【解決手段】そのような演算回路の一例は、アナログ−デジタル変換器(ADC)のサブADCユニットであり、それは、入力アナログ信号のサンプルを代表的なデジタル値に変換するために1つ以上のそのようなサブADCユニットを用いる。複数のサブADCユニットがある場合に、それらは夫々が、入力アナログ信号のサンプルを代表的なデジタル値に変換し得る。それらはまた、それらの(サンプルからデジタル値への)変換レートが、サブADCユニットの数の倍率で全体のサンプルレートよりも低くなるように、タイムインターリーブ方式で動作し得る。
前記演算ユニットは、異なる演算ユニットがそれらの各々の一連のN個の演算において同じ時点で異なる段階にあるように、タイムインターリーブ方式でそれらの各々の一連の演算を実行するよう構成される、
請求項3乃至6のうちいずれか一項に記載の半導体集積回路。
前記N個の演算の夫々は、お互いに異なる第1乃至第Nの雑音注入レベルの中の対応する雑音注入レベルを有し、各雑音注入レベルは、関連する演算が関連する局所的基準ノードでの用いられる基準信号に注入する雑音のレベルであり、
任意に、X番目の雑音注入レベルは、2からNまでのXの各値についてX−1番目の雑音注入レベルよりも低い、
請求項3乃至8のうちいずれか一項に記載の半導体集積回路。
Nが2以上の整数であるとして、演算回路、スイッチング回路及び第1乃至第Nの局所的基準ノードを有し、前記演算回路が、対応する基準信号に夫々依存した一連の第1乃至第Nの演算を実行するよう動作可能であり、前記N個の演算の夫々が、お互いに異なる第1乃至第Nの耐雑音性レベルの中の対応する耐雑音性レベルを有する、演算ユニットと、
前記N個の局所的基準ノードで第1乃至第Nの各々の別個の基準信号を供給するよう接続された基準レギュレーション回路と、
制御回路と
を有し、
Xは、1からNをとる整数変数であり、
前記制御回路は、前記演算ユニットのために、その演算回路がそのX番目の演算のための基準信号としてそのX番目の局所的基準ノードで供給されるX番目の基準信号を用いるようにその演算回路をその局所的基準ノードへ選択的に接続するよう、前記N個の演算が実行される場合にそのスイッチング回路を制御するよう構成され、
各耐雑音性レベルは、関連する演算が許容することができる前記用いられる基準信号における雑音のレベルである、
半導体集積回路。
Nが2以上の整数であるとして、演算回路、スイッチング回路及び第1乃至第Nの局所的基準ノードを有し、前記演算回路が、対応する基準信号に夫々依存した一連の第1乃至第Nの演算を実行するよう動作可能である、演算ユニットと、
前記N個の局所的基準ノードで第1乃至第Nの各々の基準信号を供給するよう接続された基準レギュレーション回路と、
制御回路と
を有し、
Xは、1からNをとる整数変数であり、
前記制御回路は、前記演算ユニットのために、その演算回路がそのX番目の演算のための基準信号としてそのX番目の局所的基準ノードで供給されるX番目の基準信号を用いるようにその演算回路をその局所的基準ノードへ選択的に接続するよう、前記N個の演算が実行される場合にそのスイッチング回路を制御するよう構成され、
前記一連の演算は、Xが1からNまで大きくなる順序で前記N個の演算を実行することを含み、
前記スイッチング回路は、前記演算回路の基準信号入力ノードを前記第1乃至第Nの局所的基準ノードへ夫々接続する第1乃至第Nのスイッチを有し、
1からN−1までのXの各値について、前記制御回路は、X番目のスイッチをオンして、X番目の演算のためにX番目の局所的基準ノードで供給される基準信号を前記演算回路の前記基準信号入力ノードに供給し、次いで、前記X番目のスイッチをオフし且つX+1番目のスイッチをオフして、X+1番目の演算のためにX+1番目の局所的基準ノードで供給される基準信号を代わりに前記演算回路の前記基準信号入力ノードに供給するよう構成され、
前記スイッチは、1からN−1までのXの各値について、前記X番目のスイッチがオフされ且つ前記X+1番目のスイッチがオンされる場合に、前記基準ノードから前記演算回路の前記基準信号入力ノードに注入される電荷の正味量を制限する又は最小限にする又は0まで減らすように、お互いに対してサイジングされる、
半導体集積回路。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ADC回路の実行例を続けると、
図1は、本発明の実施形態が用いられ得る状況の着想を与えるADC回路1の概略図である。ADC回路1は、サンプル段2と、サブADC段4と、出力段6と、大域的基準生成(レギュレーション)ユニット8とを有する。
【0023】
サンプル段2は、アナログ入力信号を受信し、その入力信号から一連のサンプルを生成し、それらをサブADC段4へ供給するよう構成される。サブADC段4は、サンプルを代表デジタル値に変換し、それらのデジタル値を出力段6へ出力するよう構成される。出力段6は、それらのデジタル値に基づくデジタル出力信号を出力するよう構成される。
【0024】
サブADC段4は、複数のサブADCユニット10を有する。複数のサブADCユニット10は全体的に、サンプルからデジタル値を生成する。上述されたように、そのようなサブADCユニット10は、夫々が基準信号、この場合には電圧基準信号を必要とする。それと各サンプル(アナログ入力信号を構成する。)が、対応する代表デジタル値を生成するために比較される。大域的基準生成(レギュレーション)ユニット8は、基準信号を生成し、それを、図示されるように、大域的基準グリッド12を介してサブADCユニット10へ分配するよう構成される。
【0025】
サブADCユニット10は、ここではSARサブADCユニット10であり、よって、一連のサブ変換演算に基づきそれらのデジタル値の夫々を生成する。更に、サブADCユニット10は、タイムインターリーブ方式で動作するよう構成される。それにより、サンプルは、循環順序で1つずつサブADCユニット10へ供給される。
図1に示される例では、3つの行及び4つの列を備えたグリッド構造で配置された12個のサブADCユニット10が存在するが、これは当然に略図であり、サブADCユニット10は整数個であればいくつでも設けられてよい。タイムインターリーブは、よって、サンプルが各行に沿って1つずつサブADCユニット10へ供給され、1つずつ行を通って機能し、そして最初に戻るように編成されてよい。
【0026】
全体のアナログ−デジタル変換は、よって、サブADCユニット10が、タイムインターリーブ方式ででも、並行して有効に動作することにより、分配される(後述される
図3に関連して更に明らかになるだろう。)。サブADCユニット10は、大域的基準グリッド12を介して供給される同じ基準信号を共有する。当然、
図1に示されるグリッド構造は一例であり、サブADCユニット10は、代わりに、グリッドよりもむしろ、対応する大域的基準線を有して単一線において配置されてよい。本願における語「グリッド」は、そのような単一線を包含すると考えられている。
【0027】
上述されたように、基準信号における雑音は、ADCデジタル出力値、ひいては全体的なADC性能に悪影響を及ぼす可能性がある。本発明者らは、そのような大域的基準生成(レギュレーション)ユニット8によって生成された基準信号がデカップリング及び補償回路を通じて可能な限り“クリーン”(無雑音)のまま保たれ得ると考えている。
【0028】
しかし、本発明者らは、基準信号における雑音の問題を更に検討し、改善されたノイズ性能を提供する技術の組を発明した。
【0029】
それらの技術をより良く理解するために、
図2は、SARサブADCユニット10が如何にして動作するかを概略的に理解するために有用な概略図である。サンプルは電流パルスとして、すなわち、代表デジタル値に変換されるべきアナログ値を構成するパルスのサイズ(パルスが保持する電荷の量)により、供給される。
【0030】
一例として、そのようなサブADCユニット10は、
図2に示されるように、リセット(Reset)(R);サンプル(Sample)(S);1;2;3;4;5;6;7;8の形のサブ変換演算(フェーズ/ステップ)の周期を有してよい。夫々のサンプルサブ変換演算において、関連する電流パルスは、対応する電圧に変換されてよく(それにより、電圧は、その場合に、アナログ値を構成する。)、その後に、その電圧は、続く8回のSARサブ変換演算にわたって8ビットデジタル値に変えられ得る。次のリセットサブ変換演算は、次いで、次の現在のパルスのために回路を準備する。
【0031】
サブ変換演算は、二分探索を実装してよい。二分探索では、探索空間(例えば、0から255)は、最終8ビット値に達するまで毎回2によって制限される。そのような二分探索において、演算は、比2によって次から次へと重み付けされる(例えば、一部の演算は、相対重み32、16、8、4、2、1を有する。)。
【0032】
しかし、サブ変換演算は、非二分探索を実装してよい。このとき、演算は、1から2の間にある比によって次から次へと重み付けされる(例えば、一部の演算は、相対重み29、16、9、5、3、2を有する。)。これは、変換プロセス中にいくらかのエラーが生じることをある程度は許す。エラーは、デジタルエラー訂正によって後に訂正され得る。ここで開示される技術のいくつかは、全体的なノイズ性能を改善するために、非バイナリ変換の更なる自由度を利用する。
【0033】
例えば、非二分探索において、1つのサブ変換演算から次への探索空間にはオーバーラップが存在し(例えば、16は29の半分よりも大きく、9は16の半分よりも大きい、など)、オーバーラップは、先のサブ変換演算については(MSBの場合に)より大きく、後のサブ変換演算については(LSBの場合に)より小さい。よって、いくつかのサブ変換演算は、他に比べて基準信号上のより多くの雑音を許容可能であり得る。そのようなサブ変換演算はまた、他よりも多くの雑音を基準信号において注入し得る。
【0034】
図1のADC回路1に伴う問題は、1つのサブ変換ユニット10のサブ変換演算が、共有されている大域的基準グリッド12上で、サブADC段4内の他のサブADCユニット10の演算に影響を及ぼす雑音を生成することである。非バイナリ変換の場合に、サブADCユニット10がそれ自身に注入する雑音は、この雑音が訂正され、一般的には、サブADCユニット10のセトリング挙動にしか影響を及ぼさないということで、許容され得る。しかし、他のサブADCユニット10によって注入された雑音は、そのサブ変換演算に影響を及ぼす。これは、全体的なADC分解能を下げる。すなわち、共有される基準線又はグリッド上の雑音は、コンバータ性能を劣化させる。
【0035】
この問題を更に理解するのを助けるよう、
図3は、SARサブADCユニット10のタイムインターリーブ動作を理解するために有用な概略図である。便宜上、番号を付された演算が1から8ではなく1から6である点を除いて、
図2と同じ変換スキームが採用される。サブ変換演算(フェーズ/ステップ)は、例として、タイムインターリーブ方式で動作している3つのサブADCユニット10を示される。それらのサブADCユニット10は、夫々1から3の番号を付されている。
【0036】
サンプルサブ変換演算は、タイムインターリーブされた演算を強調するよう、サブADCユニット10の夫々について強調表示されている。よって、第2のサブADCユニット10は、そのサンプルサブ変換演算を、第1のサブADCユニット10がそのサブ変換演算2を実行するときに実行する。第3のサブADCユニット10は、そのサンプルサブ変換演算を、第2のサブADCユニット10がそのサブ変換演算2を実行し且つ第1のサブADCユニット10がそのサブ変換演算4を実行するときに実行する。よって、異なるサブADCユニット10は、同時にそれらの変換演算における異なる時点にある。
【0037】
更に、サブ変換演算1乃至6は、I、II及びIIIと夫々標記される3つのグループに分けられることが示されている。ここでは各グループにおいて2つのサブ変換演算があるが、グループごとにいくつでもサブ変換演算はあってよい。
【0038】
