【解決手段】収容される土壌に対してふるいをかける土壌ケースであって、土壌が収容され、第一の開口を有する有底筒状の収容部11と、第一の開口と対向する第二の開口を有し、ふるいをかけられた土壌を回収する回収部12と、第一の開口と第二の開口と間に配され、互いの内部空間同士を連通する貫通孔133を有し、貫通孔の通過により収容された土壌にふるいをかける土壌ふるい部13と、収容部の有底側の端面に当接しつつ端面を横断すると共に、少なくとも2箇所で回収部と繋がって、収容部を回収部へ向かって押圧する押圧部14と、を備える。
前記回収側係合部は、前記回収部から前記収容部へ向かう第一の方向への前記延在側係合部の移動を規制する第一の規制面、および前記回収部の外周面から外側へ離反する第二の方向への前記延在側係合部の移動を規制する第二の規制面を有することを特徴とする、
請求項7に記載の土壌ケース。
前記回収側係合部は、前記第一の方向における前記第二の開口側の前記回収部の端部から前記第一の方向へ所定距離離れた前記回収部の外周面から前記第二の方向へ突出するように形成されることを特徴とする、
請求項7〜10のいずれかに記載の土壌ケース。
前記長さ変位部は、前記横断部の前記延在方向に離れている前記横断部の第一地点と第二地点とを接近または離反させて、前記第一地点と前記第二地点の間の距離を変位させることを特徴とする、
請求項12または13に記載の土壌ケース。
前記土壌ふるい部の前記回収部側を向く面のうち、前記貫通孔により前記土壌が選別される土壌選別領域よりも外側の領域に相当する部分から立設する回収側周壁部を備え、
前記回収側周壁部は、前記回収部の内壁面よりも前記回収部の内側に配されることを特徴とする、
請求項1〜15のいずれかに記載の土壌ケース。
前記土壌ふるい部の前記回収部側を向く面のうち、前記貫通孔により前記土壌が選別される土壌選別領域よりも外側の領域に相当する部分から立設する回収側周壁部を備え、
前記回収側周壁部は、前記回収部の外壁面よりも前記回収部の外側に配されることを特徴とする、
請求項1〜15のいずれかに記載の土壌ケース。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の第一実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0028】
<第一実施形態>
<土壌ふるい器の構成>
図1には、本実施形態の土壌ふるい器1の全体構成が示されている。この土壌ふるい器1は、粒径領域が異なる様々な大きさの土壌粒子が混在している土壌を、特定の粒径領域に応じて分離する。土壌ふるい器1は、例えば、粒径領域の大きい砂利や根と、粒径領域の小さい土壌を分離する際に用いられる。
【0029】
図1,2に示すように、土壌ふるい器1は、粒径が異なる土壌粒子が混在している土壌から、特定の粒径の土壌を取り出すためのものであり、複数(ここでは2個)の土壌ケース10と、複数の土壌ケース10が着脱自在に搭載される回転装置20と、回転装置20の周囲を覆う筐体29を備える。
【0030】
<回転装置>
回転装置20は、公転機構と、自転機構とを備える。公転機構は、
図2に示すように、垂直方向に延びる公転軸Kを中心に土壌ケース10を回転させるためのものであり、土壌ケース10が固定されるケース固定部21と、ケース固定部21を保持する公転体22と、公転軸Kを中心にして公転体22を回転させるモータ(駆動装置)23とを備える。なお、公転軸Kは、上下方向に延びるものであれば、垂直方向に対し斜めの方向であってもよい。
【0031】
ケース固定部21は、有底の円筒形状となっており、土壌ケース10の下側を収容することで土壌ケース10を保持する構造となっている。土壌ケース10は、ケース固定部21に対して着脱自在な状態で搭載される。ケース固定部21の内周面には、L字型の係止溝21Mが形成される。係止溝21Mは、例えば、土壌ケース10の周方向において所定のピッチ(例えば、90°ごと、または180°ごと)に設けられる。係止溝21Mは、土壌ケース10に設けられた回収側係合部125(突出部148)(
図3参照)との係合可能なものであり、ケース固定部21の軸方向(例えば、自転軸J方向)に延びる軸溝21MAと、軸溝21MAの下端からケース固定部21の周方向に延びる周溝21MBとを有する。回収側係合部125(突出部148)が周溝21MBと係合した状態では、土壌ケース10は軸方向において係止される。また、軸溝21MAの下端を基準にして周溝21MBが延びる方向は、自転軸J回りの回転方向と逆の方向であることが好ましい。このような係止溝21Mに回収側係合部125(突出部148)が係合することにより、土壌ケース10は、軸方向及び周方向において係止される、すなわち、ふるい工程中に土壌ケース10がケース固定部21から外れることを防ぐことができる。
【0032】
公転体22は、ケース固定部21の自転軸体21Aを回転自在に保持する軸受け22Aと、軸受け22Aの外輪を保持する軸受け固定部22Bと、複数の軸受け固定部22Bを同時に保持する公転プレート22Cと、公転プレート22Cの中心に配置される公転軸体22Dとを備える。
【0033】
軸受け固定部22Bは有底の円筒形状となっている。従って、軸受け固定部22Bは、ケース固定部21との間に隙間が形成されるようにして、ケース固定部21を覆う。軸受け22Aは、軸受け固定部22Bの底面の中央部に固定される。公転プレート22Cは、軸受け固定部22Bを収容するための開口22CAが形成されており、この開口22CAに軸受け固定部22Bの外周面が接合されている。
【0034】
自転機構は、ケース固定部21に固定された土壌ケース10を自転軸J回りに自転させるためのものであり、ケース固定部21の底面中心から下側に突出する自転軸体21Aと、ケース固定部21と同軸状態で連結される遊星傘歯車25と、遊星傘歯車25の公転半径内側に配置される太陽傘歯車26と、を備える。太陽傘歯車26は、公転軸Kと同軸状態で筐体29に固定配置されており、全ての遊星傘歯車25と同時に噛み合っている。なお、自転軸Jは、公転軸Kと平行でもよいし、公転軸Kと異なる方向でもよい。
