特開2019-138424(P2019-138424A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-138424ジャーナル軸受装置の軸受パッド、それを備えるジャーナル軸受装置、及びジャーナル軸受装置を備える回転機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-138424(P2019-138424A)
(43)【公開日】2019年8月22日
(54)【発明の名称】ジャーナル軸受装置の軸受パッド、それを備えるジャーナル軸受装置、及びジャーナル軸受装置を備える回転機械
(51)【国際特許分類】
   F16C 17/03 20060101AFI20190726BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20190726BHJP
   F04D 29/057 20060101ALI20190726BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20190726BHJP
【FI】
   F16C17/03
   F01D25/00 F
   F04D29/057
   F04D29/66 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-24234(P2018-24234)
(22)【出願日】2018年2月14日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】川下 倫平
(72)【発明者】
【氏名】脇 勇一朗
(72)【発明者】
【氏名】篠原 種宏
(72)【発明者】
【氏名】吉峰 千尋
【テーマコード(参考)】
3H130
3J011
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB27
3H130AB60
3H130AC30
3H130BA13E
3H130BA97E
3H130DA02X
3H130DB05X
3H130DH06Z
3H130EA01E
3H130EA07D
3H130EA07E
3H130EB01E
3H130EB02E
3H130EB05E
3J011AA20
3J011BA15
3J011CA01
3J011JA02
3J011KA02
3J011LA06
3J011MA03
3J011PA02
(57)【要約】
【課題】軸振動を抑制可能なジャーナル軸受装置の軸受パッド、それを備えるジャーナル軸受装置、及びジャーナル軸受装置を備える回転機械を提供する。
【解決手段】前記ジャーナル軸受装置の軸方向における前記軸受パッドの中央位置を通る軸方向直交断面において、凹部が形成された上流側領域を含む軸受面を備え、前記上流側領域の前記軸受面によって規定される円弧上に前記軸受面の上流端が位置し、前記軸方向直交断面における前記凹部の上流端は、前記軸受面の周長Lを用いて前記軸受面の前記上流端を基準として0≦x≦0.3Lの周方向範囲に位置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジャーナル軸受装置の軸受パッドであって、
前記ジャーナル軸受装置の軸方向における前記軸受パッドの中央位置を通る軸方向直交断面において、凹部が形成された上流側領域を含む軸受面を備え、
前記上流側領域の前記軸受面によって規定される円弧上に前記軸受面の上流端が位置し、
前記軸方向直交断面における前記凹部の上流端は、前記軸受面の前記上流端から前記凹部の前記上流端までの距離xとして、前記軸受面の周長Lを用いて前記軸受面の前記上流端を基準として0≦x≦0.3Lの周方向範囲に位置することを特徴とする、ジャーナル軸受装置の軸受パッド。
【請求項2】
前記凹部は、前記軸方向に沿って延在することを特徴とする、請求項1に記載のジャーナル軸受装置の軸受パッド。
【請求項3】
前記凹部は、前記軸方向における前記軸受パッドの両端面に開口するように、前記軸方向に沿って延在することを特徴とする、請求項1又は2に記載のジャーナル軸受装置の軸受パッド。
【請求項4】
前記軸受パッドの前記中央位置における前記凹部の下流端が、前記軸受パッドの軸方向両端部における前記凹部の下流端よりも下流側に位置し、
前記中央位置における前記凹部の前記下流端と前記両端部における前記凹部の前記下流端とを結ぶ線分が前記軸方向の直交方向に沿うようにして、前記凹部が形成されたことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のジャーナル軸受装置の軸受パッド。
【請求項5】
前記軸受パッドの軸方向両端部における前記凹部の下流端が、前記軸受パッドの前記中央位置における前記凹部の下流端よりも下流側に位置し、
前記中央位置における前記凹部の前記下流端と前記両端部における前記凹部の前記下流端とを結ぶ線分が前記軸方向の直交方向に沿うようにして、前記凹部が形成されたことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のジャーナル軸受装置の軸受パッド。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の少なくとも1つの軸受パッドと、
