特開2019-142454(P2019-142454A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-142454(P2019-142454A)
(43)【公開日】2019年8月29日
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/68 20060101AFI20190802BHJP
【FI】
   B60N2/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-31077(P2018-31077)
(22)【出願日】2018年2月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】布野 和信
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DB03
3B087DB04
(57)【要約】
【課題】複数の部材同士を溶接工法を用いなくとも互いに接合することが可能な構成を備えた乗物用シートを得る。
【解決手段】乗物用シートは、シートクッション、シートバックおよびシートフレームを備える。シートフレームは、第1係合爪10Fおよび第1受圧面10Gが設けられた第1部材10と、第2係合爪20Fおよび第2受圧面20Gが設けられた第2部材20と、第1凹所30Dおよび第2凹所30Eが設けられた第3部材30と、第1受圧面10Gと第2受圧面20Gとに対向するように配置される挿入部材70Lとを備える。第1凹所30Dの内側に第1係合爪10Fが配置され、第2凹所30Eの内側に第2係合爪20Fが配置され、且つ、挿入部材70Lが第1受圧面10Gと第2受圧面20Gとを押圧していることにより、第1係合爪10Fは第1凹所30Dに係合し、第2係合爪20Fは第2凹所30Eに係合している。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションおよびシートバックと、
前記シートクッションおよび前記シートバックの骨格をなすシートフレームと、を備え、
前記シートフレームは、
第1係合爪および第1受圧面が設けられた第1部材と、
第2係合爪および第2受圧面が設けられた第2部材と、
第1凹所および第2凹所が設けられた第3部材と、
前記第1受圧面と前記第2受圧面とに対向するように配置される挿入部材と、を備え、
前記第1凹所の内側に前記第1係合爪が配置され、前記第2凹所の内側に前記第2係合爪が配置され、且つ、前記挿入部材が前記第1受圧面と前記第2受圧面とを押圧していることにより、前記第1係合爪は前記第1凹所に係合し、前記第2係合爪は前記第2凹所に係合している、
乗物用シート。
【請求項2】
前記第1凹所と前記第2凹所とは、相互に対向するように形成されている、
請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記挿入部材は、
前記第1受圧面と前記第2受圧面との間に挿入される軸部と、
前記軸部のシート幅方向における外側に設けられ、前記第1部材、前記第2部材および前記第3部材にシート幅方向における外側から接触することで、前記第1部材と前記第2部材と前記第3部材とのシート幅方向における相対位置を規定する、頭部と、を有する、
請求項1または2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記第1部材は、一対のサイドフレームの間に配置されるクッションパネルであり、前記第1係合爪および前記第1受圧面は、前記クッションパネルの前端部に設けられ、
前記第2部材は、前記サイドフレームを構成している後側フレーム部であり、前記後側フレーム部は、上方前端部と下方前端部とを有し、前記第2係合爪および前記第2受圧面は、前記下方前端部に設けられ、
前記第3部材は、前記サイドフレームを構成している前側フレーム部であり、前記前側フレーム部は、上方後端部と下方後端部とを有し、前記第1凹所および前記第2凹所は、前記下方後端部に設けられる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記第3部材の前記下方後端部は、下方側が開放された凹形状を有しており、前記第1凹所および前記第2凹所は、当該凹形状の内側に形成されている、
請求項4に記載の乗物用シート。
【請求項6】
前記第1凹所は、前記第2凹所よりも前方側に設けられ、
前記クッションパネルとしての前記第1部材は、前記後側フレーム部としての前記第2部材の下方に配置されている、
請求項5に記載の乗物用シート。
【請求項7】
