【解決手段】制動装置は、引張力の作用方向に沿って貫通した絞り孔31を有する制動具本体30と、前記制動具本体30の絞り孔31に摺動可能に貫挿された制動杆40とからなり、制動具本体30と制動杆40の間の摺動摩擦抵抗および制動杆の絞り変形抵抗を併用して相反する方向の引張力を吸収する。
前記制動具本体が、対向面に制動杆を絞り変形可能な傾斜絞り溝が形成された一対の摩擦板と、前記一対の摩擦板をボルト締めする複数の連結ボルトとを具備し、前記傾斜絞り溝を向き合わせて重合させた一対の摩擦板の間に絞り孔が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の制動装置。
少なくとも複数の支柱と、支柱を支える控えロープとを具備した防護施設用の制動装置であって、控えロープの端末部とアンカーとの間に介装されていることを特徴とする、請求項1乃至7の何れか一項に記載の制動装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の緩衝金具にはつぎのような問題点がある。
<1>従来の摩擦摺動式の緩衝金具は直接に把持したロープに一定以上の引張力が作用したときに、ロープの摺動摩擦抵抗だけで引張力を吸収する方式であるため、衝撃エネルギーの吸収性能が低い。
<2>エネルギー吸収性能を高める手段としては、緩衝金具本体を大型化してロープとの摩擦面積を増大したり、ボルトの本数を増やして摩擦抵抗を大きくしたりする方法が知られているが、これらの方法は緩衝金具の大型化とコスト高といった新たな問題を生じる。
<3>複数の撚り線で編成された金属製のロープはその外周面にらせん状の凹凸起伏が形成されていることから、ロープの外周全面を緩衝金具のロープ収容溝に接面させることができず、摩擦抵抗面積にロスが生じる。
<4>ロープを緩衝金具本体に直接に把持させて摺動させると、ロープの摺動中にロープが小刻みにロープの長さ方向の収縮変形とロープ径方向の拡縮変形を繰り返す。ロープの拡縮変形に伴い摺動部の摩擦抵抗が大小変化するが、摩擦抵抗が極端に大きく変化する場合がある。
そのため、緩衝金具の一方をアンカーで支えている場合は、アンカーに対して想定を超える引張力が作用するとアンカーが破壊されてしまう。
<5>ロープが摺動する際に摩擦熱を生じる。摩擦熱が高温に達すると摩擦抵抗が急激に小さくなって衝撃エネルギーの吸収性能が低下するだけでなく、表面の鋼製素線群が溶け出してロープの摺動中にロープが切れて機能喪失に陥るといった問題がおきる。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは引張力が作用するロープを傷めずにロープに作用する引張力(衝撃エネルギー)を効率よく吸収できる、制動装置を提供することにある。
さらに本発明の目的は、防護施設に適した制動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のロープの制動装置は、相反する方向に引張力が作用する制動装置である。
制動装置は引張力の作用方向に沿って貫通した絞り孔を有する制動具本体と、前記制動具本体の絞り孔に貫挿された制動杆とを具備する。
制動杆の絞り変形が可能なように、前記絞り孔の断面積が制動杆の引張方向に向けて漸減する空間として形成されている。
前記制動杆と制動具本体に相反する方向に向けて作用する引張力が、制動具本体の絞り孔と制動杆の側面間の摩擦抵抗に、制動杆の絞り変形抵抗とを加えた総抵抗を越えたときに制動具本体に貫挿された制動杆が摺動するものである。
本発明の他の形態において、前記制動具本体は一対の摩擦板と、前記一対の摩擦板をボルト締めする複数の連結ボルトとからなり、一対の摩擦板の対向面には制動杆を絞り変形可能な傾斜絞り溝が形成されていて、一対の摩擦板を重合させて組み立てると、一対の摩擦板の間に絞り孔が形成される。
本発明の他の形態において、前記制動具本体に形成された複数の絞り孔に複数の制動杆を摺動可能に貫挿して構成してもよい。
本発明の他の形態において、前記制動杆の引張側の一端部が、制動具本体の絞り孔に貫挿可能な形状に予め形成しておく。
本発明の他の形態において、前記制動杆は塑性変形または弾性変形が可能な素材を選択でき、実用上は塑性変形が可能な鋼管が好適である。
本発明の他の形態において、少なくとも複数の支柱と、支柱を支える控えロープとを具備した防護施設用の制動装置であって、控えロープの端末部とアンカーとの間に制動装置を介装する。
本発明の他の形態において、防護施設用の制動装置であって、防護施設を構成する2本のロープの端末部の間に制動装置を介装してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明は以上の構成を有することで少なくともつぎのひとつの効果を奏する。
