【解決手段】半導体装置1は、第1デバイス形成領域31および第2デバイス形成領域32が設定された積層構造部12と、第1デバイス形成領域31に形成され、第1二次元電子ガス領域29Aをチャネルとする第1HEMT33と、第2デバイス形成領域32に形成され、第2二次元電子ガス領域29Bをチャネルとする第2HEMT34と、積層構造部12に形成され、第1デバイス形成領域31および第2デバイス形成領域32を区画する領域分離構造35と、を含む。
電子走行層および前記電子走行層の上に形成された電子供給層を含み、前記電子供給層を貫通するトレンチによって第1デバイス形成領域および第2デバイス形成領域が区画された半導体層と、
前記第1デバイス形成領域に形成され、第1二次元電子ガス領域をチャネルとする第1HEMTと、
前記第2デバイス形成領域に形成され、第2二次元電子ガス領域をチャネルとする第2HEMTと、
前記トレンチに埋設された埋設絶縁体を含み、前記第1HEMTおよび前記第2HEMTを電気的に分離する領域分離構造と、を含む、半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置1を示す平面図である。
図1を参照して、半導体装置1は、直方体形状に形成されたチップ本体2を含む。チップ本体2は、一方側の第1チップ主面3、他方側の第2チップ主面4、ならびに、第1チップ主面3および第2チップ主面4を接続する4つのチップ側面5A,5B,5C,5Dを含む。
【0013】
第1チップ主面3および第2チップ主面4は、それらの法線方向Zから見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において四角形状(より具体的には長方形状)に形成されている。
4つのチップ側面5A〜5Dのうちのチップ側面5A,5Cは、第1方向Xに沿って延び、第1方向Xに交差する第2方向Yに沿って互いに対向している。4つのチップ側面5A〜5Dのうちのチップ側面5B,5Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに沿って互いに対向している。
【0014】
第1方向Xは、この形態では、チップ本体2の長手方向に設定されている。第2方向Yは、この形態では、第1方向Xに直交する方向、つまり、チップ本体2の短手方向に設定されている。
チップ本体2の第1チップ主面3には、外部接続される複数の外部端子が形成されている。複数の外部端子は、ソース・ドレイン外部端子6、第1ゲート外部端子7、ドレイン外部端子8、第2ゲート外部端子9およびソース外部端子10を含む。
【0015】
ソース・ドレイン外部端子6は、この形態では、第1チップ主面3の中央部に形成されている。ソース・ドレイン外部端子6は、平面視において第2方向Yに沿って延びる帯状に形成されている。
第1ゲート外部端子7は、この形態では、第1チップ主面3において一つの角部に沿う領域に形成されている。第1ゲート外部端子7は、より具体的には、第1チップ主面3においてチップ側面5Aおよびチップ側面5Bを接続する角部に沿う領域に形成されている。
【0016】
第1ゲート外部端子7は、平面視において四角形状(より具体的には正方形状)に形成されている。第1ゲート外部端子7は、平面視において第2方向Yに沿って延びる帯状に形成されていてもよい。
ドレイン外部端子8は、この形態では、第1チップ主面3において第1方向Xの一端部側の領域に形成されている。ドレイン外部端子8は、より具体的には、第1チップ主面3においてチップ側面5B側の領域に形成されている。ドレイン外部端子8は、平面視において第2方向Yに沿って延びる帯状に形成されている。
【0017】
第2ゲート外部端子9は、この形態では、第1チップ主面3において一つの角部に沿う領域に形成されている。第2ゲート外部端子9は、より具体的には、第1チップ主面3においてチップ側面5Cおよびチップ側面5Dを接続する角部に沿う領域に形成されている。第2ゲート外部端子9は、第1チップ主面3の対角方向に沿って第1ゲート外部端子7と対向している。
【0018】
第2ゲート外部端子9は、平面視において四角形状(より具体的には正方形状)に形成されている。第2ゲート外部端子9は、平面視において第2方向Yに沿って延びる帯状に形成されていてもよい。
ソース外部端子10は、この形態では、第1チップ主面3において第1方向Xの他端部側の領域に形成されている。ソース外部端子10は、より具体的には、第1チップ主面3においてチップ側面5D側の領域に形成されている。ソース外部端子10は、平面視において第2方向Yに沿って延びる帯状に形成されている。
【0019】
ソース外部端子10は、第1方向Xに関して、ソース・ドレイン外部端子6を挟んでドレイン外部端子8と対向している。ソース・ドレイン外部端子6、ドレイン外部端子8およびソース外部端子10は、平面視において第2方向Yに沿って延びるストライプ状に形成されている。
図2は、
図1に示すII-II線に沿う断面図である。
図3は、
図1に示すIII-III線に沿う断面図である。
図4は、
図1に示すIV-IV線に沿う断面図である。
図5は、
図1に示すV-V線に沿う断面図である。
図6は、
図1に示すVI-VI線に沿う断面図である。
図7は、
図2に示す領域VIIの拡大図である。
図8は、
図2に示す領域VIIIの拡大図である。
【0020】
図2〜
図6を参照して、チップ本体2は、基板11および基板11の上に形成された積層構造部12を含む。基板11は、Si基板、SiC基板、サファイア基板、GaN基板等であってもよい。基板11は、この形態では、Si基板からなる。
基板11は、一方側の第1主面13、他方側の第2主面14、ならびに、第1主面13および第2主面14を接続する4つの側面15A,15B,15C,15Dを含む。第1主面13および第2主面14の法線方向は、前述の法線方向Zに一致している。したがって、前述の平面視は、第1主面13および第2主面14の法線方向Zから見た平面視でもある。
【0021】
第1主面13および第2主面14は、平面視においてチップ本体2の平面形状に整合する平面形状を有している。基板11の第2主面14は、チップ本体2の第2チップ主面4を形成している。側面15A〜15Dは、チップ側面5A〜5Dの一部をそれぞれ形成している。
積層構造部12は、基板11の第1主面13側からこの順に形成された核形成層21、バッファ層22、電子走行層23、電子供給層24およびトップ絶縁層25を含む。積層構造部12は、エピタキシャル成長法によって基板11の第1主面13の上に形成されたエピタキシャル層からなる。積層構造部12のうちの核形成層21、バッファ層22、電子走行層23および電子供給層24は、半導体積層構造部26(半導体層)を形成している。
【0022】
核形成層21は、基板11の上に形成されている。核形成層21は、AlN層を含む。核形成層21の厚さは、100nm以上300nm以下(たとえば200nm程度)であってもよい。
バッファ層22は、核形成層21の上に形成されている。バッファ層22は、AlGaN層を含む。バッファ層22の厚さは、100nm以上300nm以下(たとえば200nm程度)であってもよい。
【0023】
バッファ層22は、Al組成比が異なる複数(2つ以上)のAlGaN層が積層された積層構造を有していてもよい。複数のバッファ層22は、Al組成比が積層方向に向けて漸減する順序で核形成層21の上に積層されていてもよい。
電子走行層23は、Al
xIn
yGa
(1−x−y)N(0≦x+y≦1)を含む。電子走行層23は、この形態では、GaNからなる。電子走行層23の厚さは、50nm以上300nm以下(たとえば200nm程度)であってもよい。
【0024】
電子走行層23は、不純物無添加のAl
xIn
yGa
(1−x−y)N(この形態ではGaN)を含んでいてもよい。電子走行層23は、不純物として炭素が添加されたAl
xIn
yGa
(1−x−y)N(この形態ではGaN)を含んでいてもよい。
電子供給層24は、電子走行層23の上に形成されている。電子供給層24は、電子走行層23のAl組成比xとは異なるAl組成比zを有する窒化物半導体を含む。電子供給層24のAl組成比zは、電子走行層23のAl組成比xよりも大きい。
【0025】
電子供給層24は、より具体的には、バリア層27およびキャップ層28を含む。バリア層27は、Al
zGa
(1−z)N(0<z≦1)を含む。バリア層27は、この形態では、AlNからなる。バリア層27の厚さは、1nm以上5nm以下(たとえば2nm程度)であってもよい。
キャップ層28は、バリア層27の上に形成されている。キャップ層28は、バリア層27の上の領域において、平坦性を向上させるために形成されている。キャップ層28は、GaNを含んでいてもよい。キャップ層28の厚さは、0.5nm以上5nm以下(たとえば1nm程度)であってもよい。キャップ層28の厚さは、バリア層27の厚さ以下であってもよい。
【0026】
電子供給層24のAl組成比zは、電子走行層23のAl組成比xよりも大きい。電子供給層24の格子定数は、電子走行層23の格子定数よりも小さい。そのため、電子供給層24および電子走行層23の間には、格子不整合が生じている。また、電子供給層24には、成長面に平行な方向に沿って引っ張り歪が生じる。
電子走行層23および電子供給層24の間の境界領域において、電子走行層23の伝導帯のエネルギ準位は、電子走行層23および電子供給層24の自発分極ならびにそれらの間の格子不整合に起因するピエゾ分極によってフェルミ準位以下になる。これにより、電子走行層23および電子供給層24の間の境界領域において電子走行層23の表層部には、二次元電子ガス領域29が形成されている。
【0027】
トップ絶縁層25は、電子供給層24の上に形成されている。トップ絶縁層25は、SiN層を含む。トップ絶縁層25は、パッシベーション層とも称される。トップ絶縁層25の厚さは、1nm以上30nm以下(たとえば10nm程度)であってもよい。
積層構造部12には、第1デバイス形成領域31および第2デバイス形成領域32が区画されている。第1デバイス形成領域31には、第1HEMT(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)33が形成される。第2デバイス形成領域32には、第2HEMT34が形成される。
【0028】
第1デバイス形成領域31は、この形態では、積層構造部12において第1方向Xの一端部側の領域に区画されている。第1デバイス形成領域31は、より具体的には、積層構造部12において基板11の側面15B側の領域に区画されている。
第1デバイス形成領域31は、平面視において基板11の側面15A〜15Dに平行な4辺を有する四角形状(この形態では正方形状)に区画されている。第1デバイス形成領域31の平面形状は任意であり、四角形状に限定されない。第1デバイス形成領域31は、平面視において多角形状、円形状、楕円形状等に区画されていてもよい。
【0029】
第2デバイス形成領域32は、この形態では、積層構造部12において第1方向Xの他端部側の領域に区画されている。第2デバイス形成領域32は、より具体的には、積層構造部12において基板11の側面15D側の領域に区画されている。
第2デバイス形成領域32は、平面視において基板11の側面15A〜15Dに平行な4辺を有する四角形状(この形態では正方形状)に区画されている。第2デバイス形成領域32の平面形状は任意であり、四角形状に限定されない。第2デバイス形成領域32は、平面視において多角形状、円形状、楕円形状等に区画されていてもよい。
【0030】
積層構造部12には、第1デバイス形成領域31および第2デバイス形成領域32を区画する領域分離構造35が形成されている。以下では、
図9を併せて参照して、領域分離構造35の形態を説明する。
図9は、積層構造部12の上の構造を取り除き、積層構造部12の形態を説明するための平面図である。
図2〜
図9を参照して、領域分離構造35は、第1デバイス形成領域31および第2デバイス形成領域32を分断するように、第1デバイス形成領域31および第2デバイス形成領域32の間の領域に形成されている。
【0031】
領域分離構造35は、より具体的には、第1領域分離構造35Aおよび第2領域分離構造35Bを含む。第1領域分離構造35Aは、平面視において第1デバイス形成領域31を取り囲む無端状(この形態では四角環状)に形成されている。第2領域分離構造35Bは、平面視において第2デバイス形成領域32を取り囲む無端状(この形態では四角環状)に形成されている。
【0032】
第1領域分離構造35Aおよび第2領域分離構造35Bは、第1デバイス形成領域31および第2デバイス形成領域32の間の領域において互いに連なっている。
領域分離構造35は、領域分離トレンチ36に埋め込まれた埋設絶縁体37を含む。領域分離トレンチ36は、積層構造部12の上面から電子供給層24を貫通し、電子走行層23を露出させている。
【0033】
領域分離トレンチ36は、側壁および底壁を有している。領域分離トレンチ36の側壁からは、トップ絶縁層25、電子供給層24および電子走行層23が露出している。領域分離トレンチ36の底壁からは電子走行層23が露出している。
領域分離トレンチ36は、二次元電子ガス領域29を、第1デバイス形成領域31側の第1二次元電子ガス領域29Aおよび第2デバイス形成領域32側の第2二次元電子ガス領域29Bに分割している。したがって、第1HEMT33は、第1二次元電子ガス領域29Aをチャネルとして動作し、第2HEMT34は、第2二次元電子ガス領域29Bをチャネルとして動作する。
【0034】
領域分離トレンチ36の深さは、3nm以上100nm以下(たとえば60nm程度)であってもよい。領域分離トレンチ36の深さは、積層構造部12の上面および領域分離トレンチ36の底壁の間における法線方向Zに沿う距離である。