前記軸受パッドを収納するように設けられる筐体と、を備えることを特徴とする、ジャーナル軸受装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの軸受パッドは、2つの軸受パッドを含むことを特徴とする、請求項6に記載のジャーナル軸受装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの軸受パッドは、複数の軸受パッドを含み、
前記凹部は、最も上流側の軸受パッドに形成されたことを特徴とする、請求項6又は7に記載のジャーナル軸受装置。
【請求項9】
請求項6〜8の何れか1項に記載のジャーナル軸受装置を備えることを特徴とする、回転機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャーナル軸受装置の軸受パッド、それを備えるジャーナル軸受装置、及びジャーナル軸受装置を備える回転機械に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービン、圧縮機等の回転機械には、ジャーナル軸受装置が備えられる。ジャーナル軸受装置により、回転軸が支持される。回転軸の回転中に生じる軸振動の抑制技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、軸受パッドの上流端に凹部が形成された軸受パッドが記載されている。この軸受パッドでは、軸方向における軸受パッドの中央位置を通る軸方向直交断面において、軸受パッドの軸受面によって規定される円弧よりも下方に、軸受面の上流端が位置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013/046404号公報(特に図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、上記の軸方向直交断面において、軸受パッドの軸受面によって規定される円弧上に軸受面の上流端を位置させることは記載されていない。
【0006】
本発明の少なくとも一実施形態は、軸振動を抑制可能なジャーナル軸受装置の軸受パッド、それを備えるジャーナル軸受装置、及びジャーナル軸受装置を備える回転機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るジャーナル軸受装置の軸受パッドは、ジャーナル軸受装置の軸受パッドであって、前記ジャーナル軸受装置の軸方向における前記軸受パッドの中央位置を通る軸方向直交断面において、凹部が形成された上流側領域を含む軸受面を備え、前記上流側領域の前記軸受面によって規定される円弧上に前記軸受面の上流端が位置し、前記軸方向直交断面における前記凹部の上流端は、前記軸受面の前記上流端から前記凹部の前記上流端までの距離xとして、前記軸受面の周長Lを用いて前記軸受面の前記上流端を基準として0≦x≦0.3Lの周方向範囲に位置することを特徴とする。
【0008】
上記(1)の構成によれば、上流側領域の軸受面によって規定される円弧上に軸受面の上流端が位置するため、回転軸の回転に伴って生じる引き込まれる空気を凹部の内部に入り込みにくくすることができる。潤滑油への空気の混入及びボイドの新たな発生を抑制することができる。これにより、油圧圧力分布の変動を抑制し、軸浮上量の変化が小さくなり、軸振動を抑制することができる。特に、凹部では、凹部が形成されていない部分と比較して、油膜の形成及び圧力発生が生じにくい。そのため、凹部に流れ込む潤滑油に含まれるボイドの状態が変化し、凹部の中で油膜形成位置が変動しても、油膜圧力分布の変動が小さい。この結果、軸浮上量の変化が小さくなり、軸振動をより十分に抑制することができる。
【0009】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記凹部は、前記軸方向に沿って延在することを特徴とする。
【0010】
上記(2)の構成によれば、回転軸の回転に伴い、凹部の下流側内壁に潤滑油が衝突すると、衝突した潤滑油を凹部内部で軸方向に向かわせることができる。具体的には、潤滑油は、油膜圧力の小さくなる方向、即ち、中央から軸方向外側に向かう。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制し、軸振動を抑制することができる。
【0011】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記凹部は、前記軸方向における前記軸受パッドの両端面に開口するように、前記軸方向に沿って延在することを特徴とする。
【0012】
上記(3)の構成によれば、回転軸の回転に伴い、凹部の下流側内壁に潤滑油が衝突すると、衝突した潤滑油を凹部内部で軸方向に向かわせることができる。具体的には、潤滑油は、油膜圧力の小さくなる方向、即ち、中央から軸方向外側に向かう。そして、軸方向外側に向かった潤滑油を、開口を通じて外側に排出し易くすることができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制して、軸振動を抑制することができる。
