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特開2019-145394複合発電システム、複合発電システムの運転切替方法及び複合発電システムの運転切替プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-145394(P2019-145394A)
(43)【公開日】2019年8月29日
(54)【発明の名称】複合発電システム、複合発電システムの運転切替方法及び複合発電システムの運転切替プログラム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20190802BHJP
   H01M 8/04223 20160101ALI20190802BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20190802BHJP
   H01M 8/0438 20160101ALI20190802BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20190802BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20190802BHJP
   H01M 8/043 20160101ALI20190802BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20190802BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20190802BHJP
【FI】
   H01M8/04 Z
   H01M8/04223
   H01M8/04746
   H01M8/0438
   H01M8/04537
   H01M8/04858
   H01M8/043
   H02J3/38 170
   H01M8/12 101
   H01M8/12 102B
   H01M8/12 102A
   H01M8/12 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-29783(P2018-29783)
(22)【出願日】2018年2月22日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(72)【発明者】
【氏名】入江 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】永井 卓磨
【テーマコード(参考)】
5G066
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5G066HB02
5G066HB07
5H126BB06
5H126CC02
5H126CC05
5H127AA07
5H127AB28
5H127AC17
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA28
5H127BA37
5H127BA38
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB27
5H127BB37
5H127BB39
5H127DA12
5H127DB22
5H127DB69
5H127DC02
5H127DC03
5H127DC22
5H127DC42
5H127DC50
5H127DC53
5H127DC98
(57)【要約】
【課題】系統異常発生時に燃料電池及びガスタービンを自立運転させることが可能な複合発電システムを提供することを目的とする。
【解決手段】圧縮機321を備えるGT311及びSOFC313を備え、電力系統へ連系して電力供給をする連系運転と、電力系統等と解列した自立運転を備えた発電システム310であって、連系運転及び自立運転で、圧縮機321からSOFC313へ酸化性ガスが供給され、発電システム310が電力系統から解列する際に、SOFC313を無瞬断で自立運転に切り替え、GT311を圧縮機321の稼働が整定した後に自立運転に切り替える制御装置380を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機を備える発電装置及び燃料電池を備え、電力系統へ連系して電力供給をする連系運転と、前記電力系統と解列した自立運転を備えた複合発電システムであって、
前記連系運転および前記自立運転で、前記圧縮機から前記燃料電池へ酸化性ガスが供給され、
前記複合発電システムが前記電力系統から解列する際に、前記燃料電池を無瞬断で前記自立運転に切り替え、前記発電装置を前記圧縮機の稼働が整定した後に前記自立運転に切り替える制御部を備える複合発電システム。
【請求項2】
前記燃料電池は、前記自立運転において前記発電装置への排燃料ガス及び排酸化性ガスの供給を継続する請求項1に記載の複合発電システム。
【請求項3】
前記複合発電システムは、前記燃料電池の発電出力の少なくとも一部が電力供給される第1の負荷を備え、
前記燃料電池は、前記電力系統から解列して前記自立運転を開始する際は、前記制御部からの電流指令に基づき制御が行われる燃料電池連系運転用制御モードから、前記第1の負荷が要求する電力量に基づき制御が行われる燃料電池自立運転用制御モードに切り替える請求項1に記載の複合発電システム。
【請求項4】
前記燃料電池自立運転用制御モードは、前記燃料電池連系運転用制御モードに対して、燃料利用率が前記連系運転時の85%以上95%以下に設定される請求項3に記載の複合発電システム。
【請求項5】
前記燃料電池自立運転用制御モードは、前記燃料電池連系運転用制御モードに対して、前記燃料電池へ供給する燃料への純水流量を増加させる設定及び/又は再循環流量を減少させる設定を行う請求項4に記載の複合発電システム。
【請求項6】
前記発電装置は、前記電力系統から解列して前記自立運転を開始する前に、制動抵抗負荷に接続し、前記発電装置の発電出力を前記制動抵抗負荷へ電力供給し、制動抵抗負荷量と前記発電装置へ供給される燃料供給量とを調整することにより前記発電装置の発電出力を制御して運転を継続させる無負荷運転を行う請求項1に記載の複合発電システム。
【請求項7】
前記複合発電システムは、停止不可とされる第2の負荷と、停止可能とされる第3の負荷と、無停電電源装置とを備え、前記電力系統から解列すると、前記無停電電源装置から前記第2の負荷へ電力供給が行われる請求項6に記載の複合発電システム。
【請求項8】
前記発電装置は、前記制動抵抗負荷へ接続して電力供給を開始した後、前記圧縮機の稼働が整定すると、前記制動抵抗負荷への電力供給を停止し、前記第2の負荷と前記第3の負荷に接続して電力供給し、前記自立運転を開始する請求項7に記載の複合発電システム。
【請求項9】
前記複合発電システムが前記電力系統へ連系して再度の前記連系運転を行う際に、前記発電装置を、前記圧縮機の稼働が整定した後に前記連系運転に切り替え、前記燃料電池を、無瞬断で前記連系運転に切り替える請求項1に記載の複合発電システム。
【請求項10】
前記燃料電池は、前記電力系統へ連系して再度の前記連系運転を開始する際に、前記燃料電池自立運転用制御モードから前記燃料電池連系運転用制御モードに切り替える請求項3に記載の複合発電システム。
【請求項11】
前記発電装置は、前記電力系統へ連系して再度の前記連系運転を開始する前に、前記無負荷運転を行い、
前記無停電電源装置から前記第2の負荷への電力供給が行われ、
前記圧縮機の稼働が整定すると、前記制動抵抗負荷への電力供給を停止して、前記連系運転を開始する請求項7に記載の複合発電システム。
【請求項12】
圧縮機を備える発電装置及び燃料電池を備え、電力系統へ連系して電力供給をする連系運転と、前記電力系統と解列した自立運転を備えた複合発電システムの運転切替方法であって、
前記連系運転および前記自立運転で、前記圧縮機から前記燃料電池へ酸化性ガスが供給され、
前記複合発電システムが前記電力系統から解列する際に、
前記燃料電池を無瞬断で前記自立運転に切り替える工程と、
前記発電装置を前記圧縮機の稼働が整定した後に前記自立運転に切り替える工程と、
を備える複合発電システムの運転切替方法。
【請求項13】
圧縮機を備える発電装置及び燃料電池を備え、電力系統へ連系して電力供給をする連系運転と、前記電力系統と解列した自立運転を備えた複合発電システムの運転切替プログラムであって、
前記連系運転および前記自立運転で、前記圧縮機から前記燃料電池へ酸化性ガスが供給され、
前記複合発電システムが前記電力系統から解列する際に、
前記燃料電池を無瞬断で前記自立運転に切り替えるステップと、
前記発電装置を前記圧縮機の稼働が整定した後に前記自立運転に切り替えるステップと、
を備える複合発電システムの運転切替プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合発電システム、複合発電システムの運転切替方法及び複合発電システムの運転切替プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、電気化学反応による発電方式を利用したもので、優れた発電効率及び環境対応等の特性を有している。このうち、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」と呼ぶ)は、電解質としてジルコニアセラミックスなどのセラミックスが用いられ、都市ガス、天然ガス、石油、メタノール、石炭ガス化ガスなどを燃料として運転される燃料電池である。このようなSOFCは、例えばガスタービン(以下、「GT」とも呼ぶ)等の内燃機関と組み合わせて複合発電システムを構築することにより、発電効率の高い発電が可能とされている。
具体的には、SOFCから排出される排燃料ガスを燃焼器で燃焼させ、燃焼ガスによってタービンを駆動し発電するものである。複合発電システムについては、下記に示すような従来技術が知られている。
【0003】
特許文献1では、予測される需要電力のうち所定の割合にあたる電力を、ガスタービンから出力し、実際の需要電力からガスタービンの出力分を差し引いた電力分を燃料電池から出力することが開示されている。
また、特許文献2では、要求される負荷に応じて、溶融炭酸塩型燃料電池の発電出力を優先して設定し、その後ガスタービンの発電出力を設定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3930426号公報
【特許文献2】特許第4357819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び2に開示された発明では、電力系統(以下、系統と記載)に接続して電力供給する連系運転は可能であるが、系統の停電など、系統に異常が発生した場合の対応検討が記載されていない。例えば、系統異常発生時に、燃料電池とガスタービンなどの圧縮機を備える発電装置とを組み合わせた複合発電システムを自立運転させる技術が確立されていない、という問題があった。
【0006】
