(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-136124(P2019-136124A)
(43)【公開日】2019年8月22日
(54)【発明の名称】折り畳み陳列台及び陳列台セット
(51)【国際特許分類】
A47F 5/10 20060101AFI20190726BHJP
【FI】
A47F5/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-19225(P2018-19225)
(22)【出願日】2018年2月6日
(71)【出願人】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】特許業務法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉次 徹
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118AA21
3B118DA26
(57)【要約】
【課題】保管に好適なサイズに折り畳めると共に、折り畳み状態でも陳列台として使用できる高さを有する折り畳み陳列台及び種々の展示形態を採ることができる陳列台セットを提供すること。
【解決手段】天板1と、底板2と、天板1と底板2を接続し、対峙する左右の折り畳み側板3、3と、を有する箱体であり、折り畳み側板3は、上方小側板31と下方小側板32を有し、上方小側板31と下方小側板32は、内側に折り畳み自在にヒンジ接続され、上方小側板31は天板1に対して回転自在に接続され、下方小側板32は底板2に対して回転自在に接続され、折り畳みの際、天板1と底板2は、積み重ね状に折り畳まれる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視が四角形の天板と、
平面視が四角形の底板と、
該天板と該底板間に位置し、対峙する左右の折り畳み側板と、を有する箱体であり、
該折り畳み側板は、第1小側板と第2小側板を有し、
該第1小側板と該第2小側板は、内側に折り畳み自在にヒンジ接続されていることを特徴とする折り畳み陳列台。
【請求項2】
該第1小側板は、上方小側板であり、該第2小側板は、下方小側板であり、該上方小側板は該天板に対して回転自在に接続され、該下方小側板は該底板に対して回転自在に接続され、折り畳みは上下方向において行われることを特徴とする請求項1記載の折り畳み陳列台。
【請求項3】
更に、前後の側板を有し、該前後の側板は、該天板に対して回転自在に吊るされたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の折り畳み陳列台。
【請求項4】
折り畳みの際、該天板と該底板は、積み重ね状となり、折り畳み後の厚みは、5〜20cmであることを特徴とする請求項1又は2記載の折り畳み陳列台。
【請求項5】
該上方小側板と該下方小側板が内側に折り畳まれることを阻止するロック手段を更に、有し、折り畳み後は、底板と天板と一の折り畳み側板で、正面視が三角形状を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の折り畳み陳列台。
【請求項6】
該第1小側板は、右方小側板であり、該第2小側板は、左方小側板であり、該右方小側板は右側板に対して回転自在に接続され、該左方小側板は左側板に対して回転自在に接続され、折り畳みは左右方向において行われることを特徴とする請求項1記載の折り畳み陳列台。
【請求項7】
該天板は、第1小天板と第2小天板を有し、該第1小天板と該第2小天板は、折り畳み自在にヒンジ接続されており、該底板は、第1小底板と第2小底板を有し、該第1小底板と該第2小底板は、折り畳み自在にヒンジ接続されていることを特徴とする請求項6記載の折り畳み陳列台。
【請求項8】
該天板の天面には、碁盤目の溝が形成され、該底板の底面には、該天板の碁盤目の溝に対応する格子状突起が形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り畳み陳列台。
【請求項9】
該ヒンジは、ヒンジ軸孔とヒンジ軸棒が回転自在に接続されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の折り畳み陳列台。
【請求項10】
請求項1〜9記載の折り畳み陳列台を複数個、有する陳列台セット。
【請求項11】
