【解決手段】分光装置1は、複数の検出対象波長のそれぞれの光の強度を検出する。分光装置1は、複数の検出対象波長を含む注目波長帯において、透過率が閾値透過率以上である透過波長帯を複数有する光学フィルタを複数備える。分光装置1は、複数の光学フィルタを透過した光に基づいて、複数の検出対象波長のそれぞれの光の強度を検出する検出部11,17を備える。複数の光学フィルタは、複数の透過波長帯が互いに異なる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の、分光装置、及び、光学素子に関する各実施形態について
図1乃至
図13を参照しながら説明する。
【0013】
<第1実施形態>
(概要)
第1実施形態の分光装置は、複数の検出対象波長のそれぞれの光の強度を検出する。
分光装置は、複数の光学フィルタと、検出部と、を備える。複数の光学フィルタのそれぞれは、複数の検出対象波長を含む注目波長帯において、透過率が閾値透過率以上である透過波長帯を複数有する。検出部は、複数の光学フィルタを透過した光に基づいて、複数の検出対象波長のそれぞれの光の強度を検出する。複数の光学フィルタは、複数の透過波長帯が互いに異なる。
【0014】
これによれば、各光学フィルタが、注目波長帯において複数の透過波長帯を有するので、複数の光学フィルタを透過した光に基づいて、各検出対象波長の光の強度を検出できる。従って、複数の検出対象波長のそれぞれの光の強度を、共通する複数の光学フィルタを用いて検出できる。この結果、検出対象波長毎の光の強度を高い精度にて検出できる。
次に、第1実施形態の分光装置について、詳細に説明する。
【0015】
(構成)
図1に表されるように、分光装置1は、対象物FRに光を照射し、対象物FRから反射された光のうちの、複数の検出対象波長のそれぞれの光の強度を検出し、検出された光の強度に基づいて、対象物FRの内部の状態を推定する。本例では、対象物FRは、青果物である。また、本例では、対象物FRの内部の状態は、糖度である。なお、対象物FRの内部の状態は、糖度以外の物理量(例えば、水、脂肪、又は、脂質等の量)であってもよい。また、対象物FRは、青果物以外の物体であってもよい。
【0016】
本例では、分光装置1は、携帯型である。なお、分光装置1は、据置型であってもよい。本例では、分光装置1は、マルチスペクトルカメラ、又は、ハイパースペクトルカメラと呼ばれてもよい。
【0017】
分光装置1は、処理部11と、第1光源12−1と、第2光源12−2と、第1レンズ13−1と、第2レンズ13−2と、偏光フィルタ14と、第3レンズ15と、光学素子部16と、固体撮像素子17と、を備える。本例では、処理部11及び固体撮像素子17は、検出部に対応する。
【0018】
処理部11は、図示されない、処理装置及び記憶装置を備える。本例では、処理部11の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)回路により構成される。なお、処理部11の少なくとも一部は、プログラム可能な論理回路(例えば、PLD(Programmable Logic Device)、又は、FPGA(Field−Programmable Gate Array))により構成されてもよい。
【0019】
処理部11は、記憶装置に記憶されているプログラムを処理装置が実行することにより、分光装置1を制御する。これにより、処理部11は、後述する機能を実現する。
【0020】
なお、処理部11が備える処理装置は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又は、DSP(Digital Signal Processor)を含んでもよい。また、処理部11が備える記憶装置は、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリ、有機メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、又は、SSD(Solid State Drive)を含んでもよい。
【0021】
第1光源12−1、及び、第2光源12−2のそれぞれは、処理部11から入力される制御信号に従って、光を出射することにより、対象物FRに光を照射する。本例では、第1光源12−1、及び、第2光源12−2のそれぞれは、LED(Light Emitting Diode)である。
【0022】
本例では、第1光源12−1、及び、第2光源12−2のそれぞれにより出射される光は、近赤外線である。第1光源12−1により出射される光の中心波長と、第2光源12−2により出射される光の中心波長と、は、互いに異なる。本例では、第1光源12−1により出射される光の中心波長は、860nmであり、且つ、第2光源12−2により出射される光の中心波長は、950nmである。なお、第1光源12−1、及び、第2光源12−2のそれぞれにより出射される光は、近赤外線以外の波長帯を有していてもよい。