【0035】
モータ23によって公転体22を回転させると、ケース固定部21及び土壌ケース10は、公転軸Kを中心にして一緒に公転する。そして、ケース固定部21に連結されている遊星傘歯車25が、固定側の太陽傘歯車26の周りを公転しようとする場合、両者は噛み合っているので、遊星傘歯車25に自転動力が作用する。遊星傘歯車25の自転によって、ケース固定部21及び土壌ケース10が自転軸Jを中心にして自転する。
【0036】
<土壌ケースの全体構成>
次に、
図3〜6を参照して、本発明の第一実施形態における土壌ケース10について説明する。土壌ケース10は、収容されるサンプリング土壌に対してふるいをかけて、サンプリング土壌を選別して、特定の粒径領域内の抽出土壌を抽出するものである。土壌ケース10は、例えば、収容部11と、回収部12と、土壌ふるい部13と、押圧部14と、長さ変位部15とを備える。
【0037】
<収容部>
図3,4を参照して、収容部11について説明する。収容部11は、ふるいにかける前のサンプリング土壌が収容されるものである。収容部11は、
図4に示すように、開口110を有する有底の円筒状の容器である。収容部11の内部空間である収容側内部空間111には、開口110を通じてサンプリング土壌が投入される。また、収容部11は、
図4,5に示すように、自身の開口110が、土壌ふるい部13と対向するように配される。
【0038】
収容部11は、開口110側の面の直径が大きく、かつ有底側の面の直径が小さくなるような円錐台状となっている。つまり、収容部11は、有底側から開口110側に進むにしたがって径が拡開する構造になっている。例えば、収容側内部空間111の開口110側の面における直径は10〜13cmであり、収容側内部空間111の有底側の面における直径は7〜8cmである。また、収容側内部空間111の開口110の面から有底面までの高さは、例えば、10〜13cmである。
【0039】
土壌の撹拌効率の観点から、収容部11の内周面113は、粗面加工されていることが好ましい。
【0040】
<回収部>
図3〜5を参照して、回収部12について説明する。回収部12は、ふるいをかけられてサンプリング土壌から選別された抽出土壌を回収するものである。回収部12は、
図4に示すように、開口120を有する有底の略円筒状の容器である。回収部12の内部空間である回収側内部空間121は、サンプリング土壌から選別された抽出土壌を回収するための空間である。つまり、サンプリング土壌から選別された抽出土壌は、開口120を通じて回収側内部空間121に移動する。
【0041】
また、回収部12は、
図4,5に示すように、自身の開口120が土壌ふるい部13と対向するように配される。また、回収部12は、収容部11の軸方向A1と、自身の軸方向A2が平行になるように配されることが好ましい。特に、回収部12は、
図5に示すように、自身の中心軸122と収容部11の中心軸112が同軸になるように配されることがより好ましい。さらに、回収部12の中心軸122および収容部11の中心軸112は、土壌ふるい器1の自転軸Jと同軸となることが好ましい。
【0042】
なお、以下において回収部12の中心軸122および収容部11の中心軸112は、同軸であるものとし、収容部11の軸方向A1および回収部12の軸方向A2を単に軸方向Aと呼ぶ。
【0043】
回収部12の開口120の径は、収容部11の開口110の径に比べて大きい。例えば、回収側内部空間121の開口120側の面における直径は12〜14cmである。また、回収側内部空間121の開口120の面から有底面までの高さは、例えば、5〜14cmである。
【0044】
<土壌ふるい部>
図3〜6を参照して、土壌ふるい部13について説明する。土壌ふるい部13は、収容部11に収容されたサンプリング土壌をふるいにかけて抽出土壌を選別するものである。また、土壌ふるい部13は、
図4〜6に示すように、円板状に形成されたふるい円板130を有する。ふるい円板130は、自身の板厚方向に貫通する複数の貫通孔133を有する。貫通孔133の大きさは、例えば、直径2mm以下である。貫通孔133同士の間隔は、例えば、4〜5mmである。
【0045】
また、土壌ふるい部13は、
図4,5に示すように、収容部11と、回収部12の間に配される。そして、ふるい円板130の一方側の平面(以下、収容側ふるい面と呼ぶ。)131は、収容部11の開口110と対向する。また、収容側ふるい面131とは反対側の面、すなわち、ふるい円板130の他方側の平面(以下、回収側ふるい面と呼ぶ。)132は、回収部12の開口120と対向する。この際、ふるい円板130は、
図5に示すように、自身の中心軸134が収容部11の中心軸112および回収部12の中心軸122と同軸になるように配されることが好ましい。以上のように、収容部11、土壌ふるい部13、および回収部12が配される場合、収容部11、土壌ふるい部13、および回収部12における各径方向も一致する。なお、以下において、収容部11、土壌ふるい部13、および回収部12における各径方向は一致するものとし、収容部11、土壌ふるい部13、および回収部12における各径方向を単に径方向(例えば、
図4,5の矢印B方向参照)と呼ぶ。
【0046】
ふるい円板130は、土壌選別領域SAと、周辺領域PAとを有する。土壌選別領域SAは、サンプリング土壌をふるいにかけて特定の粒径領域に応じて選別し、抽出土壌を抽出するふるい円板130における領域である。具体的に土壌選別領域SAは、
図4,5に示すように、例えば、収容部11の中心軸112に沿って軸視した場合に、ふるい円板130と開口110が重なり合う重なり合い領域の範囲内の領域である。また、土壌選別領域SAは、
図6に示すように、重なり合い領域の範囲内の領域のうち、ふるい円板130の中心軸134周りにおいて径方向外側に広がる円形領域となることが好ましい。そして、土壌選別領域SAには、複数の貫通孔133が設けられる。
