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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-143631(P2019-143631A)
(43)【公開日】2019年8月29日
(54)【発明の名称】送風装置および空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 27/00 20060101AFI20190802BHJP
   F04D 25/16 20060101ALI20190802BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20190802BHJP
   F24F 1/0029 20190101ALI20190802BHJP
   F24F 13/08 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   F04D27/00 101Y
   F04D25/16
   F04D27/00 101N
   F24F11/74
   F24F1/0029
   F24F13/08 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2019-30061(P2019-30061)
(22)【出願日】2019年2月22日
(31)【優先権主張番号】特願2018-30601(P2018-30601)
(32)【優先日】2018年2月23日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】川原 啓太
(72)【発明者】
【氏名】奥野 文
(72)【発明者】
【氏名】長治 雅彦
【テーマコード(参考)】
3H021
3H130
3L049
3L081
3L260
【Fターム(参考)】
3H021AA06
3H021AA08
3H021BA06
3H021BA20
3H021CA04
3H021DA04
3H021DA21
3H021EA03
3H021EA11
3H021EA12
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AB62
3H130AB66
3H130AB70
3H130AC11
3H130AC25
3H130BA69Z
3H130BA72C
3H130BA72G
3H130CA06
3H130DA02Z
3H130DD01Z
3H130DF01X
3H130DF03X
3H130DG03X
3H130EB05J
3L049BB10
3L049BC01
3L081AA02
3L081AB02
3L260AB15
3L260BA07
3L260CA36
3L260FA07
3L260FC04
3L260JA11
(57)【要約】
【課題】人間に向けて風を送る送風装置において、風を受けた人間の快適性を向上させる。
【解決手段】送風装置(10)は、本体部(15)と送風ファン(30)とを備える。本体部(15)には、吹出領域(16)が形成される。送風ファン(30)は、本体部(15)に設けられて吹出領域(16)へ向けて空気を送る。送風装置(10)は、対象仮想面(61)における風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上10以下となるように、吹出領域(16)から空気を吹き出す。対象仮想面(61)は、吹出領域(16)と向かい合う仮想の平面である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吹き出す吹出領域(16)が形成された本体部(15)と、該本体部(15)に設けられて上記吹出領域(16)へ向けて空気を流す送風部材(30)とを備え、
上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が1mであり、上下に延びる長辺の長さが60cmであり、左右に延びる短辺の長さが45cmである仮想面を前方仮想面(65)とし、
上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が3mであり、上下に延びる長辺の長さが180cmであり、左右に延びる短辺の長さが90cmである仮想面を後方仮想面(67)とし、
上記前方仮想面及び上記後方仮想面を底面とする四角錐台形状の仮想の空間を対象仮想空間(60)とし、
上記対象仮想空間(60)に含まれ且つ上記前方仮想面(65)と平行な仮想面の少なくとも一つを対象仮想面(61)としたときに、
上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上10以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出す
ことを特徴とする送風装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上5以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出す
ことを特徴とする送風装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上2.5以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出す
ことを特徴とする送風装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が2mであり、上下に延びる長辺の長さが120cmであり、左右に延びる短辺の長さが67.5cmである仮想面を中間仮想面(66)としたときに、
上記対象仮想面(61)は、上記対象仮想空間(60)のうち上記前方仮想面(65)と上記中間仮想面(66)の間の部分に位置している
ことを特徴とする送風装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
上記対象仮想面(61)は、上記後方仮想面(67)である
ことを特徴とする送風装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
上記送風部材は、上記吹出領域(16)に面して配置された複数の送風ファン(30)である
ことを特徴とする送風装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
上記本体部(15)は、空気が通過可能に構成されて上記吹出領域(16)の全体に設けられた整流部材(17)を備え、
上記送風部材(30)は、上記整流部材(17)の上流に配置された送風ファン(30)である
ことを特徴とする送風装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一つにおいて、
予め取得し又はリアルタイムに取得した屋外の自然風の風速の変動パターンを含む風速データに基づいて、上記吹出領域(16)から吹き出される空気の流速の変動パターンが上記風速データに含まれる風速の変動パターンとなるように上記送風部材(30)の動作を制御する制御器(40)を備えている
ことを特徴とする送風装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一つの送風装置(10)と、
上記送風装置(10)へ吸い込まれる供給空気を熱媒体と熱交換させて上記供給空気の温度を調節する熱交換器(55)とを備えている
ことを特徴とする空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送風装置と、それを備えた空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の軸流送風機を備えた送風装置が開示されている。この送風装置は、送風機から吹き出された気流による誘引作用を利用し、比較的大きな送風量を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−089734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋外の自然環境において吹いている風(自然風)は、標準的な成人男性の前面投影面積(概ね、0.6平方メートル)程度の領域において、その領域の各部における風速の差が比較的小さい。このため、自然風を受ける人間は、その身体の各部に受ける風の速度の差が比較的小さい。
【0005】
一方、特許文献1に開示されたものを含む従来の送風装置は、大きな送風量を得たり、風速を高めて気流の到達距離を伸ばすことを考慮して構成されたものが多い。つまり、従来の送風装置において、比較的広い領域の風速分布を平均化することは、それほど重視されていなかった。そのため、従来の送風装置から吹き出された風を浴びる人間は、その身体の各部に受ける風の速度の差が比較的大きいのが通常である。従って、従来の送風装置は、自然風を受けたときと同等の快適性を人間に与えることができなかった。
【0006】
本開示の目的は、人間に向けて風を送る送風装置において、風を受けた人間の快適性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、送風装置を対象とし、空気を吹き出す吹出領域(16)が形成された本体部(15)と、該本体部(15)に設けられて上記吹出領域(16)へ向けて空気を流す送風部材(30)とを備え、上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が1mであり、上下に延びる長辺の長さが60cmであり、左右に延びる短辺の長さが45cmである仮想面を前方仮想面(65)とし、上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が3mであり、上下に延びる長辺の長さが180cmであり、左右に延びる短辺の長さが90cmである仮想面を後方仮想面(67)とし、上記前方仮想面(65)及び上記後方仮想面(67)を底面とする四角錐台形状の仮想の空間を対象仮想空間(60)とし、上記対象仮想空間(60)に含まれ且つ上記前方仮想面(65)と平行な仮想面の少なくとも一つを対象仮想面(61)としたときに、上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上10以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出すものである。
