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特開2019-143917蒸発器、これを備えた排熱回収ボイラ、及び蒸発器の改造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-143917(P2019-143917A)
(43)【公開日】2019年8月29日
(54)【発明の名称】蒸発器、これを備えた排熱回収ボイラ、及び蒸発器の改造方法
(51)【国際特許分類】
   F28F 1/32 20060101AFI20190802BHJP
   F28D 7/08 20060101ALI20190802BHJP
   F22B 37/10 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   F28F1/32 W
   F28F1/32 V
   F28D7/08
   F22B37/10 M
   F22B37/10 601Z
   F22B37/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-29784(P2018-29784)
(22)【出願日】2018年2月22日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(72)【発明者】
【氏名】上口 将太
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 直仁
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA12
3L103AA36
3L103BB02
3L103BB05
3L103CC02
3L103CC27
3L103DD04
3L103DD33
3L103DD42
(57)【要約】
【課題】蒸発器全体として十分な伝熱量を確保するとともに、伝熱管内での腐食の発生を低減することができる蒸発器及び蒸発器の改造方法を提供する。
【解決手段】燃焼排ガスから熱エネルギを回収して管内を流通する流体へ伝熱する複数の伝熱管41と、複数の伝熱管41の表面に設けられた複数のフィン42と、を備え、複数の伝熱管41により構成され、供給される水から蒸気を発生させる蒸発器において、複数の伝熱管41は、燃焼排ガスの流れの上流側に設けられた第1領域45と、第1領域45内よりもフィンピッチが狭い燃焼排ガスの流れの下流側に設けられた第2領域46との2つの領域から構成されており、第1領域45の伝熱管41の数量は、第1領域45及び第2領域46の合計の伝熱管41の数量のうちの15%〜50%の範囲を占めるように設けられている蒸発器。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼排ガスから熱エネルギを回収して管内を流通する流体へ伝熱する複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管の表面に設けられた複数のフィンと、
を備え、前記複数の伝熱管により構成され、供給される水から蒸気を発生させる蒸発器において、
前記複数の伝熱管は、前記燃焼排ガスの流れの上流側に設けられた第1領域と、前記第1領域内よりもフィンピッチが狭い前記燃焼排ガスの流れの下流側に設けられた第2領域との2つの領域から構成されており、
前記第1領域の前記伝熱管の数量は、前記第1領域及び前記第2領域の合計の前記伝熱管の数量のうちの15%〜50%の範囲を占めるように設けられていることを特徴とする蒸発器。
【請求項2】
前記複数の伝熱管は、前記燃焼排ガスの流れ方向に直交し、かつ水平方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発器。
【請求項3】
前記複数の伝熱管は、前記燃焼排ガスの流れ方向に沿って千鳥状に配置され、入口ヘッダ側の前記伝熱管は、前記燃焼排ガスの流れ方向の上流側から下流側に配置され、出口ヘッダ側の前記伝熱管は、前記燃焼排ガスの流れ方向の下流側から上流側へと配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蒸発器。
【請求項4】
前記燃焼排ガスは、ケーシングの内側をガス入口部からガス出口部まで流通し、
前記ケーシング内に前記燃焼排ガスと熱交換を行う複数の熱交換器を備え、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蒸発器は、前記ケーシングに設置された前記複数の熱交換器のなかで、最も管内圧力が高い蒸発器として適用されることを特徴とする排熱回収ボイラ。
