(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-149307(P2019-149307A)
(43)【公開日】2019年9月5日
(54)【発明の名称】誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置
(51)【国際特許分類】
H05B 6/10 20060101AFI20190809BHJP
C21D 1/34 20060101ALI20190809BHJP
C21D 1/18 20060101ALI20190809BHJP
C21D 1/42 20060101ALI20190809BHJP
【FI】
H05B6/10 381
C21D1/34 R
C21D1/18 K
C21D1/42 T
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-33734(P2018-33734)
(22)【出願日】2018年2月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000219004
【氏名又は名称】島田理化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087000
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 淳一
(72)【発明者】
【氏名】上嶋 由紀夫
(72)【発明者】
【氏名】溝尻 貴文
(72)【発明者】
【氏名】石間 勉
(72)【発明者】
【氏名】片岡 辰雄
【テーマコード(参考)】
3K059
【Fターム(参考)】
3K059AA09
3K059AB26
3K059AD02
3K059AD23
3K059CD72
3K059CD77
(57)【要約】 (修正有)
【課題】誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とによる同時加熱を行う際に、誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイルで発生する磁界による誘導電流により、ハロゲンランプの電気回路が影響を受けることがないようにする。
【解決手段】誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とを併用して薄板鋼板を昇温して加熱する誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置10において、誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイド型加熱コイル12と、ソレノイドコイルの巻き線形状部12aの間にそれぞれ配置された偶数本のハロゲンランプ16と、偶数本のハロゲンランプを直列に接続する電源18とを有し、ハロゲンランプは、ソレノイドコイルの巻き線形状部の間において、封体の封体軸が巻き線形状部の延長方向と平行となるように配置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とを併用して薄板鋼板を昇温して加熱する誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置において、
誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイルと、
前記ソレノイドコイルの巻き線形状部の間にそれぞれ配置された偶数本のハロゲンランプと、
前記偶数本のハロゲンランプを直列に接続する電源と
を有し、
前記ハロゲンランプは、前記ソレノイドコイルの前記巻き線形状部の間において、封体の封体軸が前記巻き線形状部の延長方向と平行となるように配置された
ことを特徴とする誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置。
【請求項2】
誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とを併用して薄板鋼板を昇温して加熱する誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置において、
誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイルと、
封体の封体軸が前記ソレノイドコイルの巻き線部分の延長方向と直交するように配置されたハロゲンランプと
を有することを特徴とする誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置。
【請求項3】
請求項2に記載の誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置において、
前記ハロゲンランプは、電源に直列に接続された
ことを特徴とする誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置。
【請求項4】
請求項1、2または3のいずれか1項に記載の誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置において、
前記ハロゲンランプは、両口金タイプである
ことを特徴とする誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置に関する。さらに詳細には、本発明は、薄板形状の鋼板である薄板鋼板を昇温して加熱する際に用いて好適な誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被加熱物たる薄板形状の鋼板である薄板鋼板をキュリー点以上に昇温して加熱する手法として、例えば、特許第4891275号公報などに開示された手法が知られている。
【0003】
ここで、特許第4891275号公報に開示された手法とは、誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とを併用して、薄板鋼板を昇温して加熱するというものである。
【0004】