【0023】
第1レンズ13−1は、第1光源12−1により出射された光を集束する。本例では、第1レンズ13−1は、対象物FRの表面が第1レンズ13−1の焦点に一致する位置を有する。第1レンズ13−1と同様に、第2レンズ13−2は、第2光源12−2により出射された光を集束する。本例では、第2レンズ13−2は、対象物FRの表面が第2レンズ13−2の焦点に一致する位置を有する。本例では、第1レンズ13−1の焦点は、第2レンズ13−2の焦点と略一致する位置を有する。
なお、分光装置1が備える、光源及びレンズからなる組の数は、1つ、又は、3つ以上であってもよい。
【0024】
偏光フィルタ14は、偏光フィルタ14に入射する光のうちの、所定の偏光方向の直線偏光の成分よりも、当該直線偏光の成分以外の成分を大きく減衰させる。これにより、偏光フィルタ14を通過した光は、偏光方向の直線偏光の成分を主に有する。
【0025】
第3レンズ15は、偏光フィルタ14を通過した光を集束する。本例では、第3レンズ15は、光学素子部16が第3レンズ15の焦点に一致する位置を有する。
【0026】
図1に表されるように、光学素子部16は、平板状である。
図2に表されるように、光学素子部16は、格子状の配列を有する複数の光学素子161を備える。
【0027】
以下、
図2乃至
図6に表されるように、x軸、y軸、及び、z軸を有する右手系の直交座標系を用いて、光学素子部16を説明する。本例では、z軸方向は、偏光フィルタ14を通過した光のうちの、偏光方向の直線偏光の成分が伝搬する方向に一致する。また、本例では、y軸方向は、当該偏光方向に一致する。
【0028】
各光学素子161は、
図3に表されるように、格子状の配列を有する、J個の光学フィルタ161−1〜161−Jを備える。Jは、2以上の整数を表す、本例では、Jは、16を表す。本例では、各光学素子161を構成する複数の光学フィルタ161−1〜161−Jは、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jと表されてもよい。
【0029】
図4乃至
図6に表されるように、光学フィルタ161−jは、基板SLと、Q個の層状体FL−1〜FL−Qと、を備える。jは、1乃至Jの整数を表す。Qは、2以上の整数を表す。本例では、Qは、9を表す。基板SL、及び、複数の層状体FL−1〜FL−Qは、積層される。例えば、光学フィルタ161−jは、特許第3325825号公報、又は、特許第5022221号公報等に開示された方法を用いて製造されてよい。また、光学フィルタ161−jは、フォトニック結晶型の光学フィルタと呼ばれてもよい。
【0030】
図4は、光学フィルタ161−jの斜視図である。
図5は、光学フィルタ161−jの上面図(本例では、光学フィルタ161−jをz軸の負方向にて見た図)である。
図6は、光学フィルタ161−jの断面図(本例では、
図5のVI−VI線により表される平面により切断された光学フィルタ161−jの断面をy軸の負方向にて見た図)である。
【0031】
基板SLは、光学フィルタ161−jのうちの、z軸の負方向における端部を構成する。本例では、基板SLは、主成分が二酸化ケイ素(SiO
2)である材料(本例では、石英ガラス)からなる。
複数の層状体FL−1〜FL−Qは、光学フィルタ161−jのうちの、基板SLよりもz軸の正方向に位置する。本例では、層状体FL−qは、qが大きくなるほど、z軸の正方向に位置する。ここで、qは、1乃至Qの整数を表す。
【0032】
基板SLは、x軸方向においてピッチ長Lxにて周期的に繰り返される凹凸構造を有する。本例では、
図6に表されるように、基板SLのうちの、z軸の正方向における端面は、y軸に直交する平面(換言すると、zx平面)により切断された基板SLの断面において、x軸方向においてピッチ長Lxにて周期的に繰り返される方形波状である。
【0033】
各層状体FL−1〜FL−Qは、x軸方向においてピッチ長Lxにて周期的に繰り返される凹凸構造を有する。本例では、
図6に表されるように、各層状体FL−1〜FL−Qのうちの、z軸の正方向における端面は、zx平面により切断された当該層状体の断面において、x軸方向においてピッチ長Lxにて周期的に繰り返される三角波状である。
換言すると、ピッチ長Lxは、光学フィルタ161−jが有する凹凸構造の周期を表す。
【0034】
本例では、複数の層状体FL−1〜FL−Qは、層状体毎に所定の厚さを有する。
図6に表されるように、層状体FL−9の厚さは、z軸方向における長さDである。本例では、各層状体FL−1〜FL−8の厚さも、層状体FL−9の厚さと同様に、z軸方向における長さである。なお、各層状体FL−1〜FL−9の厚さは、当該層状体のうちの、z軸方向における両端面の間の距離であってもよい。
【0035】
なお、
図4乃至