前記第1部材、前記第2部材および前記第3部材の各々は、シート幅方向に対して直交する方向において一定の断面形状を有するアルミニウム合金製またはマグネシウム合金製の押し出し材から切り出されることで構成されている、
請求項1から6のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
乗物用シートの内部には、その骨格をなすシートフレームが設けられる。シートフレームは、シートバック内に配置されるバックフレームと、シートクッション内に配置されるクッションフレームとを有する。特開2015−003645号公報(特許文献1)に開示されているように、シートフレームを構成する各種の部材を組み立てるに当たり、複数の部材同士を溶接にて接合するという技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−003645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シートフレームを構成する各種の部材同士を溶接にて接合する場合には、その部材同士を接合する工程において生産性をさらに向上させることが困難となる。溶接用設備も別途必要となり、溶接用の加工費も必要となる。シートフレームを構成する各種の部材同士は溶接工法を用いないで接合できることが好ましい。
【0005】
本明細書は、シートフレームを構成する各種の部材を溶接工法を用いなくとも互いに接合することが可能な構成を備えた乗物用シートを開示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に基づく乗物用シートは、シートクッションおよびシートバックと、上記シートクッションおよび上記シートバックの骨格をなすシートフレームと、を備え、上記シートフレームは、第1係合爪および第1受圧面が設けられた第1部材と、第2係合爪および第2受圧面が設けられた第2部材と、第1凹所および第2凹所が設けられた第3部材と、上記第1受圧面と上記第2受圧面とに対向するように配置される挿入部材と、を備え、上記第1凹所の内側に上記第1係合爪が配置され、上記第2凹所の内側に上記第2係合爪が配置され、且つ、上記挿入部材が上記第1受圧面と上記第2受圧面とを押圧していることにより、上記第1係合爪は上記第1凹所に係合し、上記第2係合爪は上記第2凹所に係合している。
【0007】
上記乗物用シートにおいて好ましくは、上記第1凹所と上記第2凹所とは、相互に対向するように形成されている。
【0008】
上記乗物用シートにおいて好ましくは、上記挿入部材は、上記第1受圧面と上記第2受圧面との間に挿入される軸部と、上記軸部のシート幅方向における外側に設けられ、上記第1部材、上記第2部材および上記第3部材にシート幅方向における外側から接触することで、上記第1部材と上記第2部材と上記第3部材とのシート幅方向における相対位置を規定する、頭部と、を有する。
【0009】
上記乗物用シートにおいて好ましくは、上記第1部材は、一対のサイドフレームの間に配置されるクッションパネルであり、上記第1係合爪および上記第1受圧面は、上記クッションパネルの前端部に設けられ、上記第2部材は、上記サイドフレームを構成している後側フレーム部であり、上記後側フレーム部は、上方前端部と下方前端部とを有し、上記第2係合爪および上記第2受圧面は、上記下方前端部に設けられ、上記第3部材は、上記サイドフレームを構成している前側フレーム部であり、上記前側フレーム部は、上方後端部と下方後端部とを有し、上記第1凹所および上記第2凹所は、上記下方後端部に設けられる。
【0010】
上記乗物用シートにおいて好ましくは、上記第3部材の上記下方後端部は、下方側が開放された凹形状を有しており、上記第1凹所および上記第2凹所は、当該凹形状の内側に形成されている。
【0011】
上記乗物用シートにおいて好ましくは、上記第1凹所は、上記第2凹所よりも前方側に設けられ、上記クッションパネルとしての上記第1部材は、上記後側フレーム部としての上記第2部材の下方に配置されている。
【0012】
上記乗物用シートにおいて好ましくは、上記第1部材、上記第2部材および上記第3部材の各々は、シート幅方向に対して直交する方向において一定の断面形状を有するアルミニウム合金製またはマグネシウム合金製の押し出し材から切り出されることで構成されている。
【発明の効果】
【0013】
本明細書に開示された乗物用シートによれば、シートフレームを構成する各種の部材を溶接工法を用いなくとも互いに接合することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】乗物用シート100の概略構成を示す側面図である。
図2】クッションフレーム4を示す側面図である。