燃料電池及びガスタービンは、それぞれ単体で自立運転を行うことについては従来よりその技術が開示されている。しかし、ガスタービンにおいては、系統異常が発生し自立運転を行うにあたり発電出力が一旦ゼロとなるBOS(Black Out Start、ブラックアウトスタート)機能しか持たず、負荷に対して無瞬断で電力供給を継続することは困難であった。
【0007】
燃料電池及びガスタービンを備えた複合発電システムにおいては、燃料電池ではガスタービンの圧縮空気を酸化性ガスとして発電に利用している。このため、系統異常が発生すると、ガスタービンをBOSさせるため、燃料電池へ酸化性ガスが供給されず発電が行えなくなる期間が発生する。よって、無瞬断で電力供給が可能な燃料電池であっても、酸化性ガスの供給を得られないために停止することとなる。複合発電システムとしては、無瞬断で自立運転に切り替えて電力供給を継続して行うことが困難である。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、系統異常発生時に燃料電池及び圧縮機を備える発電装置を自立運転させ、無瞬断での電力供給が可能な複合発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の複合発電システム、複合発電システムの運転切替方法及び複合発電システムの運転切替プログラムは以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係る複合発電システムは、圧縮機を備える発電装置及び燃料電池を備え、電力系統へ連系して電力供給をする連系運転と、前記電力系統と解列した自立運転を備えた複合発電システムであって、前記連系運転および前記自立運転で、前記圧縮機から前記燃料電池へ酸化性ガスが供給され、前記複合発電システムが前記電力系統から解列する際に、前記燃料電池を無瞬断で前記自立運転に切り替え、前記発電装置を前記圧縮機の稼働が整定した後に前記自立運転に切り替える制御部を備える。
【0010】
本態様では、圧縮機を有する発電装置と燃料電池とを組み合わせた複合発電システムにおいて、発電装置及び燃料電池のいずれも連系運転から自立運転に切り替えることができる。
また、複合発電システムが電力系統から解列した際に、発電装置の圧縮機から燃料電池へ酸化性ガスの供給が継続されるので、燃料電池の自立運転への切り替えが可能となる。よって、燃料電池を運転停止することなく、負荷への電力供給を継続することができる。ここで、燃料電池は無瞬断で自立運転に切り替えることから、電力供給の瞬断が発生せず電力系統との連系運転時と同様に電力供給を行うことが可能である。
また、発電装置は圧縮機の稼働が整定した後に自立運転に切り替えることから、自立運転での負荷への電力供給を安定した状態で行うことができる。
ここで、圧縮機の稼働が整定するとは、圧縮機の回転数に大きな変動がなく、圧縮空気の送気状態が安定することを意味する。
これにより、複合発電システムが電力系統から解列した際に、連系運転から自立運転に切り替わり、さらに燃料電池は無瞬断で自立運転に切り替えることで少なくとも一部負荷への電力供給を継続することができる。このため、複合発電システムの稼働率が向上し、またBCP(Business Continuity planning、事業継続計画)の観点から経済性の向上にも寄与する。
【0011】
上記第一態様では、前記燃料電池は、前記自立運転において前記発電装置への排燃料ガス及び排酸化性ガスの供給を継続するとしてもよい。
【0012】
本態様によれば、自立運転において燃料電池の排燃料ガス及び排酸化性ガスが発電装置へ継続して供給されることから、燃料電池と発電装置とは互いに燃料ガス及び酸化性ガスを循環させて発電を継続することができる。
【0013】
上記第一態様では、前記複合発電システムは、前記燃料電池の発電出力の少なくとも一部が電力供給される第1の負荷を備え、前記燃料電池は、前記電力系統から解列して前記自立運転を開始する際は、前記制御部からの電流指令に基づき制御が行われる燃料電池連系運転用制御モードから、前記第1の負荷が要求する電力量に基づき制御が行われる燃料電池自立運転用制御モードに切り替えるとしてもよい。
【0014】
本態様によれば、燃料電池は、電力系統から解列して自立運転を開始すると燃料電池連系運転用制御モードから燃料電池自立運転用制御モードに切り替える。燃料電池連系運転用制御モードでは、制御部からの燃料電池の出力電流の指令である電流指令による運転制御が行われる。燃料電池が、電力系統から解列して自立運転を開始すると、燃料電池が電力供給する負荷が要求する電力量に対応し、燃料電池の電力変換装置の交流出力電圧を一定にして、必要な電流を出力する制御が行われる燃料電池自立運転用制御モードに切り替わる。
これにより、燃料電池は、電力系統から解列すると、負荷が要求する電力量に応じた発電出力を行うことができる。
【0015】
上記第一態様では、前記燃料電池自立運転用制御モードは、前記燃料電池連系運転用制御モードに対して、燃料利用率が前記連系運転時の85%以上95%以下に設定される。
【0016】
本態様によれば、燃料電池自立運転用制御モードは、燃料電池連系運転用制御モードに対して、燃料利用率を連系運転時の85%以上95%以下と、連系運転時よりも小さい値に設定するように変更を行う。これにより、電力需要の急増に応じて燃料使用量が急激に上昇しても、燃料利用率、すなわち燃料供給量に余裕があるため、急速な電力需要増加に応じた燃料電池の電流出力の追従が可能である。
【0017】
前記燃料電池自立運転用制御モードは、前記燃料電池連系運転用制御モードに対して、前記燃料電池へ供給する燃料への純水流量を増加させる設定及び/又は再循環流量を減少させる設定を行う。
【0018】
本態様によれば、燃料電池自立運転用制御モードは、燃料電池連系運転用制御モードに対して、燃料電池へ供給する燃料への純水流量を増加させる設定及び/又は再循環流量を減少させる設定を行う。燃料利用率が低下した場合、燃料が増加し、燃料に含まれる炭素が増加する。これにより燃料ガスの炭素に対する水蒸気のモル比率であるS/C(スチームカーボン比)が低下するが、燃料ガス供給系統への純水流量の供給を増加させることにより、所望のS/Cを維持することができる。また同様に、再循環流量を減少させることにより、所望のS/Cを維持することができる。
【0019】
上記第一態様では、前記発電装置は、電力系統から解列して前記自立運転を開始する前に、制動抵抗負荷に接続し、前記発電装置の発電出力を制動抵抗負荷へ電力供給し、制動抵抗負荷量と前記発電装置へ供給される燃料供給量とを調整することにより発電装置の発電出力を制御して運転を継続させる無負荷運転を行うとしてもよい。
【0020】
従来の発電装置では、連系運転から自立運転を行う際は、運転を継続せず発電出力が一旦ゼロとなるBOS(ブラックアウトスタート)を行う。従来の場合は、燃料電池と発電装置とが相互に各ガスの供給を行う共同運転状態を解除し、燃料電池の発電運転も一旦停止させる必要があり、複合発電システムが無瞬断電源供給を行うことができなくなる。
本態様によれば、複合発電システムが電力系統から解列して自立運転を行う際にあたり、発電装置の圧縮機から燃料電池へ酸化性ガスの供給を継続させるため、発電装置はブラックアウトスタートを行なわずに、燃料電池と発電装置との共同運転状態が継続され、燃料電池の運転も継続することができる。
このとき、発電装置の圧縮機の稼働が安定していない期間が発生する可能性がある。そのため、発電装置の発電出力は負荷には接続せずに制動抵抗負荷に接続して、発電出力を制動抵抗負荷に電力供給する無負荷運転とする。これにより、不安定な発電出力を負荷に電力供給することなく、制動抵抗負荷にて消費することができる。
また、無負荷運転では、制動抵抗負荷量と発電装置への燃料供給量とを調整して発電装置の発電出力(回転数)が制御されるため、発電装置の発電出力(回転数)を容易に制御することが可能である。
【0021】
上記第一態様では、前記複合発電システムは、停止不可とされる第2の負荷と、停止可能とされる第3の負荷と、無停電電源装置とを備え、前記電力系統から解列すると、前記無停電電源装置から前記第2の負荷へ電力供給が行われるとしてもよい。
【0022】
本態様によれば、複合発電システムが無停電電源装置を備えることから、発電装置が系統から解列して無負荷運転が行われている場合でも、複数の負荷のうち停止不可とされる第2の負荷に対して無停電電源装置からの電力供給が行われる。よって、停止不可とされる第2の負荷が停止することなく電力供給が無瞬断で継続され、燃料電池の運用が一時的に停止されることがない。
【0023】
上記第一態様では、前記発電装置は、前記制動抵抗負荷へ接続して電力供給を開始した後、圧縮機の稼働が整定すると、前記制動抵抗負荷への電力供給を停止し、前記第2の負荷と前記第3の負荷に接続して電力供給し、前記自立運転を開始するとしてもよい。
【0024】
本態様によれば、制動抵抗負荷への接続後、無負荷運転により発電装置の圧縮機の稼働が整定すると、発電装置の状態が安定したとして制動抵抗負荷への電力供給を停止し、自立運転を開始して第2の負荷と第3の負荷に接続して電力供給する。すなわち、発電装置の状態安定を待って第2の負荷と第3の負荷に接続することができ、負荷への電力供給を安定した状態で行うことができる。
【0025】
上記第一態様では、前記複合発電システムが前記電力系統へ連系して再度の前記連系運転を行う際に、前記発電装置を前記圧縮機の稼働が整定した後に連系運転に切り替え、前記燃料電池を無瞬断で前記連系運転に切り替えるとしてもよい。
【0026】
本態様では、圧縮機を備える発電装置と燃料電池とを組み合わせた複合発電システムにおいて、自立運転を行っている発電装置及び燃料電池のいずれも再度に連系運転に切り替えることができる。
また、発電装置は、圧縮機の稼働が整定した後に連系運転に切り替えることから、不安定な発電出力を負荷に電力供給することなく、負荷への電力供給を安定した状態で行うことができる。
また、燃料電池は無瞬断で連系運転に切り替えることから、電力供給の瞬断が発生せず自立運転時と同様の電力供給を行うことが可能である。
また、圧縮機の稼働が整定した後に燃料電池を連系運転に切り替えることから、発電装置から燃料電池へ送る空気の状態を安定させておくことができるため、燃料電池の状態も安定させることができる。
【0027】
上記第一態様では、前記燃料電池は、前記電力系統へ連系して再度の前記連系運転を開始する際に、前記燃料電池自立運転用制御モードから前記燃料電池連系運転用制御モードに切り替えるとしてもよい。
【0028】
燃料電池は、電力系統に連系して再度の連系運転を開始すると、燃料電池自立運転用制御モードから燃料電池連系運転用制御モードに切り替える。燃料電池自立運転用制御モードでは、燃料電池が電力供給する負荷が要求する電力量に対応し、燃料電池の電力変換装置の交流出力電圧を一定にして必要な電流を出力する制御が行われる。電力系統に連系して再度の連系運転を開始すると、制御部からの燃料電池の出力電流の指令である電流指令による運転制御が行われる燃料電池連系運転用制御モードに切り替わる。
これにより、燃料電池は、電力系統に連系して再度の連系運転を開始すると、電流指令に応じた発電出力を行うことができる。
【0029】
