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特開2019-136496段差を有する下面が形成された開口を含む歯科用ノズルチップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-136496(P2019-136496A)
(43)【公開日】2019年8月22日
(54)【発明の名称】段差を有する下面が形成された開口を含む歯科用ノズルチップ
(51)【国際特許分類】
   A61C 9/00 20060101AFI20190726BHJP
【FI】
   A61C9/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-10925(P2019-10925)
(22)【出願日】2019年1月25日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0018500
(32)【優先日】2018年2月14日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】16/048,829
(32)【優先日】2018年7月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10-2018-0125532
(32)【優先日】2018年10月19日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519028829
【氏名又は名称】ムン、ヒョンジュ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ムン、ヒョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ムン、チョウン
(72)【発明者】
【氏名】ムン、チェウン
(57)【要約】
【課題】本発明は、歯科用印象材を塗布するとき利用可能な歯科用印象材ノズルチップに関する。
【解決手段】本発明の一側面に係る歯科用印象材ノズルチップは、印象材導入部と、前記印象材導入部の一端部と連結される印象材吐出部と、を含み、前記印象材吐出部は、前記印象材導入部が連結される反対側の末端に拡張型開口が形成され、前記印象材吐出部の下面は、前記拡張型開口が形成される部分に段差を有するように形成された開放構造を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印象材導入部と、
前記印象材導入部と連結される印象材吐出部と、
を含み、
前記印象材吐出部は、前記印象材導入部が連結される反対側の末端に拡張型開口を有し、
前記拡張型開口の末端は、幅が高さよりも大きく、
前記印象材吐出部は、上面、下面、及び前記上面と前記下面を連結する両側面を含み、前記印象材吐出部の下面は、前記拡張型開口から前記印象材導入部の方向に少なくとも一部が切断して開放され、
前記印象材吐出部の下面の切断面の形状は、前記印象材導入部に向かって凹むようにラウンドされたものである、歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項2】
前記歯科用印象材ノズルチップの幅は、歯の幅に対応するサイズに形成され、歯上で一回の吐出で少なくとも歯の上面の幅が全て覆われるように印象材が吐出される、請求項1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項3】
前記拡張型開口の末端の幅は5mm〜13mmであり、前記拡張型開口の末端の高さは4mm〜5.5mmである、請求項1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項4】
前記歯科用印象材ノズルチップはテーパされた形態を含む、請求項1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項5】
前記印象材吐出部の下面は、前記印象材吐出部の仮想の直線の終わり線から1mm〜2.5mmだけ切断して開放されたものである、請求項1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項6】
前記拡張型開口の断面において、前記印象材吐出部の上面は直線区間を含むものであり、
前記印象材吐出部は、前記印象材導入部を延長して得られる仮想の線から鋭角をなすように曲がって形成されたものである、請求項1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項7】
前記歯科用ノズルチップは、印象材ミキシングチップと結合型又は一体型である、請求項1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項8】
請求項1に記載の歯科用印象材ノズルチップと、
ノズルが含まれた歯科用印象材ミキシングチップと、
を含む、歯科用印象材の塗布装置。
【請求項9】
請求項1に記載の歯科用印象材ノズルチップを用いて歯に印象材を塗布する、歯科用印象材の塗布方法。
【請求項10】
印象材導入部と、
前記印象材導入部と連結される印象材吐出部と、
を含み、
前記印象材吐出部は、前記印象材導入部が連結される反対側の末端に拡張型開口が形成され、
前記印象材吐出部の下面は、前記拡張型開口が形成される部分に段差を有するように形成された開放構造を含む、歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項11】
前記印象材吐出部の下面は、前記印象材吐出部の上面に比べて前記拡張型開口から前記印象材導入部の方向に少なくとも一部が切断して開放されたものである、請求項10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項12】
前記段差を有するように形成された下面は、前記下面の中央を基準にして中央部は低い段を形成し、両側部は高い段を形成する、請求項10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項13】
前記段差を有するように形成された下面の中央部は直線区間を含む、請求項10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項14】