【0008】
第1の態様では、送風部材(30)によって生起した空気流が、吹出領域(16)から対象仮想面(61)へ向けて送り出される。対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上10以下となる。そのため、吹出領域(16)からの風を受ける人間は、その身体の各部に受ける風の速度の差が比較的小さい状態となる。従って、この態様によれば、送風装置(10)からの風を受けた人間の快適性を向上させることが可能となる。
【0009】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上5以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出すものである。
【0010】
第2の態様の送風装置(10)から吹き出された空気が流れる対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上5以下となる。
【0011】
本開示の第3の態様は、上記第1の態様において、上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上2.5以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出すものである。
【0012】
第3の態様の送風装置(10)から吹き出された空気が流れる対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上2.5以下となる。
【0013】
本開示の第4の態様は、上記第1〜第3のいずれか一つの態様において、上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が2mであり、上下に延びる長辺の長さが120cmであり、左右に延びる短辺の長さが67.5cmである仮想面を中間仮想面(66)としたときに、上記対象仮想面(61)は、上記対象仮想空間(60)のうち上記前方仮想面(65)と上記中間仮想面(66)の間の部分に位置しているものである。
【0014】
第4の態様では、対象仮想空間(60)のうち前方仮想面(65)と中間仮想面(66)の間の部分に含まれ、且つ前方仮想面(65)と平行な仮想面の少なくとも一つが、対象仮想面(61)となる。
【0015】
本開示の第5の態様は、上記第1〜第3のいずれか一つの態様において、上記対象仮想面(61)は、上記後方仮想面(67)であるものである。
【0016】
第5の態様では、後方仮想面(67)が対象仮想面(61)となる。第5の態様の送風装置(10)から吹き出された空気が流れる後方仮想面(67)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が所定の数値範囲内の値となる。
【0017】
本開示の第6の態様は、上記第1〜第5のいずれか一つの態様において、上記送風部材は、上記吹出領域(16)に面して配置された複数の送風ファン(30)であるものである。
【0018】
第6の態様では、複数の送風ファン(30)が送風部材(30)として送風装置(10)に設けられる。送風ファン(30)が作動すると、本体部(15)の吹出領域(16)から風が吹き出される。
【0019】
本開示の第7の態様は、上記第1〜第5のいずれか一つの態様において、上記本体部(15)は、空気が通過可能に構成されて上記吹出領域(16)の全体に設けられた整流部材(17)を備え、上記送風部材(30)は、上記整流部材(17)の上流に配置された送風ファン(30)であるものである。
【0020】
第7の態様では、送風ファン(30)が送風部材(30)として送風装置(10)に設けられる。送風ファン(30)から吹き出された空気は、整流部材(17)を通過する際に整流された後に吹出領域(16)から吹き出される。
【0021】
本開示の第8の態様は、上記第1〜第7のいずれか一つの態様において、予め取得し又はリアルタイムに取得した屋外の自然風の風速の変動パターンを含む風速データに基づいて、上記吹出領域(16)から吹き出される空気の流速の変動パターンが上記風速データに含まれる風速の変動パターンとなるように上記送風部材(30)の動作を制御する制御器(40)を備えるものである。
【0022】
第8の態様では、吹出領域(16)から吹き出される空気の流速の変動パターンが風速データに含まれた風速の変動パターン(即ち、屋外の自然風の風速の変動パターン)となるように、制御器(40)が送風部材(30)の動作を制御する。つまり、この態様によれば、風速データに含まれた自然風の風速の変動パターンを、送風装置(10)によって再現することが可能となる。
【0023】
本開示の第9の態様は、空気調和装置を対象とし、上記第1〜第8のいずれか一つの態様の送風装置(10)と、上記送風装置(10)へ吸い込まれる供給空気を熱媒体と熱交換させて上記供給空気の温度を調節する熱交換器(55)とを備えるものである。
【0024】
第9の態様では、熱交換器(55)を通過する際に温度調節された供給空気が、送風装置(10)によって吹き出される。従って、この態様の空気調和装置(50)によれば、送風装置(10)から吹き出される空気の流速と温度の両方を調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、実施形態1の送風装置の本体部の概略正面図である。
図2図2は、実施形態1の送風装置の本体部と対象仮想空間とを示す概略斜視図である。
図3図3は、実施形態1の送風装置の本体部と対象仮想空間とを示す概略側面図である。
図4図4は、実施形態1の送風装置の使用状態を示す概略構成図である。
図5図5は、実施形態2の送風装置の本体部の概略正面図である。
図6図6は、図5のV−V断面を示す実施形態2の送風装置の本体部の概略断面図である
図7図7は、実施形態2の変形例1の送風装置の図6に相当する本体部の断面を示す概略断面図である。
図8図8は、実施形態2の変形例2の送風装置の図6に相当する本体部の断面を示す概略断面図である。
図9図9は、実施形態3の空気調和装置の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
《実施形態1》
実施形態1の送風装置(10)について、図1図4を適宜参照しながら説明する。
【0027】
−送風装置の構成−
〈本体部〉
図1及び図2に示すように、送風装置(10)は、本体部(15)を備える。本体部(15)は、前後方向の奥行きが比較的短い直方体状に形成される。本体部(15)は、左右方向の幅と上下方向の高さのそれぞれが、概ね1.6m程度である。なお、本体部(15)についての説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」は、図2に示す方向(即ち、本体部(15)を正面から見たときの方向)を意味する。
【0028】
本体部(15)には、送風部材としての送風ファン(30)が16個設けられる。本体部(15)において、16個の送風ファン(30)は、左右方向と上下方向のそれぞれに4個ずつマトリックス状に配置される。各送風ファン(30)は、羽根車(31)とシュラウド(32)とを備えた軸流送風機である。羽根車(31)は、いわゆるプロペラファンである。各送風ファン(30)において、シュラウド(32)は、羽根車(31)の周囲を囲うように配置される。また、図示しないが、各送風ファン(30)には、羽根車(31)を駆動するファンモータが設けられる。羽根車(31)は、ファンモータの出力軸に取り付けられる。
【0029】
本体部(15)において、16個の送風ファン(30)は、本体部(15)の前面に面している。本体部(15)の前面は、各送風ファン(30)から吹き出された空気が吹き出される吹出領域(16)を構成する。本実施形態の送風装置(10)において、吹出領域(16)は、左右方向の幅が1.6mで、上下方向の高さ1.6mの正方形状の平面である。
【0030】
〈制御器〉
図4に示すように、送風装置(10)は、制御器(40)を更に備える。図示しないが、制御器(40)は、制御プログラムを実行するCPUと、制御プログラムやそれを実行するのに必要なデータ等を記憶するメモリとを備える。
【0031】
制御器(40)は、インターネット等の通信回線(45)を介して、遠隔地の屋外に設置されたセンサユニット(46)と通信可能に接続される。図示しないが、センサユニット(46)は、設置された屋外の自然環境において吹いている風(自然風)の速度を計測する風速センサを一つ備えている。センサユニット(46)は、風速センサの計測値をリアルタイムに通信回線(45)を介して制御器(40)へ送信する。センサユニット(46)から制御器(40)へ送られるデータは、設置場所における自然風の変動パターンを記録した風速データである。
【0032】
制御器(40)は、センサユニット(46)から受信した風速データに基づいて、本体部(15)に設けられた送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を制御するように構成される。その際、制御器(40)は、全ての送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を同じ値に設定する。
【0033】
−送風装置の動作−
本実施形態の送風装置(10)において、各送風ファン(30)の羽根車(31)は、互いに同じ回転速度で回転する。従って、本体部(15)にマトリックス状に配置された16個の送風ファン(30)は、それぞれの吹出し風速が互いに概ね一致する。本体部(15)の前面である吹出領域(16)からは、16個の送風ファン(30)が吹き出した空気が、前方へ向かって吹き出される。
【0034】
各送風ファン(30)から吹き出されて吹出領域(16)を通過した空気は、互いに拡散し、それぞれの風速が平均化される。その結果、図2に示す対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比Vmax/Vminが、1以上10以下となる(1≦Vmax/Vmin≦10)。なお、対象仮想面(61)の各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比Vmax/Vminは、1以上5以下であるのが望ましく、1以上4以下であるのが望ましく、1以上3以下であるのが更に望ましく、1以上2.5以下であるのが望ましく、1以上2以下であるのが更に望ましい。