領域分離トレンチ36の底壁において基板11の周縁に沿う部分は、この形態では、基板11の側面15A〜15Dに連通している。領域分離トレンチ36は、開口面積が底面積よりも大きいテーパ形状に形成されている。
【0035】
第1デバイス形成領域31は、積層構造部12の上面から領域分離トレンチ36の底壁に向かって下り傾斜した傾斜面を有している。これにより、第1デバイス形成領域31は、錐台形状(この形態では四角錐台形状)に形成されている。
第2デバイス形成領域32は、積層構造部12の上面から領域分離トレンチ36の底壁に向かって下り傾斜した傾斜面を有している。これにより、第2デバイス形成領域32は、錐台形状(この形態では四角錐台形状)に形成されている。
【0036】
埋設絶縁体37は、第1二次元電子ガス領域29Aおよび第2二次元電子ガス領域29Bの絶縁性を高める。埋設絶縁体37は、複数の絶縁層が積層された積層構造を有している。埋設絶縁体37の具体的な構造は、後述される。
図2〜
図8を参照して、積層構造部12の上には、絶縁体からなる保護層40が形成されている。保護層40は、積層構造部12の上面および領域分離トレンチ36の内壁に沿って膜状に形成されている。保護層40は、領域分離トレンチ36内において凹状の空間を区画している。
【0037】
保護層40は、この形態では、第1保護層41および第2保護層42を含む積層構造を有している。第1保護層41は、積層構造部12の上面および領域分離トレンチ36の内壁に沿って膜状に形成されている。第2保護層42は、第1保護層41の上面に沿って膜状に形成されている。
第1保護層41の厚さは、10nm以上100nm以下(たとえば40nm程度)であってもよい。第2保護層42の厚さは、50nm以上200nm以下(たとえば100nm程度)であってもよい。第2保護層42の厚さは、第1保護層41の厚さ以上であってもよい。
【0038】
第1保護層41および第2保護層42は、SiO
2またはSiNのうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第2保護層42は、第1保護層41とは異なる性質を有する絶縁材料を有していてもよい。
たとえば、第1保護層41がCVD法によって形成されたCVD−SiO
2を含む一方で、第2保護層42はプラズマCVD法によって形成されたTEOS−SiO
2を含んでいてもよい。
【0039】
保護層40およびトップ絶縁層25には、第1ソース開口45、第1ドレイン開口46、第2ソース開口47および第2ドレイン開口48が形成されている。第1ソース開口45および第1ドレイン開口46は、第1デバイス形成領域31に形成されている。第2ソース開口47および第2ドレイン開口48は、第2デバイス形成領域32に形成されている。
【0040】
第1ソース開口45および第1ドレイン開口46は、第1デバイス形成領域31において保護層40およびトップ絶縁層25を貫通し、電子供給層24を露出させている。第1ソース開口45および第1ドレイン開口46は、互いに間隔を空けて形成されている。
第1ソース開口45および第1ドレイン開口46は、第1方向Xに沿って互いに間隔を空けて形成されている。第1ソース開口45および第1ドレイン開口46は、第2方向Yに沿って帯状に延びている。
【0041】
第2ソース開口47および第2ドレイン開口48は、第2デバイス形成領域32において保護層40およびトップ絶縁層25を貫通し、電子供給層24を露出させている。第2ソース開口47および第2ドレイン開口48は、互いに間隔を空けて形成されている。
第2ソース開口47および第2ドレイン開口48は、第1方向Xに沿って互いに間隔を空けて形成されている。第2ソース開口47および第2ドレイン開口48は、第2方向Yに沿って帯状に延びている。
【0042】
第1デバイス形成領域31において、第1ソース開口45には第1ソース電極51が埋め込まれており、第1ドレイン開口46には第1ドレイン電極52が埋め込まれている。第2デバイス形成領域32において、第2ソース開口47には第2ソース電極53が埋め込まれており、第2ドレイン開口48には第2ドレイン電極54が埋め込まれている。
以下では、
図10を併せて参照し、第1ソース電極51、第1ドレイン電極52、第2ソース電極53および第2ドレイン電極54の形態について説明する。
図10は、第1ソース電極51、第1ドレイン電極52、第2ソース電極53および第2ドレイン電極54の上の構造を取り除き、それらの形態を説明するための平面図である。
【0043】
図10を参照して、第1ソース電極51および第1ドレイン電極52は、第1デバイス形成領域31において互いに間隔を空けて形成されている。第1ソース電極51および第1ドレイン電極52は、この形態では、第1方向Xに沿って互いに間隔を空けて形成されている。第1ソース電極51および第1ドレイン電極52は、第2方向Yに沿って帯状に延びている。
【0044】
第2ソース電極53および第2ドレイン電極54は、第2デバイス形成領域32において互いに間隔を空けて形成されている。第2ソース電極53および第2ドレイン電極54は、この形態では、第1方向Xに沿って互いに間隔を空けて形成されている。第2ソース電極53および第2ドレイン電極54は、第2方向Yに沿って帯状に延びている。
図2〜
図8(特に
図7)を参照して、第1ソース電極51は、埋設電極層61および被覆電極層62を含む。埋設電極層61は、第1ソース開口45に埋め込まれている。被覆電極層62は、埋設電極層61を被覆している。埋設電極層61は、この形態では、第1埋設電極層63および第2埋設電極層64を含む積層構造を有している。
【0045】
第1埋設電極層63は、第1ソース開口45の内壁に沿って膜状に形成されている。第1埋設電極層63は、第1ソース開口45内において凹状の空間を形成している。第1埋設電極層63は、この形態ではバリア電極層として形成されている。
第1埋設電極層63は、TiまたはTiNのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第1埋設電極層63は、この形態ではTi層からなる。第1埋設電極層63の厚さは、10nm以上30nm以下(たとえば20nm程度)であってもよい。
【0046】
第2埋設電極層64は、第1埋設電極層63を挟んで第1ソース開口45内に埋め込まれている。第2埋設電極層64は、Al、SiまたはCuのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第2埋設電極層64は、導電性のPoly−Si層、AlSiCu合金層またはAlCu合金層のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
第2埋設電極層64は、この形態では、AlCu合金層からなる。第2埋設電極層64の厚さは、第1埋設電極層63の厚さ以上であってもよい。第2埋設電極層64の厚さは、1500nm以上2500nm以下(たとえば2000nm程度)であってもよい。
【0047】
被覆電極層62は、第1ソース開口45の開口エッジ部にオーバラップしている。被覆電極層62は、より具体的には、保護層40にオーバラップしている。被覆電極層62は、この形態ではバリア電極層として形成されている。
被覆電極層62は、この形態では、埋設電極層61の上にこの順に形成された第1被覆電極層65および第2被覆電極層66を含む積層構造を有している。被覆電極層62は、第1被覆電極層65および第2被覆電極層66のいずれか一方だけを含む単層構造を有していてもよい。
【0048】
第1被覆電極層65は、この形態では、Ti層を含む。第1被覆電極層65の厚さは、10nm以上30nm以下(たとえば20nm程度)であってもよい。第2被覆電極層66は、この形態では、TiN層を含む。
第2被覆電極層66の厚さは、第1被覆電極層65の厚さ以上であってもよい。第2被覆電極層66の厚さは、10nm以上100nm以下(たとえば50nm程度)であってもよい。
【0049】
第1ドレイン電極52、第2ソース電極53および第2ドレイン電極54は、第1ソース電極51と同様の構造をそれぞれ有しており、それらの説明については第1ソース電極51の説明が準用されるものとする。
第1ドレイン電極52、第2ソース電極53および第2ドレイン電極54において第1ソース電極51の構造に対応する構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0050】
図2〜
図8を参照して、保護層40の上には、第1層間絶縁層71が形成されている。第1層間絶縁層71の上面は、研削面であってもよい。第1層間絶縁層71は、SiO
2またはSiNのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第1層間絶縁層71の厚さは、200nm以上1000nm以下(たとえば500nm程度)であってもよい。
第1層間絶縁層71は、保護層40の上面に沿って膜状に形成されている。第1層間絶縁層71は、領域分離トレンチ36において保護層40によって区画された凹状の空間に入り込んでいる。
【0051】
これにより、領域分離トレンチ36内には、領域分離トレンチ36の底壁側からこの順に積層された保護層40および第1層間絶縁層71を含む絶縁積層構造が形成されている。この絶縁積層構造によって埋設絶縁体37が形成されている。
つまり、埋設絶縁体37は、複数の絶縁層が積層された絶縁積層構造を有している。第1デバイス形成領域31および第2デバイス形成領域32は、絶縁積層構造を含む埋設絶縁体37によって互いに絶縁されている。
【0052】
第1層間絶縁層71、保護層40、トップ絶縁層25および電子供給層24には、第1ゲート開口72および第2ゲート開口73が形成されている。第1ゲート開口72は、第1デバイス形成領域31に形成されている。第2ゲート開口73は、第2デバイス形成領域32に形成されている。
第1ゲート開口72は、第1ソース開口45および第1ドレイン開口46の間の領域に形成されている。第1ゲート開口72は、この形態では、第1ソース開口45および第1ドレイン開口46から第1方向Xに沿って間隔を空けて形成されている。
【0053】
第1方向Xに関して、第1ゲート開口72および第1ソース開口45の間の距離は、第1ゲート開口72および第1ドレイン開口46の間の距離よりも小さい。第1ゲート開口72は、平面視において第2方向Yに沿って延びる帯状に形成されていてもよい。
第1ゲート開口72は、第1層間絶縁層71、保護層40、トップ絶縁層25および電子供給層24を貫通し、電子走行層23を露出させている。したがって、電子走行層23において第1ゲート開口72の底壁から露出する部分では、第1二次元電子ガス領域29Aの形成が抑制される。これにより、第1HEMT33は、ノーマリオフ型のデバイスとして形成されている。
【0054】
第1ゲート開口72は、より具体的には、第1ゲートコンタクト孔74および第1貫通孔75を含む。第1ゲートコンタクト孔74は、電子供給層24に形成され、電子走行層23を露出させている。第1貫通孔75は、第1層間絶縁層71、保護層40およびトップ絶縁層25に形成され、第1ゲートコンタクト孔74に連通している。
第2ゲート開口73は、第2ソース開口47および第2ドレイン開口48の間の領域に形成されている。第2ゲート開口73は、この形態では、第2ソース開口47および第2ドレイン開口48から第1方向Xに沿って間隔を空けて形成されている。
【0055】
第1方向Xに関して、第2ゲート開口73および第2ソース開口47の間の距離は、第2ゲート開口73および第2ドレイン開口48の間の距離よりも小さい。第2ゲート開口73は、平面視において第2方向Yに沿って延びる帯状に形成されていてもよい。
第2ゲート開口73は、第1層間絶縁層71、保護層40、トップ絶縁層25および電子供給層24を貫通し、電子走行層23を露出させている。したがって、電子走行層23において第2ゲート開口73の底壁から露出する部分では、第2二次元電子ガス領域29Bの形成が抑制される。これにより、第2HEMT34は、ノーマリオフ型のデバイスとして形成されている。
【0056】
第2ゲート開口73は、より具体的には、第2ゲートコンタクト孔76および第2貫通孔77を含む。第2ゲートコンタクト孔76は、電子供給層24に形成され、電子走行層23を露出させている。第2貫通孔77は、第1層間絶縁層71、保護層40およびトップ絶縁層25に形成され、第2ゲートコンタクト孔76に連通している。
第1デバイス形成領域31において、第1ゲート開口72には、第1ゲート絶縁層81を介して第1ゲート電極82が埋め込まれている。第1ゲート絶縁層81は、第1ゲート開口72の内壁に沿って膜状に形成されている。第1ゲート電極82は、第1ゲート絶縁層81によって区画された凹状の空間に埋め込まれている。
【0057】
第2デバイス形成領域32において、第2ゲート開口73には、第2ゲート絶縁層83を介して第2ゲート電極84が埋め込まれている。第2ゲート絶縁層83は、第2ゲート開口73の内壁に沿って膜状に形成されている。第2ゲート電極84は、第2ゲート絶縁層83によって区画された凹状の空間に埋め込まれている。
以下では、
図11を併せて参照し、第1ゲート電極82および第2ゲート電極84の形態について説明する。
図11は、第1ゲート電極82および第2ゲート電極84の上の構造を取り除き、それらの形態を説明するための平面図である。
【0058】
図11を参照して、第1ゲート電極82は、第1デバイス形成領域31において第1ソース電極51および第1ドレイン電極52の間の領域に形成されている。第1ゲート電極82は、この形態では、第1ソース電極51および第1ドレイン電極52から第1方向Xに沿って間隔を空けて形成されている。
第1方向Xに関して、第1ゲート電極82および第1ソース電極51の間の距離は、第1ゲート電極82および第1ドレイン電極52の間の距離よりも小さい。第1ゲート電極82は、第2方向Yに沿って帯状に延びている。
【0059】
