特開2019-148312(P2019-148312A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-148312(P2019-148312A)
(43)【公開日】2019年9月5日
(54)【発明の名称】ポペット式切換弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/044 20060101AFI20190809BHJP
【FI】
   F16K11/044 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-34396(P2018-34396)
(22)【出願日】2018年2月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 新治
(72)【発明者】
【氏名】林 清信
(72)【発明者】
【氏名】小杉 光弘
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA02
3H067AA32
3H067BB02
3H067BB12
3H067CC05
3H067CC60
3H067DD05
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA14
3H067EA26
3H067EA33
3H067EA39
3H067EB02
3H067ED02
3H067ED12
3H067FF11
(57)【要約】
【課題】流体の流量のバラツキを抑制するとともに、コイルへの電力を低減すること。
【解決手段】第1弁棒40は、第1弁棒40の軸線方向に貫通する挿通孔44を有している。第2弁棒50は、挿通孔44に挿通されるとともに外周面に雄ねじ55が形成された挿通部56を有している。挿通孔44には、雄ねじ55に対して螺合される雌ねじ孔45が形成されている。第1弁棒40は、雄ねじ55に対して雌ねじ孔45を螺進退させて第1弁棒40を第2弁棒50に対して軸線方向へ相対移動させる際に調整用治具72と係合する一対の平面部を有している。そして、調整用治具72を用いた第1弁棒40における第2弁棒50に対する軸線方向への相対移動が行われて、第1弁体41及び第2弁体51のストロークを予め設定されているストロークに調整した後に、ナット57によって、第1弁棒40における第2弁棒50に対する軸線方向への相対移動を規制する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の弁ボディと、
前記弁ボディに形成されるとともに前記弁ボディの軸方向に貫通する貫通孔と、
前記弁ボディに形成されるとともに前記弁ボディの軸方向で互いに背向する第1弁座及び第2弁座と、
前記第1弁座に対して接離する第1弁体を有する第1弁棒と、
前記第2弁座に対して接離する第2弁体を有する第2弁棒と、
コイル、及び前記コイルの励磁により移動するプランジャを有するソレノイドと、を有し、
前記第1弁棒と前記第2弁棒とは、それぞれの軸線が一致した状態で互いに連結されるとともに前記プランジャの移動に伴って前記貫通孔内を前記弁ボディの軸方向に一体的に往復動可能であり、前記第1弁体における前記第1弁座に対する接離、及び前記第2弁体における前記第2弁座に対する接離が行われることにより流路が切り換えられるポペット式切換弁であって、
前記第1弁棒は、前記第1弁棒の軸線方向に貫通する挿通孔を有し、
前記第2弁棒は、前記挿通孔に挿通されるとともに外周面に雄ねじが形成された挿通部を有し、
前記挿通孔には、前記雄ねじに対して螺合される雌ねじ孔が形成されており、
前記第1弁棒は、前記雄ねじに対して前記雌ねじ孔を螺進退させて前記第1弁棒を前記第2弁棒に対して前記軸線方向へ相対移動させる際に前記第1弁棒を回転させるために用いられる治具と係合する係合部を有し、
前記治具を用いた前記第1弁棒における前記第2弁棒に対する前記軸線方向への相対移動が行われた後に、前記第1弁棒における前記第2弁棒に対する前記軸線方向への相対移動を規制する規制部を備えたことを特徴とするポペット式切換弁。
【請求項2】
前記規制部は、前記雄ねじ又は前記雌ねじ孔に螺合し、前記第1弁棒の端面又は前記第2弁棒の端面に当接する締結部材であり、
前記第2弁棒と前記挿通孔との間には、シール部が設けられており、
前記第1弁棒は、前記締結部材を前記雄ねじ又は前記雌ねじ孔に螺合する際に、前記治具と係合して前記第1弁棒の回転を規制する回り止め部を有していることを特徴とする請求項1に記載のポペット式切換弁。
【請求項3】
前記係合部は、前記回り止め部としても機能することを特徴とする請求項2に記載のポペット式切換弁。
【請求項4】
前記係合部は、前記第1弁棒の一部が前記第1弁体から露出した一対の平面部であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のポペット式切換弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポペット式切換弁に関する。
【背景技術】
【0002】
図13に示すように、例えば特許文献1のポペット式切換弁100は、筒状の弁ボディ101を有している。弁ボディ101には、弁ボディ101の軸方向に貫通する貫通孔102が形成されている。また、弁ボディ101には、貫通孔102に連通する供給ポート103、出力ポート104、及び排出ポート105が形成されている。さらに、弁ボディ101には、弁ボディ101の軸方向で互いに背向する第1弁座106及び第2弁座107が形成されている。
【0003】
また、ポペット式切換弁100は、第1弁座106に対して接離する第1弁体108vを有する第1弁棒108と、第1弁棒108に連結されるとともに第2弁座107に対して接離する第2弁体109vを有する第2弁棒109と、を有している。第1弁棒108と第2弁棒109とは、それぞれの軸線が一致した状態で互いに連結されている。第1弁棒108及び第2弁棒109は、貫通孔102内に収容されるとともに貫通孔102内を弁ボディ101の軸方向に一体的に往復動可能である。
【0004】
そして、例えば、第1弁棒108及び第2弁棒109が貫通孔102内を弁ボディ101の軸方向の一方側へ移動すると、第1弁体108vが第1弁座106に着座するとともに第2弁体109vが第2弁座107から離間する。これにより、貫通孔102を介した供給ポート103と出力ポート104との連通が遮断されるとともに出力ポート104と排出ポート105とが貫通孔102を介して連通する。また、例えば、第1弁棒108及び第2弁棒109が貫通孔102内を弁ボディ101の軸方向の他方側へ移動すると、第1弁体108vが第1弁座106から離間するとともに第2弁体109vが第2弁座107に着座する。これにより、供給ポート103と出力ポート104とが貫通孔102を介して連通するとともに貫通孔102を介した出力ポート104と排出ポート105との連通が遮断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭54−38730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ポペット式切換弁100においては、例えば、第1弁座106や第2弁座107における弁ボディ101の軸方向の寸法公差や、第1弁棒108や第2弁棒109の軸線方向の寸法公差が生じる等して、これらの寸法公差が積み重なると、第1弁体108v及び第2弁体109vのストロークの公差が大きくなる。第1弁体108v及び第2弁体109vのストロークの公差が大きくなると、流体の流量にバラツキが生じてしまう。また、コイル、及びコイルの励磁により移動するプランジャを有するソレノイドを備え、プランジャの移動に伴って第1弁棒108及び第2弁棒109が一体的に移動するポペット式切換弁の場合、第1弁体108v及び第2弁体109vのストロークの公差が大きくなると、プランジャを移動させるためのコイルへの電力が増大してしまう虞がある。
