特開2019-139060(P2019-139060A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社メガチップスの特許一覧

<>
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000005
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000006
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000007
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000008
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000009
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000010
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000011
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000012
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000013
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000014
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000015
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000016
  • 特開2019139060-画像処理装置および画像処理方法 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-139060(P2019-139060A)
(43)【公開日】2019年8月22日
(54)【発明の名称】画像処理装置および画像処理方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20190726BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20190726BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20190726BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 660U
   G09G3/20 611A
   G09G3/20 631B
   G09G3/20 631D
   G09G3/20 621K
   G09G5/00 550P
   G09G5/00 550R
   G09G3/20 641P
   G09G3/20 621A
   G09G3/20 621D
   G09G5/00 530T
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-21985(P2018-21985)
(22)【出願日】2018年2月9日
(71)【出願人】
【識別番号】591128453
【氏名又は名称】株式会社メガチップス
(74)【代理人】
【識別番号】100080159
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 望稔
(74)【代理人】
【識別番号】100090217
【弁理士】
【氏名又は名称】三和 晴子
(72)【発明者】
【氏名】福地 塁
【テーマコード(参考)】
5C006
5C080
5C182
【Fターム(参考)】
5C006AA02
5C006AF03
5C006AF04
5C006AF06
5C006AF31
5C006AF46
5C006AF68
5C006AF69
5C006AF71
5C006AF73
5C006BF02
5C006BF24
5C006FA04
5C006FA16
5C006FA47
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD26
5C080GG09
5C080JJ02
5C080JJ07
5C182AA03
5C182CA11
5C182CC21
5C182CC24
5C182DA05
5C182DA06
5C182DA15
5C182DA42
5C182DA66
5C182EA08
(57)【要約】
【課題】PSRにより全体画像に画像処理が施される静止画を表示させる場合に、画像処理回路を停止させて消費電力を低減させることができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置において、切替信号生成回路は、PSRにより画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、第1の画像処理回路により入力画像データが画像処理され、パネルセルフリフレッシュ制御回路の制御により、画像処理後の画像データがフレームバッファに書き込まれ、フレームバッファから読み出される画像処理後の画像データが第4の切替回路から出力されるか、画像処理後の画像データが第3の切替回路を介して第4の切替回路から出力されるように、第1〜第4の切替回路により選択される画像データの切り替えを制御する切替信号を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PSRおよびPSR2を含むパネルセルフリフレッシュの機能を使用して入力画像データに対応する画像を画像表示装置に表示させる画像処理装置であって、
前記パネルセルフリフレッシュの機能を制御するパネルセルフリフレッシュ制御回路と、
選択される画像データに対応する画像に適用される画像処理を前記選択される画像データに施す第1の画像処理回路と、
画像データの切り替えを制御する切替信号を生成する切替信号生成回路と、
前記切替信号に応じて、前記入力画像データと、前記パネルセルフリフレッシュ制御回路の制御によりフレームバッファから読み出される画像データとを切り替えて出力する第1の切替回路と、
前記切替信号に応じて、前記入力画像データと、前記画像処理後の画像データとを切り替えて出力する第2および第3の切替回路と、
前記切替信号に応じて、前記第3の切替回路から出力される画像データと、前記フレームバッファから読み出される画像データとを切り替えて出力する第4の切替回路とを備え、
前記切替信号生成回路は、前記PSRにより前記画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、前記入力画像データが前記第1の切替回路を介して前記第1の画像処理回路に入力され、画像処理されるように、さらに前記画像処理後の画像データが前記第2の切替回路を介して前記パネルセルフリフレッシュ制御回路に入力され、前記パネルセルフリフレッシュ制御回路の制御により前記フレームバッファに書き込まれるように、さらに前記フレームバッファから読み出される画像処理後の画像データが前記第4の切替回路から出力されるか、または前記画像処理後の画像データが前記第3の切替回路を介して前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成する、画像処理装置。
【請求項2】
前記切替信号生成回路は、前記PSR2により前記画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、前記入力画像データが前記第2の切替回路を介して前記パネルセルフリフレッシュ制御回路に入力され、前記フレームバッファに書き込まれるように、さらに前記入力画像データが前記第1の切替回路を介して前記第1の画像処理回路に入力され、画像処理されるか、または前記フレームバッファから読み出される画像データが前記第1の切替回路を介して前記第1の画像処理回路に入力され、画像処理されるように、さらに前記画像処理後の画像データが前記第3の切替回路を介して前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記フレームバッファは、2フレーム分の画像データを格納する第1および第2のフレーム領域を有し、
前記切替信号生成回路は、前記PSR2により前記画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、前記フレームバッファの第2のフレーム領域から読み出される画像データが前記第1の切替回路を介して前記第1の画像処理回路に入力され、画像処理されるように、さらに前記画像処理後の画像データが前記第2の切替回路を介して前記パネルセルフリフレッシュ制御回路に入力され、前記フレームバッファの第1のフレーム領域に書き込まれた後、前記フレームバッファの第1のフレーム領域から読み出される画像処理後の画像データが前記第4の切替回路から出力されるか、または前記画像処理後の画像データが前記第3の切替回路を介して前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記切替信号生成回路は、通常動作により前記画像処理後の画像データに対応する画像を表示させる場合に、前記入力画像データが前記第1の切替回路を介して前記第1の画像処理回路に入力され、画像処理されるように、さらに前記画像処理後の画像データが前記第3の切替回路を介して前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記切替信号生成回路は、通常動作により前記画像処理が施されない画像データに対応する画像を表示させる場合に、前記入力画像データが前記第3の切替回路を介してそのまま前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記切替信号生成回路は、前記PSRまたは前記PSR2により前記画像処理が施されない画像データに対応する画像を表示させる場合に、前記入力画像データが前記第2の切替回路を介して前記パネルセルフリフレッシュ制御回路に入力され、前記フレームバッファに書き込まれた後、前記フレームバッファから読み出される画像データが前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記切替信号生成回路は、前記切替信号として、
前記画像処理が施される場合に、通常動作により前記入力画像データに対応する画像が表示される通常動作モード、前記PSRが開始される前に、前記入力画像データが前記フレームバッファに書き込まれるPSR開始モード、前記PSRが終了される前に、前記入力画像データと前記フレームバッファから読み出される画像データとの間の位相調整が行われるPSR終了モード、および、前記PSR2が開始される前に、前記入力画像データが前記フレームバッファに書き込まれるPSR2開始モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記PSR2により静止画が表示されるPSR2モード、および、前記PSR2が終了される前に、前記入力画像データと前記フレームバッファから読み出される画像データとの間の位相調整が行われるPSR2終了モードにおいて、前記フレームバッファから読み出される画像データが出力されるように、前記第1の切替回路による画像データの切り替えを制御する第1の切替信号を生成し、
前記画像処理が施されない場合に、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記画像処理が施される場合に、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記PSR開始モード、および、前記PSR終了モードにおいて、前記画像処理後の画像データが出力されるように、前記第2の切替回路による画像データの切り替えを制御する第2の切替信号を生成し、