【0047】
また、周辺領域PAは、土壌選別領域SAの周縁SA1よりも径方向外側にある土壌選別領域SAの周囲の環状領域である。また、周辺領域PAは、
図6に示すように、土壌選別領域SAを取り囲む。収容側ふるい面131のうち、周辺領域PAに属する面には、
図5に示すように、収容部11の開口110側の端面である開口側端面115と当接する収容側当接面131Aが含まれる。収容側当接面131Aは、
図6に示すように、環状の面となる。収容側当接面131Aと収容部11の開口側端面115とが当接すると、収容部11の開口110は、ふるい円板130によって覆われる。
【0048】
収容部11の収容側内部空間111に収容されたサンプリング土壌は、ふるい円板130の貫通孔133を通って、ふるいにかけられる。収容部11に収容されるサンプリング土壌のうち、貫通孔133を通過可能な大きさを有するものが回収部12に回収される。収容部11に収容されるサンプリング土壌には、粒径領域の大きい砂利や根と、粒径領域の小さい土壌が混在している。この場合、粒径領域の大きい砂利や根は、貫通孔133を通過せずに、収容部11の収容側内部空間111に残る。一方、粒径領域の小さい土壌は、貫通孔133を通過して回収側内部空間121に移動する。
【0049】
また、土壌ふるい部13は、収容側ふるい面131のうち、収容側当接面131Aよりも径方向外側の面を起点として収容部11側(上方側)に立設する収容側周壁部135を有する。収容側周壁部135は、
図6に示すように、収容部11の周方向に、収容部11を取り囲む環状の周壁である。なお、収容側周壁部135は、収容部11を不連続に取り囲む複数の周壁の集合として構成されてもよい。
【0050】
収容側周壁部135は、開口110の近傍における収容部11の外周面116に当接する当接内壁面135Aを有する。収容部11の外周面116は、収容部11の開口110の近傍における収容部11の径方向外側の端面に相当する。本実施形態では、当接内壁面135Aは、環状の面になっている。このため、当接内壁面135Aは、外周面116に当接して収容部11を径方向内側に支持し、収容部11の径方向外側への移動を制限する。
【0051】
また、土壌ふるい部13は、回収側ふるい面132のうち、土壌選別領域SAよりも径方向外側の領域に相当する部分を起点として回収部12側(下方側)に立設する回収側周壁部136を有する。本実施形態において、回収側周壁部136は、
図5に示すように、回収部12の内壁面123よりも回収部12の径方向内側に配される。
【0052】
回収側周壁部136は、
図6に示すように、回収部12の内壁面123の周方向に連続する周壁である。なお、回収側周壁部136は、回収部12の内壁面123の周方向に不連続に配置される複数の周壁の集合として構成されてもよい。
【0053】
回収部12は、
図4に示すように、内壁面123に段部126を有する。段部126は、開口近位側面126Aと、開口遠位側面126Bとで構成される。開口近位側面126Aは、軸方向Aにおける回収部12の開口120の近位側において径方向内側に延びると共に、回収部12の周方向に延びて、回収部12の中心軸122周りを一周する環状の内壁面である。開口近位側面126Aは、
図4,5に示すように、回収側ふるい面132に対向する。開口遠位側面126Bは、軸方向Aにおける回収部12の開口120の遠位側において、軸方向Aに延びる回収部12の内壁面である。
【0054】
土壌ふるい部13が回収部12に設置されるとき、
図5に示すように、軸方向Aにおける回収側周壁部136の回収部12側(下方側)の端面136Aは、開口近位側面126Aに当接する。つまり、土壌ふるい部13は、開口近位側面126Aを通じて回収部12に支持される。また、回収側周壁部136における径方向外側の外壁面136Bは、開口近位側面126Aよりも開口120に近位側の内壁面123Aに当接して土壌ふるい部13を径方向内側に支持して、土壌ふるい部13の径方向外側への移動を制限する。
【0055】
以上のような態様の土壌ケース10の回収部12に袋19を入れる場合、
図7に示すように、袋19は、回収側周壁部136における径方向外側の外壁面136Bと回収部12の内壁面123Aとの間を通って収容部11側へ延びるように配される。このため、土壌ふるい器1でのふるい処理が終了して、収容部11および土壌ふるい部13を回収部12から分離するときに、袋19内の土900が外部にこぼれにくい。なお、ふるい処理とは、粒径領域が異なる様々な大きさの土壌粒子が混在している土壌から、特定の粒径領域に対応する粒子を分離する処理を言い、具体的には、
図7に示すように、土壌ケース10の収容部11に収容された土壌900から所定の粒径より粒径の小さい土壌910を分離する処理が一例として挙げられる。
【0056】
<押圧部>
図3〜9を参照して、押圧部14について説明する。押圧部14は、収容部11を回収部12に向かって押圧するものである。具体的に押圧部14は、
図5に示すように、収容部11の有底側の有底側端面117に当接しつつ当該有底側端面117を横断すると共に、少なくとも2箇所で回収部12と繋がっている。このような押圧部14は、例えば、横断部140と、結合部141とを備える。
【0057】
<横断部>
横断部140は、収容部11の有底側端面117に当接しつつ、有底側端面117を横断して両端が回収部12まで延在するものであり、当接部142と、延在部143とを備える。当接部142は、収容部11の有底側端面117と当接する有底側当接面142Aを有する。延在部143は、当接部142から回収部12に向かって延在するものである。横断部140において延在部143は、2つある。したがって、全体として横断部140は、
図3に示すように、略長方形の帯状になっている。なお、本実施形態では当接部142と延在部143は、一体形成された1つの部材として構成されているが、これに限定されるものではなく、当接部142と延在部143は、別部材であってもよい。