ここで、グループIの演算は第1の耐雑音性レベルを有し、グループIIの演算は第2の耐雑音性レベルを有し、グループIIIの演算は第3の耐雑音性レベルを有する。夫々の耐雑音性レベルは、関連する1つ以上の演算が許容することができる用いられる(共有される)基準信号における雑音のレベルである。それらの耐雑音性レベルはお互いに異なると考えられる。例えば、第1の耐雑音性レベルは、第2の耐雑音性レベルよりも大きくてよく、第2の耐雑音性レベルは、第3の耐雑音性レベルよりも大きくてよい。よって、グループIの演算は、雑音に対する感受性が最も低く、グループIIIの演算は、雑音に対する感受性が最も高い。耐雑音性レベル間のこの関係は、上記の非二分探索に関して特に適用可能であり得る。
【0039】
また、グループIの演算は第1の雑音注入レベルを有し、グループIIの演算は第2の雑音注入レベルを有し、グループIIIの演算は第3の雑音注入レベルを有すると考えられる。夫々の雑音注入レベルは、関連する演算が用いられる(共有される)基準信号に注入する雑音のレベルである。それらの雑音注入レベルはお互いに異なると考えられる。例えば、第1の雑音注入レベルは、第2の雑音注入レベルよりも大きくてよく、第2の雑音注入レベルは、第3の耐雑音性レベルよりも大きくてよい。よって、グループIの演算は、最も多い雑音を生成し、グループIIIの演算は、最も少ない雑音を生成する。雑音注入レベル間のこの関係は、例えば、充電/放電キャパシタのレベルが後のサブ変換演算においてより低いところの電荷再分配サブADCユニットに関して、特に適用可能であり得る。
【0040】
図3に戻ると、示されている期間Pにおいて、第3のサブADCユニット10は、そのグループIのサブ変換演算を実行し、第2のサブADCユニット10は、そのグループIIのサブ変換演算を実行し、第1のサブADCユニット10は、そのグループIIIのサブ変換演算を実行することが分かる。よって、第1のサブADCユニット10は、雑音に対して最も感受性が高く、且つ、生成する雑音が最も少なく、一方、第3のサブADCユニット10は、雑音に対して最も感受性が低いが、生成する雑音が最も多い。それらのサブADCユニット10は、従って、お互いの性能、ひいては、全体的なADC性能に悪影響を及ぼし、これは、タイムインターリーブされた演算の結果として更に悪い。
【0041】
当然、
図3は、異なるサブADCユニット10が同時にそれらの変換演算における異なる点にあり得ることを明らかにするためのまさに簡単な例を提示する。例えば、第1のサブADCユニット10がそのサブ変換演算2を実行するときに第2のサブADCユニット10がそのサンプルサブ変換演算を開始することは、必要とされない。それは、例えば、そのサンプルサブ変換演算を、第1のサブADCユニット10がそのサブ変換演算1を実行するときに開始してもよく、それにより、常に1つのサブADCユニットがそのサンプルサブ変換演算において存在する。更に、全ての個別的なサブ変換演算が同じ存続期間であることは、必要とされない。例えば、サブ変換演算は、次から次へと非同期的に移ることができる。
【0042】
技術の組そのものに移ると、組は4つの一般的な技術に分けられてよい。第1の一般的な技術(T1)は、分配されるが依然として共有される基準ソースを使用することに関係がある。第2の一般的な技術(T2)は、アナログ−デジタル変換中に複数の基準、すなわち、異なる精度レベルを有している任意数の分離された電圧基準、を使用することに関係がある。第3の一般的な技術(T3)は、基準間の滑らかなスイッチングのための平衡型スイッチ、すなわち、次の電圧基準へ切り替えるときに滑らかな移行を可能にするための平衡型スイッチ、を使用することに関係がある。第4の一般的な技術(T4)は、基準を大域領域及び局所領域に分け、それらの間にフィルタリングを使用して、大域的グリッド上の雑音削減を最大限にすること、すなわち、異なるサブADCユニット間の雑音伝達を阻止するのを助けるようフィルタ段により大域的基準グリッドから局所的基準を分離すること、に関係がある。
【0043】
それらの技術は、
図1に沿った非バイナリ分散型SARサブADCユニット、及びそれらの所与の自由度を利用すること、にうまく適合している。それらの技術は、基準グリッド上の雑音が低減され且つADC分解能が改善されることを可能にする。
【0044】
それらの技術を紹介するために、
図4Aが参照される。しかし、
図4Aは、4つ全ての技術T1乃至T4が組み合わせて使用可能であることを示すが、それらのうちのいずれか1つ又はそれらのうちの2つ以上のいずれかの組み合わせが単独で使用可能であることが、この時点で知られている。
【0045】
図4Aは、本発明を用いるADC回路1000の概略図である。全体のアナログ−デジタル変換は、サブADCユニット10が、タイムインターリーブ方式ででも、並行して有効に動作することにより、分配されるという点で、ADC回路1000は、ADC回路1と同じ一般配置を有している。
【0046】
ADC回路1000は、サンプル段2、サブADC段4及び出力段6に夫々対応するサンプル段20(図示せず。)、サブADC段40及び出力段60(図示せず。)を有する。ADC回路1000は、大域的基準生成ユニット8にまとめて対応する大域的基準回路80及び大域的基準レギュレーション回路90を更に有する。
【0047】
簡単のために、サンプル段20及び出力段60は図示されない。サブADC段40は、
図1のサブADCユニット10に夫々対応する複数のサブADCユニット(演算ユニット)100を有する。なお、先と同じく簡単のために、サブADC段40のサブADCユニット100のうちの1つしか示されない。
【0048】
完全のために、明示的には示されないが、サンプル段20は、アナログ入力信号を受信し、その入力信号から一連のサンプルを生成し、それらをサブADC段40へ供給するよう構成される。サブADC段40は、サンプルを代表デジタル値に変換し、それらのデジタル値を出力段60へ出力するよう構成される。出力段60は、それらのデジタル値に基づくデジタル出力信号を出力するよう構成される。
【0049】
サブADCユニット100は、夫々が基準信号、この場合には電圧基準信号を必要とする(他の例は電流基準信号であってよい。)。それと各サンプル(アナログ入力信号を構成する。)は、対応する代表デジタル値を生成するために比較される。大域的基準回路80及び大域的基準レギュレーション回路90は、そのような基準信号を生成し、それをサブADCユニット100へ分配するよう概して構成される。しかし、まさにこれが如何にして達成されるかは、技術T1乃至T4のうちのどれが用いられるかに依存する。
【0050】
ADC回路の例は、上述されたように使用されているが、サブADCユニット100は、局所的基準ノードL及び演算回路を夫々有する演算ユニットの具体例と見なされてよいことが知られる。夫々の演算ユニットは、その局所的基準ノードLで供給される基準信号に依存した演算を実行するよう動作可能である。よって、ADC回路1000は、より一般的には、システム回路1000と呼ばれ得る。この用語は今後も使用されるが、ADC回路の例が適用されると見なされ、適宜参照される。更に、1つの演算ユニット(サブADCユニット)100が
図4Aで焦点を合わせられているが、他の演算ユニット(サブADCユニット)100が同様に配置されてよい。
【0051】
よって、技術T1乃至T4が更に説明される前に、
図4Aは、更に詳細に検討される。この時点で、図示されている全ての要素が技術T1乃至T4の夫々について必要とされるわけではないことが、留意されるべきである。これは、以降でより明らかになる。
【0052】
演算ユニット100は、供給された基準信号に依存した演算を実行するよう動作可能である、上述されたような演算回路102を有する。このために、演算回路102は、基準信号入力ノード104を備える。
【0053】
大域的基準回路80は、
図1の大域的基準グリッド12に夫々全体として対応する3つの大域的基準グリッド(又はノード)120A、120B及び120Cを有効に備えている。3つの大域的基準グリッドがあることは、(明らかなように)先の
図3の説明と一致する都合のよい例にすぎない。一般に、技術T2が用いられる場合に、2つ以上のそのような大域的基準グリッドが用いられてよく、この考えは広く適用されると理解される。
【0054】
大域的基準レギュレーション回路90は、
図4Bにおいて更に詳細に検討される。大域的基準レギュレーション回路90は、大域的信号GA乃至GCを大域的基準グリッド120A、120B及び120Cへ夫々供給する。制御信号CA乃至CCが用いられない場合には、大域的基準レギュレーション回路90は、大域的基準グリッド120A、120B及び120Cにおける基準信号がレギュレートされるように、大域的信号GA乃至GCを中心的に(大域的に)レギュレートする。
【0055】
他の配置では、大域的基準レギュレーション回路90はまた、演算ユニット100内で局所的に基準信号をレギュレートするよう、演算ユニット100において設けられている局所的レギュレータ回路250A、250B、250Cへ制御信号CA乃至CCを夫々供給する。この場合に、大域的基準レギュレーション回路90は、大域的信号GA乃至GCを中心的に(大域的に)レギュレートしてもしなくてもよい。
【0056】
大域的基準グリッド(又はノード)120A、120B及び120Cは、ノイズフィルタリングのために各々の大域的デカップリングキャパシタ122A、122B及び122Cを備えている。それらのキャパシタは全ての配置で必須というわけではないが、ノイズ性能のためにそれらを設けることが有利であり得る。
【0057】
演算ユニット100は、大域的基準グリッド120A、120B及び120Cに夫々対応する3つの局所的基準グリッド(又はノード)220A、220B及び220Cを備えている。それらの局所的基準グリッド220A、220B及び220Cの夫々は、対応する基準信号が演算回路102による使用のために基準信号入力ノード104へ供給され得るように、スイッチ230の各々の端子へ接続されている。
【0058】
大域的基準グリッド120A、120B及び120Cは次いで、局所的基準グリッド220A、220B及び220Cへ夫々接続されており、それにより、基準信号は、それらの局所的基準グリッド220A、220B及び220Cへ必要に応じて分配される。大域的基準グリッド120A、120B及び120Cは、各々のフィルタ240A、240B及び240C並びに局所的基準ノードLを介して局所的基準グリッド220A、220B及び220Cへ接続されている。疑念を避けるために、大域的基準グリッド120A、120B及び120Cは、演算ユニット100に共通して設けられ(ただ1つの演算ユニットしか
図4Aでは示されてない。)、一方、局所的基準グリッド220A、220B及び220Cは、演算ユニット100ごとに設けられる。
【0059】
夫々の局所的レギュレーション回路250A、250B、250Cは、上述された対応する制御信号CA、CB、CCに接続された入力端子を備え、その制御信号に基づき動作可能であって、受信された制御信号に基づきその対応する局所的基準ノードLでレギュレートされた基準信号を供給する。
【0060】
夫々の局所的デカップリングキャパシタ260A、260B、260Cは、やはりノイズフィルタリングのために、上述された局所的基準グリッド220A、220B、220Cで有効に接続されている。いくつかの配置で、レイアウト面積が許す限りは、1つの演算ユニット100から他へ雑音干渉が最小限にされ得るように、大域的デカップリングキャパシタと比較して可能な限り多くのそのような局所的デカップリングキャパシタを用いることが有利である。
【0061】
一般的に言えば、大域的基準グリッド(又はノード)120A、120B及び120Cと局所的基準グリッド(又はノード)220A、220B及び220Cとの間にある回路構成は、1つ以上の配電回路を有する配電回路構成と見なされてよい。
【0062】
図4Bは、ADC回路1000の大域的基準レギュレーション回路90の概略図である。
【0063】
図4Bに示されるように、電圧レギュレータ500A、500B、500Cは、大域的基準グリッド120A、120B及び120Cのために夫々設けられている。電圧レギュレータ500A、500B、500Cは、局所的レギュレーション回路250A、250B、250Cを、それらが使用のために存在する/接続される場合に、夫々制御する。電圧レギュレータ500A、500C、500Cは基本的にお互いと同じであり、故に、電圧レギュレータ500Aが一例として記載される。