一の折り畳み陳列台の天板上に、他の折り畳み陳列台の底板を、碁盤目の溝と格子突起を噛み合わせて積み重ねた積み重ね体を有することを特徴とする請求項10記載の陳列台セット。
【請求項12】
一の折り畳み陳列台の天板上に、他の折り畳み陳列台の天板を、積み重ねた積み重ね体を有することを特徴とする請求項10記載の陳列台セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパー、百貨店、専門店、コンビニエンスストアー等の店内で商品を陳列するのに用いられるものであり、保管に好適なサイズに折り畳めると共に、折り畳み状態でも陳列台として使用できる高さを有する折り畳み陳列台及び種々の展示形態を採ることができる陳列台セットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパー等の店内での商品陳列方法は、それにより商品の売れ行きが左右されることが多いため、種々の工夫を凝らした方法が採られ、その模様替えも頻繁に行われている。特に、その日の特売品などは店の入口、あるいはエレベーターの乗換付近に大面積を採り、四方から顧客がアクセスできるよう、大きなステージ状の陳列台を設置して行われる。このような大きなステージ状の陳列台は、運搬や保管等を考慮して、ボックス状の台、すなわち、ステージボックスを幾つも用意し、これを縦横に並べて基礎部を形成させ、その上に必要であれば、陳列台を置きセットされる。
【0003】
特開2002−65422号公報には、周面の側板4枚、天板1枚及び底板1枚の各部材を嵌め込みにより組立てられる箱状の樹脂製ボックスであって、前記側板は一側に1以上の横溝で区画された複数の柱状係合突部を有し、他側に補強用横リブにより区画された前記柱状係合突部と緊密に係合可能な柱状係合穴を有し、嵌め込み後は、前記柱状係合部と前記柱状係合穴で四隅の柱を形成してなることを特徴とするステージボックスが開示されている。このステージボックスによれば、組立て工具が不要で、組立て作業が極めて簡単であり、且つ軽量で十分な強度を有する。
【0004】
また、特開2013−31547号公報には、陳列商品が載置される平面視が長方形の天板1と、4つの側板2とから構成される硬質プラスチック製のボックス状の収納箱兼用折り畳み商品陳列台であって、少なくとも側板2の裏面はリブ構造であり、天板1と4つの側板2とは、それぞれ係合凹部213及び係合凸部142で係合され、天板1と大側板2a、2bの上下方向における係合位置は、天板1と小側板2c、2dの上下方向における係合位置より天板1側にあり、折り畳み後は、天板1、大側板2a、2b及び小側板2c、2dの順で折り重ねられる陳列台が開示されている。この陳列台によれば、折り畳み構造であり、収納箱としても、また、前面開口が広い開口で、後方が囲み状の商品陳列台としても使用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−65422号公報
【特許文献2】特開2013−31547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開2002−65422号公報のステージボックスは、折り畳み構造ではなく、保管の際には、天板、底板及び4つの側板は分解する必要があり、面倒である。また、特開2013−31547号公報のボックス状の収納箱兼用折り畳み商品陳列台は、天板がない開口のボックスであり、ステージボックスとしては、使用形態が制限される。また、折り畳み構造ではあるものの、折り畳み後は、厚みのない扁平状となり、ステージボックス(陳列台)としては、使用できない。
【0007】
従って、本発明の目的は、保管に好適なサイズに折り畳めると共に、折り畳み状態でも陳列台として使用できる高さを有する折り畳み陳列台及び種々の展示形態を採ることができる陳列台セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は上記従来の課題を解決するものであって、平面視が四角形の天板と、平面視が四角形の底板と、該天板と該底板間に位置し、対峙する左右の折り畳み側板と、を有する箱体であり、該折り畳み側板は、第1小側板と第2小側板を有し、該第1小側板と該第2小側板は、内側に折り畳み自在にヒンジ接続されていることを特徴とする折り畳み陳列台ことを特徴とする折り畳み陳列台を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、該第1小側板は、上方小側板であり、該第2小側板は、下方小側板であり、該上方小側板は該天板に対して回転自在に接続