図6においては、説明を簡単にするため、各層状体FL−1〜FL−Qの厚さは、同一であるように表されている。ところで、本例では、複数の層状体FL−1〜FL−Qの、厚さ及び屈折率は、表1の通りである。積層順は、基板SLに近づくほど、小さくなる。従って、本例では、層状体FL−qの積層順は、qである。第1屈折率R1は、第2屈折率R2よりも高い。本例では、第1屈折率R1を有する第1材料は、五酸化ニオブ(Nb
2O
5)である。従って、第1屈折率R1は、2.27である。本例では、第2屈折率R2を有する第2材料は、主成分が二酸化ケイ素(SiO
2)であるシリカである。従って、第2屈折率R2は、1.47である。
【表1】
【0036】
表1に表されるように、本例では、複数の層状体FL−1〜FL−Qのそれぞれは、複数の層状体FL−1〜FL−Qのうちの、当該層状体と隣接する層状体と屈折率が異なる。換言すると、複数の層状体FL−1〜FL−Qは、第1屈折率R1を有する第1材料からなる層状体と、第2屈折率R2を有する第2材料からなる層状体と、が交互に積層されている。
【0037】
また、表1に表されるように、本例では、複数の層状体FL−1〜FL−Qは、互いに隣接する層状体間で層状体の厚さが異なる層状体群を含む。本例では、複数の層状体FL−1〜FL−9のうちの、z軸方向における両端部を構成する層状体FL−1,FL−9以外の層状体FL−2〜FL−8は、層状体群を構成する。
【0038】
本例では、層状体群を構成する層状体FL−2〜FL−8は、積層された方向(本例では、z軸方向)に沿って層状体の厚さが単調に変化する。本例では、層状体群を構成する層状体FL−2〜FL−8は、z軸の正方向に向かって、層状体の厚さが単調に減少する。具体的には、層状体群を構成する層状体FL−2〜FL−8は、z軸の正方向に向かって、層状体の厚さが所定の変化量(本例では、5nm)ずつ減少する。なお、層状体群を構成する層状体FL−2〜FL−8は、z軸の正方向に向かって、層状体の厚さが単調に増加していてもよい。
【0039】
また、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jは、ピッチ長Lxが互いに異なる。本例では、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jのピッチ長Lxは、460nmから620nmまでの間で、10nmの間隔を有する。本例では、光学フィルタ161−jは、jが大きくなるほど、ピッチ長Lxが長くなる。本例では、光学フィルタ161−jは、jが1だけ増える毎に、ピッチ長Lxが所定の変化量(本例では、10nm)だけ長くなる。
【0040】
このような構成により、
図7に表されるように、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jのそれぞれは、所定の注目波長帯において、複数の透過波長帯を有する。
注目波長帯は、分光装置1により光の強度が検出される対象の、複数の検出対象波長を含む。本例では、分光装置1により光の強度が検出される対象の、複数の検出対象波長は、860nmから1060nmまでの間で、12.5nmの間隔を有する。本例では、注目波長帯は、860nmから1060nmまでの波長帯である。
透過波長帯は、透過率が閾値透過率以上である波長帯である。本例では、閾値透過率は、50%である。なお、閾値透過率は、40%乃至60%の値を有していてもよい。
【0041】
固体撮像素子17は、格子状の配列を有する複数の画素を備えるとともに、光学素子部16を透過した光を受光し、受光した光の強度を表す電気信号を画素毎に出力する。
本例では、固体撮像素子17は、CCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサである。なお、固体撮像素子17は、CCDイメージセンサ以外のイメージセンサ(例えば、CMOS(Complementary Metal−Oxide−Semiconductor)イメージセンサ)であってもよい。
【0042】
本例では、固体撮像素子17が備える各画素は、光学フィルタ161−jよりも小さい。換言すると、固体撮像素子17は、各光学フィルタ161−jを透過した光の強度を表す電気信号を、複数の画素により出力する。例えば、処理部11は、各光学フィルタ161−jを透過した光の強度を、当該光学フィルタ161−jに対応する複数の画素のうちの、当該光学フィルタ161−jの端部に対応する画素以外の画素により出力された電気信号に基づいて検出してよい。
【0043】
次に、処理部11の機能を説明する。
処理部11は、光学素子部16が備える複数の光学素子161のそれぞれに対して、当該光学素子161を構成する一群の光学フィルタ161−1〜161−Jを透過した光の強度を固体撮像素子17により検出し、検出された光の強度に基づいて、Wiener推定を行うことにより、複数の検出対象波長のそれぞれの光の強度を検出する。
【0044】