第2ゲート電極84は、第2デバイス形成領域32において第2ソース電極53および第2ドレイン電極54の間の領域に形成されている。第2ゲート電極84は、この形態では、第2ソース電極53および第2ドレイン電極54から第1方向Xに沿って間隔を空けて形成されている。
第1方向Xに関して、第2ゲート電極84および第2ソース電極53の間の距離は、第2ゲート電極84および第2ドレイン電極54の間の距離よりも小さい。第2ゲート電極84は、第2方向Yに沿って帯状に延びている。
【0060】
第1ゲート絶縁層81および第2ゲート絶縁層83は、第1層間絶縁層71の上面を被覆する上面絶縁層85に連なっている。つまり、第1層間絶縁層71の上には、第1ゲート絶縁層81、第2ゲート絶縁層83および上面絶縁層85を一体的に含む絶縁層86が形成されている。
第1ゲート絶縁層81、第2ゲート絶縁層83および上面絶縁層85は、SiO
2またはSiNのうちの少なくとも1つをそれぞれ含んでいてもよい。第1ゲート絶縁層81、第2ゲート絶縁層83および上面絶縁層85の厚さは、1nm以上100nm以下(たとえば20nm程度)であってもよい。
【0061】
図2〜
図8(特に
図8)を参照して、第1ゲート電極82は、埋設電極層91および被覆電極層92を含む。埋設電極層91は、第1ゲート開口72に埋め込まれている。被覆電極層92は、埋設電極層91を被覆している。
埋設電極層91は、この形態では、第1埋設電極層93および第2埋設電極層94を含む積層構造を有している。第1埋設電極層93は、第1ゲート開口72の内壁に沿って膜状に形成されている。第1埋設電極層93は、第1ゲート開口72内において凹状の空間を形成している。第1埋設電極層93は、この形態ではバリア電極層として形成されている。
【0062】
第1埋設電極層93は、TiまたはTiNのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第1埋設電極層93は、この形態ではTiN層からなる。第1埋設電極層93の厚さは、50nm以上200nm以下(たとえば100nm程度)であってもよい。
第2埋設電極層94は、第1埋設電極層93を挟んで第1ゲート開口72内に埋め込まれている。第2埋設電極層94は、この形態では、W層を含む。第2埋設電極層94の厚さは、第1埋設電極層93の厚さ以上であってもよい。第2埋設電極層94の厚さは、100nm以上1000nm以下(たとえば500nm程度)であってもよい。
【0063】
被覆電極層92は、埋設電極層91を被覆し、第1ゲート開口72の開口エッジ部にオーバラップしている。被覆電極層92は、より具体的には、上面絶縁層85にオーバラップしている。
被覆電極層92は、この形態では、埋設電極層91の上にこの順に形成された第1被覆電極層95および第2被覆電極層96を含む積層構造を有している。被覆電極層92は、第1被覆電極層95および第2被覆電極層96のいずれか一方だけを含んでいてもよい。
【0064】
第1被覆電極層95は、Al、SiまたはCuのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第1被覆電極層95は、導電性のPoly−Si層、AlSiCu合金層またはAlCu合金層のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第1被覆電極層95は、この形態ではAlCu合金層からなる。第1被覆電極層95の厚さは、100nm以上1000nm以下(たとえば500nm程度)であってもよい。
【0065】
第2被覆電極層96は、TiまたはTiNのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第2被覆電極層96は、この形態ではTiN層からなる。第2被覆電極層96は、この形態ではバリア電極層として形成されている。
第2被覆電極層96の厚さは、第1被覆電極層95の厚さ以下であってもよい。第2被覆電極層96の厚さは、10nm以上100nm以下(たとえば50nm程度)であってもよい。
【0066】
第2ゲート電極84は、第1ゲート電極82と同様の構造を有している。第2ゲート電極84の説明については、第1ゲート電極82の説明が準用されるものとする。第2ゲート電極84において第1ゲート電極82の構造に対応する構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
図2〜
図8を参照して、第1デバイス形成領域31には、第1ソースフィールド電極層101および第1フローティング電極層102が形成されている。第1ソースフィールド電極層101および第1フローティング電極層102は、第1ゲート電極82に対する電界を緩和する。
【0067】
また、第2デバイス形成領域32には、第2ソースフィールド電極層103および第2フローティング電極層104が形成されている。第2ソースフィールド電極層103および第2フローティング電極層104は、第2ゲート電極84に対する電界を緩和する。
第1ソースフィールド電極層101は、第1ソース電極51および第1ゲート電極82の間の領域に形成されている。第1ソースフィールド電極層101は、第1ソース電極51および第1ゲート電極82から第1方向Xに沿って間隔を空けて形成されている。
【0068】
第1ソースフィールド電極層101は、第1ソース電極51に対して第1ゲート電極82寄りに形成されている。第1ソースフィールド電極層101は、第2方向Yに沿って帯状に延びていてもよい。第1ソースフィールド電極層101には、基準電圧(たとえばソース電圧やグランド電圧)が印加される。
第1フローティング電極層102は、第1ドレイン電極52および第1ゲート電極82の間の領域に形成されている。第1ソースフィールド電極層101は、第1ドレイン電極52および第1ゲート電極82から第1方向Xに沿って間隔を空けて形成されている。
【0069】
第1フローティング電極層102は、第1ドレイン電極52に対して第1ゲート電極82寄りに形成されている。第1フローティング電極層102は、第2方向Yに沿って帯状に延びていてもよい。第1フローティング電極層102は、電気的に浮遊状態とされる。
第1ソースフィールド電極層101および第1フローティング電極層102は、第1ゲート電極82を挟んで、第1方向Xに沿って互いに対向している。第1ソースフィールド電極層101および第1フローティング電極層102は、保護層40内に形成されている。第1ソースフィールド電極層101および第1フローティング電極層102は、より具体的には、第1保護層41および第2保護層42の間の領域に介在している。
【0070】
第2ソースフィールド電極層103は、第2ソース電極53および第2ゲート電極84の間の領域に形成されている。第2ソースフィールド電極層103は、第2ソース電極53および第2ゲート電極84から第1方向Xに沿って間隔を空けて形成されている。
第2ソースフィールド電極層103は、第2ソース電極53に対して第2ゲート電極84寄りに形成されている。第2ソースフィールド電極層103は、第2方向Yに沿って帯状に延びていてもよい。第2ソースフィールド電極層103には、基準電圧(たとえばソース電圧やグランド電圧)が印加される。
【0071】
第2フローティング電極層104は、第2ドレイン電極54および第2ゲート電極84の間の領域に形成されている。第2フローティング電極層104は、第2ドレイン電極54および第2ゲート電極84から第1方向Xに沿って間隔を空けて形成されている。
第2フローティング電極層104は、第2ドレイン電極54に対して第2ゲート電極84寄りに形成されている。第2フローティング電極層104は、第2方向Yに沿って帯状に延びていてもよい。第2フローティング電極層104は、電気的に浮遊状態とされる。
【0072】
第2ソースフィールド電極層103および第2フローティング電極層104は、第2ゲート電極84を挟んで、第1方向Xに沿って互いに対向している。第2ソースフィールド電極層103および第2フローティング電極層104は、保護層40内に形成されている。第2ソースフィールド電極層103および第2フローティング電極層104は、より具体的には、第1保護層41および第2保護層42の間の領域に介在している。
【0073】
第1ソースフィールド電極層101、第1フローティング電極層102、第2ソースフィールド電極層103および第2フローティング電極層104は、同一種の導電材料を含んでいてもよい。
第1ソースフィールド電極層101、第1フローティング電極層102、第2ソースフィールド電極層103および第2フローティング電極層104は、TiまたはTiNのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0074】
第1ソースフィールド電極層101、第1フローティング電極層102、第2ソースフィールド電極層103および第2フローティング電極層104は、この形態では、TiN層からなる。
第1フローティング電極層102の厚さ、第1ソースフィールド電極層101の厚さ、第2フローティング電極層104の厚さおよび第2ソースフィールド電極層103の厚さは、50nm以上200nm以下(たとえば100nm程度)であってもよい。
【0075】
第1フローティング電極層102の厚さ、第1ソースフィールド電極層101の厚さ、第2フローティング電極層104の厚さおよび第2ソースフィールド電極層103の厚さは、ほぼ等くてもよい。
図2〜
図8(特に
図8)を参照して、第1デバイス形成領域31において第1ゲート開口72の開口部は、第1サイドウォール絶縁層105によって区画されている。第1サイドウォール絶縁層105は、第1貫通孔75の内壁を区画している。第1サイドウォール絶縁層105は、第1ゲート開口72の開口部から第1ゲート開口72の底壁に向けて延びている。
【0076】
第1サイドウォール絶縁層105は、第1ゲート絶縁層81および第1ソースフィールド電極層101の間の領域、ならびに、第1ゲート絶縁層81および第1フローティング電極層102の間の領域に介在し、保護層40(第1保護層41)に接続されている。第1サイドウォール絶縁層105は、第1保護層41を貫通し、電子供給層24に接続されていてもよい。
【0077】
第1サイドウォール絶縁層105の上端部は、R面取りされている。これにより、第1サイドウォール絶縁層105の上端部は、第1ゲート開口72の内方に向かう凸湾曲状に形成されている。第1サイドウォール絶縁層105の上端部は、第1サイドウォール絶縁層105において第1ゲート開口72の開口部側に位置する部分である。
第1ゲート開口72の開口面積は、第1ゲート開口72の底面積よりも大きい。第1ゲート絶縁層81および第1ゲート電極82は、第1サイドウォール絶縁層105の湾曲面に倣って第1ゲート開口72内に入り込んでいる。
【0078】
第2デバイス形成領域32において第2ゲート開口73の開口部は、第2サイドウォール絶縁層106によって区画されている。第2サイドウォール絶縁層106は、第2貫通孔77の内壁を区画している。第2サイドウォール絶縁層106は、第2ゲート開口73の開口部から第2ゲート開口73の底壁に向けて延びている。
第2サイドウォール絶縁層106は、第2ゲート絶縁層83および第2ソースフィールド電極層103の間の領域、ならびに、第2ゲート絶縁層83および第2フローティング電極層104の間の領域に介在し、保護層40(第1保護層41)に接続されている。第2サイドウォール絶縁層106は、第1保護層41を貫通し、電子供給層24に接続されていてもよい。
【0079】
第2サイドウォール絶縁層106の上端部は、第1サイドウォール絶縁層105の上端部と同様に、R面取りされている。これにより、第2サイドウォール絶縁層106の上端部は、第2ゲート開口73の内方に向かう凸湾曲状に形成されている。第2サイドウォール絶縁層106の上端部は、第2サイドウォール絶縁層106において第2ゲート開口73の開口部側に位置する部分である。
【0080】
第2ゲート開口73の開口面積は、第2ゲート開口73の底面積よりも大きい。第2ゲート絶縁層83および第2ゲート電極84は、第2サイドウォール絶縁層106の湾曲面に倣って第2ゲート開口73内に入り込んでいる。
図2〜
図8を参照して、上面絶縁層85の上には、第2層間絶縁層111が形成されている。第2層間絶縁層111の上面は、研削面であってもよい。第2層間絶縁層111は、上面絶縁層85の上面に沿って膜状に形成されている。第2層間絶縁層111は、第1ゲート電極82および第2ゲート電極84を被覆している。
【0081】
第2層間絶縁層111は、SiO
2またはSiNのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第2層間絶縁層111の厚さは、50nm以上500nm以下(たとえば200nm程度)であってもよい。
第2層間絶縁層111、上面絶縁層85および第1層間絶縁層71には、第1ソースコンタクト開口112、第1ドレインコンタクト開口113、第2ソースコンタクト開口114および第2ドレインコンタクト開口115が形成されている。
【0082】
第1ソースコンタクト開口112および第1ドレインコンタクト開口113は、第1デバイス形成領域31に形成されている。第2ソースコンタクト開口114および第2ドレインコンタクト開口115は、第2デバイス形成領域32に形成されている。
第1ソースコンタクト開口112および第1ドレインコンタクト開口113は、第1方向Xに沿って互いに間隔を空けて形成されている。第1ソースコンタクト開口112および第1ドレインコンタクト開口113は、第2方向Yに沿って帯状に延びている。
【0083】
第1ソースコンタクト開口112は、第2層間絶縁層111、上面絶縁層85および第1層間絶縁層71を貫通し、第1ソース電極51を露出させている。第1ドレインコンタクト開口113は、第2層間絶縁層111、上面絶縁層85および第1層間絶縁層71を貫通し、第1ドレイン電極52を露出させている。
