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特開2019-133659分散型室内位置決めシステム及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-133659(P2019-133659A)
(43)【公開日】2019年8月8日
(54)【発明の名称】分散型室内位置決めシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20190712BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20190712BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20190712BHJP
   G01C 21/30 20060101ALI20190712BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20190712BHJP
【FI】
   G06T7/70 A
   G01B11/00 H
   G01C21/26 P
   G01C21/30
   G08G1/005
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-12246(P2019-12246)
(22)【出願日】2019年1月28日
(31)【優先権主張番号】62/623,048
(32)【優先日】2018年1月29日
(33)【優先権主張国】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】519031944
【氏名又は名称】光禾感知科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】OSENSE TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】王 友光
(72)【発明者】
【氏名】蔡 弘亜
【テーマコード(参考)】
2F065
2F129
5H181
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA03
2F065AA04
2F065BB15
2F065CC16
2F065DD02
2F065DD07
2F065FF01
2F065FF04
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065MM06
2F129AA02
2F129BB33
2F129BB49
2F129BB66
2F129EE09
2F129EE65
2F129EE78
2F129EE94
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF17
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF29
2F129FF30
2F129FF36
2F129FF62
2F129FF71
2F129FF73
2F129GG17
2F129HH12
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181FF07
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF32
5H181MB11
5H181MC19
5H181MC22
5L096AA06
5L096BA08
5L096CA04
5L096DA02
5L096FA69
5L096HA02
5L096HA09
5L096KA07
5L096KA15
(57)【要約】
【課題】分散型室内位置決めシステム及びその方法を提供する。
【解決手段】ユーザの所在位置に基づいて該ユーザの所在位置の室内マップをロードするための工程と、該ユーザの所在位置の室内画像をキャプチャすることで画像ストリームを生成するための工程と、該画像ストリームの圧縮を実行し、該画像ストリームを次元削減することで次元削減画像を生成するための工程と、該次元削減画像により前にロードされた室内マップから対応する室内マップを取得することで、該対応する室内マップに基づいて該ユーザの所在位置を判断するための工程と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの所在位置に基づいて前記ユーザの所在位置の室内マップをロードするマップロードモジュールと、
前記ユーザのユーザ装置のカメラにより前記ユーザの所在位置の室内画像をキャプチャして画像ストリームを生成する画像キャプチャモジュールと、
前記画像ストリームの圧縮を実行し、前記画像ストリームを次元削減することで次元削減画像を生成する画像次元削減モジュールと、
前記次元削減画像により前記マップロードモジュールから対応する室内マップを取得して、前記対応する室内マップに基づいて前記ユーザの所在位置を判断する比較対照モジュールと、
を備える分散型室内位置決めシステム。