なお、処理部11は、光学素子部16が備える複数の光学素子161の少なくとも一部に対する検出に代えて、又は、光学素子部16が備える複数の光学素子161に対する検出に加えて、任意の位置に対して、当該位置が中心である正方形に含まれる一群の光学フィルタ161−1〜161−Jを透過した光の強度を固体撮像素子17により検出し、検出された光の強度に基づいて、Wiener推定を行うことにより、複数の検出対象波長のそれぞれの光の強度を検出してもよい。
【0045】
図8に表されるように、処理部11の機能は、推定行列記憶部111と、非照射時強度取得部112と、照射時強度取得部113と、推定部114と、を含む。
【0046】
推定行列記憶部111は、K行J列の推定行列Aを記憶する。Kは、検出対象波長の数を表し、2以上の整数を表す。上述のように、Jは、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jに含まれる光学フィルタ161−jの数を表す。
【0047】
推定行列Aは、数式1に基づいて予め決定される。本明細書において、X
Tは、行列Xの転置行列を表し、X
−1は、行列Xの逆行列を表す。
【数1】
【0048】
数式1において、行列R
fは、数式2により表される。本例では、行列R
fは、スペクトルの相関行列に対応する。
【数2】
【0049】
数式2において、ベクトルf
mは、数式3により表される。本例では、ベクトルf
mは、m番目の試料に対する、k番目の検出対象波長の光の強度I
m,kをk行目の要素として有する列ベクトルである。mは、1乃至Mの整数を表す。kは、1乃至Kの整数を表す。整数Mは、試料の数を表す。Mは、2以上の整数を表す。
【数3】
【0050】
本例では、M個のベクトルf
1〜f
Mは、M個の異なる試料としての対象物FRに対して、K個の検出対象波長の光の強度を検出することにより取得される。本例では、M個の異なる試料としての対象物FRは、同じ種類の青果物(例えば、桃)である。本例では、ベクトルf
mは、教師スペクトルに対応する。
【0051】
数式1において、行列R
nは、数式4により表される。本例では、行列R
nは、j番目の光学フィルタ161−jを透過した光の強度の検出値に対する、雑音の振幅の平均値(換言すると、平均雑音振幅)n
jを、j行j列目の要素として有する対角行列である。本例では、行列R
nは、雑音行列に対応する。
【数4】
【0052】
例えば、平均雑音振幅n
jの主成分は、光ショットノイズと、固体撮像素子17の量子化雑音と、に起因する。本例では、平均雑音振幅n
jは、光学フィルタ161−jを透過した光の強度を検出することにより取得される。
【0053】
数式1において、行列Hは、数式6により表される。本例では、行列Hは、j番目の光学フィルタ161−jの、k番目の検出対象波長に対する透過率T
j,kを、j行k列目の要素として有する行列である。本例では、行列Hは、透過率行列に対応する。
【数6】
【0054】
非照射時強度取得部112は、第1光源12−1及び第2光源12−2が対象物FRに光を照射していない場合である非照射時において、固体撮像素子17により出力された電気信号に基づいて、各光学フィルタ161−jを透過した光の強度を検出することにより当該強度を取得する。
【0055】
本例では、処理部11は、分光装置1のユーザにより所定の検出指示が分光装置1に入力された場合、所定の非照射期間が経過するまでの間、第1光源12−1及び第2光源12−2を、光を出射しない状態に維持する。その後、処理部11は、非照射期間が経過した時点から、所定の照射期間に亘って、第1光源12−1及び第2光源12−2を、光を出射する状態に維持する。その後、処理部11は、照射期間が経過した時点から、再び、第1光源12−1及び第2光源12−2を、光を出射しない状態に維持する。
【0056】
本例では、非照射時強度取得部112は、照射期間前の時点と、照射期間後の時点と、の両方において、固体撮像素子17により出力された電気信号に基づいて、各光学フィルタ161−jを透過した光の強度を検出することにより当該強度を取得する。
【0057】
照射時強度取得部113は、第1光源12−1及び第2光源12−2が対象物FRに光を照射している場合である照射時において、固体撮像素子17により出力された電気信号に基づいて、各光学フィルタ161−jを透過した光の強度を検出することにより当該強度を取得する。
【0058】
本例では、照射時強度取得部113は、照射期間内の時点において、固体撮像素子17により出力された電気信号に基づいて、各光学フィルタ161−jを透過した光の強度を検出することにより当該強度を取得する。
【0059】
推定部114は、非照射時強度取得部112により取得された光の強度と、照射時強度取得部113により取得された光の強度と、に基づいて、K個の検出対象波長のそれぞれの光の強度を推定する。
【0060】
本例では、推定部114は、非照射時強度取得部112により照射期間前の時点にて取得された光の強度(換言すると、第1非照射時強度)と、非照射時強度取得部112により照射期間後の時点にて取得された光の強度(換言すると、第2非照射時強度)と、の平均値(換言すると、平均非照射時強度)を算出する。