【請求項5】
燃焼排ガスから熱エネルギを回収して管内を流通する流体へ伝熱する複数の伝熱管と、前記複数の伝熱管の表面に設けられた複数のフィンと、を備え、前記複数の伝熱管より構成され、供給される水から蒸気を発生させる蒸発器の改造方法であって、
前記複数の伝熱管を、前記燃焼排ガスの流れの上流側に設けられた第1領域と、前記第1領域内よりもフィンピッチが狭い前記燃焼排ガスの流れの下流側に設けられた第2領域との2つの領域から構成し、前記第1領域の前記伝熱管の数量が前記第1領域及び前記第2領域の合計の前記伝熱管の数量のうちの15%〜50%の範囲を占めるように、前記第1領域を設けることを特徴とする蒸発器の改造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蒸発器、これを備えた排熱回収ボイラ、及び蒸発器の改造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)は、例えばガスタービン等と組み合わせて構成されるコンバインドサイクル発電プラントに使用されている。コンバインドサイクル発電プラントでは、ガスタービンによって発電機を駆動して発電し、さらに、ガスタービンから排出される排ガスの排熱を利用して排熱回収ボイラで蒸気を発生させる。この蒸気を蒸気タービンへ供給して発電機を駆動して発電することができる。従って、コンバインドサイクル発電プラントは、エネルギを有効に利用した高効率で環境に優しい発電プラントとして注目されている。
【0003】
従来の排熱回収ボイラにおいては、蒸発器を構成する伝熱管として、フィンピッチが排ガス上流側と下流側で同一ピッチのものが用いられている。しかしながら、近年、排熱回収ボイラの入口排ガス温度の上昇で、要求される主蒸気圧力の上昇に伴って、蒸発器を構成する伝熱管内の蒸気発生の条件をより適切に選定する必要性が出てきている。排熱回収ボイラの入口排ガス温度の上昇により、特に、燃焼排ガス上流側においては伝熱管の熱交換量が他に比べて高くなる傾向となるため、伝熱特性の調整が必要となってきている。
【0004】
伝熱管の伝熱特性の調整を行うための技術として、例えば特許文献1には、排ガス通路に複数のフィンチューブを配置して構成した蒸発器において、伝熱管のフィンチューブのフィン巻数を排ガス上流側のものは下流側のものより少なくする技術が報告されている。
【0005】
また、特許文献2には、ナトリウム等の熱媒体を空気との熱交換によって冷却する空気冷却器において、空気上流側に設けられたフィンチューブのフィン巻数を空気下流側のものより少なくすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−303701号公報
【特許文献2】実開昭61−58577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
排熱回収ボイラの入口排ガス温度の上昇に伴い、発生させる主蒸気圧力を上昇させる要求がある。伝熱管が水平方向に沿って配置された蒸発器においては、主蒸気圧力を上昇させるために伝熱管内の圧力を高くすることで、伝熱管の内部を流れる水と伝熱により発生する蒸気との密度差が小さくなり、伝熱管内の鉛直方向上面側に蒸気が集まって水と蒸気とが層分離することがある。このとき、蒸気が流れる伝熱管内の上面側は、水が流れる伝熱管内の鉛直方向下面側よりも伝熱特性が低下して、必要とされる温度・圧力での蒸気流量を確保できないとともに、伝熱管内の上面側のメタル温度が高くなり伝熱管の耐久性が低下する場合がある。
【0008】
ここで、水と蒸気とが二層分離することで、伝熱管での伝熱特性が低下するメカニズムについて、図4A図4B、及び図8を参照してより詳しく説明する。
【0009】
図8は従来の蒸発器を構成する伝熱管の一例を示す部分概略図である。なお、図8中の白抜きの矢印は燃焼排ガスが流れる方向を示している。
図8に示すように、従来の蒸発器を構成する伝熱管141は、燃焼排ガスの流路に複数配置されており、これら複数の伝熱管141の表面には、複数のフィン142が設けられている。伝熱管141の表面に設けられるフィン142のフィンピッチは、燃焼排ガスの上流側から下流側の全ての伝熱管141において、同一となっている。また、伝熱管141内には水が流れており、この水は燃焼排ガスの流路を流れる燃焼排ガスと熱交換することによって蒸気化する。
【0010】
図4Aは伝熱管の内部において水と蒸気との層分離が発生している状態(高クオリティー状態)を示す伝熱管の断面図である。また、図4Bは伝熱管の内部において水と蒸気との層分離が発生していない状態(低クオリティー状態)を示す伝熱管の断面図である。