ところで、誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とを併用して薄板鋼板を昇温して加熱する場合には、誘導加熱とハロゲンランプとにより加熱する場所が異なっていると、誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイル(本明細書および特許請求の範囲においては、「誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイル」を「ソレノイド型加熱コイル」と適宜に称する。)とハロゲンランプとの両者の間を移動する際の移動時間によって、加熱された薄板鋼板の温度が下がってしまうという不具合があった。
【0005】
こうした不具合をなくすためには、薄板鋼板を移動させることなく、同じ場所において薄板鋼板を誘導加熱とハロゲンランプとで加熱する必要がある。
【0006】
また、薄板鋼板の急速加熱を行うためには、ソレノイド型加熱コイルとハロゲンランプとの双方を薄板鋼板に近接して配置する必要がある。
【0007】
しかしながら、ソレノイド型加熱コイルとハロゲンランプとを近接して配置した場合には、ソレノイド型加熱コイルで発生する磁界により、ハロゲンランプの電気回路(本明細書および特許請求の範囲においては、「ハロゲンランプの電気回路」を「ハロゲンランプ回路」と適宜に称する。)に誘導電流が流れるため、この誘導電流の影響を受けてハロゲンランプが正常に点灯しないので、誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とによる同時加熱を行うことができないという問題点があった。
【0008】
即ち、従来の誘導加熱とハロゲンランプによる加熱とを併用した薄板鋼板加熱装置においては、ソレノイド型加熱コイルとハロゲンランプとを接近させると、ソレノイド型加熱コイルで発生する磁界による誘導電流がハロゲンランプ回路に流れ、これによりハロゲンランプ回路が影響を受けてハロゲンランプが正常に点灯しないため、誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とによる同時加熱を行うことができないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4891275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記したような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とを併用して薄板鋼板を昇温して加熱する際に、誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイル(ソレノイド型加熱コイル)とハロゲンランプとを接近させて配置して、誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とによる同時加熱を行っても、誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイル(ソレノイド型加熱コイル)で発生する磁界による誘導電流によりハロゲンランプの電気回路(ハロゲンランプ回路)が影響を受けることがないようにした誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイル(ソレノイド型加熱コイル)で発生する磁界によりハロゲンランプの電気回路(ハロゲンランプ回路)に流れる誘導電流が、ハロゲンランプの電気回路(ハロゲンランプ回路)に影響を与えないようにしたものである。
【0012】
従って、本発明によれば、ハロゲンランプの電気回路(ハロゲンランプ回路)に誘導電流が流れても、当該誘導電流によりハロゲンランプの電気回路(ハロゲンランプ回路)が影響を受けずに、ハロゲンランプを正常に点灯することができる。
【0013】
即ち、本発明は、誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とを併用して薄板鋼板を昇温して加熱する誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置において、誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイルと、上記ソレノイドコイルの巻き線形状部の間にそれぞれ配置された偶数本のハロゲンランプと、上記偶数本のハロゲンランプを直列に接続する電源とを有し、上記ハロゲンランプが、上記ソレノイドコイルの上記巻き線形状部の間において、封体の封体軸が上記巻き線形状部の延長方向と平行となるように配置されたものである。
【0014】
また、本発明は、誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とを併用して薄板鋼板を昇温して加熱する誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置において、誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイルと、封体の封体軸が上記ソレノイドコイルの巻き線部分の延長方向と直交するように配置されたハロゲンランプとを有するようにしたものである。
【0015】
また、本発明は、上記した本発明において、上記ハロゲンランプは、電源に直列に接続されるようにしたものである。
【0016】
また、本発明は、上記した本発明において、上記ハロゲンランプは、両口金タイプであるようにしたものである。。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上説明したように構成されているので、誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とを併用して薄板鋼板を昇温して加熱する際に、誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイル(ソレノイド型加熱コイル)とハロゲンランプとを接近させて配置して、誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とによる同時加熱を行っても、誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイル(ソレノイド型加熱コイル)で発生する磁界による誘導電流によりハロゲンランプの電気回路(ハロゲンランプ回路)が影響を受けることがないという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置の第1の実施の形態を模式的に示す斜視構成説明図である。