<1>本発明に係る制動装置は制動具本体と制動杆の間の摩擦抵抗および制動杆の絞り変形抵抗を利用して制動するので、相反する方向に向けて作用する引張力を効率よく吸収することができる。
<2>相反する方向に向けて引張力が作用しても、制動装置と制動装置に接続したロープとの間で摺動が生じないので、摩擦熱に起因したロープの損傷や破断を確実に防止できる。
<3>制動具本体と制動杆の間の摩擦抵抗と絞り変形抵抗が安定しているので、安定した制動力を得ることができる。
<4>制動装置を防護施設に適用した場合は、制動杆の摺動中に想定外の過荷重が生じないので、制動装置の一方をアンカーに接続した場合に想定外の過荷重に起因したアンカーの破壊を防止することができる。
<5>制動杆が塑性変形可能な鋼管で形成した場合には、制動杆の外径を変えずに肉厚を厚くすると、制動装置の制動力を大きくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明では制動装置を防護施設に適用した形態について説明するが、制動装置は防護施設以外に各種の免震用途に適用することも可能である。
要は相反する方向へ向けて発生する引張力を吸収できる用途であれば制動装置が適用可能である。
【0010】
[実施例1]
<1>防護施設
防護施設は公知の落石用、雪崩用、崩落土砂用の防護柵を含む。
図1に例示した代表的な防護施設について説明すると、防護施設は少なくとも所定の間隔を隔てて傾倒可能または傾倒不能に立設した複数の支柱10と、隣り合う支柱10の上下間に架け渡した防護ネット11とを具備していて、支柱10の頭部と山側斜面のアンカー12との間に控えロープ13が配設してある。
【0011】
防護ネット11はロープ製、金網製、またはこれらを組み合せたネットを含み、ロープ製ネットはロープを格子状に交差させたネット、複数のリング体を連鎖して形成したネット等の公知のネットを含む。
【0012】
控えロープ13はその上端を支柱10の頭部に連結しもよいが、支柱10の頭部を貫通させて防護ネット11の上辺に連結してもよい。
【0013】
<2>制動装置
制動装置20は相反する方向へ向けて引張力が発生する部位に介装されるブレーキ装置である。
図2,3を参照して説明すると、制動装置20は、貫通した絞り孔31を有する制動具本体30と、絞り孔31に摺動可能に貫挿した制動杆40とからなる。
【0014】
従来の摩擦摺動式の緩衝金具では摺動対象が緩衝金具とロープとの組み合せであり、摺動部の摺動摩擦抵抗だけで引張力を吸収するものである。
これに対し本発明の制動装置20では、摺動対象が制動具本体30と制動杆40との組み合わせであり、制動杆40の絞り変形抵抗と摺動摩擦抵抗とにより引張力を吸収し得るように構成した。
【0015】
<2.1>制動装置の介装位置
本例では控えロープ13の端末部とアンカー12との間に制動装置20を介装した形態について説明する。この場合、控えロープ13が引張ロープ14として機能し、アンカー12が静止部材として機能する。
制動装置20のその他の介装位置としては、例えば防護ネット11を構成するロープの端末部と支柱10との間に介装するか、または向かい合せて配置した2本の各種ロープの端末部間に介装してもよい。
防護施設の構成部材中の相反する方向へ向けて引張力が発生する部位であれば制動装置20を介装することが可能である。
【0016】
<2.2>制動具本体
図2に例示した制動具本体30について説明すると、制動具本体30は同一の構造を呈する一対の摩擦板32,32と、一対の摩擦板32,32をボルト締めする複数の連結ボルト34とからなる。
一対の摩擦板32,32の両側に形成した複数のボルト孔33を通じて複数の連結ボルト34を締め付けることで、中心に貫通した絞り孔31を有する制動装置20が組み立てられる。
【0017】
本例では摩擦板32の対向面の角部の一対のボルト孔33を中心に凹部35を形成している。凹部35を形成したのは連結ボルト34を利用して連結補助具21の両端部を制動具本体30に接続するためである。
連結補助具21の端部の接続形態は、連結ボルト34に限定されるものもではなく、摩擦板32の外部に一体に形成した接続用のブラケットを介して接続するようにしてもよい。
なお、制動具本体30は分割組立式にせずに一体成形物として形成してもよい。
【0018】
<2.3>絞り孔
図2,5を参照して説明すると、絞り孔31は制動杆40の側面を連続的に圧潰する絞り面としての機能と、摩擦面としての機能を併有した空間である。
本例の形態について説明すると、各摩擦板32の対向面には、制動杆40を収容するためのガイド溝31aと傾斜絞り溝31bとが連続して形成されていて、ガイド溝31aと傾斜絞り溝31bをそれぞれ向き合わせることで重合させた一対の摩擦板32,32の間に連続した絞り孔31が形成される。
