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特開2019-145588フレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板の製造方法、及び、電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-145588(P2019-145588A)
(43)【公開日】2019年8月29日
(54)【発明の名称】フレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板の製造方法、及び、電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/11 20060101AFI20190802BHJP
   H05K 3/40 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   H05K1/11 L
   H05K3/40 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-26358(P2018-26358)
(22)【出願日】2018年2月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平澤 貴久
(72)【発明者】
【氏名】古野 貴之
【テーマコード(参考)】
5E317
【Fターム(参考)】
5E317AA01
5E317AA24
5E317BB02
5E317BB03
5E317BB12
5E317BB15
5E317CC08
5E317CC32
5E317CC33
5E317CD27
5E317CD32
5E317GG20
(57)【要約】
【課題】 他の部材の金属製接続端子と溶接可能な構造を有するフレキシブルプリント配線板を提供する。
【解決手段】 第1主面及び上記第1主面と反対側の第2主面を有する可撓性絶縁層と、上記可撓性絶縁層の第1主面に積層された第1導体層とを含むフレキシブルプリント配線板であって、上記フレキシブルプリント配線板には、上記可撓性絶縁層及び上記第1導体層を貫通する孔が形成されており、上記孔は、上記第1導体層の表面に第1開口部を有し、上記孔には、柱状の金属部が挿し込まれており、上記金属部は、上記第1導体層側の第1端部と、上記第1端部と反対側の第2端部とを有し、上記第1端部には、バンプが形成されており、上記第1開口部を除いた上記第1導体層の上方には、カバーレイが形成されており、上記バンプの頭部は、上記カバーレイの表面より突出していることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面及び前記第1主面と反対側の第2主面を有する可撓性絶縁層と、前記可撓性絶縁層の第1主面に積層された第1導体層とを含むフレキシブルプリント配線板であって、
前記フレキシブルプリント配線板には、前記可撓性絶縁層及び前記第1導体層を貫通する孔が形成されており、
前記孔は、前記第1導体層の表面に第1開口部を有し、
前記孔には、柱状の金属部が挿し込まれており、
前記金属部は、前記第1導体層側の第1端部と、前記第1端部と反対側の第2端部とを有し、
前記第1端部には、バンプが形成されており、
前記第1開口部を除いた前記第1導体層の上方には、カバーレイが形成されており、
前記バンプの頭部は、前記カバーレイの表面より突出していることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
前記第1端部は、前記第1開口部の周囲を覆うように広がっている第1拡張部を有する請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
前記第1拡張部の上には、前記カバーレイが位置している請求項2に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項4】
前記バンプは、前記第1端部の一部が突出して形成されている請求項1〜3のいずれか記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項5】
前記第1導体層の表面、前記第1端部、及び、前記バンプを覆うように第1金属めっき層が形成されている請求項4に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項6】
前記可撓性絶縁層の第2主面には、第2導体層が形成されており、
前記孔は、前記第2導体層を貫通し、前記第2導体層の表面に第2開口部を形成している請求項1〜5のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項7】
前記第2端部は、前記第2開口部の周囲を覆うように広がっている第2拡張部を有する請求項6に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項8】
前記第2導体層の表面、及び、前記第2端部を覆うように第2金属めっき層が形成されている請求項6又は7に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項9】
第1主面及び前記第1主面と反対側の第2主面を有する可撓性絶縁層と、前記可撓性絶縁層の第1主面に積層された第1導体層とを含む積層体を準備する積層体準備工程と、
前記第1導体層に第1開口部が形成されるように前記可撓性絶縁層及び前記第1導体層を貫通する孔を形成する孔形成工程と、
第1端部と、前記第1端部と反対側の第2端部を有する柱状の金属部を、前記第1端部が前記第1導体層側に位置するように、前記孔に挿し込む金属部挿し込み工程と、
前記第1端部にバンプを形成するバンプ形成工程と、
前記第1開口部を除いた前記第1導体層の上方にカバーレイを形成するカバーレイ形成工程とを含み、
