特開2019-151132(P2019-151132A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-151132(P2019-151132A)
(43)【公開日】2019年9月12日
(54)【発明の名称】車両の前部車体構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/08 20060101AFI20190816BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20190816BHJP
   B60R 19/24 20060101ALI20190816BHJP
   B62D 21/15 20060101ALI20190816BHJP
【FI】
   B62D25/08 C
   B62D25/20 C
   B60R19/24 N
   B62D21/15 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-35362(P2018-35362)
(22)【出願日】2018年2月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】四柳 泰希
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BA05
3D203BA13
3D203BB08
3D203BB12
3D203BB16
3D203BB17
3D203BB35
3D203BB38
3D203BB44
3D203BB54
3D203BC14
3D203CA04
3D203CA08
3D203CA24
3D203CA29
3D203CA40
3D203CA56
3D203CA74
3D203DA22
3D203DA75
3D203DA83
3D203DA87
(57)【要約】
【課題】衝撃吸収部材61を介して伝達された衝撃荷重がサスペンション支持部材41に作用した際、サスペンション支持部材41の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ変形することを抑制できる車両1の前部車体構造を提供することを目的とする。
【解決手段】左右一対のサスペンション支持部材41と、左右一対の衝撃吸収部材61とを備えた車両1の前部車体構造であって、衝撃吸収部材61が、車幅方向外側が開口した開断面の衝撃吸収本体部611を備えるとともに、サスペンション支持部材41の形状中心に対して衝撃吸収部材61の形状中心を車幅方向に近接させた状態で連結され、衝撃吸収本体部611が、衝撃吸収部材61の形状中心に対して荷重中心を車幅方向内側にオフセットさせた開断面形状に形成され、サスペンション支持部材41の前端近傍における車幅方向内側に上側クロスメンバ44が連結されたことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車幅方向に所定間隔を隔てて配設されるとともに、車両の車体を構成する左右一対の車体骨格部材と、
該車体骨格部材の前端に連結されるとともに、車両前後方向に延びる左右一対の衝撃吸収部材とを備えた車両の前部車体構造であって、
前記衝撃吸収部材が、
車幅方向の一方側が開口した開断面を車両前後方向に延設した本体部を備えるとともに、前記車体骨格部材の形状中心に対して前記衝撃吸収部材の形状中心を車幅方向に近接させた状態で、前記車体骨格部材に連結され、
前記衝撃吸収部材の前記本体部が、
前記衝撃吸収部材の形状中心に対して、前記本体部の荷重中心を車幅方向の他方側にオフセットさせた開断面形状に形成され、
前記車体骨格部材の前端近傍における車幅方向の他方側に、前記車体骨格部材とは異なる別の車体骨格部材が連結された
車両の前部車体構造。
【請求項2】
前記車幅方向の一方側を、車幅方向外側とし、前記車幅方向の他方側を、車幅方向内側として、
前記別の車体骨格部材が、
左右の前記車体骨格部材を車幅方向に連結するクロスメンバで構成された
請求項1に記載の車両の前部車体構造。
【請求項3】
前記クロスメンバが、
前記車体骨格部材の前端から車両後方に所定間隔を隔てた位置に配設され、
前記クロスメンバに連結されるとともに、前記衝撃吸収部材と前記クロスメンバとの間に介在させた略ボックス状のボックス部材を備えた
請求項2に記載の車両の前部車体構造。
【請求項4】
前記ボックス部材が、内部空間を車両前後方向に隔てる隔壁部を備えた
請求項3に記載の車両の前部車体構造。
【請求項5】
前記車体骨格部材が、
車両のサスペンションが連結されるサスペンション連結部を備え、
前記クロスメンバが、
前記サスペンション連結部に対して車幅方向内側に対向配置された
請求項2から請求項4のいずれか1つに記載の車両の前部車体構造。
【請求項6】
