部の突出方向と前記可動軸とを結ぶ仮想線からずれた位置に設定されることを特徴とする請求項4記載のスイッチ装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、スイッチ装置1及び効果装置100の構成について説明する。
図1(a)は、第1実施形態におけるスイッチ装置1が配設される効果装置100の部分拡大斜視図であり、
図1(b)は、
図1(a)の矢印Ib方向視における効果装置100の部分拡大上面図である。なお、
図1では、図面を簡素化するために、効果装置100の一部を省略して模式的に図示している。
【0011】
図1に示すように、効果装置100は、電子楽器(本実施形態では、電気ギター)から出力される楽音信号に効果を付与し、図示しない外部装置(例えば、アンプやスピーカ)に出力するための楽音生成装置である。効果装置100は、図示しない操作子(例えば、回転つまみやフットペダル)やスイッチ装置1を備え、それら操作子およびスイッチ装置1によって各種の設定(例えば、楽音信号の出力レベルの設定、効果のオン/オフの設定、付与する効果のタイプの設定等)が行われる。
【0012】
操作子やスイッチ装置1は、効果装置100の筐体101の上面(操作パネル)に配設され、スイッチ装置1は、筐体101の幅方向(
図1(b)の左右方向)に沿って複数(本実施形態では、4個)配設される。効果装置100は、床に載置された状態で使用され、スイッチ装置1は、演奏者が電子楽器を演奏しながら足で操作する(踏み込む)フットスイッチとして構成される。
【0013】
筐体101は、その上面を構成する上板101aと、その上板101aの下方に対向配置される下板101bと(
図2参照)、それら上板101a及び下板101bの外縁どうしを接続する側板101cと、を備え、筐体101の内部にはスイッチ装置1や基板102を配設するための空間が形成される。基板102は、筐体101の上板101aから下方に垂下される締結部101dの下端にボルト(図示せず)によって固定される。
【0014】
即ち、図示は省略するが、基板102は、締結部101dに固定されることで上板101aにぶら下げられた状態で配設される。なお、締結部101dを下板101bから上方に突出させて下板101bに基板102を固定する構成でも良い。
【0015】
次いで、
図2を参照して、スイッチ装置1の詳細構成について説明する。
図2(a)は、
図1(b)のIIa−IIa線における効果装置100の部分拡大断面図であり、
図2(b)は、
図2(a)のIIb−IIb線における効果装置100の部分拡大断面図である。なお、
図2(a)では、図面を簡素化するために、締結部101d(
図1(b)参照)の図示を省略している。また、
図2(a)では、理解を容易にするために、筒部20に対する可動軸31の遊びを誇張して図示しており、
図2以降の図面においても同様とする。
【0016】
図2に示すように、スイッチ装置1は、上板101aの上下に貫通する貫通孔101eに固定される。スイッチ装置1は、貫通孔101eに係止される枠体2と、その枠体2に挿通されると共に枠体2に対して相対変位する操作部材3と、その操作部材3を上方(軸O方向一端側)に付勢する復帰ばね4と、操作部材3の下端側(軸O方向他端側)に設けられる止め輪5と、その止め輪5よりも下方であって操作部材3の下端にボルトBによって固定されるアーム6と、そのアーム6や枠体2を取り囲む態様で配設されるガイド部材7と、を備える。
【0017】
なお、以下の説明において、枠体2の軸O(即ち、操作部材3が踏み込まれる前の初期状態における可動軸31の軸O)と直交する方向を「径方向」、軸O周りの方向を「周方向」と記載して説明する。
【0018】
枠体2は、筒状の筒部20と、その筒部20の上端から径方向外側に張出す第1係止部21と、筒部20の下端から径方向内側に張り出す第2係止部22と、を備え、金属材料を用いて形成される。筒部20の外径は、貫通孔101eの内径と同一(若しくは、若干小さく)設定され、その外周面におねじが形成される。貫通孔101eの上端側の開口部分に第1係止部21を係止させた状態で、ナットNが筒部20の外周面に螺着されることにより、上板101aに枠体2(ガイド部材7)が固定される。
【0019】
第2係止部22の内径は、復帰ばね4の直径よりも小さい寸法に設定され、第2係止部22の上面に復帰ばね4が支持される。復帰ばね4は、コイルばねを用いて構成され、操作部材3の下方への変位が復帰ばね4によって初期位置に復帰される。
【0020】