前記バンプの頭部を、前記カバーレイの表面より突出させることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項10】
前記バンプ形成工程を行った後、
前記第1導体層、前記第1端部、及び、前記バンプを覆うように第1金属めっき層を形成する第1金属めっき層形成工程を行い、
前記第1金属めっき層形成工程の後、前記カバーレイ形成工程を行う請求項9に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項11】
前記金属部挿し込み工程では、前記積層体の厚さよりも長い前記金属部を、前記第1端部が前記第1導体層から突出するように、前記孔に挿し込み、
前記バンプ形成工程では、プレス加工により前記第1端部を変形させて前記バンプを形成する請求項9又は10に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項12】
前記金属部挿し込み工程では、前記積層体の厚さよりも長い前記金属部を、前記第1端部が前記第1導体層から突出するように、前記孔に挿し込み、
プレス加工により前記第1端部を変形させて前記第1開口部の周囲を覆うように広がる第1拡張部を形成する第1拡張部形成工程を行う請求項9〜11のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項13】
前記積層体準備工程では、前記可撓性絶縁層の第2主面に第2導体層がさらに積層された前記積層体を準備し、
前記孔形成工程では、前記第2導体層に第2開口部が形成されるように、前記第2導体層を貫通する前記孔を形成する請求項9〜12のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項14】
前記第2導体層、及び、前記第2端部を覆うように第2金属めっき層を形成する第2金属めっき層形成工程を行う請求項13に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項15】
前記金属部挿し込み工程では、前記積層体の厚さよりも長い前記金属部を、前記第2端部が前記第2導体層から突出するように、前記孔に挿し込み、
プレス加工により前記第2端部を変形させて前記第2開口部の周囲を覆うように広がる第2拡張部を形成する第2拡張部形成工程を行う請求項13又は14に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項16】
フレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板に接続された金属製接続端子を有する部材とを備える電子デバイスであって、
前記フレキシブルプリント配線板は、請求項1〜8のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板であり、
前記部材の金属製接続端子は、前記フレキシブルプリント配線板のバンプに接続されていることを特徴とする電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板の製造方法、及び、電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フレキシブル基板の導体パターン上に、接合端部を有する金属製の接続端子の端部を配置して、接続端子の端部とフレキシブル基板の導体パターンの間に抵抗溶接を施すことが記載されている。この技術によれば、フレキシブル基板の導体パターンからリード線を引き出すことなく、フレキシブル基板と金属製接続端子との接合を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−25653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術は、フレキシブル基板の導体パターンと接続する金属製接続端子に2つの電極を接触させて大電流を通電して抵抗溶接を行う技術である。そのため、フレキシブル基板と接続する他の部材の形状が電極を接触させることに適していない場合には使用することが難しい。
特に、フレキシブル基板の導体パターンの周囲にカバーレイが配置されていると、カバーレイが障害となり、フレキシブル基板の導体パターン及び金属製接続端子を充分に接触させにくくなり、抵抗溶接しにくくなる場合があった。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、他の部材の金属製接続端子と溶接可能な構造を有するフレキシブルプリント配線板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明のフレキシブルプリント配線板は、第1主面及び上記第1主面と反対側の第2主面を有する可撓性絶縁層と、上記可撓性絶縁層の第1主面に積層された第1導体層とを含むフレキシブルプリント配線板であって、上記フレキシブルプリント配線板には、上記可撓性絶縁層及び上記第1導体層を貫通する孔が形成されており、上記孔は、上記第1導体層の表面に第1開口部を有し、上記孔には、柱状の金属部が挿し込まれており、上記金属部は、上記第1導体層側の第1端部と、上記第1端部と反対側の第2端部とを有し、上記第1端部には、バンプが形成されており、上記第1開口部を除いた上記第1導体層の上方には、カバーレイが形成されており、上記バンプの頭部は、上記カバーレイの表面より突出していることを特徴とする。
【0007】