【0011】
図4Aの状態では、伝熱管141の内部において水Wと蒸気Sとの層分離が発生しており、水Wが鉛直下側の下層に、そして蒸気Sが鉛直上側の上層に分かれて伝熱管141内を流れている。このような層分離が生じると、伝熱管141内の上面における蒸気Sが接した部分においては、熱伝達率が低下し、伝熱性能が低下してしまう。さらに、伝熱管141の内部の圧力が高くなると、伝熱管141の内部を流れる水と伝熱により発生する蒸気との密度差が小さくなり、水と蒸気の流速差が小さくなることで、さらに層分離を生じやすくなる。また、伝熱管141内のスケール抑制対策として給水にリン酸塩処理が適用されている場合、蒸気Sと水Wとの界面部(図4A中の太丸Cで囲った部分)で乾湿の繰り返し(乾湿交番)が生じることで、リン酸の濃縮が発生することがある。これにより、伝熱管141内において腐食が発生する可能性がある。
【0012】
一方、図4Bの状態では、伝熱管141の内部において水Wと蒸気Sとの層分離が発生しておらず、水Wが蒸気Sを内包した状態で伝熱管141内を流れている。この状態においては、伝熱管141の内面全体が水Wと接していることにより、良好な熱伝達率が維持できるため、伝熱性能の低下が抑制される。また、上記の乾湿交番も抑制されるため、伝熱管141内における腐食の発生も防止される。
【0013】
図8中の複数の伝熱管141のうち、熱吸収量の多いループにある伝熱管141内では、図4Bの状態から図4Aの状態へと変化し、伝熱管141内の上面に蒸気が集まって層分離が生じる傾向がある。即ち、より高クオリティーな状態となる傾向がある。
【0014】
上記の特許文献1,2には、伝熱管のフィンチューブのフィン巻数について、燃焼排ガス上流側のものを下流側のものより少なくする技術や、空気上流側のものを空気下流側のものより少なくする技術が報告されてきている。しかしながら、これらの特許文献1,2は、伝熱管の管内の圧力を上昇させた際の上記のような伝熱管内の内部における、水と蒸気との層分離の発生と伝熱性能の低下などの流動様式については十分には考慮していなかった。また、伝熱管内での蒸気Sと水Wとの層分離の界面部での給水処理用リン酸の濃縮による腐食を考慮して、伝熱管内での蒸気Sと水Wとの層分離を抑制することも考慮されていなかった。
【0015】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、蒸発器全体として十分な伝熱量を確保するとともに、伝熱管内での腐食の発生を低減することができる蒸発器及び蒸発器の改造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本開示は以下の手段を採用する。
本開示の幾つかの実施形態に係る蒸発器は、燃焼排ガスから熱エネルギを回収して管内を流通する流体へ伝熱する複数の伝熱管と、前記複数の伝熱管の表面に設けられた複数のフィンと、を備え、前記複数の伝熱管により構成され、供給される水から蒸気を発生させる蒸発器において、前記複数の伝熱管は、前記燃焼排ガスの流れの上流側に設けられた第1領域と、前記第1領域内よりもフィンピッチが狭い前記燃焼排ガスの流れの下流側に設けられた第2領域との2つの領域から構成されており、前記第1領域の前記伝熱管の数量は、前記第1領域及び前記第2領域の合計の記伝熱管の数量のうちの15%〜50%の範囲を占めるように設けられている。
【0017】
本開示の幾つかの態様に係る蒸発器であれば、伝熱管の吸熱量を十分に確保できる。また、3つ以上の領域から構成するよりも設計が容易となる。また、第1領域を上記範囲の下限値以上とすることにより、伝熱管内全体において、水と蒸気とが層分離せずに、水が蒸気を内包した状態の流れを形成することができる。これにより、吸熱量の低下を抑制することができる。また、給水にリン酸塩処理がなされている場合においては、蒸気と水の界面部でリン酸が濃縮し、腐食を発生させる可能性も低減することができる。ただし、蒸発器全体での伝熱面積の確保のため、第1領域の上限値を上記範囲の通り50%として、フィンピッチが狭く伝熱面積の大きな伝熱管による第2領域を確保している。
【0018】
上記実施形態において、前記複数の伝熱管は、前記燃焼排ガスの流れ方向に直交し、かつ水平方向に沿って配置されていることが好ましい。
【0019】
伝熱管が水平方向に沿って配置されている場合は水と蒸気の層分離が発生する可能性がある。しかしながら、本開示の幾つかの態様に係る蒸発器であれば、伝熱管を水平方向に沿って配置した場合においても、効果的に層分離の発生を抑制することができる。