前記印象材吐出部は、上面、下面、及び前記上面と前記下面を連結する両側面を含み、左右の幅が高さよりも長い構造である、請求項10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項15】
前記拡張型開口の幅は、歯の幅に対応するサイズに形成され、歯上で一回の吐出で少なくとも歯の上面の幅が全て覆われるように印象材が吐出される、請求項10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項16】
前記拡張型開口の幅は5mm〜13mmであり、前記拡張型開口の高さは4mm〜5.5mmである、請求項10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項17】
前記印象材吐出部の下面の高い段と低い段との間の段差は、1mm〜2.5mmである、請求項10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項18】
前記印象材吐出部は、中央を基準にして対称をなす拡張型構造であり、
前記拡張型開口の断面において、前記印象材吐出部の上面は直線区間を含み、
前記印象材吐出部は、前記印象材導入部を延長して得られる仮想の線から鋭角をなすように曲がって形成されたものである、請求項10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【請求項19】
請求項10に記載の歯科用印象材ノズルチップと、
ノズルが含まれた歯科用印象材ミキシングチップと、
を含む、歯科用印象材の塗布装置。
【請求項20】
請求項10に記載の歯科用印象材ノズルチップを用いて歯に印象材を塗布する、歯科用印象材の塗布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用印象材を塗布するときに利用可能な歯科用印象材ノズルチップに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、印象材(impression materials)は、歯を治療を行うために歯列及び支台の形をとる材料であって、弾性印象材としてアルギン酸コロイド、チオコール、ラバーベース、シリコンラバーベースなどがあり、非弾性印象材としてモデリングコンパウンド、亜鉛華ユージノールなどがあり、印象材を必要とする目的に応じて様々に材料を選択して使用している。
【0003】
印象材は、一般的に硬化剤と共に一対のカートリッジにそれぞれ格納された状態でミキシングチップによって混合されながら噴出される。
【0004】
ここで、ミキシングチップは印象材を噴出するノズルを含み、本発明は、このような歯科用印象材が噴出されるノズルに装着して利用可能なノズルチップに関する。
【0005】
該当の分野において、ミキシングチップについては一部の技術で印象材と硬化剤などを効率よく混合する装置などが公開されている。
【0006】
しかし、歯に印象材を効率よく塗布する方法とそれを具現するためのノズルチップ及びそのノズルチップを含む塗布装置について研究された技術がない実状である。適正量の印象材を効率よく歯に塗布することで材料の浪費を少なくし、歯の模型と誤差が大きくないように、歯型をとることのできる印象材噴出用ノズルチップについては知られていない。したがって、効果的な印象材塗布装置及びそれを用いた塗布方法などに関する研究が求められる実状であった。
【0007】
関連分野の先行技術として、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2015−0018421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上述した問題点を解決し、簡単な道具の導入だけで印象材の適切な量を歯の表面に均一に噴出して塗布可能にし、材料の無駄遣いを減少しながら正確に歯型をとることのできる歯科用ノズルチップを提供することにある。特に、咬合点を正確に探すための過程で用いられる咬合採得材(bite registration materials)を均一かつ相対的に薄く塗布するためのノズルチップを提供することにある。
【0010】
特に、印象材を塗布する過程で圧力差により固まって噴出される印象材を選び、適切な厚さに伸ばして吐出及び塗布することができ、配列された歯上で一方向にノズルが移動する過程で便利に使用可能にする新概念のノズルチップを提供することにある。
【0011】
しかし、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及したものなどにより制限されることなく、言及されない更なる課題は、下記の記載から該当分野の当業者にとって明確に理解できるのである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一側面に係る歯科用印象材ノズルチップは、印象材導入部と、前記印象材導入部と連結される印象材吐出部とを含み、前記印象材吐出部は、前記印象材導入部が連結される反対側の末端に拡張型開口を有する。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の末端は、幅が高さよりも大きくてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の末端の幅は5mm〜13mmであり得る。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の末端の高さは、4mm〜5.5mmであり得る。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面は、前記拡張型開口から前記印象材導入部の方向に少なくとも一部が切断して開放され得る。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面は、前記印象材吐出部の仮想の直線の終わり線から1mm〜2.5mmだけ切断して開放され得る。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面の切断面の形状は、前記印象材導入部に向かって凹むようにラウンドされたものであり得る。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の断面において、前記印象材吐出部の上面は直線区間を含み得る。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部は、前記印象材導入部を延長して得られる仮想の線から鋭角をなすように曲がって形成され得る。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記歯科用ノズルチップは、透明な素材を含み得る。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前記歯科用ノズルチップは印象材ミキシングチップと結合型又は一体型であり得る。