【0035】
−制御器の動作−
制御器(40)は、吹出領域(16)から吹き出される空気の流速の変動パターンが、センサユニット(46)から受信した風速データに含まれる風速の変動パターンとなるように、各送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を調節する。つまり、制御器(40)は、風速データに含まれる風速の計測値が上昇すると、各送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を増加させ、風速データに含まれる風速の計測値が低下すると、各送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を減少させる。その結果、吹出領域(16)と向かい合う対象仮想面(61)において、センサユニット(46)の設置場所における自然風の変動パターンが再現される。
【0036】
−対象仮想面におけるVmax/Vmin−
上述したように、本実施形態の送風装置(10)は、対象仮想面(61)の各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比Vmax/Vminを、1以上10以下としている。ここでは、その理由を説明する。
【0037】
一般的な空調機から吹き出される風とは異なり、屋外の自然環境において吹いている風(自然風)には、“比較的広い領域において風速分布が比較的小さい”という特性がある。そのことを確認するために、本実施形態の送風装置(10)の設計者らは、自然風の風速を実際に測定した。
【0038】
設計者らは、左右方向の幅が45cmで上下方向の高さが60cmの長方形の計測領域について、その各部における自然風の風速を測定した。計測領域には、20個の風速センサがマトリックス状に配置される。具体的に、計測領域には、その左右方向に4個の風速センサが15cm間隔で配置され、その上下方向に5個の風速センサが15cm間隔で配置される。そして、設計者らは、各風速センサの計測値を0.5秒毎に300秒間に亘って記録し、各時刻における計測領域のVmax/Vminを算出した。その結果、風速を計測した300秒間では、Vmax/Vminの最小値が1.2であり、Vmax/Vminの最大値が4.6であった。
【0039】
この計測結果からは、対象仮想面(61)におけるVmax/Vminを概ね10以下に設定すれば、送風装置(10)と対面して送風装置(10)からの風を受けている人間に対して、自然風を浴びているような感覚を与えられることが分かる。そこで、本実施形態の送風装置(10)では、対象仮想面(61)におけるVmax/Vmin1以上5以下とし、送風装置(10)からの風を受けている人間に自然風を浴びているような感覚を与え、その人間に高い快適性を与えている。
【0040】
−対象仮想空間と対象仮想面−
図2及び図3に示すように、対象仮想空間(60)は、第1仮想面(65)と第3仮想面(67)とを底面とする四角錐台形状の仮想の空間である。この対象仮想空間(60)は、第2仮想面(66)を含む。対象仮想面(61)は、対象仮想空間(60)に含まれる仮想の平面である。
【0041】
〈第1仮想面〉
第1仮想面(65)は、前方仮想面である。第1仮想面(65)は、図2に長方形A1,B1,C1,D1で示される仮想の平面である。
【0042】
具体的に、第1仮想面(65)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面である。第1仮想面(65)は、吹出領域(16)と平行な鉛直面である。第1仮想面(65)から吹出領域(16)までの距離は、1mである。第1仮想面(65)の長辺は、上下方向に沿っている。第1仮想面(65)の長辺の長さは、60cmである。第1仮想面(65)の短辺は、左右方向に沿っている。第1仮想面(65)の短辺の長さは、45cmである。
【0043】
第1仮想面(65)の重心O1は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)上に位置する。対象仮想空間(60)の中心線(CL)は、第1仮想面(65)及び吹出領域(16)と直交する水平な直線である。
【0044】
〈第2仮想面〉
第2仮想面(66)は、中間仮想面である。第2仮想面(66)は、図2に長方形A2,B2,C2,D2で示される仮想の平面である。この第2仮想面(66)は、第1仮想面(65)と第3仮想面(67)の中間に位置する。
【0045】
具体的に、第2仮想面(66)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面である。第2仮想面(66)は、吹出領域(16)と平行な鉛直面である。第2仮想面(66)から吹出領域(16)までの距離は、2mである。第2仮想面(66)の長辺は、上下方向に沿っている。第2仮想面(66)の長辺の長さは、120cmである。第2仮想面(66)の短辺は、左右方向に沿っている。第2仮想面(66)の短辺の長さは、67.5cmである。
【0046】
第2仮想面(66)の重心O2は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)上に位置する。第2仮想面(66)は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)と直交する。
【0047】
〈第3仮想面〉
第3仮想面(67)は、後方仮想面である。第3仮想面(67)は、図2に長方形A3,B3,C3,D3で示される仮想の平面である。
【0048】
具体的に、第3仮想面(67)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面である。第3仮想面(67)は、吹出領域(16)と平行な鉛直面である。第3仮想面(67)から吹出領域(16)までの距離は、3mである。第3仮想面(67)の長辺は、上下方向に沿っている。第3仮想面(67)の長辺の長さは、180cmである。第3仮想面(67)の短辺は、左右方向に沿っている。第3仮想面(67)の短辺の長さは、90cmである。
【0049】
第3仮想面(67)の重心O3は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)上に位置する。第3仮想面(67)は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)と直交する。
【0050】
〈対象仮想面〉
本実施形態の対象仮想面(61)は、図2に長方形A,B,C,Dで示される仮想の平面である。この対象仮想面(61)は、対象仮想空間(60)に含まれ且つ第1仮想面(65)と平行な一つの仮想面である。
【0051】
具体的に、対象仮想面(61)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面である。対象仮想面(61)は、吹出領域(16)と平行な鉛直面である。対象仮想空間(60)において、本実施形態の対象仮想面(61)は、第1仮想面(65)と第2仮想面(66)の間に位置する。対象仮想面(61)の長辺は、上下方向に沿っている。対象仮想面(61)の短辺は、左右方向に沿っている。
【0052】
対象仮想面(61)の重心Oは、対象仮想空間(60)の中心線(CL)上に位置する。対象仮想面(61)は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)と直交する。
【0053】
−実施形態1の特徴(1)−
本実施形態の送風装置(10)は、空気を吹き出す面状の吹出領域(16)が形成された本体部(15)と、本体部(15)に設けられて吹出領域(16)へ向けて空気を流す送風ファン(30)とを備える。そして、送風装置(10)は、対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上10以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出す。
【0054】
対象仮想面(61)は、対象仮想空間(60)に含まれ且つ第1仮想面(65)と平行な仮想面の少なくとも一つである。対象仮想空間(60)は、第1仮想面(65)及び第3仮想面(67)を底面とする四角錐台形状の仮想の空間である。第1仮想面(65)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、吹出領域(16)からの距離が1mであり、上下に延びる長辺の長さが60cmであり、左右に延びる短辺の長さが45cmの仮想面である。第3仮想面(67)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、吹出領域(16)からの距離が3mであり、上下に延びる長辺の長さが180cmであり、左右に延びる短辺の長さが90cmの仮想面である。
【0055】
本実施形態では、送風部材(30)によって生起した空気流が、吹出領域(16)から対象仮想面(61)へ向けて送り出される。対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上10以下となる。そのため、吹出領域(16)からの風を受ける人間は、その身体の各部に受ける風の速度の差が比較的小さい状態となる。従って、本実施形態によれば、自然風を受けたときと同等の快適性を人間に与えることが可能となり、送風装置(10)からの風を受けた人間の快適性を向上させることが可能となる。
【0056】
−実施形態1の特徴(2)−
本実施形態の対象仮想面(61)は、対象仮想空間(60)のうち第1仮想面(65)と第2仮想面(66)の間の部分に位置している。第2仮想面(66)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、吹出領域(16)からの距離が2mであり、上下に延びる長辺の長さが120cmであり、左右に延びる短辺の長さが67.5cmの仮想面である。
【0057】
−実施形態1の特徴(3)−
本実施形態の送風装置(10)では、送風部材を構成する複数の送風ファン(30)が、吹出領域(16)に面して配置される。送風ファン(30)が作動すると、本体部(15)の吹出領域(16)から風が吹き出される。
【0058】
−実施形態1の特徴(4)−