【0020】
上記実施形態において、前記複数の伝熱管は、前記燃焼排ガスの流れ方向に沿って千鳥状に配置され、入口ヘッダ側の前記伝熱管は前記燃焼排ガスの流れ方向の上流側から下流側に配置され、出口ヘッダ側の前記伝熱管は、前記燃焼排ガスの流れ方向の下流側から上流側へと配置されていることが好ましい。
【0021】
このように伝熱管を配置すれば、各ループの吸熱量や伝熱量を均一にすることができる。これにより蒸発器全体としての伝熱性能を効果的に維持することができる。
【0022】
本開示の幾つかの実施形態に係る排熱回収ボイラは、前記燃焼排ガスがケーシングの内側をガス入口部からガス出口部まで流通し、前記ケーシング内に前記燃焼排ガスと熱交換を行う複数の熱交換器を備え、上述の幾つかの実施形態に係る蒸発器は、前記ケーシングに設置された前記複数の熱交換器のなかで、最も管内圧力が高い蒸発器として適用されている。
【0023】
本開示の幾つかの実施形態に係る排熱回収ボイラは、上述の蒸発器を備えているため、伝熱特性に優れ、効率の良い排熱回収ボイラとなる。
【0024】
本開示の幾つかの実施形態に係る蒸発器の改造方法は、燃焼排ガスから熱エネルギを回収して管内を流通する流体へ伝熱する複数の伝熱管と、前記複数の伝熱管の表面に設けられた複数のフィンと、を備え、前記複数の伝熱管より構成され、供給される水から蒸気を発生させる蒸発器の改造方法であって、前記複数の伝熱管を、前記燃焼排ガスの流れの上流側に設けられた第1領域と、前記第1領域内よりもフィンピッチが狭い前記燃焼排ガスの流れの下流側に設けられた第2領域との2つの領域から構成し、前記第1領域の前記伝熱管の数量が前記第1領域及び前記第2領域の合計の前記伝熱管の数量のうちの15%〜50%の範囲を占めるように、前記第1領域を設ける。
【0025】
本開示の幾つかの態様に係る蒸発器の改造方法であれば、改造後の蒸発器においては、伝熱管の吸熱量を十分に確保できる。また、3つ以上の領域から構成するよりも設計が容易となる。また、第1領域を上記範囲の下限値以上とすることにより、伝熱管内全体において、水と蒸気とが層分離せずに、水が蒸気を内包した状態の流れを形成することができる。これにより、改造後の蒸発器において、吸熱量の低下を抑制することができる。また、給水にリン酸塩処理がなされている場合においては、蒸気と水の界面部でリン酸が濃縮し、腐食を発生させる可能性も低減することができる。ただし、蒸発器全体での伝熱面積の確保のため、第1領域の上限値を上記範囲の通り50%として、フィンピッチが狭く伝熱面積の大きな伝熱管による第2領域を確保している。
【発明の効果】
【0026】
本開示の蒸発器及び蒸発器の改造方法によれば、伝熱管内全体において、水と蒸気が層分離せずに、水が蒸気を内包した状態の流れを形成することができるため、吸熱量の低下を抑制することができる。これにより、蒸発器全体として十分な伝熱量を確保することができる。また、給水にリン酸塩処理がなされている場合においては、蒸気と水の界面部でのリン酸の濃縮による、腐食の発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の一実施形態に係る蒸発器を備えた排熱回収ボイラの概略構成図である。
図2図1中の二点鎖線で囲まれた領域(高圧蒸発器)を拡大した拡大概略図である。
図3図2中の二点鎖線で囲まれた領域(燃焼排ガス上流側の5本の伝熱管)を拡大した拡大概略図である。
図4A】伝熱管の内部において水と蒸気との層分離が発生している状態(高クオリティー状態)を示す伝熱管の断面図である。
図4B】伝熱管の内部において水と蒸気との層分離が発生していない状態(低クオリティー状態)を示す伝熱管の断面図である。
図5】管内質量速度と管内面熱流束との関係を表すグラフである。
図6】第1領域の割合(フィンピッチを広くした伝熱管の割合)と高圧蒸発器における吸熱量との関係を表すグラフである。
図7図2の伝熱管のA−A断面図である。
図8】従来の蒸発器における伝熱管の構成の一例を示す部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本開示に係る蒸発器及び蒸発器の改造方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では、燃焼排ガスとしてガスタービンからの排ガスを適用した排熱回収ボイラを一例として説明するが、これに限定されない。即ち、燃焼排ガスとしてボイラ等からの排ガスを適用しても良い。なお、本実施形態では、上方とは鉛直上側の方向を、下方とは鉛直下側の方向を示している。
【0029】
〔蒸発器〕