前記車体骨格部材が、
前記衝撃吸収部材が連結される略平板状の被連結部と、
該被連結部から車両後方に延設されるとともに、前記被連結部における車幅方向の長さよりも薄い厚みを車幅方向に有する板状部分に、複数のリブが立設された骨格本体部とを備え、
該骨格本体部と前記被連結部とが、アルミダイキャストで一体形成された
請求項3から請求項5のいずれか1つに記載の車両の前部車体構造。
【請求項7】
前記車体骨格部材の前記被連結部と前記衝撃吸収部材との間に介在する連結プレートを備え、
該連結プレートが、
車両前後方向に厚みを有するとともに、前記車体骨格部材の前記被連結部よりも車幅方向に幅広な略平板状に形成され、
前記衝撃吸収部材が、
前記連結プレートを介して、前記車体骨格部材の前記被連結部に連結され、
前記ボックス部材が、
前記連結プレートに連結された
請求項6に記載の車両の前部車体構造。
【請求項8】
前記ボックス部材が、
前記車体骨格部材の前記被連結部と、前記連結プレートとの双方に連結された
請求項7に記載の車両の前部車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、車両の車両前後方向に延びる炭素繊維強化プラスチック製の衝撃吸収部材を、前部車体に備えたような車両の前部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両は、例えば、車両の前部に被衝突物が衝突した際、車体を構成する車体骨格部材に伝達される衝撃荷重を低減するために、車体骨格部材の前部に連結された左右一対の衝撃吸収部材と、左右の衝撃吸収部材を連結するバンパービームとを備えている。
【0003】
例えば、特許文献1には、衝撃吸収部材として、車幅方向内側が開口した断面略M字状の開断面を、車両前後方向に延設した炭素繊維強化樹脂製のクラッシュボックスが記載されている。このような繊維強化樹脂製の衝撃吸収部材は、衝撃荷重が作用した際、衝撃荷重の入力方向に沿って逐次破壊されることで、衝突時の衝撃荷重を吸収している。
【0004】
ところで、特許文献1のように、車幅方向の一方側が開口した開断面を車両前後方向に延設した衝撃吸収部材の場合、衝撃吸収部材の荷重伝達部分である開断面部分の荷重中心が、正面視における衝撃吸収部材の形状中心に対して、車幅方向の他方側にオフセットすることになる。
【0005】
このような構成の衝撃吸収部材の場合、衝撃吸収部材を介して伝達された衝撃荷重が車体骨格部材に作用した際、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向の他方側、かつ車両後方へ向けて変形するおそれがあった。このため、車体骨格部材に意図しない不具合が生じるたけでなく、車体骨格部材の変形に伴って衝撃吸収部材が変位することで、衝撃吸収部材に対して衝撃荷重が適切に入力されず、衝撃吸収部材の逐次破壊が阻害されるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−296823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑み、衝撃吸収部材を介して伝達された衝撃荷重が車体骨格部材に作用した際、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向の他方側、かつ車両後方へ向けて変形することを抑制できる車両の前部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、車両の車幅方向に所定間隔を隔てて配設されるとともに、車両の車体を構成する左右一対の車体骨格部材と、該車体骨格部材の前端に連結されるとともに、車両前後方向に延びる左右一対の衝撃吸収部材とを備えた車両の前部車体構造であって、前記衝撃吸収部材が、車幅方向の一方側が開口した開断面を車両前後方向に延設した本体部を備えるとともに、前記車体骨格部材の形状中心に対して前記衝撃吸収部材の形状中心を車幅方向に近接させた状態で、前記車体骨格部材に連結され、前記衝撃吸収部材の前記本体部が、前記衝撃吸収部材の形状中心に対して、前記本体部の荷重中心を車幅方向の他方側にオフセットさせた開断面形状に形成され、前記車体骨格部材の前端近傍における車幅方向の他方側に、前記車体骨格部材とは異なる別の車体骨格部材が連結されたことを特徴とする。
【0009】
上記車幅方向の一方側が開口した開断面とは、閉断面における車幅方向外側が開口した断面であって、例えば、略M字状、略門型形状、あるいは略ハット状のことをいう。
上記別の車体骨格部材は、例えば、車体骨格部材を車幅方向に連結するクロスメンバ、あるいは車体骨格部材とサスクロスとを連結する連結部材などを含むものとする。
【0010】