【0013】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の何れか1の構成において、前記軸受パッドの前記中央位置における前記凹部の下流端が、前記軸受パッドの軸方向両端部における前記凹部の下流端よりも下流側に位置し、前記中央位置における前記凹部の前記下流端と前記両端部における前記凹部の前記下流端とを結ぶ線分が前記軸方向の直交方向に沿うようにして、前記凹部が形成されたことを特徴とする。
【0014】
上記(4)の構成によれば、回転軸の回転により凹部の下流側内壁に衝突した潤滑油を、中央位置における凹部の下流端付近に押し込められ易くすることができる。この結果、中央位置における凹部の下流端付近において圧力が発生し、ボイドを多く含む潤滑油を外側に排出し易くすることができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制し、軸振動を抑制することができる。
【0015】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の何れか1の構成において、前記軸受パッドの軸方向両端部における前記凹部の下流端が、前記軸受パッドの前記中央位置における前記凹部の下流端よりも下流側に位置し、前記中央位置における前記凹部の前記下流端と前記両端部における前記凹部の前記下流端とを結ぶ線分が前記軸方向の直交方向に沿うようにして、前記凹部が形成されたことを特徴とする。
【0016】
上記(5)の構成によれば、回転軸の回転によって凹部の下流側内壁面に衝突した潤滑油を、当該内壁面に沿って外側に流し易くすることができる。このため、ボイドを多く含む潤滑油が入り込んだとしても、速やかに外側に排出することができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制し、軸振動を抑制することができる。
【0017】
(6)本発明の少なくとも一実施形態に係るジャーナル軸受装置は、上記(1)〜(5)の何れか1に記載の少なくとも1つの軸受パッドと、前記軸受パッドを収納するように設けられる筐体と、を備えることを特徴とする。
【0018】
上記(6)の構成によれば、軸振動を十分に抑制したジャーナル軸受装置を提供することができる。
【0019】
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、前記少なくとも1つの軸受パッドは、2つの軸受パッドを含むことを特徴とする。
【0020】
上記(7)の構成によれば、上半領域を流れるときに空気を混入し易く、潤滑油にボイドが含まれ易いジャーナル軸受装置においても、軸振動を十分に抑制することができる。
【0021】
(8)幾つかの実施形態では、上記(6)又は(7)の構成において、前記少なくとも1つの軸受パッドは、複数の軸受パッドを含み、前記凹部は、最も上流側の軸受パッドに形成されたことを特徴とする。
【0022】
上記(8)の構成によれば、最もボイドが混入し易い最上流の軸受パッドにおいて、回転軸と軸受面との間へのボイドの混入を抑制し、軸振動を十分に抑制することができる。
【0023】
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る回転機械は、上記(6)〜(8)の何れか1に記載のジャーナル軸受装置を備えることを特徴とする。
【0024】
上記(9)の構成によれば、軸振動を十分に抑制されたジャーナル軸受装置を備えるため、回転機械の安定性を高めることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、軸振動を抑制可能なジャーナル軸受装置の軸受パッド、それを備えるジャーナル軸受装置、及びジャーナル軸受装置を備える回転機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係るジャーナル軸受装置の軸方向断面図である。
図2図1のA−A線断面図であり、ジャーナル軸受装置の軸方向直交断面である。
図3】本発明の一実施形態に係る軸受パッドの外観斜視図である。
図4図3のB−B線断面図であり、ジャーナル軸受装置の軸方向における軸受パッドの中央位置を通る軸方向直交断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る軸受パッドの上面図である。
図6】回転軸の回転時における潤滑油圧圧力分布を示す図である。
図7】回転軸の回転時において凹部を潤滑油が流れる様子を示す図である。
図8】本発明の二実施形態に係る軸受パッドの斜視図である。
図9】本発明の二実施形態に係る軸受パッドの側面図である。
図10】本発明の三実施形態に係る軸受パッドの斜視図である。
図11】本発明の四実施形態に係る軸受パッドの斜視図である。
図12】本発明の五実施形態に係る軸受パッドの斜視図である。
図13】本発明の六実施形態に係る軸受パッドの斜視図である。