操作部材3は、その上端側の部位であって演奏者によって踏み込まれる円柱状の操作部30と、その操作部30から下方に延設される可動軸31と、を備え、金属材料を用いて形成される。
【0021】
操作部30の外径は、筒部20の内径よりも大きい寸法に設定され、枠体2に対する操作部材3の下方への相対変位は、操作部30が筒部20の上面に当接することによって規制される。
【0022】
可動軸31は、その上端側の部位を構成する大径部と、その大径部から下方に延設される小径部とから構成され、下端が開放される筒状に形成される。可動軸31の大径部の外径は、筒部20の内径よりも僅かに(例えば、0.5mm)小さく設定され、可動軸31の小径部の外径は、第2係止部22の内径よりも僅かに(例えば、0.5mm)小さく設定される。即ち、可動軸31は、筒部20に対して遊びを有した状態で挿通される。
【0023】
可動軸31の大径部の下面と第2係止部22の上面との間(即ち、可動軸31の小径部の外周面と筒部20の内周面との間)に復帰ばね4が配設される。これにより、操作部材3の操作部30が演奏者によって踏み込まれると、可動軸31の大径部と第2係止部22との間で復帰ばね4が弾性的に変形し、踏み込みが解除されると復帰ばね4の弾性回復力によって操作部材3が初期状態に戻るように付勢される。
【0024】
可動軸31の小径部の下端側には、周方向に沿って軸Oに向けて凹設される凹部が形成され、かかる凹部に止め輪5が嵌め込まれる。止め輪5は、初期状態において筒部20の下面に当接した状態で配設されるEリングであり、枠体2から操作部材3が上方側に抜け落ちることが止め輪5によって規制される。
【0025】
可動軸31の内周面にはめねじが形成され、可動軸31の内周面にボルトBが螺着されることにより、アーム6が可動軸31の下端に固定される。
【0026】
アーム6は、基板102に実装されるスイッチ103を押圧するための部材であり、樹脂材料を用いて形成される。アーム6は、可動軸31の下端から径方向に延びる第1アーム部60と、その第1アーム部60の延設先端(径方向外側の端部)に接続されると共に上方に延びる第2アーム部61と、その第2アーム部61の上端に接続されると共に径方向外側に延びる第3アーム部62と、を備え、各アーム部がそれぞれ平板状に形成される。
【0027】
第3アーム部62は、スイッチ103を押圧するための部位であり、スイッチ103と上下に対向配置される。第3アーム部62の下面には、スイッチ103を押圧する直方体状の押圧部62aが設けられ、押圧部62aは、ゴム状弾性体を用いて形成される。
【0028】
第1アーム部60が可動軸31の下端から径方向に延びるので、その第1アーム部60に接続される第2アーム部61及び第3アーム部62を軸Oから偏心した位置(ずれた位置)に配設することができる。よって、軸O方向でスイッチ103と可動軸31とが対向配置される場合に比べ、スイッチ103(基板102)を上板101a側に近づける(スイッチ103が押圧される位置(スイッチ103の上端)を可動軸31の下端よりも上方に配設する)ことができるで、軸O方向においてスイッチ装置1(効果装置100)を小型化することができる。
【0029】
更に、可動軸31が復帰ばね4によって上方側に付勢されるので、可動軸31を押圧した際の感触を得ることができる。よって、可動軸31を押圧した際の感触を得ることと、スイッチ装置1(効果装置100)の小型化との両立を図ることができる。
【0030】
また、第1アーム部60の延設先端から第2アーム部61が上方に延びるので、第2アーム部61の上端に接続される第3アーム部62(押圧部62a)を、極力上板101a側に近づけることができる。よって、スイッチ103(基板102)をより上板101a側に近づけることができるで、軸O方向においてスイッチ装置1(効果装置100)を小型化することができる。
【0031】
ガイド部材7は、筒部20の外径と同一の(若しくは、若干小さい)内径の貫通孔を有する矩形の上板部70と、その上板部70の外縁から下方に垂下する側板部71と、を備え、樹脂材料を用いて形成される。
【0032】
上板101aの貫通孔101eに枠体2が係止された状態では、筒部20は上板101aよりも下方に突出しており、その筒部20の突出部分に上板部70の貫通孔が嵌め込まれる。筒部20に上板部70の貫通孔が嵌め込まれた状態で、筒部20の外周面にナットNが螺着されることにより、ガイド部材7が枠体2と共に上板101aに固定(共締め)される。
【0033】