【0061】
更に、推定部114は、照射時強度取得部113により取得された光の強度(換言すると、照射時強度)から、算出された平均非照射時強度を減じた強度(換言すると、実質強度)を算出する。
【0062】
更に、推定部114は、算出された実質強度と、推定行列記憶部111に記憶されている推定行列Aと、に基づいて、K個の検出対象波長のそれぞれの光の強度を推定する。本例では、推定部114は、数式7に表されるように、実質強度ベクトルgに、推定行列Aを乗算することにより、推定強度ベクトルφを算出する。本例では、推定強度ベクトルφの算出は、K個の検出対象波長のそれぞれの光の強度の検出に対応する。
【数7】
【0063】
数式7において、実質強度ベクトルgは、数式8に表されるように、j番目の光学フィルタ161−jの実質強度G
jをj行目の要素として有する列ベクトルである。
【数8】
【0064】
数式7において、推定強度ベクトルφは、数式9に表されるように、k番目の検出対象波長の光の強度F
kをk行目の要素として有する列ベクトルである。
【数9】
【0065】
更に、推定部114は、算出された推定強度ベクトルφに基づいて、対象物FRの内部の状態を推定する。例えば、推定部114は、検出対象波長毎の光の強度の、位置に対する変化に基づいて、対象物FRの内部の状態を推定する。例えば、推定部114は、検出対象波長毎の光の強度の、位置に対する変化を表すパラメータと、対象物FRの内部の状態の推定値と、の関係を予め記憶し、記憶されている関係と、推定強度ベクトルφと、に基づいて、対象物FRの内部の状態を推定する。
【0066】
推定部114は、推定された、対象物FRの内部の状態を表す情報を出力(例えば、当該情報を表す文字又は画像を表示、又は、当該情報を表す音声を出力)する。
【0067】
(動作)
次に、第1実施形態の分光装置1の動作について
図9を参照しながら説明する。
先ず、分光装置1には、分光装置1のユーザにより所定の検出指示が入力される。これにより、分光装置1は、所定の非照射期間が経過するまでの間、第1光源12−1及び第2光源12−2を、光を出射しない状態に維持する。
【0068】
分光装置1は、非照射期間内の時点において、固体撮像素子17により出力された電気信号に基づいて、各光学フィルタ161−jを透過した光の強度である第1非照射時強度を取得する(
図9のステップS101)。
【0069】
次いで、分光装置1は、非照射期間が経過した時点から、所定の照射期間に亘って、第1光源12−1及び第2光源12−2を、光を出射する状態に維持する。更に、分光装置1は、照射期間内の時点において、固体撮像素子17により出力された電気信号に基づいて、各光学フィルタ161−jを透過した光の強度である照射時強度を取得する(
図9のステップS102)。
【0070】
次いで、分光装置1は、照射期間が経過した時点から、再び、第1光源12−1及び第2光源12−2を、光を出射しない状態に維持する。更に、分光装置1は、照射期間が経過した時点以降の時点において、固体撮像素子17により出力された電気信号に基づいて、各光学フィルタ161−jを透過した光の強度である第2非照射時強度を取得する(
図9のステップS103)。
【0071】
次いで、分光装置1は、取得された第1非照射時強度と、取得された照射時強度と、取得された第2非照射時強度と、に基づいて、実質強度を取得する(
図9のステップS104)。
【0072】
次いで、分光装置1は、取得された実質強度に基づく実質強度ベクトルgに、予め記憶されている推定行列Aを乗算することにより、推定強度ベクトルφを算出する(
図9のステップS105)。これにより、分光装置1は、K個の検出対象波長のそれぞれの光の強度(換言すると、波長毎強度)を取得する。
【0073】
次いで、分光装置1は、取得された波長毎強度に基づいて、対象物FRの内部の状態(換言すると、内部状態)(本例では、糖度)を推定する(
図9のステップS106)。次いで、分光装置1は、推定された内部状態を表す情報を出力する(
図9のステップS107)。
【0074】
以上、説明したように、第1実施形態の分光装置1において、複数の光学フィルタ161−1〜161−Jのそれぞれは、複数の検出対象波長を含む注目波長帯において、透過率が閾値透過率以上である透過波長帯を複数有する。分光装置1において、検出部(本例では、処理部11及び固体撮像素子17)は、複数の光学フィルタ161−1〜161−Jを透過した光に基づいて、複数の検出対象波長のそれぞれの光の強度を検出する。複数の光学フィルタ161−1〜161−Jは、複数の透過波長帯が互いに異なる。
【0075】
これによれば、各光学フィルタ161−jが、注目波長帯において複数の透過波長帯を有するので、複数の光学フィルタ161−1〜161−Jを透過した光に基づいて、各検出対象波長の光の強度を検出できる。従って、複数の検出対象波長のそれぞれの光の強度を、共通する複数の光学フィルタ161−1〜161−Jを用いて検出できる。この結果、検出対象波長毎の光の強度を高い精度にて検出できる。