本実施形態の送風装置(10)において、制御器(40)は、リアルタイムに取得した屋外の自然風の風速の変動パターンを含む風速データに基づいて、吹出領域(16)から吹き出される空気の流速の変動パターンが風速データに含まれる風速の変動パターンとなるように、送風ファン(30)の動作を制御する。従って、本実施形態によれば、風速データに含まれた自然風の風速の変動パターンを、送風装置(10)によって再現することが可能となる。
【0059】
−実施形態1の変形例−
センサユニット(46)には、複数の風速センサが設けられていてもよい。
【0060】
例えば、センサユニット(46)に4つの風速センサを設ける場合は、左右方向と上下方向に2個ずつの風速センサをマトリックス状に配置するのが望ましい。その場合、本体部(15)では、右上寄りに位置する4つの送風ファン(30)が第1の風速センサに対応づけられ、右下寄りに位置する4つの送風ファン(30)が第2の風速センサに対応づけられ、左下寄りに位置する4つの送風ファン(30)が第3の風速センサに対応づけられ、左上寄りに位置する4つの送風ファン(30)が第4の風速センサに対応づけられる。そして、この場合、制御器(40)は、各送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を、それぞれに対応する風速センサの計測値に応じて調節する。
【0061】
また、例えば、センサユニット(46)に16個の風速センサを設ける場合は、本体部(15)に設けられた16個の送風ファン(30)のそれぞれが別々の風速センサに対応づけられる。そして、この場合、制御器(40)は、各送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を、その送風ファン(30)に対応する風速センサの計測値に応じて個別に調節する。
【0062】
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態の送風装置(10)は、実施形態1の送風装置(10)において、本体部(15)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の本体部(15)ついて、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0063】
本実施形態の本体部(15)は、ケーシング(20)と、送風ファン(30)と、整流部材(17)とを、1つずつ備える。この本体部(15)は、前後方向の奥行きが比較的短い直方体状に形成される。
【0064】
ケーシング(20)は、正面から見て正方形状の枠状(あるいは、短い矩形ダクト状)に形成される。ケーシング(20)は、左右方向の幅と上下方向の高さのそれぞれが、概ね1.6m程度である。
【0065】
送風ファン(30)は、ケーシング(20)に収容され、ケーシング(20)の後端寄りに配置される。本実施形態の送風ファン(30)は、実施形態1の送風ファン(30)と同様の軸流送風機である。この送風ファン(30)は、羽根車(31)とファンモータ(33)とシュラウド(32)とを1つずつ備える。
【0066】
整流部材(17)は、空気が通過可能であって、そこを通過する空気の流れを整えるように構成された部材である。この整流部材(17)は、例えば、積層された複数枚の不織布シートや、多数の小孔が形成されたパンチング板などによって構成される。本実施形態の整流部材(17)は、正方形の厚板状に形成され、ケーシング(20)の前面側の開口端の全体を覆うように配置される。本実施形態の本体部(15)では、整流部材(17)の前面が吹出領域(16)となる。従って、本実施形態の送風装置(10)においても、吹出領域(16)は、左右方向の幅が1.6mで、上下方向の高さ1.6mの正方形状の平面となる。
【0067】
本実施形態の送風装置(10)において、制御器(40)は、本体部(15)に設けられた1つの送風ファン(30)の制御を行う。つまり、この制御器(40)は、送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を、センサユニット(46)から受信した送風データに基づいて調節する。
【0068】
本実施形態の送風装置(10)において、送風ファン(30)から吹き出された空気は、整流部材(17)を通過する際にその流れが整えられる。そして、整流部材(17)の前面である吹出領域(16)では、その各部を通過する空気の流速が平均化される。その結果、吹出領域(16)と対面する対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比Vmax/Vminが、1以上5以下となる(1≦Vmax/Vmin≦5)。なお、対象仮想面(61)の形状および大きさと、対象仮想面(61)から吹出領域(16)までの距離とは、実施形態1と同じである。
【0069】
このように、本実施形態の送風装置(10)において、本体部(15)は、空気が通過可能に構成されて吹出領域(16)の全体に設けられた整流部材(17)を備える。また、本体部(15)では、送風部材である送風ファン(30)が、整流部材(17)の上流に配置される。本実施形態の送風装置(10)において、送風ファン(30)から吹き出された空気は、整流部材(17)を通過する際に整流された後に吹出領域(16)から吹き出される。
【0070】
−実施形態2の変形例1−
図7に示すように、本実施形態の送風装置(10)は、本体部(15)のケーシング(20)が吸込側ケーシング(21)と吹出側ケーシング(22)とに分割されていてもよい。吸込側ケーシング(21)には、1つの送風ファン(30)が収容される。吹出側ケーシング(22)には、その前面を覆うように整流部材(17)が取り付けられる。吸込側ケーシング(21)と吹出側ケーシング(22)は、蛇腹状の連結ダクト(25)によって連結される。
【0071】
−実施形態2の変形例2−
図8に示すように、本実施形態の送風装置(10)は、送風ファン(30)が上方へ空気を吹き出す姿勢で配置されていてもよい。
【0072】
本変形例のケーシング(20)は、直方体形状の箱状に形成される。このケーシング(20)は、前面の上部が開口しており、この開口を覆うように整流部材(17)が取り付けられる。ケーシング(20)の前側板と後側板は、それぞれの下端寄りに吸込口(23)が形成される。ケーシング(20)の内部空間において、送風ファン(30)は、吸込口(23)よりも上方で且つ整流部材(17)よりも下方に配置される。また、送風ファン(30)は、羽根車(31)の回転軸が上下方向となる姿勢で、ケーシング(20)内に設置される。なお、図8では、送風ファン(30)のシュラウドの図示を省略している。
【0073】
送風ファン(30)が作動すると、空気が吸込口(23)を通ってケーシング(20)の内部空間へ流入する。ケーシング(20)の内部空間へ流入した空気は、送風ファン(30)によって上方へ吹き出され、その後に前方へ向きを変え、整流部材(17)を通過後にケーシング(20)から吹き出される。
【0074】
−実施形態2の変形例3−
本実施形態とその変形例1,2の送風装置(10)には、複数の送風ファン(30)が設けられていてもよい。例えば、本実施形態とその変形例1,2の送風装置(10)では、ケーシング(20)内に4個の送風ファン(30)がマトリックス状に配置されていてもよい。
【0075】
《実施形態3》
実施形態3について説明する。本実施形態は、実施形態1の送風装置(10)を備えた空気調和装置(50)である。
【0076】
図9に示すように、本実施形態の空気調和装置(50)は、実施形態1の送風装置(10)と、ダクト部材(51)と、熱交換器(55)と、室外ユニット(56)とを備えている。
【0077】
ダクト部材(51)は、吹出端部(53)と、吸込端部(52)と、拡大部(54)とを備える。吹出端部(53)は、送風装置(10)に対応した大きさの矩形ダクト状に形成される。吸込端部(52)は、吹出端部(53)よりも流路断面積が小さい矩形ダクト状に形成される。拡大部(54)は、吸込端部(52)から吹出端部(53)へ向かって流路断面積が次第に拡大する形状に形成され、吸込端部(52)と吹出端部(53)を接続する。
【0078】
送風装置(10)の本体部(15)は、吹出端部(53)の終端(図9における左端)を覆うように配置される。熱交換器(55)は、吸込端部(52)に収容される。熱交換器(55)は、冷媒と空気を熱交換させる空気熱交換器である。室外ユニット(56)は、熱交換器(55)と配管を介して接続され、冷凍サイクルを行う冷媒回路(57)を構成する。図示しないが、室外ユニット(56)には、圧縮機、室外ファン、室外熱交換器などの機器が収容される。
【0079】
送風装置(10)の送風ファン(30)を作動させると、ダクト部材(51)の吸込端部(52)へ空気が吸い込まれる。ダクト部材(51)へ吸い込まれた空気は、供給空気としてダクト部材(51)の中を流れ、熱交換器(55)を通過する間に冷媒と熱交換することによって、冷却され又は加熱される。熱交換器(55)を通過する間に温度調節された供給空気は、送風装置(10)によって室内空間へ吹き出される。
【0080】
このように、本実施形態の空気調和装置(50)は、実施形態1の送風装置(10)と、送風装置(10)へ吸い込まれる供給空気を熱媒体と熱交換させて供給空気の温度を調節する熱交換器(55)とを備える。
【0081】
本実施形態の空気調和装置(50)は、熱交換器(55)を通過する際に温度調節された供給空気を、送風装置(10)によって吹き出す。従って、本実施形態の空気調和装置(50)によれば、送風装置(10)から吹き出される空気の流速と温度の両方を調節することが可能となる。
【0082】
−実施形態3の変形例−
本実施形態の空気調和装置(50)では、実施形態1の送風装置(10)に代えて、実施形態1の変形例の送風装置(10)が設けられていてもよいし、実施形態2又はその変形例1,2の送風装置(10)が設けられていてもよい。
【0083】
《その他の実施形態》
上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)において、制御器(40)は、例えばメモリーカード等の記録媒体に記録された風速データを読み込み、読み込んだ風速データに基づいて本体部(15)の送風ファン(30)を制御するように構成されていてもよい。
【0084】
上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)は、対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上5以下となるように、吹出領域(16)から空気を吹き出すように構成されていてもよい。