第2ソースコンタクト開口114および第2ドレインコンタクト開口115は、第1方向Xに沿って互いに間隔を空けて形成されている。第2ソースコンタクト開口114および第2ドレインコンタクト開口115は、第2方向Yに沿って帯状に延びている。
【0084】
第2ソースコンタクト開口114は、第2層間絶縁層111、上面絶縁層85および第1層間絶縁層71を貫通し、第2ソース電極53を露出させている。第2ドレインコンタクト開口115は、第2層間絶縁層111、上面絶縁層85および第1層間絶縁層71を貫通し、第2ドレイン電極54を露出させている。
第1デバイス形成領域31において、第1ソースコンタクト開口112には第1ソースコンタクト電極121が埋め込まれており、第1ドレインコンタクト開口113には第1ドレインコンタクト電極122が埋め込まれている。
【0085】
第2デバイス形成領域32において、第2ソースコンタクト開口114には第2ソースコンタクト電極123が埋め込まれており、第2ドレインコンタクト開口115には第2ドレインコンタクト電極124が埋め込まれている。
以下では、
図12を併せて参照し、第1ソースコンタクト電極121、第1ドレインコンタクト電極122、第2ソースコンタクト電極123および第2ドレインコンタクト電極124の形態について説明する。
【0086】
図12は、第1ソースコンタクト電極121、第1ドレインコンタクト電極122、第2ソースコンタクト電極123および第2ドレインコンタクト電極124の上の構造を取り除き、それらの形態を説明するための平面図である。
図12を参照して、第1ソースコンタクト電極121および第1ドレインコンタクト電極122は、第1デバイス形成領域31において互いに間隔を空けて形成されている。第1ソースコンタクト電極121および第1ドレインコンタクト電極122は、第1方向Xに沿って互いに間隔を空けて形成されている。第1ソースコンタクト電極121および第1ドレインコンタクト電極122は、いずれも第2方向Yに沿って帯状に延びている。
【0087】
第2ソースコンタクト電極123および第2ドレインコンタクト電極124は、第2デバイス形成領域32において互いに間隔を空けて形成されている。第2ソースコンタクト電極123および第2ドレインコンタクト電極124は、第1方向Xに沿って互いに間隔を空けて形成されている。第2ソースコンタクト電極123および第2ドレインコンタクト電極124は、いずれも第2方向Yに沿って帯状に延びている。
【0088】
図2〜
図8(特に
図7)を参照して、第1ソースコンタクト電極121は、埋設電極層131および被覆電極層132を含む。埋設電極層131は、第1ソースコンタクト開口112に埋め込まれている。被覆電極層132は、埋設電極層131を被覆している。
埋設電極層131は、この形態では、第1埋設電極層133および第2埋設電極層134を含む積層構造を有している。第1埋設電極層133は、第1ソースコンタクト開口112の内壁に沿って膜状に形成されている。第1埋設電極層133は、第1ソースコンタクト開口112内において凹状の空間を形成している。第1埋設電極層133は、この形態ではバリア電極層として形成されている。
【0089】
第1埋設電極層133は、TiまたはTiNのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第1埋設電極層133は、この形態ではTiN層からなる。第1埋設電極層133の厚さは、10nm以上200nm以下(たとえば100nm程度)であってもよい。
第2埋設電極層134は、第1埋設電極層133を挟んで第1ソースコンタクト開口112内に埋め込まれている。第2埋設電極層134は、この形態では、W層を含む。第2埋設電極層134の厚さは、第1埋設電極層133の厚さ以上であってもよい。第2埋設電極層134の厚さは、100nm以上1000nm以下(たとえば500nm程度)であってもよい。
【0090】
被覆電極層132は、第1ソースコンタクト開口112の開口エッジ部にオーバラップしている。被覆電極層132は、より具体的には、第2層間絶縁層111にオーバラップしている。
被覆電極層132は、この形態では、埋設電極層131の上からこの順に形成された第1被覆電極層135および第2被覆電極層136を含む積層構造を有している。被覆電極層132は、第1被覆電極層135および第2被覆電極層136のいずれか一方だけを含んでいてもよい。
【0091】
第1被覆電極層135は、Al、SiまたはCuのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第1被覆電極層135は、導電性のPoly−Si層、AlSiCu合金層またはAlCu合金層のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第1被覆電極層135は、この形態ではAlCu合金層からなる。第1被覆電極層135の厚さは、100nm以上1000nm以下(たとえば500nm程度)であってもよい。
【0092】
第2被覆電極層136は、TiまたはTiNのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第2被覆電極層136は、この形態ではTiN層からなる。第2被覆電極層136は、この形態ではバリア電極層として形成されている。
第2被覆電極層136の厚さは、第1被覆電極層135の厚さ以下であってもよい。第2被覆電極層136の厚さは、10nm以上200nm以下(たとえば100nm程度)であってもよい。
【0093】
第1ドレインコンタクト電極122、第2ソースコンタクト電極123および第2ドレインコンタクト電極124は、第1ソースコンタクト電極121と同様の構造をそれぞれ有している。
第1ドレインコンタクト電極122、第2ソースコンタクト電極123および第2ドレインコンタクト電極124の説明については、第1ソースコンタクト電極121の説明が準用されるものとする。
【0094】
第1ドレインコンタクト電極122、第2ソースコンタクト電極123および第2ドレインコンタクト電極124において第1ソースコンタクト電極121の構造に対応する構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
図2〜
図8を参照して、第2層間絶縁層111の上には、第3層間絶縁層141が形成されている。第3層間絶縁層141の上面は、研削面であってもよい。第3層間絶縁層141は、第2層間絶縁層111の上面に沿って膜状に形成されている。
【0095】
第3層間絶縁層141は、第1ソースコンタクト電極121、第1ドレインコンタクト電極122、第2ソースコンタクト電極123および第2ドレインコンタクト電極124を被覆している。
第3層間絶縁層141は、SiO
2またはSiNのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第3層間絶縁層141の厚さは、100nm以上1000nm以下(たとえば500nm程度)であってもよい。
【0096】
第3層間絶縁層141および第2層間絶縁層111には、第1ゲートコンタクトホール142、第1ソースコンタクトホール143、第1ドレインコンタクトホール144、第2ゲートコンタクトホール145、第2ソースコンタクトホール146および第2ドレインコンタクトホール147が形成されている。
第1ゲートコンタクトホール142、第1ソースコンタクトホール143および第1ドレインコンタクトホール144は、第1デバイス形成領域31に形成されている。第2ゲートコンタクトホール145、第2ソースコンタクトホール146および第2ドレインコンタクトホール147は、第2デバイス形成領域32に形成されている。
【0097】
第1ゲートコンタクトホール142は、第3層間絶縁層141および第2層間絶縁層111を貫通し、第1ゲート電極82を露出させている。第1ソースコンタクトホール143は、第3層間絶縁層141を貫通し、第1ソースコンタクト電極121を露出させている。第1ドレインコンタクトホール144は、第3層間絶縁層141を貫通し、第1ドレインコンタクト電極122を露出させている。
【0098】
第2ゲートコンタクトホール145は、第3層間絶縁層141および第2層間絶縁層111を貫通し、第2ゲート電極84を露出させている。第2ソースコンタクトホール146は、第3層間絶縁層141を貫通し、第2ソースコンタクト電極123を露出させている。第2ドレインコンタクトホール147は、第3層間絶縁層141を貫通し、第2ドレインコンタクト電極124を露出させている。
【0099】
第1ソースコンタクトホール143および第2ドレインコンタクトホール147は、第1方向Xに沿って互いに対向している。第1ゲートコンタクトホール142、第1ドレインコンタクトホール144、第2ゲートコンタクトホール145および第2ソースコンタクトホール146は、この形態では、第1方向Xに沿って互いに対向しないように、第2方向Yに沿って互いに間隔を空けて形成されている。
【0100】
第3層間絶縁層141の上には、ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155が形成されている。
ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155は、いずれも、第1ソース電極51、第1ドレイン電極52、第2ソース電極53、第2ドレイン電極54、第1ゲート電極82および第2ゲート電極84よりも上層に形成されている。
【0101】
以下では、
図13を併せて参照し、ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155の形態について説明する。
図13は、ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155の上の構造を取り除き、それらの形態を説明するための平面図である。
【0102】
ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155は、平面視において第2方向Yに沿って間隔を空けて形成されている。
ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155は、平面視において第1方向Xに沿って延びる帯状に形成されている。
【0103】
これにより、ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155は、平面視において第1方向Xに沿って延びるストライプ状に形成されている。
ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155の並び順は任意であり、
図13等に示される順序に限定されない。
【0104】
図2および
図13を参照して、ソース・ドレイン配線層151は、平面視において第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)および第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)に交差している。
ソース・ドレイン配線層151は、平面視において第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)および第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)の対向方向に沿って延びている。
【0105】
ソース・ドレイン配線層151は、平面視において第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)および第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)を直線的に結んでいる。
ソース・ドレイン配線層151は、第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)および第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)を最短距離で結んでいる。
【0106】
ソース・ドレイン配線層151は、第3層間絶縁層141の上から第1ソースコンタクトホール143に入り込んでいる。ソース・ドレイン配線層151は、第1ソースコンタクトホール143内において第1ソースコンタクト電極121に電気的に接続されている。これにより、ソース・ドレイン配線層151は、第1ソースコンタクト電極121を介して第1ソース電極51に電気的に接続されている。
【0107】
ソース・ドレイン配線層151は、第3層間絶縁層141の上から第2ドレインコンタクトホール147に入り込んでいる。ソース・ドレイン配線層151は、第2ドレインコンタクトホール147内において第2ドレインコンタクト電極124に電気的に接続されている。これにより、ソース・ドレイン配線層151は、第2ドレインコンタクト電極124を介して第2ドレイン電極54に電気的に接続されている。
【0108】
図3および
図13を参照して、第1ゲート配線層152は、平面視において第1方向Xに沿って帯状に延び、第1ゲート電極82に交差している。第1ゲート配線層152は、第3層間絶縁層141の上から第1ゲートコンタクトホール142に入り込んでいる。第1ゲート配線層152は、第1ゲートコンタクトホール142内において第1ゲート電極82に電気的に接続されている。
【0109】
第1ゲート配線層152は、第1方向Xの一方側に位置する一端部および第1方向Xの他方側に位置する他端部を有している。第1ゲート配線層152の一端部は、基板11の側面15B側に位置する端部である。第1ゲート配線層152の他端部は、基板11の側面15D側に位置する端部である。