【0058】
また、横断部140には、当接部142と延在部143の境界を跨って延びる孔部145が2つ設けられる。さらに、横断部140には、孔部145の当接部142側の辺部145Aを起点として延在部143へ向かって延びる位置調整片146が各孔部145に設けられる。横断部140は、収容部11の有底側端面117と外壁面114の境界部115が2つの孔部145内部に位置するように収容部11に取り付けられる。境界部115が2つの孔部145内部に位置していない場合、位置調整片146が手等で引っ張られて孔部145の位置が調整される。
【0059】
<結合部>
結合部141は、横断部140と回収部12を繋ぐものである。本実施形態において結合部141は2つあり、横断部140の両端を回収部12に繋いでいる。結果、収容部11は、横断部140により土壌ふるい部13および回収部12へ向かって押圧される。これにより、収容部11は、土壌ふるい部13、および回収部12に固定される。
【0060】
また、本実施形態において結合部141は、例えば、
図5に示すように、延在部143に繋がる2つの延在側係合部144により構成される。延在側係合部144は、延在部143に繋がり、着脱自在に回収側係合部125と係合する。回収側係合部125は、回収部12と繋がり、着脱自在に延在側係合部144と係合する。回収側係合部125および延在側係合部144は、
図5に示すように、2つ設けられる。2つの回収側係合部125および延在側係合部144それぞれが係合されると、2つの延在部143は、軸方向Aにおける収容部11側から回収部12側へ向かう方向に当接部142を引っ張る。結果、当接部142は、軸方向Aにおける収容部11側から回収部12側へ向かう方向に回収部12を押圧する。
【0061】
延在側係合部144は、
図8(A)に示すように、例えば、表側板部材146と、裏側板部材147とにより構成される。表側板部材146および裏側板部材147は、ぞれぞれ、例えば、台形板状に形成される。また、表側板部材146および裏側板部材147には、それぞれ中央に板の厚み方向に貫通する略四角形状の大径孔部146A,147Aが設けられる。
【0062】
また、表側板部材146には、台形の短辺に相当する辺部146Bに最も近位側の大径孔部146Aの辺部146Cから台形の長辺に相当する辺部146Dに最も近位側の大径孔部146Aの辺部146Eに向かって凸となる凸部146Fが設けられる。
【0063】
また、表側板部材146と裏側板部材147は、
図8(B)に示すように、横断部140(延在部143)の端部近傍を挟み込むようにして、横断部140(延在部143)に取り付けられる。表側板部材146の横断部140(延在部143)と対向する側の面には、
図8(A)に示すように、当該面から板厚方向へ凹む凹部146Gが2つ設けられる。また、裏側板部材147の横断部140と対向する側の面には、
図8(A)に示すように、当該面から横断部140(延在部143)側へ凸となる凸部147Bが2つ設けられる。凸部147Bと凹部146Gは、嵌合可能な形状になっている。また、横断部140は、
図8(A)に示すように、凸部147Bを通す小径孔部140Aを2つ有する。
【0064】
また、横断部140は、自身の長手方向の端部近傍に大径孔部140Bを有する。横断部140の小径孔部140Aを凸部147Bが通過して凸部147Bが凹部146Gと嵌合するように、表側板部材146と裏側板部材147で横断部140(延在部143)の端部近傍を挟み込むと、大径孔部140Bは、
図8(B)に示すように、大径孔部146A,147Aと重なり合う。
【0065】
本実施形態において回収側係合部125は、
図4に示すように、軸方向Aにおける回収部12の開口120側の端部に相当する端部側外壁面124Aを起点として径方向外側へ突出する突出部148により構成される。突出部148は、
図9に示すように、凸部146Fを受け入れ可能な受け入れ空間148Bを有する。また、突出部148は、軸方向Aにおいて回収部12の開口120から遠位側の遠位側開口148Aを有する。受け入れ空間148Bは、遠位側開口148Aを通じて外部と連通する。
【0066】
なお、本実施形態では突出部148は、突出部148を軸方向Aへ貫通する貫通孔148Cを有する。受け入れ空間148Bは、貫通孔148Cに取り囲まれる空間の少なくとも一部に相当する。また、遠位側開口148Aは、貫通孔148Cの開口のうち、軸方向Aにおいて回収部12の開口120から遠位側の開口に相当する。ただし、突出部148には、貫通孔の代わりに、遠位側開口148Aを起点として軸方向Aへ凹む凹部が設けられるものであってもよい。この場合でも、受け入れ空間148Bは、凹部に取り囲まれる空間の少なくとも一部に相当する。また、遠位側開口148Aは、凹部の開口に相当する。
【0067】
受け入れ空間148Bに凸部146Fが挿入されると、
図9に示すように、突出部148の貫通孔148Cを構成する面のうち、径方向外側の面148Dは、凸部146Fの径方向外側(矢印B1参照)への移動を規制する。以下において、面148Dを径方向側規制面148Dと呼ぶこととする。具体的に、径方向において凸部146Fが径方向側規制面148Dに当接することにより、凸部146Fの径方向外側への移動が規制される。結果、延在側係合部144は、径方向側規制面148Dにより径方向外側への移動を規制される。
【0068】
また、受け入れ空間148Bに凸部146Fが挿入されると、
図10(A),(B)に示すように、軸方向Aにおいて回収部12の開口120から遠位側の突出部148の端面である遠位側端面148Eは、軸方向Aにおいて自身と対向する延在側係合部144の対向面144Aに当接することにより、軸方向Aにおける延在側係合部144の収容部11側(上方側)への移動を規制する。この意味で、遠位側端面148Eは、軸方向Aにおける回収部12側から収容部11側へ向かう方向(矢印A1参照)への移動を規制する軸方向規制面と捉えることができる。なお、本実施形態において対向面144Aは、大径孔部146A,147Aの辺部146C,147Cに相当するものであり、対向面または対向縁のいずれであってもよい。
