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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-148368(P2019-148368A)
(43)【公開日】2019年9月5日
(54)【発明の名称】保炎器及びボイラ用燃焼バーナ
(51)【国際特許分類】
   F23D 11/24 20060101AFI20190809BHJP
   F23D 14/26 20060101ALI20190809BHJP
   F23D 14/24 20060101ALI20190809BHJP
   F23D 1/00 20060101ALI20190809BHJP
【FI】
   F23D11/24 A
   F23D14/26
   F23D14/24 C
   F23D1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-32754(P2018-32754)
(22)【出願日】2018年2月27日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】関口 慎一
(72)【発明者】
【氏名】中村 龍司
【テーマコード(参考)】
3K019
3K055
3K065
【Fターム(参考)】
3K019AA02
3K055AA07
3K055AA10
3K055BC02
3K055BC05
3K065QB07
3K065QB12
(57)【要約】
【課題】ボイラ火炉における燃焼により生じて保炎器に付着した燃焼灰などの付着物を除去可能であり、付着物による保炎器の腐食を抑制することができる保炎器及びボイラ用燃焼バーナを提供する。
【解決手段】ボイラ火炉の燃焼空間において燃焼する燃焼火炎を保炎するように構成されている保炎部材を含み、保炎部材は、少なくとも一つの入口開口と、燃焼空間側に形成される少なくとも一つの出口開口と、少なくとも一つの入口開口及び少なくとも一つの出口開口に連通する少なくとも一つの内部流路と、を含む。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラ火炉の炉内に画定される燃焼空間において燃焼する燃焼火炎を保炎するように構成されている保炎部材を含み、
前記保炎部材は、少なくとも一つの入口開口と、前記燃焼空間側に形成される少なくとも一つの出口開口と、前記少なくとも一つの入口開口及び前記少なくとも一つの出口開口に連通する少なくとも一つの内部流路と、を含む保炎器。
【請求項2】
前記少なくとも一つの出口開口は、前記保炎器の周方向に互いに間隔を開けて形成される複数の出口開口を含む請求項1に記載の保炎器。
【請求項3】
前記保炎部材は、
前記燃焼空間に燃料を供給する燃料噴射装置が挿入可能に構成されている内筒と、
前記内筒の前記燃焼空間側の縁部より前記燃焼空間側に向かって径方向に延在する環状のディフューザ板と、を含み、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記内部流路を流れる流体が前記出口開口から前記ディフューザ板の前記燃焼空間側の面に向かって噴出するような位置に形成される請求項1又は2に記載の保炎器。
【請求項4】
前記ディフューザ板は、前記内筒に接続される縁部とは反対側の縁部より前記燃焼空間側に向かって延在する膨出部を含み、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記膨出部に形成され、且つ、前記保炎器の軸線方向に沿った断面において、前記ディフューザ板の延在方向に沿った軸線を有する請求項3に記載の保炎器。
【請求項5】
前記少なくとも一つの出口開口は、前記ディフューザ板の前記燃焼空間側の面に、前記保炎器の径方向に互いに間隔を開けて形成される複数の出口開口を含む請求項3に記載の保炎器。
【請求項6】
前記少なくとも一つの出口開口は、前記ディフューザ板の前記燃焼空間側の面に形成され、且つ、前記保炎器の軸線方向に交差する方向に沿って延在する請求項3に記載の保炎器。
【請求項7】
前記保炎部材は、
前記燃焼空間に燃料を供給する燃料噴射装置が挿入可能に構成されている内筒と、
前記内筒を囲むように配置されるとともに、前記内筒との間に燃料用気体を導入するための気体供給路を形成する外筒と、
前記内筒と前記外筒との間に周方向に間隔を開けて放射状に設けられた複数のスワラ羽根であって、前記複数のスワラ羽根の各々の前縁部がその後縁部に対して前記周方向の一方側に所定角度だけずれている複数のスワラ羽根と、を含み、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記内部流路を流れる流体が前記出口開口から前記スワラ羽根の少なくとも一つの前記燃焼空間側の面に向かって噴出するような位置に形成される請求項1又は2に記載の保炎器。
【請求項8】
前記少なくとも一つの出口開口は、前記外筒の内周面、又は前記内筒の外周面の少なくとも一方の、前記スワラ羽根の前記燃焼空間側の面よりも前記燃焼空間側の位置に形成される請求項7に記載の保炎器。
【請求項9】
前記少なくとも一つの出口開口は、少なくとも一つの前記スワラ羽根の前記燃焼空間側の面に形成される請求項7に記載の保炎器。
【請求項10】
前記少なくとも一つの出口開口は、前記保炎器の径方向に互いに間隔を開けて形成される複数の出口開口を含む請求項9に記載の保炎器。
【請求項11】
前記少なくとも一つの出口開口は、前記保炎器の軸線方向に交差する方向に沿って延在する請求項9に記載の保炎器。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載の保炎器と、
前記燃焼空間に燃料を供給可能に構成されている燃料噴射装置と、を備えるボイラ用燃焼バーナ。
【請求項13】
前記保炎器の前記少なくとも一つの入口開口に灰を軟化させる添加剤を含む流体を供給可能な流体供給装置をさらに備える請求項12に記載のボイラ用燃焼バーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ボイラ火炉の炉内に画定される燃焼空間において燃焼する燃焼火炎を保炎する保炎器、及び該保炎器を備えるボイラ用燃焼バーナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボイラ用燃焼バーナには、オイルガンの先端に設けられるアトマイザであって、オイルガンを介して供給される燃焼用燃料をボイラ火炉の内部に噴射して、ボイラ火炉の内部に燃焼火炎を形成するアトマイザと、アトマイザの外周周りに設けられる保炎器と、を備えるものがある(特許文献1)。特許文献1には、ボイラ火炉側に向かうにつれて径が大きくなる円錐状板を含む保炎器が開示されている。該円錐状板を含む保炎器は、円錐状板よりもボイラ火炉側に渦流を形成することで、燃焼火炎を安定的かつ連続的に着火させる(保炎する)ものである。また、保炎器には、燃焼火炎に送られる空気に旋回流を付与することで、燃焼火炎を保炎するスワラ羽根を含むものもある。