第1ゲート配線層152は、この形態では、平面視において第1ドレイン電極52、第2ソース電極53、第2ゲート電極84および第2ドレイン電極54を横切っている。第1ゲート配線層152の長さは、任意であり、必ずしも第1ドレイン電極52、第2ソース電極53、第2ゲート電極84および第2ドレイン電極54の全てを横切る必要はない。
【0110】
図4および
図13を参照して、ドレイン配線層153は、平面視において第1方向Xに沿って帯状に延び、第1ドレイン電極52に交差している。ドレイン配線層153は、第3層間絶縁層141の上から第1ドレインコンタクトホール144に入り込んでいる。
ドレイン配線層153は、第1ドレインコンタクトホール144内において第1ドレインコンタクト電極122に電気的に接続されている。これにより、ドレイン配線層153は、第1ドレインコンタクト電極122を介して第1ドレイン電極52に電気的に接続されている。
【0111】
ドレイン配線層153は、この形態では、平面視において第1ソース電極51、第1ゲート電極82、第2ソース電極53、第2ゲート電極84および第2ドレイン電極54を横切っている。ドレイン配線層153の長さは、任意であり、必ずしも第1ソース電極51、第1ゲート電極82、第2ソース電極53、第2ゲート電極84および第2ドレイン電極54の全てを横切る必要はない。
【0112】
図5および
図13を参照して、第2ゲート配線層154は、平面視において第1方向Xに沿って帯状に延び、第2ゲート電極84に交差している。第2ゲート配線層154は、第3層間絶縁層141の上から第2ゲートコンタクトホール145に入り込んでいる。第2ゲート配線層154は、第2ゲートコンタクトホール145内において第2ゲート電極84に電気的に接続されている。
【0113】
第2ゲート配線層154は、第1方向Xの一方側に位置する一端部および第1方向Xの他方側に位置する他端部を有している。第2ゲート配線層154の一端部は、基板11の側面15B側に位置する端部である。第2ゲート配線層154の他端部は、基板11の側面15D側に位置する端部である。
第2ゲート配線層154は、この形態では、平面視において第1ソース電極51、第1ゲート電極82、第1ドレイン電極52および第2ソース電極53を横切っている。第2ゲート配線層154の長さは、任意であり、必ずしも第1ソース電極51、第1ゲート電極82、第1ドレイン電極52および第2ソース電極53の全てを横切る必要はない。
【0114】
図6および
図13を参照して、ソース配線層155は、平面視において第1方向Xに沿って帯状に延び、第2ソース電極53に交差している。ソース配線層155は、第3層間絶縁層141の上から第2ソースコンタクトホール146に入り込んでいる。
ソース配線層155は、第2ソースコンタクトホール146内において第2ソースコンタクト電極123に電気的に接続されている。これにより、ソース配線層155は、第2ソースコンタクト電極123を介して第2ソース電極53に電気的に接続されている。
【0115】
ソース配線層155は、この形態では、平面視において第1ソース電極51、第1ゲート電極82、第1ドレイン電極52、第2ゲート電極84および第2ドレイン電極54を横切っている。
ソース配線層155の長さは、任意であり、必ずしも第1ソース電極51、第1ゲート電極82、第1ドレイン電極52、第2ゲート電極84および第2ドレイン電極54の全てを横切る必要はない。
【0116】
図13を参照して、第1ゲート配線層152の一端部には、この形態では、第1ゲート引き出し配線層156が接続されている。第1ゲート引き出し配線層156は、第1ゲート配線層152の一部の領域として形成されている。
第1ゲート引き出し配線層156は、第1ゲート配線層152の一端部から基板11の角部に向けて第2方向Yに沿って引き出されている。第1ゲート引き出し配線層156は、この形態では、平面視において基板11の側面15Aおよび側面15Bを接続する角部に向けて引き出されている。
【0117】
第2ゲート配線層154の一端部には、この形態では、第2ゲート引き出し配線層157が接続されている。第2ゲート引き出し配線層157は、第2ゲート配線層154の一部の領域として形成されている。
第2ゲート引き出し配線層157は、第2ゲート配線層154の一端部から基板11の角部に向けて第2方向Yに沿って引き出されている。第2ゲート引き出し配線層157は、この形態では、平面視において基板11の側面15Cおよび側面15Dを接続する角部に向けて引き出されている。
【0118】
図2を参照して、ソース・ドレイン配線層151は、より具体的には、第3層間絶縁層141側からこの順に積層された第1配線層161、第2配線層162および第3配線層163を含む積層構造を有している。
第1配線層161は、この形態ではバリア電極層として形成されている。第1配線層161は、TiまたはTiNのうちの少なくとも1つを含む。第1配線層161は、この形態ではTiN層からなる。第1配線層161の厚さは、10nm以上100nm以下(たとえば40nm程度)であってもよい。
【0119】
第2配線層162は、Al、SiまたはCuのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第2配線層162は、導電性のPoly−Si層、AlSiCu合金層またはAlCu合金層のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第2配線層162は、この形態では、AlCu合金層からなる。
第2配線層162の厚さは、第1配線層161の厚さ以上であってもよい。第2配線層162の厚さは、500nm以上1500nm以下(たとえば1000nm程度)であってもよい。
【0120】
第3配線層163は、この形態ではバリア電極層として形成されている。第3配線層163は、TiまたはTiNのうちの少なくとも1つを含む。第3配線層163は、この形態ではTiN層からなる。第3配線層163の厚さは、第2配線層162の厚さ以下であってもよい。第3配線層163の厚さは10nm以上100nm以下(たとえば40nm程度)であってもよい。
【0121】
図3〜
図6を参照して、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155は、ソース・ドレイン配線層151と同様の構造をそれぞれ有している。
第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155の説明については、ソース・ドレイン配線層151の説明が準用されるものとする。
【0122】
第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155においてソース・ドレイン配線層151の構造に対応する構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
図2〜
図6を参照して、第3層間絶縁層141の上には、第4層間絶縁層164が形成されている。第4層間絶縁層164は、第3層間絶縁層141の上面に沿って膜状に形成されている。
【0123】
第4層間絶縁層164は、ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155を被覆している。
第4層間絶縁層164は、SiO
2またはSiNのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。第4層間絶縁層164の厚さは、500nm以上2500nm以下(たとえば1500nm程度)であってもよい。
【0124】
第4層間絶縁層164の上には、樹脂層165が形成されている。樹脂層165によって、チップ本体2の第1チップ主面3が形成されている。樹脂層165は、第4層間絶縁層164の上面に沿って膜状に形成されている。樹脂層165は、ポリイミドを含んでいてもよい。樹脂層165の厚さは、1μm以上50μm以下(たとえば10μm程度)であってもよい。
【0125】
第4層間絶縁層164および樹脂層165には、ソース・ドレインパッド開口166、第1ゲートパッド開口167、ドレインパッド開口168、第2ゲートパッド開口169およびソースパッド開口170が形成されている。
ソース・ドレインパッド開口166は、ソース・ドレイン配線層151の任意の領域をソース・ドレインパッド領域として露出させている。ソース・ドレイン配線層151の任意の領域とは、ソース・ドレイン外部端子6を接続すべき領域である。
【0126】
第1ゲートパッド開口167は、第1ゲート配線層152の任意の領域を第1ゲートパッド領域として露出させている。第1ゲート配線層152の任意の領域とは、第1ゲート外部端子7を接続すべき領域である。第1ゲートパッド開口167は、この形態では、第1ゲート引き出し配線層156を露出させている。
ドレインパッド開口168は、ドレイン配線層153の任意の領域をドレインパッド領域として露出させている。ドレイン配線層153の任意の領域とは、ドレイン外部端子8を接続すべき領域である。
【0127】
第2ゲートパッド開口169は、第2ゲート配線層154の任意の領域を第2ゲートパッド領域として露出させている。第2ゲート配線層154の任意の領域とは、第2ゲート外部端子9を接続すべき領域である。第2ゲートパッド開口169は、この形態では、第2ゲート引き出し配線層157を露出させている。
ソースパッド開口170は、ソース配線層155の任意の領域をソース外部端子10として露出させている。ソース配線層155の任意の領域とは、ソース外部端子10を接続すべき領域である。
【0128】
図2を参照して、ソース・ドレイン外部端子6は、ソース・ドレインパッド開口166内に形成されている。ソース・ドレイン外部端子6は、より具体的には、樹脂層165の上からソース・ドレインパッド開口166内に入り込んでいる。ソース・ドレイン外部端子6は、樹脂層165の上面よりも上方に突出している。
ソース・ドレイン外部端子6は、ソース・ドレインパッド開口166内においてソース・ドレイン配線層151に電気的に接続されている。これにより、ソース・ドレイン外部端子6は、ソース・ドレイン配線層151を介して、第1ソース電極51および第2ドレイン電極54に電気的に接続されている。
【0129】
図3を参照して、第1ゲート外部端子7は、第1ゲートパッド開口167内に形成されている。第1ゲート外部端子7は、より具体的には、樹脂層165の上から第1ゲートパッド開口167内に入り込んでいる。第1ゲート外部端子7は、樹脂層165の上面よりも上方に突出している。
第1ゲート外部端子7は、第1ゲートパッド開口167内において第1ゲート引き出し配線層156に電気的に接続されている。これにより、第1ゲート外部端子7は、第1ゲート配線層152を介して、第1ゲート電極82に電気的に接続されている。
【0130】
図4を参照して、ドレイン外部端子8は、ドレインパッド開口168内に形成されている。ドレイン外部端子8は、より具体的には、樹脂層165の上からドレインパッド開口168内に入り込んでいる。ドレイン外部端子8は、樹脂層165の上面よりも上方に突出している。
ドレイン外部端子8は、ドレインパッド開口168内においてドレイン配線層153に電気的に接続されている。これにより、ドレイン外部端子8は、ドレイン配線層153を介して、第1ドレイン電極52に電気的に接続されている。
【0131】
図5を参照して、第2ゲート外部端子9は、第2ゲートパッド開口169内に形成されている。第2ゲート外部端子9は、より具体的には、樹脂層165の上から第2ゲートパッド開口169内に入り込んでいる。第2ゲート外部端子9は、樹脂層165の上面よりも上方に突出している。
第2ゲート外部端子9は、第2ゲートパッド開口169内において第2ゲート引き出し配線層157に電気的に接続されている。これにより、第2ゲート外部端子9は、第2ゲート配線層154を介して、第2ゲート電極84に電気的に接続されている。
【0132】
図6を参照して、ソース外部端子10は、ソースパッド開口170内に形成されている。ソース外部端子10は、より具体的には、樹脂層165の上からソースパッド開口170内に入り込んでいる。ソース外部端子10は、樹脂層165の上面よりも上方に突出している。
ソース外部端子10は、ソースパッド開口170内においてソース配線層155に電気的に接続されている。これにより、ソース外部端子10は、ソース配線層155を介して、第2ソース電極53に電気的に接続されている。
【0133】
図2を参照して、ソース・ドレイン外部端子6は、より具体的には、下地電極層171および導電性接合材料層172を含む積層構造を有している。下地電極層171は、樹脂層165の上からソース・ドレインパッド開口166内に入り込んでいる。
下地電極層171は、樹脂層165の上面およびソース・ドレインパッド開口166の内壁に沿って膜状に形成されている。下地電極層171は、ソース・ドレインパッド開口166内において凹状の空間を区画している。
【0134】
下地電極層171は、この形態ではバリア電極層として形成されている。下地電極層171は、TiまたはTiNのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。下地電極層171は、この形態ではTiN層からなる。
導電性接合材料層172は、下地電極層171の上に形成されている。導電性接合材料層172は、下地電極層171を挟んでソース・ドレインパッド開口166に埋め込まれている。
【0135】
導電性接合材料層172は、樹脂層165の上面よりも上方に突出している。導電性接合材料層172は、下地電極層171を挟んで樹脂層165の上面に対向する部分を含む。導電性接合材料層172は、半田を含んでいてもよい。
図3〜
図6を参照して、第1ゲート外部端子7、ドレイン外部端子8、第2ゲート外部端子9およびソース外部端子10は、ソース・ドレイン外部端子6と同様の構造をそれぞれ有している。
【0136】