図3】クッションフレーム4を左斜め上前方から見た際に視認されるクッションフレーム4の外観態様を示す斜視図である。
図4】クッションフレーム4を左斜め上後方から見た際に視認されるクッションフレーム4の外観態様を示す斜視図である。
図5】クッションフレーム4を構成しているクッションパネル10、後側フレーム部20、前側フレーム部30およびビス70Lの互いに分離された状態を示す斜視図である。
図6図2中のVI線で囲まれた領域を拡大して示す側面図である。
図7】クッションフレーム4を構成しているクッションパネル10、後側フレーム部20および前側フレーム部30からビス70Lを取り除いた状態を示す側面図である。
図8】第1変形例における乗物用シートの一部を示す側面図である。
図9】第2変形例における乗物用シートの一部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0016】
[乗物用シート100]
図1は、乗物用シート100の概略構成を示す側面図である。乗物用シート100は、シートクッション1とシートバック2とを備え、たとえば自動車の後部側座席として利用される。乗物用シート100の内部にはシートフレーム3が設けられる。シートフレーム3は、シートクッション1およびシートバック2の骨格をなしている。本実施の形態のシートフレーム3は、シートクッション1の内部に配置されるクッションフレーム4と、シートバック2の内部に配置されるバックフレーム5とを有する。
【0017】
[クッションフレーム4]
図2は、クッションフレーム4を示す側面図である。図3は、クッションフレーム4を左斜め上前方から見た際に視認されるクッションフレーム4の外観態様を示す斜視図である。図4は、クッションフレーム4を左斜め上後方から見た際に視認されるクッションフレーム4の外観態様を示す斜視図である。図5は、クッションフレーム4を構成しているクッションパネル10、後側フレーム部20、前側フレーム部30およびビス70Lの互いに分離された状態を示す斜視図である。
【0018】
図2図4に示すように、クッションフレーム4は、クッションパネル10、フロントパネル40、一対のサイドフレーム50L,50R、および、一対のビス70L,70R(図3図4)を備える。サイドフレーム50L,50Rは、乗物用シート100の左右方向、すなわちシート幅方向において相互に離間して配置される。フロントパネル40およびクッションパネル10は、サイドフレーム50L,50Rの間に配置され、前後方向において相互に離間している。本実施の形態においては、クッションパネル10は、後側フレーム部20の下方に配置される。
【0019】
フロントパネル40は、サイドフレーム50L,50Rの前側部分同士を接続している。クッションパネル10は、サイドフレーム50L,50Rの後側部分同士を接続している。サイドフレーム50L,50Rの各々は、後側フレーム部20と前側フレーム部30とを有する。本実施の形態では、クッションパネル10が「第1部材」に相当し、後側フレーム部20が「第2部材」に相当し、前側フレーム部30が「第3部材」に相当する。
【0020】
サイドフレーム50Lに備えられる後側フレーム部20と、サイドフレーム50Rに備えられる後側フレーム部20とは、互いに同一の構成を有する。サイドフレーム50Lに備えられる前側フレーム部30と、サイドフレーム50Rに備えられる前側フレーム部30とは、互いに同一の構成を有する。
【0021】
(フロントパネル40)
フロントパネル40は、下面部40A、前端部40B、後端部40C、上面部40P、中間接続部40Q、湾曲部40R、嵌合溝40G、および支持リブ40Lを備え、これらはいずれも、シート幅方向に延びるように形成されている。フロントパネル40は、シート幅方向に対して直交する方向において一定の断面形状を有するアルミニウム合金製またはマグネシウム合金製の押し出し材から切り出されることで作製される。
【0022】
上面部40Pは、板状の形状を有し、前端部40Bから中間接続部40Qまで延在している。上面部40Pのうちの前端部40Bと中間接続部40Qとの間の位置には、湾曲部40Rが設けられる。前端部40Bと湾曲部40Rとの間には嵌合溝40Gが設けられる。嵌合溝40Gは、上方側が開放された凹形状を有しており、シート幅方向に延びている。
【0023】
下面部40Aは、板状の形状を有し、前端部40Bと中間接続部40Qとを接続しているとともに、前端部40Bから後端部40Cまで延在している。中間接続部40Qは、下方側が開放された凹形状を有しており、シート幅方向に延びている。支持リブ40Lは、下面部40Aから起立しており、下面部40Aから湾曲部40Rに向かって延びている。
