【課題】商品またはサービスを提供する機器において現金を利用した場合であってもユーザにポイントを付与することができる環境を容易に構築することができるポイント管理システムを提供する。
【解決手段】ICカードから当該ICカードの媒体識別情報を読み出す読取リーダ部と、投入されるコインに対応するコイン投入信号を生成するコインメックと、前記ICカードに記憶された媒体識別情報が前記読取リーダ部によって読み取られると、当該媒体識別情報に基づいて、ユーザ情報記憶部を参照し、会員認証を行う顧客管理部と、前記ユーザ認証が成立している状態において前記コインメックから得られるコイン投入信号に応じた付与ポイントを、当該会員認証された媒体識別情報に対応するポイントに加算するポイントチャージ部と、前記投入されたコインまたは前記ポイントに応じて商品またはサービスを提供するサービス筐体とを有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態によるポイント管理システムについて図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態によるポイント管理システムを適用した決済システム1の構成を示す概略ブロック図である。
決済システム1は、ICカード10、端末装置15、コイン20、コインメック25、サービス筐体30、中継装置40、ゲートウェイ装置45、管理端末47ネットワーク50、決済サーバ60、売り上げ集計サーバ70、顧客管理サーバ80、ブランドサーバ90、を含んで構成される。
なお、ポイント管理システムは、決済システム1のうち、端末装置15、コインメック25、サービス筐体30、中継装置40、ゲートウェイ装置45、売り上げ集計サーバ70、顧客管理サーバ80を含んで構成することができる。
また、端末装置15と中継装置40、売り上げ集計サーバ70と顧客管理サーバ80は、別々の装置となっている場合について説明するが、端末装置15と中継装置40が1つの装置によって構成されるようにしてもよいし、売り上げ集計サーバ70と顧客管理サーバ80が1つの装置によって構成されるようにしてもよい。
【0011】
ICカード10は、決済用のカードであり、例えば、非接触式ICカードである。非接触式ICカードは、例えば、交通系ICカードや、流通系ICカード等を用いることができる。ICカード10は、ICカード(決済用媒体)を識別する媒体識別情報を記憶しており、後述するブランドサーバ90に対して、端末装置15等を介して媒体識別情報を送信することで、電子マネーによる決済やポイントを利用したサービス等の提供を受けることができる。
この実施形態においては、ICカード10を決済用の媒体として利用する場合について説明するが、ICカード10内のICチップを携帯端末に搭載することで、携帯端末がICカード10の機能を有するようにしてもよい。携帯端末としては、例えば、スマートフォン、携帯電話等であり、ユーザによって携帯される。
【0012】
端末装置15は、ICカード10に対して非接触式で通信を行う通信機能、各種情報を表示する表示パネルを有するとともに、中継装置40に接続され、中継装置40と通信を行う機能を有する。また、端末装置15には、端末装置15を個別に識別する端末装置識別情報が予め割り当てられている。表示パネルは、タッチパネルを用いることができ、ユーザの選択指示の入力を受け付けることができる。
端末装置15は、ICカード10から当該ICカードに記憶された媒体識別情報を非接触通信を行うことで読み出す。ここで、端末装置15は、サービス筐体30毎にそれぞれ設けられる。例えば、端末装置15は、サービス筐体30に取り付けられるか、サービス筐体30の近傍に取り付けられる。また、端末装置15は、サービス筐体30の内部に設けられていてもよい。
また、端末装置15は、サービス筐体30に対して、決済処理が完了した商品またはサービスを提供するよう中継装置40を介してサービス筐体30に送信する。
【0013】
コイン20は、サービス筐体30によって商品またはサービスの提供を受ける際に必要となるコインである。コインとしては、例えば、硬貨やメダルを用いることができる。
コインメック25は、コイン投入口を有しており、このコイン投入口にユーザによってコインが投入されたことを検知すると、投入されたコインに対応するパルス信号(コイン投入信号)を生成し、中継装置40に出力する。