絞り孔31の内周面は平滑面として形成されている。
なお、ガイド溝31aを省略して一対の傾斜絞り溝31bで絞り孔31を構成してもよい。
【0019】
<2.3.1>ガイド溝
ガイド溝31aは制動杆40と同幅の溝であり、溝の深さは均一である。本例では円形断面の制動杆40を収容し得るようにガイド溝31aが断面U字形の溝として形成されている。
【0020】
<2.3.2>傾斜絞り溝
傾斜絞り溝31bはガイド溝31aより幅広の溝であり、溝の深さは制動杆40の側面の絞り量が漸増するように、ガイド溝31aの終端から制動杆40の引張方向へ向けて徐々に浅くなっている。
本例では傾斜絞り溝31bの断面形状をコ字形の溝とし、溝底面が制動杆40の引張方向へ向けて徐々に浅くなるように一定勾配を有する平滑な傾斜面として形成されている。
傾斜絞り溝31bの溝底の傾斜面は湾曲面として形成してもよい。
なお、必要に応じて傾斜絞り溝31bの溝底面を隆起させて平面視が略三角形状の絞りガイド31cを形成しておくと、制動中における制動杆40の絞り変形を安定して行うことができる。
【0021】
<2.4>制動杆
制動杆40は制動具本体30と協働して引張力を吸収するための中空構造または密実構造を呈する柱状体である。
制動杆40は塑性変形または弾性変形が可能な素材(例えば、鋼、硬質耐熱樹脂等)からなり、特に耐熱性と引張強度に優れた素材であればよい。
また摩擦熱により切断されないように予め制動杆40の材質や強度等を設定しておく。
変形前における制動杆40の断面形状は特に制約はないが、例えば円形、楕円形、多角形等の断面形状を含む。
制動杆40の外周面は凹凸のない平滑面として形成することが望ましいが、その外周面が平滑面に限定されるものではない。
制動杆40の全長、素材、断面形状、肉厚等は発生予定の運動エネルギー等を考慮して適宜選択する。
【0022】
<2.4.1>制動杆の例示
図2,4は制動杆40に円筒形の鋼管を適用した場合を示していて、制動杆40は均一径の円柱部41と、円柱部41の右端部(一端部)近くの上下両側を加圧して成形される傾斜部42と、傾斜部42の裾部から延出した薄厚の扁平部43とを有している。
【0023】
<2.4.2>円柱部
円柱部41は断面が円環形を呈していて、その全長に亘って断面形状が同一である。
引張力の吸収距離(制動距離)は円柱部41の全長により求められる。
円柱部41の外径を変えずに肉厚を厚くすると、円柱部41の絞り変形抵抗が増して制動装置20の制動力を大きくできる。
【0024】
<2.4.3>制動杆の引張側の構造
制動装置20の絞り孔31に貫挿できるように、制動杆40の引張側の一端部には傾斜部42と扁平部43を予め成形しておく。
制動杆40の一端部の事前加工は、制動装置20を組み立てる際に、間に挟んだ制動杆40の一端部を一対の摩擦板32,32を介して加圧成形することも可能である。
制動杆40の傾斜部42は
図4に例示した形状に限定されず、絞り孔31に貫挿できる形状であればよい。
【0025】
図4に例示した形態では、扁平部43の端部に補強板44を一体に固着すると共に、補強板44にロープ孔45を穿設しているが、補強板44を省略して扁平部43にロープ孔45を穿設してもよい。
【0026】
<2.4.4>ストッパ
円柱部41の左端部(他端部)に円柱部41より大径のストッパ46を設けて、制動具本体30に貫挿した制動杆40の抜け出しを規制し得るようにしてもよい(
図2)。
ストッパ46は必須ではなく省略される場合もある。
【0027】
[制動装置の使用方法]
図2〜4を参照しながら制動装置20の使用方法について説明する。
【0028】
<1>制動装置の組立て
片方の摩擦板32のガイド溝31aに制動杆40の円柱部41を収容すると共に、傾斜絞り溝31b内に傾斜部42と扁平部43を収容したら、もう片方の摩擦板32を重ね合せる。
絞り孔31に制動杆40を貫挿した状態で、複数の連結ボルト34で一対の摩擦板32,32の間を締め付けて制動装置20を組み立てる。
組み立てを完了した制動装置20は制動具本体30の一方に制動杆40の扁平部43が突出し、制動具本体30の他方に制動杆40の円柱部41が延出する。
制動装置20の組み立ては現場で行ってもよいし、予め組立てた制動装置20を現場へ搬入してもよい。
【0029】
<2>制動装置の介装
制動具本体30にU字形の連結補助具21を介してアンカー12に接続する一方、制動具本体30から突出する制動杆40の引張一端に引張ロープ14として機能する控えロープ13の端部を接続する。
制動装置20を構成する制動具本体30と制動杆40との接続対象をそれぞれ逆にして、アンカー12側に制動杆40を接続し、控えロープ13側に制動具本体30を接続してもよい。