本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法は、第1主面及び上記第1主面と反対側の第2主面を有する可撓性絶縁層と、上記可撓性絶縁層の第1主面に第1導体層が積層された積層体を準備する積層体準備工程と、上記第1導体層に第1開口部が形成されるように上記可撓性絶縁層及び上記第1導体層を貫通する孔を形成する孔形成工程と、第1端部と、上記第1端部と反対側の第2端部を有する柱状の金属部を、上記第1端部が上記第1導体層側に位置するように、上記孔に挿し込む金属部挿し込み工程と、上記第1端部にバンプを形成するバンプ形成工程と、上記第1開口部を除いた上記第1導体層の上方にカバーレイを形成するカバーレイ形成工程とを含み、上記バンプの頭部を、上記カバーレイの表面より突出させることを特徴とする。
【0008】
本発明の電子デバイスは、フレキシブルプリント配線板と、上記フレキシブルプリント配線板に接続された金属製接続端子を有する部材とを備える電子デバイスであって、上記フレキシブルプリント配線板は、本発明のフレキシブルプリント配線板であり、上記部材の金属製接続端子は、上記フレキシブルプリント配線板のバンプに接続されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明のフレキシブルプリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
図2図2は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の積層体準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図3図3は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の孔形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図4図4(a)及び(b)は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の金属部挿し込み工程の一例を模式的に示す工程図である。
図5図5は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法のプレス加工工程の一例を模式的に示す工程図である。
図6図6は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法のカバーレイ形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図7図7(a)及び(b)は、本発明のフレキシブルプリント配線板を用いた電子デバイスを製造する方法を工程順に示す工程図である。
図8図8は、本発明のフレキシブルプリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
図9図9は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の積層体準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図10図10は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の孔形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図11図11(a)及び(b)は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の金属部挿し込み工程の一例を模式的に示す工程図である。
図12図12は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法のバンプ形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図13図13は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法のカバーレイ形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図14図14は、本発明のフレキシブルプリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
【0010】
(発明の詳細な説明)
以下、本発明について具体的に説明する。本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
【0011】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るフレキシブルプリント配線板の構成について詳述する。
図1は、本発明のフレキシブルプリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、フレキシブルプリント配線板1は、第1主面11及び第1主面11と反対側の第2主面12を有する可撓性絶縁層10と、可撓性絶縁層10の第1主面11に積層された第1導体層21と、可撓性絶縁層10の第2主面12に積層された第2導体層22とを含む。
また、フレキシブルプリント配線板1には、可撓性絶縁層10、第1導体層21及び第2導体層22を貫通する孔30が形成されており、孔30は、第1導体層21の表面に第1開口部31を有し、第2導体層22の表面に第2開口部32を有する。
また、孔30には、柱状の金属部40が挿し込まれている。
【0012】
金属部40は、第1導体層21側の第1端部41と、第1端部41と反対側の第2端部42とを有し、第1端部41には、バンプ45が形成されている。
また、第1端部41は、第1開口部31の周囲を覆うように広がっている第1拡張部41aを有し、第2端部42は、第2開口部32の周囲を覆うように広がっている第2拡張部42aを有する。
また、第1開口部31を除いた第1導体層21の上方には、カバーレイ50が形成されている。なお、第1拡張部41aの上には、カバーレイ50が位置している。
また、バンプ45の頭部45aは、カバーレイ50の表面51より突出している。