この発明により、衝撃吸収部材を介して伝達された衝撃荷重が車体骨格部材に作用した際、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向の他方側、かつ車両後方へ向けて変形することを抑制できる。
【0011】
具体的には、車体骨格部材の前端近傍に連結した別の車体骨格部材により、車両の前部車体構造は、車幅方向における車体骨格部材の支持剛性を向上することができる。さらに、衝撃吸収部材を介して車体骨格部材の前端に衝撃荷重が作用した際、車両の前部車体構造は、車体骨格部材を介した荷重伝達経路と、別の車体骨格部材を介した荷重伝達経路とに、衝撃荷重を分散伝達することができる。
【0012】
これにより、車体骨格部材の形状中心に対して、衝撃吸収部材の荷重中心が車幅方向の他方側にオフセットした状態であっても、車両の前部車体構造は、車体骨格部材の前端近傍に作用する衝撃荷重を低減することができる。
【0013】
従って、車両の前部車体構造は、衝撃吸収部材を介して伝達された衝撃荷重が車体骨格部材に作用した際、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向の他方側、かつ車両後方へ向けて変形することを抑制できる。
【0014】
この発明の態様として、前記車幅方向の一方側を、車幅方向外側とし、前記車幅方向の他方側を、車幅方向内側として、前記別の車体骨格部材が、左右の前記車体骨格部材を車幅方向に連結するクロスメンバで構成されてもよい。
この発明により、車両の前部車体構造は、車幅方向における車体骨格部材の剛性を、比較的高剛性なクロスメンバで向上することができる。
【0015】
このため、車両の前部車体構造は、衝撃吸収部材を介して伝達された衝撃荷重が車体骨格部材に作用した際、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することを抑制できる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記クロスメンバが、前記車体骨格部材の前端から車両後方に所定間隔を隔てた位置に配設され、前記クロスメンバに連結されるとともに、前記衝撃吸収部材と前記クロスメンバとの間に介在させた略ボックス状のボックス部材を備えもよい。
【0017】
上記ボックス部材は、例えば、車両上下方向が開口した略ボックス状のボックス部材、あるいは内部中空の六面体形状のボックス部材などを含むものとする。
この発明により、車両の前部車体構造は、衝撃吸収部材からの衝撃荷重を、ボックス部材を介してクロスメンバにより確実に伝達することができる。
【0018】
さらに、車両の前部車体構造は、衝撃吸収部材とクロスメンバとが当接していない場合であっても、衝撃吸収部材における車幅方向内側の端部が、車両後方へ変位することを、ボックス部材、及びクロスメンバで阻止することができる。
【0019】
従って、車両の前部車体構造は、衝撃吸収部材とクロスメンバとの間に介在させたボックス部材により、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することをより抑制できる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記ボックス部材が、内部空間を車両前後方向に隔てる隔壁部を備えてもよい。
この発明により、車両の前部車体構造は、ボックス部材における荷重伝達経路である側面の剛性を向上することができる。このため、車両の前部車体構造は、衝撃荷重がボックス部材に作用した際、衝撃荷重によるボックス部材の変形を、隔壁部によって阻止することができる。
【0021】
さらに、車両の前部車体構造は、ボックス部材の荷重伝達効率を向上できるため、衝撃吸収部材からの衝撃荷重を、ボックス部材を介してより効率よくクロスメンバへ伝達することができる。
従って、車両の前部車体構造は、ボックス部材の内部空間に隔壁部を設けたことにより、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することをより確実に抑制できる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記車体骨格部材が、車両のサスペンションが連結されるサスペンション連結部を備え、前記クロスメンバが、前記サスペンション連結部に対して車幅方向内側に対向配置されてもよい。
上記サスペンション連結部は、アーム部材が連結される連結部、あるいはサスダンパの上端が連結される連結部などを含むものとする。
【0023】