図14】本発明の七実施形態に係る軸受パッドの斜視図である。
図15】本発明の八実施形態に係る軸受パッドの斜視図である。
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、以下に実施形態として記載されている内容又は図面に記載されている内容は、あくまでも例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、任意に変更して実施することができる。また、各実施形態は、2つ以上を任意に組み合わせて実施することができる。
また、参照する図面において、図示の便宜上、及び構造の把握のし易さの観点から、部材の一部を適宜拡大又は縮小して図示することがある。また、参照する各図において、一点鎖線は中心線を表す。
【0028】
さらに、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係るジャーナル軸受装置100の軸方向断面図である。図示はしないが、蒸気タービン、圧縮機等の回転機械は、ジャーナル軸受装置100と、ジャーナル軸受装置100により支持される回転軸2とを備える。ジャーナル軸受装置100では、回転軸2の回転時における軸振動が十分に抑制されている。そのため、回転機械の安定性を高めることができる。
【0030】
以下の説明において、「軸方向」は、ジャーナル軸受装置100に支持される回転軸2の中心軸線Pの方向であり、「径方向」は回転軸2の半径方向であり、「周方向」は回転軸2の周方向である。さらに、本実施形態において「上流側」又は「下流側」とは、回転軸2の回転方向における上流側又は下流側のことをいう。
【0031】
ジャーナル軸受装置100は、潤滑方式(給潤滑油方式)として直接潤滑方式を採用している。そして、回転軸2の下半領域には、最上流に配置された軸受パッド30(第1軸受パッド)、及び、最下流に配置された軸受パッド32(第2軸受パッド)の2つの軸受パッドが配置されている。従って、ジャーナル軸受装置100は、直接潤滑式の2パッド軸受である。このように、上半領域を流れるときに空気を混入し易く、潤滑油にボイドが含まれ易いジャーナル軸受装置100においても、軸振動を十分に抑制することができる。なお、キャリアリング11の下半領域に3個以上の軸受パッドが取り付けられた構成であってもよい。
【0032】
ジャーナル軸受装置100は、キャリアリング11と、複数の軸受パッド30,32(軸受パッド32については図1では図示しない)と、一対のサイドプレート17,18とを備える。複数の軸受パッド30,32は、キャリアリング11の下半領域の内周側に設けられ、回転軸2を下方から支持するように構成されたものである。一対のサイドプレート17,18は、回転軸2の軸方向における複数の軸受パッド30,32の両側に設けられたものである。従って、軸受パッド30,32は、少なくともキャリアリング11及びサイドプレート17,18を含んで構成される筐体に収容されている。
【0033】
キャリアリング11は、軸受ケーシング(図示しない)に支持されており、上半部キャリアリング12及び下半部キャリアリング13を含んで構成される。上半部キャリアリング12及び下半部キャリアリング13は、それぞれ、軸方向に直交する断面が半円弧状となるような内周面及び外周面を有している。これらのうち、下半部キャリアリング13(キャリアリング11)には、軸受パッド30,32が支持されている。
【0034】
キャリアリング11の軸方向の両端側には、回転軸2の外周に沿って、一対のサイドプレート17,18が配置されている。サイドプレート17,18は、円板状に形成されており、中央に回転軸2が貫通する穴が形成されている。
【0035】
上半部キャリアリング12には、主として回転軸2の跳ね上がりを上方から押さえ込むために、内周面にガイドメタル20,21が取り付けられている。具体的には、上半部キャリアリング12(キャリアリング11の上半領域)の軸方向の両端側で且つサイドプレート17,18よりも軸方向において内側に、一対のガイドメタル20,21が取り付けられている。また、ガイドメタル20,21は、回転軸2の外周面のうち上側領域を覆うように設けられている。ガイドメタル20,21は、半円形状に形成されている。
【0036】
図2は、図1のA−A線断面図であり、上記ジャーナル軸受装置100の軸方向直交断面である。下半部キャリアリング13の内周面には、軸受パッド30,32が下半部キャリアリング13の内周面に沿って設けられる。そして、回転軸2は、軸受パッド30,32により下方から支えられている。軸受パッド30,32は、それぞれ、ピボット(図示しない)によって揺動可能に、下半部キャリアリング13の内周面に支持される。
【0037】