【0007】
特許文献1では、第1弁棒108に雌ねじ孔108hが形成されており、第2弁棒109に雌ねじ孔108hに螺合される雄ねじ109aが形成されている。また、第2弁棒109は、第1弁棒108における第2弁棒109側の端面108eに当接する段差面109eを有している。そして、第2弁棒109の段差面109eが第1弁棒108の端面108eに当接するまで雄ねじ109aを雌ねじ孔108hに対して螺進させる。第2弁棒109の段差面109eが第1弁棒108の端面108eに当接することにより、第1弁棒108の端面108eと第2弁棒109の段差面109eとの間で互いに離間する方向へ作用する反力が発生し、雄ねじ109aの螺子山と雌ねじ孔108hの螺子山とが第1弁棒108及び第2弁棒109の軸線方向で互いに押し付けられる。これにより、第1弁棒108と第2弁棒109との間で締結力が生じ、第1弁棒108と第2弁棒109とが互いに連結される。
【0008】
したがって、特許文献1では、第1弁棒108と第2弁棒109とが螺子締結されているものの、第2弁棒109の段差面109eが第1弁棒108の端面108eに当接するまで雄ねじ109aを雌ねじ孔108hに対して螺進させる必要があるため、第1弁棒108と第2弁棒109との軸線方向での相対位置は、一義的に決められている。したがって、第1弁座106や第2弁座107における弁ボディ101の軸方向の寸法公差や、第1弁棒108や第2弁棒109の軸線方向の寸法公差に対応して、第1弁体108v及び第2弁体109vのストロークを調整することができない。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、流体の流量のバラツキを抑制するとともに、コイルへの電力を低減することができるポペット式切換弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するポペット式切換弁は、筒状の弁ボディと、前記弁ボディに形成されるとともに前記弁ボディの軸方向に貫通する貫通孔と、前記弁ボディに形成されるとともに前記弁ボディの軸方向で互いに背向する第1弁座及び第2弁座と、前記第1弁座に対して接離する第1弁体を有する第1弁棒と、前記第2弁座に対して接離する第2弁体を有する第2弁棒と、コイル、及び前記コイルの励磁により移動するプランジャを有するソレノイドと、を有し、前記第1弁棒と前記第2弁棒とは、それぞれの軸線が一致した状態で互いに連結されるとともに前記プランジャの移動に伴って前記貫通孔内を前記弁ボディの軸方向に一体的に往復動可能であり、前記第1弁体における前記第1弁座に対する接離、及び前記第2弁体における前記第2弁座に対する接離が行われることにより流路が切り換えられるポペット式切換弁であって、前記第1弁棒は、前記第1弁棒の軸線方向に貫通する挿通孔を有し、前記第2弁棒は、前記挿通孔に挿通されるとともに外周面に雄ねじが形成された挿通部を有し、前記挿通孔には、前記雄ねじに対して螺合される雌ねじ孔が形成されており、前記第1弁棒は、前記雄ねじに対して前記雌ねじ孔を螺進退させて前記第1弁棒を前記第2弁棒に対して前記軸線方向へ相対移動させる際に前記第1弁棒を回転させるために用いられる治具と係合する係合部を有し、前記治具を用いた前記第1弁棒における前記第2弁棒に対する前記軸線方向への相対移動が行われた後に、前記第1弁棒における前記第2弁棒に対する前記軸線方向への相対移動を規制する規制部を備えた。
【0011】
上記ポペット式切換弁において、前記規制部は、前記雄ねじ又は前記雌ねじ孔に螺合し、前記第1弁棒の端面又は前記第2弁棒の端面に当接する締結部材であり、前記第2弁棒と前記挿通孔との間には、シール部が設けられており、前記第1弁棒は、前記締結部材を前記雄ねじ又は前記雌ねじ孔に螺合する際に、前記治具と係合して前記第1弁棒の回転を規制する回り止め部を有しているとよい。
【0012】
上記ポペット式切換弁において、前記係合部は、前記回り止め部としても機能するとよい。
上記ポペット式切換弁において、前記係合部は、前記第1弁棒の一部が前記第1弁体から露出した一対の平面部であるとよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、流体の流量のバラツキを抑制するとともに、コイルへの電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態におけるポペット式切換弁の断面図。
図2】ポペット式切換弁の一部を拡大して示す断面図。
図3】(a)は第1弁棒に第1弁体を装着する前の第1弁棒を示す正面図、(b)は第1弁棒に第1弁体を装着する前の第1弁棒を示す側面図。
図4】(a)は第1弁棒に第1弁体を装着した後の第1弁棒及び第1弁体を示す正面図、(b)は第1弁棒に第1弁体を装着した後の第1弁棒及び第1弁体を示す側面図。
図5】ナットの正面図。
図6】ポペット式切換弁の断面図。
図7】ポペット式切換弁の一部を拡大して示す断面図。
図8】(a)は第1弁棒を弁ボディに組み付ける前の状態を示す分解断面図、(b)は第1治具の正面図。
図9】(a)は第1弁体及び第2弁体のストロークを調整している状態を示す断面図、(b)は第1弁体と第1治具との関係を示す正面図。
図10】(a)は第2治具を用いてナットを雄ねじに螺合させる状態を示す分解断面図、(b)はナットと第2治具との関係を示す正面図。
図11】ナットが雄ねじに螺合された状態を示す断面図。
図12】別の実施形態における第1弁棒と第2弁棒との連結状態を示す断面図。
図13】従来例におけるポペット式切換弁の一部を拡大して示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、ポペット式切換弁を具体化した一実施形態を図1図11にしたがって説明する。
図1に示すように、ポペット式切換弁10のボディ11は、長四角筒状の弁ボディ12と、弁ボディ12の長手方向の一端側に連結される有底長四角筒状の磁気カバー13と、を有している。弁ボディ12及び磁気カバー13は、例えば、合成樹脂材料製である。よって、弁ボディ12及び磁気カバー13は非磁性材製である。
【0016】
図2に示すように、弁ボディ12には、弁ボディ12の軸方向に貫通する円孔状の貫通孔14が形成されている。弁ボディ12には、供給ポート15、第1出力ポート16、第2出力ポート17、第1排出ポート18、及び第2排出ポート19が形成されている。供給ポート15、第1出力ポート16、第2出力ポート17、第1排出ポート18、及び第2排出ポート19は、貫通孔14にそれぞれ連通するとともに弁ボディ12の軸方向において、第1排出ポート18、第1出力ポート16、供給ポート15、第2出力ポート17、及び第2排出ポート19の順に並んで弁ボディ12に形成されている。供給ポート15、第1出力ポート16、第2出力ポート17、第1排出ポート18、及び第2排出ポート19における貫通孔14とは反対側の端部は、弁ボディ12の外面にそれぞれ開口している。本実施形態のポペット式切換弁10は、5ポート切換弁である。