以下、本開示の一実施形態に係る蒸発器について、図1図3を用いて説明する。
図1は本開示の一実施形態に係る蒸発器を備えた排熱回収ボイラの構成を示す概略図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る排熱回収ボイラ1は、ガスタービン(不図示)から導入される燃焼排ガスが保有する熱エネルギを利用して蒸気タービンを回転駆動用の蒸気を発生させるものである。排熱回収ボイラ1は、本実施形態では、例えばケーシング2と、高圧過熱器3と、高圧蒸発器4と、高圧節炭器5と、低圧蒸発器6と、低圧節炭器7と、を有する。高圧過熱器3、高圧蒸発器4、高圧節炭器5、低圧蒸発器6、低圧節炭器7は、ケーシング2内に燃焼排ガスのガス流れ方向に沿って上流側から下流側に向かってこの順に配置されている。なお、ケーシング2は鉄骨構造の外郭部8に支持されている。また、高圧蒸発器4は、本開示の一実施形態に係る蒸発器である。
【0031】
ケーシング2はガスタービン(不図示)で発生した燃焼排ガスが導入されるガス入口部9と、燃焼排ガスが排出されるガス出口部11には、煙突に続く出口ダンパ10とを有する。ケーシング2中に形成される燃焼排ガスの流路は、本実施形態では例えば鉛直上下方向に延びており、鉛直下方側から上方側に向けて燃焼排ガスが流れるように形成された縦型構造としている。出口ダンパ10は煙突と連結しており、出口ダンパ10から排出される燃焼排ガスは必要に応じて集塵機などの環境装置を経由して、煙突から大気に放出される。
【0032】
ここで、図2を示して本実施形態に係る蒸発器の構成についてより具体的に説明する。図2は、図1中の二点鎖線で囲まれた領域(高圧蒸発器4)を拡大した拡大概略図である。高圧蒸発器4(以降、蒸発器4と表す)は、燃焼排ガス流れ方向に直交する方向で、かつ水平方向に沿って燃焼排ガスの流路に配置された複数の伝熱管41から構成されている。各伝熱管41内には水や蒸気が流れており、この水や蒸気は燃焼排ガスの流路を流れる燃焼排ガスと熱交換することによって燃焼排ガスの熱エネルギを回収して蒸気を生成する。
【0033】
これらの伝熱管41は、途中で折り返した形状となっている。各伝熱管41の一端(燃焼排ガス上流側)には各伝熱管41の内部に水を導く入口ヘッダ43が設けられている。そして、他端(燃焼排ガス下流側)には各伝熱管41の内部で生成した蒸気と蒸発しなかった水とを排出する出口ヘッダ44が設けられている。また、図1に示すように、蒸発器4は、燃焼排ガスのケーシング2内の流路において高温の燃焼排ガスが流入する燃焼排ガスの上流側に配置されている。このため、蒸発器4は、低圧蒸発器6より上流側に配置され、ケーシング2の内に設置された各蒸発器のなかで、伝熱管の管内圧力が最も高い条件となっている。
【0034】
ここで、図5を示して水と蒸気とが二層分離する条件についてさらに詳しく説明する。図5は管内質量速度と管内面熱流束との関係を表すグラフである。また、グラフ中の破線の直線L1,L2は層分離の基準線を示し、L1は伝熱管の管内の圧力上昇前の基準線であり、L2は伝熱管の管内の圧力上昇後の基準線である。
【0035】
グラフ中の破線の直線L1(又はL2)よりも上側の条件(管内質量速度が大きい条件)の場合、管内面熱流束に対して管内質量速度が十分に確保されている(即ち、水が蒸気を内包し、管内部の流れが安定した状態となっている)ため、水と蒸気とが層分離しにくい傾向にある。
【0036】
一方、グラフ中の点線の直線L1(又はL2)よりも下側の条件(管内質量速度が小さい条件)の場合、管内面熱流束に対して管内質量速度が十分に確保されていないため、水と蒸気とが層分離しやすい傾向にある。より具体的には、伝熱管41内の蒸気が多くなると、水に比べて管内質量速度が遅くなる。熱流束が高い状態で、このように伝熱管41内の質量速度が低下すると、伝熱管41内の鉛直方向上面側に蒸気が集まりやすくなる。その結果、水と蒸気とが層分離しやすくなる。
【0037】
なお、図5中の白抜きの矢印で示すように、伝熱管41の管内の圧力が上昇した場合、層分離の基準線が例えばL1からL2に変化する。従って、伝熱管41の管内の圧力が上昇すると、同じ熱流束の条件でも層分離しやすい傾向になる。伝熱管41の管内の圧力が上昇する場合としては、例えば蒸発器4を排熱回収ボイラ1の燃焼排ガスの流路内において高温の燃焼排ガスが流れている燃焼排ガス上流側に配置した場合が挙げられる。
【0038】