上記第一態様では、前記発電装置は、前記電力系統へ連系して再度の前記連系運転を開始する前に、前記無負荷運転を行い、前記無停電電源装置から前記第2の負荷への電力供給が行われ、前記圧縮機の稼働が整定すると、前記制動抵抗負荷への電力供給を停止して、前記連系運転を開始するとしてもよい。
【0030】
本態様によれば、複合発電システムが系統に再度の連系運転をする場合、発電装置は発電出力が一旦ゼロとなるBOSを行なわず、発電装置は運転を継続する。そのため、燃料電池と発電装置とが相互に各ガスの供給を行う共同運転状態が継続されるので、燃料電池の運転も継続することができる。
また、発電装置は無負荷運転を行うことで、制動抵抗負荷に接続して発電出力を制動抵抗負荷に電力供給する。これにより、不安定な発電出力を負荷に電力供給することなく制動抵抗負荷にて消費することができる。
また、無負荷運転では、制動抵抗負荷量と燃料供給量とを調整して発電装置の回転数が制御されるため、発電装置の回転数を容易に制御することが可能である。
【0031】
また本態様によれば、発電装置が無停電電源装置を備えることから、系統に再度に連系運転するに際して無負荷運転が行われている場合でも、複数の負荷のうち停止不可とされる第2の負荷に対して無停電電源装置からの電力供給が行われるため、停止不可とされる第2の負荷が停止することなく電力供給が無瞬断で継続され、燃料電池の運用が一時的に停止されることがない。
【0032】
また本態様によれば、制動抵抗負荷への接続後、無負荷運転により発電装置の圧縮機の稼働が整定すると、発電装置の状態が安定したとして制動抵抗負荷への電力供給を停止し、系統に接続して連系運連を開始することから、発電装置の状態安定を待って系統に接続することができ、系統への再度の連系運転を安定した状態で行うことができる。
【0033】
本発明の第二態様に係る複合発電システムの運転切替方法は、圧縮機を備える発電装置及び燃料電池を備え、電力系統へ連系して電力供給をする連系運転と、前記電力系統と解列した自立運転を備えた複合発電システムの運転切替方法であって、前記連系運転および前記自立運転で、前記圧縮機から前記燃料電池へ酸化性ガスが供給され、前記複合発電システムが前記電力系統から解列する際に、前記燃料電池を無瞬断で前記自立運転に切り替える工程と、前記発電装置を前記圧縮機の稼働が整定した後に前記自立運転に切り替える工程とを備える。
【0034】
本発明の第三態様に係る複合発電システムの運転切替プログラムは、圧縮機を備える発電装置及び燃料電池を備え、電力系統へ連系して電力供給をする連系運転と、前記電力系統と解列した自立運転を備えた複合発電システムの運転切替プログラムであって、前記連系運転および前記自立運転で、前記圧縮機から前記燃料電池へ酸化性ガスが供給され、前記複合発電システムが前記電力系統から解列する際に、前記燃料電池を無瞬断で前記自立運転に切り替えるステップと、前記発電装置を前記圧縮機の稼働が整定した後に前記自立運転に切り替えるステップとを備える。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、燃料電池は無瞬断で自立運転に切り替え、発電装置は圧縮機の稼働が整定した後に自立運転に切り替えることから、系統異常発生時において燃料電池及び圧縮機を備える発電装置を連系運転から自立運転に切り替え、無瞬断での電力供給が可能な複合発電システムの運転を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施形態に係るセルスタックの一態様を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るSOFCモジュールの一態様を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るSOFCカートリッジの断面の一態様を示すものである。
図4】本発明の一実施形態に係る発電システムの概略構成を示した図である。
図5】本発明の一実施形態に係る発電システムの電源系統の結線図である。
図6】本発明の一実施形態に係る発電システムの連系運転から自立運転への切替処理を示したフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係る発電システムの自立運転から連系運転への切替処理を示したフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係る発電システムの運転切替時の遮断器の開閉状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明に係る複合発電システム、複合発電システムの運転切替方法及び複合発電システムの運転切替プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
以下においては、説明の便宜上、紙面を基準として「上」及び「下」の表現を用いて説明した各構成要素の位置関係は、各々鉛直上方側、鉛直下方側を示すものである。また、本実施形態では、上下方向と水平方向で同様な効果を得られるものは、紙面における上下方向が必ずしも鉛直上下方向に限定することなく、例えば鉛直方向に直交する水平方向に対応してもよい。
また、以下においては、固体酸化物形燃料電池(SOFC)のセルスタックとして円筒形を例として説明するが、必ずしもこの限りである必要はなく、例えば平板形のセルスタックであってもよい。基体上に燃料電池セルを形成するが、基体ではなく電極(燃料極もしくは空気極)が厚く形成されて、基体を兼用したものでも良い。
【0038】
まず、図1を参照して本実施形態に係る一例として、基体管を用いる円筒形セルスタックについて説明する。ここで、図1は、実施形態に係るセルスタックの一態様を示すものである。セルスタック101は、円筒形状の基体管103と、基体管103の外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを備える。燃料電池セル105は、燃料極109と固体電解質111と空気極113とが積層して形成されている。また、セルスタック101は、基体管103の外周面に形成された複数の燃料電池セル105の内、基体管103の軸方向において最も端の一端に形成された燃料電池セル105の空気極113に、インターコネクタ107を介して電気的に接続されたリード膜115を備え、最も端の他端に形成された燃料電池セル105の燃料極109に電気的に接続されたリード膜115を備える。
【0039】
基体管103は、多孔質材料からなり、例えば、CaO安定化ZrO(CSZ)、CSZと酸化ニッケル(NiO)との混合物(CSZ+NiO)、又はY2O3安定化ZrO(YSZ)、又はMgAl2Oなどを主成分とされる。この基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115とを支持すると共に、基体管103の内周面に供給される燃料ガスを基体管103の細孔を介して基体管103の外周面に形成される燃料極109に拡散させるものである。
【0040】
燃料極109は、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。燃料極109の厚さは50〜250μmであり、燃料極109はスラリーをスクリーン印刷して形成されてもよい。この場合、燃料極109は、燃料極109の成分であるNiが燃料ガスに対して触媒作用を備える。この触媒作用は、基体管103を介して供給された燃料ガス、例えば、メタン(CH)と水蒸気との混合ガスを反応させ、水素(H)と一酸化炭素(CO)に改質するものである。また、燃料極109は、改質により得られる水素(H)及び一酸化炭素(CO)と、固体電解質111を介して供給される酸素イオン(O2−)とを固体電解質111との界面付近において電気化学的に反応させて水(HO)及び二酸化炭素(CO)を生成するものである。なお、燃料電池セル105は、この時、酸素イオンから放出される電子によって発電する。
SOFC10の燃料極109に供給し利用できる燃料ガスとしては、水素(H)および一酸化炭素(CO)、メタン(CH)などの炭化水素系ガス、都市ガス、天然ガスのほか、石油、メタノール、石炭などの炭素質原料をガス化設備により製造したガスなどが挙げられる。
【0041】
固体電解質111は、ガスを通しにくい気密性と、高温で高い酸素イオン導電性とを備えるYSZが主として用いられる。この固体電解質111は、空気極113で生成される酸素イオン(O2−)を燃料極に移動させるものである。燃料極109の表面上に位置する固体電解質111の膜厚は10〜100μmであり固体電解質111はスラリーをスクリーン印刷して形成されてもよい。
【0042】
空気極113は、例えば、LaSrMnO系酸化物、又はLaCoO系酸化物で構成され、空気極113はスラリーをスクリーン印刷またはディスペンサを用いて塗布される。この空気極113は、固体電解質111との界面付近において、供給される空気等の酸化性ガス中の酸素を解離させて酸素イオン(O2−)を生成するものである。
空気極113は2層構成とすることもできる。この場合、固体電解質111側の空気極層(空気極中間層)は高いイオン導電性を示し、触媒活性に優れる材料で構成される。空気極中間層上の空気極層(空気極導電層)は、Sr及びCaドープLaMnOで表されるペロブスカイト型酸化物で構成されても良い。こうすることにより、発電性能をより向上させることができる。
酸化性ガスとは,酸素を略15%〜30%含むガスであり、代表的には空気が好適であるが、空気以外にも燃焼排ガスと空気の混合ガスや、酸素と空気の混合ガスなどが使用可能である。
【0043】
インターコネクタ107は、SrTiO系などのMTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物から構成され、スラリーをスクリーン印刷する。インターコネクタ107は、燃料ガスと酸化性ガスとが混合しないように緻密な膜となっている。また、インターコネクタ107は、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した耐久性と電気導電性を備える。このインターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の空気極113と他方の燃料電池セル105の燃料極109とを電気的に接続し、隣り合う燃料電池セル105同士を直列に接続するものである。
【0044】
リード膜115は、電子伝導性を備えること、及びセルスタック101を構成する他の材料との熱膨張係数が近いことが必要であることから、Ni/YSZ等のNiとジルコニア系電解質材料との複合材やSrTiO系などのMTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で構成されている。このリード膜115は、インターコネクタにより直列に接続される複数の燃料電池セル105で発電された直流電力をセルスタック101の端部付近まで導出すものである。
【0045】
次に、図2図3とを参照して本実施形態に係るSOFCモジュール及びSOFCカートリッジについて説明する。ここで、図2は、実施形態に係るSOFCモジュールの一態様を示すものである。また、図3は、実施形態に係るSOFCカートリッジの一態様の断面図を示すものである。