【0069】
以上のように、延在側係合部144と回収側係合部125が係合すると、延在側係合部144は、径方向外側および軸方向Aの収容部11側への移動が規制される。結果、横断部140は、収容部11を回収部12および土壌ふるい部13へ向かって押圧する状態を維持することができる。
【0070】
<長さ変位部>
次に、
図11を参照して長さ変位部15について説明する。長さ変位部15は、結合部141間の横断部140の長さを変位させるものである。具体的に長さ変位部15は、例えば、横断部140の延在方向(長手方向)に離れている横断部140における第一地点P1と第二地点P2とを接近または離反させて、第一地点P1と第二地点P2の間の距離を変位させる。なお、本実施形態では、第一地点P1および第二地点P2は、当接部142上にある。
【0071】
上記のような長さ変位部15は、例えば、移動引っ掛け部150と、引っ掛け被係合部151とを備える。移動引っ掛け部150は、当接部142上に設置されるものであり、例えば、引っ掛け体156と、移動機構157を備える。移動機構157は、引っ掛け体156を、引っ掛け被係合部151に対して接近または離反させるものである。
【0072】
移動機構157は、例えば、軸状の第一軸部152と、第一軸側軸止部153と、軸状の第二軸部154と、第二軸側軸止部155とを備える。第一軸側軸止部153は、当接部142の表側面上から軸方向Aへ立設される。そして、第一軸側軸止部153は、横断部140の延在方向(長手方向)および収容部11の軸方向Aの双方に直角な方向(
図11の紙面に垂直な方向)に第一軸部152が延びるように、第一軸部152を軸止する。
【0073】
第二軸側軸止部155は、自身の一端側において第一軸部152の軸周りに回動自在に第一軸部152に軸着され、自身の他端側において第二軸部154が第一軸部152と平行に延びるように、第二軸部154を軸止する。
【0074】
引っ掛け体156は、本体部156Aと、引っ掛け係合部156Bとを備える。引っ掛け係合部156Bは、例えば、L字形状をしており、本体部156Aの先端に設けられる。本体部156Aは、自身の中央付近において第二軸部154の軸周りに回動自在に、第二軸部154に軸着される。
【0075】
引っ掛け被係合部151は、当接部142の表側面上に設置されるものであり、引っ掛け係合部156Bにより引っ掛けられるものである。引っ掛け被係合部151は、
図11(A)に示すように、例えば、U字形状をしている。なお、引っ掛け被係合部151および引っ掛け係合部156Bは、相互に引っ掛け可能な形状であれば、以上のU字形状、L字形状に限定されるものではなく、その他の形状であってもよい。
【0076】
<長さ変位部の動作>
第一地点P1と第二地点P2を接近させるには、
図10(B)に示すように、引っ掛け体156を移動機構157により引っ掛け被係合部151に対して接近するように移動させる。つまり、第二軸側軸止部155が引っ掛け被係合部151に接近するように、第二軸側軸止部155を第一軸部152の軸周りに回動させる。これにより、引っ掛け体156は、引っ掛け被係合部151に対して接近する。
【0077】
そして、
図10(C)に示すように、同時に、引っ掛け体156を第二軸部154の軸周りに回動させて、引っ掛け係合部156Bが引っ掛け被係合部151に引っ掛け可能な姿勢をとるように引っ掛け体156の姿勢を調整する。そして、引っ掛け係合部156Bが引っ掛け被係合部151に引っ掛かった状態で、引っ掛け体156が初期状態(
図11(A)参照)の姿勢に戻るように移動機構157により引っ掛け体156を移動させる。結果、引っ掛け被係合部151は、横断部140と共に引っ掛け体156側に引っ張られる。これにより、第一地点P1と第二地点P2は接近して、第一地点P1と第二地点P2の間の当接部142は、
図10(D)に示すように、上方へ凸となるように変形する。
【0078】
<第二実施形態>
次に、
図12を参照して、本発明の第二実施形態における土壌ケース30について説明する。土壌ケース30は、土壌ケース10と略同様であり、両者の相違点について以下、説明する。
【0079】
土壌ケース30における回収側周壁部136は、
図12に示すように、土壌ケース10の場合と同様に、回収部12の内壁面123よりも回収部12の径方向内側に配される。ただし、土壌ふるい部13が回収部12に設置されるとき、ふるい円板130における回収側ふるい面132のうち、回収側周壁部136よりも径方向外側に属する部分132Aは、軸方向Aにおける回収部12の開口120側の端面である開口側端面127に当接する。つまり、土壌ふるい部13は、開口側端面127を通じて回収部12に支持される。
【0080】
土壌ケース30によれば、回収部12に段部126を設けなくてもよい。このため、回収部12の形状を簡単なものにすることができるため、回収部12の製造コストを低減することができる。
【0081】
また、土壌ケース30の回収部12では、回収側係合部125(突出部148)は、軸方向Aにおける開口120側の回収部12の開口側端面127から軸方向Aの下方側に所定距離D1離れた回収部12の外周面を起点として径方向外側に突出するように形成される。結果、ふるい円板130の回収側ふるい面132と突出部148との間に空間Sを確保することができる。空間Sは広い方が好ましい。回収部12と土壌ふるい部13の間から飛び出す袋19の飛び出し部分が保持される空間に余裕がないと、袋19の飛び出し部分は、周囲の土壌ふるい部13等と接触して破れやすくなるからである。一方、空間Sが広ければ広いほど、回収部12と土壌ふるい部13の間から飛び出す袋19の飛び出し部分が保持される空間に余裕ができて、袋19の飛び出し部分が破れる可能性を低くすることができる。
