特開2019-144880(P2019-144880A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2019-144880生涯学習支援システムとそのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-144880(P2019-144880A)
(43)【公開日】2019年8月29日
(54)【発明の名称】生涯学習支援システムとそのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20190802BHJP
   G09B 7/02 20060101ALI20190802BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   G06Q50/20
   G09B7/02
   G09B19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-28885(P2018-28885)
(22)【出願日】2018年2月21日
(71)【出願人】
【識別番号】506132522
【氏名又は名称】株式会社NSD
(74)【代理人】
【識別番号】100141221
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 和明
(74)【代理人】
【識別番号】100091764
【弁理士】
【氏名又は名称】窪谷 剛至
(74)【代理人】
【識別番号】100103366
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 礼至
(72)【発明者】
【氏名】小松 昭隆
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆司
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028BB04
2C028BC01
2C028BC02
2C028BD01
5L049CC34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生徒の学業の情報とともに、生徒の潜在能力を整理して的確に提供することができる生涯学習支援システムを提供する。
【解決手段】生涯学習支援システムは、複数のコンピュータとネットワークにより接続されている基本体部1を有して成る。基本体部は、教員が学習プログラムに応じて、生徒に課題を提示する教員提示部と、教員提示部を閲覧して生徒が課題に応答する生徒応答部と、生徒が学習成果物を保存する学習成果物保存部と、学習成果物保存部を閲覧して、評価する生徒評価部と、教員提示部と、生徒応答部と、学習成果物保存部と、生徒評価部を保存する保存部と、保存部の保存内容を項目ごとに仕分けする仕分け部と、仕分け部により項目ごとに仕分けされた内容を保存するショーケース部と、ショーケース部に生徒の認証により接続できる認証部とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンピュータとネットワークにより接続されている基本体部を有して成り、
基本体部は、指導者が学習プログラムに応じて、学習者に課題を提示する指導者提示部と、
前記指導者提示部を閲覧して学習者が課題に応答する学習者応答部と、
学習者が学習成果物を保存する学習成果物保存部と、
前記学習成果物保存部を閲覧して、評価する学習者評価部と、
前記指導者提示部と、前記学習者応答部と、前記学習成果物保存部と、前記学習者評価部を保存する保存部と、
前記保存部の保存内容を項目ごとに仕分けする仕分け部と、
前記仕分け部により項目ごとに仕分けされた内容を保存するショーケース部と、
前記ショーケース部に学習者の認証により接続できる認証部と
を有する生涯学習支援システム。
【請求項2】
指導者提示部と学習者応答部と学習成果物保存部と学習者評価部とは、認証により接続できる請求項1記載の生涯学習支援システム。
【請求項3】
前記学習成果物保存部は、学習者が卒業後も認証により接続でき、学習者情報が保存できる請求項1記載の生涯学習支援システム。
【請求項4】
前記学習成果物保存部は、学習者により、任意のタグ又はキーワードの設定ができる請求項1記載の生涯学習支援システム。
【請求項5】
前記学習者評価部は、自己評価、指導者の評価、学習者同士の評価が保存できる請求項1記載の生涯学習支援システム。
【請求項6】
前記仕分け部は、前記保存部の保存内容をタグ又はキーワードにより仕分けする請求項1記載の生涯学習支援システム。
【請求項7】
前記ショーケース部は、タグ又はキーワードにより仕分された内容が複数保存され、各ショーケース部ごとに認証により接続できる請求項1記載の生涯学習支援システム。