され、該下方小側板は該底板に対して回転自在に接続され、折り畳みは上下方向において行われることを特徴とする前記折り畳み陳列台を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、更に、前後の側板を有し、該前後の側板は、該天板に対して回転自在に吊るされたものであることを特徴とする前記折り畳み陳列台を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、折り畳みの際、該天板と該底板は、積み重ね状となり、折り畳み後の厚みは、5〜20cmであることを特徴とする前記折り畳み陳列台を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、該上方小側板と該下方小側板が内側に折り畳まれることを阻止するロック手段を更に、有し、折り畳み後は、底板と天板と一の折り畳み側板で、正面視が三角形状を形成することを特徴とする前記折り畳み陳列台を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、該第1小側板は、右方小側板であり、該第2小側板は、左方小側板であり、該右方小側板は右側板に対して回転自在に接続され、該左方小側板は左側板に対して回転自在に接続され、折り畳みは左右方向において行われることを特徴とする前記折り畳み陳列台を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、該天板は、第1小天板と第2小天板を有し、該第1小天板と該第2小天板は、折り畳み自在にヒンジ接続されており、該底板は、第1小底板と第2小底板を有し、該第1小底板と該第2小底板は、折り畳み自在にヒンジ接続されていることを特徴とする前記折り畳み陳列台を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、該天板の天面には、碁盤目の溝が形成され、該底板の底面には、該天板の碁盤目の溝に対応する格子状突起が形成されたことを特徴とする前記折り畳み陳列台を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、該ヒンジは、ヒンジ軸孔とヒンジ軸棒が回転自在に接続されたことを特徴とする前記折り畳み陳列台を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、前記折り畳み陳列台を複数個、有する陳列台セットを提供するものである。
【0018】
また、本発明は、一の折り畳み陳列台の天板上に、他の折り畳み陳列台の底板を、碁盤目の溝と格子突起を噛み合わせて積み重ねた積み重ね体を有することを特徴とする前記陳列台セットを提供するものである。
【0019】
また、本発明は、一の折り畳み陳列台の天板上に、他の折り畳み陳列台の天板を、積み重ねた積み重ね体を有することを特徴とする前記陳列台セットを提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、保管に好適なサイズに折り畳めると共に、折り畳み状態でも陳列台として使用できる高さを有する折り畳み陳列台及び種々の展示形態を採ることができる陳列台セットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1の実施の形態における折り畳み陳列台の斜視図である。
【
図2】
図1の折り畳み陳列台の折り畳み後の斜視図である。
【
図3】
図1の折り畳み陳列台の折り畳み後の底面側から見た斜視図である。
【
図4】
図1の折り畳み陳列台の底面側から見た斜視図である。
【
図5】
図1の折り畳み陳列台の折り畳み途中の斜視図である。
【
図7】折り畳み陳列台の折り畳み側板の折り畳み途中の部分断面図である。
【
図8】折り畳み陳列台の折り畳み側板の部分断面図である。
【
図9】
図1の折り畳み陳列台の使用例を示す図である。
【
図10】
図9の折り畳み陳列台に陳列商品を載せた図である。
【
図11】
図9の折り畳み陳列台を構成する折り畳み側板(ロック手段付き)の断面図である。
【
図12】
図1の折り畳み陳列台を構成する折り畳み側板(ロック手段無し)の断面図である。
【
図13】本発明の第2の実施の形態における折り畳み陳列台の折り畳み途中の斜視図である。
【
図14】本発明の第3の実施の形態における折り畳み陳列台の折り畳み途中の斜視図である。
【