このように、一般に水と蒸気とが層分離する条件は、伝熱管41の管内面熱流束と管内質量速度の影響を受ける。またこの影響は、伝熱管41の管内の圧力により変動し、管内の圧力の上昇により水と蒸気とが層分離しやすくなる。必要な蒸気発生量(質量速度)を得るためには、管内の圧力に対して、管内面の熱流束を適切にすることが有効である。熱流束を適切にする手法としては、伝熱管41のフィンピッチ密度を適正化する手法が挙げられるが、燃焼排ガス流量や伝熱管41の位置等、熱流束には種々の条件が影響する。そのため、フィンピッチ密度を適正化するには設計対応が複雑化する。
【0039】
なお、本明細書においては、燃焼排ガスとの熱交換を行う伝熱管の数量は、水平方向に沿って配置した直管部分を各々1本として数える。即ち、図2に一例として示す蒸発器4における伝熱管41の数量は、10本と数える。
【0040】
次に、図3を示して本実施形態に係る蒸発器4を構成する伝熱管41についてより具体的に説明する。図3は、図2中の二点鎖線で囲まれた領域(一例として示す燃焼排ガス上流側の5本の伝熱管)を拡大した拡大概略図である。図3に示すように、蒸発器4を構成する伝熱管41の表面には、複数のフィン42が設けられている。
【0041】
図4に一例として示した10本の伝熱管41は、燃焼排ガスの流れの上流側に設けられた第1領域45と、第1領域45内よりもフィンピッチが狭い、燃焼排ガスの流れの下流側に設けられた第2領域46(下流側の一部を省略して図示)との2つの領域から構成されている。第1領域(フィンピッチを広くした伝熱管41)に対して、第2領域(フィンピッチを狭くした伝熱管41)は、伝熱面積が大きくなるので燃焼排ガスとの熱交換量を増加できる領域となる。そして、第1領域45の伝熱管41の数量は、第1領域45及び第2領域46の合計した伝熱管41の数量のうちの15%〜50%の範囲を占めるように設けられている。なお、図3で一例と示した伝熱管41の中の第1領域45は、第1領域45(3本の伝熱管41)及び第2領域46(7本の伝熱管41)の合計のうちの30%(10本のうちの3本)の範囲を占めている。
【0042】
ここで、図6を示して、上記のように第1領域45を、第1領域45及び第2領域46の合計のうちの15%〜50%の範囲を占めるように設ける理由について説明する。
【0043】
図6は、本実施形態での一例として、第1領域の伝熱管の数量の割合(フィンピッチを広くした伝熱管の数量の割合)と高圧蒸発器における熱交換量である伝熱管内を流れる流体の吸熱量との関係を表すグラフである。図6の例に示すように、本例においては、第1領域の割合を0〜50%の範囲(図6の(a)と(b)の範囲)とした場合においては、第1領域の割合が増加することによる伝熱管内での水と蒸気との層分離の抑制効果の向上と、第2領域の割合(フィンピッチを狭くした伝熱管の数量の割合)低下による伝熱面積の減少とがバランスして、高圧蒸発器における吸熱量はほとんど変化せず、また要求される吸熱量を満足できることが分かる。一方、第1領域の割合を増加させるに従い、伝熱管内での水と蒸気との層分離が発生しないようになると、第2領域の割合が減少することで伝熱面積の減少による影響が大きくなり、燃焼排ガスからの吸熱量が低下し始める。第1領域の割合を50%超(図6の(c)の範囲)とした場合、第1領域の割合が増えるにつれて伝熱面積が減少することで吸熱量が減少する。これによって高圧蒸発器における吸熱量が徐々に低下してしまうため、図6の例に示すように、第1領域の割合を50%超とすると要求される吸熱量を満足できないことが分かる。要求される吸熱量を満足できない場合、蒸気発生量が低下するため、蒸発器としては不適となる。従って、図6の例のグラフに基づくと、第1領域の割合の上限値は50%とするのが適切であることが分かる。
【0044】
また、本実施形態での一例としては、第1領域の割合(フィンピッチを広くした伝熱管の割合)に対する、質量速度への影響が生じる場合が挙げられる。
【0045】
一例における質量速度は、第1領域の割合が15%に達するまで(図6の(a)の範囲)は伝熱管内での水と蒸気との層分離を発生しやすい領域であり、層分離が発生した場合は、伝熱性能が低下するために質量速度は低い状態になる。この領域は図6では破線で示している。第1領域の割合が15%に近づくと水と蒸気との層分離の抑制効果があるため、質量速度が向上する。第1領域の割合が15〜50%の範囲になると、質量速度は必要量を確保できるようになる。従って、第1領域の割合が15%を下回った場合においては、質量速度が低下した状態であり、伝熱管の内部では、水と蒸気の層分離した高クオリティー状態が発生しやすくなり、伝熱性能が低下する。一方、第1領域の割合が15〜50%の範囲(図6の(b)の範囲)においては、吸熱量や質量速度は適切な値となるため、伝熱管内での水と蒸気との層分離が抑制された状態になりやすく、伝熱性能は安定する。