下半部キャリアリング13には、3つの給油ユニット25,26,27が設けられている。給油ユニット25,26,27は、軸受パッド30,32に給油を行うためのものであり、それぞれ給油ノズル25a,26a,27aを備えている。回転軸2が図2において矢印Sに示すように時計回りに回転する場合、回転軸2の回転方向において、上流側から、給油ユニット25、給油ユニット26及び給油ユニット27の順でこれらが配置される。なお、最も下流側の軸受パッド32から排出され、回転軸2の回転に伴って回転軸2の上半領域を流れて軸受パッド30に到達する潤滑油のことを、キャリーオーバ油という。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態に係る軸受パッド30(ジャーナル軸受装置100の軸受パッド30)の外観斜視図である。以下、軸受パッド30を主に説明するが、軸受パッド32は、凹部42(後記する)を有しないこと以外は軸受パッド30と同じ構造を有するため、軸受パッド32の説明は省略する。ただし、下流側の軸受パッド32においても、凹部42が形成されていてもよい。
【0039】
軸受パッド30は、回転軸2(図3参照)と対向する面に、軸受面41を有する。そして、軸受面41には、軸受面41の上流端41a(後記する図4参照)の近傍に凹部42が形成される(「近傍」の意味については、図5を参照しながら後記する。)。従って、複数配置された軸受パッド30,32のうち、最も上流側に配置された軸受パッド30に凹部42が形成されている。これにより、最もボイドが混入し易い最上流の軸受パッド30において、回転軸2と軸受面41との間へのボイドの混入を抑制し、軸振動を十分に抑制することができる。なお、凹部42の内部には、ジャッキングオイルポンプ等に接続される給潤滑油口は形成されておらず、凹部42は、給潤滑油を行ったり、回転軸2の回転を開始させたりするものではない。
【0040】
図4は、図3のB−B線断面図であり、ジャーナル軸受装置100の軸方向における軸受パッド30の中央位置を通る軸方向直交断面図である。凹部42は、上記のように軸受面41に形成される。そして、軸受面41は、上流端41aと下流端41fとの間に形成される円弧である。従って、凹部42の上流側内壁42cの上端部42a(凹部の上流端)と、凹部42の下流側内壁42dの上端部42b(凹部の下流端)とは、いずれも、軸受面41を構成する同一の円弧上に位置している。
【0041】
また、軸受パッド30の軸受面41を二分し、上流側領域41bと下流側領域41cとに分けたときに、凹部42は上流側領域41bに形成される。そのため、軸受パッド30は、図4に示す軸方向直交断面図において、凹部42が形成された上流側領域41bを含む軸受面41を備える。そして、軸受面41の上流端41aは、上流側領域41bの軸受面41によって規定される円弧上に位置している。
【0042】
このように、上流側領域41bの軸受面41によって規定される円弧上に軸受面41の上流端41aが位置するため、回転軸2の回転に伴って生じる引き込まれる空気を凹部42の内部に入り込みにくくすることができる。潤滑油への空気の混入及びボイドの新たな発生を抑制することができる。これにより、油圧圧力分布の変動を抑制し、軸浮上量の変化が小さくなり、軸振動を抑制することができる。特に、凹部42では、凹部42が形成されていない部分と比較して、油膜の形成及び圧力発生が生じにくい。そのため、凹部42に流れ込む潤滑油に含まれるボイドの状態が変化し、凹部42の中で油膜形成位置が変動しても、油膜圧力分布の変動が小さい。この結果、軸浮上量の変化が小さくなり、軸振動をより十分に抑制することができる。
【0043】
凹部42は、図4に示す軸方向直交断面図において、径方向に延在する上流側内壁42cと、同じく径方向に延在する下流側内壁42dとを含んで構成される。そして、凹部42は、上流側内壁42cと下流側内壁42dとこれらの下端同士を結ぶ線分とで囲まれることで形成される。なお、上流側内壁42cの径方向の長さと、下流側内壁42dの径方向の長さとは、いずれも等しくなっている。上流側内壁42cの径方向の長さ、及び、下流側内壁42dの径方向の長さは、いずれも、凹部42の深さdと一致する。
【0044】
凹部42の深さdは、回転軸2の半径Dを基準としたときに、例えば0.003D≦d≦0.005Dとすることができる。凹部42の深さdがこの範囲にあることで、回転軸2の回転時に空気に吹き付けられにくい部分の長さを十分に確保して、潤滑油への空気の混入及びボイドの新たな発生を十分に抑制し、軸振動を抑制することができる。
【0045】
図5は、本発明の一実施形態に係る軸受パッド30の上面図である。図5においては、図示の便宜上、軸受面41の上流端と下流端との間の距離であって平面状の距離をLとして表しているが、Lは、軸受面41の上流端41aと下流端41fとの間に形成される軸受面41の周長(円弧の長さ)を表すものである。
【0046】
凹部42は、正面−背面の方向(即ち軸方向)に沿って延在している。凹部42がこのように形成されることで、回転軸2の回転に伴い、凹部42の下流側内壁42d(図4参照)に潤滑油が衝突すると、衝突した潤滑油を凹部42内部で軸方向に向かわせることができる。具体的には、潤滑油は、油膜圧力の小さくなる方向、即ち、中央から軸方向外側に向かう。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制し、軸振動を抑制することができる。なお、凹部42は、軸方向と全く同じ方向に延在するほか、多少の角度(90°未満であり、例えば30°〜45°以下程度)を有する方向に延在するようにしてもよい。