【0003】
ボイラ火炉の内部に生じた燃焼火炎の近くに位置する保炎器は、高温環境下にさらされるので、熱による酸化腐食が進行しやすい。このため、保炎器には、耐熱、耐食性を有する金属が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63−142520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オイルガンを介して供給される燃焼用燃料は硫黄(S分)を多く含む重油であり、燃焼用燃料を燃焼させることで生じた燃焼灰も硫黄を含んでいる。保炎器に燃焼灰が付着した状態が継続すると燃焼灰に含まれる硫黄により保炎器が腐食する虞がある。なお、オイルガンやオイルガンの先端に設けられるアトマイザにも燃焼灰は付着するが、オイルガンが抜き差し可能に構成されているので、燃焼灰の除去が容易である。一方、保炎器は、オイルガンとは異なり抜き差し可能に構成されておらず、保炎器に付着した燃焼灰の除去を行うためにボイラを停止させる必要がある。よって、従来の保炎器は、燃焼灰の除去が容易ではないという問題がある。
【0006】
上述した事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、ボイラ火炉における燃焼により生じて保炎器に付着した燃焼灰などの付着物を除去可能であり、付着物による保炎器の腐食を抑制することができる保炎器及びボイラ用燃焼バーナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の少なくとも一実施形態にかかる保炎器は、
ボイラ火炉の炉内に画定される燃焼空間において燃焼する燃焼火炎を保炎するように構成されている保炎部材を含み、
前記保炎部材は、少なくとも一つの入口開口と、前記燃焼空間側に形成される少なくとも一つの出口開口と、前記少なくとも一つの入口開口及び前記少なくとも一つの出口開口に連通する少なくとも一つの内部流路と、を含む。
【0008】
上記(1)の構成によれば、保炎器は、ボイラ火炉の燃焼空間において燃焼する燃焼火炎を保炎するように構成されている保炎部材を含んでいる。燃焼火炎を保炎する保炎部材を含む保炎器には、燃焼により生じた燃焼灰が付着する。燃焼灰は主に保炎部材の燃焼空間側に付着する。保炎部材は、入口開口と、燃焼空間側に形成される出口開口と、入口開口及び出口開口に連通する内部流路と、を含んでいるので、高圧蒸気などの流体を入口開口から内部流路に送り込み、該流体を燃焼空間側に形成される出口開口から噴出させることで、保炎器に付着した燃焼灰、特に保炎部材の燃焼空間側に付着した燃焼灰を除去することができる。燃焼灰には保炎器を腐食させる硫黄が含まれるため、保炎器から燃焼灰を除去することで、保炎器の腐食を抑制することができる。
【0009】
また、燃焼火炎を保炎する保炎部材に、燃焼灰を除去するための入口開口、出口開口及び内部流路が設けられているので、保炎器に燃焼灰を除去するための装置を新たに設ける必要がない。よって、上記の構成によれば、保炎器の大型化や複雑化を防止することができる。
【0010】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記保炎器の周方向に互いに間隔を開けて形成される複数の出口開口を含む。
上記(2)の構成によれば、複数の出口開口は、保炎器の周方向に互いに間隔を開けて形成されているので、保炎器の周方向における複数箇所に形成された出口開口から、内部流路を流れる流体を噴出させることができる。よって、上記の構成によれば、保炎器の周方向の広範囲にわたって保炎器から燃焼灰を除去することができる。
【0011】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記保炎部材は、
前記燃焼空間に燃料を供給する燃料噴射装置が挿入可能に構成されている内筒と、
前記内筒の前記燃焼空間側の縁部より前記燃焼空間側に向かって径方向に延在する環状のディフューザ板と、を含み、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記内部流路を流れる流体が前記出口開口から前記ディフューザ板の前記燃焼空間側の面に向かって噴出するような位置に形成される。
【0012】
上記(3)の構成によれば、保炎部材は、内筒と、内筒の燃焼空間側の縁部より燃焼空間側に向かって径方向に延在する環状のディフューザ板と、を含んでいる。上述した内筒とディフューザ板とを含む保炎部材では、燃焼灰は主にディフューザ板の燃焼空間側の面に付着する。少なくとも一つの出口開口は、内部流路を流れる流体が出口開口からディフューザ板の燃焼空間側の面に向かって噴出するような位置に形成されているので、内部流路を流れる流体を出口開口から噴出させることにより、ディフューザ板の燃焼空間側の面に付着した燃焼灰を除去することができる。
【0013】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記ディフューザ板は、前記内筒に接続される縁部とは反対側の縁部とは反対側の縁部より前記燃焼空間側に向かって延在する膨出部を含み、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記膨出部に形成され、且つ、前記保炎器の軸線方向に沿った断面において、前記ディフューザ板の延在方向に沿った軸線を有する。
【0014】
上記(4)の構成によれば、ディフューザ板の内筒に接続される縁部とは反対側の縁部より燃焼空間側に向かって延在する膨出部に少なくとも一つの出口開口が形成されている。該少なくとも一つの出口開口は、保炎器の軸線方向に沿った断面において、ディフューザ板の延在方向に沿った軸線を有している。このため、内部流路を流れる流体を、膨出部に形成された出口開口から、出口開口の軸線に沿ってディフューザ板の延在方向に噴出させることにより、ディフューザ板の燃焼空間側の面に付着した燃焼灰を除去することができる。
【0015】