なお、フレキシブルプリント配線板1では、バンプ45は、第1端部41の一部が突出して形成されている。
【0013】
フレキシブルプリント配線板1では、第1拡張部41a及び第2拡張部42aが形成されている。
そのため、フレキシブルプリント配線板1では、第1拡張部41a及び第2拡張部42aがストッパーとして作用し、金属部40が脱落することを防止することができる。
【0014】
フレキシブルプリント配線板1の金属部40は、バンプ45を介し、別の部材の金属製接続端子が溶接されることになる。
このようなバンプが形成されていない場合や、バンプの頭部がカバーレイの表面より低い位置にある場合、金属部と、別の部材の金属製接続端子とを溶接する際に、カバーレイが障害となり金属部と別の部材の金属製接続端子とが離れてしまうことがある。この場合、金属部と別の部材の金属製接続端子とが溶接されなくなる。
しかし、フレキシブルプリント配線板1では、バンプ45の頭部45aが、カバーレイ50の表面51より突出している。
そのため、カバーレイがあったとしても、バンプ45の頭部45aと、別の部材の金属製接続端子とをしっかりと接触させることができ、確実に溶接することができる。
なお、バンプ45の頭部45aと、別部材の金属製接続端子とは、抵抗溶接により溶接されることが望ましい。
【0015】
本発明のフレキシブルプリント配線板では、金属部の材料は、特に限定されないが、電気伝導率及び熱伝導率に優れる銅であることが望ましい。また、金属部は金属ブロックであることが望ましく、銅ブロックであることがより望ましい。金属部は、フレキシブルプリント配線板を貫通するように設けられた孔に挿し込まれていることが望ましい。孔に挿し込まれた金属ブロックは、可撓性絶縁層及び導体部を貫通する金属部となる。
金属ブロックは、大電流を流すことに適しており、金属部の構成として他に考えられるスルーホールや有底フィルドビアといった構成である場合に比べて金属製接続端子との溶接に適している。
また、めっき等のケミカルプロセスを経てスルーホール内に形成されるフィルドビアとは異なり、内部にボイドが形成されたり、表面に陥没や盛り上がり等が生じたりすることがない。内部にボイドが形成されることがないため、金属ブロックの伝熱効率が小さくなることもなく、放熱性を確保することができる。また、金属ブロックは、フィルドビアと比べて容易に導体体積を大きくすることができる点でも望ましい。
また、金属ブロックの形状は、特に限定されないが、端部(底面)が平坦な柱状であることが望ましい。このような形状としては、例えば、円柱、四角柱、六角柱、八角柱等が挙げられる。
【0016】
本発明のフレキシブルプリント配線板では、金属部の断面積は0.05〜3.2mmであることが望ましい。なお、本明細書において、「金属部の断面積」とは、金属部の高さ方向に垂直な方向の金属部の断面の面積のことを意味する。
金属部の断面積が0.05mm以上であると、金属部自体の抵抗が充分に小さくなるので抵抗溶接のために流した電流により金属部が溶損することが防止される。
金属部の断面積として3.2mmを超える大きな金属部は通常は必要とされない。
【0017】
本発明のフレキシブルプリント配線板では、可撓性絶縁層は絶縁樹脂からなることが望ましく、絶縁樹脂の構成材料は、ポリイミド、ガラスエポキシ等が挙げられ、これらの中ではポリイミドであることが望ましい。絶縁樹脂がポリイミドであると、その絶縁樹脂は柔軟性と絶縁性との双方を兼ね備える。従って、充分な絶縁性を確保しつつ用途に応じて形状を変形させることができる。
可撓性絶縁層の厚さは特に限定されないが、30〜70μmであることが望ましい。30μmよりも小さいと曲がりやすく、さらに屈曲しやすい基板となるため、配線や他の部材との接合が破壊されやすくなる。また、70μmよりも大きいと、金属部を備えるためにパンチングを行って孔を形成した場合に孔の周辺にクラックが生じやすくなり、信頼性を低下させることがある。
【0018】
本発明のフレキシブルプリント配線板では、導体層(すなわち、第1導体層及び第2導体層)の構成材料は、特に限定されないが、銅、ニッケル等であることが望ましい。
これら構成材料は、電気伝導率が良好であり導体として適している。
導体層の厚さは特に限定されないが、可撓性絶縁層よりも厚いことが望ましい。また、50〜300μmであることが望ましい。50μmよりも小さいと、ハンドリングの際に導体層が破壊され易くなり、不良率が増加してしまう。また、300μmよりも大きいと、フレキシブルプリント配線板を曲げて使用する際に、曲げることで可撓性絶縁層への導体層からの圧縮応力が大きくかかるため、可撓性絶縁層が破壊されやすくなる。
【0019】
本発明のフレキシブルプリント配線板では、カバーレイの構成材料は、特に限定されないが、光硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂等の絶縁性樹脂から形成され、例えば、ポリイミド系接着剤や、エポキシ系接着剤等から形成されることが望ましい。
【0020】
また、本発明のフレキシブルプリント配線板では、第1導体層の表面、第1端部、及び、バンプを覆うように金属めっき層を形成してもよい。さらに、第2導体層の表面及び第2端部を覆うように金属めっき層を形成してもよい。
このような金属めっき層が形成されていると、金属めっき層がストッパーとして機能し、金属部が脱落することを防止することができる。
【0021】
本発明のフレキシブルプリント配線板において、金属めっき層は、特に限定されないが、銅めっき層、ニッケルめっき層等であることが望ましい。
【0022】
次に、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法について説明する。