【0023】
本発明の異なる一側面に係る歯科用印象材の塗布装置は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップと、ノズルが含まれた歯科用印象材ミキシングチップとを含む。
【0024】
本発明の更なる一側面に係る歯科用印象材の塗布方法は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップを用いて歯に印象材を塗布し得る。
【0025】
本発明の一側面に係る歯科用印象材ノズルチップは、印象材導入部と、前記印象材導入部と連結される印象材吐出部とを含み、前記印象材吐出部は、前記印象材導入部が連結される反対側の末端に拡張型開口が形成され、前記印象材吐出部の下面は、前記拡張型開口が形成される部分に段差を有するように形成された開放構造を含む。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面は、前記印象材吐出部の上面に比べて前記拡張型開口から前記印象材導入部の方向に少なくとも一部が切断開放され得る。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、前記段差を有するように形成された下面は、前記下面の中央を基準にして中央部は低い段を形成し、両側部は高い段を形成し得る。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、前記段差を有するように形成された下面の中央部は直線区間を含み得る。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部は、上面、下面及び前記上面と前記下面を連結する両側面を含み、左右の幅が高さよりも長い構造であり得る。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の幅は歯の幅に対応するサイズに形成され、歯上で一回の吐出で少なくとも歯の上面の幅が全て覆われるように印象材が吐出され得る。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の幅は、5mm〜13mmであり得る。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の高さは、4mm〜5.5mmであり得る。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面の高い段と低い段との間の段差は、1mm〜2.5mmであり得る。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部は、中央を基準にして対称をなす拡張型構造であり得る。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の断面において、前記印象材吐出部の上面は直線区間を含み得る。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部は、前記印象材導入部を延長して得られる仮想の線から鋭角をなすように曲がって形成され得る。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、前記歯科用ノズルチップは、透明な素材を含み得る。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、前記歯科用ノズルチップは、印象材ミキシングチップと結合型又は一体型であり得る。
【0039】
本発明の異なる一側面に係る歯科用印象材の塗布装置は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップと、ノズルが含まれた歯科用印象材ミキシングチップとを含む。
【0040】
本発明の更なる一側面に係る歯科用印象材の塗布方法は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップを用いて歯に印象材を塗布し得る。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、ノズルチップをノズルの端部に設けるだけで歯科用印象材の適切な量を歯の表面に均一に噴出して塗布することができ、材料の無駄遣いを減少しながら、歯型を正確にとることができる効果がある。
【0042】
本発明で提供する歯科用印象材ノズルチップを利用すれば、窮極的に、患者の歯の配列状態を正確に確認し、より効果的なオーダーメード型の歯科治療が行われ、材料を削減することで治療コストが安くなる効果も期待できる。特に、咬合点を正確に探すための過程で用いられる咬合採得材を均一かつ相対的に薄く塗布するために効果が発揮される。
【0043】
本発明の歯科用ノズルチップを用いる場合、従来の場合よりも遥かに薄くて正確に印象材を塗布できるため、歯科用の咬合体を効率よく収得できる効果がある。
【0044】
歯科用の歯型をとるとき使用される印象材は、吐出後に若干の時間が経過すると極めて固くなってしまい、既存のチップを用いる場合、その量が増大することで不要な部分を切削するための努力やコストがかかる。しかし、本発明のノズルチップを用いる場合、その超過する量が少なく、歯の形態に合わせて最適量が噴射されることで、その過量塗布された部分に対する切削工程を必要としない効果がある。また、印象材の過剰な量が吐出されることで薄膜のバイト部位を隙間として発生する正確度の損失部分も緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの構造を概略的に示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの拡張型開口の構造が示される概略図である。