【0082】
また、
図12に示すように、袋19が収容部11全体をも覆うようにされてもよい。このようにすれば、土壌ふるい器1により土壌ケース30が回転されても、土が外部にこぼれることを防止することができる。この場合、当接部142は、直接的には袋19に当接する。結果、押圧部14は、袋19ごと収容部11を回収部12に向かって押圧する。以上の袋19の態様は、他の実施形態にも適用可能である。
【0083】
<第三実施形態>
次に、
図13を参照して、本発明の第三実施形態における土壌ケース40について説明する。土壌ケース40は、土壌ケース10と略同様であり、両者の相違点について以下、説明する。
【0084】
土壌ケース40における回収側周壁部136は、
図13に示すように、土壌ケース10の場合と違って、回収部12の外壁面124よりも回収部12の径方向外側に配される。回収側周壁部136における径方向内側の内壁面136Cは、
図13に示すように、回収部12の外壁面124に当接する。なお、ふるい円板130がさらに径方向外側に延設されて、回収側周壁部136は、さらに、径方向外側に配されて、内壁面136Cが回収部12の外壁面124に当接しない態様であってもよい。
【0085】
また、土壌ケース40の回収部12でも、土壌ケース30と同様に、回収側係合部125(突出部148)は、軸方向Aにおける開口120側の回収部12の開口側端面127から軸方向Aへ所定距離D2離れた回収部12の外周面から径方向外側に突出するように形成される。回収側係合部125(突出部148)が上記のように形成されると、ふるい円板130の回収側ふるい面132と突出部148との間に空間Sを確保することができる。空間Sは広い方が好ましい。回収部12と土壌ふるい部13の間から飛び出す袋19の飛び出し部分が保持される空間に余裕がないと、袋19の飛び出し部分は、周囲の土壌ふるい部13等と接触して破れやすくなるからである。一方、空間Sが広ければ広いほど、回収部12と土壌ふるい部13の間から飛び出す袋19の飛び出し部分が保持される空間に余裕ができて、袋19の飛び出し部分が破れる可能性を低くすることができる。
【0086】
<第四実施形態>
次に、
図14を参照して、本発明の第四実施形態における土壌ケース50について説明する。土壌ケース50は、土壌ケース10と略同様であり、両者の相違点について以下、説明する。土壌ケース50は、土壌ケース10と違って、長さ変位部15が弾性部15Aにより構成されている。
【0087】
弾性部15Aは、横断部140の延在方向(長手方向)に伸縮する。弾性部15Aは、弾性を有する弾性材料により構成される。弾性材料として、エラストマーやバネ等が一例として挙げられる。弾性部15Aは、例えば、エラストマーで構成される帯状体、横断部140の延在方向(長手方向)に伸縮するバネ等により構成される。
【0088】
弾性部15Aは、
図14に示すように、横断部140の延在方向(長手方向)における横断部140の一区間を構成するように設けられる。つまり、弾性部15Aは、横断部140の一部を成す。本実施形態で弾性部15Aは、横断部140の延在方向(長手方向)における当接部142の一区間を構成する。なお、弾性部15Aは、例えば、横断部140の延在方向(長手方向)における延在部143の一区間を構成するように設けられてもよい。
【0089】
以上のようにすれば、横断部140を容易に伸縮させることができる。
【0090】
<第五実施形態>
次に、
図15を参照して、本発明の第五実施形態における土壌ケース60について説明する。土壌ケース60は、土壌ケース10と略同様であり、両者の相違点について以下、説明する。なお、
図15において、土壌ケース60のうち、押圧部14のみを図示し、その他の部分は省略する。
【0091】
土壌ケース60は、土壌ケース10と違って、
図15に示すように、横断部140が当接部142および4つの延在部143により構成されている。4つの延在部143は、四角性状の当接部142の各辺を起点として当接部142から離反する方向に延びる。なお、延在部143の数は、4つに限定されるものではなく、3つでも、4つ以上であってもよい。
【0092】
<第六実施形態>
次に、
図16および
図17を参照して、本発明の第五実施形態における土壌ケース70について説明する。土壌ケース70は、土壌ケース10と略同様である。土壌ケース70と土壌ケース10の相違点は、横断部140および結合部141の態様である。土壌ケース70における横断部140において延在部143は、例えば、
図16に示すように、弾性を有する弾性材料により帯状に形成される帯状体242により構成される。なお、弾性材料は、エラストマーやバネ等が一例として挙げられる。また、帯状体242は、本実施形態では全区間が弾性材料により構成されるが、これに限定されるものではなく、一区間が弾性材料により構成されてもよいし、複数区間が弾性材料により構成されてもよい。
【0093】
また、土壌ケース70における横断部140において当接部142は、例えば、
図16に示すように、円盤部材241により構成される。円盤部材241の一方側の面が収容部11の有底側端面117と当接する有底側当接面142Aとなる。
【0094】
円盤部材241は、例えば、樹脂により構成されるが、これに限定されるものではなく、その他の材料であってもよい。当接部142は、円盤部材241に限定されるものではなく、有底側当接面142Aを有すれば、他の形状の部材であってもよい。また、本実施形態では当接部142(円盤部材241)と延在部143(帯状体242)は、別部材として構成されているが、これに限定されるものではなく、一体形成された1つの部材として構成されてもよい。
【0095】
なお、本実施形態では、第二実施形態の場合と同様に、袋19が収容部11全体をも覆うようにされている。したがって、
図16において有底側当接面142Aは、袋19を介して有底側端面117と当接している。