【0085】
また、上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)は、対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上2.5以下となるように、吹出領域(16)から空気を吹き出すように構成されていてもよい。
【0086】
また、上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)は、対象仮想面(61)である第3仮想面(67)において、風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が所定の数値範囲内の値となるように、吹出領域(16)から空気を吹き出すように構成されていてもよい。
【0087】
また、上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)は、複数の対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が所定の数値範囲内の値となるように、吹出領域(16)から空気を吹き出すように構成されていてもよい。
【0088】
また、上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)において、送風ファン(30)の型式は、プロペラファンに限られない。例えば、送風ファン(30)は、斜流ファンやシロッコファンであってもよい。
【0089】
また、上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)では、いわゆるイオン風素子が送風部材として本体部(15)に設けられていてもよい。イオン風素子は、放電によってプラズマを発生させ、発生したプラズマによって風を生起させるように構成された素子である。
【0090】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上説明したように、本開示は、送風装置と、これを備えた空気調和装置について有用である。
【符号の説明】
【0092】
15 本体部
16 吹出領域
17 整流部材
30 送風ファン(送風部材)
40 制御器
50 空気調和装置
55 熱交換器
60 対象仮想空間
61 対象仮想面
65 第1仮想面(前方仮想面)
66 第2仮想面(中間仮想面)
67 第3仮想面(後方仮想面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2019年7月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送風装置と、それを備えた空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の軸流送風機を備えた送風装置が開示されている。この送風装置は、送風機から吹き出された気流による誘引作用を利用し、比較的大きな送風量を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−089734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋外の自然環境において吹いている風(自然風)は、標準的な成人男性の前面投影面積(概ね、0.6平方メートル)程度の領域において、その領域の各部における風速の差が比較的小さい。このため、自然風を受ける人間は、その身体の各部に受ける風の速度の差が比較的小さい。
【0005】
一方、特許文献1に開示されたものを含む従来の送風装置は、大きな送風量を得たり、風速を高めて気流の到達距離を伸ばすことを考慮して構成されたものが多い。つまり、従来の送風装置において、比較的広い領域の風速分布を平均化することは、それほど重視されていなかった。そのため、従来の送風装置から吹き出された風を浴びる人間は、その身体の各部に受ける風の速度の差が比較的大きいのが通常である。従って、従来の送風装置は、自然風を受けたときと同等の快適性を人間に与えることができなかった。
【0006】
本開示の目的は、人間に向けて風を送る送風装置において、風を受けた人間の快適性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、送風装置を対象とし、空気を吹き出す吹出領域(16)が形成された本体部(15)と、該本体部(15)に設けられて上記吹出領域(16)へ向けて空気を流す送風部材(30)とを備え、上記送風部材は、上記吹出領域(16)の上下方向と左右方向のそれぞれに複数ずつマトリックス状に配置された送風ファン(30)であり、上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が1mであり、上下に延びる長辺の長さが60cmであり、左右に延びる短辺の長さが45cmである仮想面を前方仮想面(65)とし、上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が3mであり、上下に延びる長辺の長さが180cmであり、左右に延びる短辺の長さが90cmである仮想面を後方仮想面(67)とし、上記前方仮想面(65)及び上記後方仮想面(67)を底面とする四角錐台形状の仮想の空間を対象仮想空間(60)とし、上記対象仮想空間(60)に含まれ且つ上記前方仮想面(65)と平行な仮想面の少なくとも一つを対象仮想面(61)としたときに、上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上10以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出すものである。
【0008】
第1の態様では、送風部材(30)によって生起した空気流が、吹出領域(16)から対象仮想面(61)へ向けて送り出される。対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上10以下となる。そのため、吹出領域(16)からの風を受ける人間は、その身体の各部に受ける風の速度の差が比較的小さい状態となる。従って、この態様によれば、送風装置(10)からの風を受けた人間の快適性を向上させることが可能となる。
【0009】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上5以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出すものである。
【0010】
第2の態様の送風装置(10)から吹き出された空気が流れる対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上5以下となる。
【0011】
本開示の第3の態様は、上記第1の態様において、上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上2.5以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出すものである。
【0012】
第3の態様の送風装置(10)から吹き出された空気が流れる対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上2.5以下となる。
【0013】
本開示の第4の態様は、上記第1〜第3のいずれか一つの態様において、上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が2mであり、上下に延びる長辺の長さが120cmであり、左右に延びる短辺の長さが67.5cmである仮想面を中間仮想面(66)としたときに、上記対象仮想面(61)は、上記対象仮想空間(60)のうち上記前方仮想面(65)と上記中間仮想面(66)の間の部分に位置しているものである。
【0014】
第4の態様では、対象仮想空間(60)のうち前方仮想面(65)と中間仮想面(66)の間の部分に含まれ、且つ前方仮想面(65)と平行な仮想面の少なくとも一つが、対象仮想面(61)となる。
【0015】
本開示の第5の態様は、上記第1〜第3のいずれか一つの態様において、上記対象仮想面(61)は、上記後方仮想面(67)であるものである。
【0016】
第5の態様では、後方仮想面(67)が対象仮想面(61)となる。第5の態様の送風装置(10)から吹き出された空気が流れる後方仮想面(67)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が所定の数値範囲内の値となる。
【0017】
本開示の第6の態様は、上記第1〜第5のいずれか一つの態様において、予め取得し又はリアルタイムに取得した屋外の自然風の風速の変動パターンを含む風速データに基づいて、上記吹出領域(16)から吹き出される空気の流速の変動パターンが上記風速データに含まれる風速の変動パターンとなるように上記送風部材(30)の動作を制御する制御器(40)を備えるものである。
【0018】
第6の態様では、吹出領域(16)から吹き出される空気の流速の変動パターンが風速データに含まれた風速の変動パターン(即ち、屋外の自然風の風速の変動パターン)となるように、制御器(40)が送風部材(30)の動作を制御する。つまり、この態様によれば、風速データに含まれた自然風の風速の変動パターンを、送風装置(10)によって再現することが可能となる。
【0019】
本開示の第7の態様は、空気調和装置を対象とし、上記第1〜第6のいずれか一つの態様の送風装置(10)と、上記送風装置(10)へ吸い込まれる供給空気を熱媒体と熱交換させて上記供給空気の温度を調節する熱交換器(55)とを備えるものである。
【0020】
第7の態様では、熱交換器(55)を通過する際に温度調節された供給空気が、送風装置(10)によって吹き出される。従って、この態様の空気調和装置(50)によれば、送風装置(10)から吹き出される空気の流速と温度の両方を調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施形態1の送風装置の本体部の概略正面図である。
図2図2は、実施形態1の送風装置の本体部と対象仮想空間とを示す概略斜視図である。
図3図3は、実施形態1の送風装置の本体部と対象仮想空間とを示す概略側面図である。
図4図4は、実施形態1の送風装置の使用状態を示す概略構成図である。
図5図5は、参考技術の送風装置の本体部の概略正面図である。