図3】本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの下面が印象材導入部の方向に一部が切断して開放された形態を示す概略図である。
図4】本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの印象材吐出部と印象材導入部との間の連結構造が示される概略図である。
図5】本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップが歯科用印象材ミキシングチップと結合される構造を示す概略図である。
図6】本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの構造を概略的に示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの下面が印象材導入部の方向に一部が切断して開放された形態を示す、下面側から観測した形態を示す概略図である。
図8】本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの下面が印象材導入部の方向に一部が切断して開放された形態を示す、拡張型開口方向から観測した形態を示す概略図である。
図9】本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの印象材吐出部と印象材導入部との間の連結構造が示される概略図である。
図10】本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップが歯科用印象材ミキシングチップと結合される構造を示す概略図である。
図11】比較例(左側)及び実施形態(右側)を用いて歯上に印象材を吐出した形態を示す写真である。
図12】比較例及び実施形態の場合に吐出される印象材の量と吐出に所要する時間を測定した結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付する図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の説明において、関連する公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。また、本明細書で用いられる用語は、本発明の好適な実施形態を適切に表現するために使用された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図、又は本発明が属する分野の慣例などによって変わり得る。したがって、本用語に対する定義は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて下されなければならないのであろう。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0047】
明細書の全体において、いずれかの部分がいずれかの構成要素を「含む」とするとき、特に反対となる記載がなければ、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでいることを意味する。
【0048】
以下、本発明のタングステンバリア層研磨用スラリー組成物に対して実施形態及び図面を参照しながら具体的に説明する。しかし、本発明がこのような実施形態及び図面に制限されることはない。
【0049】
図1は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの構造を概略的に示す斜視図である。
【0050】
本発明の一側面に係る歯科用印象材ノズルチップは、印象材導入部と、前記印象材導入部と連結される印象材吐出部とを含み、前記印象材吐出部は、前記印象材導入部が連結される反対側の末端に拡張型開口を有する。
【0051】
一例として、本発明の印象材ノズルチップは、柱構造の印象材導入部を含み得る。一例として、前記印象材導入部の柱構造は、円柱、四角柱、五角柱、又は六角柱のような形態に形成されてもよい。
【0052】
ここで、印象材吐出部は、前記柱構造の印象材導入部の一端部と連結形成され得る。印象材吐出部は、印象材導入部と一方の端が連結され、反対側の末端には拡張型開口を含む。
【0053】
一例として、印象材導入部の印象材吐出部が連結される反対側の末端は、印象材ミキシングチップなどに連結されてもよい。この場合、印象材ミキシングチップなどから硬化剤などの素材と混合した印象材が印象材ノズルチップの内部に導入され得る。
【0054】
一例として、前記印象材吐出部は、印象材導入部と連結される部分から拡張型開口に至るまで断面積が次第に増加する形態に実現し得る。
【0055】
これによって、拡張型開口の断面積は、印象材導入部の断面積より少なくても3倍以上広い構造である。
【0056】
図2は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの拡張型開口の構造が示される概略図である。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の断面は、前記拡張型開口の末端は幅が高さよりも大きくてもよい。
【0058】
一例として、前記拡張型開口の断面は、横軸の長さが縦軸の長さよりも長い楕円のような形態、又は長方形のような形態に実現し得る。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の末端の幅は、5mm〜13mmであってもよい。一例として、前記拡張型開口の末端の幅は、7mm〜13mm、又は、5mm〜10mmであってもよい。前記幅は歯、特に、奥歯の幅よりも若干大きいことが好ましい。ただし、年齢に応じて歯のサイズが様々であるため、前記範囲内で適用される歯の幅に応じて好ましい範囲が決定される。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の末端の高さは、4.0mm〜5.5mmであってもよい。一例として、前記拡張型開口の末端の高さは、4.2mm〜5.5mm、4.0mm〜5.2mmであってもよい。前記拡張型開口の末端の高さは、歯の高さを考慮したものであり、前記範囲の拡張型開口の末端の高さを有することで、印象材の吐出時に左右に印象材が流れて不要に使容量が増加することを防止できる効果がある。前記拡張型開口の上下及び左右の長さは、印象材が塗布される歯のサイズと密接な関わりがある。拡張型開口から吐出された印象材は、歯に塗布されて歯型をとるように固定されて硬化することで歯型をとる。
