(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-130835(P2019-130835A)
(43)【公開日】2019年8月8日
(54)【発明の名称】多層型の成形体および車載用電子制御ユニット
(51)【国際特許分類】
B32B 27/00 20060101AFI20190712BHJP
B32B 3/30 20060101ALI20190712BHJP
F02B 77/11 20060101ALI20190712BHJP
【FI】
B32B27/00 B
B32B3/30
F02B77/11 E
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-16007(P2018-16007)
(22)【出願日】2018年1月31日
(71)【出願人】
【識別番号】516035471
【氏名又は名称】株式会社IBUKI
(74)【代理人】
【識別番号】100140408
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康介
(72)【発明者】
【氏名】横尾 雄司
(72)【発明者】
【氏名】前田 篤志
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 芳照
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 剛
(72)【発明者】
【氏名】阿部 雄一
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AK01A
4F100AK01B
4F100AK01C
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100DD01A
4F100GB32
4F100GB41
4F100JG01B
4F100JJ01A
4F100JJ01C
(57)【要約】
【課題】筐体を金属加工した作った層と、プラスチック加工して作った層という二層の形成体は、樹脂製のものと比べるとデザインの自由度が低く、重量が重くなってしまう。電磁波シールド性や放熱性を有しつつ、軽量でデザインの自由度が高い成形体を提供する。
【解決手段】少なくとも2種類の樹脂を用いて形成される多層型の成形体であって、熱伝導性樹脂で形成された層と、導電性樹脂で形成された層とをそれぞれ少なくとも一つ備えることを特徴とする多層型の成形体を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種類の樹脂を用いて形成される多層型の成形体であって、
熱伝導性樹脂で形成された層と、
導電性樹脂で形成された層とを
それぞれ少なくとも一つ備えることを特徴とする多層型の成形体。
【請求項2】
請求項1に記載された多層型の成形体であって、
外部の層は、放熱用の突起が形成された前記熱伝導性樹脂の層であることを特徴とする多層型の成形体。
【請求項3】
請求項1に記載された多層型の成形体であって、
外部の層は、少なくとも一部に表面積を増やすための凹凸上のパターンが形成された前記熱伝導性樹脂の層であることを特徴とする多層型の成形体。
【請求項4】
請求項1に記載された多層型の成形体であって、
外側に設けられた前記熱伝導性樹脂で形成された第1層と、
前記第1層より内側に設けられ、周波数特性に応じた形の孔が設けられた前記導電性樹脂で形成された第2層と、
前記第2層より内側に設けられた前記熱伝導性樹脂で形成された第3層とを備えることを特徴とする多層型の成形体。
【請求項5】
請求項1から請求項4いずれか1項に記載の複合成形体を用いた車載用電子制御ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層型の成形体および車載用電子制御ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両は、機械的な機構や原理を用いて制御されていた。しかし、近年の電子制御技術の向上に伴って、エンジンやトランスミッションや車間距離制御システムなど車両の様々な分野において電子制御が行われるようになってきた。
【0003】
電子制御ユニットの筐体は、金属製や樹脂製のものがある。金属製の筐体は、電磁波ノイズに対する電磁波シールド性や放熱性が高いという特徴があり、樹脂製のものは軽く、デザインの自由度が高いという特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−347483
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、金属製の筐体は、加工が難しいためデザインの自由度が低く、また重量が重くなってしまうという課題がある。さらに、樹脂製のものは電磁波シールド性や放熱性に問題がある。
【0006】
このため、筐体を金属加工した作った層と、プラスチック加工して作った層という二層の形成体による筐体が開発された(特許文献1)。しかし、このような形成体であっても、樹脂製のものと比べるとデザインの自由度が低く、重量が重くなってしまう。
【0007】