【0046】
SOFCモジュール201は、図2に示すように、例えば、複数のSOFCカートリッジ203と、これら複数のSOFCカートリッジ203を収納する圧力容器205とを備える。なお、図2には円筒形のSOFCのセルスタックを例示しているが、必ずしもこの限りである必要はなく、例えば平板形のセルスタックであってもよい。また、SOFCモジュール201は、燃料ガス供給管207と複数の燃料ガス供給枝管207a及び燃料ガス排出管209と複数の燃料ガス排出枝管209aとを備える。また、SOFCモジュール201は、酸化性ガス供給管(不図示)と酸化性ガス供給枝管(不図示)及び酸化性ガス排出管(不図示)と複数の酸化性ガス排出枝管(不図示)とを備える。
【0047】
燃料ガス供給管207は、圧力容器205の外部に設けられ、SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の燃料ガスを供給する燃料ガス供給部に接続されると共に、複数の燃料ガス供給枝管207aに接続されている。この燃料ガス供給管207は、上述の燃料ガス供給部から供給される所定流量の燃料ガスを、複数の燃料ガス供給枝管207aに分岐して導くものである。また、燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207に接続されると共に、複数のSOFCカートリッジ203に接続されている。この燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207から供給される燃料ガスを複数のSOFCカートリッジ203に略均等の流量で導き、複数のSOFCカートリッジ203の発電性能を略均一化させるものである。
【0048】
燃料ガス排出枝管209aは、複数のSOFCカートリッジ203に接続されると共に、燃料ガス排出管209に接続されている。この燃料ガス排出枝管209aは、SOFCカートリッジ203から排出される排燃料ガスを燃料ガス排出管209に導くものである。また、燃料ガス排出管209は、複数の燃料ガス排出枝管209aに接続されると共に、一部が圧力容器205の外部に配置されている。この燃料ガス排出管209は、燃料ガス排出枝管209aから略均等の流量で導出される排燃料ガスを圧力容器205の外部に導くものである。
【0049】
圧力容器205は、内部の圧力が0.1MPa〜約3MPa、内部の温度が大気温度〜約550℃で運用されるので、耐力性と酸化性ガス中に含まれる酸素などの酸化剤に対する耐食性を保有する材質が利用される。例えばSUS304などのステンレス系材が好適である。
【0050】
ここで、本実施形態においては、複数のSOFCカートリッジ203が集合化されて圧力容器205に収納される態様について説明しているが、これに限られず例えば、SOFCカートリッジ203が集合化されずに圧力容器205内に収納される態様とすることもできる。
【0051】
SOFCカートリッジ203は、図3に示す通り、複数のセルスタック101と、発電室215と、燃料ガス供給室217と、燃料ガス排出室219と、酸化性ガス供給室221と、酸化性ガス排出室223とを備える。また、SOFCカートリッジ203は、上部管板225aと、下部管板225bと、上部断熱体227aと、下部断熱体227bとを備える。なお、本実施形態においては、SOFCカートリッジ203は、燃料ガス供給室217と燃料ガス排出室219と酸化性ガス供給室221と酸化性ガス排出室223とが図3のように配置されることで、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れる構造となっているが、必ずしもこの必要はなく、例えば、セルスタックの内側と外側とを平行して流れる、または酸化性ガスがセルスタックの長手方向と直交する方向へ流れるようにしても良い。
【0052】
発電室215は、上部断熱体227aと下部断熱体227bとの間に形成された領域である。この発電室215は、セルスタック101の燃料電池セル105が配置された領域であり、燃料ガスと酸化性ガスとを電気化学的に反応させて発電を行う領域である。また、この発電室215のセルスタック101長手方向の中央部付近での温度は、温度センサなどで監視され、SOFCモジュール201の定常運転時に、およそ700℃〜1000℃の高温雰囲気となる。
【0053】
燃料ガス供給室217は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aとに囲まれた領域であり、上部ケーシング229aの上部に設けられた燃料ガス供給孔231aによって、燃料ガス供給枝管207aと連通されている。また、複数のセルスタック101は、上部管板225aとシール部材237aにより接合されており、燃料ガス供給室217は、燃料ガス供給枝管207aから燃料ガス供給孔231aを介して供給される燃料ガスを、複数のセルスタック101の基体管103の内部に略均一流量で導き、複数のセルスタック101の発電性能を略均一化させるものである。
【0054】
燃料ガス排出室219は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bとに囲まれた領域であり、下部ケーシング229bに備えられた燃料ガス排出孔231bによって、燃料ガス排出枝管209aと連通されている。また、複数のセルスタック101は、下部管板225bとシール部材237bにより接合されており、燃料ガス排出室219は、複数のセルスタック101の基体管103の内部を通過して燃料ガス排出室219に供給される排燃料ガスを集約して、燃料ガス排出孔231bを介して燃料ガス排出枝管209aに導くものである。
【0055】
SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の酸化性ガスを酸化性ガス供給枝管へと分岐して、複数のSOFCカートリッジ203へ供給する。酸化性ガス供給室221は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bと下部断熱体227bとに囲まれた領域であり、下部ケーシング229bの側面に設けられた酸化性ガス供給孔233aによって、図示しない酸化性ガス供給枝管と連通されている。この酸化性ガス供給室221は、図示しない酸化性ガス供給枝管から酸化性ガス供給孔233aを介して供給される所定流量の酸化性ガスを、後述する酸化性ガス供給隙間235aを介して発電室215に導くものである。
【0056】
酸化性ガス排出室223は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aと上部断熱体227aとに囲まれた領域であり、上部ケーシング229aの側面に設けられた酸化性ガス排出孔233bによって、図示しない酸化性ガス排出枝管と連通されている。この酸化性ガス排出室223は、発電室215から、後述する酸化性ガス排出隙間235bを介して酸化性ガス排出室223に供給される排酸化性ガスを、酸化性ガス排出孔233bを介して図示しない酸化性ガス排出枝管に導くものである。
【0057】
上部管板225aは、上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとの間に、上部管板225aと上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとが略平行になるように、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また上部管板225aは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この上部管板225aは、複数のセルスタック101の一方の端部をシール部材及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス供給室217と酸化性ガス排出室223とを隔離するものである。
【0058】
上部断熱体227aは、上部ケーシング229aの下端部に、上部断熱体227aと上部ケーシング229aの天板と上部管板225aとが略平行になるように配置され、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また、上部断熱体227aには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。上部断熱体227aは、この孔の内面と、上部断熱体227aに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス排出隙間235bを備える。
【0059】
この上部断熱体227aは、発電室215と酸化性ガス排出室223とを仕切るものであり、上部管板225aの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。上部管板225a等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、上部管板225a等が発電室215内の高温に晒されて上部管板225a等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、上部断熱体227aは、発電室215を通過して高温に晒された排酸化性ガスを、酸化性ガス排出隙間235bを通過させて酸化性ガス排出室223に導くものである。
【0060】
本実施形態によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、排酸化性ガスは、基体管103の内部を通って発電室215に供給される燃料ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る上部管板225a等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて酸化性ガス排出室223に供給される。また、燃料ガスは、発電室215から排出される排酸化性ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に適した温度に予熱昇温された燃料ガスを発電室215に供給することができる。
【0061】
下部管板225bは、下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとの間に、下部管板225bと下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとが略平行になるように下部ケーシング229bの側板に固定されている。また下部管板225bは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この下部管板225bは、複数のセルスタック101の他方の端部をシール部材及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス排出室219と酸化性ガス供給室221とを隔離するものである。
【0062】