【0024】
(クッションパネル10(第1部材))
図6は、図2中のVI線で囲まれた領域を拡大して示す側面図である。図5および図6を主として参照して、クッションパネル10(図5)は、基台部10A、前端部10B、後端部10C、および複数のリブ10Dを備え、これらはいずれも、シート幅方向に延びるように形成されている。クッションパネル10も、シート幅方向に対して直交する方向において一定の断面形状を有するアルミニウム合金製またはマグネシウム合金製の押し出し材から切り出されることで作製される。
【0025】
基台部10Aは板状の形状を有し、基台部10Aのうちの前端部10Bと後端部10Cとの間の部分は湾曲している(図5)。前端部10Bには、立壁部10Eと係合爪10F(第1係合爪)とが設けられる。立壁部10Eは、基台部10Aと係合爪10Fとの間に設けられ(図6)、立壁部10Eのうちの後側に位置する表面は、受圧面10G(第1受圧面)を構成している。係合爪10Fは、立壁部10Eの上部に設けられ、前側を向くように形成されている。
【0026】
複数のリブ10Dは、基台部10Aにおける前端部10Bと後端部10Cとの間に設けられ、前後方向において間隔を空けて並んで形成されている。リブ10D、および後端部10Cは、いずれも側面視で略L字状の形状を有し、シート幅方向に沿って延びている。複数のうちの最も後側に位置するリブ10D(10Da)は、後端部10Cと互いに向き合っている(図5)。
【0027】
(後側フレーム部20(第2部材))
後側フレーム部20(図5参照)は、下面部20A、下方前端部20B、後端部20C、上面部20P、上方前端部20Q、接続部20R、複数の支持リブ20Lおよび複数のリブ20Dを備え、これらはいずれも、シート幅方向に延びるように形成されている。後側フレーム部20も、シート幅方向に対して直交する方向において一定の断面形状を有するアルミニウム合金製またはマグネシウム合金製の押し出し材から切り出されることで作製される。
【0028】
上面部20Pは、板状の形状を有し、上方前端部20Qから接続部20Rまで延在している。上方前端部20Qは、下向きに突出する凸形状を有する。下面部20Aは、板状の形状を有し、下方前端部20Bから接続部20Rまで延在している。上面部20Pおよび下面部20Aは相互に対向しており、接続部20Rの位置で互いに接続している。複数の支持リブ20Lは、上面部20Pと下面部20Aとの間に設けられる。
【0029】
下方前端部20Bには、立壁部20Eと係合爪20F(第2係合爪)とが設けられる。立壁部20Eは、下面部20Aと係合爪20Fとの間に設けられ(図6)、立壁部20Eのうちの前側に位置する表面は、受圧面20G(第2受圧面)を構成している。係合爪20Fは、立壁部20Eの上部に設けられ、後側を向くように形成されている。
【0030】
複数のリブ20Dは、下面部20Aにおける下方前端部20Bと後端部20Cとの間に設けられ、前後方向において間隔を空けて並んで形成されている。リブ20Dおよび後端部20Cは、いずれも側面視で略L字状の形状を有し、シート幅方向に沿って延びている。複数のうちの最も後側に位置するリブ20D(20Da)は、後端部20Cと反対方向に向いている(図5)。
【0031】
(前側フレーム部30(第3部材))
前側フレーム部30(図5)は、下面部30A、下方前端部30B、下方後端部30C、上面部30P、上方前端部30Q、上方後端部30R、および複数の支持リブ30Lを備え、これらはいずれも、シート幅方向に延びるように形成されている。前側フレーム部30も、シート幅方向に対して直交する方向において一定の断面形状を有するアルミニウム合金製またはマグネシウム合金製の押し出し材から切り出されることで作製される。
【0032】
上面部30Pは、板状の形状を有し、上方前端部30Qから上方後端部30Rまで延在している。下面部30Aは、板状の形状を有し、下方前端部30Bから下方後端部30Cまで延在している。上面部30Pおよび下面部30Aは相互に対向しており、複数の支持リブ30Lは、上面部30Pと下面部30Aとの間に設けられる。
【0033】
上方前端部30Qは、下向きに突出する凸形状を有し、上方後端部30Rは、上方側が開放された凹形状を有する。下方前端部30Bは、上向きに突出する凸形状を有する。下方後端部30C(図6)は、下方側が開放された凹形状を有しており、当該凹形状の内側には、凹所30D(第1凹所)、凹所30E(第2凹所)、および、突出部30Fが設けられる。
【0034】
図6に示すように、凹所30Dは、凹所30Eよりも前方側に設けられる。本実施の形態では、凹所30Dは、突出部30Fから見て前方側に設けられ、凹所30Eは、突出部30Fから見て後方側に設けられる。本実施の形態では、凹所30D,30Eは相互に対向するように形成されている。
