【解決手段】 顧客から受け付けた仮想通貨の売買注文の最良条件での執行が可能となるように、取次業者が2以上の仮想通貨交換業者に取次ぎ可能であり、顧客が保有する仮想通貨を仮想通貨交換業者以外の管理者が分別管理する構成を前提として、管理者が分別管理のために設定した口座と、売買注文を発注した2以上の交換業者における取次業者の口座の間において発生する仮想通貨の清算を、所定のタイミングでネッティングして送金するよう構成することによって、最良条件での執行によって顧客に有利な条件での取引を可能にするとともに、口座間の清算をまとめて行うことで仮想通貨を送金するトランザクションを削減して、マイナーへの支払い手数料の抑制を可能にするスキームを実現した。
前記管理者サーバは、前記ネッティングによる仮想通貨の清算で、前記管理者サーバにおいて管理される口座から前記取次業者の口座の少なくとも一つの口座への送金が必要になる場合は、前記送金のための取引データを前記P2Pネットワークに送信することによって、前記清算のための仮想通貨の送金処理を実行すること
を特徴とする請求項1記載の仮想通貨の取引方法。
顧客から受け付けた仮想通貨の売買注文を仮想通貨交換業者に取り次ぐ取次業者の取次業者サーバとネットワークを介して接続された2以上の仮想通貨交換業者の交換業者サーバと、顧客が保有する仮想通貨を分別管理する仮想通貨交換業者以外の管理者の管理者サーバからなる仮想通貨取引システムであって、
前記2以上の仮想通貨交換業者の交換業者サーバは、
前記取次業者サーバから仮想通貨の売買注文を受け付けると、前記売買注文に基づく仮想通貨の取引データを仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワークに送信することによって、前記売買注文の執行により発生する仮想通貨の送金処理を実行する手段と、
所定の期間内に前記取次業者との間で送金処理が実行された、前記管理者において分別管理される仮想通貨に関連する所定の取引による仮想通貨の買越し額又は売越し額を、所定のタイミングで算出して前記管理者サーバに送信する手段を備え、
前記管理者サーバは、
前記2以上の交換業者サーバから受信した前記買越し額と前記売越し額をネッティングして、各々の仮想通貨交換業者に対する仮想通貨の買越し額又は売越し額を清算するための仮想通貨の清算方法に関する清算情報を、清算のための仮想通貨の送金処理が必要となる交換業者サーバに送信する手段を備えていて、
さらに前記2以上の仮想通貨交換業者の交換業者サーバは、
前記清算情報に指定された仮想通貨を、前記顧客が保有する仮想通貨を前記管理者が分別管理するために設定した管理者サーバにおいて管理される口座、又は他の交換業者サーバにおいて管理される前記取次業者の口座の少なくとも一つの口座に送金するための取引データを前記P2Pネットワークに送信することによって、前記清算情報に基づく仮想通貨の送金処理を実行する手段を備えること
を特徴とする仮想通貨取引システム。
顧客から受け付けた仮想通貨の売買注文を仮想通貨交換業者に取り次ぐ取次業者の取次業者サーバと、前記取次業者サーバとネットワークを介して接続された2以上の仮想通貨交換業者の交換業者サーバと、顧客が保有する仮想通貨を分別管理する仮想通貨交換業者以外の管理者の管理者サーバからなる仮想通貨取引システムであって、
前記2以上の仮想通貨交換業者の交換業者サーバは、
前記取次業者サーバから仮想通貨の売買注文を受け付けると、前記売買注文に基づく仮想通貨の取引データを仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワークに送信することによって、前記売買注文の執行により発生する仮想通貨の送金処理を実行する手段と、
所定の期間内に前記取次業者との間で送金処理が実行された、前記管理者において分別管理される仮想通貨に関連する所定の取引による仮想通貨の買越し額又は売越し額を、所定のタイミングで算出して前記取次業者サーバに送信する手段を備え、
前記取次業者サーバは、
前記2以上の交換業者サーバから受信した前記買越し額と前記売越し額をネッティングして、各々の仮想通貨交換業者に対する仮想通貨の買越し額又は売越し額を清算するための仮想通貨の清算方法に関する清算情報を、清算のための仮想通貨の送金処理が必要となる交換業者サーバと前記管理者サーバに送信する手段を備えていて、
さらに前記2以上の仮想通貨交換業者の交換業者サーバと前記管理者サーバは、
前記清算情報に指定された仮想通貨を、前記顧客が保有する仮想通貨を前記管理者が分別管理するために設定した管理者サーバにおいて管理される口座、又は他の交換業者サーバにおいて管理される前記取次業者の口座の少なくとも一つの口座に送金するための取引データを前記P2Pネットワークに送信することによって、前記清算情報に基づく仮想通貨の送金処理を実行する手段を備えること