下部断熱体227bは、下部ケーシング229bの上端部に、下部断熱体227bと下部ケーシング229bの底板と下部管板225bとが略平行になるように配置され、下部ケーシング229bの側板に固定されている。また、下部断熱体227bには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。下部断熱体227bは、この孔の内面と、下部断熱体227bに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス供給隙間235aを備える。
【0063】
この下部断熱体227bは、発電室215と酸化性ガス供給室221とを仕切るものであり、下部管板225bの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。下部管板225b等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、下部管板225b等が高温に晒されて下部管板225b等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、下部断熱体227bは、酸化性ガス供給室221に供給される酸化性ガスを、酸化性ガス供給隙間235aを通過させて発電室215に導くものである。
【0064】
本実施形態によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、基体管103の内部を通って発電室215を通過した排燃料ガスは、発電室215に供給される酸化性ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る下部管板225b等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて燃料ガス排出室219に供給される。また、酸化性ガスは排燃料ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に必要な温度に昇温された酸化性ガスを発電室215に供給することができる。
【0065】
発電室215で発電された直流電力は、複数の燃料電池セル105に設けたNi/YSZ等からなるリード膜115によりセルスタック101の端部付近まで導出した後に、SOFCカートリッジ203の集電棒(不図示)に集電板(不図示)を介して集電して、各SOFCカートリッジ203の外部へと取り出される。前記集電棒によってSOFCカートリッジ203の外部に導出された直流電力は、各SOFCカートリッジ203の発電電力を所定の直列数および並列数へと相互に接続され、SOFCモジュール201の外部へと導出されて、図示しないパワーコンディショナ等の電力変換装置(インバータなど)により所定の交流電力へと変換されて、電力供給先(例えば、負荷設備や電力系統)へと供給される。
【0066】
本発明の一実施形態に係る発電システムの概略構成について説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る複合発電システム(以下「発電システム」という。)310の概略構成を示した概略構成図である。図4に示すように、発電システム310は、圧縮機321を備える発電装置の一例としてガスタービン(以下「GT」という。)311、発電機312、及び燃料電池の一例としてSOFC313を備えている。SOFC313は、図示しないSOFCモジュールが1つまたは複数が組み合わされて構成され、以降は単に「SOFC」と記載する。この発電システム310は、GT311による発電と、SOFC313による発電とを組み合わせることで、高い発電効率を得るように構成されている。
【0067】
GT311は、圧縮機321、燃焼器322、タービン323を備えており、圧縮機321とタービン323とは回転軸324により一体回転可能に連結されている。後述するタービン323が回転することで圧縮機321が回転駆動する。圧縮機321は、空気取り込みライン325から取り込んだ空気Aを圧縮する。
燃焼器322には、第1酸化性ガス供給ライン326を介して圧縮機321からの空気Aの少なくとも一部である空気A1が供給されるとともに、第1燃料ガス供給ライン351を介して燃料ガスL1が供給される。第1酸化性ガス供給ライン326には、燃焼器322へ供給する空気A1の空気量を調整するための制御弁327が設けられ、第1燃料ガス供給ライン351には、燃焼器322へ供給する燃料ガス流量を調整するための制御弁352が設けられている。更に、燃焼器322には、後述するSOFC313の燃料ガス再循環ライン344を循環する排燃料ガスL3の一部が排燃料ガス供給ライン345を通じて供給される。排燃料ガス供給ライン345には、燃焼器322に供給する排燃料ガス量を調整するための制御弁347が設けられている。更に、燃焼器322には、後述する排酸化性ガス供給ライン334を通じてSOFC313の空気極113で用いられた排空気A3の一部が供給される。
【0068】
燃焼器322は、燃料ガスL1、空気Aの一部(空気A1)、排燃料ガスL3、及び排空気A3を混合して燃焼させ、燃焼ガスGを生成する。燃焼ガスGは燃焼ガス供給ライン328を通じてタービン323に供給される。タービン323は、燃焼ガスGが断熱膨張することにより回転し、排ガスが燃焼排ガスライン329から排出される。発電機312は、タービン323と同軸上に設けられており、タービン323が回転駆動することで発電する。
【0069】
燃焼器322に供給する燃料ガスL1及び後述する燃料ガスL2は可燃性ガスであり、例えば、液化天然ガス(LNG)を気化させたガスあるいは天然ガス、都市ガス、水素(H2)及び一酸化炭素(CO)、メタン(CH)等の炭化水素ガス、及び炭素質原料(石油や石炭等)のガス化設備により製造されたガス等が用いられる。燃料ガスとは、予め発熱量が略一定に調整された燃料ガスを意味する。
【0070】
熱交換器330は、タービン323から排出された排ガスと圧縮機321から供給される空気Aとの間で熱交換を行う。排ガスは、空気Aとの熱交換で冷却された後に、図示しない煙突を通して外部に放出される。
【0071】
SOFC313は、還元剤として燃料ガスL2と、酸化剤として空気A2とが供給されることで、所定の作動温度にて反応して発電を行う。このSOFC313は、図示しないSOFCモジュールから構成され、SOFCモジュールの圧力容器内に設けた複数のセルスタックの集合体が収容されており、図示しないセルスタックには、燃料極109と空気極113と固体電解質111を備えている。
SOFC313は、空気極113に空気A2が供給され、燃料極109に燃料ガスL2が供給されることで発電して、パワーコンディショナ等の電力変換装置112(インバータなど)により所定の交流電力へと変換される。
本実施形態では、SOFC313に供給される酸化性ガスとして、圧縮機321によって圧縮された空気Aの少なくとも一部(空気A2)を採用する場合を例示して説明する。
【0072】
SOFC313には、第1酸化性ガス供給ライン326から分岐した第2酸化性ガス供給ライン331を通じて酸化性ガスとして空気A2が空気極113の図示しない酸化性ガス導入部に供給される。この第2酸化性ガス供給ライン331には、供給する空気A2の流量を調整するための制御弁335が設けられている。また、第1酸化性ガス供給ライン326において、第2酸化性ガス供給ライン331の分岐点よりも空気A2の上流側(換言すると、圧縮機321側)には、熱交換器330が設けられている。熱交換器330において、空気Aは、燃焼排ガスライン329から排出される排ガスとの間で熱交換されて昇温される。更に、第2酸化性ガス供給ライン331には、熱交換器330をバイパスするバイパスライン332が設けられている。バイパスライン332には、制御弁336が設けられ、空気Aのバイパス流量が調整可能とされている。制御弁335、336の開度が後述する制御装置(制御部)380によって制御されることで、熱交換器330を通過する空気Aと熱交換器330をバイパスする空気Aとの流量割合が調整され、空気Aの一部である第2酸化性ガス供給ライン331を通じてSOFC313に供給される空気A2の温度が調整される。SOFC313に供給される空気A2の温度は、SOFC313を構成する図示しないSOFCモジュール内部の各構成機器の材料に損傷を与えないよう温度の上限が制限されている。
【0073】
更に、第2酸化性ガス供給ライン331には、可燃性ガスとして燃料ガスL2を供給する空気極燃料供給ライン371が接続されている。空気極燃料供給ライン371には、第2酸化性ガス供給ライン331へ供給する燃料ガス量を調整するための制御弁372が設けられている。制御弁372の弁開度が後述する制御装置380によって制御されることにより、空気A2に添加される燃料ガスL2の供給量が調整される。空気A2に添加される燃料ガスL2の量は、可燃限界濃度以下で供給され、より好ましくは3体積%以下で供給される。
【0074】
SOFC313には、空気極113で用いられた排空気A3を排出する排酸化性ガス排出ライン333が接続されている。この排酸化性ガス排出ライン333には、燃焼器322に排空気A3を供給するための排酸化性ガス供給ライン334が接続されている。排酸化性ガス供給ライン334には、SOFC313とGT311との間の系統を切り離すための遮断弁338が設けられている。
また、排酸化性ガス排出ライン333には、空気極113で用いられた排空気A3を系統外へ排出する排酸化性ガス量を調整するための制御弁(もしくは遮断弁)337が設けられている。
【0075】
SOFC313には、更に、燃料ガスL2を燃料極109の図示しない燃料ガス導入部に供給する第2燃料ガス供給ライン341と、燃料極109で反応に用いられた後の排燃料ガスL3を排出する排燃料ガスライン343とが接続されている。第2燃料ガス供給ライン341には、燃料極109に供給する燃料ガスL2の流量を調整するための制御弁342が設けられ、排燃料ガスライン343には燃料極109で反応に用いられた後の排燃料ガスL3を系統外へ排出する排燃料ガス量を調整するための制御弁(もしくは遮断弁)346が設けられている。排燃料ガスライン343の制御弁346と、排酸化性ガス排出ライン333の制御弁337を制御することにより、排燃料ガスL3もしくは排空気A3を系外に排出することで過剰になった圧力を素早く調整することができる。また、SOFC313の燃料極109と空気極113の差圧(以下、燃料空気差圧)は、燃料極109側が所定の圧力範囲で高くなるように、制御弁347により制御する。また、排燃料ガスライン343には、排燃料ガスL3をSOFC313の燃料極109の燃料ガス導入部へと再循環させるための燃料ガス再循環ライン344が接続されている。燃料ガス再循環ライン344には、排燃料ガスL3を再循環させるための再循環ブロワ348が設けられている。
【0076】
更に、燃料ガス再循環ライン344には、燃料極109に燃料ガスL2を改質するための純水を供給する純水供給ライン361が設けられている。純水供給ライン361にはポンプ362が設けられている。ポンプ362の吐出流量が制御装置380によって制御されることにより、燃料極109に供給される純水量が調整される。
【0077】
GT311の駆動による発電機312での発電、SOFC313での発電が行われることにより、発電システム310による発電が行われる。