【0064】
電圧レギュレータ500Aは、差動増幅器(例えば、演算増幅器)502と、トランジスタ504(この場合に、NMOS MOSFET)とを有する。トランジスタ504は、差動増幅器502によるそのゲート端子での制御下で、高電圧源(例えば、VDD)から電流を引き込むようそのドレイン端子で接続されている。差動増幅器502は、その入力端子の一方で基準電圧信号Vrefを受信し、その他方の入力端子でトランジスタ504のソース端子からの電圧信号をフィードバック信号として受信するよう接続されている。よって、差動増幅器502及びトランジスタ504は、トランジスタ504のソース端子での基準信号を、その電圧レベルがVrefに追随するようにレギュレートする働きをする。
【0065】
示されるように、信号GAは、トランジスタ504のソース端子で生成され、信号CAは、差動増幅器502の出力部で生成される。信号GAは、大域的基準グリッド120Aへ供給され、信号CAは、(いくつかの配置において)局所的レギュレーション回路250Aへ供給される。信号CAが局所的レギュレーション回路250Aへ供給される場合に、トランジスタ504は取り除かれ得る(がそうされる必要はない)ことが明らかになる。
【0066】
同様の考えは、図示されるように信号CB及びGB並びにCC及びGCを夫々生成する電圧レギュレータ500B及び500Cに当てはまる。
【0067】
次いで第1の技術T1のことを考えると、事実上、基準信号に基づき動作する演算回路102の近くに、各演算ユニット100内で局所的基準源(すなわち、局所的基準信号をレギュレートする回路)を設けることが狙いである。
図4Aを見ると、局所的レギュレーション回路250A、250B、250Cは、それらの局所的基準源(ラベルT1を参照。)として働くが、この技術の場合に、演算ユニット100ごとにそれらのうちの1つ(例えば、局所的レギュレーション回路250A)に焦点を合わせることしか必要でない。
【0068】
キャパシタに対する電荷再分配に基づき動作するサブADCユニットの場合に、キャパシタは、基準信号にわたって引き込まれる電流に基づき充電/放電されてよい。
【0069】
技術T1の利点は、演算ユニット100の演算回路102によって基準信号にわたって引き込まれる電流の少なくともいくらかは広い距離に沿って方向付けられる必要がないことである。例えば、演算ユニット100の演算回路102によって使用される基準信号がもっぱら大域的基準回路80を介して供給される場合に(そのような電流が大域的基準回路80を介して引き込まれるという意味で。)、演算ユニット100のアレイにわたってそれらの信号を分配する回路に沿って相当なIR降下の問題が存在する(
図1のレイアウトを参照。)。更に、大域的基準回路80において基準信号が生成/レギュレートされるところから異なる距離に演算ユニット100が位置し得るために、演算ユニット100間には、等しくないIR電圧降下が存在する(すなわち、配電回路の抵抗を通って流れる電流による。)。一般に、IR降下が低ければ低いほど、演算ユニット100間の雑音干渉はますます低くなる。
【0070】
よって、局所的レギュレーション回路250A、250B、250Cを設けることによって、演算ユニット100ごとの、ひいては全ての演算ユニット100についてのIR降下は、必要とされる電流のいくらかが大域的基準回路80を介してではなく電圧源からそれらの局所的レギュレーション回路250A、250B、250Cを介して引き込まれるということで、低減される。演算回路102により近いことによって、且つ、単一の演算ユニット100のために基準信号をレギュレートすることしか必要としないことによって、基準信号のレギュレーションが局所的にもたらされ、電圧レベルの変化により即座に応答することができるという点で、速度も改善される。例えば、局所的基準ノードLから演算回路102への各々の演算ユニット100での基準信号の分配はまた、全ての演算ユニットについて等しくてよく、全ての演算ユニット100で同じ条件を確かにする。
【0071】
対照的に、演算ユニット100の演算回路102によって使用される基準信号がもっぱら大域的基準回路80から供給される場合に、(大域的基準レギュレーション回路90の)レギュレーションは、いくつかの演算ユニット100に近く、他については遠く、負荷に依存した(位置に依存した)IR降下及び演算ユニット100の不平衡状態を引き起こしうる。サブADCユニットの場合には、パターンに依存したエラーが出力デジタル値で起こりうる。
【0072】
図4Aを見ると、局所的基準ノードL(すなわち、局所源)は全てが最終的に大域的基準回路80内の各々の大域的基準グリッド120A、120B、120Cへ接続される。それにより、局所的基準ノードLは、大域的基準信号に基づき動作することができる。そのような大域的基準は、次いで、大域的基準回路80においてレギュレートされてよく、そのようなレギュレーションは、より低速のレギュレーションとなり得る。局所的基準ノードL(すなわち、局所源)を各々の大域的基準グリッド120A、120B、120Cへ接続することによって、いずれか1つの大域的基準グリッド120A、120B、120Cへ接続された(局所的基準ノードLでの)局所的基準信号のDC(電圧)レベルは、全ての演算ユニット100について同じであることが確かにされ得る。関連する制御信号(例えば、CA)はまた、同じ関連する大域的基準グリッド(例えば、120A)を有している局所的レギュレーション回路(例えば、250A)に共通して供給される。
【0073】
この点について、
図5を参照すると、
図5は、この大域的及び局所的(global-and-local)レギュレーションが実装され得る一例となる方法を示す概略図である。
図5では、大域的基準回路80のただ1つの大域的基準グリッド120Aのみが一例として示されており、これは、複数の演算ユニット100の局所的基準グリッド220Aへ対応する局所的基準ノードLを介して接続されて示されている。フィルタ240Aのような様々な構成要素は、簡単のために省略されており、実際に、いくつかの実施形態では、それらは設けられる必要がない。
【0074】
図5に示されるように、電圧レギュレータ500Aは、大域的基準レギュレーション回路90において設けられ、大域的基準グリッド120Aで供給される基準信号をレギュレートするように大域的信号GAによって大域的基準グリッド120Aへ接続されている。大域的基準グリッド120Aにおける基準信号は、各々の演算ユニット100の局所的基準ノードLへ分配される。
【0075】
図5に示されるように、局所的レギュレーション回路250Aは、ソースフォロワトランジスタ252A(この場合に、NMOS MOSFET)として実装されてよい。局所的レギュレーション回路250Aの1つを見ると、トランジスタ252Aは、制御信号CAによるそのゲート端子での制御下で、高電圧源(例えば、VDD)から電流を引き込むようそのドレイン端子で接続されている。トランジスタ252Aのソース端子は次いで、有効に、関連する局所的基準ノードLへ接続されている。よって、トランジスタ252Aは、そのソース端子で(よって、関連する局所的基準グリッド220A上で)の基準信号を、その電圧レベルがやはりVrefを追随するようにレギュレートする働きをする。
【0076】
先と同じく、局所的レギュレーション回路の1つ250Aを見ると、トランジスタ252Aのゲート端子(事実上、局所的レギュレーション回路250Aの入力端子)は、ゲート端子でありながら高い入力インピーダンスを有しており、それにより、共有制御信号(net)CAで引き込まれる電流は比較的少量である。局所的レギュレーション回路250Aは、高電圧源から(すなわち、電源から)比較的多量の電流を引き込み、その電流を関連する演算回路102へ局所的基準ノードLで供給するよう構成されるが、この電流は、よりずっと短い距離にわたって(すなわち、演算ユニット100内を)流れ、この配置は、演算ユニット100間で同じであることができる(よって、IR降下のより良い一致)。また、演算回路102によって局所的基準ノードLで引き込まれる電流の全てが大域的基準回路80から引き込まれるわけではない(よって、より低いIR降下)。
【0077】
他の可能性は、部品点数及び面積オーバーヘッドの増大にもかかわらず、各演算ユニット100内に電圧レギュレータ500Aのような電圧レギュレータを置くことである。
【0078】
付随的に、上述されたようにトランジスタ504を取り除くか又は切り離すことが可能であり、それにより、レギュレーションは、トランジスタ504によって大域的にではなく、トランジスタ252Aによって局所的に(演算ユニット100内で)有効に実施される。この場合に、フィルタ240Aの存在が望まれ得る。トランジスタ504及びトランジスタ252Aによれば、レギュレーションは大域的且つ局所的に実施される。
【0079】
上述されたように、第1の技術T1が全ての実施形態で用いられることは、必須ではない。技術T1が用いられない場合に、局所的レギュレーション回路250A、250B、250Cは取り除かれるか又は切り離されてよい(そして、制御信号CA、CB、CCは必要とされないが、トランジスタ504は必要とされる。)。その場合に、第1の技術T1の利点は享受されなくなるが、他の技術のうちの1つ以上の利点が享受され得る。
【0080】
次に第2の技術T2を考えると、事実上、別個の局所的基準グリッド220A、220B及び220Cで別個の基準信号を各演算ユニット100へ供給することが狙いである。
図3の説明と一致して、それらの別個の基準信号が同じ(又は、いくつかの場合に、異なった)公称DC電圧レベルを有し得るが、異なった雑音レベルを有し得ることが狙いである。基準信号は、議論の便宜上、局所的基準グリッド220Aから220B乃至220Cまで、最も雑音が多い状態から最も雑音がない状態へ徐々に変化してよい。関連する演算ユニット100の演算回路102は、次いで、そのスイッチ230を使用して、異なる演算のために異なる局所的基準グリッド220A、220B及び220Cでの基準信号を使用してよい。制御回路(図示せず。)は、演算ごとに適切な基準信号を選択するようにスイッチ230を制御するために、システム(例えば、ADC)回路1000において中心的に(制御信号を分配することにおいてある程度の複雑さを伴う。)又は演算ユニット100ごとに設けられてよい。
【0081】
(例えば、非バイナリ)SARサブADCユニットとの関連で、
図3を見ると、その場合に、グループI(基準信号において最も多い雑音を許容し、更には、最も多い雑音を基準信号に注入することができる。)のサブ変換演算のためには局所的基準グリッド220A上の基準信号を使用し、グループII(基準信号において中間の量の雑音を許容し、更には、中間の量の雑音を基準信号に注入することができる。)のサブ変換演算のためには局所的基準グリッド220B上の基準信号を使用し、グループIII(基準信号において最も少ない雑音を許容し、更には、最も少ない雑音を基準信号に注入することができる。)のサブ変換演算のためには局所的基準グリッド220C上の基準信号を使用することが可能である。
【0082】
このようにして、各演算ユニット100内で複数(2つ以上)の基準電圧信号を使用することによって、特にタイムインターリーブされた演算を考慮しながら、異なるサブ変換演算中に雑音混入のレベルの平衡を保つことが可能である。それを念頭に(
図3を再び参照して)、期間Pにおいて、第3のサブADCユニット10は、そのグループIのサブ変換演算を実行し、第2のサブADCユニット10は、そのグループIIのサブ変換演算を実行し、第1のサブADCユニット10は、そのグループIIIのサブ変換演算を実行する。よって、第1のサブADCユニット10は、雑音に対する感受性が最も高く、且つ、生成する雑音が最も少なく、一方、第3のサブADCユニット10は、雑音に対する感受性が最も低いが、生成する雑音が最も多い。
【0083】