【0061】
ここで、前記拡張型開口の断面の上下及び左右の最長軸の長さが前記数値範囲から離れている場合、多すぎる量又は少な過ぎる量の印象材が一回に吐出されて均質の塗布が形成されない問題がある。
【0062】
特に、前記拡張型開口の左右の最長軸の長さは、一般的な歯の幅と同一であるか、やや大きく形成される。この場合、印象材を歯に塗布する施術者は反復的に作業することなく、一回の吐出作業だけで歯の幅に均一に印象材を塗布することができる効果がある。
【0063】
図3は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの下面が印象材導入部の方向に一部切断して開放された形態を示す概略図である。
【0064】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面は、前記拡張型開口から前記印象材導入部の方向に少なくとも一部が切断して開放されたものである。
【0065】
印象材吐出部の下面の一部が切断して開放されることで、歯上でノズルチップが位置する位置の下面側に印象材が効率よく均一に吐出される効果が期待される。
【0066】
施術者が印象材ノズルを印象材の吐出部の上面が位置する方向側にゆっくり移動しながら印象材を吐出すれば、本発明の印象材吐出部の下面の開放された構造を介して吐出された印象材が効率よく歯の上に塗布される。下面の開放された区域を介して吐出された印象材が下面と異なって切断されていないため、相対的に延長された上面により均一に広がることで印象材の使容量を減らし、均等な印象材の塗布が可能になる。
【0067】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面は、前記印象材吐出部の仮想の直線の終わり線から1mm〜2.5mmだけ切断して開放されたものである。
【0068】
前記切断された部分が前記印象材吐出部の仮想の直線の終わり線から1mm未満である場合、印象材の吐出が下面が位置する方向に十分行われない問題が生じ、2.5mmを超過する場合は、過度に多い量の印象材が下面が位置する方向に吐出されて均一に歯上に印象材を塗布できない問題が生じる。
【0069】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面の切断面の形状は、前記印象材導入部に向かって凹むようにラウンドされたものであってもよい。
【0070】
これにより、歯の中心部に相対的に多い印象材が吐出され、効率よく歯型をとることができる。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の断面において、前記印象材吐出部の上面は直線区間を含む。
【0072】
前記拡張型開口の断面において、前記印象材吐出部の上面が直線区間を含むことで、拡張型開口から吐出された印象材を上方から均一に押して伸ばす役割を果たす。
【0073】
これによって吐出された印象材がでこぼこに形成されず、平たく均等な表面積を有するように形成され、結果的に歯の形態がよく反映され、材料の浪費の少ない歯型をとることができる効果がある。
【0074】
図4は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの印象材吐出部と印象材導入部との間の連結構造が示される概略図である。
【0075】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部は、前記印象材導入部を延長して得られる仮想の線から鋭角をなすよう曲がって形成されたものである。
【0076】
ノズルチップの印象材導入部と印象材吐出部との間の、このような曲がって連結される構造を導入することで、歯に印象材を塗布する施術者が手首を無理に曲がって口の中に入れる必要がなく、楽な姿勢で歯上に印象材を効率よく塗布できる効果がある。
【0077】
本発明の一実施形態によれば、前記歯科用ノズルチップは、透明な素材を含み得る。
【0078】
一例として、前記歯科用印象材ノズルチップはシリコンを含んでもよい。
【0079】
これにより、歯に印象材を塗布する施術者が前記歯科用の印象材ノズルチップに印象材がどれ程入っているか、どれ程吐出されているかを肉眼で確認でき、吐出速度を調整しながら作業を行える効果がある。
【0080】
図5は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップが歯科用印象材ミキシングチップと結合される構造を示す概略図である。
【0081】
本発明の一実施形態によれば、前記歯科用ノズルチップは、印象材ミキシングチップと結合型又は一体型であり得る。
【0082】
本発明の異なる一側面に係る歯科用印象材の塗布装置は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップと、ノズルが含まれた歯科用印象材ミキシングチップとを含む。
【0083】
本発明の更なる一側面に係る歯科用印象材の塗布方法は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップを用いて歯に印象材を塗布したものである。
【0084】
一方、他の一実施形態として、本発明では、吐出部の下面に段差を有するように形成された開放構造を含むよう設計された歯科用印象材ノズルチップを提供することができる。
【0085】
図6は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップ100の構造を概略的に示す斜視図である。
【0086】
本発明の一側面に係る歯科用印象材ノズルチップは、印象材導入部と、前記印象材導入部と連結される印象材吐出部とを含み、前記印象材吐出部は、前記印象材導入部が連結される反対側の末端に拡張型開口が形成され、前記印象材吐出部の下面は、前記拡張型開口が形成される部分に段差を有するように形成された開放構造を含む。
【0087】