【0014】
サービス筐体30は、中継装置40に接続される。サービス筐体30は、中継装置40に接続されたコインメック25から入力されるパルス信号または端末装置15によりユーザによって支払われる料金に応じて、ユーザに対してサービスを提供する装置である。サービス筐体30は、例えば、ゲーム機、カプセルトイの販売機器、自動販売機や自動券売機、コインロッカーの精算機、または駐輪場や駐車場における精算機である。
【0015】
サービス筐体30は、ポイントが利用された場合には、そのポイントに応じた商品またはサービスを提供する。
【0016】
中継装置40は、端末装置15とコインメック25とサービス筐体30とゲートウェイ装置45に接続され、端末装置15、コインメック25、サービス筐体30から得られる各種情報をゲートウェイ装置45に送信し、ゲートウェイ装置45から送信される情報を端末装置15に送信する。
また、中継装置40は、自身の配下に接続される端末装置15とコインメック25とサービス筐体30の対応関係を把握できるようになっている。例えば、端末装置15には、端末装置15とコインメック25とサービス筐体30がそれぞれ1つずつ接続されることで、対応関係が把握できるようになっていてもよい。対応関係が把握できることで、例えば、端末装置15によって決済された場合には、商品やサービスを提供する対象のサービス筐体30は、自身の配下に接続されたサービス筐体30であることを特定できる。また、コインメック25にコインが投入された場合には、商品やサービスを提供する対象のサービス筐体30は、自身の配下に接続されたサービス筐体30であることを特定できる。
また、中継装置40は、コインメック25が生成するコイン投入信号と同様のコイン投入信号を生成する機能を有する。
なお、中継装置40と端末装置15は、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって接続することができる。また、中継装置40は、サービス筐体30に取り付けられるか、サービス筐体30の近傍に取り付けられてもよく、サービス筐体30の内部に設けられていてもよい。
【0017】
ゲートウェイ装置45は、中継装置40と管理端末47とネットワーク50に接続され、中継装置40から送信された情報を、ネットワーク50を介して、決済サーバ60、売り上げ集計サーバ70、顧客管理サーバ80、ブランドサーバ90等のうち、送信する情報に応じた送信先に送信する。また、ゲートウェイ装置45は、決済サーバ60、売り上げ集計サーバ70、顧客管理サーバ80、ブランドサーバ90から送信される情報を、送信された情報に応じて端末装置15または管理端末47に送信する。
また、ゲートウェイ装置45は、中継装置40、管理端末47、ネットワーク50に対して接続する際、少なくとも一部の区間について無線によって接続してもよい。
【0018】
ここで、ゲートウェイ装置45、中継装置40、端末装置15、コインメック25、サービス筐体30、管理端末47は、サービス筐体30によって商品またはサービスを提供する商業施設内に設置される。端末装置15、コインメック25、サービス筐体30は、中継装置40に対して複数設けられる場合もある。
【0019】
管理端末47は、端末装置15が設けられた店舗に設けられる。この店舗の管理者は、管理端末47を利用することで、端末装置15を介して行なわれた決済の履歴を参照することができる。例えば、管理端末47は、売り上げ集計サーバ70と通信を行い、管理端末47が設けられた店舗内に設置された端末装置15を利用することで支払われた料金の金額や、コインメック25に投入されたコインの数、サービス筐体30によって提供された商品またはサービスの履歴を売り上げ集計サーバ70から受信し、売り上げ状況を示す情報として画面上に表示する。店舗の管理者は、この売り上げ状況に応じて、サービス筐体30が提供する商品やサービスの入替え、増設、商品の提供の仕方(例えば、商品価格の見直し)、端末装置15の設置台数等を検討することができる。
【0020】
ネットワーク50は、インターネットやVPN(Virtual Private Network)等の各種ネットワークのいずれか1つであってもよいし、2つ以上を用いて構成するようにしてもよい。
【0021】