このため、電磁波シールド性や放熱性を有しつつ、軽量でデザインの自由度が高い成形体が求められている。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するために成形体および車載用電子制御ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも2種類の樹脂を用いて形成される多層型の成形体であって、
熱伝導性樹脂で形成された層と、
導電性樹脂で形成された層とを
それぞれ少なくとも一つ備えることを特徴とする多層型の成形体。
【0010】
例えば、外側を熱伝導性樹脂による層で形成し、内側を導電性樹脂で形成した多層型の成形体を車載用電子制御ユニット用の筐体とすることで、電磁波シールド性や放熱性を有しつつ、軽量でデザインの自由度が高い成形体を提供できる。
【0011】
請求項1に記載された多層型の成形体であって、
外部の層は、放熱用の突起が形成された前記熱伝導性樹脂の層であることを特徴とする多層型の成形体。
【0012】
外側の層に、リブなど放射用の突起が形成されることで、より放熱性が高く軽量でデザインの自由度が高い成形体を提供できる。
【0013】
請求項1に記載された多層型の成形体であって、
外部の層は、少なくとも一部に表面積を増やすための凹凸上のパターンが形成された前記熱伝導性樹脂の層であることを特徴とする多層型の成形体。
【0014】
外側の層に、エンボス加工やシボ加工など放射用の凹凸上のパターンが形成されることで、より放熱性が高く軽量でデザインの自由度が高い成形体を提供できる。
【0015】
請求項1に記載された多層型の成形体であって、
外側に設けられた前記熱伝導性樹脂で形成された第1層と、
前記第1層より内側に設けられ、周波数特性に応じた形の孔が設けられた前記導電性樹脂で形成された第2層と、
前記第2層より内側に設けられた前記熱伝導性樹脂で形成された第3層とを備えることを特徴とする多層型の成形体。
【0016】
例えば、車載用電子制御ユニットの筐体として用いた場合、電子回路など発熱する可能性のある部材の近くに熱伝導性樹脂による第3層があるため、熱が筐体に伝わりやすく、さらに、熱伝導性樹脂で形成された第1層が外側に設けられているため、空気などに筐体の熱が放出されやすい。また、周波数特性に応じた孔が導電性樹脂によって形成された第2層に設けられているため、電磁波ノイズを減少することが可能であるとともに、筐体の外観から孔の形がわからないため、模倣品が作られることを防ぎやすい。このように、電磁波シールド性や放熱性を有しつつ、軽量でデザインの自由度が高い多層型の成形体を提供できる。
【0017】
請求項1から請求項4いずれか1項に記載の多層型の成形体を用いた車載用電子制御ユニット。
【0018】
複数の樹脂の特性を利用した多層型の成形体を筐体として用いることによって、電磁波シールド性や放熱性を有しつつ、金属を用いた筐体と比べ軽量でデザインの自由度が高い車載用電子制御ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる筐体の平面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態にかかる筐体の断面図である。
【
図3】本発明の第2実施形態にかかる筐体の平面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態にかかる筐体の断面図である。
【
図5】本発明の第3実施形態にかかる筐体の平面図である。
【
図6】本発明の第3実施形態にかかる筐体の断面図である。
【
図7】本発明の実施形態にかかる製造パターンを説明する概念図である。
【
図8】本発明の第4実施形態にかかる3層構造の筐体の平面図である。
【
図9】本発明の第4実施形態にかかる3層構造の筐体の断面図である。
【
図10】本発明の実施形態にかかる製造方法の様式図である。
【
図11】本発明の実施形態にかかる熱測定装置の写真である。
【
図12】本発明の実施形態にかかるシールド性能測定装置の写真である。
【
図13】本発明の実施形態にかかる熱測定の結果図である。
【
図14】本発明の実施形態にかかる熱測定の結果図である。
【
図15】本発明の実施形態にかかるシールド性能測定の結果図である。
【
図16】本発明の第4実施形態にかかるシミュレーション結果図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[第1実施形態]
図1、
図2は、本発明にかかる2種類の樹脂を用いて形成された車載用電子制御ユニットの筐体を示している。
図1に示すように、筐体10は、長手方向が203.772ミリメートル、短手方向103.445ミリメートルである。
図2は、筐体10のAAで切断した場合の断面図である。
図2に示すように、筐体10は、外側に厚さ1.5ミリメートルの熱伝導性樹脂の層12と、内側に厚さ1.5ミリメートルの導電性樹脂の層14からなる二層型の成形体である。なお、筐体の厚さは本実施形態の厚さに限定されない。車載用電子制御ユニットの筐体として用いられることが可能な厚み、例えば、2ミリメートルから0.5ミリメートルの間など、強度や収納空間に合わせ厚さであれば良い。
【0021】