【0035】
[フロントパネル40と前側フレーム部30との組立て]
フロントパネル40(図2図4)に設けられた嵌合溝40Gおよび中間接続部40Qは、シート幅方向に延びている。嵌合溝40Gにはサイドフレーム50L,50R(前側フレーム部30,30)の各々の上方前端部30Qが嵌め込まれる。嵌合溝40Gと上方前端部30Qとはシート幅方向において相互に摺接しながら嵌合する。中間接続部40Qにはサイドフレーム50L,50R(前側フレーム部30,30)の各々の下方前端部30Bが嵌め込まれる。中間接続部40Qと下方前端部30Bとはシート幅方向において相互に摺接しながら嵌合する。
【0036】
中間接続部40Qと下方前端部30Bとの間には、隙間(円柱状の空間)を形成してもよい。この隙間には、シート幅方向における外側から図示しないビスが挿入される。ビスの挿入によって、下方前端部30Bは自身の内径(曲率半径)が拡大されるように変形し、下方前端部30Bの外表面は中間接続部40Qの内表面に圧接される。中間接続部40Qと下方前端部30Bとは、より強い力で嵌合することが可能となる。
【0037】
[クッションパネル10、後側フレーム部20および前側フレーム部30の組立て]
クッションパネル10は、後側フレーム部20の下方に配置される。クッションパネル10(図2図4)に設けられた後端部10Cおよびリブ10Dは、シート幅方向に延びている。クッションパネル10の後端部10Cの内側には、後側フレーム部20の後端部20Cが嵌め込まれる。後端部10C,20Cは、シート幅方向において相互に摺接しながら嵌合する。複数のリブ10D,20Dについても同様に、これらの各々はシート幅方向において相互に摺接しながら嵌合する。
【0038】
後端部20Cとリブ20D(20Da)との間には、隙間(円柱状の空間)を形成してもよい。この隙間には、シート幅方向における外側から図示しないビスが挿入される。ビスの挿入によって、後端部20Cは自身の内径が拡大されるように変形し、後端部20Cの外表面は後端部10Cの内表面に圧接される。後端部10C,20Cはより強い力で嵌合することが可能となる。同様に、リブ20D(20Da)も自身の内径が拡大されるように変形し、リブ20D(20Da)の外表面はリブ10D(10Da)の内表面に圧接される。リブ10D(10Da)とリブ20D(20Da)とはより強い力で嵌合することが可能となる。
【0039】
前側フレーム部30の上方後端部30Rの内側に、後側フレーム部20の上方前端部20Qが嵌め込まれる。上方後端部30Rと上方前端部20Qとは、シート幅方向において相互に摺接しながら嵌合する。前側フレーム部30の下方後端部30Cの内側に、後側フレーム部20の下方前端部20Bと、クッションパネル10の前端部10Bとが配置される。図7は、クッションフレーム4を構成しているクッションパネル10、後側フレーム部20および前側フレーム部30からビス70Lを取り除いた状態を示す側面図である。
【0040】
図6および図7に示すように、下方後端部30Cの内側に下方前端部20Bと前端部10Bとが配置される。下方後端部30Cの内側に下方前端部20Bと前端部10Bとを配置しやすいように、下方後端部30Cの内表面の形状よりも、下方前端部20Bの外表面および前端部10Bの外表面は一回り小さく形成されているとよい。下方後端部30Cの突出部30Fと、前端部10Bの受圧面10Gと、下方前端部20Bの受圧面20Gとの間に、略円柱状の形状を有する隙間S(図7)が形成される。隙間Sには、シート幅方向における外側からビス70L(挿入部材)が挿入される。
【0041】
ビス70L(図6)は、頭部71および軸部72を備える。軸部72は、隙間Sよりも大きな直径を有しており、シート幅方向における外側から受圧面10G,20Gの間(隙間Sの中)に向かって圧入される。このような構成に限られず、軸部72の外周面に雄ネジを形成し、軸部72は、受圧面10G,20Gに雌ネジを形成するようにして回転しながら受圧面10G,20Gの間に挿入されてもよい。
【0042】
凹所30Dの内側に係合爪10Fが配置され、凹所30Eの内側に係合爪20Fが配置され、ビス70Lが受圧面10G,20Gの間の隙間Sに配置された状態では、軸部72は受圧面10Gに対向しているとともに、受圧面10Gは軸部72によって前方側に押圧される。押圧に伴う付勢力が組立状態において残留することとなり、係合爪10Fの外表面は凹所30Dの内表面に圧接され、係合爪10Fは凹所30Dにより強い力で係合することが可能となる。同様に、軸部72は受圧面20Gに対向しているとともに、受圧面20Gは軸部72によって後方側に押圧される。押圧に伴う付勢力が組立状態において残留することとなり、係合爪20Fの外表面は凹所30Eの内表面に圧接され、係合爪20Fは凹所30Eにより強い力で係合することが可能となる。これらの機構は、もう一つの挿入部材としてのビス70R(図3図4)についても同様である。
