【解決手段】コンソールボックス1は、開口14を有するボックス本体10と、開口14を開閉可能にヒンジを介してボックス本体10に組み付けられた一対のリッド20と、開口14を閉じた状態に一対のリッド20をボックス本体10に対してロック可能なロック機構40とを備えている。ロック機構40は、ロック状態にある一対のリッド20を個別にアンロック可能な第1操作ノブ56と、ロック状態にある一対のリッド20を同時にアンロック可能な第2操作ノブ64とを備えている。
開口を有するボックス本体と、開口を開閉可能にヒンジを介してボックス本体に組み付けられた一対のリッドと、開口を閉じた状態に一対のリッドをボックス本体に対してロック可能なロック機構と、を備えているコンソールボックスであって、
ロック機構は、
ロック状態にある一対のリッドを個別にアンロック可能な第1操作ノブと、
ロック状態にある一対のリッドを同時にアンロック可能な第2操作ノブと、を備えているコンソールボックス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、ロック状態にある両リッドを個別にアンロックできる構造となっている。そのため、この両リッドを開けたい場合、このアンロック操作を個別(2回)に行う必要があった。一方、上述した特許文献2の技術では、既に説明したように、ロック状態にある両リッドを同時にアンロックできる構造となっている。そのため、この特許文献2の技術では、片方のリッド420のみを開けたい場合でも、両リッド420が開くため、煩わしいものとなっていた。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、ロック状態にある対を成すリッドのアンロック操作を個別だけでなく同時にもできるコンソールボックスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。請求項1に記載の発明は、開口を有するボックス本体と、開口を開閉可能にヒンジを介してボックス本体に組み付けられた一対のリッドと、開口を閉じた状態に一対のリッドをボックス本体に対してロック可能なロック機構とを備えているコンソールボックスである。ロック機構は、ロック状態にある一対のリッドを個別にアンロック可能な第1操作ノブと、ロック状態にある一対のリッドを同時にアンロック可能な第2操作ノブとを備えている。
【0007】
請求項1の発明によれば、ロック状態にある一対のリッドのアンロック操作を個別だけでなく同時にもできる。したがって、従来技術で説明したように、片方のリッドのみを開けたい場合でも、両リッドが開くことがない。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンソールボックスであって、第1操作ノブと第2操作ノブとは、一対のリッドが個別にロックされるように第1付勢部材と第2付勢部材とによって付勢されている。第1付勢部材の付勢力は、第2付勢部材の付勢力より小さく設定されている。
【0009】
請求項2の発明によれば、一方のリッドの閉じ操作を行っている時、すなわち、開けた一方のリッドを戻している時、このリッドの第1操作ノブが第2操作ノブを押し込むことを防止できる。したがって、ロック機構の他方のリッド側がアンロックすることがないため、この他方のリッドが開いてしまうといった誤作動を防止できる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1〜2のいずれかに記載のコンソールボックスであって、第1操作ノブは、そのノブ操作が回転操作となる摘み部を備えている。第2操作ノブは、そのノブ操作が押し込み操作となる押込部を備えている。
【0011】
請求項3の発明によれば、目視することなく、第1操作ノブが、そのノブ操作が回転操作のものであり、第2操作ノブが、そのノブ操作が押し込み操作のものであると認識できる。したがって、第1操作ノブと第2操作ノブとの誤操作を防止できる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のコンソールボックスであって、第1操作ノブには、係合爪が係合されている。第2操作ノブには、係合孔が係合されている。ロック機構のロックは、第2操作ノブの係合孔に対する第1操作ノブの係合爪の係合によって行われている。
【0013】
請求項4の発明によれば、簡便な構造でロック機構をロックできる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を、
図1〜8を用いて説明する。なお、以下の説明にあたって、上、下、前、後、左、右とは、上述した図に記載した、上、下、前、後、左、右の方向、すなわち、コンソールボックス1を自動車の床フロア(いずれも図示しない)に組み付けた状態を基準にしたときの上、下、前、後、左、右の方向を示している。