第1ゲート外部端子7、ドレイン外部端子8、第2ゲート外部端子9およびソース外部端子10の説明については、ソース・ドレイン外部端子6の説明が準用されるものとする。第1ゲート外部端子7、ドレイン外部端子8、第2ゲート外部端子9およびソース外部端子10においてソース・ドレイン外部端子6の構造に対応する構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0137】
図14は、
図1に示す半導体装置1の電気的構造を説明するための等価回路図である。
図14を参照して、半導体装置1は、第1HEMT33および第2HEMT34を含む。第1HEMT33は、第1ゲートG1、第1ソースS1および第1ドレインD1を含む。第2HEMT34は、第2ゲートG2、第2ソースS2および第2ドレインD2を含む。
【0138】
第1HEMT33の第1ゲートG1は、第1ゲート電極82を含む。第1HEMT33の第1ソースS1は、第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)を含む。第1HEMT33の第1ドレインD1は、第1ドレイン電極52(第1ドレインコンタクト電極122)を含む。
第2HEMT34の第2ゲートG2は、第2ゲート電極84を含む。第2HEMT34の第2ソースS2は、第2ソース電極53(第2ソースコンタクト電極123)を含む。第2HEMT34の第2ドレインD2は、第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)を含む。
【0139】
第1HEMT33の第1ソースS1および第2HEMT34の第2ドレインD2には、ソース・ドレイン配線層151を介してソース・ドレイン外部端子6が接続されている。第1HEMT33の第1ゲートG1には、第1ゲート配線層152を介して第1ゲート外部端子7が接続されている。
第1HEMT33の第1ドレインD1には、ドレイン配線層153を介してドレイン外部端子8が接続されている。第2HEMT34の第2ゲートG2には、第2ゲート配線層154を介して第2ゲート外部端子9が接続されている。第2HEMT34の第2ソースS2には、ソース配線層155を介してソース外部端子10が接続されている。
【0140】
これにより、半導体装置1は、第1HEMT33および第2HEMT34を含むハーフブリッジ回路173を有している。ハーフブリッジ回路173は、インバータ回路やDC/DCコンバータ回路等の電力変換回路に使用されてもよい。
ハーフブリッジ回路173は、DC/DCコンバータ回路のうち動作周波数が1MHz以上の高周波動作用のDC/DCコンバータ回路に使用されてもよい。ハーフブリッジ回路173において、第1HEMT33は高電圧側のHEMTを構成し、第2HEMT34は低電圧側のHEMTを構成していてもよい。
【0141】
第1HEMT33には、第1寄生ダイオードDi1、第1寄生容量C1および第1寄生インダクタンスL1が接続されている。第1寄生ダイオードDi1は、第1ドレインD1に順方向電流が流れる向きで、第1ソースS1および第1ドレインD1の間に並列接続されている。
第1寄生容量C1は、第1ソースS1および第1ドレインD1の間に並列接続されている。第1寄生インダクタンスL1は、ソース・ドレイン外部端子6および第1ソースS1の間に接続されている。
【0142】
第2HEMT34には、第2寄生ダイオードDi2、第2寄生容量C2および第2寄生インダクタンスL2が接続されている。第2寄生ダイオードDi2は、第2ドレインD2に順方向電流が流れる向きで、第2ソースS2および第2ドレインD2の間に並列接続されている。
第2寄生容量C2は、第2ソースS2および第2ドレインD2の間に並列接続されている。第2寄生インダクタンスL2は、ソース・ドレイン外部端子6および第2ドレインD2の間に接続されている。
【0143】
以上、半導体装置1によれば、互いに独立して制御可能な第1HEMT33および第2HEMT34が一つの積層構造部12(半導体積層構造部26)に作り込まれている。これにより、第1HEMT33および第2HEMT34を積層構造部12(半導体積層構造部26)という限られた範囲内に収めることができるから、小型化を図ることができる。
また、半導体装置1において第1HEMT33および第2HEMT34を互いに電気的に接続する場合には、第1HEMT33および第2HEMT34を接続する配線層を、積層構造部12(半導体積層構造部26)という限られた範囲内に収めることができる。
【0144】
より具体的には、ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155を、平面視において積層構造部12(半導体積層構造部26)の周縁によって取り囲まれた領域内に収めることができる。
これにより、第1HEMT33および第2HEMT34の間の配線距離を短縮できるから、配線抵抗や第1寄生インダクタンスL1および第2寄生インダクタンスL2等の低減を図ることができる。よって、小型化の利点を生かして性能の向上を図ることができる半導体装置1を提供できる。
【0145】
特に、半導体装置1によれば、ソース・ドレイン配線層151が、第1HEMT33の第1ソース電極51および第2HEMT34の第2ドレイン電極54を電気的に接続する接続配線層として形成されている。したがって、第1HEMT33の第1ソース電極51および第2HEMT34の第2ドレイン電極54の間の配線距離を適切に低減できる。
これにより、第1HEMT33の第1ソース電極51および第2HEMT34の第2ドレイン電極54の間に存する配線抵抗や第1寄生インダクタンスL1および第2寄生インダクタンスL2等の低減を適切に図ることができる。
【0146】
とりわけ、半導体装置1では、ソース・ドレイン配線層151が、第1HEMT33の第1ソース電極51および第2HEMT34の第2ドレイン電極54を直線的に結ぶライン状に形成されている。
より具体的には、ソース・ドレイン配線層151は、第2方向Yに沿って延びる第1ソース電極51および第2ドレイン電極54に交差するように、第1方向Xに沿って延びている。
【0147】
これにより、第1HEMT33の第1ソース電極51および第2HEMT34の第2ドレイン電極54を最短距離で結ぶことができる。その結果、ソース・ドレイン配線層151の配線距離を効果的に低減できるから、配線抵抗や、第1寄生インダクタンスL1および第2寄生インダクタンスL2等を効果的に低減できる。
第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155を帯状(直線状)に形成することも、配線抵抗や、第1寄生インダクタンスL1および第2寄生インダクタンスL2等の低減を図る上で有効である。
【0148】
半導体装置1によれば、
図15に示される効果を得ることができる。
図15は、
図1に示す半導体装置1のスイッチング特性を説明するためのスイッチング波形である。
図15には、実線で示された第1波形WF1および破線で示された第2波形WF2が示されている。第1波形WF1は、半導体装置1の高周波動作時のリンギングノイズを示している。
【0149】
第2波形WF2は、第1HEMT33だけを有する半導体装置のソースおよび第2HEMT34だけを有する半導体装置のドレインを外部接続した場合のリンギングノイズを示している。
第1波形WF1および第2波形WF2を参照して、半導体装置1によれば、配線抵抗や、第1寄生インダクタンスL1および第2寄生インダクタンスL2の低減を図ることができるから、それに応じて、リンギングノイズの低減を図ることができる。
【0150】
図16A〜
図16Zは、
図1に示す半導体装置1の製造方法の一例を説明するための断面図である。
図16A〜
図16Zは、
図2に対応する部分の断面図であり、一つの半導体装置1が形成される領域が示されている。
まず、
図16Aを参照して、ウエハ181が用意される。ウエハ181は、一方側の第1ウエハ主面182および他方側の第2ウエハ主面183を有している。第1ウエハ主面182および第2ウエハ主面183は、基板11の第1主面13および第2主面14にそれぞれ対応している。
【0151】
ウエハ181には、半導体装置1が形成される半導体装置形成領域184が複数設定される。複数の半導体装置形成領域184は、たとえば行列状に設定され、ダイシングライン(図示せず)によって区画される。
各半導体装置形成領域184には、さらに、第1HEMT33が形成される第1デバイス形成領域31、第2HEMT34が形成される第2デバイス形成領域32、ならびに、第1デバイス形成領域31および第2デバイス形成領域32の間の境界領域185が設定される。
【0152】
このウエハ181に対して所定の製造プロセスを実行した後、ウエハ181を半導体装置形成領域184(ダイシングライン)に沿って切断することによって、複数の半導体装置1が切り出される。
次に、
図16Bを参照して、ウエハ181の第1ウエハ主面182の上に、核形成層21、バッファ層22、電子走行層23、電子供給層24およびトップ絶縁層25を含む積層構造部12が形成される。核形成層21、バッファ層22、電子走行層23、電子供給層24およびトップ絶縁層25は、エピタキシャル成長法によってそれぞれ形成される。
【0153】
次に、
図16Cを参照して、所定パターンを有するマスク186が、積層構造部12の上に形成される。マスク186は、積層構造部12において境界領域185に沿う部分を露出させる開口187を有している。つまり、開口187は、積層構造部12において領域分離トレンチ36を形成すべき領域を露出させている。
次に、マスク186を介するエッチング法によって、積層構造部12の不要な部分が除去される。これにより、積層構造部12に領域分離トレンチ36が形成される。その後、マスク186は除去される。
【0154】
次に、
図16Dを参照して、第1保護層41が、積層構造部12を被覆するように形成される。第1保護層41は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(たとえば減圧CVD法)によって形成されてもよい。第1保護層41は、CVD−SiO
2を含んでいてもよい。
次に、
図16Eを参照して、第1保護層41の上に、第1ソースフィールド電極層101、第1フローティング電極層102、第2ソースフィールド電極層103および第2フローティング電極層104のベースとなるベース電極層188が形成される。
【0155】
次に、
図16Fを参照して、所定パターンを有するマスク189が、ベース電極層188の上に形成される。マスク189は、ベース電極層188において第1ベース電極層190および第2ベース電極層191を形成すべき領域を被覆している。
第1ベース電極層190は、第1ソースフィールド電極層101および第1フローティング電極層102のベースとなる。第2ベース電極層191は、第2ソースフィールド電極層103および第2フローティング電極層104のベースとなる。
【0156】
次に、マスク189を介するエッチング法によって、ベース電極層188の不要な部分が除去される。これにより、ベース電極層188が、第1ベース電極層190および第2ベース電極層191に分割される。その後、マスク189は除去される。
次に、
図16Gを参照して、第2保護層42が、第1保護層41の上に形成される。第2保護層42は、第1ベース電極層190および第2ベース電極層191を被覆する。第2保護層42は、CVD法(たとえばプラズマCVD法)によって形成されてもよい。第2保護層42は、TEOS−SiO
2を含んでいてもよい。第1保護層41および第2保護層42の積層構造によって一つの保護層40が形成される。
【0157】
次に、
図16Hを参照して、所定パターンを有するマスク192が、第2保護層42の上に形成される。マスク192は、保護層40およびトップ絶縁層25において第1ソース開口45、第1ドレイン開口46、第2ソース開口47および第2ドレイン開口48を形成すべき領域を露出させる複数の開口193を有している。
次に、マスク192を介するエッチング法によって、保護層40およびトップ絶縁層25の不要な部分が除去される。これにより、保護層40およびトップ絶縁層25に、第1ソース開口45、第1ドレイン開口46、第2ソース開口47および第2ドレイン開口48が形成される。その後、マスク192は除去される。
【0158】
次に、
図16Iを参照して、第1ソース電極51、第1ドレイン電極52、第2ソース電極53および第2ドレイン電極54が、対応する開口45,46,47,48に埋め込まれる。この工程は、埋設電極層61の形成工程および被覆電極層62の形成工程を含む。
埋設電極層61の形成工程は、各開口45,46,47,48内に埋設電極層61を埋め込む工程を含む。この工程では、第1埋設電極層63を挟んで第2埋設電極層64が各開口45,46,47,48内に埋め込まれる。
【0159】
第1埋設電極層63および第2埋設電極層64は、スパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。第1埋設電極層63はTiを含んでいてもよい。第2埋設電極層64はAlSiCu合金を含んでいてもよい。
埋設電極層61の形成工程の後、被覆電極層62の形成工程が実施される。この工程では、各埋設電極層61の上に、第1被覆電極層65および第2被覆電極層66がこの順に形成される。
【0160】
第1被覆電極層65および第2被覆電極層66は、スパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。第1被覆電極層65はTiを含んでいてもよい。第2被覆電極層66はTiNを含んでいてもよい。
埋設電極層61の形成工程および被覆電極層62の形成工程を経て、第1ソース電極51、第1ドレイン電極52、第2ソース電極53および第2ドレイン電極54が形成される。
【0161】
次に、