図4Aに戻って、別個の基準信号を演算ユニット100へその別個の局所的基準グリッド220A、220B及び220Cで供給するために、対応する大域的基準グリッド120A、120B及び120Cが設けられている(ラベルT2を参照。)。また、対応するフィルタ240A、240B及び240C(これらは技術T2にとって必須ではないが、いくつかの配置においで使用されてもよい。)に注目されたい。
【0084】
この点について、
図6を参照すると、
図6は、2通りの例となる方法(a)及び(b)を示す概略図であり、別個の基準信号が、演算ユニット100へその別個の局所的基準グリッド220A、220B及び220Cで供給されてよい。いくつかの配置において、
図6(b)は、
図6(a)よりも好ましい。
【0085】
図6(a)及び6(b)では、大域的基準回路80の大域的基準グリッドの2つ120A及び120Bのみが一例として示されており、それらは、簡単のために、単一の演算ユニット100へ接続されて示されている。大域的デカップリングキャパシタ及び局所的デカップリングキャパシタのような様々な構成要素は、簡単のために省略されているが、存在していると考えられる。特に、局所的デカップリングキャパシタは、上述されたように望まれる。
【0086】
図6(a)において、電圧レギュレータ500(
図4Bの電圧レギュレータ500A、500B、500Cのうちのいずれか)が設けられており、大域的基準グリッド120A及び120Bの両方で供給される基準信号をレギュレートするようそれらのグリッドへ接続されている。この点について、大域的基準グリッド120A及び120Bは、同じグリッドであると見なされてよい。しかし、フィルタ240A及び240B(夫々F1及びF2と示されている。)はお互いに異なり、それにより、それらを介して演算ユニット100で供給される基準信号は、別なふうにフィルタ処理されているという理由で(雑音に関して)異なる。それらの基準信号はまた、少なくとも大域的基準グリッド120A及び120Bから前方へ別個の配電回路を介して別々に分配されている。配電回路は、お互いから分離しており、例えば、特に、(少なくとも、関心のある周波数範囲にわたって)お互いから電気的に分離しているか又は切り離されている。
【0087】
図6(b)において、別個の電圧レギュレータ500A及び500B(
図4Bなどの場合)が、別々に又は独立して大域的基準グリッド120A及び120Bで供給される各々の基準信号をレギュレートするように、それらのグリッド120A及び120Bについて夫々設けられている。大域的基準グリッド120A及び120Bは、ここでは、お互いから分離しており、例えば、特に、(少なくとも、関心のある周波数範囲にわたって)お互いから電気的に分離しているか又は切り離れている。フィルタ240A及び240B(夫々F1及びF2と示されている。)はお互いに異なっても、又はお互いと同じであってもよい。フィルタ240A及び240Bはまた、省略されてもよい。
【0088】
演算ユニット100で供給される基準信号は、このように、別々にレギュレートされている(更には、別なふうにフィルタ処理される可能性がある)という理由で、(雑音に関して)異なり、分離していてよい。それらの基準信号はまた、別個の電圧レギュレータ500から前方に別個の配電回路を介して別々に分配されている。配電回路は、やはりお互いから分離しており、例えば、特に、(少なくとも、関心のある周波数範囲にわたって)お互いから電気的に分離しているか又は切り離れている。
【0089】
付随的に、
図6(b)における2つの電圧レギュレータ500のDC電圧レベルは、それらが両方ともVrefを受けるよう接続されているということで同じであるように示されているが、それらは、代わりに、異なる基準信号Vref1及びVref2を夫々供給されてもよく、それにより、それらは異なるDC電圧レベルを供給され得る。これは、全体の基準−雑音寄与を低減するのを助け得る。
【0090】
SARサブADCユニットの例に基づき、最初のMSB変換の間に、最も雑音が多い基準信号が適用されてよい。ますます正確な(すなわち、雑音がより少ない)基準信号に移ることが、代わりに使用されてもよい。このアプローチの利点は、より多くの電荷を要求するMSB変換の間に、変換当たりの最大量の雑音が注入されるが、同時に特に非バイナリ変換スキームではより高い雑音が許容され得るという事実に基づいている。LSB変換の間、より正確な基準が必要とされ、幸いにも、充電/放電がより少ないということで、注入される雑音はより少ない。
【0091】
異なる大域的基準グリッド(例えば、
図6の場合のグリッド120A及び120B)が、異なる演算ユニット100へ向かう経路距離を最短とするようインターリーブ方式で実装される(すなわち、インターリーブトポロジを有する)必要があることが理解されるだろう。演算ユニット100は、第1の技術T1の局所的レギュレーション回路250A、250B、250Cを有してよく、電圧レギュレータ500A、500B、500Cがそれらの局所的レギュレーション回路250A、250B、250Cに給電する。フィルタ240A、240B及び240Cも存在してよい。大域的デカップリングキャパシタ122A、122B、122C及び局所的デカップリングキャパシタ260A、260B、260Cは、大域的基準グリッドと局所的基準グリッドとの間にそのような分離が存在する場合に有益である。
【0092】
上述されたように、第2の技術T2が全ての実施形態で用いられることは、必須ではない。技術T2が用いられない場合に、演算ユニット100ごとに単一の局所的グリッドへ接続された単一の大域的基準グリッドが有効に存在してよく、スイッチ230は設けられる必要がない(すなわち、直接接続が単一の局所的グリッドに対して形成されてよい。)。その場合に、第2の技術T2の利点は享受されなくなるが、他の技術のうちの1つ以上の利点が享受され得る。
【0093】
次に第3の技術T3を考えると、事実上、スイッチ230(
図4のラベルT3を参照。)を、それらが平衡状態にされるように構成することが狙いである。すなわち、スイッチ230が1つの基準信号から次へ、すなわち、1つの局所的基準グリッドから次へ(例えば、グリッド220Aから220B乃至220Cへ)切り替える場合に、関連する基準信号入力ノード104への正味の電荷注入は実質的にゼロである。
【0094】
基準信号間のスイッチングは、さもなければ、電荷を基準信号入力ノード104に注入する可能性があり、これは、演算回路102によって実行される演算に影響を及ぼす可能性がある。SARサブADCユニットとの関連で、これは、サブ変換演算に影響を及ぼすか、又は少なくとも、セトリングのための待ち時間の増大を必要としうる。
【0095】
この点について、
図7を参照すると、
図7は、そのような平衡スイッチングのためにスイッチ230が如何にして実装されるかを示す概略図である。簡単のために、1つの演算ユニット100のためだけの、更には、利用可能な基準信号のうちの2つの間、すなわち、局所的基準グリッド220Aから局所的基準グリッド220Bへのみのスイッチングが考えられている。しかし、明らかなように、同じ考えは他の演算ユニット100に、更には、局所的基準グリッド220Bから局所的基準グリッド220Cへのスイッチングに当てはまる(スイッチ230は然るべく拡張される。)。ここで、先の通り、基準信号が演算回路によって使用される順序は、グリッド220Aから220B乃至220Cへのスイッチングに等しいと考えられる。
【0096】
基本的な考え方は、1つの局所的基準グリッドから次へ切り替えるときに、2つの関連するスイッチング事象、すなわち、‘1つの基準をオフすること’及び‘次の基準をオンすること’が、注入される電荷に対して平衡状態にされることである。
【0097】
図7において、スイッチ230は、基準信号入力ノード104に対応する共通テイルノードへ接続された2つのトランジスタ510A及び510B、ここではMOSFETにより実装されている。トランジスタ510Aは局所的基準グリッド220Aへ接続されており、トランジスタ510Bは局所的基準グリッド220Bへ接続されている。トランジスタ510A及び510Bは、PMOS若しくはNMOSトランジスタとして、又は並列接続されたPMOS及びNMOSトランジスタ対として実装されてよい。
【0098】
電荷注入は、ゲートキャパシタンスを充電/放電する2つの関連するスイッチング事象のためのトランジスタ510A及び510Bのゲート端子での電圧スイングによって引き起こされる。この点について、ゲート端子での電圧変化は、
図7ではΔVとして示されている(トランジスタ510Aがオフするときにトランジスタ510Aについて負であり、トランジスタ510Bがオンするときにトランジスタ510Bについて正であり、簡単のために両方のトランジスタについて同じ大きさであるとする。)。
【0099】
また、
図7には、トランジスタ510Aについての実効ゲートキャパシタンスCgdA(ゲート−ドレインキャパシタンス)及びCgsA(ゲート−ソースキャパシタンス)、並びに同様に、トランジスタ510Bについての実効ゲートキャパシタンスCgdB(ゲート−ドレインキャパシタンス)及びCgsB(ゲート−ソースキャパシタンス)も示されている。当然、それらは、追加の構成要素よりもむしろ実効キャパシタンスである。
【0100】
トランジスタ510Aがオフするときの電荷の変化ΔQ
Aは、よって:
ΔQ
A=−ΔV・CgsA
である。トランジスタ510Bがオンするときの電荷の変化ΔQ
Bは、よって:
ΔQ
B=ΔV・(CgsB+CgdB)
である。CgsA=CgdA且つCgsB=CgdBとすると、これはMOSFETにとって有用であり、2つの関連するスイッチング事象のための基準信号入力ノード104へのゼロ正味電荷注入の場合に:
ΔQ
A+ΔQ
B=0
となり、よって、
CgsA=CgsB+CgdB=2・CgsB
となる。
【0101】
Cgsがトランジスタ幅(フィンガー数)に比例するということで、トランジスタ510A(オフする。)とトランジスタ510B(オンする。)との間の幅又はフィンガー数(すなわち、トランジスタサイズ)の比は、この場合に、2になるはずである。すなわち、オフするトランジスタは、この場合に、オンするトランジスタのサイズの2倍であるはずである。同様の関係は、
図4Aで供給されている3つ全ての基準信号を処理するようトランジスタ510Cが共通テイルノード512と局所的基準グリッド220Cとの間に接続されて設けられる場合に、トランジスタ510B(次いでオフする。)及びトランジスタ(オンする。)との間に存在し得る。
【0102】
明らかなように、このサイズ関係は、更なる基準信号が存在する場合に、スイッチ230内のトランジスタがいくつであっても、実際的な制限内で拡張され得る。また、関係は、ゲート−ソースキャパシタンスとゲート−ドレインキャパシタンスとの間の比に、及びゲート端子で印加される電圧変化に依存する。
【0103】
上述されたように、トランジスタ510A、510B、510Cは、演算回路102によって実行される演算と同期してそれらがいつオン又はオフされるかを制御するために、制御信号(
図4Aの信号CONTROLを参照。)によって制御されると考えられる。これまでのように、制御信号は、システム(例えば、ADC)回路1000の大域的制御回路(図示せず。)又は演算ユニット100ごとの制御回路(図示せず。)によって供給されてよい。
【0104】
上述されたように、たとえ第3の技術T3が当然に技術T2に容易に適合するとしても、第3の技術T3が全ての実施形態で用いられることは必須ではない。技術T3が用いられない場合に、スイッチ230は、そのような平衡スイッチング動作を有さないことになる。その場合に、第3の技術T3の利点は享受されなくなるが、他の技術のうちの1つ以上の利点が享受され得る。
【0105】
最後に第4の技術T4を考えると、事実上、局所的基準グリッド220A、220B及び220Cとそれらの各々の大域的基準グリッド120A、120B及び120Cとの間の分離を有することが狙いである。
【0106】
一例としてグリッド120Aのような単一の大域的基準グリッドを見ると、共有される大域的基準グリッド120Aへフィルタ構造、ここではフィルタ240(