【0078】
制御装置380は、例えば、発電システム(複合発電システム)310に備える圧力計及び各温度センサ、流量計などの計測値等に基づき、各遮断弁及び各流量調整弁の制御を行う。また、系統10との連系運転から自立運転、自立運転から連系運転へ切り替えを行う際の制御弁や遮断器など各機器の制御を行う。
制御装置380は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
【0079】
燃料ガス中の炭素に対する水蒸気のモル比率をS/C(スチームカーボン比)という。SOFC313の燃料極109側の系統入口付近において、S/Cは燃料の内部改質を行うためには量論的に1.0以上が必要で、更に図示しないセルスタックの付近にてS/Cが低くなる領域があると炭素が析出する恐れがある。炭素析出防止と改質率促進のためにS/C≧3.0であることが好ましい。一方、S/Cが多すぎると、最終的に発電システム310の系外に排出される排ガス中の水蒸気含有量が増加し、この潜熱分が無駄な熱量として系外に排出されてシステム効率が低下する。この為、S/Cの運転状態に合わせて過剰とならない適切な量のS/Cを設定できることが望ましく、SOFC313の定格運転時では、例えばS/Cが3.0〜5.0、好ましくは3.5〜5.0となるよう設定されている。
燃料ガス再循環ライン344を経由した排燃料ガスL3の再循環を行う場合においては、第2燃料ガス供給ライン341によりSOFC313に供給される燃料ガスL2のS/Cが規定値よりも低いとき、第2燃料ガス供給ライン341に純水供給ライン361を介して純水を供給し、純水が第2燃料ガス供給ライン341内で水蒸気となって供給されることによって、不足する水蒸気を補う。また、SOFCの起動時又は停止動作時など、再循環流量に対して供給される燃料ガスL2の流量が少ないと、相対的にS/Cが高くなるため、SOFC313へ供給する燃料ガスL2を増加もしくは純水量を低減させてもよい。
【0080】
<共同運転について>
以下、発電システム310における、SOFC313及びGT311の共同運転について説明する。
制御装置380は、SOFC313とGT311とが相互に各ガスの供給を行い共同して運転する共同運転時、SOFC313とGT311との共同運転状態に応じて、第2燃料ガス供給ライン341の制御弁342を調整する。具体的には、制御装置380は、SOFC313の出力電流を指令される電流指令による運転制御を行い、燃料ガスL2の流量を調整する。
【0081】
また、制御装置380は、第1酸化性ガス供給ライン326の制御弁327を閉とする。よって、共同運転時は、燃焼器322へ圧縮機321からの空気A1が供給されないが、必要に応じて制御弁327の開度を調整し、SOFC313へ供給される空気A2および燃焼器322へ供給される空気A1の供給量を調整しても良い。
【0082】
上記のようにSOFC313とGT311との共同運転を行っている発電システム310において、発電された電力は電力供給先となる負荷設備(以下、負荷とする)や電力系統(以下、系統とする)10へ供給される。負荷には、停止不可とされる負荷(第2の負荷)455があるため、停止不可とされる負荷455には発電システム310からの電力供給が無瞬断で行われなければならない。
しかし、発電システム310への系統10からの電力供給が停電などの異常発生により停止される場合があり、この時、負荷の少なくとも一部への電力供給を継続するにあたり、SOFC313及びGT311をそれぞれ自立運転させる必要がある。
なお、自立運転とは系統10から解列された状態で発電を継続する状態を示し、SOFC313とGT311との機械的な接続の変更などは関係しない。
【0083】
<連系運転から自立運転への切替>
次に、本実施形態における系統10の異常発生時における系統10との連系運転から自立運転への切替について説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る発電システム310の電源系統の結線図である。
また図6は、本発明の一実施形態に係る発電システム310の連系運転から自立運転への切替処理を示したフローチャートである。
【0084】
図5に示されるように、SOFC313に負荷451が接続され、GT311の発電機312に負荷(第2の負荷)455及び負荷(第3の負荷)456がそれぞれ接続されている。またSOFC313に接続される負荷(第1の負荷)451はSOFC313の発電量を超えない大容量の負荷とすることが可能であるが、停止不可とされる負荷455を含んでいる。また後述する無停電電源装置(以下、UPSという)454を通じてGT311に接続される負荷455は、停止不可とされる負荷455であるとする。
ここで停止不可とされる負荷455には、GT311の補機も含まれ、例えばSOFC313の再循環ブロワ348、制御装置380、計装用空気圧縮機(図示せず)等が挙げられる。
一方、UPS454を経由せずGT311に接続される負荷456は、一時的に運転停止してもよいとされる負荷456であり、例えば照明灯(図示せず)などが挙げられる。このように、停止可能とされる負荷456を分けてUPS454に接続しないことにより、UPS454の容量を必要最低限の容量に抑えることができる。
【0085】
次に、連系運転から自立運転に切り替える場合の処理の流れについて、図6を用いて説明する。
図6に示されるように、系統10に異常などが発生し、系統10の停電や系統10への逆潮流停止などが検知されると(S601)、制御装置380はSOFC313を自立運転に切り替える(S602)。具体的には、制御装置380は、SOFC313を系統10と数ms以内でゲートブロックし、系統10から解列する。このように無瞬断で解列することにより、SOFC313は連系状態から自立運転に切り替わる。また、これに際して、純水供給ライン361のポンプ362(図4参照)が起動し、SOFC313の燃料極109へ純水が供給可能とされる。
【0086】
次に、SOFC313は、SOFC自立運転用制御モード(燃料電池自立運転用制御モード)に切り替えられる(S603)。連系運転時は、制御装置380はSOFC連系運転用制御モード(燃料電池連系運転用制御モード)により制御装置380からのSOFC313の出力電流の指令である電流指令による運転制御を行っていたが、制御モードの切り替えにより図5に示すSOFC313が電力供給する負荷451が要求する電力量に応じてSOFC313の電力変換装置112の交流出力電圧を一定にして必要な電流出力を供給するSOFC自立運転用制御モードによる運転制御が行われることとなる。SOFC自立運転用制御モードでは、負荷451が要求する電力に応じた電力をSOFC313が供給する。そのため、これに対応するSOFC313の出力電流が決定され、発電室215の温度や燃料利用率などの運転条件に対して、SOFC313に供給される燃料ガスL2の燃料供給量が決定される。SOFC313の発電出力で電力変換装置112の交流出力電圧を一定にして電流を調整する運転制御が行われ、例えばフィードバック制御が行われることとなる。
また、発電室215の温度制御については、連系運転時には発電室出力制御として、電流による発電室温度制御を行っている。しかし、SOFC自立運転用制御モードに切り替わると出力電流を調整する際に燃料利用率を都度変更しながら運転制御することが難しくなる。このため発電室出力制御を解除し、発電室215の温度が低下した際に発電室215の燃焼を利用して昇温を行う等、大まかに発電室215の温度調整をする制御を行う。例えば、発電室温度が所定の温度よりも低下した場合は、制御弁372を微開として、燃料ガスL2を第2酸化性ガス供給ライン331に小流量にて供給して燃焼させることで、発電室215を加熱してもよい。
さらに、SOFC313の電力変換装置112がパワーコンディショナである場合は、連系運転時には系統周波数と同期を行っているが、SOFC自立運転用制御モードに切り替わるとこれを解除して、パワーコンディショナにより所定の周波数へと制御する。
【0087】
このように、SOFC313を自立運転へ切り替え、SOFC自立運転用制御モードに切り替えを行っても、SOFC313とGT311との機械的な接続は変更することなく継続させる。よって、SOFC313からGT311への排燃料ガス供給ライン345を通じた排燃料ガスL3の供給及び排酸化性ガス排出ライン333を通じた排空気A3の供給が継続され、またGT311からSOFC313への第2酸化性ガス供給ライン331を通じた空気A2の供給を行う共同運転が継続され、SOFC313とGT311との機械的な接続は継続させる。
【0088】
SOFC自立運転用制御モードでのSOFC313の発電出力の電流値は、負荷451の変動に対応して制御される。つまり、負荷451の需要要求に対してSOFC313の電力変換装置112の交流出力電圧を一定にして必要な電流を出力するように制御される(S604)。
すなわち、SOFC313の電力変換装置112の交流出力電圧を一定にして、出力電流が負荷451の電力需要に対応するように変動するため、電力需要に追従するようにSOFC313への燃料ガスL2の供給量を変更するような制御を行う。しかし、燃料ガスL2の供給量指令を増加させても燃料ガスL2の実際の供給量が増加するまでには少しの時間遅れが発生する場合がある。例えば負荷451の電力需要が急激に上昇すると、SOFC313の出力電流が上昇し燃料使用量も大きく上昇する。しかし、出力の増加に対して燃料ガスL2の供給には時間遅れが発生し、電力需要に対してSOFC313の燃料ガスL2の流量増加が応答よく追従できない場合がある。この時、燃料利用率が一時的に急増し、場合によっては燃料不足が発生する。そのため、燃料利用率に余裕を持たせて小さめに設定しておき、急な負荷451の増加変動に対応できるようにする。ここで、燃料利用率とは燃料供給量に対する燃料使用量の割合である。本実施形態では、燃料利用率を連系運転時よりも小さい値(例えば連系運転時の85%以上95%以下)に設定するように変更を行う。これにより、電力需要の急増に応じて燃料使用量が急激に上昇しても、燃料利用率、すなわち燃料供給量に余裕があるため、急速な電力需要増加に応じたSOFC313の電流出力の追従が可能である。
【0089】
また、燃料利用率が変動すると、S/Cが変動する。例えば燃料ガスL2を増加させて燃料利用率を低下させると、燃料ガスL2に含まれる炭素Cが増加するためS/Cが低下する。そこで本実施形態では、燃料利用率が低下した場合に、純水を燃料ガス供給系統に供給する。すなわち、図4に示されるように、純水供給ライン361のポンプ362を制御することにより、純水の供給量を増加させるように制御する。これにより、純水(水蒸気)が増加するため、S/Cが上昇し、所望のS/Cを維持することができる。純水の供給量としては、燃料極109の入口でのS/Cが3〜4以上になるように調整することが好ましい。
また、再循環ブロワ348の回転数を低下させて排燃料ガスの再循環流量を減少させてもよい。これにより、排燃料ガスに含まれる炭素が増加するため、S/Cが上昇し、所望のS/Cを維持することができる。また、再循環ブロワ348の回転数を低下させることにより、SOFC313の燃料極109の入口温度を上昇させて発電室215の温度制御に利用してもよい。再循環ブロワ348の回転数は、燃料極109の入口でのS/Cが3〜4以上になるように調整することが好ましい。