売り上げ集計サーバ70は、中継装置40を介して行われた決済を示す決済情報を決済サーバ60から取得し、中継装置40を介して得られるコインメック25からのコイン投入信号に基づく情報を中継装置40から取得してログデータとして蓄積する。また、売り上げ集計サーバ70は、当該ログデータのうち決済情報について、この決済情報を対応するブランドのブランドサーバ90へ定期的(例えば、1日毎、または1週間毎)に配信することもできる。また、売り上げ集計サーバ70は、決済サーバ60から取得した決済情報の履歴や、コインメック25からのコイン投入信号に基づく利用履歴を、管理端末47からの参照要求に応じて、管理端末47に対して送信する。
【0022】
顧客管理サーバ80は、サービス筐体30を利用するユーザが会員登録されたユーザであるかの判定や、ポイント付与、ポイント消費に関する処理を行う。
図2は、顧客管理サーバ80の機能を説明する機能ブロック図である。顧客管理サーバ80は、ユーザ情報記憶部801、顧客管理部802、ポイントチャージ部803、認証解除部804を有する。
ユーザ情報記憶部801は、媒体識別情報とポイントとを記憶する。
図3は、ユーザ情報記憶部801に記憶されるユーザ管理情報の一例を示す図である。ユーザ管理情報は、会員ID、電子マネーブランドID、ポイント残高の情報を含む。
会員IDは、ユーザを個別に識別する情報である。この会員IDは、ユーザがスマートフォン、携帯電話、タブレット、コンピュータ等を利用し、顧客管理サーバ80が提供するユーザ登録ページを介して行われる会員登録またはユーザ登録アプリケーションを利用することで行われる会員登録に応じて、顧客管理サーバ80によって発行される。この会員登録がなされた後、ユーザは、自身が所有するICカード10をスマートフォンや携帯電話等の携帯端末に近づけて媒体識別情報の登録要求を行うことで、近づけられた媒体識別情報と登録要求が携帯端末から顧客管理サーバ80に送信される。スマートフォンや携帯電話の多くは、ICカード10の媒体識別情報を読み取り可能なICカードリーダが内蔵されているため、この機能を利用することができる。顧客管理サーバ80は、媒体識別情報と登録要求とを受信すると、この発行された会員IDに対応づけて媒体識別情報を記憶する。ここでは、媒体識別情報を元にブランドを識別し、媒体識別情報をブランドを会員情報として記憶する。媒体識別情報に対するブランドは、例えば、媒体識別情報の一部にブランドを識別情報が含まれている場合には、そのブランドを識別する情報を参照することで、ブランドを識別することができる。また、媒体識別情報をブランドサーバ90に問い合わせることで、ブランドサーバ90が取り扱い可能なブランドであるか否かを元に、ブランドを識別してもよい。
なお、この会員IDに対して媒体識別情報を登録する処理は、会員ID発行時のみではなく、会員IDを発行したからある程度時間が経過した後に、追加で登録したいICカード10がある場合には、追加登録するようにしてもよい。また、スマートフォンや携帯電話にICカードリーダがない場合には、端末装置15が設けられた店舗に備えられたICカードリーダを用いて登録することもできる。
【0023】
電子マネーブランドIDは、ICカード10に記憶された媒体識別情報であり、ここでは、会員IDに対して電子マネーのサービスを提供するブランド毎に記憶される。例えば、0001の会員IDには、S123であるブランドAの媒体識別情報、NABCであるブランドBの媒体識別情報、・・・、E12AであるブランドNの媒体識別情報が対応づけられており、会員IDが0001のユーザは、ブランドA、ブランドB、ブランドNの3つのICカード10を有しており、それぞれの媒体識別情報が、S123、NABC、E12Aであることが把握できるようになっている。すなわち、S123、NABC、E12Aの媒体識別情報のいずれを利用したとしても、会員IDが0001であることが特定可能となっている。
ポイント残高は、利用可能なポイントの残高を表す。
【0024】
図2に戻り、顧客管理部802は、ICカード10に記憶された媒体識別情報が端末装置15によって読み取られると、この読み取られた媒体識別情報に基づいて、ユーザ情報記憶部801を参照し、会員認証を行う。ここでは、媒体識別情報がユーザ情報記憶部801に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合には、その記憶された媒体識別情報に対応する会員IDのユーザの認証を成立させる。これにより、媒体識別情報に対応する会員IDのユーザが、端末装置15を利用してサービス筐体30を利用することを把握することができる。