【0046】
以上を踏まえると、本実施形態での第1領域45は、第1領域45及び第2領域46の合計のうちの15%〜50%の範囲を占めるように設けるのが適切であることが判断できる。
【0047】
次に、図7を示して、蒸発器4における複数の伝熱管41の配置について説明する。図7図2の伝熱管のA−A断面図である。図7に一例として示すように、10本の伝熱管41は燃焼排ガスの流れ方向(図7中の白抜きの矢印で示す方向)に沿って千鳥状に配置されている。
【0048】
また、入口ヘッダ側の5本の伝熱管41のうち燃焼排ガスの最上流側に配置されたものと、出口ヘッダ側の5本の伝熱管41のうち燃焼排ガスの最下流側に配置されたものとは、対になっている(連続した管となっている)。そして、入口ヘッダ側の残りの4本の伝熱管41と、出口ヘッダ側の残りの4本の伝熱管41とは、燃焼排ガスの流れ方向に沿って、伝熱管41の折り返し形状の内側(図7中の一点鎖線で示す位置)から順次対になるように配置されている。なお、図7中の点線の矢印は、それぞれ入口ヘッダ側の伝熱管と出口ヘッダ側の伝熱管とが対になっていることを示している。即ち、入口ヘッダ43側となる伝熱管41は、燃焼排ガスの流れ方向の上流側から下流側に配置され、この各伝熱管41が折り返されて出口ヘッダ44側となる伝熱管41は、燃焼排ガスの流れ方向の下流側から上流側へと配置されている。
【0049】
〔蒸発器の改造方法〕
次に、本開示の蒸発器の改造方法の一例について説明する。
本開示の幾つかの実施形態に係る蒸発器の改造方法は、燃焼排ガスから熱エネルギを回収して管内を流通する流体へ伝熱する複数の伝熱管と、前記複数の伝熱管の表面に設けられた複数のフィンと、を備えていて、複数の伝熱管より構成されて、供給される水から蒸気を発生させる蒸発器の改造方法である。本開示の幾つかの実施形態に係る蒸発器の改造方法では、前記複数の伝熱管を、前記燃焼排ガスの流れの上流側に設けられた第1領域と、前記第1領域内よりもフィンピッチが狭い前記燃焼排ガスの流れの下流側に設けられた第2領域との2つの領域から構成する。そして、前記第1領域の伝熱管の数量が前記第1領域及び前記第2領域の合計の伝熱管の数量のうちの15%〜50%の範囲を占めるように、前記第1領域を設けるものである。
【0050】
以下は、蒸発器における一例である10本の伝熱管のフィンピッチを変更し、第1領域が第1領域及び第2領域の合計のうちの30%の範囲を占めるようにする改造を行った場合の一例である。
【0051】
本実施形態においては、一例として10本の伝熱管41と、複数のフィン42と、を備えて、供給される水から蒸気を発生させる蒸発器4を準備する。
【0052】
次に、一例としての10本の伝熱管41の表面に設けられた複数のフィン42のフィンピッチを変更する。具体的には、10本の伝熱管41のうち、燃焼排ガスの流れの下流側に設けられた7本の伝熱管41を第2領域46としてフィンピッチを、燃焼排ガスの流れの上流側に設けられた第1領域45としての3本の伝熱管41のフィンピッチよりも狭くなるように変更する。このとき、第1領域45(3本の伝熱管41)は、第1領域45及び第2領域46(7本の伝熱管41)の合計(10本の伝熱管41)のうちの30%(10本のうちの3本)の範囲を占めている。これにより、蒸発器4の改造が完了する。
【0053】
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態の蒸発器4においては、上記のように伝熱管41のフィンピッチを、燃焼排ガスの流れの上流側で広くした第1領域と、そして下流側で狭くした第2領域とで構成したことを特徴とする。これにより、伝熱管41の吸熱量を十分に確保することができる。また、複数の伝熱管41を2つの領域から構成するため、3つ以上の領域から構成するよりも設計が容易となる。また、複数の伝熱管41を2つの領域から構成した上で、第1領域45の範囲を検討して、第1領域の伝熱管の数量は、第1領域及び第2領域の合計の伝熱管の数量のうちの15%〜50%の範囲を占めるように設けることとしたことにより、これまでにない知見を得ることができた。具体的には、第1領域45を上記範囲の下限値(15%)未満とすると、伝熱管41内で発生した蒸気が水と層分離し、蒸気が伝熱管41内面に接触して熱伝達率が低下してしまう。一方、第1領域45を上記範囲の下限値以上とすると、水と蒸気との層分離が抑制されるため、蒸気が伝熱管41内面へ接触しにくくなり、良好な熱伝達率が維持できる。これにより、伝熱性能の低下が抑制される。即ち、第1領域45を上記範囲の下限値以上とすることにより、伝熱管41内全体において、水と蒸気とが層分離せずに、水が蒸気を内包した状態の流れを形成することができる。これにより、層分離による伝熱管41内面の熱伝達率の低下が防止されるため、吸熱量の低下を抑制することができる。また、給水にリン酸塩処理がなされている場合においては、蒸気と水の界面部でリン酸が濃縮し、腐食を発生させる可能性も低減することができる。ただし、蒸発器全体での伝熱面積の確保のため、第1領域の上限値を上記範囲の通り50%として、フィンピッチが狭く伝熱面積の大きな伝熱管による第2領域を確保している。