図4AのラベルT4を参照。)を通じて接続される演算ユニット100ごとの専用の局所的基準グリッド220Aを備えることが狙いである。よって、フィルタ240Aは、演算ユニット100ごとに存在することが認識される。
【0107】
この点について、
図8を参照すると、
図8は、一例としてフィルタ240Aに注目して、如何にしてフィルタが実装されるかを示す概略図である。
【0108】
図8(a)に示されるように、フィルタ240Aは、単一の抵抗器として実装されてよい(なお、より複雑なフィルタ回路が当然に代わりに使用されてよい。)。この抵抗器を
図8(b)で見られるようにチューナブルトランジスタ522として、例えば、線形領域で動作するMOSFETとして実装することによって、抵抗値は、ゲート電圧を制御することによって調整可能であり得る。抵抗を、
図8(c)で見られるように、並列接続されたチューナブルトランジスタ522のアレイとして、例えば、線形領域で動作するMOSFETとして実装することによって、抵抗値は、先と同じく、ゲート電圧を制御することによって調整可能であり得る。更に、追加のスイッチング回路(図示せず。)は、抵抗値に作用するようにそれらの並列接続されたトランジスタ522を回路に出し入れするよう設けられてよい。
【0109】
大域的デカップリングキャパシタ122A及び局所的デカップリングキャパシタ260A、並びに/又は配電回路の寄生キャパシタンス全般を考慮に入れると、このようにしてシステム(例えば、ADC)回路1000は、大域的グリッドレベルで大域的な電荷槽(charge reservoir)を設け、一方、演算ユニット100ごとにフィルタ240Aによって提供されるフィルタメカニズムは、演算ユニット100からの高周波雑音混入から大域的基準グリッド120Aを保護する。局所的デカップリングキャパシタ260Aにより分離された演算ユニット100ごとの局所的基準グリッド220Aは、依然として、比較的速いセトリング挙動を維持することができる。これは、例えば、SARサブADCユニットとの関連で非バイナリSARサブ変換演算にとって有利である。この配置は、複数の演算ユニット100について、
図8(a)のフィルタ240Aを用いて、
図9に示されている。更なるセトリング時間が許容可能である場合に、フィルタ240Aは、より強いよう設計されてよく(例えば、関連するローパスフィルタのより低いカットオフ周波数をもたらす、より高い抵抗)、大域的基準グリッド120Aは、演算ユニット100からの雑音からより良く保護され得る。
【0110】
付随的に、技術T4が(MSBサブ変換からLSBサブ変換まで降順で局所的グリッド260A、260B、260Cを使用する上記のようなSARサブADCユニットを念頭において)T2と組み合わされる場合に、240Cのフィルタ抵抗は240Bの抵抗よりも高くなるはずであり、同じく240Bのフィルタ抵抗は240Aの抵抗よりも高くなるはずである。これは、一方では、後のSARサブ変換の間の演算回路102内のキャパシタンス変化がより小さいということで可能であり、他方では、更なるノイズフィルタリングが後のSARサブ変換の間に望まれるということで有利である。
【0111】
上述されたように、第4の技術T4が全ての実施形態で用いられることは、必須ではない。技術T4が用いられない場合に、
図4Aのフィルタ240A、240B、240Cは、大域的基準グリッドと局所的基準グリッドとの間の直接接続によって置き換えられ、それにより、それらの間には差異が事実上ない。その場合に、第4の技術T4の利点は享受されなくなるが、他の技術のうちの1つ以上の利点は享受され得る。
【0112】
一般的に、従って、明らかなように、技術T1乃至T4は、それらのうちの1つ以上を含む如何なる組み合わせでも組み合わされてよく、夫々の組み合わせは、種々の実施形態をもたらす。演算ユニット100に関するSARサブADCユニットへの言及から、そのような実施形態は如何なる(例えば、非バイナリ)分散型SAR ADC設計にも適用可能であることが認識されるだろう。
【0113】
図4Aで見られるように技術T1乃至T4の全てを組み合わせることによって、それらの全ての利点は享受され得、それらの機能はシステム(例えば、ADC)回路1000での最適化された雑音バランシングを可能にし得ることが認識されるだろう。すなわち、それらの機能は、例えば、分散型非バイナリSARサブADCユニットのための適切に調整された雑音バランシングのために調整され得る。例えば、異なる技術は、異なる周波数範囲における雑音を低く保つことを対象とし得る。
【0114】
低周波雑音は、大域的及び/又は局所的基準グリッドでのレギュレーションを通じて補償されてよい。
【0115】
高周波雑音及び例えば、スイッチ230での又は演算回路102内のスイッチング事象直後に起こる電圧降下は、局所的レギュレーション回路REG(例えば、ソースフォロワトランジスタ252A)によって制限(ブロック又は除去)されてよい。それらは、局所的基準ノードLで直ちに電荷を送り込むか又は取り出す。その上、局所的デカップリングキャパシタ260A、260B、260Cは、電圧リプルを平滑化するのを助ける。いずれの配置も、高周波雑音が大域的基準グリッドに影響を及ぼさないようにするのを助けるだけでなく、局所的サブ変換演算のための必要とされるセトリング時間を定義する。
【0116】
中間周波数雑音、すなわち、大域的レギュレーションのカットオフ周波数を上回り且つソースフォロワトランジスタ252Aの抵抗及び局所的デカップリングキャパシタ260Aに関連した高周波フィルタリング効果を下回る雑音、のギャップを埋めるために、フィルタ240A、240B、240Cのフィルタ抵抗と組み合わされた全ての接続された局所的デカップリングキャパシタ260A、260B、260C及び大域的デカップリングキャパシタ122A、122B、122Cのより大きい合計が、作用し始める。フィルタ抵抗は、1/(Rfilter×Clocal)が大域的レギュレータ帯域幅よりも高いように設定され得る。抵抗が低すぎる場合には、他の演算ユニット100への高周波雑音の移動は増大する。
【0117】
図10は、本発明を用いる集積回路2000の概略図である。集積回路2000は、システム(例えば、ADC)回路1000、ひいては、先に開示された実施形態のいずれかを有する。システム回路1000は、上述されたADC回路であってよい。ここで開示される回路はADCとして記載され得ることが認識されるだろう。
【0118】
本発明の回路は、集積回路として、例えば、フリップチップのようなICチップ上に、実装されてよい。よって、集積回路2000はICチップであってよい。本発明は、上述された集積回路及びICチップ、そのようなICチップを有する回路基板、並びにそのような回路基板を有する、通信ネットワーク(例えば、インターネット光ファイバネットワーク及びワイヤレスネットワーク)及びそのようなネットワークのネットワーク設備にまで広がる。
【0119】
ここで開示される様々なトランジスタ(例えば、トランジスタ504及び252)は、MOSFET又はFETよりむしろBJTとして実装されてよいことが、ついでながら知られる。例えば、ソースフォロワ(FET)トランジスタの場合に、BJTとして実装されるとき、それらはエミッタフォロワとして記載され得る。本開示は然るべく理解される。
【0120】
上記の態様のいずれにおいても、様々な方法特徴は、ハードウェアにおいて、又は1つ以上のプロセッサで実行されるソフトウェアモジュールとして、実装されてよい。1つの態様の特徴は、他の態様のいずれかに適用されてもよい。本発明はまた、ここで記載される方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品と、ここで記載される方法のいずれかを実行するためのプログラムを記憶しているコンピュータ可読媒体とを提供する。本発明を用いるコンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体に記憶されてよく、あるいは、それは、例えば、インターネットのウェブサイトから供給されるダウンロード可能なデータ信号のような信号の形をとってもよく、あるいは、それは、如何なる他の形もとってよい。
【0121】
本発明は、添付の特許請求の範囲の精神及び適用範囲内で、上記の開示に照らして多種多様な方法で具現化されてよい。
【0122】
本開示は、実施形態を定義する次の番号付けされた付記にまで及ぶ。角括弧内のコメント(例えば、[1+2])は、読者の助けのためである。
【0123】
A:発明1(T1)
A1.局所的レギュレーション回路、局所的基準ノード及び演算回路を夫々有する複数の演算ユニットであり、各演算ユニットがその局所的基準ノードで供給されている基準信号に依存した演算を実行するよう動作可能である、前記複数の演算ユニットと、
前記局所的レギュレーション回路を有し、前記局所的基準ノードで各々の基準信号を供給するよう接続される基準レギュレーション回路と
を有し、
前記複数の演算ユニットの夫々について、
前記局所的レギュレーション回路は、前記基準レギュレーション回路から制御信号を受信するよう接続された入力端子を備え、該受信された制御信号に基づき前記局所的基準ノードで基準信号をレギュレートするよう構成され、
前記局所的レギュレーション回路の前記入力端子は、比較的少量の電流が前記基準レギュレーション回路から前記入力端子によって引き込まれるように高い入力インピーダンスを有し、
前記局所的レギュレーション回路は、比較的多量の電流を電圧源から引き込み、その電流を、関連する前記演算回路へ前記局所的基準ノードで供給するよう構成される、
半導体集積回路[1]。
【0124】
A2.付記A1に記載の半導体集積回路[1]であって、
大域的基準ノード及び配電回路を有し、
前記演算回路の前記局所的基準ノードは、前記配電回路を介して前記大域的基準ノードへ接続され、
夫々の演算ユニットについて、前記局所的レギュレーション回路は、前記比較的多量の電流を前記電圧源から引き込み、その電流を、関連する前記演算回路へ前記局所的基準ノードで供給して、前記局所的基準ノードから前記演算回路によって引き込まれる電流の一部が、前記大域的基準ノードからよりむしろ前記局所的レギュレーション回路によって前記電圧源から供給されるようにするよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0125】
A3.付記A1又はA2に記載の半導体集積回路[1]であって、
夫々の演算ユニットについて、
前記局所的レギュレーション回路は、ソースフォロワ又はエミッタフォロワトランジスタとして構成されたトランジスタを有し、
前記局所的レギュレーション回路の前記入力端子は、前記ソースフォロワ又はエミッタフォロワトランジスタのゲート又はベース端子であり、
前記局所的レギュレーション回路は、前記比較的多量の電流を前記ソースフォロワ又はエミッタフォロワトランジスタのソース又はエミッタ端子から前記演算回路へ供給するよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0126】
A4.付記A1乃至A3のうちいずれかに記載の半導体集積回路[1+2]であって、
各演算ユニットは、Nが2以上の整数であるとして、第1乃至第Nの前記局所的レギュレーション回路と、第1乃至第Nの前記局所的基準ノードとを有し、
各演算ユニットは、スイッチング回路を有し、
夫々の演算ユニットについて、前記演算回路は、対応する基準信号に夫々依存した一連の第1乃至第Nの演算を実行するよう動作可能であり、前記N個の演算の夫々は、お互いに異なる第1乃至第Nの耐雑音性レベルの中の対応する耐雑音性レベルを有し、
前記基準レギュレーション回路は、前記複数の演算ユニットの夫々の前記N個の局所的レギュレーション回路を有し、夫々の演算ユニットについて、そのN個の局所的基準ノードで第1乃至第Nの各々の別個の基準信号を供給するよう接続され、
当該半導体集積回路は、制御回路を有し、
Xは、1からNをとる整数変数であり、
前記制御回路は、前記演算ユニットのために、その演算回路がそのX番目の演算のための基準信号としてそのX番目の局所的基準ノードで供給されるX番目の基準信号を用いるようにその演算回路をその局所的基準ノードへ選択的に接続するよう、前記N個の演算が実行される場合にそのスイッチング回路を制御するよう構成され、