【
図2】
図2は、
図1のII矢視における構成を簡略化して模式的に示す構成説明図である。
【
図3】
図3は、本発明による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置の第2の実施の形態の
図2に相当する構成説明図である。
【
図4】
図4は、本発明による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置の第3の実施の形態の
図2に相当する構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0020】
なお、以下の各実施の形態の説明においては、同一あるいは相当する構成については同一の符号を用いて示すことにより、重複する構成ならびに作用の説明について適宜に省略するものとする。
【0021】
はじめに、
図1および
図2を参照しながら、本発明による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置の第1の実施の形態について説明する。
【0022】
なお、
図1には、本発明による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置の第1の実施の形態を模式的に示す斜視構成説明図があらわされている。また、
図2には、
図1のII矢視における構成を簡略化して模式的に示す構成説明図があらわされている。
【0023】
この第1の実施の形態による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置(以下、本明細書においては、「誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置」を単に「薄板加熱装置」と適宜に称する。)10は、誘導加熱用の加熱コイルとしてのソレノイドコイル(ソレノイド型加熱コイル)12と、ソレノイド型加熱コイル12へ電力を供給する電源たる加熱用電源14と、ソレノイド型加熱コイル12の上方側(Z軸方向の上方側)において巻き線形状部12aの間にそれぞれ配置されたハロゲンランプ16と、ハロゲンランプ16へ電力を供給する電源たるハロゲンランプ用電源18とを有して構成されている。
【0024】
薄板加熱装置10においては、ソレノイド型加熱コイル12とハロゲンランプ16とは、接近させて配置されている。
【0025】
なお、符号20は、薄板加熱装置10による加熱対象である被加熱物たる薄板形状の鋼板(薄板鋼板)である。
【0026】
より詳細には、ハロゲンランプ16は、両口金タイプであり、封体16a内にハロゲンランプの電気回路(ハロゲンランプ回路)を構成するフィラメント16bが封入されている。また、封体16a内に封入されたフィラメント16bは、封体16aの封体軸に対して平行に配置されている。
【0027】
そして、ハロゲンランプ16は、ソレノイド型加熱コイル12の巻き線形状部12aの間において、封体16aの封体軸がソレノイド型加熱コイル12の巻き線形状部12aの延長方向と平行になる、即ち、XY平面においてフィラメント16bの延長方向が巻き線形状部12aの延長方向と平行となるように配置されている。
【0028】
また、薄板加熱装置10においては、ハロゲンランプ16は偶数本(
図1に示す例においては4本である。なお、
図2には、簡略化して2本のみを示している。)配置されている。これら偶数本のハロゲンランプ16は、ハロゲンランプ用電源18に直列に接続されている。
【0029】
以上の構成において、薄板加熱装置10において、加熱用電源14からソレノイド型加熱コイル12へ電力を供給するとともに、ハロゲンランプ用電源18からハロゲンランプ16へ電力を供給して、ソレノイド型加熱コイル12による誘導加熱とハロゲンランプ16を用いた加熱とによる同時加熱を行う。
【0030】
そのとき、ソレノイド型加熱コイル12の巻き線形状部12aには矢印A方向に電流がそれぞれ流れ、ソレノイド型加熱コイル12で発生する磁界によりハロゲンランプ回路を構成するハロゲンランプ16のフィラメント16bには矢印A方向と反対方向の矢印B方向に誘導電流がそれぞれ流れる。
【0031】
ここで、ハロゲンランプ用電源18には偶数本のハロゲンランプ16が直列に接続されているので、各ハロゲンランプ16(
図2においては、隣り合う一対のハロゲンランプ16である。)のフィラメント16bを流れる誘導電流が互いに打ち消し合うので、ハロゲンランプ回路が誘導電流による影響を受けることがなくなる。
【0032】
従って、薄板加熱装置10においては、ハロゲンランプ回路に誘導電流が流れてもハロゲンランプ16を正常に点灯することができるようになり、ソレノイド型加熱コイル12による誘導加熱とハロゲンランプ16を用いた加熱とによる同時加熱を適正に行うことができるようになる。
【0033】
次に、
図3を参照しながら、本発明による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置の第2の実施の形態について説明する。
【0034】
なお、
図3には、本発明による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置の第2の実施の形態の
図2に相当する構成説明図があらわされている。
【0035】
この第2の実施の形態による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置(薄板加熱装置)100は、ハロゲンランプ16における封体16aの封体軸がソレノイド型加熱コイル12の巻き線形状部12aの延長方向と直交する、即ち、XY平面においてフィラメント16bの延長方向と巻き線形状部12aの延長方向とが直交するように配置されている。
【0036】