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記ディフューザ板の前記燃焼空間側の面に、前記保炎器の径方向に互いに間隔を開けて形成される複数の出口開口を含む。
【0016】
上記(5)の構成によれば、複数の出口開口は、ディフューザ板の燃焼空間側の面に、保炎器の径方向に互いに間隔を開けて形成されているので、保炎器の径方向における複数箇所に形成された出口開口から、内部流路を流れる流体を噴出させることができる。よって、上記の構成によれば、保炎器の径方向の広範囲にわたって保炎器、特にディフューザ板の燃焼空間側の面から燃焼灰を除去することができる。
【0017】
(6)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記ディフューザ板の前記燃焼空間側の面に形成され、且つ、前記保炎器の軸線方向に交差する方向に沿って延在する。
【0018】
上記(6)の構成によれば、ディフューザ板の燃焼空間側の面に形成され、且つ、保炎器の軸線方向に交差する方向に沿って延在する少なくとも一つの出口開口から、内部流路を流れる流体を噴出させることができる。よって、上記の構成によれば、保炎器の径方向の広範囲にわたって保炎器、特にディフューザ板の燃焼空間側の面から燃焼灰を除去することができる。
【0019】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記保炎部材は、
前記燃焼空間に燃料を供給する燃料噴射装置が挿入可能に構成されている内筒と、
前記内筒を囲むように配置されるとともに、前記内筒との間に燃料用気体を導入するための気体供給路を形成する外筒と、
前記内筒と前記外筒との間に周方向に間隔を開けて放射状に設けられた複数のスワラ羽根であって、前記複数のスワラ羽根の各々の前縁部がその後縁部に対して前記周方向の一方側に所定角度だけずれている複数のスワラ羽根と、を含み、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記内部流路を流れる流体が前記出口開口から前記スワラ羽根の少なくとも一つの前記燃焼空間側の面に向かって噴出するような位置に形成される。
【0020】
上記(7)の構成によれば、保炎部材は、内筒と、内筒を囲むように配置される外筒と、内筒と外筒との間に周方向に間隔を開けて放射状に設けられた複数のスワラ羽根と、を含んでいる。上述した内筒と外筒と複数のスワラ羽根とを含む保炎部材では、燃焼灰は主にスワラ羽根の燃焼空間側の面に付着する。少なくとも一つの出口開口は、内部流路を流れる流体が出口開口からスワラ羽根の燃焼空間側の面に向かって噴出するような位置に形成されているので、内部流路を流れる流体を出口開口から噴出させることにより、スワラ羽根の燃焼空間側の面に付着した燃焼灰を除去することができる。
【0021】
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記外筒の内周面、又は前記内筒の外周面の少なくとも一方の、前記スワラ羽根の前記燃焼空間側の面よりも前記燃焼空間側の位置に形成される。
【0022】
上記(8)の構成によれば、内部流路を流れる流体を、外筒の内周面や内筒の外周面の、スワラ羽根の燃焼空間側の面よりも燃焼空間側の位置に形成された少なくとも一つの出口開口から噴出させることにより、スワラ羽根の燃焼空間側の面に付着した燃焼灰を除去することができる。
【0023】
(9)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記少なくとも一つの出口開口は、少なくとも一つの前記スワラ羽根の前記燃焼空間側の面に形成される。
【0024】
上記(9)の構成によれば、内部流路を流れる流体を、スワラ羽根の燃焼空間側の面に形成された少なくとも一つの出口開口から噴出させることにより、スワラ羽根の燃焼空間側の面に付着した燃焼灰を除去することができる。
【0025】
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記保炎器の径方向に互いに間隔を開けて形成される複数の出口開口を含む。
【0026】
上記(10)の構成によれば、複数の出口開口は、保炎器の径方向に互いに間隔を開けて形成されているので、保炎器の径方向における複数箇所に形成された出口開口から、内部流路を流れる流体を噴出させることができる。よって、上記の構成によれば、保炎器の径方向の広範囲にわたって保炎器、特にスワラ羽根の燃焼空間側の面から燃焼灰を除去することができる。
【0027】
(11)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記少なくとも一つの出口開口は、前記保炎器の軸線方向に交差する方向に沿って延在する。
【0028】
上記(11)の構成によれば、保炎器の軸線方向に交差する方向に沿って延在する少なくとも一つの出口開口から、内部流路を流れる流体を噴出させることができる。よって、上記の構成によれば、保炎器の径方向の広範囲にわたって保炎器、特にスワラ羽根の燃焼空間側の面から燃焼灰を除去することができる。
【0029】
(12)本発明の少なくとも一実施形態にかかるボイラ用燃焼バーナは、
上記(1)〜(11)に記載された保炎器と、
燃焼空間に燃料を供給可能に構成されている燃料噴射装置と、を備える。
【0030】
上記(12)の構成によれば、保炎器は、ボイラ火炉の燃焼空間において燃焼する燃焼火炎を保炎するように構成されている保炎部材を含んでいる。そして、燃料噴射装置は、燃焼空間に燃料を供給可能に構成されている。このため、保炎器及び燃料噴射装置により燃焼火炎を保炎することができる。また、保炎部材は、入口開口と、燃焼空間側に形成される出口開口と、入口開口及び出口開口に連通する内部流路と、を含んでいるので、保炎器に付着した燃焼灰、特に保炎部材の燃焼空間側に付着した燃焼灰を除去することができる。燃焼灰には保炎器を腐食させる硫黄が含まれるため、保炎器から燃焼灰を除去することで、保炎器の腐食を抑制することができる。
【0031】
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)の構成において、
前記保炎器の前記少なくとも一つの入口開口に灰を軟化させる添加剤を含む流体を供給可能な流体供給装置をさらに備える。
【0032】
上記(13)の構成によれば、ボイラ用燃焼バーナは、保炎器の少なくとも一つの入口開口に灰を軟化させる添加剤を含む流体を供給可能な流体供給装置を備えているので、流体供給装置により内部流路に供給された流体であって、灰を軟化させる添加剤を含む流体を出口開口から噴出させることにより、保炎器に付着した燃焼灰を効果的に除去可能である。