各耐雑音性レベルは、関連する演算が許容することができる前記用いられる基準信号における雑音のレベルである、
前記半導体集積回路。
【0127】
A5.付記A4に記載の半導体集積回路[1+2]であって、
第1乃至第Nの前記大域的基準ノードと、
第1乃至第Nの前記配電回路と
を有し、
Xの各値について、前記演算回路のX番目の局所的基準ノードは、X番目の配電回路を介してX番目の大域的基準ノードへ接続される、
前記半導体集積回路。
【0128】
A6.付記A5に記載の半導体集積回路[1+2]であって、
前記基準レギュレーション回路は、第1乃至第Nの基準レギュレーション回路を有し、
前記第1乃至第Nの基準レギュレーション回路は、第1乃至第Nの大域的レギュレーション回路を有し、
Xの各値について、X番目の基準レギュレーション回路は、前記演算ユニットのX番目の局所的レギュレーション回路を有し、
Xの各値について、X番目の基準レギュレーション回路は、X番目の局所的基準ノードで供給される各々の基準信号と、X番目の大域的基準ノードで供給される基準信号とをレギュレートするよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0129】
A7.付記A6に記載の半導体集積回路[1+2]であって、
Xの各値について、前記X番目の配電回路は、前記X番目の大域的基準ノードと前記X番目の局所的基準ノードとの間で所与の雑音周波数帯域幅にわたって他の配電回路から電気的に切り離され、且つ/あるいは
Xの各値について、前記X番目の配電回路は、前記X番目の大域的基準ノードと前記X番目の局所的基準ノードで他の配電回路から電気的に分離している、
前記半導体集積回路。
【0130】
A8.付記A6又はA7に記載の半導体集積回路[1+2,1+2+4]であって、
前記N個の基準レギュレーション回路は、それらの基準信号をお互いから独立してレギュレートするよう構成され[
図6(b)]、あるいは
前記N個の配電回路は夫々が、それらの局所的基準ノードをそれらの大域的基準ノードへ各々のフィルタ回路を介して接続し、前記配電回路の夫々のフィルタ回路は、前記配電回路の他の夫々のフィルタ回路とは異なり、前記N個の基準レギュレーション回路は、共通のレギュレータを共有して、それらが単一のレギュレーション動作でそれらの大域的基準ノードで前記基準信号をレギュレートするようにする[
図6(a)]、
前記半導体集積回路。
【0131】
A9.付記A4乃至A8のうちいずれかに記載の半導体集積回路[1+2]であって、
前記演算ユニットは、異なる演算ユニットがそれらの各々の一連のN個の演算において同じ時点で異なる段階にあるように、タイムインターリーブ方式でそれらの各々の一連の演算を実行するよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0132】
A10.付記A4乃至A9のうちいずれかに記載の半導体集積回路[1+2]であって、
2からNまでのXの各値について、X番目の耐雑音性レベルはX−1番目の耐雑音性レベルよりも低い、
前記半導体集積回路。
【0133】
A11.付記A4乃至A10のうちいずれかに記載の半導体集積回路[1+2]であって、
前記N個の演算の夫々は、お互いに異なる第1乃至第Nの雑音注入レベルの中の対応する雑音注入レベルを有し、各雑音注入レベルは、関連する演算が関連する局所的基準ノードでの用いられる基準信号に注入する雑音のレベルであり、
任意に、2からNまでのXの各値について、X番目の雑音注入レベルはX−1番目の雑音注入レベルよりも低い、
前記半導体集積回路。
【0134】
A12.付記A4乃至A11のうちいずれかに記載の半導体集積回路[1+2]であって、
Nは、2又は3又は4に等しい、
前記半導体集積回路。
【0135】
A13.付記A4乃至A12のうちいずれかに記載の半導体集積回路[1+2+3]であって、
夫々の演算ユニットについて、
前記一連の演算は、Xが1からNまで大きくなる順序で前記N個の演算を実行することを含み、
前記スイッチング回路は、前記演算回路の基準信号入力ノードを前記第1乃至第Nの局所的基準ノードへ夫々接続する第1乃至第Nのスイッチを有し、
1からN−1までのXの各値について、前記制御回路は、X番目のスイッチをオンして、X番目の演算のためにX番目の局所的基準ノードで供給される基準信号を前記演算回路の前記基準信号入力ノードに供給し、次いで、前記X番目のスイッチをオフし且つX+1番目のスイッチをオフして、X+1番目の演算のためにX+1番目の局所的基準ノードで供給される基準信号を代わりに前記演算回路の前記基準信号入力ノードに供給するよう構成され、
前記スイッチは、1からN−1までのXの各値について、前記X番目のスイッチがオフされ且つ前記X+1番目のスイッチがオンされる場合に、前記基準ノードから前記演算回路の前記基準信号入力ノードに注入される電荷の正味量を制限する又は最小限にする又は0まで減らすように、お互いに対してサイジングされる、
前記半導体集積回路。
【0136】
A14.付記A13に記載の半導体集積回路[1+2+3]であって、
前記スイッチは夫々、少なくとも1つのMOSFETトランジスタを用いて実装され、
前記MOSFETトランジスタのチャネル幅及び長さは、前記注入される電荷の正味量を制限する又は最小限にする又は0まで減らすように設定される、
前記半導体集積回路。
【0137】
A15.付記A14に記載の半導体集積回路[1+2+3]であって、
前記局所的基準ノードで供給される前記基準信号は、お互いに略同じ電圧レベルを有し、
1からN−1までのXの各値について、前記X番目のスイッチをオフし且つ前記X+1番目のスイッチをオンするよう前記MOSFETトランジスタのゲート端子で供給されるスイッチング信号は、お互いの間で同じポテンシャル差を有する高電圧レベル及び低電圧レベルの間で切り替わり、
前記スイッチは、お互いに同じ数及び配置のMOSFETトランジスタを有し、
前記MOSFETトランジスタのチャネル幅及び長さは、1からNまでのXの各値について、前記X番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのゲートキャパシタンスCgsが、前記X+1番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのゲートキャパシタンスCgs及びCgdの和に等しいように設定される、
前記半導体集積回路。
【0138】
A16.付記A15に記載の半導体集積回路[1+2+3]であって、
前記MOSFETトランジスタの夫々についてのゲートキャパシタンスCgs及びCgdは等しく、
前記MOSFETトランジスタのチャネル長さはお互いに同じであり、
前記MOSFETトランジスタのチャネル幅は、前記注入される電荷の正味量を制限する又は最小限にする又は0まで減らすように設定される、
前記半導体集積回路。
【0139】
A17.付記A16に記載の半導体集積回路[1+2+3]であって、
1からNまでのXの各値について、前記X番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのチャネル幅は、X+1番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのチャネル幅のサイズの2倍である、
前記半導体集積回路。
【0140】
A18.付記A1乃至A17のいずれかに記載の半導体集積回路[1+4,1+2+4,1+2+3+4]であって、
各配電回路は、前記演算ユニットの夫々の関連する局所的基準ノードを、関連する大域的基準ノードへ、各々の独立した信号パスを介して接続するよう構成され、
各信号パスは、それに沿って接続されたフィルタ回路を有する、
前記半導体集積回路。
【0141】
A19.付記A18に記載の半導体集積回路[1+4,1+2+4,1+2+3+4]であって、
局所的デカップリングキャパシタが、前記局所的基準ノードの夫々又は1つ以上で接続される、
前記半導体集積回路。
【0142】
A20.付記A18又はA19に記載の半導体集積回路[1+4,1+2+4,1+2+3+4]であって、
前記大域的基準ノードへ接続された大域的デカップリングキャパシタを有する
前記半導体集積回路。
【0143】
A21.付記A18乃至A20のうちいずれかに記載の半導体集積回路[1+4,1+2+4,1+2+3+4]であって、
各フィルタ回路は、抵抗として実装される、
前記半導体集積回路。
【0144】
A22.付記A21に記載の半導体集積回路[1+4,1+2+4,1+2+3+4]であって、
前記抵抗は、並列に及び/又は直列に接続された1つ以上の抵抗器を有する、
前記半導体集積回路。
【0145】
A23.付記A22に記載の半導体集積回路[1+4,1+2+4,1+2+3+4]であって、
各抵抗器は、その線形領域で動作するよう構成されたMOSFETトランジスタとして実装される、
前記半導体集積回路。
【0146】
A24.付記A18乃至A23のうちいずれかに記載の半導体集積回路[1+4,1+2+4,1+2+3+4]であって、
前記独立した信号パスは、
前記大域的基準ノードと関連する前記局所的基準ノードとの間で所与の雑音周波数帯域幅にわたってお互いから電気的に切り離され、且つ/あるいは
前記大域的基準ノードと関連する前記局所的基準ノードとの間でお互いから電気的に分離される、
前記半導体集積回路。
【0147】
A25.付記A1乃至A24のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算は、前記用いられる基準信号における雑音のレベルに依存した結果を生成し、且つ/あるいは
夫々の前記演算は、データ信号及び前記用いられる基準信号に依存した結果を生成する、
前記半導体集積回路。
【0148】
A26.付記A1乃至A25のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
前記基準信号は電圧信号であり、且つ/あるいは
前記基準信号は、お互いに略同じ大きさを有する、
前記半導体集積回路。
【0149】
A27.付記A1乃至A26のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算は、1つ以上のサブ演算を含む、
前記半導体集積回路。
【0150】
A28.付記A1乃至A27のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算ユニットは、逐次比較型ADCユニットであり、
夫々の前記演算は、1つ以上の比較演算を有し、且つ/あるいは、夫々の前記演算ユニットは、非バイナリ変換を実行するよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0151】
A29.付記A1乃至A28のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
アナログ−デジタル変換器である
前記半導体集積回路。
【0152】
A30.付記A1乃至A29のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]を有するアナログ−デジタル変換器。
【0153】
B:発明2(T2)
B1.Nが2以上の整数であるとして、演算回路、スイッチング回路及び第1乃至第Nの局所的基準ノードを有し、前記演算回路が、対応する基準信号に夫々依存した一連の第1乃至第Nの演算を実行するよう動作可能であり、前記N個の演算の夫々が、お互いに異なる第1乃至第Nの耐雑音性レベルの中の対応する耐雑音性レベルを有する、演算ユニットと、
前記N個の局所的基準ノードで第1乃至第Nの各々の別個の基準信号を供給するよう接続された基準レギュレーション回路と、
制御回路と
を有し、
Xは、1からNをとる整数変数であり、
前記制御回路は、前記演算ユニットのために、その演算回路がそのX番目の演算のための基準信号としてそのX番目の局所的基準ノードで供給されるX番目の基準信号を用いるようにその演算回路をその局所的基準ノードへ選択的に接続するよう、前記N個の演算が実行される場合にそのスイッチング回路を制御するよう構成され、