前記画像処理が施されない場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記画像処理が施される場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記画像処理後の画像データが出力されるように、前記第3の切替回路による画像データの切り替えを制御する第3の切替信号を生成し、
前記画像処理が施されない場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モードおよび前記PSR2開始モードにおいて、ならびに、前記画像処理が施される場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR2開始モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記第3の切替回路から出力される画像データが出力され、前記画像処理が施されない場合に、前記PSRにより静止画が表示されるPSRモード、前記PSR終了モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、ならびに、前記画像処理が施される場合に、前記PSRモードおよび前記PSR終了モードにおいて、前記フレームバッファから読み出される画像データが出力されるように、前記第4の切替回路による画像データの切り替えを制御する第4の切替信号を生成する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
さらに、前記入力画像データに対応する画像全体に適用される画像処理を前記第4の切替回路から出力される画像データに施す第2の画像処理回路を備える請求項1ないし7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
さらに、前記第1の画像処理回路は、前記画像処理後の画像データが前記フレームバッファに書き込まれた後に停止される、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
画像処理装置が、PSRおよびPSR2を含むパネルセルフリフレッシュの機能を使用して入力画像データに対応する画像を画像表示装置に表示させる画像処理方法であって、
前記画像処理装置のパネルセルフリフレッシュ制御回路が、前記パネルセルフリフレッシュの機能を制御するステップと、
前記画像処理装置の第1の画像処理回路が、選択される画像データに対応する画像に適用される画像処理を前記選択される画像データに施すステップと、
前記画像処理装置の切替信号生成回路が、画像データの切り替えを制御する切替信号を生成するステップと、
前記画像処理装置の第1の切替回路が、前記切替信号に応じて、前記入力画像データと、前記パネルセルフリフレッシュ制御回路の制御によりフレームバッファから読み出される画像データとを切り替えて出力するステップと、
前記画像処理装置の第2の切替回路が、前記切替信号に応じて、前記入力画像データと、前記画像処理後の画像データとを切り替えて出力するステップと、
前記画像処理装置の第3の切替回路が、前記切替信号に応じて、前記入力画像データと、前記画像処理後の画像データとを切り替えて出力するステップと、
前記画像処理装置の第4の切替回路が、前記切替信号に応じて、前記第3の切替回路から出力される画像データと、前記フレームバッファから読み出される画像データとを切り替えて出力するステップとを含み、
前記切替信号を生成するステップは、前記切替信号として、
前記画像処理が施される場合に、通常動作により前記入力画像データに対応する画像が表示される通常動作モード、前記PSRが開始される前に、前記入力画像データが前記フレームバッファに書き込まれるPSR開始モード、前記PSRが終了される前に、前記入力画像データと前記フレームバッファから読み出される画像データとの間の位相調整が行われるPSR終了モード、および、前記PSR2が開始される前に、前記入力画像データが前記フレームバッファに書き込まれるPSR2開始モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記PSR2により静止画が表示されるPSR2モード、および、前記PSR2が終了される前に、前記入力画像データと前記フレームバッファから読み出される画像データとの間の位相調整が行われるPSR2終了モードにおいて、前記フレームバッファから読み出される画像データが出力されるように、前記第1の切替回路による画像データの切り替えを制御する第1の切替信号を生成するステップと、
前記画像処理が施されない場合に、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記画像処理が施される場合に、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記PSR開始モード、および、前記PSR終了モードにおいて、前記画像処理後の画像データが出力されるように、前記第2の切替回路による画像データの切り替えを制御する第2の切替信号を生成するステップと、
前記画像処理が施されない場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記画像処理が施される場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記画像処理後の画像データが出力されるように、前記第3の切替回路による画像データの切り替えを制御する第3の切替信号を生成するステップと、
前記画像処理が施されない場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モードおよび前記PSR2開始モードにおいて、ならびに、前記画像処理が施される場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR2開始モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記第3の切替回路から出力される画像データが出力され、前記画像処理が施されない場合に、前記PSRにより静止画が表示されるPSRモード、前記PSR終了モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、ならびに、前記画像処理が施される場合に、前記PSRモードおよび前記PSR終了モードにおいて、前記フレームバッファから読み出される画像データが出力されるように、前記第4の切替回路による画像データの切り替えを制御する第4の切替信号を生成するステップとを含む、画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルセルフリフレッシュの機能を使用して入力画像データに対応する画像を液晶パネル等の画像表示装置に表示させる画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
標準化団体VESA(Video Electronics Standards Association)の規格であるeDP(embedded DisplayPort:エンベデッドディスプレイポート)には、PSR(Panel Self-Refresh:パネルセルフリフレッシュ)という省電力化の手法がある。PSRでは、静止画を表示させる場合に、入力画像データの送信装置の動作を停止し、入力画像データの受信装置側の画像処理装置に記憶された静止画の画像データを出力することによりシステム全体での消費電力を削減する。
【0003】
また、eDPの規格には、PSR2(Panel Self Refresh 2:パネルセルフリフレッシュ2)という機能がある。PSR2では、PSRによる静止画の表示が維持されたまま画像の更新が行われる。画像の更新には、画像全体を更新する場合と、画像の一部の領域のみを更新する場合の2通りがある。一部の領域のみを更新する方が省電力の観点で優れているが、そのためには、更新される一部の領域の選択、画像データの記憶および出力される画像データの切り替え等が必要となる。
【0004】
パネルセルフリフレッシュの機能、つまり、PSRおよびPSR2を使用して静止画を表示装置に表示させる画像処理装置は、静止画の画像データを記憶するリモートフレームバッファを備えている。画像処理装置は、新たな画像を表示させる場合、送信装置から送信されてくる入力画像データを出力するか、リモートフレームバッファから読みされる静止画の画像データを出力するかを選択する。また、画像処理装置は、画像全体を書き換えるか、一部の領域のみを書き換えるかも選択する。
【0005】
なお、本発明に関連性のある先行技術文献として、特許文献1〜5がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第9460685号明細書
【特許文献2】特開2005−164937号公報
【特許文献3】特開2007−199418号公報
【特許文献4】特開2008−304763号公報
【特許文献5】特開2007−148054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、画像処理装置において画像データを画像処理する場合、画像処理には、画像の一部の領域である部分画像にも適用可能なものと、画像全体から情報を抽出して処理を施す必要があるものがある。具体的には、液晶パネルに起因する補正等は画像によらず一定であり、部分画像に適用可能である。一方、画像の動きおよび変化に起因する補正等は、画像全体からの情報が必要であり、画像全体に適用する必要がある。
【0008】
従来の画像処理装置では、部分画像を画像処理する場合も画像全体を画像処理する場合も、リモートフレームバッファから読み出される画像データに画像処理が行われていた。従って、PSRにより全体画像に画像処理が施される静止画を表示させる場合であっても、画像データを画像処理する画像処理回路を停止させることができないため、画像処理回路の分の消費電力を低減させることができないという問題があった。
【0009】
本発明の第1の目的は、PSRにより全体画像に画像処理が施される静止画を表示させる場合に、画像処理回路を停止させて消費電力を低減させることができる画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加えて、PSR2により部分画像に画像処理が施される静止画を表示させる場合においても、画像処理回路を停止させて消費電力を低減させることができる画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、PSRおよびPSR2を含むパネルセルフリフレッシュの機能を使用して入力画像データに対応する画像を画像表示装置に表示させる画像処理装置であって、
前記パネルセルフリフレッシュの機能を制御するパネルセルフリフレッシュ制御回路と、
選択される画像データに対応する画像に適用される画像処理を前記選択される画像データに施す第1の画像処理回路と、
画像データの切り替えを制御する切替信号を生成する切替信号生成回路と、
前記切替信号に応じて、前記入力画像データと、前記パネルセルフリフレッシュ制御回路の制御によりフレームバッファから読み出される画像データとを切り替えて出力する第1の切替回路と、
前記切替信号に応じて、前記入力画像データと、前記画像処理後の画像データとを切り替えて出力する第2および第3の切替回路と、
前記切替信号に応じて、前記第3の切替回路から出力される画像データと、前記フレームバッファから読み出される画像データとを切り替えて出力する第4の切替回路とを備え、
前記切替信号生成回路は、前記PSRにより前記画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、前記入力画像データが前記第1の切替回路を介して前記第1の画像処理回路に入力され、画像処理されるように、さらに前記画像処理後の画像データが前記第2の切替回路を介して前記パネルセルフリフレッシュ制御回路に入力され、前記パネルセルフリフレッシュ制御回路の制御により前記フレームバッファに書き込まれるように、さらに前記フレームバッファから読み出される画像処理後の画像データが前記第4の切替回路から出力されるか、または前記画像処理後の画像データが前記第3の切替回路を介して前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成する、画像処理装置を提供する。