を特徴とする仮想通貨取引システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明では、仮想通貨の取引情報をP2Pネットワークのブロックチェーンに記録するビットコインを例示して説明するが、仮想通貨の種別、顧客からの売買注文の受付主体やリクイディティ・プロバイダ(LP)の利用の有無等の具体例は、本発明の実施形態の一例を示したものであって、本発明はここに説明する実施形態に限定されるものではない。
【0020】
図1と
図2は、仮想通貨(ビットコイン)を購入する現在の一般的なスキームを示している。仮想通貨を購入したい顧客Cは、PCやスマートフォン等のネットワーク端末(顧客端末)から、インターネット経由で仮想通貨交換業者(いわゆる仮想通貨の「取引所」)Xの交換業者Xサーバにアクセスして、仮想通貨を取引するための口座を開設する。さらに、顧客端末に、「ウォレット」と呼ばれる仮想通貨の注文や保管に用いられる専用のソフトウェアをダウンロードする。
【0021】
顧客Cが仮想通貨を購入する際には、顧客端末から交換業者Xサーバにアクセスして、仮想通貨の買い注文を発注する。交換業者Xサーバでは、受け付けた買い注文に基づく取引データを生成し、P2Pネットワークに送信することによって、仮想通貨の送金処理を完了する。顧客が仮想通貨を購入した取引に関する情報は、交換業者Xサーバの取引データベースにも記録される。
【0022】
図1は、以上の処理フローの一例を示したものであるが、顧客端末からウォレットを用いて1BTC(BTCはビットコインの単位)の買い注文に関する情報が送信されると、これを受け付けた交換業者Xサーバでは、交換業者Xの自己勘定の口座(X@X)から交換業者Xに開設された顧客Cの口座(C@X)に購入された仮想通貨を送金するための取引データ、具体的には、インプットには交換業者Xの自己勘定の口座(X@X)のアドレスと1BTC、アウトプットには交換業者Xに開設された顧客Cの口座(C@X)のアドレスと1BTCを指定し、これに交換業者Xの自己勘定の口座(X@X)のウォレットの秘密鍵で電子署名した取引データが、P2Pネットワークに送信される。
【0023】
尚、実際の取引では、P2Pネットワークに送信される取引データにはマイナーに支払う手数料に関する情報も含まれ、インプットの金額は1BTC+手数料となり、アウトプットには交換業者Xに開設された顧客Cの口座(C@X)のアドレスと1BTCの他に、マイナーに支払う手数料に関する情報が追加される。以降の説明においても、マイナーに支払う手数料は省略して説明することとしているが、実際は取引データをP2Pネットワークに送信する毎に、マイナーに支払う手数料が発生する。
【0024】
また、こうした仮想通貨の売買のために、顧客は仮想通貨交換業者に円等の法定通貨の口座も開設して、口座に預け入れた円等の法定通貨で決済を行うのが通常であるが、仮想通貨の購入代金や売却資金の決済の方法は特に本発明に固有のものではないため、以降の説明も含めて、仮想通貨の売買代金によって発生する円等の法定通貨による決済の流れに関する説明は省略する。
【0025】
さらに、この例では、仮想通貨交換業者による仮想通貨の売買は、仮想通貨交換業者に開設された顧客の仮想通貨の口座と仮想通貨交換業者の自己勘定の仮想通貨の間で行われるもの(いわゆる「販売所」としての売買)として説明しているが、他の顧客の口座等の仮想通貨交換業者の自己勘定以外の口座との間で取引を行うこと(いわゆる「取引所」としての売買)も可能であり、本発明において顧客が仮想通貨を売買する方法は、いずれの方法に限定されるものでもない。
【0026】
顧客Cが購入した仮想通貨を自らの手元で保管したい場合には、顧客端末からウォレットを用いて交換業者Xサーバにアクセスして、交換業者Xに開設された顧客Cの口座から、顧客端末のウォレットへの仮想通貨の送金依頼(送信先となる顧客端末のウォレットのアドレスがパラメータ設定される)を送信する。交換業者Xサーバでは、受け付けた送金依頼に基づく取引データを生成して、P2Pネットワークに送信することによって仮想通貨の送金処理を完了する。顧客が仮想通貨を送金した取引情報は、交換業者Xサーバの取引データベースにも記録される
【0027】
図2は、以上の処理フローの一例を示したものであるが、顧客端末から1BTCを顧客端末のウォレットに送金する送金依頼に関する情報(顧客端末のウォレットのアドレスを含む)が送信されると、これを受け付けた交換業者Xサーバでは、交換業者Xに開設された顧客Cの口座(C@X)から顧客端末のウォレット(C@C)に仮想通貨を送金するための取引データ、具体的には、インプットには交換業者Xに開設された顧客Cの口座(C@X)のアドレスと1BTC、アウトプットには顧客端末のウォレット(C@C)のアドレスと1BTCを指定し、これに交換業者Xに開設された顧客Cの口座(C@X)のウォレットの秘密鍵で電子署名した取引データが、P2Pネットワークに送信される。
【0028】
こうした仮想通貨を購入する現在の一般的なスキームに対して、本発明では、顧客からの仮想通貨の売買注文を証券会社等が仮想通貨交換業者に取り次ぎ、かつ、顧客が購入して保有することとなった仮想通貨を、仮想通貨交換業者以外の管理者が分別管理して保管するスキームを前提としている。