各耐雑音性レベルは、関連する演算が許容することができる前記用いられる基準信号における雑音のレベルである、
半導体集積回路[2]。
【0154】
B2.付記B1に記載の半導体集積回路[2]であって、
複数の前記演算ユニットを有し、
前記基準レギュレーション回路は、夫々の演算ユニットのために、そのN個の基準ノードで第1乃至第Nの別個の基準信号を供給するよう接続され、
前記制御回路は、夫々の演算ユニットのために、その演算回路がそのX番目の演算のための基準信号としてそのX番目の局所的基準ノードで供給されるX番目の基準信号を用いるようにその演算回路をその局所的基準ノードへ選択的に接続するよう、前記N個の演算が実行される場合にそのスイッチング回路制御するよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0155】
B3.付記B2に記載の半導体集積回路[2]であって、
第1乃至第Nの大域的基準ノードと、
第1乃至第Nの配電回路と
を有し、
Xの各値について、前記演算回路のX番目の局所的基準ノードは、X番目の配電回路を介してX番目の大域的基準ノードへ接続される、
前記半導体集積回路。
【0156】
B4.付記B3に記載の半導体集積回路[2]であって。
【0157】
前記基準レギュレーション回路は、第1乃至第Nの基準レギュレーション回路を有し、
Xの各値について、X番目の基準レギュレーション回路は、X番目の局所的基準ノードで供給される各々の基準信号及び/又はX番目の大域的基準ノードで供給される基準信号をレギュレートするよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0158】
B5.付記B4に記載の半導体集積回路[2]であって、
Xの各値について、前記X番目の配電回路は、前記X番目の大域的基準ノードと前記X番目の局所的基準ノードとの間で所与の雑音周波数帯域幅にわたって他の配電回路から電気的に切り離され、且つ/あるいは、
Xの各値について、前記X番目の配電回路は、前記X番目の大域的基準ノードと前記X番目の局所的基準ノードとの間で他の配電回路から電気的に分離している、
前記半導体集積回路。
【0159】
B6.付記B4又はB5に記載の半導体集積回路[2]であって、
前記N個の基準レギュレーション回路は、それらの基準信号をお互いから独立してレギュレートするよう構成され[
図6(b)]、あるいは
前記N個の配電回路は夫々が、それらの局所的基準ノードをそれらの大域的基準ノードへ各々のフィルタ回路を介して接続し、前記配電回路の夫々のフィルタ回路は、前記配電回路の他の夫々のフィルタ回路とは異なり、前記N個の基準レギュレーション回路は、共通のレギュレータを共有して、それらが単一のレギュレーション動作でそれらの大域的基準ノードで前記基準信号をレギュレートするようにする[
図6(a)]、
前記半導体集積回路。
【0160】
B7.付記B2乃至B6のうちいずれかに記載の半導体集積回路[2]であって、
前記演算ユニットは、異なる演算ユニットがそれらの各々の一連のN個の演算において同じ時点で異なる段階にあるように、タイムインターリーブ方式でそれらの各々の一連の演算を実行するよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0161】
B8.付記B1乃至B7のうちいずれかに記載の半導体集積回路[2]であって、
2からNまでのXの各値について、X番目の耐雑音性レベルはX−1番目の耐雑音性レベルよりも低い、
前記半導体集積回路。
【0162】
B9.付記B1乃至B8のうちいずれかに記載の半導体集積回路[2]であって、
前記N個の演算の夫々は、お互いに異なる第1乃至第Nの雑音注入レベルの中の対応する雑音注入レベルを有し、各雑音注入レベルは、関連する演算が関連する局所的基準ノードでの用いられる基準信号に注入する雑音のレベルであり、
任意に、2からNまでのXの各値について、X番目の雑音注入レベルはX−1番目の雑音注入レベルよりも低い、
前記半導体集積回路。
【0163】
B10.付記B1乃至B9のうちいずれかに記載の半導体集積回路[2]であって、
Nは、2又は3又は4に等しい、
前記半導体集積回路。
【0164】
B11.付記B1乃至B10のうちいずれかに記載の半導体集積回路[2+3]であって、
夫々の演算ユニットについて、
前記一連の演算は、Xが1からNまで大きくなる順序で前記N個の演算を実行することを含み、
前記スイッチング回路は、前記演算回路の基準信号入力ノードを前記第1乃至第Nの局所的基準ノードへ夫々接続する第1乃至第Nのスイッチを有し、
1からN−1までのXの各値について、前記制御回路は、X番目のスイッチをオンして、X番目の演算のためにX番目の局所的基準ノードで供給される基準信号を前記演算回路の前記基準信号入力ノードに供給し、次いで、前記X番目のスイッチをオフし且つX+1番目のスイッチをオフして、X+1番目の演算のためにX+1番目の局所的基準ノードで供給される基準信号を代わりに前記演算回路の前記基準信号入力ノードに供給するよう構成され、
前記スイッチは、1からN−1までのXの各値について、前記X番目のスイッチがオフされ且つ前記X+1番目のスイッチがオンされる場合に、前記基準ノードから前記演算回路の前記基準信号入力ノードに注入される電荷の正味量を制限する又は最小限にする又は0まで減らすように、お互いに対してサイジングされる、
前記半導体集積回路。
【0165】
B12.付記B11に記載の半導体集積回路[2+3]であって、
前記スイッチは夫々、少なくとも1つのMOSFETトランジスタを用いて実装され、
前記MOSFETトランジスタのチャネル幅及び長さは、前記注入される電荷の正味量を制限する又は最小限にする又は0まで減らすように設定される、
前記半導体集積回路。
【0166】
B13.付記B12に記載の半導体集積回路[2+3]であって、
前記局所的基準ノードで供給される前記基準信号は、お互いに略同じ電圧レベルを有し、
1からN−1までのXの各値について、前記X番目のスイッチをオフし且つ前記X+1番目のスイッチをオンするよう前記MOSFETトランジスタのゲート端子で供給されるスイッチング信号は、お互いの間で同じポテンシャル差を有する高電圧レベル及び低電圧レベルの間で切り替わり、
前記スイッチは、お互いに同じ数及び配置のMOSFETトランジスタを有し、
前記MOSFETトランジスタのチャネル幅及び長さは、1からNまでのXの各値について、前記X番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのゲートキャパシタンスCgsが、前記X+1番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのゲートキャパシタンスCgs及びCgdの和に等しいように設定される、
前記半導体集積回路。
【0167】
B14.付記B13に記載の半導体集積回路[2+3]であって、
前記MOSFETトランジスタの夫々についてのゲートキャパシタンスCgs及びCgdは等しく、
前記MOSFETトランジスタのチャネル長さはお互いに同じであり、
前記MOSFETトランジスタのチャネル幅は、前記注入される電荷の正味量を制限する又は最小限にする又は0まで減らすように設定される、
前記半導体集積回路。
【0168】
B15.付記B14に記載の半導体集積回路[2+3]であって、
1からNまでのXの各値について、前記X番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのチャネル幅は、X+1番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのチャネル幅のサイズの2倍である、
前記半導体集積回路。
【0169】
B16.付記B3乃至B15のいずれかに記載の半導体集積回路[2+1及び2+3+1]であって、
夫々の前記演算ユニットは、第1乃至第Nの局所的レギュレーション回路を有し、
Xの各値について、X番目の基準レギュレーション回路は、X番目の局所的レギュレーション回路を有し、
Xの各値について、夫々のX番目の局所的レギュレーション回路は、前記X番目の基準レギュレーション回路から制御信号を受信するよう接続された入力端子を備え、該受信された制御信号に基づき関連するX番目の局所的基準ノードで基準信号をレギュレートするよう構成され、
Xの各値について、夫々のX番目の局所的レギュレーション回路の前記入力端子は、比較的少量の電流が前記X番目の基準レギュレーション回路から前記入力端子によって引き込まれるように高い入力インピーダンスを有し、
Xの各値について、夫々のX番目の局所的レギュレーション回路は、比較的多量の電流を電圧源から引き込み、その電流を、関連する前記演算回路へ関連する前記X番目の局所的基準ノードで供給するよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0170】
B17.付記B16に記載の半導体集積回路[2+1及び2+3+1]であって、
夫々の演算ユニットについて及びXの各値について、前記X番目の局所的レギュレーション回路は、前記比較的多量の電流を前記電圧源から引き込み、その電流を、関連する前記演算回路へ前記X番目の局所的基準ノードで供給して、前記X番目の局所的基準ノードから前記演算回路によって引き込まれる電流の一部が、X番目の大域的基準ノードからよりむしろ前記X番目の局所的レギュレーション回路によって前記電圧源から供給されるようにするよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0171】
B18.付記B16又はB17に記載の半導体集積回路[2+1及び2+3+1]であって、
夫々の演算ユニットについて及びXの各値について、
前記X番目の局所的レギュレーション回路は、ソースフォロワ又はエミッタフォロワトランジスタとして構成されたトランジスタを有し、
前記X番目の局所的レギュレーション回路の前記入力端子は、前記ソースフォロワ又はエミッタフォロワトランジスタのゲート又はベース端子であり、
前記X番目の局所的レギュレーション回路は、前記比較的多量の電流を前記ソースフォロワ又はエミッタフォロワトランジスタのソース又はエミッタ端子から前記演算回路へ供給するよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0172】
B19.付記B3乃至B18のうちいずれかに記載の半導体集積回路[2+4,2+1+4及び2+3+1+4]であって、
各配電回路は、前記演算ユニットの夫々の関連する局所的基準ノードを、関連する大域的基準ノードへ、各々の独立した信号パスを介して接続するよう構成され、
各信号パスは、それに沿って接続されたフィルタ回路を有する、
前記半導体集積回路。
【0173】
B20.付記B19に記載の半導体集積回路[2+4,2+1+4及び2+3+1+4]であって、
局所的デカップリングキャパシタが、前記局所的基準ノードの夫々又は1つ以上で接続される、
前記半導体集積回路。
【0174】
B21.付記B19又はB20に記載の半導体集積回路[2+4,2+1+4及び2+3+1+4]であって、
前記大域的基準ノードへ接続された大域的デカップリングキャパシタを有する
前記半導体集積回路。
【0175】
B22.付記B19乃至B21のうちいずれかに記載の半導体集積回路[2+4,2+1+4及び2+3+1+4]であって、
各フィルタ回路は、抵抗として実装される、
前記半導体集積回路。
【0176】
B23.付記B22に記載の半導体集積回路[2+4,2+1+4及び2+3+1+4]であって、
前記抵抗は、並列に及び/又は直列に接続された1つ以上の抵抗器を有する、
前記半導体集積回路。
【0177】
B24.付記B23に記載の半導体集積回路[2+4,2+1+4及び2+3+1+4]であって、
各抵抗器は、その線形領域で動作するよう構成されたMOSFETトランジスタとして実装される、
前記半導体集積回路。
【0178】
B25.付記B19乃至B24のうちいずれかに記載の半導体集積回路[2+4,2+1+4及び2+3+1+4]であって、
前記独立した信号パスは、
前記大域的基準ノードと関連する前記局所的基準ノードとの間で所与の雑音周波数帯域幅にわたってお互いから電気的に切り離され、且つ/あるいは