【0096】
また、円盤部材241には、厚み方向に貫通する孔241Aが2つ設けられる。2つの孔241Aは、円盤部材241の中心241Bに略点対称な位置に設けられる。そして、
図16に示すように、帯状体242が有底側当接面142A側から2つの孔241Aを通過して、有底側当接面142Aとは反対側の面142B上において2つの孔241Aの間に帯状体242の一区間が配置されると共に、各孔241Aから円盤部材241の径方向外側に帯状体242の他の区間(以下、径方向延在区間と呼ぶ。)が延在するように、円盤部材241は、帯状体242に取付けられる。なお、径方向延在区間は2つある。各径方向延在区間のうち少なくとも一区間は、弾性材料により構成されることが好ましい。
【0097】
また、土壌ケース70における結合部141も土壌ケース10と同様に、延在部143に繋がる2つの延在側係合部144により構成される。ただし、土壌ケース70における延在側係合部144は、土壌ケース10における延在側係合部144と態様が異なる。土壌ケース70における延在側係合部144は、例えば、棒状体244により構成される。そして、棒状体244は、帯状体242の径方向延在区間の端部付近において帯状体242に巻きつかれて固定部材245により固定される。これにより、棒状体244は、帯状体242に取付けられる。
【0098】
固定部材245は、帯状体242に棒状体244を固定することができれば、特に限定されるものではないが、例えば、いわゆる送りカン(移動カン)により構成されることが好ましい。上記送りカン(移動カン)は、当接部142から棒状体244までの帯状体242の長さ(以下、帯状体有効長さと呼ぶ。)を調整することができるからである。したがって、固定部材245は、帯状体有効長さを調整可能な構造を有するように構成されてもよい。つまり、固定部材245は、長さ変位部15の機能を有してもよい。
【0099】
土壌ケース70における回収側係合部125は、
図16に示すように、外壁面124から回収部12の径方向外側に突出する2つの突出部248により構成される。2つの突出部248が1つの回収側係合部125として機能する。2つの突出部248は、回収部12の外壁面124の周方向に所定距離離して設けられる。突出部248は、棒状体244と係合する突出部側係合面248Aを有する。突出部側係合面248Aは、軸方向Aの回収部12側を向く面である。また、棒状体244は、突出部側係合面248Aと係合する棒状体側係合面244Aを有する。突出部側係合面248Aと棒状体側係合面244Aが係合すると、帯状体242は、回収部12に繋がれる。
【0100】
図16において突出部側係合面248Aは、軸方向Aにおいて収容部11から遠位側の突出部148の端面(遠位側端面148E)により構成されている。また、突出部側係合面248Aは、
図16に示すように、軸方向Aにおいて回収部12側から収容部11側に凸となる凹面となることが好ましい。凹面は、軸方向Aにおける回収部12側から収容部11側に向かう方向(矢印A1参照)に棒状体244が移動することを規制できると共に、径方向外側(矢印B1参照)へ棒状体244が移動することを規制できるからである。つまり、凹面は、軸方向規制面として機能すると共に、径方向側規制面として機能する。結果、棒状体244と突出部248の係合状態は、安定して維持される。
【0101】
また、土壌ケース70における回収側係合部125は、例えば、
図17(A)に示すように、突出部248に相当するものが回収部12の内部に収められていてもよい。この場合、貫通孔240を通じて棒状体244が回収部12の内部に挿入されて、回収側係合部125に係合される。
【0102】
なお、突出部248は、例えば、
図17(B)に示すように、回収部12の径方向外側における突出部148の端部148Fを基準としたとき、基準面から回収部12の径方向の内側へ凹む凹部246を有する構成であってもよい。この場合、突出部側係合面248Aは、凹部246を構成する面のうち、軸方向Aにおいて収容部11から近位側の面により構成される。凹部246は、回収部12の外壁面124の略周方向に棒状体244が通過可能な空間247を取り囲む。なお、突出部側係合面248Aは、軸方向Aにおいて回収部12側から収容部11側に凸となる凹面により構成されてもよい。また、
図17(B)に示すように、棒状体244を凹部246内に挿入した後に、径方向側規制面を有する径方向側規制部材249を凹部246の開口に配置させてもよい。この場合、径方向側規制部材249は、分離可能に取付けられてもよいし、突出部248において軸方向Aにスライド移動可能に保持されてもよい。
【0103】
土壌ケース70における横断部140を収容部11に取り付ける場合、
図16に示すように、円盤部材241の有底側当接面142Aが収容部11の有底側端面117上に当接されるように円盤部材241を配置する。そして、作業者によって各棒状体244が把持されて帯状体242が突出部側係合面248Aまで引っ張られる。これにより、棒状体244と突出部側係合面248Aとが係合して帯状体242が回収部12に結合される。結果、円盤部材241は、収容部11を回収部12へ向かって押圧する。
【0104】
また、円盤部材241は、
図17(C)に示すように、有底側当接面142Aに凸部243を有する。凸部243は、有底側当接面142Aを基準面としたとき、基準面を起点として軸方向Aにおける収容部11側から回収部12側に向かう方向に凸となる。また、土壌ケース70において収容部11は、有底側端面117を基準面としたとき、基準面から自身の内部側に向かって凹む凹部117Aを有する。円盤部材241の凸部243は、凹部117A内に挿入可能な形状・大きさを有する。このため、凸部243は、凹部117Aの内部に挿入されて、凹部117Aに係合することができる。円盤部材241は、凸部243が凹部117Aに係合された状態で、収容部11の有底側端面117上に配置される。これにより、有底側端面117上における円盤部材241の面方向の移動が規制されるため、円盤部材241は有底側端面117から落ちない。結果、土壌ふるい器1により土壌ケース70が回転されても、収容部11が回収部12から離れることなく、収容部11が回収部12へ向かって押圧される状態を安定して維持することができる。