図3−8は、本発明に係る仮想通貨取引システムの実施形態の例を示したものであるが、
図3−5は、信託銀行等の信託会社が管理者となり、顧客が保有する仮想通貨を信託財産として管理する第1の実施形態を示している。
図6−8は、取次業者である証券会社が管理者となり、顧客が保有する仮想通貨を預かり資産として管理する第2の実施形態を示している。
【0029】
図3に示した第1の実施形態では、顧客端末からの仮想通貨の売買注文は、取次業者サーバを介して交換業者Xサーバ等に送信され、顧客が購入して保有することとなる仮想通貨は、信託会社サーバにおいて信託財産として管理される構成となる。取次業者サーバは、最良条件での執行が可能となるように、2以上の仮想通貨交換業者のサーバ(交換業者Xサーバ、交換業者Yサーバ等)に売買注文を取り次ぐことが可能な構成となっている。
【0030】
尚、顧客からの仮想通貨の売買注文等の仮想通貨交換業者への取次ぎは、
図4に示したように、顧客が口座を開設して仮想通貨の売買注文等を受け付ける証券会社等自身が行うこととしてもよいし、
図5に示したように、複数の仮想通貨交換業者から最良条件の執行先を選択して取り次ぐサービス等を提供するリクイディティ・プロバイダ(LP)に、顧客からの売買注文を受け付けた証券会社等が取次ぎを委託することとしてもよい。前者の場合、
図3の証券会社サーバが単独で本発明に係る取次業者サーバに該当し、後者の場合、
図3の証券会社サーバとLPサーバの双方を合わせた機能(交換業者Xサーバ等の仮想通貨交換業者のサーバとの関係では、特にLPサーバの機能)が、本発明に係る取次業者サーバに該当することになり、いずれのケースでも、信託会社サーバが管理者サーバとしての機能を備えることになる。
【0031】
図6に示した第2の実施形態では、顧客端末からの仮想通貨の売買注文は、取次業者サーバを介して交換業者Xサーバ等に送信され、顧客が購入して保有することとなる仮想通貨は、証券会社サーバにおいて預かり資産として管理される構成となる。取次業者サーバは、最良条件での執行が可能となるように、2以上の仮想通貨交換業者のサーバ(交換業者Xサーバ、交換業者Yサーバ等)に売買注文を取り次ぐことが可能な構成となっている。
【0032】
第1の実施形態と同様に、顧客からの仮想通貨の売買注文等の仮想通貨交換業者への取次ぎは、
図7に示したように、顧客が口座を開設して仮想通貨の売買注文等を受け付ける証券会社等自身が行うこととしてもよいし、
図8に示したように、複数の仮想通貨交換業者から最良条件の執行先を選択して取り次ぐサービス等を提供するリクイディティ・プロバイダ(LP)に、顧客からの売買注文を受け付けた証券会社等が取次ぎを委託することとしてもよい。前者の場合、
図6の証券会社サーバが単独で本発明に係る取次業者サーバに該当し、後者の場合、
図6の証券会社サーバとLPサーバの双方を合わせた機能(交換業者Xサーバ等の仮想通貨交換業者のサーバとの関係では、特にLPサーバの機能)が、本発明に係る取次業者サーバに該当することになり、いずれのケースでも、証券会社サーバは管理者サーバとしての機能も備えることになる。
【0033】
本発明では、顧客端末からの仮想通貨の売買注文は、取次業者サーバを介して交換業者Xサーバ等に送信され、当該売買注文に基づいて仮想通貨を送金する取引データが、仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワーク(ブロックチェーン)に送信される。このようにして発生した取引情報は、交換業者Xサーバ等の取引データベースにも記録され、日次締め等の所定のタイミングで、所定の期間中の取引を清算するための仮想通貨の買越し額又は売越し額を算出する。算出した買越し額又は売越し額に対応する仮想通貨を、仮想通貨交換業者以外の管理者が顧客の仮想通貨を分別管理するために設定した管理者サーバにおいて管理される口座(管理者が信託会社であれば信託口座、管理者が証券会社であれば証券会社の預かり口座)との間で送金処理を行うことによって、顧客が保有する仮想通貨は管理者によって分別管理される口座に保管されることとなる。
【0034】
本発明では、顧客の売買注文を最良条件で執行して顧客に有利な条件で取引できるように、複数の仮想通貨交換業者の利用を可能としているが、各々の仮想通貨交換業者との間で発生した買越し額又は売越し額が、所定のタイミングで交換業者Xサーバ、交換業者Yサーバ等の各々の仮想通貨交換業者のサーバで算出され、算出された買越し額又は売越し額に関する情報を、管理者の管理者サーバ又は取次業者の取次業者サーバに送信する。この情報を受け付けた管理者サーバ又は取次業者サーバでは、各々の仮想通貨交換業者との間で発生した買越し額又は売越し額のネッティングを行って、ネッティングの結果に基づく各々の仮想通貨交換業者に対する仮想通貨の買越し額又は売越し額を清算するための仮想通貨の清算方法に関する情報を、交換業者Xサーバ、交換業者Yサーバ等の仮想通貨交換業者のサーバに送信する。この清算方法に関する情報に基づいて、各々の仮想通貨交換業者のサーバで必要な送金処理を実行することとすれば、清算のために必要なトランザクションを削減して、マイナーへの支払い手数料を抑制することが可能になる。