【0011】
ここで、前記切替信号生成回路は、前記PSR2により前記画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、前記入力画像データが前記第2の切替回路を介して前記パネルセルフリフレッシュ制御回路に入力され、前記フレームバッファに書き込まれるように、さらに前記入力画像データが前記第1の切替回路を介して前記第1の画像処理回路に入力され、画像処理されるか、または前記フレームバッファから読み出される画像データが前記第1の切替回路を介して前記第1の画像処理回路に入力され、画像処理されるように、さらに前記画像処理後の画像データが前記第3の切替回路を介して前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成することが好ましい。
【0012】
また、前記フレームバッファは、2フレーム分の画像データを格納する第1および第2のフレーム領域を有し、
前記切替信号生成回路は、前記PSR2により前記画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、前記フレームバッファの第2のフレーム領域から読み出される画像データが前記第1の切替回路を介して前記第1の画像処理回路に入力され、画像処理されるように、さらに前記画像処理後の画像データが前記第2の切替回路を介して前記パネルセルフリフレッシュ制御回路に入力され、前記フレームバッファの第1のフレーム領域に書き込まれた後、前記フレームバッファの第1のフレーム領域から読み出される画像処理後の画像データが前記第4の切替回路から出力されるか、または前記画像処理後の画像データが前記第3の切替回路を介して前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成することが好ましい。
【0013】
また、前記切替信号生成回路は、通常動作により前記画像処理後の画像データに対応する画像を表示させる場合に、前記入力画像データが前記第1の切替回路を介して前記第1の画像処理回路に入力され、画像処理されるように、さらに前記画像処理後の画像データが前記第3の切替回路を介して前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成することが好ましい。
【0014】
また、前記切替信号生成回路は、通常動作により前記画像処理が施されない画像データに対応する画像を表示させる場合に、前記入力画像データが前記第3の切替回路を介してそのまま前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成することが好ましい。
【0015】
また、前記切替信号生成回路は、前記PSRまたは前記PSR2により前記画像処理が施されない画像データに対応する画像を表示させる場合に、前記入力画像データが前記第2の切替回路を介して前記パネルセルフリフレッシュ制御回路に入力され、前記フレームバッファに書き込まれた後、前記フレームバッファから読み出される画像データが前記第4の切替回路から出力されるように、前記選択される画像データの切り替えを制御する前記切替信号を生成することが好ましい。
【0016】
また、前記切替信号生成回路は、前記切替信号として、
前記画像処理が施される場合に、通常動作により前記入力画像データに対応する画像が表示される通常動作モード、前記PSRが開始される前に、前記入力画像データが前記フレームバッファに書き込まれるPSR開始モード、前記PSRが終了される前に、前記入力画像データと前記フレームバッファから読み出される画像データとの間の位相調整が行われるPSR終了モード、および、前記PSR2が開始される前に、前記入力画像データが前記フレームバッファに書き込まれるPSR2開始モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記PSR2により静止画が表示されるPSR2モード、および、前記PSR2が終了される前に、前記入力画像データと前記フレームバッファから読み出される画像データとの間の位相調整が行われるPSR2終了モードにおいて、前記フレームバッファから読み出される画像データが出力されるように、前記第1の切替回路による画像データの切り替えを制御する第1の切替信号を生成し、
前記画像処理が施されない場合に、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記画像処理が施される場合に、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記PSR開始モード、および、前記PSR終了モードにおいて、前記画像処理後の画像データが出力されるように、前記第2の切替回路による画像データの切り替えを制御する第2の切替信号を生成し、
前記画像処理が施されない場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記画像処理が施される場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記画像処理後の画像データが出力されるように、前記第3の切替回路による画像データの切り替えを制御する第3の切替信号を生成し、
前記画像処理が施されない場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モードおよび前記PSR2開始モードにおいて、ならびに、前記画像処理が施される場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR2開始モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記第3の切替回路から出力される画像データが出力され、前記画像処理が施されない場合に、前記PSRにより静止画が表示されるPSRモード、前記PSR終了モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、ならびに、前記画像処理が施される場合に、前記PSRモードおよび前記PSR終了モードにおいて、前記フレームバッファから読み出される画像データが出力されるように、前記第4の切替回路による画像データの切り替えを制御する第4の切替信号を生成することが好ましい。
【0017】
さらに、前記入力画像データに対応する画像全体に適用される画像処理を前記第4の切替回路から出力される画像データに施す第2の画像処理回路を備えることが好ましい。
【0018】
さらに、前記第1の画像処理回路は、前記画像処理後の画像データが前記フレームバッファに書き込まれた後に停止されることが好ましい。
【0019】
また、本発明は、画像処理装置が、PSRおよびPSR2を含むパネルセルフリフレッシュの機能を使用して入力画像データに対応する画像を画像表示装置に表示させる画像処理方法であって、
前記画像処理装置のパネルセルフリフレッシュ制御回路が、前記パネルセルフリフレッシュの機能を制御するステップと、
前記画像処理装置の第1の画像処理回路が、選択される画像データに対応する画像に適用される画像処理を前記選択される画像データに施すステップと、
前記画像処理装置の切替信号生成回路が、画像データの切り替えを制御する切替信号を生成するステップと、
前記画像処理装置の第1の切替回路が、前記切替信号に応じて、前記入力画像データと、前記パネルセルフリフレッシュ制御回路の制御によりフレームバッファから読み出される画像データとを切り替えて出力するステップと、
前記画像処理装置の第2の切替回路が、前記切替信号に応じて、前記入力画像データと、前記画像処理後の画像データとを切り替えて出力するステップと、
前記画像処理装置の第3の切替回路が、前記切替信号に応じて、前記入力画像データと、前記画像処理後の画像データとを切り替えて出力するステップと、
前記画像処理装置の第4の切替回路が、前記切替信号に応じて、前記第3の切替回路から出力される画像データと、前記フレームバッファから読み出される画像データとを切り替えて出力するステップとを含み、
前記切替信号を生成するステップは、前記切替信号として、
前記画像処理が施される場合に、通常動作により前記入力画像データに対応する画像が表示される通常動作モード、前記PSRが開始される前に、前記入力画像データが前記フレームバッファに書き込まれるPSR開始モード、前記PSRが終了される前に、前記入力画像データと前記フレームバッファから読み出される画像データとの間の位相調整が行われるPSR終了モード、および、前記PSR2が開始される前に、前記入力画像データが前記フレームバッファに書き込まれるPSR2開始モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記PSR2により静止画が表示されるPSR2モード、および、前記PSR2が終了される前に、前記入力画像データと前記フレームバッファから読み出される画像データとの間の位相調整が行われるPSR2終了モードにおいて、前記フレームバッファから読み出される画像データが出力されるように、前記第1の切替回路による画像データの切り替えを制御する第1の切替信号を生成するステップと、
前記画像処理が施されない場合に、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記画像処理が施される場合に、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記PSR開始モード、および、前記PSR終了モードにおいて、前記画像処理後の画像データが出力されるように、前記第2の切替回路による画像データの切り替えを制御する第2の切替信号を生成するステップと、
前記画像処理が施されない場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記入力画像データが出力され、前記画像処理が施される場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR終了モード、前記PSR2開始モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記画像処理後の画像データが出力されるように、前記第3の切替回路による画像データの切り替えを制御する第3の切替信号を生成するステップと、
前記画像処理が施されない場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モードおよび前記PSR2開始モードにおいて、ならびに、前記画像処理が施される場合に、前記通常動作モード、前記PSR開始モード、前記PSR2開始モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、前記第3の切替回路から出力される画像データが出力され、前記画像処理が施されない場合に、前記PSRにより静止画が表示されるPSRモード、前記PSR終了モード、前記PSR2モードおよび前記PSR2終了モードにおいて、ならびに、前記画像処理が施される場合に、前記PSRモードおよび前記PSR終了モードにおいて、前記フレームバッファから読み出される画像データが出力されるように、前記第4の切替回路による画像データの切り替えを制御する第4の切替信号を生成するステップとを含む、画像処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、PSRにより画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、第1の画像処理回路により画像データが画像処理され、パネルセルフリフレッシュ制御回路の制御により画像処理後の画像データがフレームバッファに書き込まれ、フレームバッファから読み出される画像処理後の画像データが第4の切替回路から出力される。