【発明の効果】
【0033】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、ボイラ火炉における燃焼により生じて保炎器に付着した燃焼灰などの付着物を除去可能であり、付着物による保炎器の腐食を抑制することができる保炎器及びボイラ用燃焼バーナを提供することにある
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施形態にかかるボイラ用燃焼バーナを備えるボイラ火炉の構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態にかかるボイラ用燃焼バーナの構成の一例を概略的に示す概略断面図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる保炎器を燃焼空間側から見た概略図である。
図4図3に示すA−A´線矢視の概略断面図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる保炎器を燃焼空間側から見た概略図である。
図6図5に示すB−B´線矢視の概略断面図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる保炎器を燃焼空間側から見た概略図である。
図8図7に示すC−C´線矢視の概略断面図である。
図9】本発明の一実施形態にかかる保炎器を燃焼空間側から見た概略図である。
図10図9に示すD−D´線矢視の概略断面図である。
図11図9に示すE方向視の概略図であって、外筒を省略して示すとともに外筒に形成される出口開口の位置を説明するために外筒に形成される内部流路の一部及び出口開口を併せて示す概略図である。
図12】本発明の一実施形態にかかる保炎器を燃焼空間側から見た概略図である。
図13図12に示すF方向視の概略図であって、外筒を省略して示す概略図である。
図14】本発明の一実施形態にかかる保炎器を燃焼空間側から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態にかかるボイラ用燃焼バーナを備えるボイラ火炉の構成の一例を概略的に示す概略構成図である。図1に示されるように、幾つかの実施形態にかかるボイラ用燃焼バーナ4は、鉛直方向に沿って延在する外周壁部を有する中空形状のボイラ火炉1であって、炉内に画定される燃焼空間2が設けられるボイラ火炉1の外周壁部に設置される。図1に示されるように、ボイラ用燃焼バーナ4は、ボイラ火炉1の外周に周方向に互いに間隔を開けて複数配置してもよいし、鉛直方向に複数段配置してもよい。ボイラ用燃焼バーナ4は、ボイラ火炉1の外周壁部に設けられた開口3を介して、ボイラ用燃焼バーナ4の先端が燃焼空間2に面しており、燃料と燃焼用空気(燃焼用気体)とを噴射してボイラ火炉1の燃焼空間2に火炎を生成し、燃料を燃焼させるものである。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態にかかるボイラ用燃焼バーナを概略的に示す概略断面図である。図2に示されるように、ボイラ用燃焼バーナ4は、オイルガン5(液体燃料バーナ、燃料噴射装置)と、オイルガン5の燃焼空間2側の先端に設けられるアトマイザ6と、オイルガン5の先端及びアトマイザ6が挿入可能な内筒12又は内筒22を有する保炎器10と、オイルガン5、アトマイザ6及び保炎器10を囲むように配置される風箱7と、保炎器10と風箱7との間に配置される空気ノズル8と、を備えている。
【0038】
オイルガン5は、図2に示されるように、筒状に形成されて内部に液体燃料が流れる燃料供給路51を有している。オイルガン5のアトマイザ6が設けられる側とは反対側の端部には、燃料供給路51に液体燃料を供給可能なポンプなどの燃料供給装置52に一端が接続された燃料供給管53の他端が接続されて、燃料供給装置52から重油などの液体燃料が送られる。液体燃料は、燃料供給路51を介してアトマイザ6に送られる。アトマイザ6は、燃料供給路51から送られた液体燃料を霧化して燃焼空間2に噴射する。液体燃料はアトマイザ6により噴射される際に微粒化して周囲の燃料用空気と混合して混合気を形成する。該混合気は、不図示の着火源により着火し、燃焼火炎を形成する。
【0039】
オイルガン5は、保炎器10に対して抜き差し可能に構成されている。保炎器10は、図2に示されるように、オイルガン5の先端及びアトマイザ6が挿入された際に、オイルガン5の先端及びアトマイザ6の外周を囲むような位置に配置されている。
【0040】
風箱7は、筒状に形成されており、オイルガン5との間に燃料用空気が流れる燃焼用空気供給路71が形成されている。風箱7は、少なくとも一つの燃焼用空気供給管72が接続されており、該燃焼用空気供給管72を介して、外部から燃焼用空気供給路71に燃焼用空気が送り込まれる。燃焼用空気供給路71に送り込まれた燃焼用空気は、燃焼空間2側に向かって流れる。燃焼用空気供給路71を流れる燃焼用空気の一部は、保炎器10を介して燃焼空間2に送り込まれる。燃焼用空気供給路71を流れる燃焼用空気の他の一部は、空気ノズル8を通って燃焼空間2に送り込まれる。
【0041】
図3図5及び図7の各々は、本発明の一実施形態にかかる保炎器を燃焼空間側から見た概略図である。図4は、図3に示すA−A´線矢視の概略断面図である。図6は、図5に示すB−B´線矢視の概略断面図である。図8は、図7に示すC−C´線矢視の概略断面図である。なお、図4、6及び8においては、説明の便宜上、内筒12、ディフューザ板14及びリブ15を二点鎖線で区切っているが、これらは一体的に形成されている。
【0042】
図3〜8に示される幾つかの実施形態にかかる保炎器10(保炎器10A〜10C)は、図3、5、7に示されるように、内筒12及びディフューザ板14を含む保炎部材11を含んでいる。保炎部材11は、燃焼空間2の、ディフューザ板14の燃焼空間側の面141に面する部分に、ディフューザ板14により空気の渦流V(図2参照)を形成することで、燃焼空間2において燃焼する燃焼火炎を保炎するように構成されている。
【0043】
より詳細には、内筒12は、図4、6、8に示されるように、保炎器10の軸線方向(軸線LAの延在方向、図4、6、8中左右方向)に沿って延在する筒状に形成されており、図2に示されるように、内筒12の内部に上述したオイルガン5が挿入可能に構成されている。ディフューザ板14は、図4、6、8に示されるように、内筒12の燃焼空間側の縁部121より燃焼空間2側に向かって径方向(軸線LAに対する径方向)に延在する環状に形成されている。換言すると、ディフューザ板14は、燃焼空間2側が燃焼空間2から離れた側よりも径が大きい円錐台の筒状に形成されている。