【0035】
図9は、本発明に係る仮想通貨取引システムの構成の一例を示している。
図9において、交換業者サーバ40、50等の交換業者サーバと管理者サーバ30の組合せ、又は、交換業者サーバ40、50等の交換業者サーバと取次業者サーバ20及び管理者サーバ30の組合せが、本発明に係る仮想通貨取引システムに対応する。
【0036】
顧客端末10には、インターネットに接続可能なPCやスマートフォン、タブレット型コンピュータ等のネットワーク端末が用いられる。顧客端末10は、Webブラウザや専用のアプリケーションソフト等によって、証券会社等が運用する取次業者サーバ20とのデータの送受信が可能であれば、その構成は特に限定されるものではない。
【0037】
取次業者サーバ20には、インターネットに接続可能なコンピュータが用いられるが、顧客端末10、管理者サーバ30、交換業者サーバ40や交換業者サーバ50とのデータの送受信が可能であれば、その構成は特に限定されるものではない。先に
図3−8を用いて説明したとおり、取次業者サーバ20は、
図3、6の証券会社サーバのみ、あるいは
図3、6の証券会社サーバとLPサーバ双方の、いずれによって構成されるものであってもよい。後者の場合、証券会社サーバとLPサーバは物理的に異なるコンピュータがインターネットを介して接続される構成となるが、それらを一体とみなして取次業者サーバ20と捉えるものとする。
【0038】
取次業者サーバ20の取引処理部21、清算処理部22は、いずれも機能的に特定されるものであって、取次業者サーバ20を構成するコンピュータのHDD等の補助記憶装置に格納された各部の機能に対応するプログラムがコンピュータのメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって各々の機能が実現される。
【0039】
取引情報格納部23には、取次業者サーバ20を構成するコンピュータの補助記憶装置等の所定の記憶領域が割り当てられる。取次業者のウォレットに保管している仮想通貨の送金に必要となる秘密鍵等の情報は、ウォレット格納部24に格納されるが、ウォレット格納部24は情報の読出しや書込みが必要となる際にのみ取次業者サーバ20と接続され、通常はネットワークから遮断された構成(いわゆる「コールドウォレット」)とすることが好ましい。
【0040】
管理者サーバ30にも、インターネットに接続可能なコンピュータが用いられるが、取次業者サーバ20、交換業者サーバ40や交換業者サーバ50とのデータの送受信が可能であれば、その構成は特に限定されるものではない。
【0041】
管理者サーバ30の取引処理部31、清算処理部32は、いずれも機能的に特定されるものであって、管理者サーバ30を構成するコンピュータのHDD等の補助記憶装置に格納された各部の機能に対応するプログラムがコンピュータのメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって各々の機能が実現される。取引処理部31は、仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワークに、取引データを送信する機能も備えている。先に
図3−8を用いて説明したとおり、管理者サーバ30は、
図3−5の第1の実施形態では信託会社サーバ、
図6−8の第2の実施形態では証券会社サーバが対応することとなる。第2の実施形態では、証券会社サーバに取次業者サーバ20と管理者サーバ30の双方の機能が備えられることになるが、各々のサーバに対応する機能が備えられていればよく、その物理的な構成は特に限定されるものではない。
【0042】
取引情報格納部33には、管理者サーバ30を構成するコンピュータの補助記憶装置等の所定の記憶領域が割り当てられる。管理者のウォレットに保管している仮想通貨の送金に必要となる秘密鍵等の情報は、ウォレット格納部34に格納されるが、ウォレット格納部34は情報の読出しや書込みが必要となる際にのみ管理者サーバ30と接続され、通常はネットワークから遮断された構成(いわゆる「コールドウォレット」)とすることが好ましい。
【0043】
交換業者サーバ40にも、インターネットに接続可能なコンピュータが用いられるが、取次業者サーバ20、管理者サーバ30、交換業者サーバ50とのデータの送受信が可能であれば、その構成は特に限定されるものではない。交換業者サーバ50についても、以下に説明する交換業者サーバ40と同様の構成となる。
【0044】
交換業者サーバ40の取引処理部41、清算処理部42は、いずれも機能的に特定されるものであって、交換業者サーバ40を構成するコンピュータのHDD等の補助記憶装置に格納された各部の機能に対応するプログラムがコンピュータのメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって各々の機能が実現される。取引処理部41は、仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワークに、取引データを送信する機能も備えている。