ガイド部材7の側板部71のうち、第3アーム部62の延設先端と径方向で対向する側板部71の内面には、ガイド部72が形成される。第3アーム部62の延設先端には、ガイド部72と係合可能に構成される被ガイド部63が形成される。
【0034】
ガイド部72は、径方向外側に向けて凹む凹溝として構成され、軸O方向に延設される。被ガイド部63は、径方向外側に向けて凸状の突起として構成され、被ガイド部63とガイド部72との係合によってアーム6の軸O方向での変位が案内される。
【0035】
次いで、
図3を参照して、スイッチ装置1が演奏者によって踏み込まれた場合について説明する。
図3は、
図2(a)の状態からスイッチ装置1が踏み込まれた状態を示す効果装置100の部分拡大断面図である。
【0036】
図3に示すように、操作部材3の操作部30が演奏者の足によって踏み込まれると、復帰ばね4の付勢力に抗して可動軸31が筒部20に対して相対的に変位する(操作部材3が下方に変位する)。可動軸31の下端にはアーム6が固定されるので、アーム6も可動軸31と一体的に変位し、押圧部62aによってスイッチ103が押圧される。
【0037】
このアーム6の下方への変位は、被ガイド部63とガイド部72との係合(摺動)によって案内される。この場合、被ガイド部63とガイド部72とが径方向に凸状および凹状に形成されるので、軸O周りにおける可動軸31の回転を被ガイド部63とガイド部72との係合によって規制することができる。即ち、アーム6の変位を案内する機能と、可動軸31の回転を規制する機能とを被ガイド部63及びガイド部72に兼用させることができる。
【0038】
第3アーム部62の押圧部62aによるスイッチ103の押圧位置は、軸Oから偏心した位置であるため、押圧部62aによってスイッチ103が押圧されると、可動軸31が軸Oに対して傾倒する方向(こじり方向)にスイッチ103からの反力が作用する。この時、可動軸31が遊びを有した状態で筒部20に挿通されているので、かかる反力によって可動軸31を筒部20の内部で傾倒させることができる。この可動軸31の傾倒によってアーム6も傾倒するので、アーム6(押圧部62a)によるスイッチ103の押圧時に、スイッチ103に加わる負荷を低減できる。よって、演奏者が操作部30を強く踏み込んでも、スイッチ103が破損することを抑制できる。
【0039】
ここで、スイッチ装置1は、筐体101の幅方向に沿って複数並設されるフットスイッチから構成される(
図1参照)。よって、演奏者の足による操作性を確保するために(足で1個のスイッチ装置1を踏み込めるように)、スイッチ装置1どうしが所定の間隔(例えば、65mm以上)を隔てて配設される。この場合、例えば、スイッチ103が可動軸31と軸O方向で対向配置される構成であると、スイッチ装置1の可動軸31の下方に基板102を配設する必要があるため、スイッチ装置1の並設方向で基板102を比較的長く形成する必要がある。
【0040】
これに対して、本実施形態では、第3アーム部62(押圧部62a)を軸Oから偏心した位置に配設することができるので、第3アーム部62をスイッチ装置1どうしの対向間に配設する(スイッチ装置1どうしの対向間に向けて第1アーム部60や第3アーム部62を延設させる)ことにより、複数のスイッチ装置1の並設方向において基板102を小型化することができる。
【0041】
更に、アーム6が可動軸31の径方向に延設される(第1アーム部60や第3アーム部62の延設方向でスイッチ装置1が大型化する)場合でも、比較的スペースに余裕があるスイッチ装置1どうしの対向間に向けてアーム6を延設させることにより、筐体101内のスペースを効率良く利用することができる。
【0042】
また、アーム6が可動軸31にボルトBで固定され、可動軸31に対してアーム6が着脱可能に構成されるので、基板102の設計変更等でスイッチ103の配設位置に変化が生じても、アーム6の形状を適宜変更する(軸Oとスイッチ103との位置関係に対応する形状にする)ことにより、アーム6によってスイッチ103を押圧することができる。よって、スイッチ103の配設位置の自由度が増すので、効果装置100の設計の自由度が向上する。
【0043】
この場合、例えば、ガイド部(ガイド部72に相当する構成)を筐体101の上板101aと一体的に形成する構成では、アーム6の形状が変更されると、筐体101自体の形状を変更する必要がある。
【0044】