図16Jを参照して、保護層40の上に、第1層間絶縁層71が形成される。第1層間絶縁層71は、CVD法によって形成されてもよい。第1層間絶縁層71は、SiO
2を含んでいてもよい。第1層間絶縁層71の形成後、第1層間絶縁層71の上面に対して平坦化処理が実施されてもよい。
次に、
図16Kを参照して、所定パターンを有するマスク194が、第1層間絶縁層71の上に形成される。マスク194は、第1層間絶縁層71、保護層40、第1ベース電極層190および第2ベース電極層191において第1ゲート開口72および第2ゲート開口73を形成すべき領域を露出させる複数の開口195を有している。
【0162】
次に、マスク194を介するエッチング法によって、第1層間絶縁層71、保護層40、第1ベース電極層190および第2ベース電極層191の不要な部分が除去される。これにより、第1ゲート開口72のベースとなる第1ベースゲート開口196および第2ゲート開口73のベースとなる第2ベースゲート開口197が形成される。
また、この工程では、第1ベース電極層190の不要な部分の除去によって、第1ベース電極層190が第1ソースフィールド電極層101および第1フローティング電極層102に分割される。
【0163】
また、この工程では、第2ベース電極層191の不要な部分の除去によって、第2ベース電極層191が、第2ソースフィールド電極層103および第2フローティング電極層104に分割される。その後、マスク192は除去される。
次に、
図16Lを参照して、第1サイドウォール絶縁層105および第2サイドウォール絶縁層106のベースとなるベース絶縁層198が形成される。ベース絶縁層198は、第1ベースゲート開口196の内壁、第2ベースゲート開口197の内壁および第1層間絶縁層71の上面に沿って膜状に形成される。ベース絶縁層198は、CVD法によって形成されてもよい。ベース絶縁層198は、SiO
2を含んでいてもよい。
【0164】
次に、
図16Mを参照して、ベース絶縁層198において第1ベースゲート開口196の内壁に沿う部分および第2ベースゲート開口197の内壁に沿う部分が残存するように、ベース絶縁層198の不要な部分が除去される。ベース絶縁層198の不要な部分は、エッチング法(たとえばドライエッチング法)によって除去されてもよい。
これにより、第1サイドウォール絶縁層105および第2サイドウォール絶縁層106が、第1層間絶縁層71の上面に対して自己整合的に形成される。この場合、第1サイドウォール絶縁層105の上端部の角部および第2サイドウォール絶縁層106の上端部の角部が丸められる(
図8も併せて参照)。
【0165】
次に、第1ベースゲート開口196の底壁および第2ベースゲート開口197の底壁から第2保護層42の不要な部分およびトップ絶縁層25の不要な部分が除去される。第2保護層42の不要な部分およびトップ絶縁層25の不要な部分は、エッチング法(たとえばドライエッチング法)によって除去されてもよい。これにより、第1ゲート開口72の第1貫通孔75および第2ゲート開口73の第2貫通孔77が形成される。
【0166】
次に、
図16Nを参照して、第1ベースゲート開口196の底壁および第2ベースゲート開口197の底壁から電子供給層24の不要な部分が除去される。電子供給層24の不要な部分は、エッチング法(たとえばドライエッチング法)によって除去されてもよい。
これにより、第1ゲート開口72の第1ゲートコンタクト孔74および第2ゲート開口73の第2ゲートコンタクト孔76が形成される。また、これにより、第1ベースゲート開口196および第2ベースゲート開口197が、第1ゲート開口72および第2ゲート開口73となる。
【0167】
次に、
図16Oを参照して、第1ゲート絶縁層81、第2ゲート絶縁層83および上面絶縁層85を一体的に含む絶縁層86が、第1層間絶縁層71の上に形成される。絶縁層86は、CVD法またはALD(Atomic Layer Deposition)法によって形成されてもよい。絶縁層86は、SiO
2を含んでいてもよい。
次に、
図16Pを参照して、第1ゲート開口72および第2ゲート開口73に、第1ゲート電極82および第2ゲート電極84がそれぞれ埋め込まれる。この工程は、埋設電極層91の形成工程および被覆電極層92の形成工程を含む。
【0168】
埋設電極層91の形成工程は、各開口72,73内に埋設電極層91を形成する工程を含む。この工程では、第1埋設電極層93を挟んで第2埋設電極層94が各開口72,73内に埋め込まれる。
第1埋設電極層93および第2埋設電極層94は、スパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。第1埋設電極層93はTiNを含んでいてもよい。第2埋設電極層94はWを含んでいてもよい。
【0169】
埋設電極層91の形成工程の後、被覆電極層92の形成工程が実施される。この工程では、各埋設電極層91の上に、第1被覆電極層95および第2被覆電極層96がこの順に形成される。
第1被覆電極層95および第2被覆電極層96は、スパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。第1被覆電極層95はAlCu合金を含んでいてもよい。第2被覆電極層96はTiNを含んでいてもよい。埋設電極層91の形成工程および被覆電極層92の形成工程を経て、第1ゲート電極82および第2ゲート電極84が形成される。
【0170】
次に、
図16Qを参照して、絶縁層86の上に、第2層間絶縁層111が形成される。第2層間絶縁層111は、CVD法によって形成されてもよい。第2層間絶縁層111は、SiO
2を含んでいてもよい。第2層間絶縁層111の形成後、第2層間絶縁層111の上面に対して平坦化処理が実施されてもよい。
次に、
図16Rを参照して、所定パターンを有するマスク199が、第2層間絶縁層111の上に形成される。マスク199は、第2層間絶縁層111、絶縁層86および第1層間絶縁層71において第1ソースコンタクト開口112、第1ドレインコンタクト開口113、第2ソースコンタクト開口114および第2ドレインコンタクト開口115を形成すべき領域を露出させる開口200を有している。
【0171】
次に、マスク199を介するエッチング法によって、第2層間絶縁層111、絶縁層86および第1層間絶縁層71の不要な部分が除去される。これにより、第2ソースコンタクト開口114および第2ドレインコンタクト開口115が形成される。その後、マスク199は除去される。
次に、
図16Sを参照して、第1ソースコンタクト電極121、第1ドレインコンタクト電極122、第2ソースコンタクト電極123および第2ドレインコンタクト電極124が、対応する開口112,113,114,115に埋め込まれる。この工程は、埋設電極層131の形成工程および被覆電極層132の形成工程を含む。
【0172】
埋設電極層131の形成工程は、各開口112,113,114,115内に埋設電極層131を埋め込む工程を含む。この工程では、第1埋設電極層133を挟んで第2埋設電極層134が各開口112,113,114,115内に埋め込まれる。
第1埋設電極層133および第2埋設電極層134は、スパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。第1埋設電極層133はTiNを含んでいてもよい。第2埋設電極層134はWを含んでいてもよい。
【0173】
埋設電極層131の形成工程の後、被覆電極層132の形成工程が実施される。この工程では、各埋設電極層131の上に、第1被覆電極層135および第2被覆電極層136がこの順に形成される。
第1被覆電極層135および第2被覆電極層136は、スパッタ法によってそれぞれ形成されてもよい。第1被覆電極層135はAlCu合金を含んでいてもよい。第2被覆電極層136はTiNを含んでいてもよい。
【0174】
埋設電極層131の形成工程および被覆電極層132の形成工程を経て、第1ソースコンタクト電極121、第1ドレインコンタクト電極122、第2ソースコンタクト電極123および第2ドレインコンタクト電極124が形成される。
次に、
図16Tを参照して、第2層間絶縁層111の上に、第3層間絶縁層141が形成される。第3層間絶縁層141は、CVD法によって形成されてもよい。第3層間絶縁層141は、SiO
2を含んでいてもよい。第3層間絶縁層141の形成後、第3層間絶縁層141の上面に対して平坦化処理が実施されてもよい。
【0175】
次に、
図16Uを参照して、所定パターンを有するマスク201が、第3層間絶縁層141の上に形成される。マスク201は、第3層間絶縁層141において第1ソースコンタクトホール143、第1ドレインコンタクトホール144、第2ソースコンタクトホール146および第2ドレインコンタクトホール147を形成すべき領域を露出させる開口202を有している。
【0176】
次に、マスク201を介するエッチング法によって、第3層間絶縁層141の不要な部分が除去される。これにより、第1ソースコンタクトホール143、第1ドレインコンタクトホール144、第2ソースコンタクトホール146および第2ドレインコンタクトホール147が形成される。その後、マスク201は除去される。
次に、
図16Vを参照して、ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155のベースとなるベース配線層203が、第3層間絶縁層141の上に形成される。
【0177】
ベース配線層203の形成工程では、第1配線層161、第2配線層162および第3配線層163が第3層間絶縁層141の上にこの順に形成される。第1配線層161、第2配線層162および第3配線層163は、スパッタ法によって形成されてもよい。
次に、所定パターンを有するマスク204が、ベース配線層203の上に形成される。マスク201は、ベース配線層203においてソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155を形成すべき領域を被覆している。
【0178】
次に、マスク201を介するエッチング法によって、ベース配線層203の不要な部分が除去される。これにより、ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155が形成される。その後、マスク201は除去される。
次に、
図16Wを参照して、第3層間絶縁層141の上に、第4層間絶縁層164が形成される。第4層間絶縁層164は、CVD法によって形成されてもよい。第4層間絶縁層164は、SiO
2を含んでいてもよい。第4層間絶縁層164の形成後、第4層間絶縁層164の上面に対して平坦化処理が実施されてもよい。
【0179】
次に、
図16Xを参照して、所定パターンを有するマスク205が、第4層間絶縁層164の上に形成される。マスク205は、第4層間絶縁層164においてソース・ドレインパッド開口166、第1ゲートパッド開口167、ドレインパッド開口168、第2ゲートパッド開口169およびソースパッド開口170を形成すべき領域を露出させる開口206を有している。
【0180】
次に、マスク205を介するエッチング法によって、第4層間絶縁層164の不要な部分が除去される。その後、マスク205は除去される。
次に、
図16Yを参照して、第4層間絶縁層164の上に、樹脂層165が形成される。樹脂層165は、第4層間絶縁層164の上にポリイミド樹脂を塗布することによって形成されてもよい。次に、樹脂層165が選択的に露光および現像される。
【0181】
これにより、樹脂層165においてソース・ドレインパッド開口166、第1ゲートパッド開口167、ドレインパッド開口168、第2ゲートパッド開口169およびソースパッド開口170を形成すべき領域が除去される。
そして、第4層間絶縁層164および樹脂層165に、ソース・ドレインパッド開口166、第1ゲートパッド開口167、ドレインパッド開口168、第2ゲートパッド開口169およびソースパッド開口170が形成される。
【0182】
次に、
図16Zを参照して、ソース・ドレイン外部端子6、第1ゲート外部端子7、ドレイン外部端子8、第2ゲート外部端子9およびソース外部端子10が、対応するパッド開口166,167,168,169,170内に形成される。
この工程では、まず、各パッド開口166,167,168,169,170内に下地電極層171が形成される。下地電極層171は、スパッタ法によって形成されてもよい。下地電極層171は、TiNを含んでいてもよい。
【0183】
次に、下地電極層171の上に導電性接合材料層172が形成される。導電性接合材料層172は、メッキ法によって形成されてもよい。導電性接合材料層172は、半田を含んでいてもよい。これにより、ソース・ドレイン外部端子6、第1ゲート外部端子7、ドレイン外部端子8、第2ゲート外部端子9およびソース外部端子10が形成される。
その後、ウエハ181が半導体装置形成領域184(ダイシングライン)に沿って切断されて、複数の半導体装置1が切り出される。以上を含む工程を経て、半導体装置1が製造される。
【0184】
図17は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置211を示す平面図である。
図18は、
図17に示す半導体装置211において、各部材の電気的な接続形態を説明するための概略構成図である。以下では、半導体装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図18では、前述の
図14に示されたように、第1ゲート電極82、第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)および第1ドレイン電極52(第1ドレインコンタクト電極122)が、「G1」、「S1」および「D1」によってそれぞれ簡略化して示されている。
【0185】
また、