【0016】
まず、
図1〜6を参照して、本発明の実施形態に係るコンソールボックス1の全体構成を説明する。このコンソールボックス1は、
図1からも明らかなように、主として、ボックス本体10と左右に対を成すリッド20とロック機構40とから構成されている。以下に、これらボックス本体10と左右に対を成すリッド20とロック機構40とを個別に説明する。
【0017】
はじめに、ボックス本体10から説明していく(
図2、3、6参照)。このボックス本体10の内部には、物品(図示しない)を収納可能な収納部12が形成されている(
図2〜3参照)。この収納部12の上側には、収納部12に対して物品を出し入れ可能な開口14が形成されている。これにより、開口14を介して収納部12に対して物品を収納できる。
【0018】
このボックス本体10の上側には、開口16aを有する枠体16が組み付けられている。この枠体16の開口16aは、ボックス本体10の開口14に対して一致するように形成されている(
図6参照)。これにより、ボックス本体10に枠体16が組み付けられていても、この組み付けた枠体16によって阻害されることなく収納部12に対して物品を収納できる。
【0019】
この枠体16の前枠18には、後述する第2ロック体60の圧縮ばね66の一端66aを掛け留め可能なばね当て部18bが設けられている。このばね当て部18bには、後述する第2ロック体60のガイドピン64cを挿し込み可能なU字状の溝18cが形成されている。ボックス本体10は、このように構成されている。
【0020】
次に、左右に対を成すリッド20を説明する(
図2、4、6参照)。このリッド20は、左右に対を成すものであるため、左のリッド20を説明することで、右のリッド20の説明を省略することとする。この左のリッド20は、インナー部材22と、このインナー部材22の上側に溶着されたアウター部材24と、このアウター部材24の表面を覆う表皮部材26とから構成されている(
図2、4参照)。
【0021】
このインナー部材22の右前側には、上側(内側)に向けて凹んだ凹部22aが形成されている。このアウター部材24の右前側にも、このインナー部材22の凹部22aに一致する切欠部24aが形成されている。また、この表皮部材26の右前側にも、このインナー部材22の凹部22aとアウター部材24の切欠部24aとに一致する切欠部26aが形成されている。リッド20は、このように構成されている。
【0022】
最後に、ロック機構40を説明する(
図3、4、6参照)。このロック機構40は、第1ロック体50と第2ロック体60とから構成されている。この第1ロック体50は、リッド20のインナー部材22の凹部22aの凹面22bに組み付けられたベース部材52と、このベース部材52に対してヒンジピン54を介して回転可能に組み付けられた第1操作ノブ56とから構成されている(
図4参照)。
【0023】
この第1操作ノブ56には、そのノブ操作が回転操作となる摘み部56aが備えられている。なお、この第1操作ノブ56は、リッド20がロックされる方向(第1操作ノブ56の係合爪56bが後述する第2ロック体60の第2操作ノブ64の係合孔64bに係合する方向)にトーションばね58によって付勢されている(
図6参照)。このトーションばね58が、特許請求の範囲に記載の「第1付勢部材」に相当する。
【0024】
一方、この第2ロック体60は、ボックス本体10の前枠18の下側に組み付けられたベース部材62と、このベース部材62に対してガイドリブ62aを介して前後方向にスライド可能に組み付けられた第2操作ノブ64とから構成されている(
図3参照)。この第2操作ノブ64には、そのノブ操作が押し込み操作となる押込部64aが備えられている。なお、この第2操作ノブ64は、リッド20がロックされる方向(第2操作ノブ64の係合孔64bに上述した第1ロック体50の第1操作ノブ56の係合爪56bが係合する方向)に左右に対を成す圧縮ばね66によって付勢されている(
図6参照)。
【0025】
このとき、この圧縮ばね66は、第2操作ノブ64のガイドピン64cに挿し込まれており、この挿し込まれた圧縮ばね66の両端66a、66bは、前枠18のばね当て部18bと第2操作ノブ64のガイドピン64cの基端(根本)とに掛け留めされている。この圧縮ばね66が、特許請求の範囲に記載の「第2付勢部材」に相当する。なお、これらトーションばね58と圧縮ばね66とにおいて、トーションばね58の付勢力は、圧縮ばね66の付勢力より小さく設定されている。ロック機構40は、このように構成されている。
【0026】