これに対して、本実施形態では、ガイド部材7(ガイド部72を備えるもの)が枠体2に対して着脱自在に構成されるので、アーム6の形状が変更された場合でも、そのアーム6の形状(被ガイド部63の配設位置)に合わせてガイド部材7の形状を変更すれば良い。即ち、スイッチ103の配設位置(アーム6の形状)を変更しても、筐体101の形状を変更することを不要にできる。
【0045】
次いで、
図4を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、第2アーム部61の上端から径方向に向けて第3アーム部62が延設される場合を説明したが、第2実施形態では、第2アーム部261の上端から周方向に向けて第3アーム部262が延設される場合について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0046】
図4(a)は、第2実施形態における効果装置200の部分拡大断面図であり、
図4(b)は、
図4(a)のIVb−IVb線における効果装置200の部分拡大断面図である。
【0047】
図4に示すように、第2実施形態の効果装置200は、基板102の形状やスイッチ103の配設位置が異なる点を除き、第1実施形態の効果装置200と同一の構成とされ、スイッチ装置201は、アーム206及びガイド部材207の構成が異なる点を除き、第1実施形態のスイッチ装置1と同一の構成とされる。
【0048】
スイッチ装置201のアーム206は、可動軸31の下端から径方向に延びる平板状の第1アーム部260と、その第1アーム部260の延設先端(径方向外側の端部)に接続されると共に上方に延びる柱状の第2アーム部261と、その第2アーム部261の上端に接続されると共に周方向に延びる第3アーム部262と、を備える。
【0049】
第2アーム部261の径方向外側の外面(ガイド部72と径方向で対向する面)には、被ガイド部263が軸O方向に沿って延設される。被ガイド部263は、径方向外側に向けて凸状に形成され、ガイド部72と係合可能に構成される。
【0050】
第3アーム部262は、第2アーム部261の上端から上昇傾斜する傾斜部と、その傾斜部から周方向に延びる延設部と、から構成される。第3アーム部262の延設部の下面に押圧部62aが設けられ、スイッチ103と押圧部62aが軸O方向で対向配置される。
【0051】
第1アーム部260が可動軸31の下端から径方向に延び、その第1アーム部260の延設先端から第2アーム部261が上方に延びるので、第3アーム部262(押圧部62a)を可動軸31の下端よりも上方側に位置させることができる。よって、軸O方向でスイッチ103と可動軸31とが対向配置される場合に比べ、スイッチ103(基板102)を上板101a側に近づけることができるで、軸O方向においてスイッチ装置201(効果装置200)を小型化できる。
【0052】
更に、可動軸31が復帰ばね4(
図3参照)によって上方側に付勢されるので、可動軸31を押圧した際の感触を得ることができる。よって、可動軸31を押圧した際の感触を得ることと、スイッチ装置201(効果装置200)の小型化との両立を図ることができる。
【0053】
ガイド部材207は、第3アーム部262を収容する貫通孔273が上板部270に形成される点を除き、第1実施形態のガイド部材7と同一の構成とされる。
【0054】
上板部270に形成される貫通孔273に第3アーム部262が収容されるので、ガイド部材207が枠体2と共に上板101aに共締めされる(アーム206と上板101aとの間に上板部270が介設される)場合でも、第3アーム部262を極力上板101a側に配設することができる。よって、その分、スイッチ103(基板102)を上板101a側に近づけることができるので、軸O方向においてスイッチ装置201(効果装置200)を小型化することや、スイッチ103(基板102)の下方に他の部材を配設することができる。
【0055】
次いで、
図5(a)を参照して、スイッチ装置201が演奏者によって踏み込まれた場合について説明する。
図5(a)は、
図4(b)の状態からスイッチ装置201が踏み込まれた状態を示す効果装置200の部分拡大断面図である。
【0056】
図5(a)に示すように、操作部材3の操作部30が演奏者の足によって踏み込まれると、操作部材3と共にアーム206が下方に変位するので、押圧部62aによってスイッチ103が押圧される。
【0057】
このように、スイッチ103の配設位置が変化しても、押圧部62aが軸O方向でスイッチ103と対向配置されるようにアーム206の形状を適宜変更することで、押圧部62aによってスイッチ103を押圧させることができる。よって、スイッチ103の配設位置の自由度が増すので、効果装置200の設計の自由度が向上する。