ポイントチャージ部803は、ユーザ認証が成立している状態においてコインメック25から得られるコイン投入信号に応じた付与ポイントを、当該ユーザ認証された媒体識別情報に対応するポイントに加算する。ここでは、例えば、1枚のコインに対応する付与ポイントが10ポイント等、コインの投入枚数に応じた付与ポイントが予め決められており、コイン投入信号が表すコインの投入枚数に応じて付与ポイントを、ユーザ認証が成立しているユーザの会員IDに対応するポイント残高に加算する。
以下、認証が成立している状態をログイン状態とも称する。
【0025】
認証解除部804は、離脱条件が成立したか否かを判定し、離脱条件が成立したと判定した場合にユーザ認証が成立している状態から離脱する。離脱条件としては、例えば、端末装置15のタッチパネルに表示される離脱ボタンがユーザによってタッチされる場合、サービス筐体30に対して設定されるタイムアウト情報が示す時間が経過した場合、ユーザがサービス筐体30の近傍から離れた場合等がある。
タイムアウト情報を用いる場合、ユーザ認証が成立した時点を基準としてタイムアウト情報が示す時間が経過した場合に離脱条件を満たしたとして離脱処理を行っても良いし、ユーザ認証が成立している状態において電子マネーによる決済が最後に行われた時点からの経過時間であってもよいし、ユーザ認証が成立している状態においてコインメック25からコイン投入信号が最後に取得された時点からの経過時間であってもよい。このタイムアウト情報は、サービス筐体30がゲーム機である場合、そのゲーム機のタイトル毎にタイムアウト情報が設定されたタイトルマスター情報を認証解除部804が予め記憶しておき、監視対象のサービス筐体30のゲーム機のタイトルに対応するタイムアウト情報に従って、離脱処理を行うようにしてもよい。
【0026】
ユーザがサービス筐体30の近傍から離れたか否かを離脱条件として用いる場合、サービス筐体30近傍に設けられたカメラでサービス筐体30を利用しているユーザを撮像し、ユーザ認証が成立した状態において撮像されていたユーザが撮像領域からいなくなったことが画像データに基づいて検出された場合であってもよい。また、サービス筐体30に対応して設けられたいすに着座センサを設けておき、ユーザ認証が成立した状態において、ユーザ認証がいすに着座した状態から立ち上がって着座していない状態となったことが検出された場合であってもよい。この離脱条件を満たしているか否かの判定は、ログイン状態であれば、適宜行うことができる。
【0027】
図1に戻り、決済サーバ60は、端末装置15から送信される決済情報を利用し、ブランドサーバ90に対して行なわれる決済に関する決済情報を取得する。また、決済サーバ60は、端末装置15を利用して行なわれた電子マネーを用いた決済情報の履歴を売り上げ集計サーバ70に送信して記憶させる。
【0028】
ブランドサーバ90は、定期的(例えば、1日毎、または1週間毎)に売り上げ集計サーバ70から送信される決済情報または決済サーバ60から送信される決済情報を取得する。
ブランドサーバ90は、各ブランド(決済サービス)を運営する企業によって管理されるサーバ装置である。ここでは、複数のブランドがある場合には、それぞれのブランドに対応したブランドサーバ90が個々に設けられる。ここでブランドとは、例えば、流通系企業や鉄道系企業によって運営されるプリペイド型電子マネーのブランド、クレジット系企業によって運営されるポストペイ型電子マネーのブランド、または、インターネット決済専用のプリペイド型電子マネーのブランド等である。
ブランドサーバ90は、端末装置15を利用して決済を行なうブランドが端末装置15において選択された場合に、端末装置15によって読み取られたICカード10の媒体識別情報を用いて電子マネーの決済を行なう。
【0029】
次に、
図4を用いてポイント管理システムを適用した決済システム1の動作を説明する。ここでは、
図1における各構成のうち、ICカード10、端末装置15、コイン20、コインメック25、サービス筐体30、中継装置40、ゲートウェイ装置45、売り上げ集計サーバ70、顧客管理サーバ80の動作に着目して説明する。