図15】本発明の実施の形態における陳列台セットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の第1の実施の形態における折り畳み陳列台及び陳列台セットを
図1〜11を参照して説明する。折り畳み陳列台10は、平面視が四角形の天板1と、平面視が四角形の底板2と、天板1と底板2を接続し、対峙する左右の折り畳み側板3、3と、を有する箱体である。すなわち、折り畳み陳列台10は、ボックス状であり、4つの側板の内、2つの側板が対峙する折り畳み側板3、3であり、他方の2つの側板は、本例では、吊り下げ側板4、4である。なお、本発明の折り畳み陳列台においては、吊り下げ側板4、4はあってもなくてもよい。このような箱状の陳列台は、ステージ台とも称される。
【0023】
折り畳み陳列台10において、天板1は、平面視が四角形で、例えば、5〜15cm程度の所定の高さを有する。すなわち、天板1は、上面板11と4つの側板12a、12a、12b、12bを有する。このため、折り畳み後の厚み、すなわち、天板1と底板2の合計高さは、8〜20cm程度の厚みとなり、折り畳み後も陳列台として使用できる。天板1の上面板11の表面には、碁盤目の溝111が形成されている。これにより、複数の折り畳み陳列台10を使用し、他の折り畳み陳列台を積み重ねる際、碁盤目の溝111と碁盤目の格子突起211が係止して、積み重ねが安定する。
【0024】
天板1を構成する4つの側板の内、2つの側板12a、12aには、ヒンジ接続用のヒンジ孔が形成されている。ヒンジ孔はヒンジ突起に形成される前後方向に貫通する孔である。すなわち、折り畳み側板3、3と直交する側板12a、12aの両端近傍で且つ下方縁には、ヒンジ孔112、112が形成されている。このヒンジ孔112とヒンジ軸棒6aによりヒンジを形成する。また、ヒンジ孔112、112を側板12の下端から折り畳み側板3の厚みの約半分、上方に形成することで、折り畳みの際、折り畳み側板3の上方小側板31は、天板1の内側に収納され、天板1と底板2の積み重ねを可能にしている。
【0025】
天板1を構成する4つの側板の内、他の2つの側板12b、12bには、ヒンジ接続用の左右方向に貫通するヒンジ孔が形成されている。すなわち、折り畳み側板3、3と平行する側板12b、12bの両端近傍で且つ上方縁には、ヒンジ孔113、113が形成されている。このヒンジ孔113とヒンジ軸棒6bによりヒンジを形成する。また、ヒンジ孔113、113を側板12の上方縁で、且つヒンジ112より上方に形成することで、吊り下げ側板4、4を天板1の上方板11の裏面に近接して畳めるため、折り畳み側板3を折り畳む際、折り畳みの障害となることがない。なお、天板1の上方板11の裏面に畳まれた吊り下げ側板4、4は、吊り下げ状に設置されているため、折り畳み状態からボックス状の箱体にする際、ボックス状の箱体になった際、重力により自然に下方に垂れて、側板を形成することになる。また、天板1の表面の周縁には、一周巻きの周溝114が形成されている。この周溝114には、商品転倒防止板41などが設置される(
図10参照)。
【0026】
底板2は、平面視が四角形で、例えば、3〜5cm程度の所定の高さを有する。すなわち、底板2は、底面板21と4つの側板22a、22a、22b、22bを有する。このため、折り畳み後の厚み、すなわち、天板1と底板2の合計高さは、8〜20cm程度の厚みとなり、折り畳み後も陳列台として使用できる。底板2の底面板21の裏面には、天板1の碁盤目の溝111に対応する碁盤目の格子突起211が形成されている。これにより、複数の折り畳み陳列台10を使用し、他の折り畳み陳列台を積み重ねる際、碁盤目の溝111と碁盤目の格子突起211が係止して、積み重ねが安定する。
【0027】
底板2を構成する4つの側板の内、2つの側板22b、22bには、ヒンジ接続用のヒンジ孔が形成されている。すなわち、折り畳み側板3、3と平行する側板22b、22bの両端近傍には、前後方向に貫通するヒンジ孔212、212が形成されている。このヒンジ孔212とヒンジ軸棒8aによりヒンジを形成する。底板2を構成する4つの側板22a、22a、22b、22bの高さを折り畳み側板3の厚みと略同様にすることで、折り畳みの際、折り畳み側板3の下方小側板32は、底板2の内側に収納され、天板1と底板2の積み重ねを可能にしている。ヒンジ孔212、212は、側板22b、22bの裏面から内側に突出した小突起に形成された円形断面の貫通穴である。
【0028】