【0044】
保炎部材11は、図4、6、8に示されるように、少なくとも一つの入口開口16と、燃焼空間2側に形成される少なくとも一つの出口開口17と、少なくとも一つの入口開口16及び少なくとも一つの出口開口17に連通する少なくとも一つの内部流路18と、を含んでいる。ここで、保炎器10A〜10Cにおける「燃焼空間2側」とは、ディフューザ板14の燃焼空間側の面141又は該面141に連なる面や部分であり、且つ、内筒12の燃焼空間側の縁部121よりも燃焼空間2側をいう。
図4、6、8に示される実施形態では、入口開口16は、内筒12の燃焼空間側の縁部121とは反対側の縁部122に形成されている。出口開口17は、ディフューザ板14に形成されている。内部流路18は、内筒12及びディフューザ板14の内部に形成されている。他の実施形態では、入口開口16は、ディフューザ板14の燃焼空間側の面141とは反対側の面などに形成されてもよく、出口開口17は、内筒12の燃焼空間側の縁部121などに形成されてもよい。また、内部流路18は、内筒12又はディフューザ板14の何れか一方の内部に形成されていてもよい。
【0045】
図4に示されるように、入口開口16には、入口開口16に流体を供給可能なポンプなどの流体供給装置31に一端が接続された流体供給管32の他端が接続されて、流体供給装置31から高圧蒸気などの流体が送られる。流体供給装置31から入口開口16に送られた流体は、内部流路18を通り出口開口17から噴出する。
【0046】
上述したように、幾つかの実施形態にかかる保炎器10は、上述した入口開口16と出口開口17と内部流路18とを含む保炎部材11を含んでいる。
【0047】
上記の構成によれば、保炎器10は、ボイラ火炉1の燃焼空間2において燃焼する燃焼火炎を保炎するように構成されている保炎部材11を含んでいる。燃焼火炎を保炎する保炎部材11を含む保炎器10には、燃焼により生じた燃焼灰が付着する。燃焼灰は主に保炎部材11の燃焼空間2側に付着する。保炎部材11は、入口開口16と、燃焼空間2側に形成される出口開口17と、入口開口16及び出口開口17に連通する内部流路18と、を含んでいるので、高圧蒸気などの流体を入口開口16から内部流路18に送り込み、該流体を燃焼空間2側に形成される出口開口17から噴出させることで、保炎器10に付着した燃焼灰、特に保炎部材11の燃焼空間2側に付着した燃焼灰を除去することができる。燃焼灰には保炎器10を腐食させる硫黄が含まれるため、保炎器10から燃焼灰を除去することで、保炎器10の腐食を抑制することができる。
【0048】
また、燃焼火炎を保炎する保炎部材11に、燃焼灰を除去するための入口開口16、出口開口17及び内部流路18が設けられているので、保炎器10に燃焼灰を除去するための装置を新たに設ける必要がない。よって、上記の構成によれば、保炎器10の大型化や複雑化を防止することができる。
【0049】
幾つかの実施形態では、上述した保炎器10(保炎器10A〜10C)は、図4、6、8に示されるように、少なくとも一つのリブ15及び外筒13をさらに含んでいる。外筒13は、図4、6、8に示されるように、保炎器10の軸線方向に沿って延在する筒状に形成されている。外筒13は、内筒12よりも軸線方向の長さが短く形成されており、内筒12の燃焼空間側の縁部121の外周を囲むように配置されている。また、外筒13は、軸線方向においてディフューザ板14の外周縁部よりも燃焼空間2から離れた側に配置されている。
【0050】
リブ15は、図3、5、7に示されるように、内筒12の外周面より径方向に沿って延在する板状に形成されている。図3、5、7に示される実施形態では、リブ15は、周方向(軸線LAに対する周方向)に互いに間隔を開けて複数配置されている。また、リブ15は、図4、6、8に示されるように、内筒12、外筒13及びディフューザ板14に一体的に設けられている。
【0051】
保炎器10(保炎器10A〜10C)は、内筒12、外筒13及びリブ15により内筒12の外周面よりも外側に燃焼用空気(燃焼用気体)が通る燃焼用空気流路101(気体供給路)が形成されている。燃焼用空気は、保炎器10の外筒13よりも燃焼空間2から離れた側から燃焼用空気流路101に入り込む。燃焼用空気流路101は、リブ15により周方向において複数の区画に分割されているため、燃焼用空気流路101を流れる燃焼用空気はリブ15により整流される。
【0052】
幾つかの実施形態では、上述した保炎器10(保炎器10A〜10C)は、図4、6、8に示されるように、内筒12の燃焼空間側の縁部121と、ディフューザ板14の内筒12に接続される縁部である内周側縁部142と、の間には、内周側開口102が形成されている。燃焼用空気流路101を流れる燃焼用空気の一部は、内周側開口102を通り、ディフューザ板14の内周側を回り込んで燃焼空間2に流れ込み燃焼火炎を保炎する。ディフューザ板14の内周側から燃焼空間2に流れ込む燃焼用空気が燃焼に供されることで、燃焼火炎の着火(保炎)安定性が高まる。
【0053】
また、幾つかの実施形態では、上述した保炎器10(保炎器10A〜10C)は、図4、6、8に示されるように、ディフューザ板14の内周側縁部142とは反対側の縁部である外周側縁部143と、外筒13との間には、外周側開口103が形成されている。燃焼用空気流路101を流れる燃焼用空気の一部は、外周側開口103を通り、ディフューザ板14の外周側を回り込んで燃焼空間2に流れ込み燃焼火炎を保炎する。ディフューザ板14の外周側から燃焼空間2に流れ込む燃焼用空気は、燃焼空間側の面141よりも燃焼空間2側において渦流V(図2参照)を形成する。渦流Vが形成されることで、燃焼火炎の着火(保炎)安定性が高まる。
【0054】
幾つかの実施形態では、図3、5、7に示されるように、上述した少なくとも一つの出口開口17は、保炎器10の周方向に互いに間隔を開けて形成されている複数の出口開口17である。この場合には、複数の出口開口17は、保炎器10の周方向に互いに間隔を開けて形成されているので、保炎器10の周方向における複数箇所に形成された出口開口17から、内部流路18を流れる流体を噴出させることができる。よって、上記の構成によれば、保炎器10の周方向の広範囲にわたって保炎器10から燃焼灰を除去することができる。
【0055】