端末装置15の表示装置に表示される「会員」のボタンをタッチされると(ステップS10)、端末装置15は、会員認証処理要求と自身に割り当てられた端末装置識別情報を中継装置40、ゲートウェイ装置45を介して売り上げ集計サーバ70に送信する(ステップS11、S12、S13)。売り上げ集計サーバ70は、この会員認証処理要求と端末装置識別情報とを受信すると、ICカードを端末装置15に近づけるよう促すメッセージを表示させる情報をゲートウェイ装置45、中継装置40を介して端末装置15に送信する(ステップS14、S15、S16)。ここでは、端末装置15が複数存在していたとしても、受信していた端末装置識別情報を宛先として送信することで、送信対象の端末装置15を特定してメッセージ等の各種情報を送信することができる。
【0030】
端末装置15は、ICカードを端末装置15に近づけるよう促すメッセージを表示させる情報を受信すると、「ICカードを近づけてください」等のメッセージをタッチパネルの画面上に表示する(ステップS17)。このメッセージが表示されると、ユーザは、自分が所有しているICカード10のいずれかを端末装置15に近づける。端末装置15は、ユーザによって近づけられたICカード10から媒体識別情報を読み出し(ステップS18)、読み出した媒体識別情報と自身に割り当てられている端末装置識別情報とを中継装置40、ゲートウェイ装置45を介して売り上げ集計サーバ70に送信する(ステップS21、S22、S23)。
売り上げ集計サーバ70は、会員認証処理要求と端末装置識別情報を受信した後に媒体識別情報と端末装置識別情報とを受信すると、顧客管理サーバ80に対し、会員認証処理要求と端末装置識別情報と媒体識別情報を送信する(ステップS24)。ここでは、会員認証処理要求と一緒に受信した端末装置識別情報と、媒体識別情報と一緒に受信した端末装置識別情報とが一致している場合に、この媒体識別情報に対する会員認証処理要求であることを特定することができる。
【0031】
顧客管理サーバ80において顧客管理部802は、売り上げ集計サーバ70から会員認証処理要求と媒体識別情報と端末装置識別情報を受信すると、ユーザ情報記憶部801を参照し、受信した媒体識別情報がユーザ情報記憶部801に記憶されているか否かを判定する(ステップS25)。ここで、顧客管理部802は、受信した媒体識別情報がユーザ情報記憶部801に記憶されている場合には、記憶された媒体識別情報に対応する会員IDを特定して認証が成立したと判定し、受信した媒体識別情報がユーザ情報記憶部801に記憶されていない場合には、認証が成立しなかった(不成立)であると判定し、判定結果を売り上げ集計サーバ70に送信する(ステップS30)。ここでは、認証が成立している場合には、特定された会員IDも判定結果とともに売り上げ集計サーバ70に送信される。また、顧客管理部802は、認証が成立したと判定した場合には、受信していた端末装置識別情報が割り当てられている端末装置15を対象として、この特定された会員IDについて認証が成立した状態であることを維持する。例えば、認証が成立した状態であることを表すフラグを会員IDに対して設定することで維持することができる。
【0032】
売り上げ集計サーバ70は、認証成立を表す認証結果と会員IDと端末装置識別情報を受信すると、端末装置識別情報を元に端末装置15に対し、認証成立を表す認証結果と会員IDとをゲートウェイ装置45、中継装置40を介して送信する(ステップS31、S32、S33)。
端末装置15は、認証成立を表す認証結果と会員IDとを受信すると、タッチパネルの画面上に、「会員ログイン中」の情報を表示する(ステップSS33)。ここでは、「会員」のボタンから「会員ログイン中」の表示に表示内容を切り替えて表示してもよい。また、「会員ログイン中」の情報とともに、受信した会員IDを表示するようにしてもよい。なお、端末装置15は、売り上げ集計サーバ70から認証不成立を表す認証結果を受信した場合には、「ログインできませんでした」等のメッセージを表示し、会員認証処理を終了する。
【0033】
また、端末装置15は、タッチパネルの画面上に、「会員ログイン中」の情報を表示すると、「ポイントを使う」、「やめる」の選択ボタンをタッチパネルの画面上に表示する(ステップS34)。ここで、ユーザは、ポイントを貯める場合、端末装置15の初期状態が「ポイントを貯める」状態となっており、ユーザは意識する事が無くポイントを貯める事ができる。
【0034】