この実施の形態に適用されるソレノイド型加熱コイル12は、薄板鋼板の加熱に適合するよう、巻き線形状部12aは薄板鋼板の幅方向に沿って延びる形状であってもよく、例えば、ソレノイド型加熱コイル12が偏平な形状であってもよい。
【0037】
そして、ハロゲンランプ16は、ソレノイド型加熱コイル12の巻き線形状部12aの延長方向に沿って複数並設する構成が採用できる。
【0038】
これにより、複数のハロゲンランプ16は、それぞれ、ソレノイド型加熱コイル12との距離が同等となるように配置でき、また、薄板鋼板との離間距離も同等に配置することができるため、薄板鋼板の加熱により適合させることができる。
【0039】
また、複数のハロゲンランプ16のそれぞれには、それぞれのハロゲンランプ用電源18から電力が供給されるように接続されている。
【0040】
以上の構成において、薄板加熱装置100によれば、ハロゲンランプ回路を構成するハロゲンランプ16のフィラメント16bに流れる電流の方向とソレノイド型加熱コイル12の巻き線部分10aに流れる電流の方向とが直交しているので、ソレノイド型加熱コイル12で発生する磁界による誘導電流により、ハロゲンランプ回路が影響を受けることがない。
【0041】
従って、薄板加熱装置100においては、ソレノイド型加熱コイル12による誘導加熱とハロゲンランプ16を用いた加熱とによる同時加熱を適正に行うことができるようになる。
【0042】
次に、
図4を参照しながら、本発明による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置の第3の実施の形態について説明する。
【0043】
なお、
図4には、本発明による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置の第3の実施の形態の
図2に相当する構成説明図があらわされている。
【0044】
この第3の実施の形態による誘導加熱とハロゲンランプを併用した薄板加熱装置(薄板加熱装置)200は、複数のハロゲンランプ16をハロゲンランプ用電源18に直列に接続されている点においてのみ、第2の実施の形態による薄板加熱装置100と異なる。
【0045】
薄板加熱装置200においても、薄板加熱装置100と同様に、ソレノイド型加熱コイル12で発生する磁界による誘導電流によりハロゲンランプ回路が影響を受けることがないので、ソレノイド型加熱コイル12による誘導加熱とハロゲンランプ16を用いた加熱とによる同時加熱を適正に行うことができるようになる。
【0046】
以上において説明したように、薄板加熱装置10、100、200によれば、加熱用電源14からソレノイド型加熱コイル12へ電力を供給するとともに、ハロゲンランプ用電源18からハロゲンランプ16へ電力を供給して、ソレノイド型加熱コイル12による誘導加熱とハロゲンランプ16を用いた加熱とによる同時加熱を行っても、ハロゲンランプ回路が誘導電流の影響を受けることがなく、ハロゲンランプ16を正常に点灯することができる。
【0047】
なお、上記した各実施の形態は例示に過ぎないものであり、本発明は他の種々の形態で実施することができる。即ち、本発明は、上記した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。
【0048】
例えば、上記した各実施の形態は、以下の(1)乃至(6)に示すように変形するようにしてもよい。
【0049】
(1)上記した第1の実施の形態による薄板加熱装置10においては、偶数本のハロゲンランプ16を配設した場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論である。即ち、ハロゲンランプ用電源18に直列に接続されるハロゲンランプ16の本数が偶数であるならば、薄板加熱装置10に設置されるハロゲンランプの総数は奇数であってもよい。
【0050】
(2)上記した第2の実施の形態による薄板加熱装置100ならびに上記した第3の実施の形態による薄板加熱装置200については、ハロゲンランプ16の本数についての詳細な説明は省略したが、ハロゲンランプ16の本数は偶数であってもよいし奇数であってもよい。
【0051】
(3)上記した第1の実施の形態による薄板加熱装置10、上記した第2の実施の形態による薄板加熱装置100ならびに上記した第3の実施の形態による薄板加熱装置200については、ハロゲンランプ16の具体的な本数に関する説明は省略したが、ハロゲンランプ16の具体的な本数については、設計条件などに応じて適宜に設定すればよい。
【0052】
(4)上記した第1の実施の形態による薄板加熱装置10においては、ソレノイド型加熱コイル12の上方側にハロゲンランプ16を配置した場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論である。即ち、ソレノイド型加熱コイル12の下方側にハロゲンランプ16を配置してもよいし、あるいは、ソレノイド型加熱コイル12の上方側と下方側との両方にハロゲンランプ16を配置してもよいし。また、上記した第2の実施の形態による薄板加熱装置100ならびに上記した第3の実施の形態による薄板加熱装置200についても同様に、ソレノイド型加熱コイル12の上方側、下方側あるいは上下両側にハロゲンランプ16を配置してもよい。
【0053】
(5)誘導加熱とハロゲンランプを用いた加熱とを併用して薄板鋼板を昇温して加熱する薄板加熱装置においては、誘導電流をハロゲンランプの電力として用いて、ハロゲンランプ用の交流電源を配置しなくてもよい。
【0054】
(6)上記した各実施の形態ならびに上記した(1)乃至(5)に示す各実施の形態は、適宜に組み合わせるようにしてもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、被加熱物たる薄板形状の鋼板である薄板鋼板をキュリー点以上に昇温して加熱する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0056】
10 薄板加熱装置
12 ソレノイド型加熱コイル
12a 巻き線形状部
14 加熱用電源
16 ハロゲンランプ
16a 封体
16b フィラメント
18 ハロゲンランプ用電源(電源)
20 薄板鋼板
100 薄板加熱装置
200 薄板加熱装置