従って、PSRにより全体画像に画像処理が施される静止画を表示させる場合において、第1の画像処理回路を停止させることができ、第1の画像処理回路による消費電力を低減させることができる。
【0021】
また、本発明によれば、PSR2により画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、PSR制御回路の制御によりフレームバッファの第2のフレーム領域から読み出される画像データが、第1の画像処理回路により画像処理され、PSR制御回路の制御により、画像処理後の画像データがフレームバッファの第1のフレーム領域に書き込まれた後、フレームバッファの第1のフレーム領域から読み出される画像処理後の画像データが第4の切替回路から出力される。
従って、PSR2により画像に画像処理が施される静止画を表示させる場合において、第1の画像処理回路を停止させることができ、第1の画像処理回路による消費電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の画像処理装置の構成を表す一実施形態のブロック図である。
図2図1に示す画像処理装置の動作を表すフローチャートである。
図3図1に示す画像処理装置の動作を表すフローチャートである。
図4】画像に画像処理が施される通常動作モードにおいて、画像データの経路を表すブロック図である。
図5】画像に画像処理が施されるPSR開始モードにおいて、画像データの経路を表すブロック図である。
図6】画像に画像処理が施されるPSRモードにおいて、画像データの経路を表すブロック図である。
図7】画像に画像処理が施されるPSR終了モードにおいて、画像データの経路を表すブロック図である。
図8】画像に画像処理が施されるPSR2開始モードにおいて、画像データの経路を表すブロック図である。
図9】画像に画像処理が施されるPSR2モードにおいて、画像データの経路を表すブロック図である。
図10】画像に画像処理が施されるPSR2終了モードにおいて、画像データの経路を表すブロック図である。
図11】画像に画像処理が施されるPSR2モードにおいて、画像データの経路を表す別のブロック図である。
図12】画像に画像処理が施されるPSR2モードにおいて、画像データの経路を表す別のブロック図である。
図13】画像に画像処理が施されるPSR2モードにおいて、PSR2モードにおいて使用される画像の一部を更新する新たな入力画像データが受信された場合の画像データの経路を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の画像処理装置および画像処理方法を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の画像処理装置の構成を表す一実施形態のブロック図である。図1に示す画像処理装置10は、PSRおよびPSR2を含むパネルセルフリフレッシュの機能を使用して入力画像データに対応する画像を液晶パネル等の画像表示装置に表示させるものである。画像処理装置10は、パネルセルフリフレッシュ制御回路(以下、PSR制御回路ともいう)12と、第1の画像処理回路14と、切替信号生成回路16と、切替回路と、第2の画像処理回路22とを備えている。
【0025】
図1において、受信装置20は、図示していない送信装置から送信されてくる入力画像データおよび制御信号等を受信する。受信装置20から出力される入力画像データおよび制御信号等は、画像処理装置10に入力される。
【0026】
画像処理装置10において、PSR制御回路12は、パネルセルフリフレッシュの機能を制御する。
PSR制御回路12には、切替回路から出力される画像データが入力される。また、PSR制御回路12から出力される画像データは、切替回路に入力される。
PSR制御回路12は、具体的には、PSRまたはPSR2により静止画を表示させる場合に、画像データのリモートフレームバッファRFB(本発明のフレームバッファ)への書き込みおよびリモートフレームバッファRFBからの読み出しを制御する。
また、PSR制御回路12は、検出信号として、後述する1フレーム経過信号および位相調整完了信号を出力する。
本実施形態のPSR制御回路12は、1フレーム分の画像データを格納するリモートフレームバッファRFBを内部に備えているが、リモートフレームバッファRFBを備えることは必須ではなく、外部のリモートフレームバッファRFBを使用してもよい。
【0027】
続いて、第1の画像処理回路(IPU1)14は、切替回路により選択される画像データを画像処理する。
第1の画像処理回路14には、切替回路から出力される画像データが入力される。また、第1の画像処理回路14から出力される画像データは切替回路に入力される。
第1の画像処理回路14は、例えば液晶パネルに起因する補正等のように、画像データに対応する画像の一部の領域である部分画像や、例えば画像の動きおよび変化に起因する補正等のように、画像データに対応する画像全体に適用される画像処理を画像データに施す。
【0028】
続いて、切替信号生成回路16は、切替回路による画像データの切り替えを制御する切替信号を生成する。
切替信号生成回路16には、受信装置20から出力される制御信号が入力される。また、切替信号生成回路16から出力される切替信号は切替回路に入力される。
本実施形態の場合、切替信号生成回路16は、第1〜第4の切替信号を生成する。
【0029】
続いて、切替回路は、切替信号生成回路16によって生成される切替信号に応じて、画像データを切り替える、つまり、画像データを選択して出力するものであり、第1〜第4の切替回路となる第1〜第4のマルチプレクサMUX1〜MUX4を備えている。
本実施形態の切替回路は、第1〜第4の切替信号に応じて、第1〜第4のマルチプレクサMUX1〜MUX4により、PSR制御回路12および第1の画像処理回路14に入力される画像データ、つまり、第1および第2のマルチプレクサMUX1およびMUX2から出力される画像データ、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データ、ならびに、第4のマルチプレクサMUX4から出力される画像データを切り替える。
【0030】
第1のマルチプレクサMUX1は、第1の切替信号に応じて、受信装置20から出力される入力画像データと、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBから読み出される画像データとを切り替えて出力する。
第1のマルチプレクサMUX1の入力端子0には受信装置20から出力される入力画像データが入力され、入力端子1にはリモートフレームバッファRFBから読み出される画像データが入力され、選択入力端子には第1の切替信号が入力される。また、第1のマルチプレクサMUX1から出力される画像データは第1の画像処理回路14へ入力される。
【0031】
第2のマルチプレクサMUX2は、第2の切替信号に応じて、受信装置20から出力される入力画像データと、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データとを切り替えて出力する。
第2のマルチプレクサMUX2の入力端子0には受信装置20から出力される入力画像データが入力され、入力端子1には第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが入力され、選択入力端子には第2の切替信号が入力される。また、第2のマルチプレクサMUX2から出力される画像データはPSR制御回路12、つまり、リモートフレームバッファRFBに入力される。
【0032】
第3のマルチプレクサMUX3は、第3の切替信号に応じて、受信装置20から出力される入力画像データと、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データとを切り替えて出力する。
第3のマルチプレクサMUX3の入力端子0には受信装置20から出力される入力画像データが入力され、入力端子1には第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが入力され、選択入力端子には第3の切替信号が入力される。また、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データは、第4のマルチプレクサMUX4に入力される。
【0033】
第4のマルチプレクサMUX4は、第4の切替信号に応じて、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データと、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBから読み出される画像データとを切り替えて出力する。
第4のマルチプレクサMUX4の入力端子0には第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データが入力され、入力端子1にはリモートフレームバッファRFBから読み出される画像データが入力され、選択入力端子には第4の切替信号が入力される。また、第4のマルチプレクサMUX4から出力される画像データは、第2の画像処理回路22に入力される。
【0034】
続いて、第2の画像処理回路(IPU2)22は、切替回路から、つまり、第4のマルチプレクサMUX4から出力される画像データを画像処理する。
第2の画像処理回路22には、第4のマルチプレクサMUX4から出力される画像データが入力され、第2の画像処理回路22から出力される画像処理後の画像データは液晶パネル24に入力される。
第2の画像処理回路22は、例えば画像の動きおよび変化に起因する補正等のように、画像データに対応する画像全体に適用される画像処理を画像データに施す。第2の画像処理回路22は必須の構成要素ではなく、必要に応じて設けられる。また、第1の画像処理回路14による画像処理が行われていない画像に対して、第2の画像処理回路22において、第1の画像処理回路14と同じ画像処理を行ってから、第2の画像処理回路22による画像処理を行ってもよい。
【0035】
液晶パネル24には、図示していないタイミングコントローラが内蔵されている。タイミングコントローラは、第2の画像処理回路22から出力される画像データに対応する画像を液晶パネルに表示させるタイミングを制御する。
液晶パネル24には、第2の画像処理回路22から出力される画像処理後の画像データが入力される。第2の画像処理回路22から出力される画像処理後の画像データはタイミングコントローラに供給され、タイミングコントローラの制御により、この画像処理後の画像データに対応する画像が液晶パネル24に表示される。
【0036】
次に、画像処理装置10の動作モードについて説明する。
【0037】
【表1】
【0038】
表1において、左端の欄は、画像処理装置10の動作モードを表し、右側の4つの欄は、各動作モードに対応する第1〜第4の切替信号の設定状態の一例を表す。
【0039】
画像処理装置10は、動作モードとして、表1に示すように、通常動作モード(Normal Operation)と、PSR開始モード(PSR Entry)、PSRモード(PSR)およびPSR終了モード(PSR Exit)と、PSR2開始モード(PSR2 Entry)、PSR2モード(PSR2)およびPSR2終了モード(PSR2 Exit)とを含む。また、各動作モードは、第1の画像処理回路14により、画像に画像処理が施されない場合および画像に画像処理が施される場合(with IPU1)を含む。
【0040】
通常動作モードは、PSRおよびPSR2により静止画が表示されない通常動作により、受信装置20から出力される入力画像データがそのまま出力され、入力画像データに対応する画像が表示されるモードである。
【0041】
PSR開始モードは、PSRが開始される前(PSRモードが開始される前)に、PSRモードにおいて読み出される1フレーム分の入力画像データがリモートフレームバッファRFBに書き込まれるモードである。PSR開始モードでは、画像全体に対応する入力画像データが送信装置から送られ、それが受信装置20によって取り込まれる。