【0105】
なお、円盤部材241をはじめとする当接部142と、収容部11が係合する態様は以上の態様に限定されるものではない。つまり、有底側端面117上における当接部142の面方向の移動が規制されるように、当接部移動規制機構が設けられていれば、その態様は特に限定されない。当接部移動規制機構は、例えば、当接部142が有する当接側係合部(例えば、凸部243)と、収容部11が有する当接側係合部に係合可能な収容側係合部(例えば、凹部117A)とにより構成される。また、当接側係合部は、当接部142の有底側当接面142Aに設けられ、収容側係合部は、収容部11の有底側端面117に設けられることが好ましいが、両者はその他の位置に設けられてもよい。
【0106】
<第七実施形態>
次に、
図18を参照して、本発明の第六実施形態における土壌ケース80について説明する。土壌ケース80は、土壌ケース70と略同様である。土壌ケース70と土壌ケース80の相違点は、回収側係合部125および延在側係合部144の態様である。
【0107】
土壌ケース80における回収側係合部125は、
図18(A),(B)に示すように、回収部12を構成する容器の周壁12Aを厚み方向に貫通する貫通孔320により構成される。土壌ケース80における延在側係合部144は、
図18(A),(B)に示すように、凹面321を有する引っ掛け部材322により構成される。
【0108】
凹面321は、引っ掛け部材322の内周側に設けられる。そして、引っ掛け部材322が貫通孔320に引っ掛けられた状態にあるとき、凹面321は、軸方向Aの収容部11側から回収部12側に向かって凸となるように凹む。貫通孔320を取り囲む面のうち軸方向Aにおける収容部11に近位な収容部近位面320Aに凹面321が係合するように、引っ掛け部材322は貫通孔320に挿入される。
【0109】
収容部近位面320Aは、主として、軸方向Aにおける回収部12側から収容部11側に向かう方向(矢印A1参照)への引っ掛け部材322の移動を規制する。つまり、収容部近位面320Aは、主として、軸方向規制面として機能する
【0110】
収容部近位面320Aの近傍の回収部12の内壁面123Bは、主として、径方向外側(矢印B1参照)へ引っ掛け部材322が移動することを規制する。つまり、上記内壁面123Bは、主として、径方向側規制面として機能する。
【0111】
また、引っ掛け部材322は、厚み方向に貫通する貫通孔323を有する。延在部143(帯状体242)は、貫通孔323を通されることにより、引っ掛け部材322に係合する。
【0112】
以上のように、土壌ケース80は、引っ掛け部材322を貫通孔320に引っ掛けることにより延在部143(帯状体242)を回収部12に結合させている。このため、回収側係合部125を貫通孔320ではなく、土壌ケース10の突出部148のような態様のものにしてもよい。この場合、土壌ケース10の貫通孔148Cに引っ掛け部材322を引っ掛ける。
【0113】
以上の<第一実施形態>〜<第七実施形態>おいて、軸方向側規制面は、軸方向Aにおける回収部12側から収容部11側へ向かう方向への延在側係合部144の移動を規制し、径方向側規制面は、径方向外側への移動を規制し、軸方向側規制面は、径方向外側への延在側係合部144の移動を規制するものであった。本発明は、これに限定されるものではなく、回収部12側から収容部11側へ向かうような軸方向A成分を含む方向である第一の方向への延在側係合部144の移動を規制する第一の規制面、および、回収部12の外周面から外側へ離反するような径方向成分を含む方向である第二の方向への延在側係合部144の移動を規制する第二の規制面により構成されてもよい。
【0114】
尚、本発明の土壌ケースは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
前記回収側係合部は、前記回収部から前記収容部へ向かう第一の方向への前記延在側係合部の移動を規制する第一の規制面、および前記回収部の外周面から外側へ離反する第二の方向への前記延在側係合部の移動を規制する第二の規制面を有することを特徴とする、
請求項7に記載の土壌ケース。
前記回収側係合部は、前記第一の方向における前記第二の開口側の前記回収部の端部から前記第一の方向へ所定距離離れた前記回収部の外周面から前記第二の方向へ突出するように形成されることを特徴とする、
請求項8〜10のいずれかに記載の土壌ケース。
前記長さ変位部は、前記横断部の前記延在方向に離れている前記横断部の第一地点と第二地点とを接近または離反させて、前記第一地点と前記第二地点の間の距離を変位させることを特徴とする、
請求項12または13に記載の土壌ケース。
前記土壌ふるい部の前記回収部側を向く面のうち、前記貫通孔により前記土壌が選別される土壌選別領域よりも外側の領域に相当する部分から立設する回収側周壁部を備え、
前記回収側周壁部は、前記回収部の内壁面よりも前記回収部の内側に配されることを特徴とする、
請求項1〜15のいずれかに記載の土壌ケース。
前記土壌ふるい部の前記回収部側を向く面のうち、前記貫通孔により前記土壌が選別される土壌選別領域よりも外側の領域に相当する部分から立設する回収側周壁部を備え、
前記回収側周壁部は、前記回収部の外壁面よりも前記回収部の外側に配されることを特徴とする、
請求項1〜15のいずれかに記載の土壌ケース。
前記長さ変位部は、少なくとも2つの前記延在部それぞれの延在方向の一部の区間を構成すると共に、当該区間を前記延在方向に伸縮させる弾性部と、前記延在部それぞれにおける前記延在方向の長さを調整する長さ調整部と、を有することを特徴とする。