【0045】
取引情報格納部43には、交換業者サーバ40を構成するコンピュータの補助記憶装置等の所定の記憶領域が割り当てられる。顧客からの預かり資産として仮想通貨交換業者がウォレットに保管している仮想通貨の送金に用いられる秘密鍵等の情報や、仮想通貨交換業者の自己勘定として自らのウォレットに保管している仮想通貨の送金に用いられる秘密鍵等の情報は、ウォレット格納部44に格納されるが、ウォレット格納部44は情報の読出しや書込みが必要となる際にのみ交換業者サーバ40と接続され、通常はネットワークから遮断された構成(いわゆる「コールドウォレット」)とすることが好ましい。
【0046】
以上の構成を前提として、本発明の実施形態について、
図10−17に示した例を用いて、具体的に説明する。尚、
図10−17の取次業者Bサーバ、管理者Mサーバ、交換業者Xサーバ、交換業者Yサーバは、それぞれ
図4の取次業者サーバ20、管理者サーバ30、交換業者サーバ40、交換業者サーバ50に対応する。
【0047】
ここに示した実施形態では、交換業者Xサーバ、交換業者Yサーバ等の2以上の仮想通貨交換業者のサーバで算出した、所定の期間における仮想通貨の買越し額又は売越し額に関する情報を、顧客が保有する仮想通貨を分別管理する仮想通貨交換業者以外の管理者の管理者Mサーバ、又は、仮想通貨の売買注文を取り次ぐ取次業者Bサーバに集約してネッティングした上で、清算に必要な額を管理者Mサーバで分別管理された口座との間、あるいは交換業者Xサーバや交換業者Yサーバ等の他の仮想通貨交換業者の口座との間で送金する処理を実行する構成となる。
【0048】
まず、買越しとなるケースについて、
図10−13の流れに沿って説明する。
図10に示したように、顧客Cが所定の期間(例えば、1営業日の取引可能な時間帯)に、仮想通貨の2BTCの買い注文と1BTCの売り注文を、異なるタイミングで取次業者Bに発注したとする。これらの売買注文に関する情報は、顧客端末10から取次業者サーバ20に送信され、取次業者サーバ20で受け付けられると、取引処理部21が起動されて、注文を受け付けたタイミングでの最良条件の執行先となる仮想通貨交換業者を選択して、選択された仮想通貨交換業者のサーバに、受け付けた売買注文を取り次ぐ処理を実行する。
【0049】
2BTCの買い注文の最良条件の執行先として交換業者Xが選択されると、交換業者サーバ40に仮想通貨の2BTCの買い注文を発注する。交換業者サーバ40では取引処理部41が起動されて、受け付けた買い注文に基づく取引データ、具体的には
図10に示したように、交換業者Xの自己勘定の口座(X@X)から交換業者Xに開設された取次業者Bの口座(B@X)に2BTCの仮想通貨を送金するための取引データを生成し、ウォレット格納部44に格納された交換業者Xの自己勘定の口座(X@X)の秘密鍵で電子署名を行い、この取引データを仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワークに送信することによって、仮想通貨の送金処理を実行する(尚、交換業者サーバ40からP2Pネットワークへの取引データの送信は、トランザクション毎に発生するマイナーの手数料を抑制するために、取引毎ではなく所定の期間中の取引をネッティングして送信することとしてもよい)。
【0050】
顧客Cが2BTCの仮想通貨を購入した取引情報は、取引情報格納部43にも記録され、取次業者サーバ20でも、顧客Cによる2BTCの仮想通貨の購入と、管理者サーバ30で分別管理される顧客Cの保有する仮想通貨の口座の残高の増加が、取引情報格納部23に記録される。
【0051】
1BTCの売り注文の最良条件の執行先として交換業者Yが選択されると、交換業者サーバ50に仮想通貨の1BTCの売り注文を発注する。交換業者サーバ50では取引処理部51が起動されて、受け付けた売り注文に基づく取引データ、具体的には
図10に示したように、交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)から交換業者Yの自己勘定の口座(Y@Y)に1BTCの仮想通貨を送金するための取引データを生成し、ウォレット格納部54に格納された交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)の秘密鍵で電子署名を行い、この取引データを仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワークに送信することによって、仮想通貨の送金処理を実行する(尚、交換業者サーバ50からP2Pネットワークへの取引データの送信は、トランザクション毎に発生するマイナーの手数料を抑制するために、取引毎ではなく所定の期間中の取引をネッティングして送信することとしてもよい)。
【0052】