幾つかの実施形態では、上述した保炎部材11は、上述した内筒12と上述したディフューザ板14とを含んでいる。そして、上述した出口開口17は、図4、6、8に示されるように、内部流路18を流れる流体が出口開口17からディフューザ板14の燃焼空間側の面141に向かって噴出するような位置に形成されている。ここで、「ディフューザ板14の燃焼空間側の面141に向かって噴出する」とは、燃焼空間側の面141に対して直交する方向や交差する方向から噴出することだけでなく、燃焼空間側の面141に対して燃焼空間側の面141の面内方向に沿った方向から噴出することを含んでいる。
【0056】
上記の構成によれば、保炎部材11は、内筒12と、内筒12の燃焼空間側の縁部121より燃焼空間2側に向かって径方向に延在する環状のディフューザ板14と、を含んでいる。上述した内筒12とディフューザ板14とを含む保炎部材11では、燃焼灰は主にディフューザ板14の燃焼空間側の面141に付着する。少なくとも一つの出口開口17は、内部流路18を流れる流体が出口開口17からディフューザ板14の燃焼空間側の面141に向かって噴出するような位置に形成されているので、内部流路18を流れる流体を出口開口17から噴出させることにより、ディフューザ板14の燃焼空間側の面141に付着した燃焼灰を除去することができる。
【0057】
幾つかの実施形態では、上述した保炎器10は、図3、4に示されるような保炎器10Aである。図3、4に示されるように、保炎器10Aにおける上述したディフューザ板14は、内筒12に接続される縁部(内周側縁部142)とは反対側の縁部(外周側縁部143)より燃焼空間2側に向かって延在する膨出部144を含んでいる。上述した少なくとも一つの出口開口17は、膨出部144に形成され、且つ、保炎器10の軸線方向に沿った断面において、ディフューザ板14の延在方向に沿った軸線LEを有する出口開口17Aである。図4に示される実施形態では、出口開口17Aは、膨出部144の内周側に位置するとともにディフューザ板14の燃焼空間側の面141に直交する方向に沿って延在する面145であって、燃焼空間側の面141に連なる面145に形成されている。また、図4に示される実施形態では、内部流路18は、保炎器10の軸線方向に沿った断面において、出口開口17Aに連通する円弧状部181を有する内部流路18Aである。
【0058】
上記の構成によれば、ディフューザ板14の内筒12に接続される縁部(内周側縁部142)とは反対側の縁部(外周側縁部143)より燃焼空間2側に向かって延在する膨出部144に少なくとも一つの出口開口17Aが形成されている。少なくとも一つの出口開口17Aは、保炎器10の軸線方向に沿った断面において、ディフューザ板14の延在方向に沿った軸線LEを有している。このため、内部流路18を流れる流体を、膨出部144に形成された出口開口17Aから、出口開口17Aの軸線LEに沿ってディフューザ板14の延在方向に噴出させることにより、ディフューザ板14の燃焼空間側の面141に付着した燃焼灰を除去することができる。
【0059】
幾つかの実施形態では、上述した保炎器10は、図5、6に示されるような保炎器10Bである。図5、6に示されるように、保炎器10Bにおける上述した出口開口17は、ディフューザ板14の燃焼空間側の面141に形成される出口開口17Bである。出口開口17Bは、保炎器10の径方向に互いに間隔を開けて複数形成されている。図6に示される実施形態では、出口開口17Bは、ディフューザ板14の燃焼空間側の面141に出口開口17Bの軸線LEが直交しているが、他の実施形態では、出口開口17Bは、ディフューザ板14の燃焼空間側の面141に出口開口17Bの軸線LEが交差していてもよい。また、図6に示される実施形態では、内部流路18は、径方向に並んだ複数の出口開口17Bに連通される内部流路18Bである。この場合には、複数の出口開口17Bは、ディフューザ板14の燃焼空間側の面141に、保炎器10の径方向に互いに間隔を開けて形成されているので、保炎器10の径方向における複数箇所に形成された出口開口17Bから、内部流路18を流れる流体を噴出させることができる。よって、上記の構成によれば、保炎器10の径方向の広範囲にわたって保炎器10、特にディフューザ板14の燃焼空間側の面141から燃焼灰を除去することができる。
【0060】
幾つかの実施形態では、上述した保炎器10は、図7、8に示されるような保炎器10Cである。図7、8に示されるように、保炎器10Cにおける上述した出口開口17は、ディフューザ板14の燃焼空間側の面141に形成される出口開口17Cである。出口開口17Cは、保炎器10の軸線方向に交差する方向に沿って延在している。また、内部流路18は、出口開口17Cに連通する内部流路18Cである。図7に示される実施形態では、出口開口17Cは、径方向に沿って延在している。この場合には、ディフューザ板14の燃焼空間側の面141に形成され、且つ、保炎器10の軸線方向に交差する方向に沿って延在する少なくとも一つの出口開口17Cから、内部流路18を流れる流体を噴出させることができる。よって、上記の構成によれば、保炎器10の径方向の広範囲にわたって保炎器10、特にディフューザ板14の燃焼空間側の面141から燃焼灰を除去することができる。
【0061】
図9図12及び図14の各々は、本発明の一実施形態にかかる保炎器を燃焼空間側から見た概略図である。図10は、図9に示すD−D´線矢視の概略断面図である。図11は、図9に示すE方向視の概略図であって、外筒を省略して示すとともに外筒に形成される出口開口の位置を説明するために外筒に形成される内部流路の一部及び出口開口を併せて示す概略図である。図11においては、説明の便宜上、図中省略された外筒23に形成される内部流路28Aの一部及び出口開口27Aを二点鎖線により示している。図13は、図12に示すF方向視の概略図であって、外筒を省略して示す概略図である。なお、図10、11、13においては、説明の便宜上、一部のスワラ羽根を省略して示している。
【0062】
図9〜14に示される幾つかの実施形態にかかる保炎器10(保炎器20A〜20C)は、図9、12、14に示されるように、内筒22と外筒23と複数のスワラ羽根24とを含む保炎部材21を含んでいる。保炎部材21は、スワラ羽根24の燃焼空間側の面241よりも燃焼空間2側に、スワラ羽根24によりスワラ流(旋回流)を形成することで、燃焼空間2において燃焼する燃焼火炎を保炎するように構成されている。
【0063】