中継装置40は、初期状態である「ポイントをためる」状態に遷移し、自身の配下に接続されたコインメック25からのコイン投入信号を元にポイントを蓄積可能な状態に移行する。そして、ユーザによってコインがコインメック25に投入されると(ステップS40)、コインメック25は、投入されたコインの真贋判定を行い、正規のコインであると判定された場合には、投入されたコインに対応するコイン投入信号を中継装置40に送信する(ステップS41)。なお。正規のコインではないと判定された場合、コインメック25は、投入されたコインを排出口に排出する。
【0035】
中継装置40は、コイン投入信号を受信すると、受信されたコイン投入信号をサービス筐体30に出力する(ステップS42)。サービス筐体30は、コイン投入信号が入力されると、入力されたコイン投入信号に応じた商品またはサービスを提供する(ステップS43)。例えば、コイン投入信号が100円硬貨であることを表す信号である場合には、料金が100円に対応した商品またはサービスを提供する。
【0036】
また、中継装置40は、コインメック25から受信したコイン投入信号をサービス筐体30に送信する際、このコイン投入信号とポイント付与要求と認証が成立している状態における会員IDとをゲートウェイ装置45、売り上げ集計サーバ70を介して顧客管理サーバ80に送信する(ステップS44、S45、S46)。ここでは、中継装置40の配下にある端末装置15について認証が成立している状態であるため、その認証が成立している会員IDがポイント付与の対象として、顧客管理サーバ80に送信される。
【0037】
顧客管理サーバ80は、コイン投入信号とポイント付与要求と認証が成立している状態における会員IDを受信すると、この会員IDのポイント残高に対し、コイン投入信号に応じた付与ポイントを加算する(ステップS47)。
【0038】
以上説明したように、コインを投入することでサービス筐体30が利用された場合であっても、ICカード10を用いて会員認証が成立している状態においては、コイン投入信号に応じた付与ポイントをポイント残高に加算するようにした。これにより、商品またはサービスに対する料金の支払いをコインによって行う場合であっても、ユーザに対してポイントを付与することができる。また、ユーザは、コインを投入する前にICカード10を端末装置15に近接させるだけで、煩雑な手続きをしなくても、ポイントを付与してもらうことができる。また、コイン投入信号に応じた付与ポイントをポイント残高に加算するシステムを簡単に構築することができる。
【0039】
なお、上述した実施形態において、ユーザの会員認証が成立した状態において、サービス筐体30による商品またはサービスの提供が行われた後において、離脱条件が成立していなければ、ユーザによってコインが投入される毎に、上述したポイントの付与が行われる。
【0040】
また、上述した実施形態において、コイン投入信号に応じてポイントが付与されポイントが蓄積される場合について説明したが、ユーザ認証が成立している状態においてコインではなく電子マネーを利用してサービス筐体30の利用料金の決済をした場合には、その決済された電子マネーの決済金額に応じたポイントを付与するようにしてもよい。
また、電子マネーの決済金額に応じたポイントを付与する場合、会員認証が成立している状態における会員IDに対応する媒体識別情報が割り当てられたICカード10によって電子マネー決済がされた場合には、その会員IDに対して付与ポイントが加算される。しかし、認証が成立している状態における会員IDに対応付けされていない媒体識別情報のICカード10を利用して電子マネーの決済が行われた場合であっても、その決済金額に応じて、認証が成立している状態における会員IDに対して付与ポイントを加算するようにしてもよい。これにより、ユーザは、ユーザ情報として登録しているICカード10であるか否かを意識しないで電子マネー決済を行ってサービス筐体30を利用しても、ポイントを得ることができる。また、ユーザは、少なくとも1つのICカード10をユーザ登録しておけば、自身が所有する他のICカード10をユーザ情報しておかなくても、ポイントを得ることができる。
【0041】
また、ポイントの付与は、ユーザ管理情報としてユーザ情報記憶部801において会員IDに対応付けされた媒体識別情報に対応するICカードであれば、ログイン状態において、いずれの順序で端末装置15に媒体識別情報を読み取らせたとしても、ポイントの付与をすることができる。