顧客Cが1BTCの仮想通貨を売却した取引情報は、取引情報格納部53にも記録され、取次業者サーバ20でも、顧客Cによる1BTCの仮想通貨の売却と、管理者サーバ30で分別管理される顧客Cの保有する仮想通貨の口座の残高の減少が、取引情報格納部23に記録される。
【0053】
各営業日の取引可能時間終了後の日次の締めを行う等の所定のタイミングになると、交換業者サーバ40では清算処理部42が、交換業者サーバ50では清算処理部52がそれぞれ起動され、当該営業日の取引時間中等の所定の期間内に、自己勘定の口座(X@X、Y@Y)と取次業者Bの口座(B@X、B@Y)との間で送金処理が実行された取引を清算して、仮想通貨の買越し額又は売越し額を算出する。ここで買越し額又は売越し額を算出する対象となるのは、管理者Mにおいて分別管理されている仮想通貨に関連する取引に限定され、これらの取引を取次業者Bの口座(B@X、B@Y)を各々の仮想通貨交換業者に設定して行うことによって、対象となる取引の選別が可能となる。
【0054】
買越し額又は売越し額の算出に必要な取引に関する情報は、取引情報格納部43と取引情報格納部53から、それぞれ対象となる口座における対象期間中の取引情報を検索して、読み出すこととすればよい。
図10の例では、交換業者Xの交換業者サーバ40では、対象期間中に2BTCの買い注文の取引のみが行われたので、基準となる取引前の残高に対して取次業者の買越しとなり、買越し額は2BTCと算出される。交換業者Yの交換業者サーバ50では、対象期間中に1BTCの売り注文の取引のみが行われたので、基準となる取引前の残高に対して取次業者の売越しとなり、売越し額は1BTCと算出される。
【0055】
このようにして算出された買越し額と売越し額に関する情報は、
図11に示したように、それぞれ交換業者サーバ40と交換業者サーバ50から、管理者サーバ30に送信される。管理者サーバ30では清算処理部32が起動されて、交換業者サーバ40と交換業者サーバ50からから受信した買越し額と売越し額をネッティングして、各々の仮想通貨交換業者に開設した口座に発生した仮想通貨の買越し額又は売越し額を清算して、各々の仮想通貨交換業者に開設した取次業者Bの口座の残高を取引前の基準額に戻すための仮想通貨の清算方法に関する情報を、清算のための仮想通貨の送金処理が必要となる仮想通貨交換業者のサーバに送信する。
【0056】
具体的には、交換業者Xに開設された取次業者Bの口座(B@X)の口座は2BTCの買越し、交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)は1BTCの売越しが生じているので、これらをネッティングすると、交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)に生じた1BTCの売越しを清算して取引前の基準残高に戻すために、交換業者Xに開設された取次業者Bの口座(B@X)に生じた買越し額から、1BTCを交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)に送金し、交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)の残りの買越し額となる1BTCを、管理者Mが顧客Cのために分別管理している口座(B@M)に送金すればよいことになる。
【0057】
交換業者サーバ40と交換業者サーバ50で算出された買越し額と売越し額に関する情報は、管理者サーバ30ではなく、交換業者サーバ40と交換業者サーバ50から取次業者Bの取次業者サーバ20に送信して、取次業者サーバ20に集約することとしてもよい。この場合、買越し額と売越し額をネッティングは取次業者サーバ20で行われて、各々の仮想通貨交換業者に開設した取次業者Bの口座の残高を取引前の基準額に戻すための仮想通貨の清算方法に関する情報は、取次業者サーバ20から清算のための仮想通貨の送金処理が必要となる仮想通貨交換業者や管理者のサーバに送信されることになる。
【0058】
尚、この例では、一の顧客である顧客Cからの仮想通貨の売買注文を対象にして説明しているが、実際の運用では取次業者は多数の顧客からの注文を取り次ぐことになるので、管理者Mが分別管理している口座(B@M)は、取次業者の複数の顧客が保有する仮想口座の残高が合算された状態になる。それらの顧客別の内訳は、取次業者サーバ20の取引情報格納部23、あるいは管理者サーバ30の取引情報格納部33において管理することとすればよい。
【0059】
以上のように算出された仮想通貨の買越し額又は売越し額を清算するための仮想通貨の清算方法に関する情報が、
図12に示したように、管理者サーバ30(取次業者サーバ20に集約する場合は取次業者サーバ20)から、清算のための仮想通貨の送金処理が必要となる交換業者Xの交換業者サーバ40に送信される。交換業者サーバ40では取引処理部41が起動され、