【0017】
貫通孔14は、第1大径孔14a、第1雌ねじ孔14b、第1中径孔14c、小径孔14d、第2中径孔14e、第2雌ねじ孔14f、及び第2大径孔14gを有している。第1大径孔14a、第1雌ねじ孔14b、第1中径孔14c、小径孔14d、第2中径孔14e、第2雌ねじ孔14f、及び第2大径孔14gは、弁ボディ12の軸方向の一端に位置にする第1端面121から弁ボディ12の軸方向の他端に位置する第2端面122に向けてこの順で配置されている。第1大径孔14aは、弁ボディ12の第1端面121に開口している。第2大径孔14gは、弁ボディ12の第2端面122に開口している。第1大径孔14a、第1雌ねじ孔14b、第1中径孔14c、小径孔14d、第2中径孔14e、第2雌ねじ孔14f、及び第2大径孔14gの軸心はそれぞれ一致している。
【0018】
第1大径孔14aの孔径と第2大径孔14gの孔径とは同じである。第1中径孔14cの孔径と第2中径孔14eの孔径とは同じである。第1中径孔14c及び第2中径孔14eの孔径は、第1大径孔14a及び第2大径孔14gの孔径よりも小さい。小径孔14dの孔径は、第1中径孔14c及び第2中径孔14eの孔径よりも小さい。弁ボディ12は、小径孔14dと第1中径孔14cとを接続するとともに弁ボディ12の軸方向に対して直交する方向に延びる環状の第1段差面14hを有している。また、弁ボディ12は、小径孔14dと第2中径孔14eとを接続するとともに弁ボディ12の軸方向に対して直交する方向に延びる環状の第2段差面14iを有している。
【0019】
弁ボディ12には、第1段差面14hから第1中径孔14cに向けて突出する第1弁座としての円環状の第1供給弁座21が形成されている。また、弁ボディ12には、第2段差面14iから第2中径孔14eに向けて突出する第2弁座としての円環状の第2供給弁座22が形成されている。よって、第1供給弁座21及び第2供給弁座22は、第1段差面14h及び第2段差面14iそれぞれから弁ボディ12の軸方向で互いに離間する方向へ突出しており、弁ボディ12の軸方向で互いに背向している。第1供給弁座21及び第2供給弁座22の内径は同じである。第1供給弁座21及び第2供給弁座22の内径は、小径孔14dの孔径と同じであり、第1供給弁座21及び第2供給弁座22の内周面は、小径孔14dの内周面と同一面上に位置している。
【0020】
弁ボディ12には、有底円筒状の第1プラグ23が取り付けられている。第1プラグ23は、円板状の底部23aと、底部23aの外周部から貫通孔14の内周面に沿って延びる円筒状の延在部23bと、を有している。底部23aは、第1大径孔14aを閉塞する閉塞部231aと、第1雌ねじ孔14bに螺合する第1雄ねじ部232aと、を有している。延在部23bは、第1雄ねじ部232aの外周縁から第1中径孔14cに沿って延びている。第1プラグ23は、第1雄ねじ部232aが第1雌ねじ孔14bに螺合されることにより、弁ボディ12の貫通孔14に取り付けられている。
【0021】
延在部23bの内径は、小径孔14dの孔径と同じである。底部23aには、延在部23bの内側と連通する円孔状の凹部23cが形成されている。凹部23cの内径は、延在部23bの内径よりも小さい。延在部23bは、第1排出ポート18における貫通孔14への開口周囲を通過して、第1出力ポート16における貫通孔14への開口周囲まで延びている。延在部23bの内側は、貫通孔14に連通している。延在部23bにおける第1排出ポート18と対向する部分には、連通孔23dが形成されている。
【0022】
延在部23bの外周面には、貫通孔14の内周面における第1出力ポート16と第1排出ポート18との間の部分と延在部23bの外周面との間をシールする円環状の第1シール部材24aが装着されている。そして、第1シール部材24aによって、貫通孔14の内周面における第1出力ポート16と第1排出ポート18との間の部分と延在部23bの外周面との間を介した第1出力ポート16と第1排出ポート18との間の流体の洩れが規制されている。
【0023】
また、底部23aの外周面には、貫通孔14の内周面における第1排出ポート18よりも第1出力ポート16とは反対側の部分と底部23aの外周面との間をシールする円環状の第2シール部材24bが装着されている。そして、第2シール部材24bによって、貫通孔14の内周面における第1排出ポート18よりも第1出力ポート16とは反対側の部分と底部23aの外周面との間を介した第1排出ポート18からの流体の洩れが規制されている。
【0024】
延在部23bの先端面は、弁ボディ12の軸方向において第1段差面14hと対向している。延在部23bの先端面には、円環状の第1排出弁座25が突設されている。第1排出弁座25は、貫通孔14内に設けられるとともに第1供給弁座21と弁ボディ12の軸方向で対向配置されている。よって、第1プラグ23は、第1排出弁座25を有する第1弁座形成体である。第1排出弁座25の内径は、延在部23bの内径と同じであり、第1排出弁座25の内周面は、延在部23bの内周面と同一面上に位置している。よって、第1排出弁座25の内径は、第1供給弁座21の内径と同じである。貫通孔14における第1供給弁座21と第1排出弁座25との間には、第1弁室26が形成されている。よって、貫通孔14は、第1供給弁座21と第1排出弁座25との間に形成される第1弁室26を有している。
【0025】
弁ボディ12には、円筒状の第2プラグ33が取り付けられている。第2プラグ33は、円筒状の本体部33aと、本体部33aの外周部から貫通孔14の内周面に沿って延びる円筒状の延在部33bと、を有している。本体部33aは、第1大径孔14aに嵌め込まれる嵌込部331aと、第2雌ねじ孔14fに螺合する第2雄ねじ部332aと、を有している。延在部33bは、第2雄ねじ部332aの外周縁から第2中径孔14eに沿って延びている。第2プラグ33は、第2雄ねじ部332aが第2雌ねじ孔14fに螺合されることにより、弁ボディ12の貫通孔14に取り付けられている。
【0026】
延在部33bの内径は、小径孔14dの孔径と同じである。本体部33aには、延在部33bの内側と連通する円孔状のガイド孔33cと、ガイド孔33cにおける延在部33bとは反対側の端部に連通するとともにガイド孔33cよりも孔径が大きい大径孔33dと、が形成されている。延在部33bは、第2排出ポート19における貫通孔14への開口周囲を通過して、第2出力ポート17における貫通孔14への開口周囲まで延びている。延在部33bの内側は、貫通孔14に連通している。延在部33bにおける第2排出ポート19と対向する部分には、連通孔33eが形成されている。
【0027】
延在部33bの外周面には、貫通孔14の内周面における第2出力ポート17と第2排出ポート19との間の部分と延在部33bの外周面との間をシールする円環状の第1シール部材34aが装着されている。そして、第1シール部材34aによって、貫通孔14の内周面における第2出力ポート17と第2排出ポート19との間の部分と延在部33bの外周面との間を介した第2出力ポート17と第2排出ポート19との間の流体の洩れが規制されている。