上述したように構成されている左右のリッド20は、開口14を前後方向に開閉可能にヒンジピン30を介してボックス本体10にそれぞれ組み付けられている。このとき、この左右のリッド20は、開口14が開く方向(左右のリッド20が開く方向)にトーションばね32によってそれぞれ付勢されている。コンソールボックス1は、このように構成されている。このように構成されているコンソールボックス1のボックス本体10は、自動車の運転席と助手席との間の床フロア(いずれも図示しない)に組み付けられている。
【0027】
また、このように構成されているコンソールボックス1は、左右のリッド20を閉じた状態(
図1に示す状態)と、2本のヒンジピン30の軸回りに左右のリッド20を開いた状態(
図5に示す状態)とに切り替えることができる。すなわち、ボックス本体10の開口14を閉じた状態と開いた状態とに切り替えることができる。なお、この左右のリッド20を閉じた状態(開口14を閉じた状態)では、左右の第1操作ノブ56の係合爪56bが第2操作ノブ64の係合孔64bに係合した状態となっている(
図6参照)。そのため、この状態では、ボックス本体10に対して左右のリッド20はロックされている。
【0028】
なお、既に説明したように、この左右のリッド20は、開口14が開く方向(左右のリッド20が開く方向)にトーションばね32によってそれぞれ付勢されている。そのため、この左右のリッド20を閉じた状態からロック機構40をアンロック(ロック解除)すると、この左右のリッド20をトーションばね32の付勢力によってそれぞれ開いた状態に切り替えることができる。
【0029】
続いて、上述したコンソールボックス1のロック機構40の動作を説明する(
図6〜8参照)。この説明にあたって、ロック状態にある左右のリッド20を個別にアンロックする手順(第1手順)と、ロック状態にある左右のリッド20を同時にアンロックする手順(第2手順)とを個別に説明することとする。
【0030】
まず、ロック状態にある左右のリッド20を個別にアンロックする手順(第1手順)から説明する。ボックス本体10に対して左右のリッド20がロックされた状態(
図6参照)から、例えば、左のリッド20の第1操作ノブ56の摘み部56aを引き起こす操作を行う(
図7参照)。すると、左のリッド20のトーションばね58の付勢力に抗して第1操作ノブ56が回転するため、第2操作ノブ64の係合孔64bに対する左のリッド20の第1操作ノブ56の係合爪56bの係合が解消する。
【0031】
これにより、ロック機構40の左のリッド20側がアンロックするため、左のリッド20を開いた状態に切り替えることができる。また、開いた状態に切り替えた左のリッド20を閉じた状態に切り替えると(戻すと)、第1操作ノブ56の係合爪56bが第2操作ノブ64の係合孔64bの縁に干渉する。さらに、左のリッド20を閉じた状態に切り替えると(戻すと)、トーションばね58の付勢力に抗して第1操作ノブ56の係合爪56bが第2操作ノブ64の係合孔64bの縁を乗り越える。
【0032】
これにより、ボックス本体10に対して左のリッド20がロックされた状態に戻すことができる(
図6参照)。なお、これと同様に、右のリッド20も開いた状態に切り替えることができ、さらに、開いた右のリッド20を閉じた状態に切り替える(戻す)ことができる。このようにして、ロック状態にある左右のリッド20を個別にアンロックできる。
【0033】
次に、ロック状態にある左右のリッド20を同時にアンロックする手順(第2手順)を説明する。ボックス本体10に対して左右のリッド20がロックされた状態(
図6参照)から、第2操作ノブ64の押込部64aを押し込む操作を行う(
図8参照)。すると、左右の圧縮ばね66の付勢力に抗して第2操作ノブ64が後に向けてスライドするため、第2操作ノブ64の係合孔64bに対する左右のリッド20の第1操作ノブ56の係合爪56bの係合が解消する。
【0034】
これにより、ロック機構40の左右のリッド20がアンロックするため、左右のリッド20を開いた状態に切り替えることができる。すなわち、第2操作ノブ64を押し込むといった1回の操作で左右のリッド20を開けることができる。言い換えると、ロック状態にある左右のリッド20を同時にアンロックできる。なお、開いた状態に切り替えた左右のリッド20を閉じた状態への切り替え(戻し)は、上述した第1手順における説明と同じため、その詳細は省略することとする。
【0035】
本発明の実施形態に係るコンソールボックス1は、上述したように構成されている。この構成によれば、ロック機構40は、ロック状態にある左右のリッド20を個別にアンロック可能な第1操作ノブ56と、ロック状態にある左右のリッド20を同時にアンロック可能な第2操作ノブ64とを備えている。そのため、ロック状態にある左右のリッド20のアンロック操作を個別だけでなく同時にもできる。したがって、従来技術で説明したように、片方のリッド20のみを開けたい場合でも、両リッド20が開くことがない。