【0042】
なお、上述した実施形態において、ICカード10を利用してユーザ認証を行う場合について説明したが、ユーザの顔画像を会員情報として予め登録しておき、サービス筐体30の近傍に設けられたカメラによって、ユーザがサービス筐体30を利用するために近づいたことを顔画像と元に検出された場合に、そのユーザの認証を成立させるようにしてもよい。
また、上述した実施形態において、会員認証を行うことができるICカード10は、ユーザが所有する特定のICカード10ではなく、ユーザ管理情報としてユーザ情報記憶部801において会員IDに対応付けされた媒体識別情報に対応するICカードであれば、いずれのICカード10を用いても会員認証を行うことができる。例えば、会員IDが0001であるユーザが、媒体識別情報がS123であるブランドAのICカード10で会員認証を行うこともできるし、媒体識別情報がNABCであるブランドBのICカード10で会員認証を行うこともできる。
【0043】
また、ログイン状態を維持している期間であれば、会員認証に用いたICカード10とは別のICカード10によって電子マネー決済をする場合においても、ユーザは特別な操作を行うことなく(例えば、電子マネー決済を行うICカード10を用いてログインし直す等)、電子マネー決済を行った金額に対応するポイントを付与してもらうことができる。
【0044】
また、上述した実施形態においては、ログイン状態を維持している期間においては、コインによる支払いに対するポイントの付与と、電子マネー決済を行った金額に対するポイントの付与の両方を、特別な操作や手続きを行うことなく(シームレスに)、ポイントを付与することができる。また、コインによる支払いに対するポイントの付与と、電子マネー決済を行った金額に対するポイントの付与は、いずれが先に行われてもポイントを付与することができ、また、コインによる支払いに対するポイントの付与を行った後、電子マネー決済を行った金額に対するポイントの付与を行い、コインによる支払いに対するポイントの付与を行う、というように、決済の仕方が何度も変わったとしても、ポイントを付与することができる。
【0045】
次に、ポイントを利用する場合について
図5を用いて説明する。ここでは、上述したステップS11からステップS34までの処理が実行された状態であるとして説明する。
端末装置15は、タッチパネルの画面上に、「会員ログイン中」の情報を表示すると、「ポイントを使う」、「やめる」の選択ボタンをタッチパネルの画面上に表示する(ステップS34)。ここでユーザは、ポイントを利用する場合、「ポイントを使う」の選択ボタンをタッチ入力する。端末装置15は、「ポイントを使う」のボタンがタッチされたことを検出すると、「ICカードをかざしてください」とのメッセージをタッチパネルの画面上に表示する(ステップS50)。
【0046】
ユーザがこのメッセージを視認すると、自身が所有するICカード10を端末装置15に近づける。端末装置15は、近づけられたICカード10から媒体識別情報を読み出し(ステップS51)、読み出した媒体識別情報とポイント消費要求と端末装置識別情報と会員IDとを中継装置40、ゲートウェイ装置45、売り上げ集計サーバ70を介して顧客管理サーバ80に送信する(ステップS52、S53、S54、S55)。
顧客管理サーバ80の顧客管理部802は、会員認証が成立している状態において、媒体識別情報とポイント消費要求と端末装置識別情報と会員IDと受信すると、会員認証が成立している状態における会員IDと受信した会員IDとが一致している場合には、受信した媒体識別情報がログイン状態における会員IDに対応づけられているか否かをユーザ情報記憶部801を参照して判定する(ステップS56)。ここで、顧客管理部802は、ログイン状態における会員IDに対して媒体識別情報が記憶されている場合には、ポイント消費を許可すると判定し、ログイン状態における会員IDに対して媒体識別情報が記憶されていない場合には、ポイント消費を許可しない(エラーである)と判定する。
また、顧客管理部802は、ユーザ認証を行ったときに用いた媒体識別情報と、ポイント消費要求がなされたときの媒体識別情報とが異なっていた場合であっても、ログイン状態にある会員IDに対応づけられた媒体識別情報である場合には、会員IDに対応するユーザからのポイント消費の要求であるとして、ポイント消費を許可する。