本発明の第1実施形態に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法は、(1)積層体準備工程、(2)孔形成工程、(3)金属部挿し込み工程、(4)プレス加工工程及び(5)カバーレイ形成工程を含むことを特徴とする。
以下、各工程を図面を用いて詳述する。
図2は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の積層体準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図3は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の孔形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図4(a)及び(b)は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の金属部挿し込み工程の一例を模式的に示す工程図である。
図5は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法のプレス加工工程の一例を模式的に示す工程図である。
図6は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法のカバーレイ形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
【0023】
(1)積層体準備工程
まず、図2に示すように、第1主面11及び第1主面11と反対側の第2主面12を有する可撓性絶縁層10と、可撓性絶縁層10の第1主面11に積層された第1導体層21と、可撓性絶縁層10の第2主面12に積層された第2導体層22とを含む積層体60を準備する。
【0024】
(2)孔形成工程
次に、図3に示すように、第1導体層21に第1開口部31が形成され、第2導体層22に第2開口部32が形成されるように可撓性絶縁層10、第1導体層21及び第2導体層22を貫通する孔30を形成する。
孔30を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、パンチングにより形成することができる。パンチングは、第1導体層21側からパンチ刃を押し付けることにより行ってもよく、第2導体層22側からパンチ刃を押し付けることにより行ってもよい。
【0025】
(3)金属部挿し込み工程
次に、図4(a)に示すように、第1端部41と、第1端部41と反対側の第2端部42を有し、積層体60の厚さよりも長い柱状の金属部40を準備する。
そして、図4(b)に示すように、第1端部41が第1導体層21側に位置し、第1端部41が第1導体層21より突出するように、かつ、第2端部42が第2導体層22側に位置し、第2端部42が第2導体層22より突出するように金属部40を孔30に挿し込む。
なお、孔30がパンチングにより形成されている場合、パンチ刃が押し付けられた側の反対側から金属部40を孔30に挿し込むことが望ましい。
【0026】
(4)プレス加工工程
次に、プレス加工により、バンプ形成工程、第1拡張部形成工程及び第2拡張部形成工程を同時に行う。
すなわち、図5に示すように、プレス機P1によるプレス加工により第1端部41を変形させ、第1開口部31の周囲を覆うように広がる第1拡張部41aを形成する第1拡張部形成工程と、第1端部41を変形させ、バンプ45を形成するバンプ形成工程と、第2端部42を変形させ、第2開口部32の周囲を覆うように広がる第2拡張部42aを形成する第2拡張部形成工程とを同時に行う。
【0027】
(5)カバーレイ形成工程
次に、図6に示すように第1開口部31を除いた第1導体層21の上方にカバーレイ50を形成する。
この際、バンプ45の頭部45aを、カバーレイ50の表面51より突出させる。
【0028】
以上の工程を経て、フレキシブルプリント配線板1を製造することができる。
【0029】
次に、フレキシブルプリント配線板1を用いた電子デバイスの製造方法について説明する。
図7(a)及び(b)は、本発明のフレキシブルプリント配線板を用いた電子デバイスを製造する方法を工程順に示す工程図である。
【0030】
(1)部材配置工程
まず、図7(a)に示すように、金属製接続端子81を有する部材80を準備し、金属製接続端子81をバンプ45の頭部45aに接触させる。
部材80としては、金属製接続端子81を備える部材であれば特に限定されるものではなく、例えば、電池、リジッド基板、ヒートシンク、マザーボード、発光素子(LEDチップ等)が挙げられる。
【0031】
(2)抵抗溶接工程
次に、図7(b)に示すように、金属部40の第2端部42に抵抗溶接機の溶接ツールWを接触させ、部材80の金属製接続端子81に抵抗溶接機の溶接ツールWを接触させる。
そして、溶接ツールW及び溶接ツールWに電流を流すことにより(図7(b)中、電流の流れを矢印で示す)、バンプ45と部材80の金属製接続端子81とを抵抗溶接する。
【0032】
以上の工程を経て電子デバイス100を製造することができる。
このように製造された電子デバイス100は本発明の電子デバイスでもある。
【0033】
フレキシブルプリント配線板に、このようなバンプが形成されていない場合や、バンプの頭部がカバーレイの表面より低い位置にある場合、金属部と、別の部材の金属製接続端子とを溶接する際に、カバーレイが障害となり金属部と別の部材の金属製接続端子とを接触させにくくなる場合がある。そのため、金属部と別の部材の金属製接続端子とが充分に溶接されなくなることがある。
しかし、フレキシブルプリント配線板1では、バンプ45の頭部45aが、カバーレイ50の表面51より突出している。
そのため、カバーレイがあったとしても、バンプ45の頭部45aと、別の部材の金属製接続端子とをしっかりと接触させることができ、確実に溶接することができる。
【0034】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るフレキシブルプリント配線板の構成について詳述する。