本実施形態では、熱伝導性樹脂として、ユニチカ株式会社のN1020Tを、導電性樹脂として、東レ株式会社のトレカ(登録商標) TLP5040(長繊維)を使用した。このように、筐体10は、少なくとも2種類の樹脂を用いて形成される多層型の成形体の一例である。このように、熱伝導性樹脂の層12は、熱伝導性樹脂で形成された層の一例である。このように、導電性樹脂の層14は、導電性樹脂で形成された層の一例である。このように、筐体10は、熱伝導性樹脂と、導電性樹脂とをそれぞれ少なくとも一つ備えることを特徴とする多層型の成形体の一例である。
【0022】
[第2実施形態]
図3、
図4は、本発明にかかる2種類の樹脂を用いて形成された車載用電子制御ユニットの筐体を示している。
図3に示すように、筐体20は、長手方向が203.772ミリメートル、短手方向103.445ミリメートルであり、放熱用のリブ23が外方方向に形成されている。
図4は、筐体20のAAで切断した場合の断面図である。
図4に示すように、筐体20は、外側に厚さ1.5ミリメートルの熱伝導性樹脂の層22と、内側に厚さ1.5ミリメートルの導電性樹脂の層24からなる二層型の成形体である。熱伝導性樹脂のリブが幅0.5ミリメートル、高さ5ミリメートルで形成されている。このように、熱伝導性樹脂の層22は、外部の層は、放熱用の突起が形成された前記熱伝導性樹脂の層であることを特徴とする多層型の成形体の一例である。なお、本実施形態において、リブが幅0.5ミリメートル、高さ5ミリメートルで形成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、幅は、0.3ミリメートルから1ミリメートル、高さは、3ミリメートルから10ミリメートルなど、強度や、放熱性能や、収納空間に合わせて自由に設計できる。
【0023】
[第3実施形態]
図5、
図6は、本発明にかかる2種類の樹脂を用いて形成された車載用電子制御ユニットの筐体を示している。
図5に示すように、筐体30は、長手方向が203.772ミリメートル、短手方向103.445ミリメートルであり、放熱用パターン33が外方方向に形成されている。
図6は、筐体30のAAで切断した場合の断面図である。
図6に示すように、筐体30は、外側に厚さ1.5ミリメートルの熱伝導性樹脂の層32と、内側に厚さ1.5ミリメートルの導電性樹脂の層34からなる二層型の成形体である。このように、熱伝導性樹脂の層32は、少なくとも一部に表面積を増やすための凹凸上のパターンが形成された前記熱伝導性樹脂の層の一例である。
【0024】
図7は、2層構造の成形体の成形パターンの一例を示している。
図7に示すように、本発明にかかる多層型成形体は、平らなパターン11、リブが形成されているパターン21、放熱用の模様が形成されているパターン31など、使用する用途や、空間に合わせて様々な形状を取ることができる。
【0025】
[第4実施形態]
図8、
図9は、本発明にかかる2種類の樹脂を用いて形成された車載用電子制御ユニットの筐体を示している。
図8に示すように、筐体40は、長手方向が203.772ミリメートル、短手方向103.445ミリメートルである。また、点線で書かれているのは、後述する導電性樹脂の層44に形成されたスリット45である。
【0026】
図8は、筐体40のAAで切断した場合の断面図である。
図9に示すように、筐体40は、外側に厚さ1.5ミリメートルの熱伝導性樹脂の層42と、内側に厚さ1.5ミリメートルの導電性樹脂の層44と、さらに、内側に厚さ1.5ミリメートルの熱伝導性樹脂の層46からなる三層型の成形体である。導電性樹脂の層44には、周波数の特性に合わせたスリット45が形成されている。導電性樹脂の層44は、熱伝導性樹脂の層42の内側にあり、外部から見ることができないため、模倣行為を防ぐことができる。
【0027】
このように、熱伝導性樹脂の層42は、外側に設けられた前記熱伝導性樹脂で形成された第1層との一例である。また、導電性樹脂の層44は、第1層より内側に設けられ、周波数特性に応じた形の孔が設けられた前記導電性樹脂で形成された第2層の一例である。また、熱伝導性樹脂の層46は、第2層より内側に設けられた前記熱伝導性樹脂で形成された第3層の一例である。
【0028】
[製造方法]
図10は、二層の成形体の製造方法を示す模式図である。
図10に示すように、本発明にかかる二層のせい形体は、いわゆるインサート成形で成形を行る。一回目の射出により成形された一次側の樹脂(導電性)を、再度金型(コア側)に嵌め、二回目の射出によって二次側の樹脂(熱伝導性)を一次側の樹脂と密着、成形することで、二つの機能性樹脂を組み合わせた製品を成形する。なお、本実施形態においては、インサート成形を用いて、2層構造の成形体の成形を行なっているが、二色成形を用いても同様の製品を成形可能である。
【0029】
また、3層構造の成形体は、一回目の射出により成形された一次側の樹脂(熱伝導性)を、再度金型(コア側)に嵌め、二回目の射出によって二次側の樹脂(導電性)を一次側の樹脂と密着、成形し、2回目の射出により成形された2層の樹脂を、再度金型(コア側)に嵌め、三回目の射出によって三次側の樹脂(熱伝導性)を二次側の樹脂と密着、成形することで、二つの機能性樹脂を組み合わせた3層構造の製品を成形する。このように、筐体10、筐体20、筐体30、筐体40は、多層型の成形体を用いた車載用電子制御ユニットの一例である。
【0030】