【請求項2】
前記画像ストリームを一時的に格納する画像一時格納ユニットをさらに備える、
請求項1に記載の分散型室内位置決めシステム。
【請求項3】
構築モードの実行時に前記ユーザの変位を追跡することで座標データを定義して、前記座標データとそれに対応する前記次元削減画像とを対応付けさせた後に個人位置決めマップを生成するマップ構築モジュールをさらに備える、
請求項1に記載の分散型室内位置決めシステム。
【請求項4】
前記マップ構築モジュールによって生成された個人位置決めマップは、マップ統合サーバにアップロードされ、前記マップ統合サーバのデータベースに記憶される、
請求項3に記載の分散型室内位置決めシステム。
【請求項5】
前記マップ統合サーバは、少なくとも一人のユーザによって送信された個人位置決めマップを受信し統合して、前記室内マップを生成する、
請求項4に記載の分散型室内位置決めシステム。
【請求項6】
前記ユーザの所在位置を判断した後、前記比較対照モジュールは、ナビゲーション手順を起動する、または、ガイド情報を提供する、
請求項1に記載の分散型室内位置決めシステム。
【請求項7】
ユーザの所在位置に基づいて前記ユーザの所在位置の室内マップをロードする工程と、
前記ユーザの所在位置の室内画像をキャプチャすることで画像ストリームを生成する工程と、
前記画像ストリームの圧縮を実行し、前記画像ストリームを次元削減することで次元削減画像を生成する工程と、
前記次元削減画像により予めロードされた室内マップから対応する室内マップを取得して、前記対応する室内マップに基づいて前記ユーザの所在位置を判断するための工程と、
を備える分散型室内位置決め方法。
【請求項8】
前記ユーザの変位を追跡し、座標データを定義するとともに、前記座標データとそれに対応する前記次元削減画像とを対応付けさせた後に個人位置決めマップを生成して、マップ統合サーバにアップロードする構築モードを、室内位置決めの実行前に実行する、
請求項7に記載の分散型室内位置決め方法。
【請求項9】
前記マップ統合サーバは、少なくとも一人のユーザによって送信された個人位置決めマップを統合して、前記室内マップを生成する、
請求項8に記載の分散型室内位置決め方法。
【請求項10】
前記ユーザの所在位置を判断した後、ナビゲーション手順を起動する、またはガイド情報を提供する工程をさらに備える、
請求項7に記載の分散型室内位置決め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決め技術に関し、特に分散型室内位置決めシステム及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報科学技術の盛んな発展に伴い、各種の科学技術応用は、人々の生活に取り入れられており、複雑な手順が簡単になるのみならず、生活もより便利になっている。そのうち、ロケーションベースドサービス(Location Based Service、LBS)は、生活に広く応用されている。ロケーションベースドサービスの重要なポイントの一つが位置決めである。従来、位置決めは軍事用途に用いられているが、ナビゲーション、プッシュブロードキャストまたは緊急救助等の応用に導入されつつある。数多くの位置決め方法においては、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)が広く使われている。
【0003】
室外ではグローバル・ポジショニング・システムにより現在の位置を位置決めすることで、対応するサービスまたは緊急救助、例えば、付近の商店や駐車場等のサーチ等を提供することができる。グローバル・ポジショニング・システムは、必然的に人工衛星と協働して三角測定原理により位置決めを行うため、高度の正確性を有する。しかしながら、グローバル・ポジショニング・システムは、複数の高層ビルまたは室内空間において環境による屈折、回折等の影響を受けるため、室内位置決め結果に大きな誤差が生じ、室内環境に適用できなくなることすらある。このため、多くの業者は、その他の技術例えば赤外線または超音波を用いて室内位置決めを行う。さらに、ZigBee、Wi−Fi、Beacon等も位置決めによく利用されている。しかしながら、これらの技術にはまだ改良の余地がある。上記の技術は、ユーザの変位結果に基づいて予め記憶されたマップに対応させることが多い。ただし、室内空間が大きいほど、それに対応するマップが数GBないし数十GBと多くなる。この場合、ユーザ装置は、多くのマップをロードして位置決めする必要があるため、ユーザ装置の負荷または演算量が過大となり、また、大量のマップによってマップを統合するサーバへより重い負担がかかってしまうこともある。
【0004】