【0047】
また、凹部42は、軸方向における軸受パッド30の両端面に開口するように軸方向に沿って延在している。従って、軸受パッド30を側方(軸方向)から視たときに、凹部42が視認されるように凹部42が形成される。
【0048】
凹部42が開口して形成されていることにより、回転軸2の回転に伴い、凹部42の下流側内壁42d(図4参照)に潤滑油が衝突すると、衝突した潤滑油を凹部42内部で軸方向に向かわせることができる。具体的には、潤滑油は、油膜圧力の小さくなる方向、即ち、中央から軸方向外側に向かう。そして、軸方向外側に向かった潤滑油を、開口を通じて外側に排出し易くすることができる。これにより、ボイドを多く含む潤滑油が回転軸2と軸受面41との間に入り込むことを抑制し、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制して、軸振動を抑制することができる。
【0049】
従って、凹部42が、正面−背面の方向(即ち軸方向)に沿って延在し、かつ、軸方向における軸受パッド30の両端面に開口していることで、ボイドを多く含む潤滑油が回転軸2と軸受面41との間に入り込むことを抑制することができる。また、仮に回転軸2と軸受面41との間にボイドを多く含む潤滑油が入り込んだとしても、回転軸2の両端部から外側に排出され易くすることができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を十分に抑制して、軸振動を十分に抑制することができる。
【0050】
凹部42の幅L1は、軸方向の全域において同じ幅L1になっている。幅L1の長さは特に制限されるものではない。ただし、軸方向直交断面(図4をあわせて参照)における凹部42の上端部42aは、軸受面41の上流端41aから凹部42の上端部42aまでの距離xとして、軸受面41の周長Lを用いて軸受面41の上流端41aを基準として、0≦x≦0.3Lの周方向範囲に位置するようになっている。
【0051】
このように、凹部42の上端部42aが軸受面41の上流端41aを基準として0≦x≦0.3Lの周方向範囲に位置、即ち、凹部42が軸受面41の上流端41aの近傍に位置することで、凹部42からみた下流側領域を十分に確保することができる。これにより、油膜圧力が発生する当該下流側領域が十分に確保され、軸受性能を高めることができる。
【0052】
また、軸受パッド30では、凹部42の上端部42bも、軸受面41の上流端41aから凹部42の上端部42bまでの距離zとして、0≦z≦0.3Lの周方向範囲に位置している。このようにすることで、油膜圧力が発生する上記下流側領域が十分に確保され、軸受性能を高めることができる。ただし、凹部42の上端部42bは、0≦z≦0.3Lの周方向範囲から外れてもよい。即ち、軸受面41の上流側領域41bに凹部42が形成されていればよいため(即ち、z≦0.5L)、凹部42の上端部42bが0.3L<z≦0.5Lの周方向範囲に位置するようにしてもよい。
【0053】
図6は、回転軸2の回転時における油圧圧力分布を示す図である。なお、図6には、回転軸2と軸受面41との間に位置する油膜51と、ボイドを多く含む潤滑油52と、油膜51と潤滑油52との境界面53を図示している。しかし、油膜51と潤滑油52との境界面は、図6に示すように境界面53として明確に存在しないことがある。しかし、図6では、図示の簡略化のために境界面53を明示している。
【0054】
回転軸2が図6に示す方向に回転中、回転軸2と軸受面41との間には油膜51が形成される。そして、回転軸2の径方向に油膜圧力が生じることから、回転軸2が回転しながら軸受面41に支持される。そして、回転中、潤滑油に含まれるボイドの混入状態(含有量等)が変化することがある。しかし、凹部42の部分では、回転軸2から凹部42の底面までの距離が長い。そのため、凹部42の内部へのボイドの混入状態が変化したとしても、凹部42の空間の大きさによって、凹部42よりもずっと小さなボイドによる影響が緩和される。このため、凹部42の部分では境界面53の位置が変動しにくい。これにより、油膜圧力分布の変動を抑制し、軸振動を抑制することができる。
【0055】
また、凹部42の部分では、回転軸2から凹部42の底面までの距離が長い。そのため、凹部42の部分では、凹部42が形成されていない部分と比較して、油膜の形成及び油膜圧力が生じにくくなっている。そのため、ボイドを多く含む潤滑油52が凹部42の内部に入り込み、境界面53が仮に大きく変動しても、油膜圧力分布の変動は小さい。これにより、より十分に軸振動を抑制することができる。
【0056】
図7は、回転軸2の回転時において凹部42を潤滑油が流れる様子を示す図である。上記のように、回転軸2の回転に伴って上流側から潤滑油が流れてくると、潤滑油は、凹部42の下流側内壁42d(図4参照)に衝突する。そうすると、軸受面41において、中央の部分で圧力が高く、両端部で圧力が低いことから、図7において二重線矢印で示すように、潤滑油が凹部42の内部を流れる。これにより、ボイドを多く含む潤滑油の外側への排出を促すことができる。この結果、回転軸2と軸受面41との間へのボイドの混入を抑制して油膜圧力分布の変動を抑制し、軸振動を抑制することができる。