【0076】
ところで、光の強度を検出する固体撮像素子17の感度は、所定の高感度波長帯から遠ざかるにつれて低下する。このため、透過波長帯が比較的広い場合、固体撮像素子17により検出される光の強度のうちの、高感度波長帯から相対的に遠い波長の成分は、当該強度のうちの、高感度波長帯から相対的に近い波長の成分よりも相当に小さい。従って、透過波長帯が比較的広い場合、透過波長帯のうちの、高感度波長帯から相対的に遠い波長帯の光の強度を高い精度にて検出できない。
【0077】
これに対し、分光装置1によれば、透過波長帯が注目波長帯のうちの複数の領域に分散するので、各透過波長帯が狭くなりやすい。これにより、各透過波長帯のうちの、高感度波長帯から相対的に遠い波長帯の光の強度を高い精度にて検出できる。この結果、検出対象波長毎の光の強度を高い精度にて検出できる。
【0078】
更に、第1実施形態の分光装置1において、複数の光学フィルタ161−1〜161−Jは、ピッチ長Lxにて周期的に繰り返される凹凸構造を有する層状体FL−qを複数含む。複数の層状体FL−1〜FL−Qは、積層される。複数の層状体FL−1〜FL−Qのそれぞれは、複数の層状体FL−1〜FL−Qのうちの、当該層状体と隣接する層状体と屈折率が異なる。更に、複数の光学フィルタ161−1〜161−Jは、ピッチ長Lxが互いに異なる。
【0079】
これによれば、層状体FL−qの厚さを異ならせること、又は、層状体FL−qを構成する材料の屈折率を異ならせることにより、複数の透過波長帯が互いに異なる複数の光学フィルタ161−1〜161−Jを容易に製造できる。
【0080】
更に、第1実施形態の分光装置1において、複数の層状体FL−1〜FL−Qは、互いに隣接する層状体間で層状体の厚さが異なる層状体群(本例では、層状体FL−2〜FL−8)を含む。
【0081】
これによれば、複数の透過波長帯が互いに異なる複数の光学フィルタ161−1〜161−Jを容易に製造できる。また、注目波長帯において複数の透過波長帯を適切に分散させることができる。
【0082】
更に、第1実施形態の分光装置1において、層状体群(本例では、層状体FL−2〜FL−8)は、積層された方向に沿って層状体FL−qの厚さが単調に変化する。
【0083】
これによれば、注目波長帯において複数の透過波長帯をより一層適切に分散させることができる。
【0084】
更に、第1実施形態の分光装置1において、検出部(本例では、処理部11及び固体撮像素子17)は、Wiener推定を行うことにより検出対象波長毎の光の強度の検出を行う。
【0085】
例えば、青果物に光を照射し、青果物の内部を通過した光の強度を検出することにより、青果物の内部の状態(例えば、糖度又は水分量等)を推定する場合、検出される光の強度と波長との関係は、特定の関係に近づきやすい。従って、Wiener推定を行うことにより、検出対象波長毎の光の強度を高い精度にて検出できる。
【0086】
更に、第1実施形態の分光装置1において、検出部(本例では、処理部11及び固体撮像素子17)は、照射時と、非照射時と、の両方において光の強度の検出を行い、照射時において検出された光の強度から、非照射時において検出された光の強度を減じた値に基づいて、対象物FRの内部の状態を推定する。
【0087】
これによれば、照射時において検出された光の強度のうちの、光源からの光以外の光(例えば、外光、背景光、又は、環境光)に起因する成分が、対象物FRの内部の状態の推定に及ぼす影響を抑制できる。これにより、例えば、対象物FRが屋外に位置する場合であっても、対象物FRの内部の状態を高い精度にて推定できる。
【0088】
なお、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jに含まれる光学フィルタ161−jの数Jは、16以外の整数(例えば、2、3、又は、5以上の整数の2乗)であってもよい。例えば、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jに含まれる光学フィルタ161−jの数Jが9である場合、
図10に表されるように、分光装置1は、光学素子161に代えて、光学素子161Aを備えてよい。
【0089】
また、分光装置1は、非照射時における2つの時点において光の強度を取得し、取得された、2つの時点における強度(本例では、第1非照射時強度、及び、第2非照射時強度)に基づいて実質強度を取得する。ところで、分光装置1は、非照射時における1つの時点において光の強度を取得し、取得された、1つの時点における強度(例えば、第1非照射時強度、及び、第2非照射時強度のいずれか一方)に基づいて実質強度を取得してもよい。また、分光装置1は、非照射時における光の強度を取得することなく、照射時における光の強度を実質強度として用いてもよい。