【0028】
また、本体部33aの外周面には、貫通孔14の内周面における第2排出ポート19よりも第2出力ポート17とは反対側の部分と本体部33aの外周面との間をシールする円環状の第2シール部材34bが装着されている。そして、第2シール部材34bによって、貫通孔14の内周面における第2排出ポート19よりも第2出力ポート17とは反対側の部分と本体部33aの外周面との間を介した第2排出ポート19からの流体の洩れが規制されている。
【0029】
延在部33bの先端面は、弁ボディ12の軸方向において第2段差面14iと対向している。延在部33bの先端面には、円環状の第2排出弁座35が突設されている。第2排出弁座35は、貫通孔14内に設けられるとともに第2供給弁座22と弁ボディ12の軸方向で対向配置されている。よって、第2プラグ33は、第2排出弁座35を有する第2弁座形成体である。第2排出弁座35の内径は、延在部33bの内径と同じであり、第2排出弁座35の内周面は、延在部33bの内周面と同一面上に位置している。よって、第2排出弁座35の内径は、第2供給弁座22の内径と同じである。貫通孔14における第2供給弁座22と第2排出弁座35との間には、第2弁室36が形成されている。よって、貫通孔14は、第2供給弁座22と第2排出弁座35との間に形成される第2弁室36を有している。
【0030】
供給ポート15は、貫通孔14に対して、弁ボディ12の軸方向における第1供給弁座21と第2供給弁座22との間に位置する部分である小径孔14dに連通している。第1出力ポート16は、第1弁室26に連通している。第2出力ポート17は、第2弁室36に連通している。第1排出ポート18は、貫通孔14における第1弁室26よりも供給ポート15とは反対側の部分に連通している。第2排出ポート19は、貫通孔14における第2弁室36よりも供給ポート15とは反対側の部分に連通している。
【0031】
ポペット式切換弁10は、第1弁棒40及び第2弁棒50を有している。第1弁棒40及び第2弁棒50は金属製である。第1弁棒40は、第1弁体41を有している。第1弁体41は、第1弁室26に収容されている。第2弁棒50は、第2弁体51を有している。第2弁体51は、第2弁室36に収容されている。第1弁棒40と第2弁棒50とは、それぞれの軸線が一致した状態で互いに連結されるとともに貫通孔14内を弁ボディ12の軸方向に一体的に往復動可能である。
【0032】
第1弁棒40は、円柱状の軸部42と、軸部42の外周面から突出する円環状の大径部43と、を有している。軸部42は、小径孔14dから第1中径孔14c及び延在部23bの内側を通過して凹部23c内に入り込んでいる。軸部42の外径は、凹部23cの内径よりも僅かに小さい。凹部23cの内周面は、第1弁棒40及び第2弁棒50が一体的に弁ボディ12の軸方向に移動する際に、軸部42の外周面と摺接し、第1弁棒40における弁ボディ12の軸方向への移動をガイドするガイド面として機能する。
【0033】
第1弁体41は、ゴム製であるとともに円環状であり、大径部43の外周面を覆うように大径部43に装着されている。第1弁体41は、弁ボディ12の軸方向で第1供給弁座21及び第1排出弁座25の間に配置されている。第1弁体41は、第1供給弁座21及び第1排出弁座25に対して接離可能になっている。
【0034】
図3(a)及び図3(b)に示すように、大径部43は、円環状の段差部43aと、段差部43aの外周面から突出する環状のフランジ部43bと、を有している。フランジ部43bの外周面の一部分は、互いに平行に延びる平坦面状の一対の平面部43cになっている。
【0035】
図4(a)及び図4(b)に示すように、第1弁体41は、段差部43aの外周面、及びフランジ部43bにおける第1弁棒40の軸線方向の両側に位置する両端面、及びフランジ部43bにおける一対の平面部43cを除いた部位を覆っている。よって、第1弁棒40の一部である一対の平面部43cは、第1弁体41の外周面から露出している。一対の平面部43cは、第1弁体41の外周面から僅かに突出している。
【0036】
図2に示すように、軸部42には、第1弁棒40の軸線方向に貫通する挿通孔44を有している。挿通孔44には、雌ねじ孔45が形成されている。雌ねじ孔45は、挿通孔44における第1プラグ23の凹部23c側の端部に位置している。
【0037】
第2弁棒50は、円柱状のガイド部52と、ガイド部52の外径よりも大径である大径部53と、大径部53におけるガイド部52とは反対側に連続する円柱状の軸部54と、を有している。第2弁棒50は、第2プラグ33の大径孔33dからガイド孔33c、延在部33bの内側、第2中径孔14e、及び小径孔14dを通過して軸部54が第1弁棒40の挿通孔44に挿通されている。
【0038】
ガイド部52における大径部53とは反対側の端面には、回り止め用凹部52aが形成されている。回り止め用凹部52aは、例えば、すり割り溝である。ガイド部52の外径は、ガイド孔33cの内径よりも僅かに小さい。ガイド孔33cの内周面は、第1弁棒40及び第2弁棒50が一体的に弁ボディ12の軸方向に移動する際に、ガイド部52の外周面と摺接し、第2弁棒50における弁ボディ12の軸方向への移動をガイドするガイド面として機能する。よって、第1弁棒40及び第2弁棒50は、第1弁棒40が凹部23cに支持されるとともに第2弁棒50がガイド孔33cに支持されることにより、第1弁棒40及び第2弁棒50における軸線方向に対する傾きが規制された状態で弁ボディ12の軸方向に往復動可能になっている。
【0039】
第2弁体51は、ゴム製であるとともに円環状であり、大径部53の外周面を覆うように大径部53に装着されている。第2弁体51は、弁ボディ12の軸方向で第2供給弁座22及び第2排出弁座35の間に配置されている。第2弁体51は、第2供給弁座22及び第2排出弁座35に対して接離可能になっている。
【0040】
軸部54は、外周面に雄ねじ55が形成された挿通部56を有している。挿通部56は、軸部54における大径部53とは反対側の端部に位置している。雄ねじ55は、第1弁棒40の雌ねじ孔45に螺合している。したがって、雌ねじ孔45は、雄ねじ55に対して螺合される。挿通部56の先端部は、第1弁棒40における凹部23c側の端面40eよりも突出し、凹部23cの内側に位置している。
【0041】
軸部54と挿通孔44との間には、シール部50sが設けられている。シール部50sは、円環状のゴム製である。シール部50sは、軸部54の外周面に装着されている。そして、シール部50sによって、軸部54の外周面と挿通孔44の内周面との間を介した流体の洩れが規制されている。
【0042】
挿通部56の先端部の雄ねじ55には、締結部材であるナット57が螺合されている。ナット57は、凹部23c内に収容されている。ナット57は、第1弁棒40の端面40eに当接している。ナット57が第1弁棒40の端面40eに当接することにより、第1弁棒40の端面40eとナット57との間で互いに離間する方向へ作用する反力が発生する。これにより、雄ねじ55の螺子山と雌ねじ孔45の螺子山とが第1弁棒40及び第2弁棒50の軸線方向で互いに押し付けられるとともに、ナット57の螺子山と雄ねじ55の螺子山とが第1弁棒40及び第2弁棒50の軸線方向で互いに押し付けられる。そして、第1弁棒40と第2弁棒50との間でナット57を介した締結力が生じ、第1弁棒40と第2弁棒50とが互いに連結される。