【0090】
一方、GT311は、まず無負荷となるように制御される(図6のS605)。具体的には、系統10の異常などが検知されると、GT311は数百ms程度で系統10から解列される。この時、前述した発電出力が一旦ゼロとなるBOS(ブラックアウトスタート)を行うと圧縮機321からSOFC313へ酸化性ガスの供給が停止して、SOFC313の運転継続が不可能となってしまう。このため、BOSを行わずそのまま運転を継続させタービン323を回転させ続ける。但し、その発電出力は、発電機312から負荷455、負荷456へ電力供給するのではなく、図5に示される制動抵抗負荷453へ電力供給する。制動抵抗負荷453は、例えばヒータであり、制御装置380はヒータ及びヒータの熱を外部へ放出するための放熱ファン(図示せず)の制御を開始する。
【0091】
次に、GT311は、ガスタービン無負荷運転(無負荷運転)に切り替えられる(S606)。ガスタービン無負荷運転とは、具体的には、発電機312に制動抵抗負荷453を接続し、タービン323の回転を継続させることにより発電機312にて発生した発電出力を制動抵抗負荷453へ電力供給することである。ここで、制動抵抗負荷453の電力量は、本実施形態ではGT311の発電電力量より大きく、例えば0〜40kWに変化可能である。
また、発電機312の発電出力は全て制動抵抗負荷453に供給されることから、発電機312から電力が供給されていた負荷455、負荷456への電力供給は停止される。この時、GT311の補機を含む停止不可とされる負荷455へは、UPS454から電力が供給される。これにより、GT311の補機を含む停止不可の負荷455の運転を無瞬断で継続させることができる。
一方、一時的に運転停止してもよいとされる負荷456については、電力供給を一時的に停止する。
【0092】
次に、GT311は、圧縮機321の稼働が整定したかどうかを確認するために、タービン323の回転数が所定定格回転数の所定範囲以内に整定したかどうかの判定を行う(S607)。タービン323の回転数は、制御装置380が制動抵抗負荷453の負荷量および燃焼器322への燃料ガスL1の供給量を調整することにより、所定定格回転数の所定範囲以内に整定するように制御される。
ステップS607において、タービン323の回転数が所定定格回転数の所定範囲以内に整定したと判定された場合は、ステップS608へ遷移する。一方、整定していないと判定された場合は、再度ステップS607に戻り、タービン323の回転数が所定定格回転数の所定範囲以内に整定するまで判定を続ける。
【0093】
ステップS607においてタービン323の回転数が所定定格回転数の所定範囲以内に整定(すなわち圧縮機321の稼働が整定)したと判定された場合は、制御装置380はGT311に自立運転指令を行う(S608)。この時、GT311は、タービン323の回転数の所定定格回転数への整定を継続しながら、安定した状態でガスタービン無負荷運転を行う。
【0094】
次に、制御装置380は、SOFC313及びGT311がそれぞれ自立運転を行うように切替をおこなう(S609)。すなわち、GT311は、発電機312からの制動抵抗負荷453への発電出力を停止してガスタービン無負荷運転を終了すると同時に、発電機312の発電出力を負荷455、負荷456に接続して、負荷455、456への電力供給を行い、自立運転を開始する。また、GT311の補機を含む停止不可の負荷455へは、UPS454を通した電力供給が終了する。
ここで、負荷455、負荷456の電力需要よりも発電機312の発電出力が上回る場合は、その余剰電力分を制動抵抗負荷453へ電力供給して消費する。
以上のようにして、本実施形態の発電システム310は、系統異常発生などの時に、負荷451及び負荷455に対し無瞬断での電力供給を行いながら自立運転への切替を行う。
なお、前述したようにSOFC313及びGT311はそれぞれ自立運転しているが、SOFC313とGT311との機械的な接続は継続させる。
【0095】
<自立運転から連系運転への切替>
次に、本実施形態における系統10の異常発生などからの復帰時における自立運転から連系運転への切替について説明する。
図7には、本発明の一実施形態に係る発電システムの自立運転から連系運転への切替処理がフローチャートに示されている。
系統10が異常などから復帰したことを検知すると(S701)、制御装置380は、GT311を負荷455及び負荷456から切り離して無負荷となるように準備するよう制御する(S702)。
【0096】
同時に、制御装置380は、GT311を前述したガスタービン無負荷運転に移行させる(S703)。GT311がガスタービン無負荷運転を行っている間は、GT311の補機を含む停止不可の負荷455に対してはUPS454から電力供給を継続し、運転を無瞬断で継続させる。一方、一時的に運転停止してもよいとされる負荷456については、電力供給を一時的に停止する。
【0097】
次に、制御装置380は、ガスタービン無負荷運転中のタービン323の回転数が所定定格回転数の所定範囲以内に整定したかどうかの判定を行う(S704)。タービン323の回転数は、制御装置380が制動抵抗負荷453の負荷量および燃焼器322への燃料ガスL1の供給量を調整することにより、所定定格回転数の所定範囲以内に整定するように制御される。
ステップS704において、タービン323の回転数が所定定格回転数の所定範囲以内に整定したと判定された場合はステップS705へ遷移する。一方、整定していないと判定された場合は再度ステップS704に戻り、タービン323の回転数が所定定格回転数の所定範囲以内に整定するまで判定を続ける。
タービン323の回転数が整定(すなわち圧縮機321の稼働が整定)し、状態が安定すると、制御装置380は、GT311を系統10に接続し連系運転に復帰させ、GT311の出力を連系運転時用の出力に調整する(S705)。GT311の出力を連系運転時の出力に戻す際には、GT311の圧縮機321からSOFC313へ供給する空気A2の流量と状態(例えば、温度)を安定させることができるため、SOFC313の状態も安定させることができる。
【0098】
このように、GT311を自立運転から連系運転へ切り替えを行っても、SOFC313とGT311との機械的な接続は変更することなく継続させる。よって、SOFC313からGT311への排燃料ガス供給ライン345を通じた排燃料ガスL3の供給及び排酸化性ガス排出ライン333を通じた排空気A3の供給が継続される。また、GT311からSOFC313への第2酸化性ガス供給ライン331を通じた空気A2の供給が継続される。
【0099】
次に、制御装置380は、SOFC313を無瞬断で連系運転に切り替える(S706)。これと同時に制御装置380は、SOFC313のSOFC自立運転用制御モードをSOFC連系運転用制御モードに切り替える(S707)。これにより、SOFC313及びGT311の双方が連系運転状態となる。
【0100】
最後に、SOFC313の発電出力を、連系運転時用の値に変更し(S708)、SOFC313の出力は定格負荷など制御装置380から指令される電流指令の発電電流に到達する。
【0101】
<電源系統の状態について>
次に、連系運転と自立運転との切り替えにおける、電力系統の切替について説明する。
図5に示されるように、発電システム310の各装置と系統10とは遮断器などを介して接続されている。
SOFC313から系統10へは本実施形態では例えば、遮断器406、電力変換装置112、遮断器404、自立切替用高速スイッチ403、SOFC分電盤402、遮断器401を順に介して接続されている。
また、遮断器404と自立切替用高速スイッチ403との間に、負荷451が接続されている。
また、電力変換装置112内部には、遮断器405が備えられている。
【0102】
GT311の発電機312から系統10へは本実施形態では例えば、GT用発電インバータ452、GT分電盤407、遮断器401を順に介して接続されている。
また、GT分電盤407から発電機312とは並列に、負荷455及び負荷456が接続されている。GT分電盤407から負荷455へは、遮断器410、UPS454、遮断器411を順に介して接続されている。また、GT分電盤407から負荷456へは、遮断器412を介して接続されている。
また、GT用発電インバータ452は、GT分電盤407へ接続する電力線と並列に遮断器409を有し、遮断器409を介して負荷455及び負荷456へ接続している。
さらにGT用発電インバータ452には制動抵抗負荷453が接続され、また内部には遮断器408が備えられている。
【0103】
図8は、本発明の一実施形態に係る発電システム310の運転切替時の遮断器の開閉状態を示す図である。
図8(a)は連系運転から自立運転に切り替える場合の遮断器の開閉状態を示す。縦方向は各運転状態を示し、状態Oは図6のステップS602及びS603、状態PはステップS605及びS607、状態QはステップS606、状態RはステップS609を示す。
図8(b)は自立運転から連系運転に切り替える場合の遮断器の開閉状態を示す。縦方向は各運転状態を示し、状態Vは図7のステップS702、状態WはステップS703、状態XはステップS704及びS705、状態YはステップS706及びS707、状態ZはステップS708を示す。
また図8(a)及び(b)において、横方向は遮断器の位置を示し、遮断器(1)は遮断器401、遮断器(2)はSOFC分電盤402、遮断器(3)は自立切替用高速スイッチ403、遮断器(4)は遮断器404、遮断器(5)は遮断器405、遮断器(6)は遮断器406、遮断器(7)はGT分電盤407、遮断器(8)は遮断器408、遮断器(9)は遮断器409、遮断器(10)は遮断器410、遮断器(11)は遮断器411、遮断器(12)は遮断器412をそれぞれ示す。
【0104】
図8(a)に示される連系運転から自立運転に切り替える際の状態O(図6のステップS602及びS603)の時、遮断器401、SOFC分電盤402、遮断器404、遮断器405、遮断器406、GT分電盤407、遮断器408、遮断器410、遮断器411、遮断器412の各遮断器はON(接続)、遮断器409はOFF(非接続、切断)であり、遮断器409以外は接続され、発電機312は系統10と接続された状態である。また、自立切替用高速スイッチ403は、ステップS602にて数ms以内(無瞬断)でゲートブロックされ、連系状態から自立状態に切り替えられてSOFC313は系統10から解列される。
ここで、負荷451は、遮断器404、405及び406がONであることから、SOFC313と接続状態であり、SOFC313から電力供給がなされる。
【0105】
次に状態P及びQ(図6のステップS605、S606及びS607)では、GT分電盤407及び遮断器408がONからOFFとされ、GT311の発電機312が系統10から解列されるとともに、負荷455及び456が系統10及び発電機312と切断される。
ここで、負荷455は、遮断器411がONであることから、UPS454と接続状態であり、UPS454から電力供給がなされる。