【0036】
また、この構成によれば、第1操作ノブ56は、リッド20がロックされる方向(第1操作ノブ56の係合爪56bが後述する第2ロック体60の第2操作ノブ64の係合孔64bに係合する方向)にトーションばね58によって付勢されている。また、第2操作ノブ64は、リッド20がロックされる方向(第2操作ノブ64の係合孔64bに上述した第1ロック体50の第1操作ノブ56の係合爪56bが係合する方向)に左右に対を成す圧縮ばね66によって付勢されている。これらトーションばね58と圧縮ばね66とにおいて、トーションばね58の付勢力は、圧縮ばね66の付勢力より小さく設定されている。そのため、一方のリッド20の閉じ操作を行っている時、すなわち、開けた一方のリッド20を戻している時、このリッド20の第1操作ノブ56が第2操作ノブ64を押し込むことを防止できる。したがって、ロック機構40の他方のリッド20側がアンロックすることがないため、この他方のリッド20が開いてしまうといった誤作動を防止できる。
【0037】
また、この構成によれば、第1操作ノブ56には、そのノブ操作が回転操作となる摘み部56aが備えられている。また、第2操作ノブ64には、そのノブ操作が押し込み操作となる押込部64aが備えられている。そのため、目視することなく、第1操作ノブ56が、そのノブ操作が回転操作のものであり、第2操作ノブ64が、そのノブ操作が押し込み操作のものであると認識できる。したがって、第1操作ノブ56と第2操作ノブ64との誤操作を防止できる。
【0038】
また、この構成によれば、第1操作ノブ56には、係合爪56bが係合されている。第2操作ノブ64には、係合孔64bが係合されている。ロック機構40のロックは、第2操作ノブ64の係合孔64bに対する第1操作ノブ56の係合爪56bの係合によって行われている。そのため、簡便な構造でロック機構40をロックできる。
【0039】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
【0040】
実施形態では、左右のリッド20は、開口14を前後方向に開閉可能にヒンジピン30を介してボックス本体10にそれぞれ組み付けられている形態を説明した。すなわち、ヒンジピン30の軸方向が左右方向となるように左右のリッド20が組み付けられている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、左右のリッド20は、開口14を左右方向に開閉可能にヒンジピン30を介してボックス本体10にそれぞれ組み付けられている形態でも構わない。すなわち、ヒンジピン30の軸方向が前後方向となるように左右のリッド20が組み付けられている形態でも構わない。
【0041】
また、実施形態では、第1操作ノブ56は、そのノブ操作が回転操作となっており、第2操作ノブ64は、そのノブ操作が押し込み操作となっている形態を説明した(
図6参照)。しかし、これに限定されるものでなく、変形例1のコンソールボックス101で示されるように、第1操作ノブ56は、そのノブ操作が押し込み操作となっており、第2操作ノブ64は、そのノブ操作が押し込み操作となっている形態でも構わない(
図9参照)。その場合、第1操作ノブ56の押し込み操作によって揺動する揺動部材156が必要となる。
【0042】
また、変形例2のコンソールボックス201で示されるように、第1操作ノブ56は、そのノブ操作が押し込み操作となっており、第2操作ノブ64は、そのノブ操作が回転操作となっている形態でも構わない(
図10参照)。その場合、第1操作ノブ56の押し込み操作によって揺動する揺動部材256が必要となる。
【0043】
また、変形例3のコンソールボックス301で示されるように、第1操作ノブ56は、そのノブ操作が回転操作となっており、第2操作ノブ64は、そのノブ操作が回転操作となっている形態でも構わない(
図11参照)。
【0044】
また、実施形態では、コンソールボックス1のボックス本体10は、自動車の運転席と助手席との間の床フロアに組み付けられている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、コンソールボックス1のボックス本体10は、自動車の床フロアであれば、どこに組み付けられていても構わない。
【0045】
また、ボックス本体10の収納部12において、冷気が発生する形態でも構わない。すなわち、コンソールボックス1が冷蔵庫となっている形態でも構わない。その場合、物品(例えば、ジュースの缶)を出し入れする時、運転席の乗員であれば、右のリッド20のみを開閉すれば良い。また、助手席の乗員であれば、左のリッド20のみを開閉すれば良い。そのため、物品の出し入れに伴う収納部12からの冷気の逃げを抑制できる。