【0090】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の分光装置1について説明する。第2実施形態の分光装置1は、第1実施形態の分光装置1に対して、光学フィルタ161−jの構成において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0091】
第2実施形態の光学フィルタ161−jが備える層状体FL−1〜FL−Qの数Qは、11である。
本例では、複数の層状体FL−1〜FL−Qの、厚さ及び屈折率は、表2の通りである。第1屈折率R1を有する第1材料は、第1実施形態と同様に、五酸化ニオブ(Nb
2O
5)である。従って、第1屈折率R1は、2.27である。第2屈折率R2を有する第2材料も、第1実施形態と同様に、主成分が二酸化ケイ素(SiO
2)であるシリカである。従って、第2屈折率R2は、1.47である。
【表2】
【0092】
表2に表されるように、本例でも、第1実施形態と同様に、複数の層状体FL−1〜FL−Qは、互いに隣接する層状体間で層状体の厚さが異なる層状体群を含む。本例では、複数の層状体FL−1〜FL−11のうちの、z軸方向における両端部を構成する層状体FL−1,FL−11以外の層状体FL−2〜FL−10は、層状体群を構成する。
【0093】
本例では、層状体群を構成する層状体FL−2〜FL−10は、積層された方向(本例では、z軸方向)に沿って層状体の厚さが単調に変化する。本例では、層状体群を構成する層状体FL−2〜FL−10は、z軸の正方向に向かって、層状体の厚さが単調に減少する。具体的には、層状体群を構成する層状体FL−2〜FL−10は、z軸の正方向に向かって、層状体の厚さが所定の変化量(本例では、5nm)ずつ減少する。
【0094】
このような構成により、
図11に表されるように、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jのそれぞれは、所定の注目波長帯において、複数の透過波長帯を有する。
この結果、第2実施形態の分光装置1も、第1実施形態の分光装置1と同様の作用及び効果を奏する。
【0095】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の分光装置1について説明する。第3実施形態の分光装置1は、第1実施形態の分光装置1に対して、光学フィルタ161−jの構成において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第3実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0096】
第3実施形態の光学フィルタ161−jが備える層状体FL−1〜FL−Qの数Qは、13である。
本例では、複数の層状体FL−1〜FL−Qの、厚さ及び屈折率は、表3の通りである。第1屈折率R1を有する第1材料は、第1実施形態と同様に、五酸化ニオブ(Nb
2O
5)である。従って、第1屈折率R1は、2.27である。第2屈折率R2を有する第2材料も、第1実施形態と同様に、主成分が二酸化ケイ素(SiO
2)であるシリカである。従って、第2屈折率R2は、1.47である。
【表3】
【0097】
表3に表されるように、本例でも、第1実施形態と同様に、複数の層状体FL−1〜FL−Qは、互いに隣接する層状体間で層状体の厚さが異なる層状体群を含む。本例では、複数の層状体FL−1〜FL−13のうちの、z軸方向における両端部を構成する層状体FL−1,FL−13以外の層状体FL−2〜FL−12は、層状体群を構成する。
【0098】
本例では、層状体群を構成する層状体FL−2〜FL−12は、積層された方向(本例では、z軸方向)に沿って層状体の厚さが単調に変化する。本例では、層状体群を構成する層状体FL−2〜FL−12は、z軸の正方向に向かって、層状体の厚さが単調に減少する。具体的には、層状体群を構成する層状体FL−2〜FL−12は、z軸の正方向に向かって、層状体の厚さが所定の変化量(本例では、5nm)ずつ減少する。
【0099】
このような構成により、
図12に表されるように、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jのそれぞれは、所定の注目波長帯において、複数の透過波長帯を有する。
この結果、第3実施形態の分光装置1も、第1実施形態の分光装置1と同様の作用及び効果を奏する。
【0100】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態の分光装置1について説明する。第4実施形態の分光装置1は、第1実施形態の分光装置1に対して、光学フィルタ161−jの構成において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第4実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0101】