底板2を構成する4つの側板の内、他の2つの側板22a、22aの内側面であって、且つ左右方向の中央において、内側に少し突出する係止片221、221が形成されている。この係止片221、221は、吊り下げ側板4、4の下端面と係止又は当接して、吊り下げ側板4、4を安定して留める。
【0029】
折り畳み陳列台10において、折り畳み側板3、3は、上方小側板(第1側板)31と下方小側板(第2側板)32を有し、上方小側板31と下方小側板32は、内側に折り畳み自在にヒンジ接続され、上方小側板31は天板1に対して回転自在にヒンジ接続され、下方小側板32は底板2に対して回転自在にヒンジ接続されたものである。
【0030】
折り畳み側板3、3は、略四角形状であり、これを上下2つに分けるように分断して得られるものが、上方小側板31と下方小側板32である。上方小側板31と下方小側板32とのヒンジは、上方小側板31の下端の第1ヒンジ突起の第1ヒンジ孔311と、第1ヒンジ突起と横並びの位置で対応する、下方小側板32の上端の第2ヒンジ突起の第2ヒンジ孔312と、第1ヒンジ孔311と第2ヒンジ孔312に嵌るヒンジ軸棒7a、7aで構成される。
【0031】
上方小側板31と下方小側板32は、ヒンジ接合されており、ヒンジを構成するヒンジ軸棒7aの軸中心は、上方小側板31と下方小側板32の外側面近傍に設置されている。このため、内側に折り畳み自在であり、外側には、折り畳まれない。なお、折り畳み陳列台10は、
図11に示すように、上方小側板31と下方小側板32が内側に折り畳まれることを阻止するロック手段8aを更に、有する。
【0032】
ロック手段8aは、上方小側板31の下端からJ字断面形状に屈曲する第1屈曲片31aと、第1屈曲片31aの先端から更に屈曲し、途中外側に延びる突出片312を有する略T字形状の第2屈曲片31bを有する。第1屈曲片31aと第2屈曲片31bの接続角には、下方小側板32の係止片321が係止する微小突起313が形成されている。下方小側板32の上方には第2屈曲片31bが入る貫通孔322が形成されている。また、下方小側板32の貫通孔322の上端には、下方に突出する係止片321が形成されている。上方小側板31の微小突起313と下方小側板32の係止片321は、上方小側板31と下方小側板32が内側に折り畳まれる際、係止するため、折り畳まれることはない。一方、ロック手段8aを解除するには、突出片312を指で下方に押し下げれば、直上の角部が撓み、上方小側板31の微小突起313と下方小側板32の係止片321の係止が外れる(
図11)。ロック手段8aを有する折り畳み陳列台10は、
図9及び
図10に示すような折り畳み後は、底板2と天板1と一の折り畳み側板3で、正面視が三角形状を形成するような陳列方法において効果を発揮する。
【0033】
上方小側板31は天板1に対して回転自在にヒンジ接続される。上方小側板31の上端部には、上方小側板31の上端面から上方に延びるヒンジ突起が形成され、そのヒンジ突起に前後方向に貫通するヒンジ孔313が形成されている。すなわち、上方小側板31のヒンジ孔313と天板1のヒンジ孔112を対応させ、ヒンジ棒軸6aにより、ヒンジを形成する。
【0034】
下方小側板32は底板2に対して回転自在にヒンジ接続される。下方小側板32の下端部には、下方小側板32の下端面から下方に延びるヒンジ突起が形成され、そのヒンジ突起に前後方向に貫通するヒンジ孔314が形成されている。すなわち、下方小側板32のヒンジ孔314と底板2のヒンジ孔212を対応させ、ヒンジ棒軸8aにより、ヒンジを形成する。
【0035】
折り畳み陳列台10において、吊り下げ側板4、4は、それぞれ1枚の板状体である。吊り下げ側板4は天板1に対して回転自在にヒンジ接続される。吊り下げ側板4の上端部の両側端には、側板の上端辺に沿って延びるヒンジ孔411が形成されている。すなわち、吊り下げ側板4のヒンジ孔411と天板1のヒンジ孔113を対応させ、ヒンジ棒軸6bにより、ヒンジを形成する。また、吊り下げ側板4、4の幅寸法は、折り畳み側板3、3の内寸法と略同じであり、吊り下げ側板4、4は、折り畳み側板3、3の内側に吊り下げられる。また、吊り下げ側板4の下方で、側板の幅方向の中央には、手の指が入る四角状の貫通孔9が形成されている。これにより、折り畳んだ状態からボックス体を形成する際、吊り下げ側板4、4が自重により側板位置にくるが、底板2の係止片221、221に当たり、鉛直状態にはならず、僅かな隙間を形成することになる。そこで、貫通孔9に指を入れ、吊り下げ側板4を手前に引くことで、吊り下げ側板4の下端面と係止片221が係止または当接させ、吊り下げ側板4、4を安定して留める。
【0036】