PSRモードは、PSR開始モードにおいてリモートフレームバッファRFBに書き込まれる1フレーム分の画像データがリモートフレームバッファRFBから読み出されてPSRにより静止画が表示されるモードである。PSRモード中、送信装置は1フレーム分の入力画像データを受信装置20へ送信することができ、受信装置20はそれに応じてリモートフレームバッファRFBに新しい静止画を格納する。
PSR終了モードは、PSRが終了される前(PSRモードが終了される前)に、垂直ブランキング期間において画像データを1フレーム単位で切り換えるために、受信装置20から出力される入力画像データと、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データとの間の位相調整が行われるモードである。
【0042】
PSR2開始モードは、PSR2が開始される前(PSR2モードが開始される前)に、PSR2モードにおいて読み出される1フレーム分の入力画像データがリモートフレームバッファRFBに書き込まれるモードである。PSR2開始モードでは、画像全体に対応する入力画像データが送信装置から送られ、それが受信装置20によって取り込まれる。
PSR2モードは、PSR2開始モードにおいてリモートフレームバッファRFBに書き込まれる画像全体に対応する画像データを含む、1フレーム分の画像データがリモートフレームバッファRFBから読み出されてPSR2により静止画が表示されるモードである。PSR2モード中、送信装置は画像全体または画像の一部の領域のみの入力画像データを送信することができ、それに応じてリモートフレームバッファRFBが更新される。
PSR2終了モードは、PSR2が終了される前(PSR2モードが終了される前)に、垂直ブランキング期間において画像データを1フレーム単位で切り換えるために、受信装置20から出力される入力画像データと、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データとの間の位相調整が行われるモードである。
【0043】
表1に示すように、第1の切替信号は、画像に画像処理が施される場合に、通常動作モード、PSR開始モード、PSR終了モードおよびPSR2開始モードにおいて、“0”に設定される。また、第1の切替信号は、画像に画像処理が施される場合に、PSR2モードおよびPSR2終了モードにおいて、“1”に設定される。
第1の切替信号が“0”の場合、第1のマルチプレクサMUX1からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力される。また、第1の切替信号が“1”の場合、第1のマルチプレクサMUX1からは、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データが出力される。
【0044】
第2の切替信号は、画像に画像処理が施されない場合に、PSR開始モード、PSR終了モード、PSR2開始モードおよびPSR2終了モードにおいて、ならびに、画像処理が施される場合に、PSR2開始モードおよびPSR2終了モードにおいて、“0”に設定される。また、第2の切替信号は、画像に画像処理が施される場合に、PSR開始モードおよびPSR終了モードにおいて、“1”に設定される。
第2の切替信号が“0”の場合、第2のマルチプレクサMUX2からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力される。また、第2の切替信号が“1”の場合、第2のマルチプレクサMUX2からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力される。
【0045】
第3の切替信号は、画像に画像処理が施されない場合に、通常動作モード、PSR開始モード、PSR終了モード、PSR2開始モードおよびPSR2終了モードにおいて、“0”に設定される。また、第3の切替信号は、画像に画像処理が施される場合に、通常動作モード、PSR開始モード、PSR終了モード、PSR2開始モード、PSR2モードおよびPSR2終了モードにおいて、“1”に設定される。
第3の切替信号が“0”の場合、第3のマルチプレクサMUX3からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力される。また、第3の切替信号が“1”の場合、第3のマルチプレクサMUX3からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力される。
【0046】
第4の切替信号は、画像に画像処理が施されない場合に、通常動作モード、PSR開始モードおよびPSR2開始モードにおいて、ならびに、画像処理が施される場合に、通常動作モード、PSR開始モード、PSR2開始モード、PSR2モードおよびPSR2終了モードにおいて、“0”に設定される。また、第4の切替信号は、画像に画像処理が施されない場合に、PSRモード、PSR終了モード、PSR2モードおよびPSR2終了モードにおいて、ならびに、画像に画像処理が施される場合に、PSRモードおよびPSR終了モードにおいて、“1”に設定される。
第4の切替信号が“0”の場合、第4のマルチプレクサMUX4からは、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データが出力される。また、第4の切替信号が“1”の場合、第4のマルチプレクサMUX4からは、リモートフレームバッファRFBから出力される画像データが出力される。
【0047】
次に、画像処理装置10の動作モードの遷移について説明する。
【0048】
【表2】
【0049】
表2において、左の欄は、現在の動作モードを表し、右の欄は、動作モードを遷移させるトリガとなる信号を表し、中央の欄は、トリガとなる信号が検出された場合に遷移する次の動作モードを表す。
【0050】
表1に示す第1〜第4の切替信号は、表2に示すように、送信装置から送信され、受信装置20によって受信される制御信号である、IPU1 Enable信号、IPU1 Disable信号、PSR Active信号、PSR Inactive信号、PSR2 Active信号およびPSR2 Inactive信号と、PSR制御回路12から出力される検出信号である、1フレーム経過信号および位相調整完了信号とに基づいて生成される。
【0051】
IPU1 Enable信号およびIPU1 Disable信号は、画像処理装置10において画像に画像処理を行うか否か指示する制御信号の一例である。IPU1 Enable信号は、例えばHDR(High Dynamic Range:ハイダイナミックレンジ)で画像を表示させるために画像に画像処理を行うことを指示する信号であり、IPU1 Disable信号は、例えばSDR(Standard Dynamic Range:スタンダードダイナミックレンジ)で画像を表示させるために、画像に画像処理を行わないことを指示する信号である。
【0052】
PSR Active信号は、PSRにより静止画を表示させることを指示する信号であり、PSR Inactive信号は、PSRにより静止画を表示させないことを指示する信号である。
PSR2 Active信号は、PSR2により静止画を表示させることを指示する信号であり、PSR2 Inactive信号は、PSR2により静止画を表示させないことを指示する信号である。
【0053】
1フレーム経過信号は、PSR開始モードおよびPSR2開始モードにおいて、1フレーム分の画像データがリモートフレームバッファRFBに書き込まれた後に出力される信号である。
位相調整完了信号は、PSR終了モードおよびPSR2終了モードにおいて、受信装置20から出力される入力画像データと、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データとの間の位相調整が完了した後に出力される信号である。
【0054】
表2に示すように、画像処理装置10は、例えば画像処理が施されない通常動作モードにおいて、IPU1 Enable信号が検出され、続いてPSR Active信号が検出された場合に、画像処理が施されるPSR開始モードに遷移する。画像処理装置10の動作モードは、上記以外の場合も同様に遷移する。
なお、画像処理が施されるPSR2終了モードにおいて、PSR Active信号が検出された場合、画像処理が施されるPSRモードに遷移するのではなく、画像処理が施されるPSR2モードに遷移する。
【0055】
次に、図2および図3に示すフローチャートを参照しながら、画像処理装置10の動作を説明する。
【0056】
本実施形態では、画像に画像処理が施されない通常動作モードから開始されるとする(ステップS1)。
【0057】
画像処理が施されない通常動作モードの場合、表1に示すように、第3および第4の切替信号は“0”に設定される。
この場合、第3のマルチプレクサMUX3からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力され、第4のマルチプレクサMUX4からは、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データ、つまり、受信装置20から出力される入力画像データがそのまま出力される。第4のマルチプレクサMUX4から出力される画像データは、第2の画像処理回路22により画像処理され、タイミングコントローラの制御により、第2の画像処理回路22から出力される画像処理後の画像データに対応する画像が液晶パネル24に表示される。なお、リモートフレームバッファRFBは空の状態である。
【0058】
つまり、切替信号生成回路16は、通常動作により画像処理が施されない画像データに対応する画像を表示させる場合に、入力画像データが第3のマルチプレクサMUX3を介してそのまま第4のマルチプレクサMUX4から出力されるように、選択される画像データの切り替えを制御する切替信号を生成する。
【0059】
なお、画像処理が施されない通常動作モードの場合、第1および第2の切替信号は、“0”に設定されても“1”に設定されてもよい。表1においては、“0”に設定されても“1”に設定されてもよい場合であって、“0”に設定さている場合には“−(0)”、“1”に設定されている場合には“−(1)”と表されている。これ以後の各動作モードにおいても同様である。
【0060】
続いて、IPU1 Enable信号が受信されたか否かが検出される(ステップS2)。
【0061】
画像処理が施されない通常動作モードにおいて、IPU1 Enable信号が受信されない場合(ステップS2でNo)、続いて、PSR Active信号が受信されたか否かが検出される(ステップS3)。
【0062】
画像処理が施されない通常動作モードにおいて、PSR Active信号が受信された場合(ステップS3でYes)、画像に画像処理が施されないPSR開始モードになる(ステップS4)。
【0063】
画像処理が施されないPSR開始モードの場合、第2〜第4の切替信号は“0”に設定される。
この場合、第2のマルチプレクサMUX2からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力され、PSR制御回路12の制御により、受信装置20から出力される1フレーム分の入力画像データがリモートフレームバッファRFBに書き込まれる。第3および第4のマルチプレクサMUX3、MUX4の動作は、画像処理が施されない通常動作モードの場合と同じである。これ以後の動作は、通常動作モードの場合と同じである。また、これ以降の各動作モードについても同様である。
【0064】
画像処理が施されないPSR開始モードにおいて、1フレーム分の画像データがリモートフレームバッファRFBに書き込まれた後、PSR制御回路12から1フレーム経過信号が出力されると、画像に画像処理が施されないPSRモードになる(ステップS4)。
【0065】
画像処理が施されないPSRモードの場合、第4の切替信号は“1”に設定される。
この場合、第4のマルチプレクサMUX4からは、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBから読み出される画像データが出力される。
【0066】