図18では、第2ゲート電極84、第2ソース電極53(第2ソースコンタクト電極123)および第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)が、「G2」、「S2」および「D2」によってそれぞれ簡略化して示されている。
図18では、ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155が、第1方向Xに沿って延びるラインによってそれぞれ示されている。
【0186】
図18では、ソース・ドレイン外部端子6、第1ゲート外部端子7、ドレイン外部端子8、第2ゲート外部端子9およびソース外部端子10がブロックによってそれぞれ示されている。
図17および
図18を参照して、半導体装置211は、1つの積層構造部12に、複数の第1デバイス形成領域31および複数の第2デバイス形成領域32が設定されている。この形態では、2つの第1デバイス形成領域31および2つの第2デバイス形成領域32が、1つの積層構造部12に設定された例について説明する。
【0187】
複数の第1デバイス形成領域31および複数の第2デバイス形成領域32は、第1方向Xに沿って交互に配列されている。複数の第1デバイス形成領域31および複数の第2デバイス形成領域32は、それぞれ領域分離構造35によって分離されている。
各第1デバイス形成領域31内の構造は、半導体装置1に係る第1デバイス形成領域31の構造と同様である。各第2デバイス形成領域32内の構造は、半導体装置1に係る第2デバイス形成領域32の構造と同様である。
【0188】
ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155は、いずれも、複数の第1デバイス形成領域31および複数の第2デバイス形成領域32を横切るように積層構造部12の上に形成されている。
ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155は、いずれも第1方向Xに沿って帯状に延びている。
【0189】
つまり、ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155は、いずれも第1ゲート電極82、第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)、第1ドレイン電極52(第1ドレインコンタクト電極122)、第2ゲート電極84、第2ソース電極53(第2ソースコンタクト電極123)、第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)に交差(直交)している。
【0190】
ソース・ドレイン配線層151の長さ、第1ゲート配線層152の長さ、ドレイン配線層153の長さ、第2ゲート配線層154の長さおよびソース配線層155の長さは、半導体装置1の場合と同様に任意であり、
図17に示される形態に限定されない。
ソース・ドレイン配線層151は、各第1デバイス形成領域31に形成された第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)および各第2デバイス形成領域32に形成された第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)に電気的に接続されている。
【0191】
第1ゲート配線層152は、各第1デバイス形成領域31に形成された第1ゲート電極82に電気的に接続されている。ドレイン配線層153は、各第1デバイス形成領域31に形成された第1ドレイン電極52に電気的に接続されている。
第2ゲート配線層154は、各第2デバイス形成領域32に形成された第2ゲート電極84に電気的に接続されている。ソース配線層155は、各第2デバイス形成領域32に形成された第2ソース電極53に電気的に接続されている。
【0192】
ソース・ドレイン配線層151には、1つまたは複数のソース・ドレイン外部端子6が電気的に接続されている。この形態では、3つのソース・ドレイン外部端子6が、ソース・ドレイン配線層151に電気的に接続されている。
複数のソース・ドレイン外部端子6は、第1チップ主面3において、第1方向Xに沿って間隔を空けて形成されている。各ソース・ドレイン外部端子6は、平面視において第2方向Yに沿って帯状に延びている。各ソース・ドレイン配線層151は、この形態では、平面視において第1デバイス形成領域31および第2デバイス形成領域32の間の領域に形成されている。
【0193】
第1ゲート配線層152には、1つまたは複数の第1ゲート外部端子7が電気的に接続されている。この形態では、1つの第1ゲート外部端子7が、第1ゲート配線層152に電気的に接続されている。
第1ゲート外部端子7は、第1チップ主面3において、一つの角部に沿う領域に形成されている。第1ゲート外部端子7は、より具体的には、第1チップ主面3においてチップ側面5Aおよびチップ側面5Bを接続する角部に沿う領域に形成されている。
【0194】
ドレイン配線層153には、1つまたは複数のドレイン外部端子8が電気的に接続されている。この形態では、2つのドレイン外部端子8が、ドレイン配線層153に電気的に接続されている。各ドレイン外部端子8は、この形態では、各第2デバイス形成領域32の直上に配置されている。各ドレイン外部端子8は、平面視において第2方向Yに沿って帯状に延びている。
【0195】
第2ゲート配線層154には、1つまたは複数の第2ゲート外部端子9が電気的に接続されている。この形態では、1つの第2ゲート外部端子9が、第2ゲート配線層154に電気的に接続されている。
第2ゲート外部端子9は、第1チップ主面3において、一つの角部に沿う領域に形成されている。第2ゲート外部端子9は、より具体的には、第1チップ主面3においてチップ側面5Cおよびチップ側面5Dを接続する角部に沿う領域に形成されている。
【0196】
ソース配線層155には、1つまたは複数のソース外部端子10が電気的に接続されている。この形態では、2つのソース外部端子10が、ソース配線層155に電気的に接続されている。各ソース外部端子10は、この形態では、各第1デバイス形成領域31の直上に配置されている。各ソース外部端子10は、平面視において第2方向Yに沿って帯状に延びている。
【0197】
以上、半導体装置211によっても半導体装置1に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
前述の各実施形態では、第1ソース電極51および第2ドレイン電極54を電気的に接続するソース・ドレイン配線層151が形成された例について説明した。しかし、第1HEMT33および第2HEMT34の電気的な接続形態はこれに限定されない。
【0198】
たとえば、前述の各実施形態において、ソース・ドレイン配線層151に代えてまたはこれに加えて、第1ソース電極51および第2ソース電極53を電気的に接続するソース・ソース配線層が形成されていてもよい。この場合、複数の外部端子は、ソース・ソース配線層に電気的に接続される外部端子を含んでいてもよい。
また、前述の各実施形態において、ソース・ドレイン配線層151に代えてまたはこれに加えて、第1ソース電極51および第2ゲート電極84を電気的に接続するソース・ゲート配線層が形成されていてもよい。この場合、複数の外部端子は、ソース・ゲート配線層に電気的に接続される外部端子を含んでいてもよい。
【0199】
また、前述の各実施形態において、ソース・ドレイン配線層151に代えてまたはこれに加えて、第1ドレイン電極52および第2ソース電極53を電気的に接続するドレイン・ソース配線層が形成されていてもよい。この場合、複数の外部端子は、ドレイン・ソース配線層に電気的に接続される外部端子を含んでいてもよい。
また、前述の各実施形態において、ソース・ドレイン配線層151に代えてまたはこれに加えて、第1ドレイン電極52および第2ドレイン電極54を電気的に接続するドレイン・ドレイン配線層が形成されていてもよい。この場合、複数の外部端子は、ドレイン・ドレイン配線層に電気的に接続される外部端子を含んでいてもよい。
【0200】
また、前述の各実施形態において、ソース・ドレイン配線層151に代えてまたはこれに加えて、第1ドレイン電極52および第2ゲート電極84を電気的に接続するドレイン・ゲート配線層が形成されていてもよい。この場合、複数の外部端子は、ドレイン・ゲート配線層に電気的に接続される外部端子を含んでいてもよい。
また、前述の各実施形態において、ソース・ドレイン配線層151に代えてまたはこれに加えて、第1ゲート電極82および第2ソース電極53を電気的に接続するゲート・ソース配線層が形成されていてもよい。この場合、複数の外部端子は、ゲート・ソース配線層に電気的に接続される外部端子を含んでいてもよい。
【0201】
また、前述の各実施形態において、ソース・ドレイン配線層151に代えてまたはこれに加えて、第1ゲート電極82および第2ドレイン電極54を電気的に接続するゲート・ドレイン配線層が形成されていてもよい。この場合、複数の外部端子は、ゲート・ドレイン配線層に電気的に接続される外部端子を含んでいてもよい。
また、前述の各実施形態において、ソース・ドレイン配線層151に代えてまたはこれに加えて、第1ゲート電極82および第2ゲート電極84を電気的に接続するゲート・ゲート配線層が形成されていてもよい。この場合、複数の外部端子は、ゲート・ゲート配線層に電気的に接続される外部端子を含んでいてもよい。
【0202】
これらの形態は、たとえば、
図16Uの工程において、マスク201のレイアウトを変更し、
図16Xおよび
図16Yの工程においてマスク205等のレイアウトを変更することによって形成される。
つまり、これらの形態は、第1ゲートコンタクトホール142、第1ソースコンタクトホール143、第1ドレインコンタクトホール144、第2ゲートコンタクトホール145、第2ソースコンタクトホール146および第2ドレインコンタクトホール147のレイアウト、および、複数の外部端子のレイアウトを調整することによって容易に実現できる。
【0203】
特に、複数の配線層(ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154およびソース配線層155)が第1方向Xに沿ってストライプ状に形成された構造では、複数の配線層のレイアウトを大きく変更することなく、コンタクトホール142〜147のレイアウトや複数の外部端子のレイアウトを変更できる点に利点がある。
【0204】
前述の各実施形態において、第2ソース電極53(第2ソースコンタクト電極123)および第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)の配置が入れ替わっていてもよい。
前述の各実施形態において、第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)および第1ドレイン電極52(第1ドレインコンタクト電極122)の配置が入れ替わっていてもよい。
【0205】
前述の各実施形態では、第1デバイス形成領域31に、第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)、第1ドレイン電極52(第1ドレインコンタクト電極122)および第1ゲート電極82が一つずつ形成された例について説明した。
しかし、前述の各実施形態において、複数の第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)、複数の第1ドレイン電極52(第1ドレインコンタクト電極122)および複数の第1ゲート電極82が形成されていてもよい。
【0206】
つまり、複数の第1ソース電極51(第1ソースコンタクト電極121)、複数の第1ドレイン電極52(第1ドレインコンタクト電極122)および複数の第1ゲート電極82によって1つの第1HEMT33が形成されていてもよい。
前述の各実施形態では、第2デバイス形成領域32に、第2ソース電極53(第2ソースコンタクト電極123)、第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)および第2ゲート電極84が一つずつ形成された例について説明した。
【0207】
しかし、前述の各実施形態において、第2デバイス形成領域32に、複数の第2ソース電極53(第2ソースコンタクト電極123)、複数の第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)および複数の第2ゲート電極84が形成されていてもよい。
つまり、複数の第2ソース電極53(第2ソースコンタクト電極123)、複数の第2ドレイン電極54(第2ドレインコンタクト電極124)および複数の第2ゲート電極84によって1つの第2HEMT34が形成されていてもよい。
【0208】
前述の第2実施形態において、2以上の第1デバイス形成領域31および2以上の第2デバイス形成領域32が、1つの積層構造部12に設定されていてもよい。この場合、2以上の第1デバイス形成領域31および2以上の第2デバイス形成領域32は、第1方向Xに沿って交互に配列されていてもよい。
また、前述の第2実施形態において
図19に示される例が採用されてもよい。
図19は、
図18に対応する概略構成図であって、各部材の電気的な接続形態の他の例を説明するための図である。以下では、半導体装置211に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0209】
図19を参照して、ソース・ドレイン配線層151、第1ゲート配線層152、ドレイン配線層153、第2ゲート配線層154は、それぞれ任意の領域で分断されていてもよい。
図19では、1つの積層構造部12を利用して2つの半導体装置1が作り込まれた形態が示されている。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。