図13に示したように、交換業者Xに開設された取次業者Bの口座(B@X)から、交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)に1BTCの仮想通貨を、管理者Mが分別管理している口座(B@M)に1BTCの仮想通貨を送金するための取引データを生成し、ウォレット格納部44に格納された交換業者Xに開設された取次業者Bの口座(B@X)の秘密鍵で電子署名を行い、この取引データを仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワークに送信することによって、仮想通貨の送金処理を実行する。
【0060】
こうした仮想通貨の買越し額と売越し額を清算する取引とそれに伴う仮想通貨の残高の変動は、取次業者サーバ20の取引情報格納部23、管理者サーバ30の取引情報格納部33、交換業者サーバ40の取引情報格納部43、交換業者サーバ50の取引情報格納部53にも、それぞれ記録される。
【0061】
続いて、売越しとなるケースについて、
図14−17の流れに沿って説明すると、
図14に示したように、顧客Cが所定の期間(例えば、1営業日の取引可能な時間帯)に、仮想通貨の1BTCの買い注文と2BTCの売り注文を、異なるタイミングで取次業者Bに発注したとする。これらの売買注文に関する情報は、顧客端末10から取次業者サーバ20に送信され、取次業者サーバ20で受け付けられると取引処理部21が起動されて、注文を受け付けたタイミングでの最良条件の執行先となる仮想通貨交換業者を選択して、選択された仮想通貨交換業者のサーバに受け付けた売買注文を取り次ぐ処理を実行する。
【0062】
1BTCの買い注文の最良条件の執行先として交換業者Xが選択されると、交換業者サーバ40に仮想通貨の1BTCの買い注文を発注する。交換業者サーバ40では取引処理部41が起動されて、受け付けた買い注文に基づく取引データ、具体的には
図14に示したように、交換業者Xの自己勘定の口座(X@X)から交換業者Xに開設された取次業者Bの口座(B@X)に1BTCの仮想通貨を送金するための取引データを生成し、ウォレット格納部44に格納された交換業者Xの自己勘定の口座(X@X)の秘密鍵で電子署名を行い、この取引データを仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワークに送信することによって、仮想通貨の送金処理を実行する(尚、交換業者サーバ40からP2Pネットワークへの取引データの送信は、トランザクション毎に発生するマイナーの手数料を抑制するために、取引毎ではなく所定の期間中の取引をネッティングして送信することとしてもよい)。
【0063】
顧客Cが1BTCの仮想通貨を購入した取引情報は、取引情報格納部43にも記録され、取次業者サーバ20でも、顧客Cによる1BTCの仮想通貨の購入と、管理者サーバ30で分別管理される顧客Cの保有する仮想通貨の口座の残高の増加が、取引情報格納部23に記録される。
【0064】
2BTCの売り注文の最良条件の執行先として交換業者Yが選択されると、交換業者サーバ50に仮想通貨の2BTCの売り注文を発注する。交換業者サーバ50では取引処理部51が起動されて、受け付けた売り注文に基づく取引データ、具体的には
図14に示したように、交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)から交換業者Xの自己勘定の口座(X@X)に2BTCの仮想通貨を送金するための取引データを生成し、ウォレット格納部54に格納された交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)の秘密鍵で電子署名を行い、この取引データを仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワークに送信することによって、仮想通貨の送金処理を実行する(尚、交換業者サーバ50からP2Pネットワークへの取引データの送信は、トランザクション毎に発生するマイナーの手数料を抑制するために、取引毎ではなく所定の期間中の取引をネッティングして送信することとしてもよい)。
【0065】
顧客Cが2BTCの仮想通貨を売却した取引情報は、取引情報格納部53にも記録され、取次業者サーバ20でも、顧客Cによる2BTCの仮想通貨の売却と、管理者サーバ30で分別管理される顧客Cの保有する仮想通貨の口座の残高の減少が、取引情報格納部23に記録される。
【0066】
各営業日の取引可能時間終了後の日次の締めを行う等の所定のタイミングになると、交換業者サーバ40では清算処理部42が、交換業者サーバ50では清算処理部52がそれぞれ起動され、当該営業日の取引時間中等の所定の期間内に、自己勘定の口座(X@X、Y@Y)と取次業者Bの口座(B@X、B@Y)との間で送金処理が実行された取引を清算して、仮想通貨の買越し額又は売越し額を算出する。ここで買越し額又は売越し額を算出する対象となるのは、管理者Mにおいて分別管理されている仮想通貨に関連する取引に限定され、これらの取引を取次業者Bの口座(B@X、B@Y)を各々の仮想通貨交換業者に設定して行うことによって、対象となる取引の選別が可能となる。
【0067】