つまり、切替信号生成回路16は、PSRにより画像処理が施されない画像データに対応する画像を表示させる場合に、入力画像データが第2のマルチプレクサMUX2を介してPSR制御回路12に入力され、リモートフレームバッファRFBに書き込まれた後、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データが第4のマルチプレクサMUX4から出力されるように、選択される画像データの切り替えを制御する切替信号を生成する。
【0067】
続いて、PSR Inactive信号が受信されたか否かが検出される(ステップS5)。
【0068】
画像処理が施されないPSRモードにおいて、PSR Inactive信号が受信されない場合(ステップS5でNo)、ステップS4へ戻り、画像に画像処理が施されないPSRモードが維持される。
【0069】
一方、PSR Inactive信号が受信された場合(ステップS5でYes)、画像に画像処理が施されないPSR終了モードになる(ステップS6)。
【0070】
画像処理が施されないPSR終了モードの場合、第2および第3の切替信号が“0”に設定され、第4の切替信号が“1”に設定される。
この場合、第2のマルチプレクサMUX2からは受信装置20から出力される入力画像データが出力され、PSR制御回路12の制御により、受信装置20から出力される入力画像データがリモートフレームバッファRFBに書き込まれる。第3のマルチプレクサMUX3からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力され、第4のマルチプレクサMUX4からは、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBから読み出される画像データが出力される。
【0071】
画像処理が施されないPSR終了モードでは、PSR制御回路12の制御により、受信装置20から出力される入力画像データと、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データとの間の位相調整が行われる。
【0072】
受信装置20は、通常動作モードにおいて、送信装置から受信される入力画像データからリカバリされるリカバリクロックに基づいて生成されたピクセルクロックに同期して動作する。一方、PSRモードにおいて送信装置の動作が停止されると、受信装置20は、その内部クロックに基づいて生成されたピクセルクロックに同期して動作する。そのため、PSR終了モードにおいて、送信装置と受信装置20との動作タイミングがずれている場合がある。PSR2モードの場合も同じである。
【0073】
受信装置20は、送信装置が停止されている場合でも、制御信号として、例えば、送信装置の垂直アクティブ期間における最初の水平ブランキング期間の終了タイミングを表すVBE(Virtual Blanking End:バーチャルブランキングエンド)生成用情報を1フレーム毎に送信装置から受信している。
【0074】
PSR制御回路12は、VBE生成用情報に基づいて、受信装置20の垂直アクティブ期間における最初の水平ブランキング期間の終了タイミングとして用いるVBE信号を生成する。続いて、VBE信号に基づいて、1フレームの先頭ラインから所定のラインまでのライン数を表す送信装置のカウント値をカウントし、同様に1フレームの先頭ラインから所定のラインまでのライン数を表す受信装置20のカウント値をカウントする。そして、送信装置のカウント値と受信装置20のカウント値との比較結果に応じて、送信装置と受信装置20との間の動作タイミングの同期が取れるように、例えば受信装置20における垂直ブランキング期間の長さをライン数で調整する。
【0075】
これにより、受信装置20から出力される入力画像データと、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データとの間の位相調整が行われる。つまり、送信装置と受信装置20との間の動作タイミングの同期が取られる。
なお、上記の位相調整は一例である。本発明においては、上記の位相調整の例に限らず、各種の位相調整方法を利用することができる。
【0076】
続いて、PSR Active信号が受信されたか否かが検出される(ステップS7)。
【0077】
画像処理が施されないPSR終了モードにおいて、PSR Active信号が受信された場合(ステップS7でYes)、ステップS4へ戻り、画像に画像処理が施されないPSRモードになる。
【0078】
一方、PSR Active信号が受信されない場合(ステップS7でNo)、続いて、PSR2 Active信号が受信されたか否かが検出される(ステップS8)。
【0079】
画像処理が施されないPSR終了モードにおいて、PSR2 Active信号が受信された場合(ステップS8でYes)、ステップS11へ進む。
【0080】
一方、PSR2 Active信号が受信されない場合(ステップS8でNo)、位相調整が完了してPSR制御回路12から位相調整完了信号が出力されると(ステップS9)、ステップS1へ戻り、画像に画像処理が施されない通常動作モードになる。
【0081】
画像処理が施されないPSR終了モードにおいて位相調整が行われた後、画像処理が施されないPSR終了モードから、画像処理が施されない通常動作モードになると、次の垂直ブランキング期間において、第4のマルチプレクサMUX4から出力される画像データは、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データから、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データ、つまり、受信装置20から出力される入力画像データに切り替えられる。
【0082】
ステップS3に戻って、画像処理が施されない通常動作モードにおいて、PSR Active信号が受信されない場合(ステップS3でNo)、続いて、PSR2 Active信号が受信されたか否かが検出される(ステップS10)。
【0083】
画像処理が施されない通常動作モードにおいて、PSR2 Active信号が受信されない場合(ステップS10でNo)、ステップS1へ戻り、画像に画像処理が施されない通常動作モードが維持される。
【0084】
一方、PSR2 Active信号が受信された場合(ステップS10でYes)、画像に画像処理が施されないPSR2開始モードになる(ステップS11)。
【0085】
画像処理が施されないPSR2開始モードの場合、第2〜第4の切替信号は“0”に設定される。
この場合、第2のマルチプレクサMUX2からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力され、PSR制御回路12の制御により、受信装置20から出力される1フレーム分の入力画像データがリモートフレームバッファRFBに書き込まれる。第3および第4のマルチプレクサMUX3、MUX4の動作は、画像処理が施されない通常動作モードの場合と同じである。
【0086】
画像処理が施されないPSR2開始モードにおいて、受信装置20から出力される入力画像データを含む1フレーム分の画像データがリモートフレームバッファRFBに書き込まれた後、PSR制御回路12から1フレーム経過信号が出力されると、画像に画像処理が施されないPSR2モードになる(ステップS11)。
【0087】
画像処理が施されないPSR2モードの場合、第4の切替信号は“1”に設定される。
この場合の動作は、画像処理が施されないPSRモードの場合と同じである。
【0088】
つまり、切替信号生成回路16は、PSR2により画像処理が施されない画像データに対応する画像を表示させる場合に、入力画像データが第2のマルチプレクサMUX2を介してPSR制御回路12に入力され、リモートフレームバッファRFBに書き込まれた後、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データが第4のマルチプレクサMUX4から出力されるように、選択される画像データの切り替えを制御する切替信号を生成する。
【0089】
続いて、PSR2 Inactive信号が受信されたか否かが検出される(ステップS12)。
【0090】
画像処理が施されないPSR2モードにおいて、PSR2 Inactive信号が受信されない場合(ステップS12でNo)、ステップS11へ戻り、画像に画像処理が施されないPSR2モードが維持される。
【0091】
一方、PSR2 Inactive信号が受信された場合(ステップS12でYes)、画像に画像処理が施されないPSR2終了モードになる(ステップS6)。
【0092】
画像処理が施されないPSR2終了モードの場合、第2および第3の切替信号が“0”に設定され、第4の切替信号が“1”に設定される。
この場合の動作は、画像処理が施されないPSR終了モードの場合と同じである。
【0093】
ステップS2に戻って、画像処理が施されない通常動作モードにおいて、IPU1 Enable信号が受信された場合(ステップS2でYes)、画像に画像処理が施される通常動作モードになる。
【0094】
画像処理が施される通常動作モードの場合、表1に示すように、第1および第4の切替信号は“0”に設定され、第3の切替信号が“1”に設定される。
この場合、図4に太線で示すように、第1のマルチプレクサMUX1からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力され、第1の画像処理回路14により、受信装置20から出力される入力画像データが画像処理される。第3のマルチプレクサMUX3からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力され、第4のマルチプレクサMUX4からは、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データ、つまり、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力される。なお、リモートフレームバッファRFBは空(Empty)の状態である。
【0095】
つまり、切替信号生成回路16は、通常動作により画像処理後の画像データに対応する画像を表示させる場合に、入力画像データが第1のマルチプレクサMUX1を介して第1の画像処理回路14に入力され、画像処理されるように、さらに画像処理後の画像データが第3のマルチプレクサMUX3を介して第4のマルチプレクサMUX4から出力されるように、選択される画像データの切り替えを制御する切替信号を生成する。
【0096】
続いて、PSR Active信号が受信されたか否かが検出される(ステップS13)。
【0097】
画像処理が施される通常動作モードにおいて、PSR Active信号が受信された場合(ステップS13でYes)、画像に画像処理が施されるPSR開始モードになる(ステップS14)。
【0098】
画像処理が施されるPSR開始モードの場合、第1および第4の切替信号は“0”に設定され、第2および第3の切替信号は“1”に設定される。
この場合、図5に太線で示すように、第1のマルチプレクサMUX1からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力され、第1の画像処理回路14により、受信装置20から出力される入力画像データが画像処理される。第2のマルチプレクサMUX2からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力され、PSR制御回路12の制御により、画像処理後の画像データ(Processed by IPU1)がリモートフレームバッファRFBに書き込まれる。第3のマルチプレクサMUX3からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力され、第4のマルチプレクサMUX4からは、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データ、つまり、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力される。
【0099】