上記のように、特に大量の室内マップの中で、ユーザ装置及びマップ統合に用いられるサーバへの負荷演算量を低減するとともに正確な位置決めができる室内位置決め技術を見つけ出すことは、当業者が努力して求める目標となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、マップ記録のデータ量を低減し、ユーザ装置またはマップの統合に用いられるシステムへの負荷演算量を減らすことにより、従来の大量のマップによって位置決め速度が遅くなるという課題を改善する室内位置決め技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、ユーザの所在位置に基づいて該ユーザの所在位置の室内画像データをロードするマップロードモジュールと、該ユーザのユーザ装置のカメラにより該ユーザの所在位置の室内画像をキャプチャして画像ストリームを生成する画像キャプチャモジュールと、該画像ストリームの圧縮を実行し、該画像ストリームを次元削減することで次元削減画像を生成するための画像次元削減モジュールと、該次元削減画像により該マップロードモジュールから対応する室内マップを取得することで、該対応する室内マップに基づいて該ユーザの所在位置を判断するための比較対照モジュールと、を備える分散型室内位置決めシステムを提供する。
【0007】
一つの実施例において、該分散型室内位置決めシステムは、該画像ストリームを一時的に格納するための画像一時格納ユニットをさらに備える。
【0008】
他の実施例において、該分散型室内位置決めシステムは、構築モードの実行時に該ユーザの変位を追跡することで座標データを定義して、該座標データとそれに対応する該次元削減画像とを関連付けた後に個人位置決めマップを生成するマップ構築モジュールをさらに備える。
【0009】
さらに他の実施例において、該マップ構築モジュールによって生成された該個人位置決めマップは、マップ統合サーバにアップロードされ、該マップ統合サーバのデータベースに記憶される。また、該マップ統合サーバは、少なくとも一人のユーザによって送信された個人位置決めマップを受信し統合することで、該室内マップを生成する。
【0010】
さらに他の実施例において、該ユーザの所在位置を判断した後、該比較対照モジュールは、ナビゲーション手順を起動する、またはガイド情報を提供する。
【0011】
又、本発明は、ユーザの所在位置に基づいて該ユーザの所在位置の室内マップをロードする工程と、該ユーザの所在位置の室内画像をキャプチャすることで画像ストリームを生成する工程と、該画像ストリームの圧縮を実行し、該画像ストリームを次元削減することで次元削減画像を生成する工程と、該次元削減画像により予めロードされた室内マップから対応する室内マップを取得することで、該対応する室内マップに基づいて該ユーザの所在位置を判断する工程と、を備える分散型室内位置決め方法を提供する。
【0012】
一つの実施例において、該分散型室内位置決め方法は、室内位置決めの実行前に構築モードを実行し、該ユーザの変位を追跡し、座標データを定義するとともに、該座標データとそれに対応する該次元削減画像とを関連付けた後に個人位置決めマップを生成して、マップ統合サーバにアップロードする工程をさらに備える。また、該マップ統合サーバは、さらに、少なくとも一人のユーザによって送信された個人位置決めマップを統合することで該室内マップを生成する。
【0013】
さらに他の実施例において、該分散型室内位置決め方法は、該ユーザの所在位置を判断した後、ナビゲーション手順を起動する、またはガイド情報を提供する工程をさらに備える。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比較すると、本発明に係る分散型室内位置決めシステム及びその方法は、マップを構築する場合には、撮影された室内画像を次元削減処理するため、最後の室内マップが過大となることなく、ユーザ装置にロードされた場合にも格納の問題もない。また、位置決め判断の場合には、キャプチャされた室内画像が次元削減処理されるため、双方のデータの容量が削減され、これによりユーザ装置内の位置決めの判断が高速化される。従って、本発明の次元削減技術により、位置決めの正確性を維持したまま、位置決め判断の速度を早めるとともに、ユーザ装置とマップ統合サーバの演算負荷量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る分散型室内位置決めシステムのシステム構造図
図2】本発明に係る分散型室内位置決めシステムの他の実施例のシステム構造図
図3】本発明に係る分散型室内位置決め方法のフロー図
図4】本発明に係る分散型室内位置決めシステムの位置決め実行前の構築フロー図
図5】本発明に係る分散型室内位置決めシステムの位置決め実行時の使用フロー図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、具体的な実施例を用いて本発明の実施形態を説明する。この技術分野に精通した者は、本明細書の記載内容によって簡単に本発明のその利点や効果を理解できる。また、本発明はその他の具体的な実施形態により実行または適用することができる。
【0017】
変位によって室内位置決めを実行する場合、室内領域が過大であるときに、オリジナル画像データ記録を選択すると、ファイルが過大となることによってユーザ装置または位置決め統合を実行するサーバの演算負荷量は大きくなることがある。従って、本発明は、キャプチャされた画像を次元削減し、演算負荷を各ユーザ装置に分散させることにより、現在技術の欠点を改善する。