【請求項8】
複数のコンピュータとネットワークにより接続されている基本体部を有して成り、
基本体部は、指導者が学習プログラムに応じて、学習者に課題を提示する指導者提示部と、
前記指導者提示部を閲覧して学習者が課題に応答する学習者応答部と、
学習者が学習成果物を保存する学習成果物保存部と、
前記学習成果物保存部を閲覧して、評価する学習者評価部と、
前記指導者提示部と、前記学習者応答部と、前記学習成果物保存部と、前記学習者評価部を保存する保存部と、
前記保存部の保存内容を項目ごとに仕分けする仕分け部と、
前記仕分け部により項目ごとに仕分けされた内容を保存するショーケース部と、
前記ショーケース部に学習者の認証により接続できる認証部と
を有し、これらを実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生涯学習支援システムに関し、詳しくは、学習者が卒業後においても、学習者の個人情報を保存蓄積することにより、生涯学習を支援する生涯学習支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、学習支援システムとしては、学習者の電子端末に情報通信ネットワークを介して、支援するコンピュータにより指導者からの課題を送信することにより、学習者が課題に対する理解度を支援するコンピュータに返信し、支援するコンピュータにより学習者の理解度を判定するとともに、この情報を管理している。
また、この様な学業だけで、学習者の能力を判断するのは、学習者の学業以外の潜在能力が図れないとの観点から、人間力、例えば、学習者の主体性、協調性、思いやりなどの学力だけでは測れない能力を判断する支援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-157616号公報
【特許文献2】特開2006-171202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来の技術では、学習者の学業と共に、学習者の学業以外の潜在能力をも判断することができるシステムではあるが、この様に多岐にわたる学習者の情報を整理するとともに、必要な情報を的確に提供するシステムがあれば好適である。
【0005】
本発明は、学習者の学業の情報とともに、学習者の潜在能力を整理して的確に提供することができる生涯学習支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成すべく、本発明に係る生涯学習支援システムは、複数のコンピュータとネットワークにより接続されている基本体部を有して成り、
基本体部は、指導者が学習プログラムに応じて、学習者に課題を提示する指導者提示部と、
前記指導者提示部を閲覧して学習者が課題に応答する学習者応答部と、
学習者が学習成果物を保存する学習成果物保存部と、
前記学習成果物保存部を閲覧して、評価する学習者評価部と、
前記指導者提示部と、前記学習者応答部と、前記学習成果物保存部と、前記学習者評価部を保存する保存部と、
前記保存部の保存内容を項目ごとに仕分けする仕分け部と、
前記仕分け部により項目ごとに仕分けされた内容を保存するショーケース部と、
前記ショーケース部に学習者の認証により接続できる認証部と
を有する。
【0007】
この生涯学習支援システムでは、電子端末から指導者が課題を指導者提示部に提示すると、学習者は自己の電子端末からこの指導者提示部を閲覧することができる。指導者提示部の課題を学習者は学習者応答部により応答すると、その応答内容が指導者の電子端末へ返信される。この返信内容を指導者は閲覧することにより、指導者は学習者へ学習者からの返信内容の評価を学習者へ返信する。これらの指導者から学習者へ、学習者から指導者への送信内容は、学習成果物を保存する学習成果物保存部へ保存され、学習者はいつでもこの学習成果物保存部を閲覧することにより、学習者は学習成果を確認することができる。学習成果物保存部は、学習者以外でも閲覧することができ、その閲覧者はその学習者の評価を学習者評価部に記載することができ、指導者以外の閲覧者により学習者の評価がわかり、学習者の客観的評価ができる。
【0008】
指導者提示部と、学習者応答部と、学習成果物登録部と、学習者評価部とは保存部に保存されており、この保存部の保存内容は仕分け部により項目ごとに仕分けすることができ、 その仕分けされた内容はショーケース部に保存される。ショーケース部には、学習者の項目ごとの内容が保存されるので、学習者がショーケースを閲覧する際には、必要なショーケース部を閲覧すれば、必要とする情報が的確に得られる。
【0009】
このショーケース部は、学習者の認証により接続できる認証部を備えているので、学習者以外は学習者の認証により閲覧することができ、必要な情報を学習者以外に提供することができる。