一例として、本発明の印象材ノズルチップは、柱構造の印象材導入部を含む。一例として、前記印象材導入部の柱構造は、円柱、四角柱、五角柱、又は六角柱のような形態に形成されてもよい。
【0088】
ここで、印象材吐出部は、前記柱構造の印象材導入部の一端部と連結形成され得る。印象材吐出部は、印象材導入部と一方の端が連結されるものであり、反対側の末端には拡張型開口を含み得る。
【0089】
一例として、印象材導入部の印象材吐出部が連結される反対側の末端は、印象材ミキシングチップ200などに連結され得る。この場合、印象材ミキシングチップなどから硬化剤などの素材と混合した印象材が印象材ノズルチップの内部に導入され得る。
【0090】
一例として、前記印象材吐出部は、印象材導入部に連結される部分から開口に至るまで断面積が次第に増加する形態に実現できるが、発明でこれを「拡張型」と定義する。
【0091】
これにより、拡張型開口の断面積は、印象材導入部の断面積より少なくても3倍以上の広い構造あり得る。
【0092】
図7は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの下面が印象材導入部の方向に一部が切断して開放された形態を示す、下面側から観測した形態を示す概略図である。
【0093】
図6及び図7において、前記印象材吐出部の下面は、前記拡張型開口が形成される部分に段差を有するように形成された開放構造を含む。
【0094】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面は、前記印象材吐出部の上面に比べて前記拡張型開口から前記印象材導入部の方向に少なくとも一部が切断して開放される。
【0095】
本発明の一実施形態によれば、前記段差を有するように形成された下面は、前記下面の中央を基準にして中央部は低い段を形成し、両側部は高い段を形成する。
【0096】
下面の中央部が相対的に低い段を形成することで、歯科用印象材ノズルチップが一定の方向に移動しながら印象材を吐出する過程で、下面の開放された中央部側に印象材が吐出されることを誘導する。一方、両側部は、高い段を形成することで歯の上面ではない側面の部分で不要な印象材が吐出し過ぎる現象を防止できる。
【0097】
本発明の一実施形態によれば、前記段差を有するように形成された下面の中央部は直線区間を含み得る。
【0098】
下面の中央部が直線区間を含むように形成されることで、印象材吐出部から移動方向の後方部に均一な厚さの印象材が広がりながら均一に歯上に層を形成し得る効果がある。
【0099】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部は、上面、下面、及び前記上面と前記下面を連結する両側面を含み、左右の幅が高さよりも長い構造であり得る。
【0100】
本発明における印象材吐出部は、歯の幅と必要な印象材の塗布量に合わせて設計された構造である。左右の幅が高さよりも長い構造に形成された状態で、左右の幅が歯の幅に対応される場合、従来における円形の吐出部などに比べて印象材が平坦で均一に歯上に吐出される効果を実現できる。
【0101】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の幅は、歯の幅に対応するサイズに形成され、歯上で一回の吐出で少なくとも歯の上面の幅が全て覆われるように印象材が吐出され得る。
【0102】
従来には、印象材吐出部が歯の幅に対応するサイズに形成されていないため、歯上に2回、3回塗布する形で印象材を吐出させることが頻繁であったが、これは時間と努力のみならず、材料の損失につながる問題があった。また、これは不均一な塗布層を形成することで巧みな枠組みを形成できない問題もあった。
【0103】
しかし、本発明の場合、拡張型開口の幅を歯の幅に対応するよう形成することで、一回の吐出だけでも平坦で均等な印象材の塗布層を形成することができる。
【0104】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の断面は、前記拡張型開口の末端は、幅が高さよりも大きくてもよい。
【0105】
一例として、前記拡張型開口の断面は、横軸の長さが縦軸の長さよりも長い楕円形又は長方形に実現され得る。
【0106】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の末端の幅(W)は5mm〜13mmであってもよい。一例として、前記拡張型開口の末端の幅は7mm〜13mm、又は、5mm〜10mmであってもよい。前記幅は歯、特に、奥歯の幅よりも若干の程度大きいことが好ましい。ただし、年齢に応じて歯のサイズが様々であるため、前記範囲内で適用歯の幅に応じて好ましい範囲が決定され得る。
【0107】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の末端の高さ(H)は、4.0mm〜5.5mmであってもよい。一例として、前記拡張型開口の末端の高さは、4.2mm〜5.5mm、4.0mm〜5.2mmであってもよい。前記拡張型開口の末端の高さは歯の高さを考慮したものであり、前記範囲の拡張型開口の末端の高さを有し、印象材の吐出時に左右に印象材が流れて不要に使容量が増加することを防止する効果がある。前記拡張型開口の上下及び左右の長さは、印象材が塗布される歯のサイズと密接な関わりがある。拡張型開口から吐出された印象材は、歯に塗布されて歯型をとるように固定されて硬化して歯型をとることができる。
【0108】
ここで、前記拡張型開口の断面の上下及び左右の最長軸の長さが前記数値範囲から離れている場合、多すぎる量又は少な過ぎる量の印象材が一回に吐出されて均質した塗布が形成されない問題がある。
【0109】
特に、前記拡張型開口の左右の最長軸の長さは、一般的な歯の幅と同一であるか大きいように形成される。この場合、印象材を歯に塗布する施術者は反復的に作業することなく、一回の吐出作業だけで歯の幅に均一に印象材を塗布することができる効果がある。
【0110】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面の高い段と低い段との間の段差(D)は、1mm〜2.5mmであってもよい。
【0111】