【0057】
図8は、本発明の二実施形態に係る軸受パッド30Aの斜視図である。図8に示す軸受パッド30Aは、上記の凹部42とは異なる形状の凹部42Aを備えること以外は上記の軸受パッド30と同じ構成を有する。
【0058】
上記の凹部42は、軸方向全域において同じ幅L1を有しており、上面視で矩形状になっていた(図5参照)。しかし、図8に示す凹部42Aでは、軸方向中心から両端部に向かって、幅L1が徐々に短くなっている。即ち、軸受パッド30Aの中央位置における凹部42Aの上端部48(凹部の下流端)が、軸受パッド30Aの軸方向両端部における凹部42Aの上端部49(凹部の下流端)よりも下流側に位置している。そして、凹部42Aは、中央位置における凹部42Aの上端部48と両端部における凹部42Aの上端部49,49とを結ぶ線分が軸方向の直交方向に沿うようにして形成されている。従って、凹部42は、斜視図(及び図示しない上面視)において、「くさび」のような形状を有している。なお、ここでいう「軸方向の直交方向に沿う」とは、軸方向の直交方向と同じ方向という意味のほか、軸方向の直交方向に対して90°未満の角度を有した方向をも含む概念である。
【0059】
図9は、本発明の二実施形態に係る軸受パッド30Aの側面図である。凹部42Aでは、軸受面41を形成する円弧上に、上端部42Aa(凹部の上流端)及び上端部48,49,49が位置している。ただし、上記のように、中央位置の上端部48は、両端部の上端部49,49よりも回転方向で下流側に位置する。また、図示はしていないが、中央の上端部48(上記の軸受パッド30における上端部42bに相当)は、上端部42Aa(上記の軸受パッド30における上端部42aに相当)が含まれる範囲である0≦z≦0.3Lの周方向範囲に含まれず、0.3L<z≦0.5Lの周方向範囲に位置している。
【0060】
図8及び図9に示すように、中央位置の上端部48は、両端部の上端部49,49よりも回転方向で下流側に位置している。このため、回転軸2の回転により凹部42Aの下流側内壁に衝突した潤滑油を、中央位置における凹部42Aの下流端付近に押し込められ易くすることができる。この結果、中央位置における凹部42Aの下流端付近において圧力が発生し、ボイドを多く含む潤滑油を外側に排出し易くすることができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制し、軸振動を抑制することができる。
【0061】
また、凹部42Aが、軸方向における軸受パッド30の両端面に開口していることで、開口を通じて外側に排出し易くすることができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を十分に抑制して、軸振動を十分に抑制することができる。
【0062】
図10は、本発明の三実施形態に係る軸受パッド30Bの斜視図である。図10に示す軸受パッド30Bは、上記の軸受パッド30Aと同じく、中央位置の上端部48は、両端部の上端部49,49よりも回転方向で下流側に位置する。しかし、上記の軸受パッド30Aの凹部42Aは平面のみで構成されていたのに対し、図10に示す軸受パッド30Bの凹部42Bは曲面を含んで構成されている。具体的には、凹部42Bにおいて、上端部48,49,49を含んで構成される下流側内壁は、2つの平面で構成された凹部42Aとは異なり、1つの曲面で構成される。
【0063】
このような構造を有する凹部42Bにおいても、回転軸2の回転により凹部42Bの下流側内壁に衝突した潤滑油を、中央位置における凹部42Bの下流端付近に押し込められ易くすることができる。この結果、中央位置における凹部42Bの下流端付近において圧力が発生し、ボイドを多く含む潤滑油を外側に排出し易くすることができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制し、軸振動を抑制することができる。
【0064】
また、凹部42Bが、軸方向における軸受パッド30の両端面に開口していることで、開口を通じて外側に排出し易くすることができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を十分に抑制して、軸振動を十分に抑制することができる。
【0065】
図11は、本発明の四実施形態に係る軸受パッド30Cの斜視図である。図11に示す軸受パッド30Cでは、凹部42Cは、上記の凹部42A,42Bとは異なり、両端部が開口していない。即ち、凹部42Cは、回転軸2(図11では図示しない)と対向する部分が開口しているが、それ以外の部分は閉じられることで形成されている。
【0066】
凹部42Cがこのように形成されても、凹部42Cの内部で潤滑油の両端方向への流れを生じさせることができる。そのため、ボイドを多く含む潤滑油が回転軸2と軸受面41との間に入り込んだとしても、両端部に流れたボイドを多く含む潤滑油は、回転軸2の両端部から速やかに外側に排出される。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制し、軸振動を抑制することができる。