図6図6は、図5のV−V断面を示す参考技術の送風装置の本体部の概略断面図である
図7図7は、参考技術の変形例1の送風装置の図6に相当する本体部の断面を示す概略断面図である。
図8図8は、参考技術の変形例2の送風装置の図6に相当する本体部の断面を示す概略断面図である。
図9図9は、実施形態2の空気調和装置の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
《実施形態1》
実施形態1の送風装置(10)について、図1図4を適宜参照しながら説明する。
【0023】
−送風装置の構成−
〈本体部〉
図1及び図2に示すように、送風装置(10)は、本体部(15)を備える。本体部(15)は、前後方向の奥行きが比較的短い直方体状に形成される。本体部(15)は、左右方向の幅と上下方向の高さのそれぞれが、概ね1.6m程度である。なお、本体部(15)についての説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」は、図2に示す方向(即ち、本体部(15)を正面から見たときの方向)を意味する。
【0024】
本体部(15)には、送風部材としての送風ファン(30)が16個設けられる。本体部(15)において、16個の送風ファン(30)は、左右方向と上下方向のそれぞれに4個ずつマトリックス状に配置される。各送風ファン(30)は、羽根車(31)とシュラウド(32)とを備えた軸流送風機である。羽根車(31)は、いわゆるプロペラファンである。各送風ファン(30)において、シュラウド(32)は、羽根車(31)の周囲を囲うように配置される。また、図示しないが、各送風ファン(30)には、羽根車(31)を駆動するファンモータが設けられる。羽根車(31)は、ファンモータの出力軸に取り付けられる。
【0025】
本体部(15)において、16個の送風ファン(30)は、本体部(15)の前面に面している。本体部(15)の前面は、各送風ファン(30)から吹き出された空気が吹き出される吹出領域(16)を構成する。本実施形態の送風装置(10)において、吹出領域(16)は、左右方向の幅が1.6mで、上下方向の高さ1.6mの正方形状の平面である。
【0026】
〈制御器〉
図4に示すように、送風装置(10)は、制御器(40)を更に備える。図示しないが、制御器(40)は、制御プログラムを実行するCPUと、制御プログラムやそれを実行するのに必要なデータ等を記憶するメモリとを備える。
【0027】
制御器(40)は、インターネット等の通信回線(45)を介して、遠隔地の屋外に設置されたセンサユニット(46)と通信可能に接続される。図示しないが、センサユニット(46)は、設置された屋外の自然環境において吹いている風(自然風)の速度を計測する風速センサを一つ備えている。センサユニット(46)は、風速センサの計測値をリアルタイムに通信回線(45)を介して制御器(40)へ送信する。センサユニット(46)から制御器(40)へ送られるデータは、設置場所における自然風の変動パターンを記録した風速データである。
【0028】
制御器(40)は、センサユニット(46)から受信した風速データに基づいて、本体部(15)に設けられた送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を制御するように構成される。その際、制御器(40)は、全ての送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を同じ値に設定する。
【0029】
−送風装置の動作−
本実施形態の送風装置(10)において、各送風ファン(30)の羽根車(31)は、互いに同じ回転速度で回転する。従って、本体部(15)にマトリックス状に配置された16個の送風ファン(30)は、それぞれの吹出し風速が互いに概ね一致する。本体部(15)の前面である吹出領域(16)からは、16個の送風ファン(30)が吹き出した空気が、前方へ向かって吹き出される。
【0030】
各送風ファン(30)から吹き出されて吹出領域(16)を通過した空気は、互いに拡散し、それぞれの風速が平均化される。その結果、図2に示す対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比Vmax/Vminが、1以上10以下となる(1≦Vmax/Vmin≦10)。なお、対象仮想面(61)の各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比Vmax/Vminは、1以上5以下であるのが望ましく、1以上4以下であるのが望ましく、1以上3以下であるのが更に望ましく、1以上2.5以下であるのが望ましく、1以上2以下であるのが更に望ましい。
【0031】
−制御器の動作−
制御器(40)は、吹出領域(16)から吹き出される空気の流速の変動パターンが、センサユニット(46)から受信した風速データに含まれる風速の変動パターンとなるように、各送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を調節する。つまり、制御器(40)は、風速データに含まれる風速の計測値が上昇すると、各送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を増加させ、風速データに含まれる風速の計測値が低下すると、各送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を減少させる。その結果、吹出領域(16)と向かい合う対象仮想面(61)において、センサユニット(46)の設置場所における自然風の変動パターンが再現される。
【0032】
−対象仮想面におけるVmax/Vmin−
上述したように、本実施形態の送風装置(10)は、対象仮想面(61)の各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比Vmax/Vminを、1以上10以下としている。ここでは、その理由を説明する。
【0033】
一般的な空調機から吹き出される風とは異なり、屋外の自然環境において吹いている風(自然風)には、“比較的広い領域において風速分布が比較的小さい”という特性がある。そのことを確認するために、本実施形態の送風装置(10)の設計者らは、自然風の風速を実際に測定した。
【0034】
設計者らは、左右方向の幅が45cmで上下方向の高さが60cmの長方形の計測領域について、その各部における自然風の風速を測定した。計測領域には、20個の風速センサがマトリックス状に配置される。具体的に、計測領域には、その左右方向に4個の風速センサが15cm間隔で配置され、その上下方向に5個の風速センサが15cm間隔で配置される。そして、設計者らは、各風速センサの計測値を0.5秒毎に300秒間に亘って記録し、各時刻における計測領域のVmax/Vminを算出した。その結果、風速を計測した300秒間では、Vmax/Vminの最小値が1.2であり、Vmax/Vminの最大値が4.6であった。
【0035】
この計測結果からは、対象仮想面(61)におけるVmax/Vminを概ね10以下に設定すれば、送風装置(10)と対面して送風装置(10)からの風を受けている人間に対して、自然風を浴びているような感覚を与えられることが分かる。そこで、本実施形態の送風装置(10)では、対象仮想面(61)におけるVmax/Vmin1以上5以下とし、送風装置(10)からの風を受けている人間に自然風を浴びているような感覚を与え、その人間に高い快適性を与えている。
【0036】
−対象仮想空間と対象仮想面−
図2及び図3に示すように、対象仮想空間(60)は、第1仮想面(65)と第3仮想面(67)とを底面とする四角錐台形状の仮想の空間である。この対象仮想空間(60)は、第2仮想面(66)を含む。対象仮想面(61)は、対象仮想空間(60)に含まれる仮想の平面である。
【0037】
〈第1仮想面〉
第1仮想面(65)は、前方仮想面である。第1仮想面(65)は、図2に長方形A1,B1,C1,D1で示される仮想の平面である。
【0038】
具体的に、第1仮想面(65)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面である。第1仮想面(65)は、吹出領域(16)と平行な鉛直面である。第1仮想面(65)から吹出領域(16)までの距離は、1mである。第1仮想面(65)の長辺は、上下方向に沿っている。第1仮想面(65)の長辺の長さは、60cmである。第1仮想面(65)の短辺は、左右方向に沿っている。第1仮想面(65)の短辺の長さは、45cmである。
【0039】
第1仮想面(65)の重心O1は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)上に位置する。対象仮想空間(60)の中心線(CL)は、第1仮想面(65)及び吹出領域(16)と直交する水平な直線である。
【0040】
〈第2仮想面〉
第2仮想面(66)は、中間仮想面である。第2仮想面(66)は、図2に長方形A2,B2,C2,D2で示される仮想の平面である。この第2仮想面(66)は、第1仮想面(65)と第3仮想面(67)の中間に位置する。
【0041】
具体的に、第2仮想面(66)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面である。第2仮想面(66)は、吹出領域(16)と平行な鉛直面である。第2仮想面(66)から吹出領域(16)までの距離は、2mである。第2仮想面(66)の長辺は、上下方向に沿っている。第2仮想面(66)の長辺の長さは、120cmである。第2仮想面(66)の短辺は、左右方向に沿っている。第2仮想面(66)の短辺の長さは、67.5cmである。
【0042】
第2仮想面(66)の重心O2は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)上に位置する。第2仮想面(66)は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)と直交する。
【0043】
〈第3仮想面〉
第3仮想面(67)は、後方仮想面である。第3仮想面(67)は、図2に長方形A3,B3,C3,D3で示される仮想の平面である。
【0044】