前記大域的基準ノードと関連する前記局所的基準ノードとの間でお互いから電気的に分離される、
前記半導体集積回路。
【0179】
B26.付記B1乃至B25のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算は、前記用いられる基準信号における雑音のレベルに依存した結果を生成し、且つ/あるいは
夫々の前記演算は、データ信号及び前記用いられる基準信号に依存した結果を生成する、
前記半導体集積回路。
【0180】
B27.付記B1乃至B26のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
前記基準信号は電圧信号であり、且つ/あるいは
前記基準信号は、お互いに略同じ大きさを有する、
前記半導体集積回路。
【0181】
B28.付記B1乃至B27のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算は、1つ以上のサブ演算を含む、
前記半導体集積回路。
【0182】
B29.付記B1乃至B28のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算ユニットは、逐次比較型ADCユニットであり、
夫々の前記演算は、1つ以上の比較演算を有し、且つ/あるいは、夫々の前記演算ユニットは、非バイナリ変換を実行するよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0183】
B30.付記B1乃至B29のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
アナログ−デジタル変換器である
前記半導体集積回路。
【0184】
B31.付記B1乃至B30のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]を有するアナログ−デジタル変換器。
【0185】
C:発明3(T3)
C1.Nが2以上の整数であるとして、演算回路、スイッチング回路及び第1乃至第Nの局所的基準ノードを有し、前記演算回路が、対応する基準信号に夫々依存した一連の第1乃至第Nの演算を実行するよう動作可能である、演算ユニットと、
前記N個の局所的基準ノードで第1乃至第Nの各々の基準信号を供給するよう接続された基準レギュレーション回路と、
制御回路と
を有し、
Xは、1からNをとる整数変数であり、
前記制御回路は、前記演算ユニットのために、その演算回路がそのX番目の演算のための基準信号としてそのX番目の局所的基準ノードで供給されるX番目の基準信号を用いるようにその演算回路をその局所的基準ノードへ選択的に接続するよう、前記N個の演算が実行される場合にそのスイッチング回路を制御するよう構成され、
前記一連の演算は、Xが1からNまで大きくなる順序で前記N個の演算を実行することを含み、
前記スイッチング回路は、前記演算回路の基準信号入力ノードを前記第1乃至第Nの局所的基準ノードへ夫々接続する第1乃至第Nのスイッチを有し、
1からN−1までのXの各値について、前記制御回路は、X番目のスイッチをオンして、X番目の演算のためにX番目の局所的基準ノードで供給される基準信号を前記演算回路の前記基準信号入力ノードに供給し、次いで、前記X番目のスイッチをオフし且つX+1番目のスイッチをオフして、X+1番目の演算のためにX+1番目の局所的基準ノードで供給される基準信号を代わりに前記演算回路の前記基準信号入力ノードに供給するよう構成され、
前記スイッチは、1からN−1までのXの各値について、前記X番目のスイッチがオフされ且つ前記X+1番目のスイッチがオンされる場合に、前記基準ノードから前記演算回路の前記基準信号入力ノードに注入される電荷の正味量を制限する又は最小限にする又は0まで減らすように、お互いに対してサイジングされる、
半導体集積回路[3]。
【0186】
C2.付記C1に記載の半導体集積回路[3]であって、
前記スイッチは夫々、少なくとも1つのMOSFETトランジスタを用いて実装され、
前記MOSFETトランジスタのチャネル幅及び長さは、前記注入される電荷の正味量を制限する又は最小限にする又は0まで減らすように設定される、
前記半導体集積回路。
【0187】
C3.付記C2に記載の半導体集積回路[3]であって、
前記局所的基準ノードで供給される前記基準信号は、お互いに略同じ電圧レベルを有し、
1からN−1までのXの各値について、前記X番目のスイッチをオフし且つ前記X+1番目のスイッチをオンするよう前記MOSFETトランジスタのゲート端子で供給されるスイッチング信号は、お互いの間で同じポテンシャル差を有する高電圧レベル及び低電圧レベルの間で切り替わり、
前記スイッチは、お互いに同じ数及び配置のMOSFETトランジスタを有し、
前記MOSFETトランジスタのチャネル幅及び長さは、1からNまでのXの各値について、前記X番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのゲートキャパシタンスCgsが、前記X+1番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのゲートキャパシタンスCgs及びCgdの和に等しいように設定される、
前記半導体集積回路。
【0188】
C4.付記C3に記載の半導体集積回路[3]であって、
前記MOSFETトランジスタの夫々についてのゲートキャパシタンスCgs及びCgdは等しく、
前記MOSFETトランジスタのチャネル長さはお互いに同じであり、
前記MOSFETトランジスタのチャネル幅は、前記注入される電荷の正味量を制限する又は最小限にする又は0まで減らすように設定される、
前記半導体集積回路。
【0189】
C5.付記C4に記載の半導体集積回路[3]であって、
1からNまでのXの各値について、前記X番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのチャネル幅は、X+1番目のスイッチの少なくとも1つのMOSFETトランジスタについてのチャネル幅のサイズの2倍である、
前記半導体集積回路。
【0190】
C6.付記C1乃至C5のいずれかに記載の半導体集積回路[3]であって、
Nは、2又は3又は4に等しい、
前記半導体集積回路。
【0191】
C7.付記C1乃至C6のいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算は、前記用いられる基準信号における雑音のレベルに依存した結果を生成し、且つ/あるいは
夫々の前記演算は、データ信号及び前記用いられる基準信号に依存した結果を生成する、
前記半導体集積回路。
【0192】
C8.付記C1乃至C7のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
前記基準信号は電圧信号であり、且つ/あるいは
前記基準信号は、お互いに略同じ大きさを有する、
前記半導体集積回路。
【0193】
C9.付記C1乃至C8のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算は、1つ以上のサブ演算を含む、
前記半導体集積回路。
【0194】
C10.付記C1乃至C9のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算ユニットは、逐次比較型ADCユニットであり、
夫々の前記演算は、1つ以上の比較演算を有し、且つ/あるいは、夫々の前記演算ユニットは、非バイナリ変換を実行するよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0195】
C11.付記C1乃至C10のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
アナログ−デジタル変換器である
前記半導体集積回路。
【0196】
C12.付記C1乃至C11のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]を有するアナログ−デジタル変換器。
【0197】
D:発明4(T4)
D1.局所的基準ノード及び演算回路を夫々有する複数の演算ユニットであり、各演算ユニットがその局所的基準ノードで供給されている基準信号に依存した演算を実行するよう動作可能である、前記複数の演算ユニットと、
大域的基準ノードと、
前記複数の演算ユニットの夫々の前記局所的基準ノードが前記大域的基準ノードへ接続される配電回路と
を有し、
前記配電回路は、前記複数の演算ユニットの夫々の前記局所的基準ノードを前記大域的基準ノードへ各々の独立した信号パスを介して接続するよう構成され、
各信号パスは、それに沿って接続されたフィルタ回路を有する、
半導体集積回路[4]。
【0198】
D2.付記D1に記載の半導体集積回路[4]であって、
局所的デカップリングキャパシタが、前記局所的基準ノードの夫々又は1つ以上で接続される、
前記半導体集積回路。
【0199】
D3.付記D1又はD2に記載の半導体集積回路[4]であって、
前記大域的基準ノードへ接続される大域的デカップリングキャパシタを有する
前記半導体集積回路。
【0200】
D4.付記D1乃至D3のうちいずれかに記載の半導体集積回路[4]であって、
各フィルタ回路が抵抗として実装される、
前記半導体集積回路。
【0201】
D5.付記D4に記載の半導体集積回路[4]であって、
前記抵抗は、並列に及び/又は直列に接続された1つ以上の抵抗器を有する、
前記半導体集積回路。
【0202】
D6.付記D5に記載の半導体集積回路[4]であって、
各抵抗器は、その線形領域で動作するよう構成されたMOSFETトランジスタとして実装される、
前記半導体集積回路。
【0203】
D7.付記D1乃至D6のうちいずれかに記載の半導体集積回路[4]であって、
前記独立した信号パスは、
前記大域的基準ノードと関連する前記局所的基準ノードとの間で所与の雑音周波数帯域幅にわたってお互いから電気的に切り離され、且つ/あるいは
前記大域的基準ノードと関連する前記局所的基準ノードとの間でお互いから電気的に分離される、
前記半導体集積回路。
【0204】
D8.付記D1乃至D7のうちいずれかに記載の半導体集積回路[4]であって、
前記局所的基準ノードで供給される各々の基準信号及び/又は前記大域的基準ノードで供給される基準信号をレギュレートするよう構成された基準レギュレーション回路を有する
前記半導体集積回路。
【0205】
D9.付記D1乃至D8のいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算は、前記用いられる基準信号における雑音のレベルに依存した結果を生成し、且つ/あるいは
夫々の前記演算は、データ信号及び前記用いられる基準信号に依存した結果を生成する、
前記半導体集積回路。
【0206】
D10.付記D1乃至D9のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
前記基準信号は電圧信号であり、且つ/あるいは
前記基準信号は、お互いに略同じ大きさを有する、
前記半導体集積回路。
【0207】
D11.付記D1乃至D10のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算は、1つ以上のサブ演算を含む、
前記半導体集積回路。
【0208】
D12.付記D1乃至D11のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
夫々の前記演算ユニットは、逐次比較型ADCユニットであり、
夫々の前記演算は、1つ以上の比較演算を有し、且つ/あるいは、夫々の前記演算ユニットは、非バイナリ変換を実行するよう構成される、
前記半導体集積回路。
【0209】
D13.付記D1乃至D12のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]であって、
アナログ−デジタル変換器である
前記半導体集積回路。
【0210】
S14.付記D1乃至D13のうちいずれかに記載の半導体集積回路[いずれか]を有するアナログ−デジタル変換器。