【0018】
図1は、本発明に係る分散型室内位置決めシステムのシステム構造図である。本発明に係る分散型室内位置決めシステム1は、ユーザ装置内に実行可能である。ユーザ装置は、例えば携帯電話またはタブレット等の携帯装置であってもよく、ユーザ装置内に内蔵されたカメラで室内画像をキャプチャし、室内画像と予め格納されたマップとを比較対照することにより、ユーザの所在位置を正確に判断することができる。図に示すように、本発明に係る分散型室内位置決めシステム1は、マップロードモジュール11と、画像キャプチャモジュール12と、画像次元削減モジュール13と、比較対照モジュール14とを備える。
【0019】
マップロードモジュール11は、ユーザの所在位置に基づいて該ユーザの所在位置の室内マップ100をロードする。簡単に言えば、ユーザの所在位置の判断には、位置決めの判断時にマップロードモジュール11によりユーザの所在位置の室内マップ100を予めロードする必要がある。室内マップ100は、ユーザ装置を介してネットワーク、例えば位置決め統合を実行するサーバからロードすることができる。このため、マップの容量の調整がない場合は、ユーザ装置の記憶空間が不足になり、かつ演算負荷量が過大となる問題がある。一つの例として、AビルのBフロアの場合、Bフロアのマップをロードする必要があるため、マップは当然ながら予め構築しなければならない。マップ構築については後述する。
【0020】
画像キャプチャモジュール12は、該ユーザのユーザ装置のカメラで該ユーザの所在位置の室内画像200をキャプチャして、画像ストリームを生成する。画像キャプチャモジュール12は、主にユーザ装置に連結されるカメラ(または類似する画像キャプチャ設備)であり、これによりユーザの所在位置の室内画像200をキャプチャする。該室内画像200は、処理されて画像ストリームとなる。言い換えれば、ユーザはユーザ装置を手に持って所在位置の室内画像200を撮影し、室内画像200は、その後の位置決め判断の根拠となる。
【0021】
画像次元削減モジュール13は、該画像ストリームの圧縮を実行し、該画像ストリームを次元削減することで次元削減画像を生成する。上記のように、マップの生成時に圧縮のような処理がない場合は、マップが過大となり、システムの動作が遅くなることがある。このため、取得された室内マップ100は、予め次元削減処理が行われる必要がある。従って、画像の比較対照が行われる前に、キャプチャされた室内画像200の画像ストリームに対しても次元削減処理を行うことにより、画像ストリームの容量を圧縮する。
【0022】
比較対照モジュール14は、該次元削減画像により該マップロードモジュールから対応する室内マップ100を取得し、該対応する室内マップ100に基づいて該ユーザの所在位置を判断する。次元削減処理された画像ストリームを取得した後、比較対照モジュール14は、次元削減画像を基にマップロードモジュール11から対応する室内マップ100を取得する。言い換えれば、両者の画像が合致した場合、ユーザの所在位置を推測することができる。具体的には、室内マップ100は、室内位置座標に応じて記録することができる。このため、画像を判明できれば、所在位置も判明できる。
【0023】
上記マップロードモジュール11、画像キャプチャモジュール12、画像次元削減モジュール13、比較対照モジュール14は、ソフトフェアで構成されてもよい。ユーザは、分散型室内位置決めシステム1をユーザ装置内にロードし、室内位置決めを行う際に、分散型室内位置決めシステム1を起動することができる。分散型室内位置決めシステム1内の各モジュールは、それぞれデータロード、画像キャプチャおよび後続の分析比較対照を行い、最後に位置決め結果を生成し、ユーザ装置のディスプレイに表示させる。
【0024】
上記のように、室内マップ100は、予め処理されたマップであるため、そのファイルの容量を削減できる。ユーザはそのユーザ装置により所在位置の室内画像200をキャプチャし、画像次元削減モジュール13によって次元削減処理が行われ、最終的には次元削減された次元削減画像により、マップロードモジュール11から対応する室内マップ100を取得し、対応する室内マップ100からユーザの所在位置を得ることができる。
【0025】
本発明は、ロードされた室内マップ100及びキャプチャされた室内画像200が次元削減処理されているため、ファイルの容量が削減可能となる。この場合、ユーザ装置内の分散型室内位置決めシステム1は、実行の際に演算量の過大によって速度が遅くなることを回避でき、ユーザ装置の演算負荷量が低下するのみならず、分散型室内位置決めシステム1がユーザの所在位置を素早く分析することに寄与できる。
【0026】
図2は、本発明に係る分散型室内位置決めシステムの他の実施例のシステム構造図である。図に示すように、本実施例に係る分散型室内位置決めシステム1のマップロードモジュール11、画像キャプチャモジュール12、画像次元削減モジュール13、比較対照モジュール14は図1に示すものと同様であるため、ここでは詳細を省略する。この実施例において、本発明に係る分散型室内位置決めシステム1は、画像一時格納ユニット15とマップ構築モジュール16とをさらに備える。