より詳細には、内筒22及び外筒23は、図10に示されるように、保炎器10の軸線方向に沿って延在する筒状に形成されている。内筒22は、図2に示される内筒12と同様に、内筒22の内部に上述したオイルガン5が挿入可能に構成されている。外筒23は、図10に示されるように、内筒22の外周を囲むように配置されており、内筒22との間に燃焼用空気(燃焼用気体)を導入するための燃焼用空気流路201(気体供給路)が形成されている。燃焼用空気は、軸線方向における燃焼空間2から離れた側から燃焼用空気流路201に送り込まれる。
【0064】
複数のスワラ羽根24は、図9、12、14に示されるように、内筒22と外筒23との間に周方向に間隔を開けて放射状に設けられている。複数のスワラ羽根24の各々は、図11、13に示されるように、前縁部242がその後縁部243に対して周方向の一方側に所定角度だけずれている。図9、12、14に示される実施形態では、複数のスワラ羽根24は、内筒22及び外筒23に一体的に設けられている。燃焼用空気流路201は、複数のスワラ羽根24により周方向において複数の区画に分割されているため、燃焼用空気流路201を流れて複数のスワラ羽根24間の隙間を通過する燃焼用空気は複数のスワラ羽根24によりスワラ流(旋回流)が形成される。該スワラ流は、燃焼空間2に流れ込み燃焼火炎を保炎するので、燃焼火炎の着火(保炎)安定性が高まる。
【0065】
保炎部材21は、図10、11、13に示されるように、少なくとも一つの入口開口26と、燃焼空間2側に形成される少なくとも一つの出口開口27と、少なくとも一つの入口開口26及び少なくとも一つの出口開口27に連通する少なくとも一つの内部流路28と、を含んでいる。ここで、保炎器20A〜20Cにおける「燃焼空間2側」とは、スワラ羽根24の燃焼空間側の面241又は該面241に連なる面や部分であり、且つ、軸線方向においてスワラ羽根24よりも燃焼空間2から離れた側を除くものである。図10、11、13に示される実施形態では、入口開口26は、内筒22の燃焼空間から離れた側の縁部222に形成されているが、他の実施形態では、入口開口26は、外筒23の内筒22の燃焼空間から離れた側の縁部232や、スワラ羽根の燃焼空間側の面241とは反対側の面244などに形成されてもよい。
【0066】
入口開口26は、図4に示される入口開口16と同様に、図10に示されるように、入口開口26に流体を供給可能なポンプなどの流体供給装置31に一端が接続された流体供給管32の他端が接続されて、流体供給装置31から高圧蒸気などの流体が送られる。流体供給装置31から入口開口26に送られた流体は、内部流路28を通り出口開口27から噴出する。
【0067】
上述したように、幾つかの実施形態にかかる保炎器10(保炎器20A〜20C)は、上述した入口開口16と出口開口17と内部流路18とを含む保炎部材11と同様の構成である、上述した入口開口26と出口開口27と内部流路28とを含む保炎部材21を含んでいる。この場合には、保炎部材21は、入口開口26と、燃焼空間2側に形成される出口開口27と、入口開口26及び出口開口27に連通する内部流路28と、を含んでいるので、保炎器10に付着した燃焼灰、特に保炎部材21の燃焼空間2側に付着した燃焼灰を除去することができ、且つ、保炎器10の腐食を抑制することができる。また、上記の構成によれば、保炎器10の大型化や複雑化を防止することができる。
【0068】
幾つかの実施形態では、図9、12、14に示されるように、上述した少なくとも一つの出口開口27は、保炎器10(保炎器20A〜20C)の周方向に互いに間隔を開けて形成されている複数の出口開口27である。この場合には、複数の出口開口27は、保炎器10の周方向に互いに間隔を開けて形成されているので、保炎器10の周方向における複数箇所に形成された出口開口27から、内部流路28を流れる流体を噴出させることができる。よって、上記の構成によれば、保炎器10の周方向の広範囲にわたって保炎器10から燃焼灰を除去することができる。
【0069】
幾つかの実施形態では、上述した保炎部材21は、上述した内筒22と上述した外筒23と上述したスワラ羽根24とを含んでいる。そして、上述した出口開口27は、図9〜14に示されるように、内部流路28を流れる流体が出口開口27からスワラ羽根24の少なくとも一つの燃焼空間側の面241に向かって噴出するような位置に形成されている。ここで、「スワラ羽根24の燃焼空間側の面241に向かって噴出する」とは、燃焼空間側の面241に対して直交する方向や交差する方向から噴出することだけでなく、燃焼空間側の面241に対して燃焼空間側の面241の面内方向に沿った方向から噴出することを含んでいる。
【0070】
上記の構成によれば、保炎部材21は、内筒22と、内筒22を囲むように配置される外筒23と、内筒22と外筒23との間に周方向に間隔を開けて放射状に設けられた複数のスワラ羽根24と、を含んでいる。上述した内筒22と外筒23と複数のスワラ羽根24とを含む保炎部材21では、燃焼灰は主にスワラ羽根24の燃焼空間側の面241に付着する。少なくとも一つの出口開口27は、内部流路28を流れる流体が出口開口27からスワラ羽根24の燃焼空間側の面241に向かって噴出するような位置に形成されているので、内部流路28を流れる流体を出口開口27から噴出させることにより、スワラ羽根24の燃焼空間側の面241に付着した燃焼灰を除去することができる。
【0071】
幾つかの実施形態では、上述した少なくとも一つの出口開口27は、外筒23の内周面231、又は内筒22の外周面221の少なくとも一方の、スワラ羽根24の燃焼空間側の面241よりも燃焼空間2側の位置に形成されている出口開口27Aである。図9〜11に示される実施形態では、上述した保炎器10は、図9〜11に示される保炎器20Aである。そして、保炎器20Aにおける上述した少なくとも一つの出口開口27は、外筒23の内周面231の、スワラ羽根24の燃焼空間側の面241よりも燃焼空間2側の位置に形成されている。また、図9〜11に示される実施形態では、内部流路28は、内筒22、外筒23、又はスワラ羽根24に形成されている内部流路28Aである。他の実施形態では、内部流路28は、内筒22及び外筒23の何れか一方のみに形成されていてもよい。また、図9〜11に示される実施形態では、出口開口27Aの軸線LEは、外筒23の内周面231に対して直交しているが、外筒23の内周面231に対して交差していてもよい。また、出口開口27Aの軸線LEは、スワラ羽根24の面内方向に沿っていてもよい。
【0072】
上記の構成によれば、内部流路28Aを流れる流体を、外筒23の内周面231や内筒22の外周面221の、スワラ羽根24の燃焼空間側の面241よりも燃焼空間2側の位置に形成された少なくとも一つの出口開口27Aから噴出させることにより、スワラ羽根24の燃焼空間側の面241に付着した燃焼灰を除去することができる。