【0043】
図5に示すように、ナット57の外周面は、互いに平行に延びる平坦面状の一対の直線部57aと、一対の直線部57aの一端部同士を繋ぐ円弧状の第1曲面部57bと、一対の直線部57aの他端部同士を繋ぐ円弧状の第2曲面部57cとから形成されている。
【0044】
図2に示すように、凹部23c内には、弁ばね58が収容されている。弁ばね58は、ナット57と凹部23cの底面との間に介在されている。弁ばね58は、第1弁体41が第1排出弁座25から離間するとともに第2弁体51が第2供給弁座22から離間する方向へ第1弁棒40及び第2弁棒50を付勢している。
【0045】
弁ボディ12には、第1排出ポート18と第2排出ポート19との間を連通する連通流路59が形成されている。連通流路59は、第1流路59a、第2流路59b、及び第3流路59cを有している。第1流路59aは、貫通孔14における第1排出ポート18と対向する部分に開口している。第2流路59bは、貫通孔14における第2排出ポート19と対向する部分に開口している。第3流路59cは、第1流路59aにおける貫通孔14とは反対側の端部と第2流路59bにおける貫通孔14とは反対側の端部とを繋いでいる。これにより、貫通孔14における第1弁室26よりも供給ポート15とは反対側の部分と、貫通孔14における第2弁室36よりも供給ポート15とは反対側の部分とが、連通流路59を介して連通している。よって、貫通孔14において、第1弁室26よりも供給ポート15とは反対側の部分と、第2弁室36よりも供給ポート15とは反対側の部分とは、同じ圧力になっている。
【0046】
図1に示すように、磁気カバー13は、底壁13aと、底壁13aの周縁部から延びる周壁13bと、を有している。周壁13bの軸線は、貫通孔14の軸心に一致している。底壁13aには、孔13cが形成されている。孔13cの軸心は、周壁13bの軸線に一致している。
【0047】
磁気カバー13には、磁性材製である磁気フレーム60が埋設されている。磁気フレーム60は、磁気カバー13の底壁13aの内面に沿って延びる板状の底部60aと、底部60aの周縁部から磁気カバー13の周壁13bに沿って延びる筒状の延在部60bと、を有している。磁気フレーム60は、延在部60bが磁気カバー13の周壁13bに埋め込まれることにより、磁気カバー13に一体化されている。延在部60bの内周面における先端側の部位は、磁気カバー13の周壁13bの内周面から露出している。底部60aには鉄心用雌ねじ孔60cが形成されている。鉄心用雌ねじ孔60cは、孔13cよりも内側に位置している。鉄心用雌ねじ孔60cの軸心は、孔13cの軸心に一致している。
【0048】
ポペット式切換弁10は、ソレノイド61を備えている。ソレノイド61は、コイル62、固定鉄心63、プランジャ64、及びプランジャばね65を有している。固定鉄心63及びプランジャ64は、磁性材製である。磁気カバー13内には、コイル62が巻回された筒状のボビン66が収容されている。ボビン66の軸線は、磁気カバー13の周壁13bの軸線に一致している。
【0049】
固定鉄心63は、磁気カバー13内に収容されている。固定鉄心63は、軸部63aと、軸部63aの端部から軸部63aの軸線方向に対して直交する方向に突出する環状のフランジ部63bと、を有している。軸部63aは、ボビン66の内側に対して磁気カバー13の底壁13a側から挿入されている。軸部63aの軸線方向の長さは、ボビン66の軸線方向の長さよりも短い。軸部63aにおけるフランジ部63bとは反対側の端面63eは平坦面状である。フランジ部63bの外周面には、鉄心用雌ねじ孔60cに螺合する鉄心雄ねじ63cが形成されている。そして、鉄心雄ねじ63cが鉄心用雌ねじ孔60cに螺合することにより、固定鉄心63が磁気フレーム60の底部60aに取り付けられている。
【0050】
プランジャ64は、ボビン66の内側から貫通孔14内に突出する柱状である。プランジャ64は、固定鉄心63よりも弁ボディ12側に位置している。プランジャ64の軸線は、固定鉄心63の軸部63aの軸線と一致している。プランジャ64における固定鉄心63側の端面64aは平坦面状である。プランジャ64の端面64aは、固定鉄心63の軸部63aの端面63eに面接触可能である。プランジャ64における固定鉄心63とは反対側の端面64bは、第2弁棒50に接離可能である。プランジャ64の外周面における固定鉄心63とは反対側の端部には、環状の鍔部64cが突出している。鍔部64cは、貫通孔14の内側に位置している。
【0051】
磁気フレーム60の先端側の内側には、筒状の磁性コア67が配置されている。磁性コア67は、プランジャ64の軸線方向において、ボビン66よりも弁ボディ12側に位置している。磁性コア67の外周面は、磁気フレーム60の延在部60bの内周面における先端側の部位に接触している。プランジャ64は、磁性コア67の内側を通過している。
【0052】
プランジャばね65は、磁性コア67とプランジャ64の鍔部64cとの間に介在されている。プランジャばね65の一端は、磁性コア67の端面に支持されるとともに、プランジャばね65の他端は、プランジャ64の鍔部64cに支持されている。プランジャばね65は、プランジャ64の端面64aが固定鉄心63の軸部63aの端面63eに対して離間する方向へプランジャ64を付勢している。プランジャばね65の付勢力は、弁ばね58の付勢力よりも大きい。
【0053】
図6に示すように、コイル62への通電が行われると、コイル62の起磁力が、プランジャ64を固定鉄心63に向けて吸着する方向に働き、コイル62の起磁力が、プランジャばね65の付勢力に抗して、プランジャ64の端面64aが固定鉄心63の軸部63aの端面63eに接近する方向へプランジャ64が移動する。よって、プランジャ64は、コイル62の励磁により移動する。
【0054】
さらに、プランジャ64は、プランジャ64の端面64aが固定鉄心63の軸部63aの端面63eに接近する方向へ移動して、プランジャ64の端面64aが固定鉄心63の軸部63aの端面63eに吸着される。よって、固定鉄心63の軸部63aの端面63eは、プランジャ64を吸着する吸着面である。
【0055】
図7に示すように、プランジャ64の移動に伴い、第1弁棒40及び第2弁棒50が、弁ばね58の付勢力によって、第1弁体41が第1排出弁座25から離間するとともに第2弁体51が第2供給弁座22から離間する方向へ移動し、第1弁体41が第1供給弁座21に着座するとともに第2弁体51が第2排出弁座35に着座する。これにより、小径孔14d及び第1弁室26を介した供給ポート15と第1出力ポート16との連通が遮断されるとともに第1出力ポート16と第1排出ポート18とが第1弁室26、延在部23bの内側、及び連通孔23dを介して連通する。また、供給ポート15と第2出力ポート17とが小径孔14d及び第2弁室36を介して連通するとともに第2弁室36、延在部33bの内側、及び連通孔33eを介した第2出力ポート17と第2排出ポート19との連通が遮断される。
【0056】