第4実施形態の光学フィルタ161−jが備える層状体FL−1〜FL−Qの数Qは、17である。
本例では、複数の層状体FL−1〜FL−Qの、厚さ及び屈折率は、表4の通りである。
【表4】
【0102】
第2屈折率R2は、第3屈折率R3よりも高い。第1屈折率R1は、第2屈折率R2よりも高い。第1屈折率R1を有する第1材料は、第1実施形態の第1材料と同様に、五酸化ニオブ(Nb
2O
5)である。従って、第1屈折率R1は、2.27である。第2屈折率R2を有する第2材料は、第1実施形態と異なり、アルミナ(Al
2O
3)である。従って、第2屈折率R2は、1.61である。第3屈折率R3を有する第3材料は、第1実施形態の第2材料と同様に、主成分が二酸化ケイ素(SiO
2)であるシリカである。従って、第3屈折率R3は、1.47である。
【0103】
換言すると、複数の層状体FL−1〜FL−Qのそれぞれは、第1屈折率R1を有する第1材料と、第1屈折率R1よりも低い第2屈折率R2を有する第2材料と、第2屈折率R2よりも低い第3屈折率R3を有する第3材料と、を含む材料群のうちの1つの材料からなる。
【0104】
表4に表されるように、本例では、複数の層状体FL−1〜FL−Qのそれぞれは、複数の層状体FL−1〜FL−Qのうちの、当該層状体と隣接する層状体と屈折率が異なる。
【0105】
本例では、複数の層状体FL−1〜FL−Qは、第1層状体、第2層状体、第3層状体、第2層状体、及び、第1層状体の順に積層された層状体群を含む。第1層状体、第2層状体、及び、第3層状体は、それぞれ、第1材料、第2材料、及び、第3材料からなる。本例では、5個の層状体FL−5〜FL−9は、層状体群を構成する。また、本例では、5個の層状体FL−9〜FL−13は、層状体群を構成する。
【0106】
本例では、層状体群FL−5〜FL−9を構成する2つの第1層状体FL−5,FL−9は、層状体の厚さが同じであり、且つ、層状体群FL−5〜FL−9を構成する2つの第2層状体FL−6,FL−8は、層状体の厚さが同じである。本例では、層状体群FL−5〜FL−9を構成する各層状体FL−5〜FL−9の厚さは、同一である。
【0107】
同様に、本例では、層状体群FL−9〜FL−13を構成する2つの第1層状体FL−9,FL−13は、層状体の厚さが同じであり、且つ、層状体群FL−9〜FL−13を構成する2つの第2層状体FL−10,FL−12は、層状体の厚さが同じである。本例では、層状体群FL−9〜FL−13を構成する各層状体FL−9〜FL−13の厚さは、同一である。
【0108】
また、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jは、ピッチ長Lxが互いに異なる。本例では、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jのピッチ長Lxは、480nmから600nmまでの間で、8nmの間隔を有する。本例では、光学フィルタ161−jは、jが大きくなるほど、ピッチ長Lxが長くなる。本例では、光学フィルタ161−jは、jが1だけ増える毎に、ピッチ長Lxが所定の変化量(本例では、8nm)だけ長くなる。
【0109】
このような構成により、
図13に表されるように、一群の光学フィルタ161−1〜161−Jのそれぞれは、所定の注目波長帯において、複数の透過波長帯を有する。
この結果、第4実施形態の分光装置1も、第1実施形態の分光装置1と同様の作用及び効果を奏する。
【0110】
更に、第4実施形態の分光装置1において、複数の層状体FL−1〜FL−Qのそれぞれは、第1屈折率R1を有する第1材料と、第1屈折率R1よりも低い第2屈折率R2を有する第2材料と、第2屈折率R2よりも低い第3屈折率R3を有する第3材料と、を含む材料群のうちの1つの材料からなる。
【0111】
これによれば、複数の透過波長帯が互いに異なる複数の光学フィルタ161−1〜161−Jを容易に製造できる。また、注目波長帯において複数の透過波長帯を適切に分散させることができる。
【0112】
更に、第4実施形態の分光装置1において、複数の層状体FL−1〜FL−Qは、第1層状体、第2層状体、第3層状体、第2層状体、及び、第1層状体の順に積層された層状体群を含む。
【0113】
これによれば、注目波長帯において複数の透過波長帯をより一層適切に分散させることができる。
【0114】
更に、第4実施形態の分光装置1において、層状体群を構成する2つの第1層状体(本例では、層状体FL−5,FL−9、又は、層状体FL−9,FL−13)は、層状体の厚さが同じであり、且つ、層状体群を構成する2つの第2層状体(本例では、層状体FL−6,FL−8、又は、層状体FL−10,FL−12)は、層状体の厚さが同じである。
【0115】
これによれば、注目波長帯において複数の透過波長帯をより一層適切に分散させることができる。
【0116】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。