前記高い段と低い段との間の段差は、最適な吐出量を決定する重要な要素である。ここで、本発明において、前記段差は、印象材導入部で吐出部が曲がった角度を考慮してやや短い長さ又はやや長い長さに設計され得る。一例として、前記段差は1mm〜1.5mmであってもよい。他の一例として、前記段差は1mm〜2.0mm〜であってもよい。更なる一例として、前記段差は1.5mm〜2.5mmであってもよい。
【0112】
図8は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの下面が印象材導入部の方向に一部が切断して開放された形態を示す、拡張型開口方向から観測した形態を示す概略図である。
【0113】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面は、前記拡張型開口から前記印象材導入部の方向に少なくとも一部が切断して開放されたものである。
【0114】
印象材吐出部の下面の一部が切断して開放されることで、歯上でノズルチップが位置する位置の下面側に印象材が効率よく均一に吐出できる効果が期待される。
【0115】
施術者が印象材ノズルを印象材吐出部の上面が位置する方向側にゆっくり移動しながら印象材を吐出すれば、本発明の印象材吐出部の下面の開放された構造を介して吐出された印象材が歯の上に効率よく塗布される。下面の開放された区域を介して吐出された印象材が下面と異なって切断されておらず、相対的に延長した上面によって均一に広がることで、印象材の使容量を減らし、均等な印象材の塗布を可能にする。
【0116】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部の下面は、前記印象材吐出部の仮想の直線の終わり線から1mm〜2.5mmだけ切断して開放されたものであってもよい。
【0117】
前記切断された部分が前記印象材吐出部の仮想の直線の終わり線から1mm未満である場合、印象材の吐出が下面の位置する方向に十分行われない問題が生じ、2.5mmを超過する場合、過度に多い量の印象材が下面が位置する方向に吐出されて均一に歯上に印象材を塗布することができない問題が生じる。
【0118】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部は、中央を基準にして対称をなす拡張型構造であり得る。
【0119】
これによって、歯の中央を中心に左右対称的に印象材が吐出され、いずれか一方に偏ることなく、歯型を効率よくとることができる。
【0120】
本発明の一実施形態によれば、前記拡張型開口の断面において、前記印象材吐出部の上面は直線区間を含む。
【0121】
前記拡張型開口の断面において、前記印象材吐出部の上面が直線区間を含むことにより、拡張型開口から吐出された印象材を上方から均一に押して伸ばす役割を果たす。
【0122】
これにより、吐出された印象材がでこぼこに形成されず、平たく均等な表面積を有するように形成され、結果的に歯の形態がよく反映され、材料の浪費の少ない歯型をとることができる効果がある。
【0123】
図9は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップの印象材吐出部と印象材導入部との間の連結構造が示される概略図である。
【0124】
本発明の一実施形態によれば、前記印象材吐出部は、前記印象材導入部を延長して得られる仮想の線から鋭角をなすように曲がって形成されたものである。
【0125】
ノズルチップの印象材導入部と印象材吐出部との間の、このような曲がって連結される構造を導入することで、歯に印象材を塗布する施術者が手首を無理に曲がって口の中に入れる必要がなく、安らかな姿勢で歯上に印象材を効率よく塗布できる効果がある。
【0126】
本発明の一実施形態によれば、前記歯科用ノズルチップは透明な素材を含み得る。
【0127】
一例として、前記歯科用印象材ノズルチップはシリコンを含んでもよい。
【0128】
これにより、歯に印象材を塗布する施術者が前記歯科用印象材ノズルチップに印象材がどれ程入っているか、どれ程吐出されているかを肉眼で確認でき、吐出速度を調整しながら作業を行える効果がある。
【0129】
図10は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップが歯科用印象材ミキシングチップと結合される構造を示す概略図である。
【0130】
本発明の一実施形態によれば、前記歯科用ノズルチップは、印象材ミキシングチップと結合型又は一体型であり得る。
【0131】
本発明の異なる一側面に係る歯科用印象材の塗布装置は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップと、ノズルが含まれた歯科用印象材ミキシングチップとを含む。
【0132】
本発明の更なる一側面に係る歯科用印象材の塗布方法は、本発明の一実施形態に係る歯科用印象材ノズルチップを用いて歯に印象材を塗布する。
【0133】
(実施例)
本発明の実施形態として、通用されているノズルチップ(比較例)と本発明の一実施形態に係るノズルチップ(発売予定商品名:ラバーダック、実施例)を用いて、その吐出形態及び吐出量と吐出に費やされる時間を比較した。
【0134】
図11は、比較例(左側)及び実施例(右側)を用いて歯上に印象材を吐出した形態を示す写真である。
【0135】
左側の場合にその吐出量が多すぎ、均一ではない吐出量によってその高さがそれぞれであり、歯の側面で過量の印象材が流れていることが確認される。この場合、歯の間に印象材が挟まった状態で固まり、今後除去する過程で不便で、正確な歯型をとることができない問題が発生することが確認された。
【0136】
右側の場合、吐出量が適切であり、歯間に流れる印象材がほとんどなく、最適な吐出量で効率よく歯型をとることができた。
【0137】
図12は、比較例及び実施例の場合に吐出される印象材の量と吐出に費やされる時間を測定した結果を示す写真である。
【0138】
同じ条件で、試験のために印象材を7cmの歯の長さに塗布することを前提にし、同じ長さの印象材を塗布するためにかかる時間と吐出された量、表面の均質な程度を比較した。
【0139】
比較例の場合、肉眼で見ても吐出量が大きく、多い吐出量が吐出される過程で吐出時間も長くなることが確認された。吐出された量も6.84gとして必要以上に多い量の印象材が消耗される問題があった。
【0140】
一方、実施例の場合、薄くて均一な吐出量を確認することができた。吐出された量が3.77gに過ぎず、かんな掛けのような効果により積層された印象材の上部が極めて均質であり、印象材を塗布するためにかかる時間は比較例の場合に比べて1/3以下に短縮された効果がある。