具体的に、第3仮想面(67)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面である。第3仮想面(67)は、吹出領域(16)と平行な鉛直面である。第3仮想面(67)から吹出領域(16)までの距離は、3mである。第3仮想面(67)の長辺は、上下方向に沿っている。第3仮想面(67)の長辺の長さは、180cmである。第3仮想面(67)の短辺は、左右方向に沿っている。第3仮想面(67)の短辺の長さは、90cmである。
【0045】
第3仮想面(67)の重心O3は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)上に位置する。第3仮想面(67)は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)と直交する。
【0046】
〈対象仮想面〉
本実施形態の対象仮想面(61)は、図2に長方形A,B,C,Dで示される仮想の平面である。この対象仮想面(61)は、対象仮想空間(60)に含まれ且つ第1仮想面(65)と平行な一つの仮想面である。
【0047】
具体的に、対象仮想面(61)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面である。対象仮想面(61)は、吹出領域(16)と平行な鉛直面である。対象仮想空間(60)において、本実施形態の対象仮想面(61)は、第1仮想面(65)と第2仮想面(66)の間に位置する。対象仮想面(61)の長辺は、上下方向に沿っている。対象仮想面(61)の短辺は、左右方向に沿っている。
【0048】
対象仮想面(61)の重心Oは、対象仮想空間(60)の中心線(CL)上に位置する。対象仮想面(61)は、対象仮想空間(60)の中心線(CL)と直交する。
【0049】
−実施形態1の特徴(1)−
本実施形態の送風装置(10)は、空気を吹き出す面状の吹出領域(16)が形成された本体部(15)と、本体部(15)に設けられて吹出領域(16)へ向けて空気を流す送風ファン(30)とを備える。そして、送風装置(10)は、対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上10以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出す。
【0050】
対象仮想面(61)は、対象仮想空間(60)に含まれ且つ第1仮想面(65)と平行な仮想面の少なくとも一つである。対象仮想空間(60)は、第1仮想面(65)及び第3仮想面(67)を底面とする四角錐台形状の仮想の空間である。第1仮想面(65)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、吹出領域(16)からの距離が1mであり、上下に延びる長辺の長さが60cmであり、左右に延びる短辺の長さが45cmの仮想面である。第3仮想面(67)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、吹出領域(16)からの距離が3mであり、上下に延びる長辺の長さが180cmであり、左右に延びる短辺の長さが90cmの仮想面である。
【0051】
本実施形態では、送風部材(30)によって生起した空気流が、吹出領域(16)から対象仮想面(61)へ向けて送り出される。対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上10以下となる。そのため、吹出領域(16)からの風を受ける人間は、その身体の各部に受ける風の速度の差が比較的小さい状態となる。従って、本実施形態によれば、自然風を受けたときと同等の快適性を人間に与えることが可能となり、送風装置(10)からの風を受けた人間の快適性を向上させることが可能となる。
【0052】
−実施形態1の特徴(2)−
本実施形態の対象仮想面(61)は、対象仮想空間(60)のうち第1仮想面(65)と第2仮想面(66)の間の部分に位置している。第2仮想面(66)は、吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、吹出領域(16)からの距離が2mであり、上下に延びる長辺の長さが120cmであり、左右に延びる短辺の長さが67.5cmの仮想面である。
【0053】
−実施形態1の特徴(3)−
本実施形態の送風装置(10)では、送風部材を構成する複数の送風ファン(30)が、吹出領域(16)に面して配置される。送風ファン(30)が作動すると、本体部(15)の吹出領域(16)から風が吹き出される。
【0054】
−実施形態1の特徴(4)−
本実施形態の送風装置(10)において、制御器(40)は、リアルタイムに取得した屋外の自然風の風速の変動パターンを含む風速データに基づいて、吹出領域(16)から吹き出される空気の流速の変動パターンが風速データに含まれる風速の変動パターンとなるように、送風ファン(30)の動作を制御する。従って、本実施形態によれば、風速データに含まれた自然風の風速の変動パターンを、送風装置(10)によって再現することが可能となる。
【0055】
−実施形態1の変形例−
センサユニット(46)には、複数の風速センサが設けられていてもよい。
【0056】
例えば、センサユニット(46)に4つの風速センサを設ける場合は、左右方向と上下方向に2個ずつの風速センサをマトリックス状に配置するのが望ましい。その場合、本体部(15)では、右上寄りに位置する4つの送風ファン(30)が第1の風速センサに対応づけられ、右下寄りに位置する4つの送風ファン(30)が第2の風速センサに対応づけられ、左下寄りに位置する4つの送風ファン(30)が第3の風速センサに対応づけられ、左上寄りに位置する4つの送風ファン(30)が第4の風速センサに対応づけられる。そして、この場合、制御器(40)は、各送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を、それぞれに対応する風速センサの計測値に応じて調節する。
【0057】
また、例えば、センサユニット(46)に16個の風速センサを設ける場合は、本体部(15)に設けられた16個の送風ファン(30)のそれぞれが別々の風速センサに対応づけられる。そして、この場合、制御器(40)は、各送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を、その送風ファン(30)に対応する風速センサの計測値に応じて個別に調節する。
【0058】
参考技術
参考技術について説明する。本参考技術の送風装置(10)は、実施形態1の送風装置(10)において、本体部(15)の構成を変更したものである。ここでは、本参考技術の本体部(15)ついて、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0059】
参考技術の本体部(15)は、ケーシング(20)と、送風ファン(30)と、整流部材(17)とを、1つずつ備える。この本体部(15)は、前後方向の奥行きが比較的短い直方体状に形成される。
【0060】
ケーシング(20)は、正面から見て正方形状の枠状(あるいは、短い矩形ダクト状)に形成される。ケーシング(20)は、左右方向の幅と上下方向の高さのそれぞれが、概ね1.6m程度である。
【0061】
送風ファン(30)は、ケーシング(20)に収容され、ケーシング(20)の後端寄りに配置される。本参考技術の送風ファン(30)は、実施形態1の送風ファン(30)と同様の軸流送風機である。この送風ファン(30)は、羽根車(31)とファンモータ(33)とシュラウド(32)とを1つずつ備える。
【0062】
整流部材(17)は、空気が通過可能であって、そこを通過する空気の流れを整えるように構成された部材である。この整流部材(17)は、例えば、積層された複数枚の不織布シートや、多数の小孔が形成されたパンチング板などによって構成される。本参考技術の整流部材(17)は、正方形の厚板状に形成され、ケーシング(20)の前面側の開口端の全体を覆うように配置される。本参考技術の本体部(15)では、整流部材(17)の前面が吹出領域(16)となる。従って、本参考技術の送風装置(10)においても、吹出領域(16)は、左右方向の幅が1.6mで、上下方向の高さ1.6mの正方形状の平面となる。
【0063】
参考技術の送風装置(10)において、制御器(40)は、本体部(15)に設けられた1つの送風ファン(30)の制御を行う。つまり、この制御器(40)は、送風ファン(30)の羽根車(31)の回転速度を、センサユニット(46)から受信した送風データに基づいて調節する。
【0064】
参考技術の送風装置(10)において、送風ファン(30)から吹き出された空気は、整流部材(17)を通過する際にその流れが整えられる。そして、整流部材(17)の前面である吹出領域(16)では、その各部を通過する空気の流速が平均化される。その結果、吹出領域(16)と対面する対象仮想面(61)では、その各部における風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比Vmax/Vminが、1以上5以下となる(1≦Vmax/Vmin≦5)。なお、対象仮想面(61)の形状および大きさと、対象仮想面(61)から吹出領域(16)までの距離とは、実施形態1と同じである。
【0065】
このように、本参考技術の送風装置(10)において、本体部(15)は、空気が通過可能に構成されて吹出領域(16)の全体に設けられた整流部材(17)を備える。また、本体部(15)では、送風部材である送風ファン(30)が、整流部材(17)の上流に配置される。本参考技術の送風装置(10)において、送風ファン(30)から吹き出された空気は、整流部材(17)を通過する際に整流された後に吹出領域(16)から吹き出される。
【0066】
参考技術の変形例1−
図7に示すように、本参考技術の送風装置(10)は、本体部(15)のケーシング(20)が吸込側ケーシング(21)と吹出側ケーシング(22)とに分割されていてもよい。吸込側ケーシング(21)には、1つの送風ファン(30)が収容される。吹出側ケーシング(22)には、その前面を覆うように整流部材(17)が取り付けられる。吸込側ケーシング(21)と吹出側ケーシング(22)は、蛇腹状の連結ダクト(25)によって連結される。
【0067】
参考技術の変形例2−
図8に示すように、本参考技術の送風装置(10)は、送風ファン(30)が上方へ空気を吹き出す姿勢で配置されていてもよい。
【0068】