このとき、供給ポート15から供給される流体の圧力が、小径孔14dを介して第1弁体41及び第2弁体51にそれぞれ作用する。ここで、第1供給弁座21の内径と第2供給弁座22の内径とが同じであることから、第1弁体41における第1供給弁座21側の受圧面積と第2弁体51における第2供給弁座22側の受圧面積とが同じになっているため、小径孔14d側から第1弁体41及び第2弁体51がそれぞれに作用する流体の圧力が相殺される。また、第1排出弁座25の内径と第2排出弁座35の内径とが同じであることから、第1弁体41における第1排出弁座25側の受圧面積と第2弁体51における第2排出弁座35側の受圧面積とが同じになっている。そして、貫通孔14において、第1弁室26よりも供給ポート15とは反対側の部分と、第2弁室36よりも供給ポート15とは反対側の部分とは、同じ圧力になっている。このため、第1排出弁座25の内側から第1弁体41に作用する流体の圧力と第2排出弁座35の内側から第2弁体51に作用する流体の圧力とが相殺される。これにより、第1弁体41を第1供給弁座21に着座させるとともに第2弁体51を第2排出弁座35に着座させるための弁ばね58の付勢力を小さく設定することが可能になっている。
【0057】
図1及び図2に示すように、コイル62への通電が停止されると、コイル62の起磁力が消滅し、プランジャ64が、プランジャばね65の付勢力によってプランジャ64の端面64aが固定鉄心63の軸部63aの端面63eから離間する方向へ移動し、弁ばね58の付勢力に抗して第1弁棒40及び第2弁棒50を押圧する。そして、第1弁棒40及び第2弁棒50が、第1弁体41が第1供給弁座21から離間するとともに第2弁体51が第2排出弁座35から離間する方向へ移動し、第1弁体41が第1排出弁座25に着座するとともに第2弁体51が第2供給弁座22に着座する。これにより、供給ポート15と第1出力ポート16とが小径孔14d及び第1弁室26を介して連通するとともに第1弁室26、延在部23bの内側、及び連通孔23dを介した第1出力ポート16と第1排出ポート18との連通が遮断される。また、小径孔14d及び第2弁室36を介した供給ポート15と第2出力ポート17との連通が遮断されるとともに第2出力ポート17と第2排出ポート19とが第2弁室36、延在部33bの内側、及び連通孔33eを介して連通する。
【0058】
このとき、小径孔14d側から第1弁体41及び第2弁体51がそれぞれに作用する流体の圧力が相殺されるとともに、第1排出弁座25の内側から第1弁体41に作用する流体の圧力と第2排出弁座35の内側から第2弁体51に作用する流体の圧力とが相殺される。これにより、第1弁体41を第1排出弁座25に着座させるとともに第2弁体51を第2供給弁座22に着座させるためのプランジャばね65の付勢力を小さく設定することが可能になっている。
【0059】
このように、ポペット式切換弁10においては、第1弁体41における第1供給弁座21に対する接離、及び第2弁体51における第2供給弁座22に対する接離が行われることにより流路が切り換えられる。
【0060】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図8(a)に示すように、ポペット式切換弁10の組付手順としては、まず、第2弁棒50を、弁ボディ12の第2端面122側の開口から貫通孔14に挿入し、第2弁棒50を貫通孔14内に配置する。次に、第2プラグ33の第2雄ねじ部332aを第2雌ねじ孔14fに螺合することにより、第2プラグ33を弁ボディ12に取り付ける。このとき、第2弁棒50は、ガイド孔33cに支持されている。
【0061】
続いて、第2弁棒50の回り止め用凹部52aに回り止め用治具71を挿入する。回り止め用治具71は、本体部71aと、本体部71aから突出する平板状の挿入部71bと、本体部71aにおける挿入部71bとは反対側に設けられる付勢ばね71cと、を有している。付勢ばね71cの付勢力は、弁ばね58の付勢力よりも大きく設定されている。そして、回り止め用治具71は、挿入部71bが回り止め用凹部52aに挿入された状態で、付勢ばね71cの付勢力によって、第2弁体51が第2供給弁座22に接近する方向へ第2弁棒50を付勢している。第2弁棒50は、第2弁体51が第2供給弁座22に着座した状態で、回り止め用治具71によって回り止めされた状態になっている。
【0062】
続いて、第1弁棒40の挿通孔44に対して第2弁棒50の軸部54が挿通されるように、第1弁棒40を貫通孔14内に配置する。そして、調整用治具72を用いて、第2弁棒50の雄ねじ55に対して第1弁棒40の雌ねじ孔45を螺進させる。
【0063】
調整用治具72は、円筒状の本体部72aと、本体部72aの軸方向の一端面72bから突出する板状の一対の接触部72cと、を有している。本体部72aは、シール装着孔72d、ガイド孔72e、及び貫挿孔72fを有している。シール装着孔72d、ガイド孔72e、及び貫挿孔72fは、本体部72aの一端面72bから本体部72aの軸方向の他端面72gにかけてこの順に本体部72aに形成されている。シール装着孔72d、ガイド孔72e、及び貫挿孔72fは、円孔状である。
【0064】
シール装着孔72dは、本体部72aの一端面72bに開口している。貫挿孔72fは、本体部72aの他端面72gに開口している。ガイド孔72eの一端はシール装着孔72dに連通するとともに、ガイド孔72eの他端は貫挿孔72fに連通している。シール装着孔72dの孔径は、ガイド孔72eの孔径及び貫挿孔72fの孔径よりも大きい。ガイド孔72eの孔径は、貫挿孔72fの孔径よりも小さい。ガイド孔72eの孔径は、軸部42の外径よりも僅かに大きい。つまり、ガイド孔72eの孔径は、第1プラグ23の凹部23cの孔径と同じである。そして、ガイド孔72eの内周面は、雄ねじ55に対して雌ねじ孔45を螺進退させて第1弁棒40を第2弁棒50に対して軸線方向へ相対移動させる際に、軸部42の外周面と摺接し、第2弁棒50に対する第1弁棒40の軸線方向への移動をガイドするガイド面として機能する。
【0065】
シール装着孔72dの内周面には、環状のシール部材72hが装着されている。シール部材72hは、軸部42の外周面とシール装着孔72dの外周面との間をシールする。また、本体部72aの外周面には、環状のシール部材72iが装着されている。シール部材72iは、本体部72aの外周面と貫通孔14の内周面との間をシールする。
【0066】
図8(b)に示すように、一対の接触部72cは、互いに平行に延びる平坦面状の接触面72kを有している。両接触面72kは、本体部72aの軸方向に対して直交する方向において互いに向き合っている。
【0067】
図9(a)及び図9(b)に示すように、一対の接触部72cの接触面72k同士の幅は、第1弁棒40の大径部43における一対の平面部43c同士の幅よりも僅かに大きくなっている。一対の接触部72cの接触面72kは、第1弁棒40の大径部43における一対の平面部43cにそれぞれ面接触する。
【0068】
そして、一対の接触部72cの接触面72kを、一対の平面部43cにそれぞれ面接触させた状態で調整用治具72を回転させると、調整用治具72と共に第1弁棒40が回転する。このとき、第2弁棒50は、回り止め用治具71によって回り止めされた状態になっているため、雄ねじ55に対して雌ねじ孔45が螺進退可能である。よって、一対の平面部43cは、雄ねじ55に対して雌ねじ孔45を螺進退させて第1弁棒40を第2弁棒50に対して軸線方向へ相対移動させる際に第1弁棒40を回転させるために用いられる治具である調整用治具72と係合する係合部として機能する。したがって、第1弁棒40は、係合部を有している。