なお、前述した実施形態において、熱伝導性樹脂として、ユニチカ株式会社のN1020Tを、導電性樹脂として、東レ株式会社のトレカ(登録商標) TLP5040(長繊維)を使用してきたが、本発明はこれに限定されない。例えば、熱伝導性樹脂として、ユニチカ株式会社のN1020T以外にも、東レ株式会社のトレリナ H501Bや、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社のTPN1125など、例えば、PP樹脂、PC樹脂、ABS樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン610樹脂、PBT樹脂、PPS樹脂などからなるいかなる熱伝導性樹脂であってもよい。
【0031】
また、導電性樹脂として、東レ株式会社のトレカ(登録商標) TLP5040(長繊維)にも、帝人株式会社のSereebo LCFや、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社のレニー C-408など、例えば、PP樹脂、PC樹脂、ABS樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン610樹脂、PBT樹脂、PPS樹脂などからなるいかなる導電性樹脂であってもよい。
【0032】
[放熱性能の測定]
図11は、熱測定の装置を示す写真である。本発明にかかる直流電源を用いてセラミックヒーターを発熱させ、その熱源に箱状の成形品を被せ、サーモグラフィカメラを用いて、筐体10、筐体20、筐体30の温度上昇の時間変化の測定を行った。その結果が、
図13、
図14である。
【0033】
[シールド性能の測定]
図12は、電磁波の測定装置を示す写真である。TEMセル内に成形品をカットした試料を設置し、ネットワークアナライザを用いて、筐体10、筐体20、筐体30の電磁波透過特性(S21)の測定を行った。その結果が
図15である。
【0034】
図13、
図14は、熱測定の結果を示す。なお、
図14は、
図13を拡大したものである。
図13、
図14に示すように、ABS(図中の四角のドット)は、実験開始後、4分ほどで70度前後と成るなど、温度が急上昇する。それに対して、成形体の表面加工がフラットのもの(筐体10、図中では三角のドット)や、放熱用のパターンが加飾されたもの(筐体30、図中では、上の方の×型のドット)は、ABSと比較し、温度の上昇が穏やかである。さらに、リブのついたもの(筐体20、図中では下の方の×型のドット)は、アルミニウム(図中ではひし形のドット)と同等の特性が得られている。
【0035】
このように、筐体20は、外側の層に、リブなど放射用の突起が形成されることで、より放熱性が高く軽量でデザインの自由度が高い成形体を提供できる。また、筐体30は、外側の層に、エンボス加工やシボ加工など放射用の凹凸上のパターンが形成されることで、より放熱性が高く軽量でデザインの自由度が高い成形体を提供できる。
【0036】
例えば、これらの筐体を車載用電子制御ユニットの筐体として用いた場合、電子回路など発熱する可能性のある部材の近くに熱伝導性樹脂による第3層があるため、熱が筐体に伝わりやすく、さらに、熱伝導性樹脂で形成された第1層が外側に設けられているため、空気などに筐体の熱が放出されやすい。
【0037】
図15は、電磁波シールドの測定結果を示す。
図15に示すように、フラットでリブや放熱用のパターンが形成されていない2層構造(筐体20)や、放熱用のパターンが形成された筐体30であっても、ABS樹脂よりは電磁波シールド性能が低いことが示された。
【0038】
図16は、3層構造の電磁波シールド特性を調べるシミュレーション結果である。
図16に示すように、スリットが開いたことで、高周波域のシールド性能が低下する。このように、スリットを開けることによって、特定の波長を通し、電磁波ノイズを減少可能な筐体を製造することが可能である。このように、周波数特性に応じた孔が導電性樹脂によって形成された第2層に設けられているため、電磁波ノイズを減少することが可能である。さらに、筐体40の外観からスリット(孔)の形がわからないため、模倣品が作られることを防ぎやすい。このように、電磁波シールド性や放熱性を有しつつ、軽量でデザインの自由度が高い多層型の成形体を提供できる。
【0039】
このように、外側を熱伝導性樹脂による層で形成し、内側を導電性樹脂で形成した多層型の成形体を車載用電子制御ユニット用の筐体とすることで、電磁波シールド性や放熱性を有しつつ、軽量でデザインの自由度が高い成形体を提供できる。
【0040】
複数の樹脂の特性を利用した多層型の成形体を筐体として用いることによって、電磁波シールド性や放熱性を有しつつ、金属を用いた筐体と比べ軽量でデザインの自由度が高い車載用電子制御ユニットを提供できる。
【符号の説明】
【0041】
10 筐体
11 平らなパターン
12 熱伝導性樹脂の層
14 導電性樹脂の層
20 筐体
21 リブが形成されているパターン
22 熱伝導性樹脂の層
23 リブ
24 導電性樹脂の層
30 筐体
32 熱伝導性樹脂の層
33 放熱用の模様が形成されているパターン
34 導電性樹脂の層
40 筐体
42 熱伝導性樹脂の層
44 導電性樹脂の層
46 熱伝導性樹脂の層