【0106】
次に状態R(図6のステップS609)では、遮断器409がOFFからONとされ、系統10から解列されたまま、発電機312から負荷455及び負荷456へ電力供給がなされる。
【0107】
一方、図8(b)に示される自立運転から連系運転に切り替える際の状態V(図7のステップS702)及び状態W(図7のステップS703)の時、遮断器401、SOFC分電盤402、遮断器404、遮断器405、遮断器406、遮断器410、遮断器411、遮断器412の各遮断器はON、GT分電盤407、遮断器408、遮断器409の各遮断器はOFFであり、また自立切替用高速スイッチ403は自立状態であり、SOFC313、発電機312、負荷451、455及び456は系統10と解列されており、負荷455及び456と発電機312とは切断された状態である。
ここで、負荷451は、遮断器404、405及び406がONであることから、SOFC313と接続状態であり、SOFC313から電力供給がなされる。また負荷455は、遮断器411がONであることから、UPS454と接続状態であり、UPS454から電力供給がなされる。
【0108】
次に、状態X(図7のステップS704及びS705)では、GT分電盤407及び遮断器408がOFFからONとされ、GT311の発電機312が系統10に接続され、連系運転に復帰する。
【0109】
次に、状態Y(図7のステップS706及びS707)及び状態Z(図7のステップS708)では、自立切替用高速スイッチ403が自立状態から連系状態に切り替えられて数ms以内(無瞬断)でゲートブロックから復帰する。
【0110】
以上、説明してきたように、本実施形態に係る発電システム310、発電システム310の運転切替方法及び発電システム310の運転切替プログラムによれば、以下の作用効果を奏する。
本態様では、圧縮機321を有するGT311とSOFC313を組み合わせた発電システム310において、GT311及びSOFC313のいずれも連系運転から自立運転に切り替えることができる。
また、発電システム310が系統10から解列した際に、GT311の圧縮機321からSOFC313へ酸化性ガスの供給が継続される。そのため、SOFC313の自立運転に切り替えが可能となることから、SOFC313を運転停止することなく、負荷451への電力供給を継続することができる。
ここで、SOFC313は無瞬断で自立運転に切り替えることから、電力供給の瞬断が発生せず系統10との連系運転時と同様に電力供給を行うことが可能である。
また、GT311は、圧縮機321の稼働が整定した後に自立運転に切り替えることから、自立運転での負荷455、負荷456への電力供給を安定した状態で行うことができる。
ここで、圧縮機321の稼働が整定するとは、圧縮機321の回転数に大きな変動がなく、圧縮機321の送気状態が安定することを意味する。
これにより、発電システム310が系統10から解列した際に、連系運転から自立運転に切り替わり、さらにSOFC313は無瞬断で自立運転に切り替えることで負荷451への電力供給を継続することができる。このため、発電システム310の稼働率が向上し、またBCP(Business Continuity planning、事業継続計画)の観点から経済性の向上にも寄与する。
【0111】
また本実施形態によれば、SOFC313の排燃料ガス及び排酸化性ガスがGT311へ継続して供給されることから、SOFC313とGT311とは互いに燃料ガス及び酸化性ガスを循環させて発電を継続することができる。
【0112】
また本実施形態によれば、制御装置380は、系統10から解列して自立運転を開始するとSOFC連系運転用制御モードからSOFC自立運転用制御モードに切り替える。SOFC連系運転用制御モードでは、制御装置380からSOFC313の出力電流を指令される電流指令による運転制御が行われる。SOFC313が系統10から解列して自立運転を開始すると、SOFC313が電力供給する負荷451が要求する電力量に対応し、SOFC313の電力変換装置112の交流出力電圧を一定にして必要な電流を出力する制御が行われるSOFC自立運転用制御モードに切り替わる。
これにより、SOFC313は、系統10から解列すると、負荷451が要求する電力量に応じた発電出力を行うことができる。
【0113】
従来のガスタービンでは、連系運転から自立運転を行う際は、運転を継続せず発電出力が一旦ゼロとなるBOS:ブラックアウトスタートを行う。従来の場合は、SOFC313とGT311との相互に各ガスの供給を行う共同運転状態を解除し、SOFC313の発電運転も一旦停止させる必要があり、発電システム310が無瞬断電源供給を行うことができなくなる。
本実施形態によれば、発電システム310が系統10から解列して自立運転を行う際にあたり、GT311の圧縮機321からSOFC313へ酸化性ガスの供給を継続させる運転を継続する。そのため、GT311がBOSを行なわずに、SOFC313とGT311との共同運転状態が継続され、SOFC313の運転も継続することができる。
またこのとき、GT311の圧縮機321の稼働が安定していない期間が発生する可能性がある。本実施形態では、GT311の発電出力は負荷455及び負荷456には接続せずに、制動抵抗負荷453に接続して、発電出力を制動抵抗負荷453に電力供給する。これにより、不安定な発電出力を負荷455及び負荷456に電力供給することなく制動抵抗負荷453にて消費することができる。
また、ガスタービン無負荷運転では、制動抵抗453の負荷量と燃焼器322への燃料ガスL1の燃料供給量とを調整してGT311の回転数が制御されるため、GT311の回転数を容易に制御することが可能である。
【0114】
また本実施形態によれば、GT311がUPS454を備えることから、GT311が系統10から解列してガスタービン無負荷運転が行われている場合でも、複数の負荷455、負荷456のうち停止不可とされる負荷455に対してUPS454からの電力供給が行われる。これにより、停止不可とされる負荷455が停止することなく電力供給が無瞬断で継続され、SOFC313の運用が一時的に停止されることがない。
【0115】
また本実施形態によれば、制動抵抗負荷453への接続後、ガスタービン無負荷運転によりGT311の圧縮機321の稼働が整定すると、GT311の状態が安定したとして制動抵抗負荷453への電力供給を停止し、自立運転を開始して負荷455、負荷456に接続して電力供給する。これにより、GT311の状態安定を待って負荷455と負荷456に接続することができ、負荷455、負荷456への電力供給を安定した状態で行うことができる。
【0116】
また本実施形態によれば、SOFC313と圧縮機321を備えるGT311とを組み合わせた発電システム310において、自立運転を行っているSOFC313及びGT311のいずれも再度に連系運転に切り替えることができる。
また、GT311は、圧縮機321の稼働が整定した後に連系運転に切り替えることから、負荷455、負荷456への電力供給を安定した状態で行うことができる。
また、SOFC313は無瞬断で連系運転に切り替えることから、電力供給の瞬断が発生せず自立運転時と同様に電力供給を行うことが可能である。
また、GT311が整定した後にSOFC313を連系運転に切り替えることから、GT311からSOFC313へ送る空気の状態を安定させておくことができるため、SOFC313の状態も安定させることができる。
【0117】
また本実施形態によれば、発電システム310が系統10に連系して再度の連系運転をする場合、GT311は発電出力が一旦ゼロとなるBOSを行なわず、GT311は運転を継続する。これにより、SOFC313とGT311とが相互に各ガスの供給を行う共同運転状態が継続されるので、SOFC313の運転も継続することができる。
また、GT311はガスタービン無負荷運転を行うことで、制動抵抗負荷453に接続して発電出力を制動抵抗負荷453に供給する。これにより、不安定な発電出力を負荷455、負荷456に電力供給することなく制動抵抗負荷453にて消費することができる。
また、ガスタービン無負荷運転では、制動抵抗負荷量と燃焼器322への燃料ガスL1の燃料供給量とを調整してGT311の回転数が制御されるため、GT311の回転数を容易に制御することが可能である。
【0118】
また本実施形態によれば、GT311がUPS454を備えることから、系統10へ連系して再度の連系運転を行うに察して、ガスタービン無負荷運転が行われている場合でも、複数の負荷455、負荷456のうち停止不可とされる負荷455に対してUPS454からの電力供給が行われる。これにより、停止不可とされる負荷455が停止することなく電力供給が無瞬断で継続され、SOFC313の運用が一時的に停止されることがない。
【0119】
また本実施形態によれば、制動抵抗負荷453への接続後、ガスタービン無負荷運転によりGT311の圧縮機321の稼働が整定すると、GT311の状態が安定したとして制動抵抗負荷453への電力供給を停止し、系統10に接続して連携運転を開始する。これにより、GT311の状態安定を待って系統10に接続することができ、系統10へ連系して再度の連系運転を安定した状態で行うことができる。
【0120】
また本実施形態によれば、SOFC313は、系統10へ連系して再度の連系運転を行うと、SOFC313自立運転用制御モードからSOFC313連系運転用制御モードに切り替える。SOFC自立運転用制御モードでは、SOFC313が負荷451が要求する電力量に対応してSOFC313の電力変換装置112の交流出力電圧を一定にして必要な電流を出力する運転制御が行われる。SOFC313が系統10へ連系して再度の連系運転を行うと、制御装置380からのSOFC313の出力電流の指令である電流指令による制御が行われるSOFC連系運転用制御モードに切り替わる。
これにより、SOFC313は、系統10へ連系して再度の連系運転を行うと、電流指令に応じた発電出力を行うことができる。
【0121】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではない。
たとえば、上述した各実施形態においては発電システム(複合発電システム)310はGT(圧縮機を備える発電装置)311及びSOFC(燃料電池)313のハイブリッド発電システムであるとしたが、トリプルコンバインドシステムであるとしてもよい。また圧縮機321を備える発電装置311は、GT(ガスタービン)311であるとしたが、ターボチャージャーやマイクロガスタービン(MGT)であるとしてもよい。
【符号の説明】
【0122】
10 系統(電力系統)
310 発電システム(複合発電システム)
311 GT(ガスタービン)(発電装置)
312 発電機
313 SOFC(固体酸化物型燃料電池)(燃料電池)
321 圧縮機
380 制御装置(制御部)
451 負荷(第1の負荷)
455 負荷(第2の負荷)
456 負荷(第3の負荷)
453 制動抵抗負荷
454 UPS(無停電電源装置)
図1
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図6
図7
図8