指導者提示部と学習者応答部と学習成果物保存部と学習者評価部とは、認証により接続できることが好ましい。指導者提示部と学習者応答部と学習成果物保存部と学習者評価部との秘密保持を確保することができる。
【0010】
学習成果物保存部は、学習者が卒業後も認証により接続でき、学習者情報が保存できることが好ましい。学習者は卒業後に、学習成果物保存部に学習者情報を保存することができ、生涯学習の参考にすることができる。
【0011】
前記学習成果物保存部は、学習者により、任意のタグ又はキーワードの設定ができることが好ましく、学習成果物保存部の仕分けが容易化する。
【0012】
前記学習者評価部は、自己評価、指導者の評価、学習者同士の評価が保存できることが好ましく、学習者以外の評価がわかり、学習者の客観的評価の価値が向上する。
【0013】
前記仕分け部は、前記保存部の保存内容をタグ又はキーワードにより仕分けすることが好ましく、タグ、キーワードにより仕分けできるので、仕分け作業が容易化する。
【0014】
前記ショーケース部は、タグ又はキーワードにより仕分された内容が複数保存され、各ショーケース部ごとに認証により接続できることが好ましく、的確な情報を簡単に得ることができるとともに、認証が必要なので、ショーケース部の秘密性が保たれる。
【0015】

本発明は、上記生涯学習支援システムとして機能させるためのコンピュータプログラムにも及んでいる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、学習者の学業の情報とともに、学習者の潜在能力を整理して的確に提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る一実施形態のチャート図である。
図2図1に示す要部のチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態につき、図1乃至図2に基づき説明する。
この生涯学習支援システムは、複数のコンピュータ2とネットワークにより接続されている基本体部1を有して成り、基本体部1は、指導者が学習プログラムに応じて、学習者に課題を提示する指導者提示部3と、この指導者提示部3を閲覧して学習者が課題に応答する学習者応答部4と、学習者が学習成果物を保存する学習成果物保存部5と、学習成果物保存部5を閲覧して、評価する学習者評価部6と、指導者提示部3と、学習者応答部4と、学習成果物保存部5と、学習者評価部6を保存する保存部7と、保存部7の保存内容を項目ごとに仕分けする仕分け部8と、仕分け部8により項目ごとに仕分けされた内容を保存するショーケース部9と、ショーケース部9に学習者の認証により接続できる認証部10とを有する。
【0019】
複数のコンピュータ2は、指導者、学習者などが使用することができ、入力部と表示部とを備え、パスワード、IDを入力することにより、基本体部1にアクセスすることができる。ここでは、コンピュータについて述べているが、コンピュータに限られず、電子端末、例えば、スマートフォン、タブレットなどの電子端末でも利用することができる。
【0020】
指導者は、学習カリキュラムに応じた課題を指導者提示部3に提示することができ、この指導者提示部3に提示された課題は、学習者が閲覧することができるし、また、該当の学習者の電子端末2に送信することもできる。
【0021】
指導者提示部3は、全ての学習者に課題を提示することができるが、学習者を選択して選択した学習者へ課題を提示することができる学習者選択機能を設けることができ、この学習者選択機能により、指導者は選択した学習者にだけ課題が提示できるので、学習者の学力に応じた課題提供が可能となる。
【0022】
この学習者選択機能は、例えば、指導者が複数の学習者を色分けし、課題を提示する際に、この課題に色を付け、それを送信すると、同色の学習者へ送信することができ、指導者の課題提示が容易化する。
【0023】
次に、学習者は、指導者提示部3を閲覧して、学習者の電子端末から学習者応答部4に応答することができる。この学習者応答部4を指導者が閲覧して、その評価を記載して送信すると、学習者の電子端末へ送信されて学習者はその評価内容を閲覧することができる。
【0024】
学習成果物保存部5には、学習者の指導者からの課題に応答した内容、例えば、小テストの結果、学習者のレポート、写真、動画、日記などを登録保存することができる。
この学習成果物保存部5には、学習者が卒業後においても、認証により接続することができ、卒業後の情報を登録保存することができる。その為、学習者は生涯学習として、この学習成果物保存部5を利用することができ、学習者の歴史が保存できる。
【0025】
また、学習成果物保存部5には、学習者が任意のタグやキーワードを設定できる機能があるので、学習者の秘密保持ができるとともに、生涯、この学習成果物保存部5を利用することができる。