【0027】
画像一時格納ユニット15は、画像キャプチャモジュール12によって生成された画像ストリームを一時的に格納できる。画像キャプチャモジュール12が多数の室内画像200を継続的にキャプチャ可能であるが、画像次元削減モジュール13がまだ比較対照工程までを実行していない場合はあるため、画像一時格納ユニット15により画像ストリームを一時的に格納し、画像次元削減モジュール13が、比較対照の実行にかかる時に所要の画像ストリームを取り出す。画像一時格納ユニット15は、レジスタまたは揮発性メモリであってもよい。
【0028】
上記のように、室内マップ100は予め構築される必要がある。大量のマップによってマップ統合サーバ2の演算負荷量が過大となることを回避するため、本発明は、マップ構築時に、ユーザ装置が取得されたマップを予め処理し、ユーザ装置側によって処理された後、マップ統合サーバ2にアップロードする。このメカニズムによって分散型計算概念が提供されているため、各ユーザ装置によって予め処理されたマップにより、マップ統合サーバ2の演算負荷量を効果的に低減させることができる。上記のマップ構築は、マップ構築モジュール16により実行される。
【0029】
マップ構築モジュール16は、構築モード実行時にユーザの変位を追跡することで座標データを定義できるので、該座標データとそれに対応する該次元削減画像とを関連付けた後に個人位置決めマップを生成する。簡単に言えば、位置決め手順を実行していない場合は、マップ構築の構築モードを実行することができる。マップ構築モジュール16は、起動時にユーザの移動状況を継続的に追跡し、移動状況に基づいて座標データ、即ち構築座標を生成する。同時に、画像キャプチャモジュール12は、対応する室内画像をキャプチャし、次元削減処理を実行する。最後に、マップ構築モジュール16は、座標データと次元削減処理された次元削減画像とをペアとして関連付けさせることにより、どの画像がどの座標位置に対応しているのかを判断できるようになる。これは単一のユーザによって構築されたマップであるため、個人位置決めマップと称する。その後、ユーザが室内画像をキャプチャした後、座標データを推知することができ、さらに該室内画像の室内における位置決めの箇所を判明できる。
【0030】
一つの実施例において、マップ構築モジュール16によって生成された個人位置決めマップは、マップ統合サーバ2にアップロードされ、該マップ統合サーバ2のデータベース21に格納される。また、マップ統合サーバ2は、少なくとも1つのユーザによって送信された個人位置決めマップを受信し統合することができる。それらのユーザによってアップロードされた個人位置決めマップが統合されることにより、室内マップ100が生成される。
【0031】
他の実施例において、比較対照モジュール14は、ユーザの所在位置を判断した後、ナビゲーションの起動工程、またはガイド情報の供給工程をさらに備える。具体的には、比較対照モジュール14は、位置決め結果を例えばサービスモジュール(図示せず)に提供する。サービスモジュールは、該位置決め結果に対応するサービス、例えばガイド手順を実行したり、位置決めによって得られた所在位置のガイドデータを提供したりすることができる。
【0032】
図3は、本発明に係る分散型室内位置決め方法のフロー図である。図に示すように、ステップS31において、ユーザの所在位置に基づいて該ユーザの所在位置の室内マップをロードする。ユーザの所在位置を判断するために、位置決め判断を行う場合は、ユーザの所在位置の室内画像データを予め取得する必要がある。こうすることにより、所在位置の室内画像に基づいてユーザの所在位置を判断することができる。
【0033】
ステップS32において、該ユーザの所在位置の室内画像をキャプチャすることで画像ストリームを生成する。具体的には、ユーザ装置のカメラによりユーザの所在位置の室内画像をキャプチャする。室内画像は後の位置決めの判断根拠であり、室内画像は、画像ストリームに処理された後、一時的に格納される。
【0034】
ステップS33において、該画像ストリームの圧縮を行い、該画像ストリームを次元削減することで、次元削減画像を生成する。上記のように、マップに圧縮のような処理がない場合、マップが過大となるおそれがあるため、室内マップは、構築時にはまず次元削減処理を経る必要である。次のステップの比較対照のために、このステップでは同様に画像ストリームに対する次元削減処理が行われる。
【0035】
ステップS34において、該次元削減画像により予めロードされた室内マップから対応する室内マップを取得し、該対応する室内マップに基づいて該ユーザの所在位置を判断する。このステップにおいて、次元削減処理された画像ストリームを取得した後、これを基に予めロードされた室内マップから対応する室内マップを見つけ出し、ユーザの所在位置を推測することができる。位置推測方式に関しては、室内位置座標を室内マップに対応させることで、キャプチャされた室内画像の所在位置を判明することができる。
【0036】