次に、折り畳み陳列台10の使用方法について説明する。折り畳み陳列台10を
図1のように、箱状体として、ステージボックスとして使用する場合、1個又は複数個を組み合わせて使用する。折り畳み陳列台10は、対峙する一対の折り畳み側板3、3が天板1を支える構造となっており、高い強度を有する。また、吊り下げ側板4、4が折り畳み側板3、3間にあるため、これがストッパーとなり、折り畳み側板3、3が内側に折れることがない。また、吊り下げ側板4、4により、ボック内は見えず、意匠性も高い。2つの折り畳み陳列台10を積み重ねる場合、下側の折り畳み陳列台10の天板1上に、上側の折り畳み陳列台10の底板2が乗る。この際、天板1の碁盤目の溝111と底板2の碁盤目の格子突起211が係止するため、安定した積み重ね体が得られる。
【0037】
また、折り畳み陳列台10は、
図9に示すように、天板1を傾斜状として使用することができる。すなわち、折り畳み陳列台10において、一対の折り畳み側板3、3の一方を折り畳み、他方は折り畳まない。そして、折り畳まれた側の天板1の下端を、対応する底板2の底角に入れ込む。これにより、天板1は、傾斜状姿勢を安定して保持する。この傾斜状の陳列面には、
図10に示すように、商品を入れた陳列カゴ40などが設置される。なお、
図10の符号41は、商品転倒防止板である。
【0038】
次に、折り畳み陳列台10の折り畳み方法について説明する。先ず、吊り下げ側板4、4を内側に押し込む。次いで、折り畳み側板3、3を内側に押し込み、折り畳み側板3、3を折りたたむ。この際、吊り下げ側板4、4は鉛直状に吊り下げられておらず、折り畳み側板3、3は、容易に折り畳まれる。吊り下げ側板4、4は自重により垂れているものの、折り畳まれた折り畳み側板3、3に乗るようにして天板1の裏面近傍まで回転し収納される。そして、折り畳み側板3、3が完全に折り畳まれて、天板1と底板2は、積み重ね状に折り畳まれる。折り畳み陳列台10において、折り畳み後の厚みは、天板1の厚みと底板2の厚みの合計であり、具体的には5〜20cmである。このため、折り畳み後の折り畳み陳列台10は、陳列台として使用することができる。また、収納保管においても、積み重な保管ができ、スペースを採らない。
【0039】
また、
図9〜
図11のような折り畳み後は、底板2と天板1と一の折り畳み側板3で、正面視が三角形状を形成するような使用方法も可能である。この場合、ロック手段8aをロック状態にしておけば、折り畳み側板3が内側に折り畳まれることはなく、陳列形態は安定となる。なお、折り畳み陳列台10において、ロック手段8aはなくともよい。すなわち、ロック手段8aのない形態としては、
図12に示すように、上方小側板31は、下端からJ字断面形状に屈曲する第1屈曲片31aを有し、下方小側板32は、側面視がコ字断面形状の上端部321を有し、この上端部321の先端が、上方小側板31の裏面に当接するものが挙げられる。これにより、上方小側板31と下方小側板32は内側に折り畳まれても、外側に折り畳まれることはない。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態における折り畳み陳列台を
図13を参照して説明する。
図13の折り畳み陳列台において、
図1〜
図10の折り畳み陳列台と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。なお、
図13において、
図1の底板と同一物の底板が使用されているが、図では省略した。すなわち、
図13の折り畳み陳列台10aにおいて、折り畳み陳列台10と異なる点は、側板の形状及び天板と底板が取り付けられるヒンジ箇所である。
【0041】
折り畳み陳列台10aにおいて、左右側板が折り畳み側板であり、前後側板が板状の非折り畳み側板である。折り畳み側板4aは、右方小側板(第1小側板)(不図示)と左方小側板(第2小側板)41aが左右方向において折り畳まれるものであり、右方小側板は右側板33bに対して回転自在に接続され、左方小側板41aは左側板34bに対して回転自在に接続されている。また、天板1aは、右側板33bの上端において、回転自在に接続されている。また、不図示の底板は、左側板34bの下端において、回転自在に接続されている。天板1aは、
図13においては折り畳み途中であり、折り畳み後は、側板33bに折り畳まれる。すなわち、折り畳み陳列台10aは、折り畳み後、天板1a、側板33b、折り畳み側板4a、側板34b及び底板が積み重ねられたものとなる。また、天板1aは、左側板34bの上端に回転自在に接続されてもよい。