【0054】
また、伝熱管41が水平方向に沿って配置されている場合は水と蒸気の層分離が発生しやすい。しかしながら、本実施形態に係る蒸発器4であれば、伝熱管41を水平方向に沿って配置した場合においても、効果的に層分離の発生を抑制することができる。
【0055】
また、千鳥状に伝熱管41を配置して、入口ヘッダ43側となる伝熱管41は、燃焼排ガスの流れ方向の上流側から下流側に配置され、この各伝熱管41が折り返されて出口ヘッダ44側となる伝熱管41は、燃焼排ガスの流れ方向の下流側から上流側へと配置されている。これにより、各ループの伝熱管41の各々の吸熱量や伝熱量を均一にすることができる。また、蒸発器全体としての伝熱性能を効果的に維持することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る排熱回収ボイラ1は、上述の蒸発器4を備えているため、効率の良い排熱回収ボイラとなる。
【0057】
本実施形態に係る蒸発器の改造方法は、改造後の蒸発器4において、上記のように伝熱管41のフィンピッチを、燃焼排ガスの流れの上流側で広くした第1領域と、そして下流側で狭くした第2領域とで構成することを特徴とする。これにより、改造後の蒸発器4においては、伝熱管41の吸熱量を十分に確保することができる。また、複数の伝熱管41を2つの領域から構成するため、3つ以上の領域から構成するよりも設計が容易となる。また、複数の伝熱管41を2つの領域から構成した上で、第1領域45の範囲を検討して、第1領域の伝熱管の数量は、第1領域及び第2領域の合計の伝熱管の数量のうちの15%〜50%の範囲を占めるように設けることとしたことにより、これまでにない知見を得ることができた。具体的には、第1領域45を上記範囲の下限値(15%)未満とすると、伝熱管41内で発生した蒸気が水と層分離し、蒸気が伝熱管41内面に接触して熱伝達率が低下してしまう。一方、第1領域45を上記範囲の下限値以上とすると、水と蒸気との層分離が抑制されるため、蒸気が伝熱管41内面へ接触しにくくなり、良好な熱伝達率が維持できる。これにより、伝熱性能の低下が抑制される。即ち、第1領域45を上記範囲の下限値以上とすることにより、伝熱管41内全体において、水と蒸気とが層分離せずに、水が蒸気を内包した状態の流れを形成することができる。これにより、層分離による伝熱管41内面の熱伝達率の低下が防止されるため、改造後の蒸発器4において、吸熱量の低下を抑制することができる。また、給水にリン酸塩処理がなされている場合においては、蒸気と水の界面部でリン酸が濃縮し、腐食を発生させる可能性も低減することができる。ただし、蒸発器全体での伝熱面積の確保のため、第1領域の上限値を上記範囲の通り50%として、フィンピッチが狭く伝熱面積の大きな伝熱管による第2領域を確保している。
【0058】
なお、以上に説明した実施形態においては、排熱回収ボイラ1内の燃焼排ガス流路を鉛直下方側から鉛直上方側に向けてガスが流れる燃焼排ガス流路として説明したが、燃焼排ガス流路は鉛直下方側から斜め上方側に向いたものや、鉛直上方側から鉛直下方側に向いたものでも良い。以上に説明した実施形態においては、複数の伝熱管41が、水平方向に沿って配置されていれば、燃焼排ガス流路方向に限定されない。また、蒸発器を高圧蒸発器4として説明したが、これに限定されない。即ち、伝熱管41内での水と蒸気の層分離を発生しやすい領域があり、層分離が発生した場合は、伝熱性能が低下して蒸気発生量を確保する余裕の無い蒸発器が対象であり、低圧蒸発器6であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 排熱回収ボイラ
2 ケーシング
3 高圧過熱器
4 (高圧)蒸発器
5 高圧節炭器
6 低圧蒸発器
7 低圧節炭器
8 外郭部
9 ガス入口部
10 出口ダンパ
11 ガス出口部
41 伝熱管
42 フィン
43 入口ヘッダ
44 出口ヘッダ
45 第1領域
46 第2領域
S 蒸気
W 水
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8