画像処理が施されるPSR開始モードにおいて、1フレーム分の画像処理後の画像データがリモートフレームバッファRFBに書き込まれた後、PSR制御回路12から1フレーム経過信号が出力されると、画像に画像処理が施されるPSRモードになる(ステップS14)。
【0100】
画像処理が施されるPSRモードの場合、第4の切替信号は“1”に設定される。
この場合、図6に太線で示すように、第4のマルチプレクサMUX4からは、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBから読み出される画像処理後の画像データ(Processed by IPU1)が出力される。
【0101】
つまり、切替信号生成回路16は、PSRにより画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、入力画像データが第1のマルチプレクサMUX1を介して第1の画像処理回路14に入力され、画像処理されるように、さらに画像処理後の画像データが第2のマルチプレクサMUX2を介してPSR制御回路12に入力され、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBに書き込まれるように、さらにリモートフレームバッファRFBから読み出される画像処理後の画像データが第4のマルチプレクサMUX4から出力されるか、または画像処理後の画像データが第3のマルチプレクサMUX3を介して第4のマルチプレクサMUX4から出力されるように、選択される画像データの切り替えを制御する切替信号を生成する。
【0102】
画像処理装置10においては、PSRにより画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、第1の画像処理回路14により受信装置20から出力される入力画像データが画像処理され、PSR制御回路12の制御により画像処理後の画像データがリモートフレームバッファRFBに書き込まれ、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像処理後の画像データが第4のマルチプレクサMUX4から出力される。
従って、PSRにより画像に画像処理が施される静止画を表示させる場合において、第1の画像処理回路14を停止させることができ、第1の画像処理回路14による消費電力を低減させることができる。
【0103】
続いて、PSR Inactive信号が受信されたか否かが検出される(ステップS15)。
【0104】
画像処理が施されるPSRモードにおいて、PSR Inactive信号が受信されない場合(ステップS15でNo)、ステップS14へ戻り、画像に画像処理が施されるPSRモードが維持される。
【0105】
一方、PSR Inactive信号が受信された場合(ステップS15でYes)、画像に画像処理が施されるPSR終了モードになる(ステップS16)。
【0106】
画像処理が施されるPSR終了モードの場合、第1の切替信号は“0”に設定され、第2〜第4の切替信号は“1”に設定される。
この場合、図7に太線で示すように、第1のマルチプレクサMUX1からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力され、第1の画像処理回路14によって受信装置20から出力される入力画像データが画像処理される。第2のマルチプレクサMUX2からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力され、PSR制御回路12の制御により、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データ(Processed by IPU1)がリモートフレームバッファRFBに書き込まれる。第3のマルチプレクサMUX3からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力され、第4のマルチプレクサMUX4からは、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBから読み出される画像処理後の画像データが出力される。
【0107】
画像処理が施されるPSR終了モードでは、PSR制御回路12の制御により、受信装置20から出力される入力画像データと、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データとの間の位相調整が行われる。
【0108】
続いて、PSR Active信号が受信されたか否かが検出される(ステップS17)。
【0109】
画像処理が施されるPSR終了モードにおいて、PSR Active信号が受信された場合(ステップS17でYes)、ステップS14へ戻り、画像に画像処理が施されるPSRモードになる。
【0110】
一方、PSR Active信号が受信されない場合(ステップS17でNo)、続いて、PSR2 Active信号が受信されたか否かが検出される(ステップS18)。
【0111】
画像処理が施されるPSR終了モードにおいて、PSR2 Active信号が受信された場合(ステップS18でYes)、ステップS21へ進む。
【0112】
一方、PSR2 Active信号が受信されない場合(ステップS18でNo)、位相調整が完了してPSR制御回路12から位相調整完了信号が出力されると(ステップS19)、画像に画像処理が施される通常動作モードになる(ステップS27)。
【0113】
画像処理が施されるPSR終了モードにおいて位相調整が行われた後、画像処理が施されるPSR終了モードから、画像処理が施される通常動作モードになると、次の垂直ブランキング期間において、第4のマルチプレクサMUX4から出力される画像データは、図4および図7に太線で示すように、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBから読み出される画像データから、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データ、つまり、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データに切り替えられる。
【0114】
ステップS13に戻って、画像処理が施される通常動作モードにおいて、PSR Active信号が受信されない場合(ステップS13でNo)、続いて、PSR2 Active信号が受信されたか否かが検出される(ステップS20)。
【0115】
画像処理が施される通常動作モードにおいて、PSR2 Active信号が受信されない場合(ステップS20でNo)、ステップS27へ進む。
【0116】
一方、PSR2 Active信号が受信された場合(ステップS20でYes)、画像に画像処理が施されるPSR2開始モードになる(ステップS21)。
【0117】
画像処理が施されるPSR2開始モードの場合、第1、第2および第4の切替信号は“0”に設定され、第3の切替信号は“1”に設定される。
この場合、図8に太線で示すように、第1のマルチプレクサMUX1からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力され、第1の画像処理回路14により、受信装置20から出力される入力画像データに画像処理が施される。第2のマルチプレクサMUX2からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力され、PSR制御回路12の制御により、受信装置20から出力される入力画像データ(RAW)がリモートフレームバッファRFBに書き込まれる。第3のマルチプレクサMUX3からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力され、第4のマルチプレクサMUX4からは、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データ、つまり、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力される。
【0118】
画像処理が施されるPSR2開始モードにおいて、PSR制御回路12により、受信装置20から出力される入力画像データを含む1フレーム分の画像データがリモートフレームバッファRFBに書き込まれた後、PSR制御回路12から1フレーム経過信号が出力されると、画像に画像処理が施されるPSR2モードになる(ステップS21)。
【0119】
画像処理が施されるPSR2モードの場合、第1および第3の切替信号は“1”に設定され、第4の切替信号は“0”に設定される。
この場合、図9に太線で示すように、第1のマルチプレクサMUX1からは、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBから読み出される画像データ(RAW)が出力され、第1の画像処理回路14により、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データが画像処理される。第3のマルチプレクサMUX3からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力され、第4のマルチプレクサMUX4からは、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データ、つまり、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力される。
【0120】
つまり、切替信号生成回路16は、PSR2により画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、入力画像データが第2のマルチプレクサMUX2を介してPSR制御回路12に入力され、リモートフレームバッファRFBに書き込まれるように、さらに入力画像データが第1のマルチプレクサMUX1を介して第1の画像処理回路14に入力され、画像処理されるか、またはリモートフレームバッファRFBから読み出される画像データが第1のマルチプレクサMUX1を介して第1の画像処理回路14に入力され、画像処理されるように、さらに画像処理後の画像データが第3のマルチプレクサMUX3を介して第4のマルチプレクサMUX4から出力されるように、選択される画像データの切り替えを制御する切替信号を生成する。
【0121】
続いて、PSR2 Inactive信号が受信されたか否かが検出される(ステップS22)。
【0122】
画像処理が施されるPSR2モードにおいて、PSR2 Inactive信号が受信されない場合(ステップS22でNo)、ステップS21へ戻り、画像に画像処理が施されるPSR2モードが維持される。
【0123】
一方、PSR2 Inactive信号が受信された場合(ステップS22でYes)、画像に画像処理が施されるPSR2終了モードになる(ステップS23)。
【0124】
画像処理が施されるPSR2終了モードの場合、第2および第4の切り替え信号は“0”に設定され、第1および第3の切替信号は“1”に設定される。
この場合、図10に太線で示すように、第1のマルチプレクサMUX1からは、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBから読み出される画像データ(RAW)が出力され、第1の画像処理回路14により、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データが画像処理される。第2のマルチプレクサMUX2からは、受信装置20から出力される入力画像データが出力され、PSR制御回路12の制御により、受信装置20から出力される入力画像データ(RAW)がリモートフレームバッファRFBに書き込まれる。なお、画像データの書き込みは、リモートフレームバッファRFBにおいて、画像データの読み出しが行われた後の領域に順次上書きされる。第3のマルチプレクサMUX3からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力され、第4のマルチプレクサMUX4からは、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データ、つまり、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力される。