ここでは、顧客管理部802は、端末装置識別情報とサービス筐体30の消費ポイント数を対応づけて所定のメモリ領域に記憶しておき、ポイント消費する対象の会員IDから消費ポイント数を減算する(ステップS57)。また、ユーザの負担を軽減させるために、ログイン状態であれば、端末装置15は、「ポイントを使う」のボタンがタッチされたことを検出すると、「ICカードをかざしてください」というステップを実行せずに、ポイントを使用する事もできる。
【0047】
顧客管理サーバ80は、ポイント消費を許可するか否かを判定すると、判定結果と端末装置識別情報と会員IDとを売り上げ集計サーバ70、ゲートウェイ装置45を介して中継装置40に送信する(ステップS60、S61、S62)。ここでは、例えば、許可することを表す判定結果が送信される。
中継装置40は、ポイント消費を許可する判定結果と端末装置識別情報と会員IDとを受信すると、コイン投入信号を生成し(ステップS63)、サービス筐体30に送信する(ステップS64)。このコイン投入信号を受信すると、サービス筐体30は、コイン投入信号に対応した商品またはサービスを提供する(ステップS65)。
【0048】
以上説明したように、ポイント消費を行うことで、コインの投入や電子マネー決済を行わなくても、サービス筐体30において商品やサービスを提供することができる。
また、この実施形態において、ポイントを消費する際には、会員IDによるログイン状態に移行しただけではなく、ポイント消費の要求があった際にICカード10を端末装置15によって読み取るようにしたので、ポイント消費の要求をしたユーザがユーザ認証をしたユーザと同じであるか否かを確認した上で、ポイント消費をすることができる。例えば、ログイン中にユーザがサービス筐体30から離れた位置まで移動してしまった場合(サービス筐体30の利用を終了した場合等)において、他のユーザがログイン状態が継続している状態のユーザのポイントを消費してしまうことを防止することができる。
【0049】
図6は、ログイン状態において端末装置15のタッチパネルの画面上に表示される画面の一例を示す図である。このような画面は、例えば、上述した実施形態におけるステップS34において表示される。
ここでは、「会員ログイン中」との文字列が表示される。さらに、ログイン状態において利用可能なメニューとして、「ポイントを使う」、「やめる」の選択ボタンが表示される。ユーザは、「会員ログイン中」の文字列を視認することで、ICカード10を利用した会員認証が成立している状態であることを把握することができる。また、ユーザは、この選択ボタンのいずれかを選択することができる。ユーザによって「やめる」のボタンがタッチ入力された場合、端末装置15は、離脱要求とログイン状態にある会員IDと、ゲートウェイ装置45、売り上げ集計サーバ70を介して顧客管理サーバ80に送信し、タッチパネルの画面上の「会員ログイン中」の表示を「会員」ボタンに変えて表示する。顧客管理サーバ80の認証解除部804は、離脱要求と会員IDを受信すると、受信した会員IDについてログイン状態を解除する。
【0050】
なお、上述した実施形態において、サービス筐体30がゲーム内容に応じてプライズを排出するゲーム機であり、プライズが排出されたか否かを検出するセンサを有している場合には、そのセンサからの出力に基づいて、プライズが排出されたことを検出した場合には、中継装置40がセンサからの出力を受信し、ゲートウェイ装置45を介して売り上げ集計サーバ70に送信するようにしてもよい。売り上げ集計サーバ70は、サービス筐体30と、当該サービス筐体30においてプライズが排出されたことを対応づけて記憶しておく。これにより、管理端末47からの参照要求に応じて、売り上げ状況を示す情報として管理端末47の画面上に表示させるようにしてもよい。この場合、商業施設における店舗の管理者は、ログイン状態にあってプライズが排出された場合には、どの会員IDのユーザに対してプライズが排出されたかを管理者が把握することができる。
【0051】
上述した実施形態における端末装置15、中継装置40、ゲートウェイ装置45、顧客管理サーバ80の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0052】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。