【0058】
このアーム206の下方への変位は、被ガイド部263とガイド部72との係合(摺動)によって案内される。被ガイド部263とガイド部72とが径方向に凸状および凹状に形成されるので、第1実施形態と同様、アーム206の変位を案内する機能と、可動軸31の回転を規制する機能とを被ガイド部263及びガイド部72に兼用させることができる。
【0059】
また、上下に延設される第2アーム部261の側面を利用して被ガイド部263を形成することにより、第1実施形態の被ガイド部63に比べ、被ガイド部263を軸O方向で比較的長く形成することができる。これにより、被ガイド部263とガイド部72とを比較的長い寸法で係合させることができるので、アーム206の変位を安定してガイドすることができる。
【0060】
押圧部62aによってスイッチ103が押圧されると、スイッチ103からの反力がアーム206に作用し、可動軸31の遊びの分、可動軸31及びアーム206が傾倒しようとするが、本実施形態では、その過剰な傾倒が被ガイド部263及びガイド部72の係合によって規制される。
【0061】
ここで、
図5(b)を参照して、被ガイド部263及びガイド部72の係合位置と、押圧部62aによるスイッチ103の押圧位置Pと、軸Oとの位置関係について説明する。
図5(b)は、軸O方向視におけるアーム206の概略形状を示した模式図である。
【0062】
図5(b)に示すように、第3アーム部262が第2アーム部261から周方向に延設されることにより、押圧部62aによるスイッチ103の押圧位置Pは、被ガイド部263の突出方向(被ガイド部263とガイド部72との係合部分の周方向中心位置)と軸Oとを結ぶ仮想線Vに対して周方向に偏心した位置となる。
【0063】
これにより、スイッチ103からの反力がアーム206に作用すると、
図5(a)に示すように、被ガイド部263が周方向(矢印D方向)に傾倒しようとするが、軸O方向に沿って係合する被ガイド部263及びガイド部72によってかかる傾倒が規制される。即ち、被ガイド部263及びガイド部72どうしの周方向における僅かな隙間(例えば、0.5mm)の分、被ガイド部263の傾倒は許容されるが、それ以上に(過剰に)被ガイド部263が傾倒することを抑制できる。
【0064】
よって、スイッチ103の押圧時に可動軸31及びアーム206を傾倒させてスイッチ103に加わる負荷を低減しつつ、可動軸31及びアーム206が過剰に傾倒することを抑制することができる。従って、スイッチ103が破損することを抑制しつつ、スイッチ103の押圧動作に不具合(例えば、押し込み不良)が生じることを抑制できる。
【0065】
以上、上記実施形態に基づき説明をしたが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0066】
上記各実施形態では、スイッチ装置1,201が設けられる楽音生成装置の一例として効果装置100,200を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電子楽器(例えば、電子ピアノ)等の他の楽音生成装置においても、スイッチ装置1,201の技術思想を適用できる。
【0067】
上記各実施形態では、スイッチ装置1がフットスイッチとして構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、スイッチ装置1,201が指で押し込まれるタイプのスイッチ装置として構成されても良い。
【0068】
上記各実施形態では、効果装置100,200にスイッチ装置1,201が4個配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、効果装置100,200にスイッチ装置1,201が1個配設される構成や2個以上配設される構成でも良い。
【0069】
上記各実施形態では、アーム6,206の第1アーム部60,260が径方向に沿って(直線状に)延び、第2アーム部61,261が軸O方向に沿って(直線状に)延びる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直線状や曲線状のアーム部を組み合わせてアームを形成しても良い。
【0070】
即ち、軸Oから偏心した位置であって、可動軸31の下端よりも上方に第3アーム部62,262を位置させると共に、第3アーム部62,262が他の部材に干渉しない(第3アーム部62,262をスイッチ103と対向配置できる)ものであれば、アームの形状は適宜設定できる。