一つの実施例において、室内位置決めの実行前に、構築モードを予め実行することができる。構築モードの起動時には、ユーザの変位を追跡することで座標データを定義し、その後、該座標データとそれに対応する該次元削減画像とを対応付けさせることにより、個人位置決めマップを生成することができる。該個人位置決めマップはマップ統合サーバにアップロードされる。
【0037】
また、マップ統合サーバは、さらに、少なくとも1つのユーザによって送信された個人位置決めマップを統合することで該室内マップを生成する。言い換えれば、複数人の個人位置決めマップを統合して、最終的な室内マップを生成することができる。
【0038】
他の実施例において、該ユーザの所在位置を判断した後、システムは、ナビゲーション手順の起動またはガイド情報の提供をさらに行うことができる。通常、位置決めサービスは、室内遊覧ナビゲーションまたは情報提供の需要に利用されているため、本発明に係る室内位置決め技術により、ユーザの所在位置を判明でき、又、対応するサービスも提供できるようになる。
【0039】
図4は、本発明に係る分散型室内位置決めシステムの位置決めの実行前の構築フロー図である。図に示すように、マップ構築の起動時に、カメラを起動して室内画像を撮影して画像ストリームに変換することを含む3つの部分が同時にまたは順次に実行される。この場合、画像ストリームは、画像一時格納領域(即ち図2に示される画像一時格納ユニット)に一時的に格納される。また、構築者(ユーザ)の変位に伴い、システムは移動状態を継続的に追跡し記録することで、構築座標(即ち座標データ)を生成する。
【0040】
上記のように、画像ストリームと構築座標とを取得したら、システムは画像次元削減モジュールを起動し、画像次元削減モジュールは、画像ストリームを先に取得し、次元削減処理を行い、その後、次元削減処理された次元削減画像を構築座標に対応させることで、マップの構築を完成する。次に、マップの構築を続行するかを判断し、続行すると判断した場合、次元削減処理された次元削減画像を構築座標に対応させてマップを生成する工程を継続的に実行し、続行しないと判断した場合、マップ構築が完了し、マップをマップ統合サーバのデータベースにアップロードすることができる。
【0041】
なお、複数人または複数回のマップのアップロードの可能性があるため、マップ統合サーバは複数人によってアップロードされたマップも統合できる。こうすることにより、多くの人が利用可能な室内マップとなる。
【0042】
図5は、本発明に係る分散型室内位置決めシステムの位置決めの実行時の使用フロー図である。図に示すように、位置決め判断の起動時に、同様に同時または順次に実行可能な、カメラを起動して室内画像を撮影し画像ストリームに変換することを含む3つの部分がある。画像ストリームは画像一時格納領域(即ち図2に示される画像一時格納ユニット)に一時的に格納される。また、ユーザの所在位置を判断するため、ユーザの所在位置に関する室内マップがロードされている。図4に示すように、室内マップは予め構築されている。
【0043】
上記のように、画像ストリームと室内マップを取得したら、システムは画像次元削減モジュールを起動し、画像次元削減モジュールは、画像ストリームを次元削減処理する。そして、次元削減処理された次元削減画像を室内マップと比較対照し、比較対照に成功したか否かを判断し、成功と判断した場合、位置決め結果を生成し対応するサービス、例えばナビゲーションまたはガイドを提供し、不成功と判断した場合、該ユーザの所在位置を特定できないことを示し、比較対照のステップに戻り、その他の画像ストリームまたは室内マップで比較対照を行い、該ユーザの所在位置を見つけ出す。
【0044】
上記のように、本発明に係る分散型室内位置決めシステム及びその方法は、ロードされた室内マップ及び画像キャプチャされた画像ストリームが次元削減処理されているため、そのファイル容量が削減可能となる。このように、分散型室内位置決めシステムの実行時の演算量を低減可能となる。また、室内マップが各ユーザ装置によって次元削減処理されるため、マップ統合サーバの演算負荷量は効果的に低減可能となる。
【0045】
上記のように、これらの実施形態は本発明を例示的に説明するに過ぎず、本発明は、これらによって限定されるものではない。本発明は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で上記実施例を種々に修正や変更することが可能であり、そうした修正や変更は、本発明の特許請求の範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0046】
1 分散型室内位置決めシステム
11 マップロードモジュール
12 画像キャプチャモジュール
13 画像次元削減モジュール
14 比較対照モジュール
15 画像一時格納ユニット
16 マップ構築モジュール
2 マップ統合サーバ
21 データベース
100 室内マップ
200 室内画像
S31〜S34 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5