【0073】
幾つかの実施形態では、上述した少なくとも一つの出口開口27は、図12〜14に示されるように、少なくとも一つのスワラ羽根24の燃焼空間側の面241に形成されている出口開口27(出口開口27B、27C)である。図12〜14に示される実施形態では、出口開口27Bや27Cは、一つのスワラ羽根24に対して複数形成されている。図13に示される実施形態では、出口開口27Bの軸線LEは、スワラ羽根24の燃焼空間側の面241に対して直交しているが、燃焼空間側の面241に対して交差していてもよい。出口開口27Cの軸線についても同様である。この場合には、内部流路28を流れる流体を、スワラ羽根24の燃焼空間側の面241に形成された少なくとも一つの出口開口27から噴出させることにより、スワラ羽根24の燃焼空間側の面241に付着した燃焼灰を除去することができる。
【0074】
幾つかの実施形態では、図12に示されるように、上述した少なくとも一つの出口開口27は、保炎器10(保炎器20B)の径方向に互いに間隔を開けて形成される複数の出口開口27Bを含んでいる。この場合には、複数の出口開口27は、保炎器10の径方向に互いに間隔を開けて形成されているので、保炎器10の径方向における複数箇所に形成された出口開口27から、内部流路28を流れる流体を噴出させることができる。よって、上記の構成によれば、保炎器10の径方向の広範囲にわたって保炎器10、特にスワラ羽根24の燃焼空間側の面241から燃焼灰を除去することができる。
【0075】
幾つかの実施形態では、上述した少なくとも一つの出口開口27は、図14に示されるように、保炎器10(保炎器20C)の軸線方向に交差する方向に沿って延在する。図14に示される実施形態では、出口開口27C(出口開口27)は、径方向に沿って延在している。この場合には、保炎器10の軸線方向に交差する方向に沿って延在する少なくとも一つの出口開口27から、内部流路28を流れる流体を噴出させることができる。よって、上記の構成によれば、保炎器10の径方向の広範囲にわたって保炎器10、特にスワラ羽根24の燃焼空間側の面から燃焼灰を除去することができる。
【0076】
幾つかの実施形態では、上述したボイラ用燃焼バーナ4は、図2に示されるように、上述した保炎器10と、上述したオイルガン5と、を備えている。この場合には、保炎器10は、ボイラ火炉1の燃焼空間2において燃焼する燃焼火炎を保炎するように構成されている保炎部材11、21を含んでいる。そして、オイルガン5は、燃焼空間2に燃料を供給可能に構成されている。このため、保炎器10及びオイルガン5により燃焼火炎を保炎することができる。また、保炎部材11、21は、入口開口16、26と、燃焼空間2側に形成される出口開口17、27と、入口開口16、26及び出口開口17、27に連通する内部流路18、28と、を含んでいるので、保炎器10に付着した燃焼灰、特に保炎部材11、21の燃焼空間2側に付着した燃焼灰を除去することができる。燃焼灰には保炎器10を腐食させる硫黄が含まれるため、保炎器10から燃焼灰を除去することで、保炎器10の腐食を抑制することができる。
【0077】
幾つかの実施形態では、上述したボイラ用燃焼バーナ4は、図4に示されるように、保炎器10の少なくとも一つの入口開口16、26に灰を軟化させる添加剤を含む流体を供給可能な上述した流体供給装置31をさらに備えている。この場合には、ボイラ用燃焼バーナ4は、保炎器10の少なくとも一つの入口開口16、26に灰を軟化させる添加剤を含む流体を供給可能な流体供給装置31を備えているので、流体供給装置31により内部流路18、28に供給された流体であって、灰を軟化させる添加剤を含む流体を出口開口17、27から噴出させることにより、保炎器10、20に付着した燃焼灰を効果的に除去可能である。
【0078】
上述した幾つかの実施形態では、図4、10に示されるように、流体供給管32の途中に調節弁33(流体流量制御装置)が設けられる。調節弁33は、内部流路18や28に供給される流体の流量を調整可能に構成されている。この場合には、ボイラ火炉1やボイラ用燃焼バーナ4の運転中は調節弁33を閉じて、出口開口17や27から流体が噴出しないようにするとともに、ボイラ火炉1やボイラ用燃焼バーナ4の停止中に調節弁33を開けて、出口開口17や27から流体を噴出させることができる。出口開口17や27から噴出する流体により、ボイラ火炉1やボイラ用燃焼バーナ4の運転効率が低下することを抑制することができる。
【0079】
上述した幾つかの実施形態では、保炎器10は三次元プリンタにより製造されている。従来の保炎器は板金加工や鋳造により製造されているため、内部流路を有する形状に形成することが困難であったが、保炎器10を三次元プリンタにより製造することで、内部流路18や28を有する形状に形成することが可能である。
【0080】
なお、上述した幾つかの実施形態では、上述したボイラ用燃焼バーナ4が備える燃焼空間2に燃料を噴射する燃料噴射装置は、液体燃料を噴射して燃焼させるオイルガン5(液体燃焼バーナ)であったが、燃料噴射装置は、気体燃料(燃焼ガス)を噴射して燃焼させるガスバーナや、石炭などの固体燃料を噴射して燃焼させる微粉炭バーナを含むものである。また、上述した保炎器10は、ガスバーナや微粉炭バーナを備えるボイラ用燃焼バーナ4に適用してもよい。
【0081】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【符号の説明】
【0082】
1 ボイラ火炉
2 燃焼空間
3 開口
4 ボイラ用燃焼バーナ
5 オイルガン(燃料噴射装置)
6 アトマイザ
7 風箱
8 空気ノズル
10,10A〜10C,20A〜20C 保炎器
11 保炎部材
12 内筒
13 外筒
14 ディフューザ板
141 燃焼空間側の面
15 リブ
16 入口開口
17 出口開口
18 内部流路
21 保炎部材
22 内筒
23 外筒
24 スワラ羽根
241 燃焼空間側の面
26 入口開口
27 出口開口
28 内部流路
31 流体供給装置
32 流体供給管
33 調節弁
51 燃料供給路
52 燃料供給装置
53 燃料供給管
71 燃焼用空気供給路
72 燃焼用空気供給管
101,201 燃焼用空気流路
LA 保炎器の軸線
LE 出口開口の軸線
V 渦流
図1
図2
図3
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図5
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