【0069】
調整用治具72を正方向へ回転させると、調整用治具72と共に第1弁棒40が正方向へ回転し、雄ねじ55に対して雌ねじ孔45が螺進する。そして、雄ねじ55に対して雌ねじ孔45が螺進して、第1弁体41が第1供給弁座21に着座するまで調整用治具72を回転させる。
【0070】
続いて、第1弁体41が第1供給弁座21に着座している状態において、供給ポート15から流体を供給する。そして、供給ポート15から流体が供給されている状態において、調整用治具72を逆方向へ回転させて、調整用治具72と共に第1弁棒40を逆方向へ回転させ、雄ねじ55に対して雌ねじ孔45が螺退させる。これにより、第1弁棒40が第2弁棒50に対して移動して、第1弁体41が第1供給弁座21から徐々に離間していく。
【0071】
第1弁体41が第1供給弁座21から離間していくにつれて、供給ポート15から小径孔14d及び第1弁室26を介して第1出力ポート16に出力される流体の流量が増大していく。そして、例えば、第1出力ポート16に出力される流体の流量を検出する図示しない流量センサを用いて、第1出力ポート16に出力される流体の流量を検出し、第1出力ポート16に出力される流体の流量が、予め設定されている流量に達すると、調整用治具72の回転を停止させる。これにより、第1弁体41のストロークが予め設定されているストロークに調整される。
【0072】
図10(a)及び図10(b)に示すように、締結用治具73を用いて、ナット57を雄ねじ55に螺合する。締結用治具73は、調整用治具72の貫挿孔72fに挿し込まれる円柱状の挿込部73aと、挿込部73aに連続するとともに締結用治具73を回転操作する操作部73bと、を有している。挿込部73aの軸方向の長さは、貫挿孔72fの軸方向の長さ以上に設定されている。挿込部73aの外径は、貫挿孔72fの内径と同じである。
【0073】
挿込部73aにおける操作部73bとは反対側の端面には、ナット57を収容する収容凹部73cが形成されている。図10(b)に示すように、収容凹部73cの内周面は、ナット57の一対の直線部57aに沿って延びる一対の接触面73dと、ナット57の第1曲面部57bに沿って延びる第1曲面73eと、ナット57の第2曲面部57cに沿って延びる第2曲面73fと、を有している。一対の接触面73dは、一対の直線部57aにそれぞれ面接触する。第1曲面73eは、第1曲面部57bに面接触する。第2曲面73fは、第2曲面部57cに面接触する。これにより、操作部73bが回転操作されて、締結用治具73が回転すると、ナット57が締結用治具73に対して回り止めされた状態で、締結用治具73と共に回転可能になっている。
【0074】
図11に示すように、挿込部73aを貫挿孔72fに挿し込むとともに、締結用治具73を回転させることにより、ナット57を雄ねじ55に対して螺進させ、ナット57を第1弁棒40の端面40eに当接させる。このとき、調整用治具72の一対の接触部72cの接触面72kが、一対の平面部43cにそれぞれ面接触しているため、第1弁棒40が調整用治具72によって回り止めされている。よって、一対の平面部43cは、ナット57を雄ねじ55に螺合する際に、調整用治具72と係合して第1弁棒40の回転を規制する回り止め部としても機能している。したがって、第1弁棒40は、回り止め部を有している。
【0075】
そして、ナット57が第1弁棒40の端面40eに当接することにより、第1弁棒40と第2弁棒50とが互いに連結され、第1弁棒40における第2弁棒50に対する軸線方向への相対移動が規制される。したがって、ポペット式切換弁10は、調整用治具72を用いた第1弁棒40における第2弁棒50に対する軸線方向への相対移動が行われた後に、第1弁棒40における第2弁棒50に対する軸線方向への相対移動を規制する規制部として機能するナット57を備えている。
【0076】
これにより、第1弁体41のストロークが予め設定されているストロークに調整された状態で、第1弁棒40と第2弁棒50とが互いに連結される。そして、挿込部73aを貫挿孔72fから引き抜くとともに、調整用治具72を貫通孔14から引き抜き、弁ばね58を凹部23c内に収容した状態で、第1プラグ23の第1雄ねじ部232aを第1雌ねじ孔14bに螺合する。このとき、第1排出弁座25が第1弁体41に当接するまで、第1雄ねじ部232aを第1雌ねじ孔14bに対して螺進させる。
【0077】
そして、回り止め用治具71の挿入部71bを回り止め用凹部52aから引き抜く。これにより、第1弁棒40及び第2弁棒50が、弁ばね58の付勢力によって、第1弁体41が第1排出弁座25から離間するとともに第2弁体51が第2供給弁座22から離間する方向へ移動する。そして、第1出力ポート16に出力される流体の流量が零になるまで、すなわち、第1弁体41が第1供給弁座21に着座するまで、第1弁棒40及び第2弁棒50を移動させ、最後に、第2排出弁座35が第2弁体51に当接するように、第2プラグ33の位置を微調整する。これにより、第2弁体51のストロークが予め設定されているストロークに調整される。
【0078】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)第1弁棒40は、雄ねじ55に対して雌ねじ孔45を螺進退させて第1弁棒40を第2弁棒50に対して軸線方向へ相対移動させる際に調整用治具72と係合する一対の平面部43cを有している。そして、調整用治具72を用いた第1弁棒40における第2弁棒50に対する軸線方向への相対移動が行われて、第1弁体41及び第2弁体51のストロークを予め設定されているストロークに調整した後に、ナット57によって、第1弁棒40における第2弁棒50に対する軸線方向への相対移動を規制する。ポペット式切換弁10において、例えば、第1供給弁座21や第2供給弁座22における弁ボディ12の軸方向の寸法公差や、第1弁棒40や第2弁棒50の軸線方向の寸法公差が生じる等して、これらの寸法公差が積み重なったとしても、第1弁体41及び第2弁体51のストロークを予め設定されているストロークに調整することができる。よって、寸法公差が積み重なって、第1弁体41及び第2弁体51のストロークの公差が大きくなってしまうことを回避することができ、流体の流量のバラツキを抑制するとともにプランジャ64を移動させるためのコイル62への電力を低減することができる。
【0079】
(2)調整用治具72を用いた第1弁棒40における第2弁棒50に対する軸線方向への相対移動が行われた後に、第1弁棒40における第2弁棒50に対する軸線方向への相対移動を規制する規制部として、締結部材であるナット57を用いた。これによれば、例えば、規制部として、第1弁棒40の挿通孔44と第2弁棒50との間を接着する接着剤を用いる場合に比べると、第1弁棒40と第2弁棒50との組み付けを容易に行うことができる。そして、第2弁棒50と挿通孔44との間にシール部50sが設けられているため、規制部としてナット57を用いた場合に、第2弁棒50と挿通孔44との間から流体が洩れてしまうことをシール部50sによって抑制することができる。さらに、第1弁棒40は、ナット57を雄ねじ55に螺合する際に、調整用治具72と係合して第1弁棒40の回転を規制する回り止め部として機能する一対の平面部43cを有している。よって、ナット57を雄ねじ55に螺合する際に、第1弁棒40がナット57と共に連れ回りしてしまうことを回避できる。