【0067】
図12は、本発明の五実施形態に係る軸受パッド30Dの斜視図である。図12に示す軸受パッド30Dでは、軸受面41の上流端41aと、凹部42Dの上端部42aとが一致している。この場合においても、軸受面41を構成する円弧上には、凹部42Dの上端部42aが位置している。そして、凹部42Dの内壁は、上流側を曲面で構成されている。
【0068】
凹部42Dがこのように形成されても、凹部42Dの内部で潤滑油の両端方向への流れを生じさせることができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制して、軸振動を抑制することができる。また、凹部42Dが、軸方向における軸受パッド30の両端面に開口していることで、ボイドを多く含む潤滑油が凹部42Dに入り込んだとしても、開口を通じて外側に排出し易くすることができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を十分に抑制して、軸振動を十分に抑制することができる。
【0069】
図13は、本発明の六実施形態に係る軸受パッド30Eの斜視図である。図13に示す軸受パッド30Eでは、凹部42Eの内壁は、下流側を曲面で構成されている。
【0070】
回転軸2の回転に伴い、潤滑油が凹部42Eの内部に入り込むと、遠心力により、潤滑油は曲面で構成された下流側の内壁に衝突する。これにより、上記の軸受パッド30の凹部42を構成する下流側内壁42dに衝突する場合と同様、潤滑油の両端方向への流れを生じさせることができる。この結果、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制して、軸振動を抑制することができる。
【0071】
また、凹部42Eが、軸方向における軸受パッド30の両端面に開口していることで、開口を通じて外側に排出し易くすることができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を十分に抑制して、軸振動を十分に抑制することができる。
【0072】
図14は、本発明の七実施形態に係る軸受パッド30Fの斜視図である。上記の図8に示した軸受パッド30Aでは、軸受パッド30Aの中央位置における凹部42Aの上端部48が、軸受パッド30Aの軸方向両端部における凹部42Aの上端部49よりも、下流側に位置している。しかし、この図14に示す軸受パッド30Fでは、軸受パッド30Fの軸方向両端部における凹部42Fの上端部49が、軸受パッド30Fの中央位置における凹部42Fの上端部48よりも、下流側に位置している。
【0073】
凹部42Fをこのように形成することで、回転軸2の回転によって凹部42Fの下流側内壁面(図示しない)に衝突した潤滑油を、当該内壁面に沿って外側に流し易くすることができる。このため、ボイドを多く含む潤滑油が入り込んだとしても、速やかに外側に排出することができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制し、軸振動を抑制することができる。
【0074】
図15は、本発明の八実施形態に係る軸受パッド30Gの斜視図である。上記の図10に示した軸受パッド30Bでは、軸受パッド30Bの中央位置における凹部42Bの上端部48が、軸受パッド30Bの軸方向両端部における凹部42Bの上端部49よりも、下流側に位置している。しかし、この図15に示す軸受パッド30Gでは、軸受パッド30Gの軸方向両端部における凹部42Gの上端部49が、軸受パッド30Gの中央位置における凹部42Gの上端部48よりも、下流側に位置している。
【0075】
凹部42Gをこのように形成することで、回転軸2の回転によって凹部42Gの下流側内壁面(図示しない)に衝突した潤滑油を、当該内壁面に沿って外側に流し易くすることができる。このため、ボイドを多く含む潤滑油が入り込んだとしても、速やかに外側に排出することができる。これにより、ボイドに起因する油膜圧力分布の変動を抑制し、軸振動を抑制することができる。
【符号の説明】
【0076】
2 回転軸
11 キャリアリング
12 上半部キャリアリング
13 下半部キャリアリング
13 半部キャリアリング
17,18 サイドプレート
20,21 ガイドメタル
25,26,27 給油ユニット
25a,26a,27a 給油ノズル
30,30A,30B,30C,30D,30E,32 軸受パッド
39,41f,48,49 下流端
41 軸受面
41a 上流端
41b 上流側領域
41c 下流側領域
42,42A,42B,42C,42D,42E 凹部
42a 上端部(凹部の上流端)
42b 上端部(凹部の下流端)
42Aa 上端部(凹部の上流端)
42c 上流側内壁
42d 下流側内壁
48 上端部(凹部の下流端)
49 上端部(凹部の下流端)
51 油膜
52 潤滑油
53 境界面
100 ジャーナル軸受装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15