買越し額又は売越し額の算出に必要な取引に関する情報は、取引情報格納部43と取引情報格納部53から、それぞれ対象となる口座における対象期間中の取引情報を検索して、読み出すこととすればよい。
図14の例では、交換業者Xの交換業者サーバ40では、対象期間中に1BTCの買い注文の取引のみが行われたので、基準となる取引前の残高に対して取次業者の買越しとなり、買越し額は1BTCと算出される。交換業者Yの交換業者サーバ50では、対象期間中に2BTCの売り注文の取引のみが行われたので、基準となる取引前の残高に対して取次業者の売越しとなり、売越し額は2BTCと算出される。
【0068】
このようにして算出された買越し額と売越し額に関する情報は、
図15に示したように、それぞれ交換業者サーバ40と交換業者サーバ50から、管理者サーバ30に送信される。管理者サーバ30では清算処理部32が起動されて、交換業者サーバ40と交換業者サーバ50からから受信した買越し額と売越し額をネッティングして、各々の仮想通貨交換業者に開設した口座に発生した仮想通貨の買越し額又は売越し額を清算して、各々の仮想通貨交換業者に開設した取次業者Bの口座の残高を取引前の基準額に戻すための仮想通貨の清算方法に関する情報を、清算のための仮想通貨の送金処理が必要となる仮想通貨交換業者のサーバに送信する。
【0069】
具体的には、交換業者Xに開設された取次業者Bの口座(B@X)の口座は1BTCの買越し、交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)は2BTCの売越しが生じているので、これらをネッティングすると、交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)に生じた2BTCの売越しを清算して取引前の基準残高に戻すために、交換業者Xに開設された取次業者Bの口座(B@X)に生じた買越し額の1BTCを交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)に送金し、不足する1BTCを管理者Mが顧客Cのために分別管理している口座(B@M)から送金すればよいことになる。
【0070】
このケースでも、交換業者サーバ40と交換業者サーバ50で算出された買越し額と売越し額に関する情報を、管理者サーバ30ではなく、交換業者サーバ40と交換業者サーバ50から取次業者Bの取次業者サーバ20に送信して、取次業者サーバ20に集約することとしてもよく、買越し額と売越し額をネッティングは取次業者サーバ20で行われて、各々の仮想通貨交換業者に開設した取次業者Bの口座の残高を取引前の基準額に戻すための仮想通貨の清算方法に関する情報は、取次業者サーバ20から清算のための仮想通貨の送金処理が必要となる仮想通貨交換業者や管理者のサーバに送信されることになる。また、実際の運用では取次業者は多数の顧客からの注文を取り次ぐことになるので、顧客別の内訳を取次業者サーバ20の取引情報格納部23、あるいは管理者サーバ30の取引情報格納部33において管理すればよいことも、先に説明した買越しのケースと同様である。
【0071】
以上のように算出された仮想通貨の買越し額又は売越し額を清算するための仮想通貨の清算方法に関する情報が、
図16に示したように、管理者サーバ30(取次業者サーバ20に集約する場合は取次業者サーバ20)から、清算のための仮想通貨の送金処理が必要となる交換業者Xの交換業者サーバ40(取次業者サーバ20に集約する場合は交換業者Xの交換業者サーバ40と管理者Mの管理者サーバ30)に送信される。交換業者サーバ40では取引処理部41が起動され、
図17に示したように、交換業者Xに開設された取次業者Bの口座(B@X)から、交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)に1BTCの仮想通貨を送金するための取引データを生成し、ウォレット格納部44に格納された交換業者Xに開設された取次業者Bの口座(B@X)の秘密鍵で電子署名を行い、この取引データを仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワークに送信することによって、仮想通貨の送金処理を実行する。
【0072】
また、管理者サーバ30では取引処理部31が起動され、
図17に示したように、管理者Mが分別管理している口座(B@M)から交換業者Yに開設された取次業者Bの口座(B@Y)に仮想通貨を送金するための取引データを生成し、管理者サーバ30でウォレット格納部34に格納された管理者Mが分別管理している口座(B@M)の秘密鍵で電子署名を行い、この取引データを仮想通貨の取引情報を記録するP2Pネットワークに送信することによって、仮想通貨の送金処理を実行する。
【0073】
こうした仮想通貨の買越し額と売越し額を清算する取引とそれに伴う仮想通貨の残高の変動は、取次業者サーバ20の取引情報格納部23、管理者サーバ30の取引情報格納部33、交換業者サーバ40の取引情報格納部43、交換業者サーバ50の取引情報格納部53にもそれぞれ記録される。