【0141】
上述したように、本発明を限定した実施形態及び図面に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から様々な修正及び変形が可能である。したがって、本発明の範囲は、説明された実施形態に制限されて決定されることなく、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【0142】
(付記)
(付記1)
印象材導入部と、
前記印象材導入部と連結される印象材吐出部と、
を含み、
前記印象材吐出部は、前記印象材導入部が連結される反対側の末端に拡張型開口を有し、
前記拡張型開口の末端は、幅が高さよりも大きく、
前記印象材吐出部は、上面、下面、及び前記上面と前記下面を連結する両側面を含み、前記印象材吐出部の下面は、前記拡張型開口から前記印象材導入部の方向に少なくとも一部が切断して開放され、
前記印象材吐出部の下面の切断面の形状は、前記印象材導入部に向かって凹むようにラウンドされたものである、歯科用印象材ノズルチップ。
【0143】
(付記2)
前記歯科用印象材ノズルチップの幅は、歯の幅に対応するサイズに形成され、歯上で一回の吐出で少なくとも歯の上面の幅が全て覆われるように印象材が吐出される、付記1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0144】
(付記3)
前記拡張型開口の末端の幅は5mm〜13mmであり、前記拡張型開口の末端の高さは4mm〜5.5mmである、付記1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0145】
(付記4)
前記歯科用印象材ノズルチップはテーパされた形態を含む、付記1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0146】
(付記5)
前記印象材吐出部の下面は、前記印象材吐出部の仮想の直線の終わり線から1mm〜2.5mmだけ切断して開放されたものである、付記1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0147】
(付記6)
前記拡張型開口の断面において、前記印象材吐出部の上面は直線区間を含むものであり、
前記印象材吐出部は、前記印象材導入部を延長して得られる仮想の線から鋭角をなすように曲がって形成されたものである、付記1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0148】
(付記7)
前記歯科用ノズルチップは、印象材ミキシングチップと結合型又は一体型である、付記1に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0149】
(付記8)
付記1に記載の歯科用印象材ノズルチップと、
ノズルが含まれた歯科用印象材ミキシングチップと、
を含む、歯科用印象材の塗布装置。
【0150】
(付記9)
付記1に記載の歯科用印象材ノズルチップを用いて歯に印象材を塗布する、歯科用印象材の塗布方法。
【0151】
(付記10)
印象材導入部と、
前記印象材導入部と連結される印象材吐出部と、
を含み、
前記印象材吐出部は、前記印象材導入部が連結される反対側の末端に拡張型開口が形成され、
前記印象材吐出部の下面は、前記拡張型開口が形成される部分に段差を有するように形成された開放構造を含む、歯科用印象材ノズルチップ。
【0152】
(付記11)
前記印象材吐出部の下面は、前記印象材吐出部の上面に比べて前記拡張型開口から前記印象材導入部の方向に少なくとも一部が切断して開放されたものである、付記10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0153】
(付記12)
前記段差を有するように形成された下面は、前記下面の中央を基準にして中央部は低い段を形成し、両側部は高い段を形成する、付記10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0154】
(付記13)
前記段差を有するように形成された下面の中央部は直線区間を含む、付記10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0155】
(付記14)
前記印象材吐出部は、上面、下面、及び前記上面と前記下面を連結する両側面を含み、左右の幅が高さよりも長い構造である、付記10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0156】
(付記15)
前記拡張型開口の幅は、歯の幅に対応するサイズに形成され、歯上で一回の吐出で少なくとも歯の上面の幅が全て覆われるように印象材が吐出される、付記10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0157】
(付記16)
前記拡張型開口の幅は5mm〜13mmであり、前記拡張型開口の高さは4mm〜5.5mmである、付記10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0158】
(付記17)
前記印象材吐出部の下面の高い段と低い段との間の段差は、1mm〜2.5mmである、付記10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0159】
(付記18)
前記印象材吐出部は、中央を基準にして対称をなす拡張型構造であり、
前記拡張型開口の断面において、前記印象材吐出部の上面は直線区間を含み、
前記印象材吐出部は、前記印象材導入部を延長して得られる仮想の線から鋭角をなすように曲がって形成されたものである、付記10に記載の歯科用印象材ノズルチップ。
【0160】
(付記19)
付記10に記載の歯科用印象材ノズルチップと、
ノズルが含まれた歯科用印象材ミキシングチップと、
を含む、歯科用印象材の塗布装置。
【0161】
(付記20)
付記10に記載の歯科用印象材ノズルチップを用いて歯に印象材を塗布する、歯科用印象材の塗布方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12