図8は、本発明のフレキシブルプリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
図8に示すように、フレキシブルプリント配線板201は、第1主面211及び第1主面211と反対側の第2主面212を有する可撓性絶縁層210と、可撓性絶縁層210の第1主面211に積層された第1導体層221とを含む。
フレキシブルプリント配線板201には、可撓性絶縁層210及び第1導体層221を貫通する孔230が形成されている。
孔230は、第1導体層221の表面に第1開口部231を有する。
また、孔230には、柱状の金属部240が挿し込まれている。
【0035】
金属部240は、第1導体層221側の第1端部241と、第1端部241と反対側の第2端部242とを有し、第1端部241には、バンプ245が形成されている。
また、第1開口部231を除いた第1導体層221の上方には、カバーレイ250が形成されている。
また、バンプ245の頭部245aは、カバーレイ250の表面251より突出している。
フレキシブルプリント配線板201では、バンプ245は、第1端部241の一部が突出して形成されている。
【0036】
次に、このようなフレキシブルプリント配線板201の製造方法について説明する。
【0037】
本発明の第2実施形態に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法は、(1)積層体準備工程、(2)孔形成工程、(3)金属部挿し込み工程、(4)バンプ形成工程及び(5)カバーレイ形成工程を含むことを特徴とする。
以下、各工程を図面を用いて詳述する。
図9は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の積層体準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図10は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の孔形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図11(a)及び(b)は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法の金属部挿し込み工程の一例を模式的に示す工程図である。
図12は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法のバンプ形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図13は、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法のカバーレイ形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
【0038】
(1)積層体準備工程
まず、図9に示すように、第1主面211及び第1主面211と反対側の第2主面212を有する可撓性絶縁層210と、可撓性絶縁層210の第1主面211に積層された第1導体層221とを含む積層体260を準備する。
【0039】
(2)孔形成工程
次に、図10に示すように、第1導体層221に第1開口部231が形成されるように可撓性絶縁層210及び第1導体層221を貫通する孔230を形成する。
孔230を形成する方法としては、特に限定されないが、上記孔30を形成する方法と同じ方法を採用することができる。
【0040】
(3)金属部挿し込み工程
次に、図11(a)に示すように、第1端部241と、第1端部241と反対側の第2端部242を有し、積層体260の厚さよりも長い柱状の金属部240を準備する。
そして、図11(b)に示すように、第1端部241が第1導体層221側に位置し、第1端部241が第1導体層221より突出するように金属部240を孔230に挿し込む。
【0041】
(4)バンプ形成工程
次に、図12に示すように、第1端部241にバンプ245を形成する。
バンプ245を形成する方法としては、特に限定されず、プレス加工により第1端部241を変形させてバンプ245を形成してもよい。また、第1導体層221から突出した金属部240の一部を、バンプ245が形成されるように切削してもよく、エッチングによりバンプ245を形成してもよい。
なお、複数の金属部を積層体に挿し込む場合、金属部の高さを合わせるコイニングを行う際に、同時にプレス加工により金属部の第1端部にバンプを形成してもよい。
【0042】
(5)カバーレイ形成工程
次に、図13に示すように第1開口部231を除いた第1導体層221の上方にカバーレイ250を形成する。
また、バンプ245の頭部245aを、カバーレイ250の表面251より突出させる。
【0043】
以上の工程を経て、フレキシブルプリント配線板201を製造することができる。
【0044】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るフレキシブルプリント配線板について説明する。
本発明の第3実施形態に係るフレキシブルプリント配線板では、第1導体層の表面、第1端部、及び、バンプを覆うように第1金属めっき層が形成されていること、第2導体層の表面、及び、第2端部を覆うように第2金属めっき層が形成されている点が、本発明の第1実施形態に係るフレキシブルプリント配線板と異なる。
【0045】
このような、本発明の第3実施形態に係るフレキシブルプリント配線板について図面を用いて詳述する。
図14は、本発明のフレキシブルプリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