この学習成果物保存部5は、指導者、学習者本人、学習者の保護者が無条件で閲覧でき、学習者本人のクラスの者は、条件付き、例えば、学習者からの許可手段、例えば、学習者からキーワードの連絡により、閲覧可能にすることができる。
【0026】
次に、学習者評価部6は、学習成果物保存部5を閲覧して、学習者、学習者同士、指導者が学習者の評価を記載することができる。この学習者評価部6には、学習者の評価が学習者以外から記載されているので、学習者は任意のキーワードにより、学習者自身の客観的な評価を見ることができ、今後の参考情報とすることができる。
この学習者評価部6は、指導者、学習者本人は、無条件で登録可能で、学習者本人のクラスの者は、条件付き、例えば、学習者本人からの許可手段、学習者からキーワードの連絡により、登録可能にすることができる。また、指導者、学習者本人、学習者の保護者は、閲覧は可能となっている。
学習評価部6は、指導者、学習者同士、学習者本人が学習成果物保存部5を閲覧することにより、指導者による評価、学習者同士による相互評価、学習者本人による評価を登録することができ、これにより、学習者の客観的評価が行える。
【0027】
次に、仕分け部8について説明する。
この仕分け部8は、保存部7の保存内容を仕分ける機能を備えている。保存部7には、指導者提示部3と、学習者応答部4と、学習成果物保存部5と、学習者評価部6を保存している。
【0028】
この保存部7に保存された指導者提示部3、学習者応答部4、学習成果物保存部5、学習者評価部6の内容には、学習者の種々の情報が保存登録されているので、その情報を系統立てて閲覧することが困難である。
【0029】
そのため、仕分け部8は、保存部7に保存される学習者の情報を系統立てて仕分けている。たとえば、学習成果物保存部5には、学習者が任意のタグやキーワードを設定できる機能があるので、学習成果物保存部5のあらゆる内容にキーワードを指定していると、キーワードにより学習成果物保存部5の学習者情報は仕分け部8で仕分けることができる。
また、仕分け部8の仕分け機能としては、保存部7に保存される指導者提示部3、学習者応答部4、学習成果物保存部5、学習者評価部6の記載内容から、記載内容の言語により、学習者の学力、主体性、勤勉性等に関連する箇所を仕分けすることができる。
【0030】
例えば、学習者の主体性についてのキーワードが指定されている場合には、主体性についての内容だけの情報を集約することができる。また、学習者のコミュニケーション力を閲覧したい場合には、コミュニケーション力についてのキーワードが指定されている内容が集約される。
【0031】
この仕分け部8により仕分けされた内容は、それぞれショーケース部9に項目ごとに保存される。
例えば、学習者の主体性A、好奇心B、協調性C、勤勉D、自律性E、指導者力Fなどの項目ごとにショーケース部9が作成される。
このショーケース部9は、ショーケース部9毎に認証部10の認証により閲覧することができる。そのため、例えば、ショーケース部9のURL,パスワードを学習者が教育機関や企業に公開することで、教育機関や企業などが必要とする人材のキーワード、例えば、主体性、海外留学経験、必要資格に応じた学習成果を提供することができる。
【0032】
学習者は、卒業後においても、特に、学習成果物保存部5に種々の情報を提供でき、それにより、ショーケース部9に生涯にわたり、その学習者の情報が系統ごとに蓄積することができる。学習者は、必要に応じて学習者や学習者以外がショーケース部9を閲覧でき、自身の学習内容を必要に応じてアピールすることができる。
【0033】
ショーケース部9は、認証部10を介して閲覧できるが、ショーケース部9を作成した学習者本人が、このショーケース部9を閲覧許可、例えば、パスワードなどを連絡した第三者として企業、大学がショーケース部9を閲覧できる。その為、例えば、企業は採用、大学はAO入試などの選考に利用することができる。
【0034】
本システムでは、指導者提示部3、学習者応答部4以外の機能については、学習者は卒業後においても利用することができるようにすることができる。
かかる場合には、学習者は指導者との関係を有している場合、例えば、学校に在籍時には、上記のすべての機能を使用できるが、学習者が卒業した際には、指導者提示部3、学習者応答部4以外の機能について利用することができ、このシステムにより、学習者は生涯にわたり、学習支援が受けられ、このシステムだけで、自己の人生がわかり、生涯学習にとって非常に有益となる。
【符号の説明】
【0035】
1は基本体部
2は電子端末としてのコンピュータ
3は指導者提示部(教員提示部)
4は学習者応答部(生徒応答部)
5は学習成果物保存部(生徒成果物保存部)
6は学習者評価部(生徒評価部)
7は保存部
8は仕分け部
9はショーケース部
10は認証部
図1
図2