【0080】
(3)雄ねじ55に対して雌ねじ孔45を螺進退させて第1弁棒40を第2弁棒50に対して軸線方向へ相対移動させる際に調整用治具72と係合する係合部として機能する一対の平面部43cは、ナット57を雄ねじ55に螺合する際に、調整用治具72と係合して第1弁棒40の回転を規制する回り止め部としても機能している。これによれば、第1弁棒40に、係合部として機能する部分と回り止め部として機能する部分とを分けて設ける場合に比べると、第1弁棒40の構成を簡素化することができる。
【0081】
(4)第1弁体41から露出した一対の平面部43cを、調整用治具72と係合する係合部として機能させた。これによれば、例えば、弾性変形可能なゴム製である第1弁体41に、調整用治具72と係合する係合部を設けて、調整用治具72と係合部とを係合させる場合に比べると、調整用治具72との係合状態を安定させることができる。
【0082】
(5)ナット57が第1弁棒40の端面40eに当接することにより、第1弁棒40の端面40eとナット57との間で互いに離間する方向へ作用する反力が発生する。これにより、雄ねじ55の螺子山と雌ねじ孔45の螺子山とが第1弁棒40及び第2弁棒50の軸線方向で互いに押し付けられるとともに、ナット57の螺子山と雄ねじ55の螺子山とが第1弁棒40及び第2弁棒50の軸線方向で互いに押し付けられる。そして、第1弁棒40と第2弁棒50との間でナット57を介した締結力が生じ、第1弁棒40と第2弁棒50とが互いに連結される。これによれば、第1弁棒40と第2弁棒50とは、雄ねじ55と雌ねじ孔45との間に、第1弁棒40及び第2弁棒50の移動方向にバックラッシュが無い状態で連結されるため、第1弁棒40と第2弁棒50との連結を強固なものとすることができる。
【0083】
(6)第1弁体41及び第2弁体51のストロークを予め設定されているストロークに調整することができるため、例えば、第1供給弁座21や第2供給弁座22における弁ボディ12の軸方向の寸法公差や、第1弁棒40や第2弁棒50の軸線方向の寸法公差等を厳しく管理する必要が無く、製造コストを削減することができる。
【0084】
(7)第1弁体41及び第2弁体51のストロークを調整することで、流体の流量を調整することができるため、流体の流量の異なるポペット式切換弁10を別途製造する必要が無く、製造コストを削減することができる。
【0085】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
図12に示すように、規制部として、雌ねじ孔45に螺合し、第2弁棒50の端面である挿通部56の先端面56eに当接する締結部材である止めねじ80を用いてもよい。この場合、第1弁棒40の端面40eは、挿通部56の先端面56eよりも突出している。一対の平面部43cは、止めねじ80を雌ねじ孔45に螺合する際に、調整用治具72と係合して第1弁棒40の回転を規制する。
【0086】
・ 実施形態において、第1弁体41のストロークを調整する際には、第1弁体41を第1供給弁座21に着座させた状態で、供給ポート15から流体を供給し、調整用治具72を逆方向へ回転させ、第1弁体41を第1供給弁座21から徐々に離間させるようにしたが、これに限らない。例えば、第1弁体41のストロークを調整する際には、第1弁体41が第1供給弁座21から離間した状態で、供給ポート15から流体を供給し、調整用治具72を正方向へ回転させ、第1弁体41を第1供給弁座21へ徐々に接近させるようにしてもよい。第1弁体41が第1供給弁座21に接近していくにつれて、供給ポート15から小径孔14d及び第1弁室26を介して第1出力ポート16に出力される流体の流量が減少していく。そして、第1出力ポート16に出力される流体の流量が、予め設定されている流量に達すると、調整用治具72の回転を停止させる。これにより、第1弁体41のストロークが予め設定されているストロークに調整される。
【0087】
・ 実施形態において、規制部としてナット57を用いずに、例えば、第1弁棒40の挿通孔44と第2弁棒50との間を接着する接着剤を規制部として用いてもよい。この場合、接着剤は、第2弁棒50と挿通孔44との間をシールするシール部としても機能するため、第2弁棒50と挿通孔44との間にシール部50sを設けなくてもよく、部品点数を削減することができる。
【0088】
・ 実施形態において、一対の平面部43cが、例えば、ナット57を雄ねじ55に螺合する際に、調整用治具72と係合して第1弁棒40の回転を規制する回り止め部として機能しなくてもよい。要は、第1弁棒40に、係合部として機能する部分と回り止め部として機能する部分とを分けて設けてもよい。
【0089】
・ 実施形態において、例えば、第1弁体41に、調整用治具72と係合する係合部を設けて、調整用治具72と係合部とを係合させるようにしてもよい。
・ 実施形態において、第1弁棒40に、係合部として、複数の凹部又は複数の凸部を設けてもよい。そして、第1弁棒40の複数の凹部又は複数の凸部は、調整用治具72に設けられる複数の凸部又は複数の凹部が嵌め込まれることにより調整用治具72と係合されるようにしてもよい。また、第1弁棒40に設けられる複数の凹部又は複数の凸部が回り止め部としても機能してもよい。要は、係合部及び回り止め部の構成は適宜変更してもよい。
【0090】
・ 実施形態において、回り止め用凹部52aが多角形孔状であってもよい。この場合、回り止め用凹部52aに挿入される回り止め用治具71の挿入部71bは、多角形柱状であるとよい。
【0091】
・ 実施形態において、第1供給弁座21の内径と第2供給弁座22の内径とが異なっていてもよい。
・ 実施形態において、第1排出弁座25の内径と第2排出弁座35の内径とが異なっていてもよい。
【0092】
・ 実施形態において、弁ボディ12に連通流路59が形成されていなくてもよく、貫通孔14において、第1弁室26よりも供給ポート15とは反対側の部分と、第2弁室36よりも供給ポート15とは反対側の部分とが、同じ圧力になっていなくてもよい。
【0093】
・ 実施形態において、第1排出ポート18と第2排出ポート19とが弁ボディ12に形成される通路によって連通していてもよい。この場合、第1排出ポート18及び第2排出ポート19の一方における貫通孔14とは反対側の端部が、弁ボディ12の外面に開口していなくてもよい。
【0094】
・ 実施形態において、ポペット式切換弁10は、例えば、供給ポート、出力ポート、排出ポートが一つずつ弁ボディ12に形成された3ポート切換弁であってもよい。
【符号の説明】
【0095】
10…ポペット式切換弁、12…弁ボディ、14…貫通孔、21…第1弁座としての第1供給弁座、22…第2弁座としての第2供給弁座、40…第1弁棒、41…第1弁体、43c…係合部及び回り止め部として機能する平面部、44…挿通孔、45…雌ねじ孔、50…第2弁棒、50s…シール部、51…第2弁体、55…雄ねじ、56…挿通部、57…規制部として機能する締結部材であるナット、61…ソレノイド、62…コイル、64…プランジャ、72…治具である調整用治具、80…規制部として機能する締結部材である止めねじ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13