図14に示すように、フレキシブルプリント配線板301は、第1主面311及び第1主面311と反対側の第2主面312を有する可撓性絶縁層310と、可撓性絶縁層310の第1主面311に積層された第1導体層321と、可撓性絶縁層310の第2主面312に積層された第2導体層322とを含む。
フレキシブルプリント配線板301には、可撓性絶縁層310、第1導体層321及び第2導体層322を貫通する孔330が形成されている。
孔330は、第1導体層321の表面に第1開口部331を有し、第2導体層322の表面に第2開口部332を有する。
そして、孔330には、柱状の金属部340が挿し込まれている。
【0046】
金属部340は、第1導体層321側の第1端部341と、第1端部341と反対側の第2端部342とを有し、第1端部341には、バンプ345が形成されている。
また、第1端部341は、第1開口部331の周囲を覆うように広がっている第1拡張部341aを有し、第2端部342は、第2開口部332の周囲を覆うように広がっている第2拡張部342aを有する。
【0047】
そして、第1導体層321の表面、第1端部341、及び、バンプ345を覆うように第1金属めっき層371が形成されており、さらに第2導体層322の表面、及び、第2端部342を覆うように第2金属めっき層372が形成されている。
【0048】
また、第1開口部331を除いた第1導体層321の上方には、カバーレイ350が形成されている。なお、第1拡張部341aの上には、カバーレイ350が位置している。
また、バンプ345の頭部345aは、カバーレイ350の表面351より突出している。なお、この場合のバンプ345の頭部345aとは、バンプ345上の第1金属めっき層371の頂点を意味する。
フレキシブルプリント配線板301では、バンプ345は、第1端部341の一部が突出して形成されている。
【0049】
フレキシブルプリント配線板301では、第1導体層321の表面及び金属部340の第1端部341、並びに、第2導体層322の表面及び金属部340の第2端部342を覆うように第1金属めっき層371及び第2金属めっき層372が形成されている。そのため、第1金属めっき層371及び第2金属めっき層372がストッパーとして機能し、金属部340が、脱落することを防止することができる。
【0050】
本発明のフレキシブルプリント配線板において、金属めっき層は、特に限定されないが、銅めっき層、ニッケルめっき層等であることが望ましい。
【0051】
本発明のフレキシブルプリント配線板において、第1金属めっき層及び第2金属めっき層を形成する方法としては、上記本発明の第1実施形態に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法において、(4)プレス加工工程においてバンプ形成工程、第1拡張部形成工程及び第2拡張部形成工程を同時に行った後、(5)カバーレイ形成工程の前に、第1導体層、第1端部、及び、バンプを覆うように第1金属めっき層を形成する第1金属めっき層形成工程、並びに、第2導体層、及び、第2端部を覆うように第2金属めっき層を形成する第2金属めっき層形成工程を行う方法が挙げられる。
第1金属めっき層の形成条件及び第2金属めっき層の形成条件は、特に限定されず、従来の電解めっき法や無電解めっき法を採用することができ、
【0052】
(その他の実施形態)
上記本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係るフレキシブルプリント配線板では、バンプは、第1端部の一部が突出して形成されていたが、本発明のフレキシブルプリント配線板では、バンプは、金属部に接続された導電性の別部材であってもよい。バンプが別部材である場合、金属部とバンプとは、例えば、溶接により接続されていてもよい。
また、金属部にめっきを行うことによりバンプを形成してもよい。
【0053】
上記本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法では、金属部挿し込み工程及びバンプ形成工程において、金属部を積層体に挿し込んでからバンプを形成していたが、本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法では、金属部の第1端部にバンプを形成してからバンプを積層体に挿し込んでもよい。
【0054】
上記本発明の第1実施形態及び第3実施形態に係るフレキシブルプリント配線板では、第1拡張部及び第2拡張部の両方が形成されていたが、本発明のフレキシブルプリント配線板では、これらのうちいずれか一方のみが形成されていてもよい。
【0055】
上記本発明の第3実施形態に係るフレキシブルプリント配線板では、第1金属めっき層及び第2金属めっき層の両方が形成されていたが、本発明のフレキシブルプリント配線板では、これらのうちいずれか一方のみが形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1、201、301 フレキシブルプリント配線板
10、210、310 可撓性絶縁層
11、211、311 第1主面
12、212、312 第2主面
21、221、321 第1導体層
22、322 第2導体層
30、230、330 孔
31、231、331 第1開口部
32、332 第2開口部
40、240、340 金属部
41、241、341 第1端部
41a、341a 第1拡張部
42、242、342 第2端部
42a、342a 第2拡張部
45、245、345 バンプ
45a、245a、345a バンプの頭部
50、250、350 カバーレイ
51、251、351 カバーレイの表面
60、260 積層体
80 部材
81 金属製接続端子
100 電子デバイス
371 第1金属めっき層
372 第2金属めっき層
、W 溶接ツール
P1 プレス機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14