【0043】
(作用および効果)
前側フレーム部30および後側フレーム部20は、ビス70Lおよびクッションパネル10の前端部10Bと協働しながら互いに一体化され、サイドフレーム50Lを構成する。ビス70Rおよびサイドフレーム50Rについても同様である。サイドフレーム50L,50Rは、フロントパネル40とクッションパネル10とを介して互いに一体化され、クッションフレーム4を構成することとなる。
【0044】
本実施の形態においては、ビス70L,70Rが受圧面10G,20Gを押圧するような態様で、係合爪10Fが凹所30Dに係合し、係合爪20Fが凹所30Eに係合している。これらの係合によって、クッションパネル10、後側フレーム部20および前側フレーム部30が一体化される。乗物用シート100(図1)の骨格をなすこれらの各部材同士を、溶接工法を用いなくとも互いに接合することができるため、溶接用の設備や溶接用の加工費の分、製造費用を安く抑えることが可能となる。リベットなどを用いてこれらを接合する場合に比べても、本実施の形態によれば同様の理由により製造費用を安く抑えることが可能となる。
【0045】
上述のとおり、凹所30D(第1凹所)と凹所30E(第2凹所)とは相互に対向するように形成されている。凹所30Dと凹所30Eとを結ぶ直線を仮想的に描いたとすると、受圧面10G,20Gはこの直線に対していずれも略直交する関係を有している。ビス70L,70Rが受圧面10G,20Gを押圧し、この押圧に伴って付勢力が生じている。上記のような略直交する関係が成立しているため、この付勢力は効率よく、係合爪10Fと凹所30Dとの係合に活用され、係合爪20Fと凹所30Eとの係合に活用されている。
【0046】
ビス70L,70Rの双方について、頭部71は軸部72のシート幅方向における外側に設けられる。ビス70L,70Rの各々の頭部71が、クッションパネル10の立壁部10E、後側フレーム部20の立壁部20E、および前側フレーム部30の突出部30Fにシート幅方向における外側から接触することで、クッションパネル10、後側フレーム部20および前側フレーム部30のシート幅方向における相対位置を規定できる。すなわち、頭部71のうちの軸部72側の端面を立壁部10Eの外側端面、立壁部20Eの外側端面および突出部30Fの外側端面に押し当てることで、これらの外側端面同士を面一に揃えることが可能となる。
【0047】
[第1変形例]
上述の実施の形態においては、クッションパネル10が「第1部材」に相当し、後側フレーム部20が「第2部材」に相当し、前側フレーム部30が「第3部材」に相当する。一方で、図8に示す態様(第1変形例)においては、クッションパネル10が「第1部材」に相当し、前側フレーム部30が「第2部材」に相当し、後側フレーム部20が「第3部材」に相当する。
【0048】
図8に示すように、クッションパネル10の前端部10Bには、立壁部10Jと係合爪10K(第1係合爪)とが設けられる。立壁部10Jは、基台部10Aと係合爪10Kとの間に設けられ、立壁部10Jのうちの斜め上前方側に位置する表面は、受圧面10G(第1受圧面)を構成している。係合爪10Kは、立壁部10Jの上部に設けられ、後側を向くように形成されている。
【0049】
前側フレーム部30の下方後端部30Cには、立壁部30Jと係合爪30K(第2係合爪)とが設けられる。立壁部30Jは、下面部30Aと係合爪30Kとの間に設けられ、立壁部30Jのうちの斜め上後方側に位置する表面は、受圧面30G(第2受圧面)を構成している。係合爪30Kは、立壁部30Jの上部に設けられ、前側を向くように形成されている。
【0050】
後側フレーム部20の下方前端部20Bは、下方側が開放された凹形状を有しており、下方前端部20Bの内側には、凹所20M(第1凹所)および凹所20N(第2凹所)が設けられる。凹所20M,20Nは相互に対向するように形成されている。
【0051】
凹所20M(第1凹所)の内側に係合爪10K(第1係合爪)が配置され、凹所20N(第2凹所)の内側に係合爪30K(第2係合爪)が配置される。下方前端部20Bの内表面20Uと、前端部10Bの受圧面10Gと、下方後端部30Cの受圧面30Gとの間に、略円柱状の形状を有する隙間が形成される。この隙間に、シート幅方向における外側からビス70Lが挿入される。
【0052】