【0125】
画像処理が施されるPSR2終了モードでは、PSR制御回路12の制御により、受信装置20から出力される入力画像データと、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データとの間の位相調整が行われる。
【0126】
続いて、PSR Active信号が受信されたか否かが検出される(ステップS24)。
【0127】
画像処理が施されるPSR2終了モードにおいて、PSR Active信号が受信された場合(ステップS24でYes)、ステップS21へ戻り、画像処理が施されるPSRモードではなく、画像に画像処理が施されるPSR2モードになる。
【0128】
画像処理が施されるPSR2終了モードから画像処理が施されるPSRモードに遷移させる場合、受信装置20から出力される入力画像データを第1のマルチプレクサMUX1から出力し、第1の画像処理回路14に入力する必要がある。
しかし、画像処理が施されるPSR2終了モードの場合、第1のマルチプレクサMUX1からは、リモートフレームバッファRFBから読み出される画像データ(RAW)が出力され、第1の画像処理回路14に入力される。
このため、本実施形態の画像処理装置10においては、画像処理が施されるPSR2終了モードから画像処理が施されるPSRモードに遷移させることができず、画像処理が施されるPSR2モードに遷移される。
【0129】
一方、PSR Active信号が受信されない場合(ステップS24でNo)、続いて、PSR2 Active信号が受信されたか否かが検出される(ステップS25)。
【0130】
画像処理が施されるPSR2終了モードにおいて、PSR2 Active信号が受信された場合(ステップS25でYes)、ステップS21へ戻り、画像に画像処理が施されるPSR2モードになる。
【0131】
一方、PSR2 Active信号が受信されない場合(ステップS25でNo)、位相調整が完了してPSR制御回路12から位相調整完了信号が出力されると(ステップS26)、画像に画像処理が施される通常動作モードになる(ステップS27)。
【0132】
画像処理が施されるPSR2終了モードにおいて位相調整が行われた後、画像処理が施されるPSR2終了モードから、画像処理が施される通常動作モードになると、次の垂直ブランキング期間において、第4のマルチプレクサMUX4から出力される画像データは、図4および図10に太線で示すように、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBから読み出され、第1の画像処理回路14により画像処理された画像処理後の画像データから、受信装置20から出力され、第1の画像処理回路14により画像処理された画像処理後の画像データに切り替えられる。
【0133】
続いて、IPU1 Disable信号が受信されたか否かが検出される(ステップS28)。
【0134】
画像処理が施される通常動作モードにおいて、IPU1 Disable信号が受信されない場合(ステップS28でNo)、ステップS13へ進む。
【0135】
一方、画像処理が施される通常動作モードにおいて、IPU1 Disable信号が受信された場合(ステップS28でYes)、ステップS1へ進み、画像に画像処理が施されない通常動作モードになる。これ以後の動作は、上記各ステップの繰り返しになる。
【0136】
なお、画像処理が施されるPSR2モードの場合、第1の画像処理回路14を動作させ続けることになる。画像データを画像処理する点に問題はないが、第1の画像処理回路14が動作し続ける分の省電力化を実現できない。
【0137】
これに対し、2フレーム分の画像データを格納する第1および第2のフレーム領域を有するリモートフレームバッファRFBを使用することにより、部分画像に画像処理が施されるPSR2モードにおいても第1の画像処理回路14を停止させることができる。
【0138】
例えば、PSR2モードにおいて、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データを出力すると同時に、画像処理後の画像データをリモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域に書き込む。画像処理後の画像データがリモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域に書き込まれた後は、静止画であり続ける限り、リモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域に書き込まれた画像データを出力することができる。
【0139】
例えば、画像処理が施されるPSR2モードにおいて、まず、第1〜第3の切替信号は“1”に設定され、第4の切替信号は“0”に設定される。
この場合、図11に太線で示すように、第1のマルチプレクサMUX1からは、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBの第2のフレーム領域(図11のリモートフレームバッファRFBの右側)から読み出される画像データ(RAW)が出力され、第1の画像処理回路14により、リモートフレームバッファRFBの第2のフレーム領域から読み出される画像データが画像処理される。第2のマルチプレクサMUX2からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力され、PSR制御回路12の制御により、受信装置20から出力される1フレーム分の入力画像データ(Processed by IPU1)がリモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域(図11のリモートフレームバッファRFBの左側)に書き込まれる。第3のマルチプレクサMUX3からは、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力され、第4のマルチプレクサMUX4からは、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データ、つまり、第1の画像処理回路14から出力される画像処理後の画像データが出力される。
【0140】
続いて、PSR2モードにおいて使用される1フレーム分の画像データがリモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域に書き込まれた後、PSR制御回路12から1フレーム経過信号が出力されると、第4の切り替え信号が“0”から“1”に設定される。
この場合、図12に太線で示すように、第4のマルチプレクサMUX4からは、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域から読み出される画像データ(Processed by IPU1)が出力される。
【0141】
つまり、切替信号生成回路16は、PSR2により画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、リモートフレームバッファRFBの第2のフレーム領域から読み出される画像データが第1のマルチプレクサMUX1を介して第1の画像処理回路14に入力され、画像処理されるように、さらに画像処理後の画像データが第2のマルチプレクサMUX2を介してPSR制御回路12に入力され、リモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域に書き込まれた後、リモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域から読み出される画像処理後の画像データが第4のマルチプレクサMUX4から出力されるか、または画像処理後の画像データが第3のマルチプレクサMUX3を介して第4のマルチプレクサMUX4から出力されるように、選択される画像データの切り替えを制御する切替信号を生成する。
【0142】
画像処理装置10においては、PSR2により画像処理後の画像データに対応する静止画を表示させる場合に、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBの第2のフレーム領域から読み出される画像データが、第1の画像処理回路14により画像処理され、PSR制御回路12の制御により、画像処理後の画像データがリモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域に書き込まれた後、リモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域から読み出される画像処理後の画像データが第4のマルチプレクサMUX4から出力される。
従って、PSR2により部分画像に画像処理が施される静止画を表示させる場合において、第1の画像処理回路14を停止させることができ、第1の画像処理回路14による消費電力を低減させることができる。
【0143】
また、PSR2モードにおいて使用される画像の一部が更新された場合、新たな画像データをリモートフレームバッファRFBの第2のフレーム領域に書き込む。その後、再び第1の画像処理回路14を動作させて、第1の画像処理回路14により新たな画像データを画像処理し、新たな画像処理後の画像データを出力すると共にリモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域に書き込む。これ以後、リモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域から読み出される画像データを出力させることができる。
【0144】
例えば、受信装置20により、PSR2モードにおいて使用される画像の一部を更新する新たな入力画像データが受信された場合、第1および第3の切替信号は“1”に設定され、第2および第4の切替信号は“0”に設定される。
この場合、図13に太線で示すように、まず、第2のマルチプレクサMUX2からは、受信装置20から出力される新たな入力画像データが出力され、PSR制御回路12の制御により、受信装置20から出力される新たな入力画像データ(RAW)がリモートフレームバッファRFBの第2のフレーム領域に書き込まれる。その後、第1のマルチプレクサMUX1からは、PSR制御回路12の制御によりリモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域から読み出される新たな画像データ(RAW)が出力され、第1の画像処理回路14により、リモートフレームバッファRFBの第1のフレーム領域から読み出される新たな画像データが画像処理される。第3のマルチプレクサMUX3からは、第1の画像処理回路14から出力される新たな画像処理後の画像データが出力され、第4のマルチプレクサMUX4からは、第3のマルチプレクサMUX3から出力される画像データ、つまり、第1の画像処理回路14から出力される新たな画像処理後の画像データが出力される。これ以後の動作は、上記の画像処理が施されるPSR2モードからの繰り返しになる。
【0145】
本発明の画像処理装置について図1に示す具体例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、異なる構成の回路であっても、同様の機能を果たすものであればいずれも利用可能である。
【0146】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0147】
10 画像処理装置
12 パネルセルフリフレッシュ制御回路
14 第1の画像処理回路
16 切替信号生成回路
20 受信装置
22 第2の画像処理回路
24 液晶パネル
MUX1〜MUX4 第1〜第4のマルチプレクサ
RFB リモートフレームバッファ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13