【0042】
次に、本発明の第3の実施の形態における折り畳み陳列台を
図14を参照して説明する。
図14の折り畳み陳列台10bにおいて、
図13の折り畳み陳列台10aと同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。なお、
図14において、
図1の底板と同一物の底板が使用されているが、図では省略した。すなわち、
図14の折り畳み陳列台10bにおいて、折り畳み陳列台10aと異なる点は、天板及び底板である。
【0043】
折り畳み陳列台10bにおいて、天板1bは、第1小天板11cと第2小天板11dを有し、第1小天板11cと第2小天板11dは、折り畳み自在にヒンジ接続されており、底板は、不図示の第1小底板と第2小底板を有し、第1小底板と第2小底板は、折り畳み自在にヒンジ接続されている。また、第1小天板11cの他端は、側板34bの上端に回転自在に接続され、第2小天板11dの他端は、側板33bの上端に回転自在に接続されている。また、第1小底板の他端は、側板34bの下端に回転自在に接続され、第2小底板の他端は、側板33bの下端に回転自在に接続されている。天板1bは、
図14においては折り畳み途中であり、折り畳み後は、第1小天板11cと第2小天板11dは重なるように折り畳まれ、第1小底板と第2小底板は、重なるように折り畳まれる。折り畳み陳列台10bは、左右方向において折り畳まれた後は、2層の折り畳み構造となる。
【0044】
次に、本発明の陳列台セットについては、
図15を参照して説明する。陳列台セット20は、複数(本例では6個)の折り畳み陳列台10を使用したもので、陳列の演出に適したステージ台を形成する。すなわち、陳列台セット20において、一の折り畳み陳列台10の天板11上に他の折り畳み陳列台10の底板2を、碁盤目の溝111と格子突起211を噛み合わせて積み重ねた積み重ね体を含むものである。すなわち、陳列台セット20は、3つの折り畳み陳列台10を横並びに設置し、第1段の基台を形成する。次いで、第1段の基台上に、2つの折り畳み陳列台10を横並びに設置し、第2段の基台を形成する。第2段の基台を構成する1つの折り畳み陳列台10は、第1段の基台の1つの折り畳み陳列台10の半分に、他の1つの折り畳み陳列台10の半分の上に設置される。このような設置においても、天板1の碁盤目の溝111と、他の折り畳み陳列台10の底板2の格子突起211は噛み合っている。また、1つの折り畳み陳列台10が、第2段の基台を構成する折り畳み陳列台10の上に設置される。このような陳列台セット20は、階段状の陳列形態を採り、且つ積み重ね安定性の高い、ステージ台を形成することができる。
【0045】
本発明において、上記実施の形態例に限定されず、種々の変形例を採ることができる。折り畳み陳列台10において、吊るし側板4は任意の構成要素であるが、吊るし側板4がない場合、折り畳み側板3、3間を突っ張る突っ張り棒を内部に介在させてもよい。これにより、折り畳み側板3、3が、不用意に折り畳まれることはない。また、ヒンジ孔を形成するヒンジ突起としては、側板の上端から上方に突出する突起又は下端から下方に突出する突起に形成されるものの他、板状体の端面から内側に切り込み入れることで突起を形成し、この突起にヒンジ孔を形成するものであってもよい。
【0046】
また、陳列台セットにおいて、例えば、
図15において、折り畳み陳列台10一の折り畳み陳列台の天板上に他の折り畳み陳列台の天板を、スライド自在に積み重ねた積み重ね体を有するものであってもよい。この場合、一の折り畳み陳列台と他の折り畳み陳列台は、碁盤目の溝と碁盤目の突起の係止がないため、固定が安定しないものの、スライド自在であるため、陳列形態を変更する際、簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、保管に好適なサイズに折り畳めると共に、折り畳み状態でも陳列台として使用できる高さを有する。このため、使用者側にとっては、保管に都合がよく、種々の使用形態を採ることができる。また、顧客側にとっては、趣きのある陳列面に惹かれる。
【符号の説明】
【0048】
1 四角形の天板
2 四角形の底板
3 折り畳み側板
4 吊り下げ側板
6a、6b、7a、8a ヒンジ軸棒
10、10a、10b 折り畳み陳列台
11 天板の上面板
12a、12a、12b、12b 天板の側板
20 陳列台セット
111 碁盤目の溝
112、113、212 ヒンジ孔
211 碁盤目の格子突起