【0071】
よって、例えば、アームが径方向に直線状に形成される(第1アーム部60,260のみを備える)構成でも良い。この場合には、可動軸31の下端よりも上方側にアームを接続すれば良い。これにより、アーム(第1アーム部60,260)によって軸Oから偏した位置でスイッチ103を押圧することができるので、スイッチ103を可動軸31の下端よりも上方に位置させることができる。
【0072】
上記各実施形態では、枠体2を介して可動軸31が筐体101に挿通され、枠体2と可動軸31との間に配設される復帰ばね4によって可動軸31が付勢される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。少なくとも筐体101に対して可動軸31が上方に相対変位するように付勢される構成であれば、枠体2等の他の部材を省略することは当然可能であり、復帰ばね4の配設位置も適宜設定できる。
【0073】
即ち、スイッチが内部に配設される筐体と、その筐体に対して相対変位する可動軸と、その可動軸を上方に付勢する弾性部材と、を少なくとも備えるスイッチ装置や効果装置であれば、上記各実施形態の技術思想を適用できる。よって、上記各実施形態では、効果装置100,200が筐体101を備えるものとして説明をしたが、スイッチ装置1,201が筐体を備え、その筐体にスイッチ103が配設される構成でも良い。
【0074】
また、例えば、枠体2を省略して可動軸31を筐体101(上板101a)の貫通孔101eに直接挿通させる構成でも良い。この場合にも、貫通孔101eや可動軸31の直径を適宜設定し、貫通孔101eに対して遊びを持たせた状態で可動軸31を挿通させることが好ましい。これにより、スイッチ103の押圧時に可動軸31(アーム)を傾倒させることができる。
【0075】
上記各実施形態では、筒部20に対する可動軸31の遊びの寸法について、可動軸31の大径部の外径が筒部20の内径よりも0.5mm小さく設定され、可動軸31の小径部の外径が第2係止部22の内径よりも0.5mm小さく設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、かかる寸法関係は、適宜設定できる。即ち、アーム6,206によるスイッチ103の押圧動作に不具合が生じない程度に可動軸31に遊びを持たせれば良い。また、可動軸31が傾倒しないように(筒部20に対して摺動可能な範囲で)可動軸31に遊びを持たせない構成でも良い。
【0076】
上記各実施形態では、可動軸31の遊びによってスイッチ103の押圧時に可動軸31及びアーム6,206を傾倒させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スイッチ103の押圧時に、スイッチ103からの反力によって弾性的に変形できる程度の剛性でアーム6,206を形成し、スイッチ103に加わる負荷をアーム6,206の変形によって低減させる構成でも良い。
【0077】
上記実施形態では、被ガイド部63,263が径方向に凸状に形成され、ガイド部72が径方向に凹状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、被ガイド部63,263が径方向に凹状に形成され、ガイド部72が径方向に凸状に形成される構成でも良い。
【0078】
また、例えば、第1実施形態の第2アーム部61及び第3アーム部62の周方向を向く両側面を挟持する態様の壁部をガイド部材7の上板部70から垂下させる構成でも良い。この構成の場合には、第2アーム部61及び第3アーム部62が被ガイド部に相当し、ガイド部材7の壁部がガイド部に相当する。また、ガイド部材7,207を省略し、ガイド部72に相当する構成を筐体101の上板101aから垂下させる構成でも良い。
【0079】
上記各実施形態では、操作部材3(可動軸31)を上方に付勢する弾性部材として、コイルばねを用いて構成される復帰ばね4を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作部材3を上方に付勢できるものであれば、他の弾性部材(例えば、板ばね等)を用いても良い。
【0080】
上記各実施形態では、枠体2から操作部材3が抜け落ちることを止め輪5によって規制する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、止め輪5を省略し、第1アーム部60,260に止め輪5の機能を兼用させても良い。これにより、部品点数が低減する。