凹所20Mの内側に係合爪10Kが配置され、凹所20Nの内側に係合爪30Kが配置され、ビス70Lが上記隙間に配置された状態では、受圧面10Gは軸部72によって斜め下後方側に押圧される。押圧に伴う付勢力が組立状態において残留することとなり、係合爪10Kの外表面は凹所20Mの内表面に圧接され、係合爪10Kは凹所20Mにより強い力で係合することが可能となる。同様に、受圧面30Gは軸部72によって斜め下前方側に押圧される。押圧に伴う付勢力が組立状態において残留することとなり、係合爪30Kの外表面は凹所20Nの内表面に圧接され、係合爪30Kは凹所20Nにより強い力で係合することが可能となる。これらの機構はビス70Rについても同様である。乗物用シートの骨格をなすこれらの各部材同士を溶接工法を用いなくとも互いに接合することが可能となる。
【0053】
[第2変形例]
図9に示す態様(第2変形例)においては、前側フレーム部30が「第1部材」に相当し、後側フレーム部20が「第2部材」に相当し、クッションパネル10が「第3部材」に相当する。
【0054】
図9に示すように、前側フレーム部30の下方後端部30Cには、立壁部30Jと係合爪30K(第1係合爪)とが設けられる。立壁部30Jは、下面部30Aと係合爪30Kとの間に設けられ、立壁部30Jのうちの斜め下後方側に位置する表面は、受圧面30G(第1受圧面)を構成している。係合爪30Kは、立壁部30Jの下部に設けられ、前側を向くように形成されている。
【0055】
後側フレーム部20の下方前端部20Bには、立壁部20Jと係合爪20K(第2係合爪)とが設けられる。立壁部20Jは、下面部20Aと係合爪20Kとの間に設けられ、立壁部20Jのうちの斜め下前方側に位置する表面は、受圧面20G(第2受圧面)を構成している。係合爪20Kは、立壁部20Jの下部に設けられ、後側を向くように形成されている。
【0056】
クッションパネル10の前端部10Bは、上方側が開放された凹形状を有しており、前端部10Bの内側には、凹所10N(第1凹所)および凹所10M(第2凹所)が設けられる。凹所10N,10Mは相互に対向するように形成されている。
【0057】
凹所10N(第1凹所)の内側に係合爪30K(第1係合爪)が配置され、凹所10M(第2凹所)の内側に係合爪20K(第2係合爪)が配置される。前端部10Bの内表面10Uと、下方後端部30Cの受圧面30Gと、下方前端部20Bの受圧面20Gとの間に、略円柱状の形状を有する隙間が形成される。この隙間に、シート幅方向における外側からビス70Lが挿入される。
【0058】
凹所10Nの内側に係合爪30Kが配置され、凹所10Mの内側に係合爪20Kが配置され、ビス70Lが上記隙間に配置された状態では、受圧面30Gは軸部72によって斜め上前方側に押圧される。押圧に伴う付勢力が組立状態において残留することとなり、係合爪30Kの外表面は凹所10Nの内表面に圧接され、係合爪30Kは凹所10Nにより強い力で係合することが可能となる。同様に、受圧面20Gは軸部72によって斜め上後方側に押圧される。押圧に伴う付勢力が組立状態において残留することとなり、係合爪20Kの外表面は凹所10Mの内表面に圧接され、係合爪20Kは凹所10Mにより強い力で係合することが可能となる。これらの機構はビス70Rについても同様である。乗物用シートの骨格をなすこれらの各部材同士を溶接工法を用いなくとも互いに接合することが可能となる。
【0059】
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0060】
1 シートクッション、2 シートバック、3 シートフレーム、4 クッションフレーム、5 バックフレーム、10 クッションパネル、10A 基台部、10B,40B 前端部、10C,20C,40C 後端部、10D,20D リブ、10E,10J,20E,20J,30J 立壁部、10F,10K,20F,20K,30K 係合爪、10G,20G,30G 受圧面、10M,10N,20M,20N,30D,30E 凹所、10U,20U 内表面、20 後側フレーム部、20A,30A,40A 下面部、20B,30B 下方前端部、20L,30L,40L 支持リブ、20P,30P,40P 上面部、20Q,30Q 上方前端部、20R 接続部、30 前側フレーム部、30C 下方後端部、30F 突出部、30R 上方後端部、40 フロントパネル、40G 嵌合溝、40Q 中間接続部、40R 湾曲部、50L,50R サイドフレーム、70L,70R ビス、71 頭部、72 軸部、100 乗物用シート、S 隙間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9