本変形例のケーシング(20)は、直方体形状の箱状に形成される。このケーシング(20)は、前面の上部が開口しており、この開口を覆うように整流部材(17)が取り付けられる。ケーシング(20)の前側板と後側板は、それぞれの下端寄りに吸込口(23)が形成される。ケーシング(20)の内部空間において、送風ファン(30)は、吸込口(23)よりも上方で且つ整流部材(17)よりも下方に配置される。また、送風ファン(30)は、羽根車(31)の回転軸が上下方向となる姿勢で、ケーシング(20)内に設置される。なお、図8では、送風ファン(30)のシュラウドの図示を省略している。
【0069】
送風ファン(30)が作動すると、空気が吸込口(23)を通ってケーシング(20)の内部空間へ流入する。ケーシング(20)の内部空間へ流入した空気は、送風ファン(30)によって上方へ吹き出され、その後に前方へ向きを変え、整流部材(17)を通過後にケーシング(20)から吹き出される。
【0070】
参考技術の変形例3−
参考技術とその変形例1,2の送風装置(10)には、複数の送風ファン(30)が設けられていてもよい。例えば、本参考技術とその変形例1,2の送風装置(10)では、ケーシング(20)内に4個の送風ファン(30)がマトリックス状に配置されていてもよい。
【0071】
実施形態2
実施形態2について説明する。本実施形態は、実施形態1の送風装置(10)を備えた空気調和装置(50)である。
【0072】
図9に示すように、本実施形態の空気調和装置(50)は、実施形態1の送風装置(10)と、ダクト部材(51)と、熱交換器(55)と、室外ユニット(56)とを備えている。
【0073】
ダクト部材(51)は、吹出端部(53)と、吸込端部(52)と、拡大部(54)とを備える。吹出端部(53)は、送風装置(10)に対応した大きさの矩形ダクト状に形成される。吸込端部(52)は、吹出端部(53)よりも流路断面積が小さい矩形ダクト状に形成される。拡大部(54)は、吸込端部(52)から吹出端部(53)へ向かって流路断面積が次第に拡大する形状に形成され、吸込端部(52)と吹出端部(53)を接続する。
【0074】
送風装置(10)の本体部(15)は、吹出端部(53)の終端(図9における左端)を覆うように配置される。熱交換器(55)は、吸込端部(52)に収容される。熱交換器(55)は、冷媒と空気を熱交換させる空気熱交換器である。室外ユニット(56)は、熱交換器(55)と配管を介して接続され、冷凍サイクルを行う冷媒回路(57)を構成する。図示しないが、室外ユニット(56)には、圧縮機、室外ファン、室外熱交換器などの機器が収容される。
【0075】
送風装置(10)の送風ファン(30)を作動させると、ダクト部材(51)の吸込端部(52)へ空気が吸い込まれる。ダクト部材(51)へ吸い込まれた空気は、供給空気としてダクト部材(51)の中を流れ、熱交換器(55)を通過する間に冷媒と熱交換することによって、冷却され又は加熱される。熱交換器(55)を通過する間に温度調節された供給空気は、送風装置(10)によって室内空間へ吹き出される。
【0076】
このように、本実施形態の空気調和装置(50)は、実施形態1の送風装置(10)と、送風装置(10)へ吸い込まれる供給空気を熱媒体と熱交換させて供給空気の温度を調節する熱交換器(55)とを備える。
【0077】
本実施形態の空気調和装置(50)は、熱交換器(55)を通過する際に温度調節された供給空気を、送風装置(10)によって吹き出す。従って、本実施形態の空気調和装置(50)によれば、送風装置(10)から吹き出される空気の流速と温度の両方を調節することが可能となる。
【0078】
実施形態2の変形例−
本実施形態の空気調和装置(50)では、実施形態1の送風装置(10)に代えて、実施形態1の変形例の送風装置(10)が設けられていてもよいし、参考技術又はその変形例1,2の送風装置(10)が設けられていてもよい。
【0079】
《その他の実施形態》
上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)において、制御器(40)は、例えばメモリーカード等の記録媒体に記録された風速データを読み込み、読み込んだ風速データに基づいて本体部(15)の送風ファン(30)を制御するように構成されていてもよい。
【0080】
上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)は、対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上5以下となるように、吹出領域(16)から空気を吹き出すように構成されていてもよい。
【0081】
また、上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)は、対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上2.5以下となるように、吹出領域(16)から空気を吹き出すように構成されていてもよい。
【0082】
また、上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)は、対象仮想面(61)である第3仮想面(67)において、風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が所定の数値範囲内の値となるように、吹出領域(16)から空気を吹き出すように構成されていてもよい。
【0083】
また、上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)は、複数の対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が所定の数値範囲内の値となるように、吹出領域(16)から空気を吹き出すように構成されていてもよい。
【0084】
また、上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)において、送風ファン(30)の型式は、プロペラファンに限られない。例えば、送風ファン(30)は、斜流ファンやシロッコファンであってもよい。
【0085】
また、上記各実施形態及びそれらの変形例の送風装置(10)では、いわゆるイオン風素子が送風部材として本体部(15)に設けられていてもよい。イオン風素子は、放電によってプラズマを発生させ、発生したプラズマによって風を生起させるように構成された素子である。
【0086】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上説明したように、本開示は、送風装置と、これを備えた空気調和装置について有用である。
【符号の説明】
【0088】
15 本体部
16 吹出領域
17 整流部材
30 送風ファン(送風部材)
40 制御器
50 空気調和装置
55 熱交換器
60 対象仮想空間
61 対象仮想面
65 第1仮想面(前方仮想面)
66 第2仮想面(中間仮想面)
67 第3仮想面(後方仮想面)
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吹き出す吹出領域(16)が形成された本体部(15)と、該本体部(15)に設けられて上記吹出領域(16)へ向けて空気を流す送風部材(30)とを備え、
上記送風部材は、上記吹出領域(16)の上下方向と左右方向のそれぞれに複数ずつマトリックス状に配置された送風ファン(30)であり、
上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が1mであり、上下に延びる長辺の長さが60cmであり、左右に延びる短辺の長さが45cmである仮想面を前方仮想面(65)とし、
上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が3mであり、上下に延びる長辺の長さが180cmであり、左右に延びる短辺の長さが90cmである仮想面を後方仮想面(67)とし、
上記前方仮想面及び上記後方仮想面を底面とする四角錐台形状の仮想の空間を対象仮想空間(60)とし、
上記対象仮想空間(60)に含まれ且つ上記前方仮想面(65)と平行な仮想面の少なくとも一つを対象仮想面(61)としたときに、
上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上10以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出す
ことを特徴とする送風装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上5以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出す
ことを特徴とする送風装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記対象仮想面(61)において、風速の最小値Vminに対する風速の最大値Vmaxの比(Vmax/Vmin)が1以上2.5以下となるように、上記吹出領域(16)から空気を吹き出す
ことを特徴とする送風装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
上記吹出領域(16)と向かい合う長方形の仮想面であって、上記吹出領域(16)からの距離が2mであり、上下に延びる長辺の長さが120cmであり、左右に延びる短辺の長さが67.5cmである仮想面を中間仮想面(66)としたときに、
上記対象仮想面(61)は、上記対象仮想空間(60)のうち上記前方仮想面(65)と上記中間仮想面(66)の間の部分に位置している
ことを特徴とする送風装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
上記対象仮想面(61)は、上記後方仮想面(67)である
ことを特徴とする送風装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
予め取得し又はリアルタイムに取得した屋外の自然風の風速の変動パターンを含む風速データに基づいて、上記吹出領域(16)から吹き出される空気の流速の変動パターンが上記風速データに含まれる風速の変動パターンとなるように上記送風部材(30)の動作を制御する制御器(40)を備えている
ことを特徴とする送風装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つの送風装置(10)と、
上記送風装置(10)へ吸い込まれる供給空気を熱媒体と熱交換させて上記供給空気の温度を調節する熱交換器(55)とを備えている
ことを特徴とする空気調和装置。