【0030】
<3>制動作用
図5,6を参照して制動装置20の制動作用について説明する。
【0031】
<3.1>引張力が小さいとき
図5(A)を参照すると、制動装置20を構成する制動杆40の一端部の側面は制動具本体30の絞り孔31の溝底面と接面している。
制動具本体30がアンカー12に接続して支持されていることから、控えロープ13を通じて制動杆40に図面右方へ向けた引張力Fが作用すると、制動装置20には相反する方向へ向けて引張力が発生する。
引張力Fが制動装置20の総抵抗(制動杆40と制動具本体30間の摩擦抵抗に制動杆40の絞り変形抵抗を加えた抵抗)に達しないときは、制動具本体30と制動杆40との間で摺動を生じない。
控えロープ13に作用した引張力Fは制動装置20を経てアンカー12で支持される。
【0032】
<3.2>引張力が大きいとき
図5(B)を参照して説明すると、控えロープ13に作用する引張力Fが、制動装置20の総抵抗を超えると制動具本体30内で制動杆40の絞り変形と摺動が同時進行する。
断面円形を呈する円柱部41の側面は絞り孔31内の傾斜した溝底面に加圧されながら徐々に絞り込まれ、最終的に薄厚の扁平部43まで絞り込まれる。
制動杆40の側面が絞り孔31で絞り込まれる際に絞り変形抵抗と摩擦抵抗が生じる。
このように本発明では、控えロープ13(引張ロープ14)を傷めずに、制動装置20の内部で同時並行的に生じる制動杆40の絞り変形抵抗と摩擦抵抗とにより引張力Fを効率よく吸収することができる。
【0033】
図6は
図5(B)に示した制動装置20の要部を拡大してモデル化したもので、傾斜絞り溝31bの溝底面が引張力Fの作用方向に対して所定の傾斜角θだけ傾いているので、引張力Fの一部の分力が絞り力fとして作用する。
傾斜絞り溝31bの形成範囲に亘って絞り力fの作用方向が変わらないので、制動杆40は傾斜絞り溝31bから一定の絞り力fを受けながら円滑に絞り込まれる。
【0034】
<4>制動特性
つぎに本発明の制動装置20の制動特性について説明する。
図7(A)はロープを緩衝金具本体に直接に把持させる従来の緩衝金具の制動性能を示し、同図(B)は本発明の制動装置20の制動性能を示している。
横軸はロープまたは制動杆40の変位量を表し、縦軸で張力変化を表している。
【0035】
従来の緩衝金具では、ロープの摺動中にロープの張力変化が激しい脈動波形となっているため、ロープに想定外の過荷重が作用する。
これはロープの摺動中に緩衝金具内でロープの間欠的な伸びと伸びの開放が繰り返されることで摩擦抵抗が大きく変化するためと考えられる。
【0036】
これに対して本発明の制動装置20では、制動杆40の摺動中にロープの張力変化がほとんどない安定波形となるので安定した制動力を発揮できる。
本発明の制動装置20では、同一の絞り力fを受けながら制動杆40が安定して押し潰されていくので、波形に脈動が生じることはない。
したがって、制動装置20をアンカーに接続してもアンカーの破壊を効果的に防止できる。
【0037】
[変形例]
先の実施例1では制動具本体30の絞り孔31に貫挿した制動杆40を相対向する二方向から扁平形状に絞り込む形態について説明したが、制動杆40の絞り方向は三方向以上から絞り込んだり、全方向から絞り込んだりしてもよい。
【0038】
[実施例2]
図8を参照して実施例2に係る制動装置20について説明する。
先の実施例1では制動具本体30に1本の制動杆40を貫挿させて制動装置20を構成する形態について説明したが、制動杆40の配置本数は複数であってもよい。
【0039】
本実施例では、内部に間隔隔てて複数の絞り孔31を平行に形成した制動具本体30と、各絞り孔31に沿って貫挿させた複数の制動杆40とにより制動装置20を構成している。
本実施例の場合、複数の制動杆40の引張方向は同一に揃えられていて、複数の制動杆40の一端部の間に架け渡した連結材15を介して引張ロープ14の端末部を連結する。
本実施例における制動杆40の絞り構造や制動作用については既述した実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0040】
本実施例にあっては、先の実施例1の作用効果にくわえて、複数の制動杆40を並列に配設することで、摺動単位長さ当たりのエネルギー吸収性能が格段に高くなる、といった効果が得られる。
【0041】
[実施例3]
さらに先の実施例2において、連結材15をなくして、各制動杆40の一端部に複数の引張ロープ14の端末部を個別的に連結してもよい。
本実施例にあっては一台の制動装置20で以て、複数の引張ロープ14の引張力を吸収できるだけでなく、制動具本体30を共有できるので制動装置20の小型化と低コスト化を実現できる。