この発明により、車両の前部車体構造は、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することを抑制できるとともに、車幅方向におけるサスペンション連結部の剛性を向上することができる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記車体骨格部材が、前記衝撃吸収部材が連結される略平板状の被連結部と、該被連結部から車両後方に延設されるとともに、前記被連結部における車幅方向の長さよりも薄い厚みを車幅方向に有する板状部分に、複数のリブが立設された骨格本体部とを備え、該骨格本体部と前記被連結部とが、アルミダイキャストで一体形成されてもよい。
【0025】
この発明により、車両の前部車体構造は、衝撃吸収部材と車体骨格部材との接触面積を大きく確保できるため、車両の前部が被接触物に衝突した際、衝撃吸収部材からの衝撃荷重を被連結部で安定して受け止めることができる。このため、車両の前部車体構造は、車体骨格部材を介した荷重伝達経路と、ボックス部材、及びクロスメンバを介した荷重伝達経路とに、衝撃荷重を確実に分散伝達することができる。
【0026】
さらに、アルミダイキャスト製の車体骨格部材により、車両の前部車体構造は、車体骨格部材の高剛性化と、車体骨格部材の軽量化とを両立することができる。
従って、車両の前部車体構造は、衝撃吸収部材を介して伝達された衝撃荷重が車体骨格部材に作用した際、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することをさらに抑制できる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記車体骨格部材の前記被連結部と前記衝撃吸収部材との間に介在する連結プレートを備え、該連結プレートが、車両前後方向に厚みを有するとともに、前記車体骨格部材の前記被連結部よりも車幅方向に幅広な略平板状に形成され、前記衝撃吸収部材が、前記連結プレートを介して、前記車体骨格部材の前記被連結部に連結され、前記ボックス部材が、前記連結プレートに連結されてもよい。
【0028】
この発明により、車両の前部車体構造は、連結プレート、及びボックス部材を介して、クロスメンバと衝撃吸収部材とを連結できるとともに、衝撃吸収部材、及びクロスメンバに対するボックス部材の相対位置を安定させることができる。
【0029】
これにより、車両の前部車体構造は、衝撃吸収部材における車幅方向内側の端部の支持剛性を向上できるとともに、衝撃吸収部材からクロスメンバへの荷重伝達効率を向上させることができる。
従って、車両の前部車体構造は、衝撃吸収部材を介して伝達された衝撃荷重が車体骨格部材に作用した際、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することをさらに確実に抑制できる。
【0030】
またこの発明の態様として、前記ボックス部材が、前記車体骨格部材の前記被連結部と、前記連結プレートとの双方に連結されてもよい。
この発明により、車両の前部車体構造は、車体骨格部材の被連結部に作用する衝撃荷重の一部を、ボックス部材を介してクロスメンバに伝達することができる。
【0031】
このため、車両の前部車体構造は、衝撃吸収部材からの衝撃荷重によって、車体骨格部材の被連結部が変位することをより確実に防止できる。
従って、車両の前部車体構造は、衝撃吸収部材を介して伝達された衝撃荷重が車体骨格部材に作用した際、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側側、かつ車両後方へ向けて変形することをより一層抑制することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明により、衝撃吸収部材を介して伝達された衝撃荷重が車体骨格部材に作用した際、車体骨格部材の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向の他方側、かつ車両後方へ向けて変形することを抑制できる車両の前部車体構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】車両前方上方視における車両の前部車体の外観を示す外観斜視図。
図2】サスペンション支持構造体、及び衝撃吸収構造体における車両右側面を示す右側面図。
図3図2中のA−A矢視断面図。
図4】A−A矢視におけるサスペンション支持部材と衝撃吸収部材との連結箇所を示す要部拡大断面図。
図5図3中のB−B矢視における車両の前部車体の断面を示す断面図。
図6】車両前方上方視におけるボックス部材の外観を示す外観斜視図。
図7】車両前方上方視における車両左側の衝撃吸収部材の外観を示す外観斜視図。
図8図2中のC−C矢視断面図。
図9】車両後方上方視における部材取付け部の外観を示す外観斜視図。
図10】A−A矢視における部材取付け部を示す要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態の車両1の車体構造は、押出成形されたアルミ合金製の複数のフレームを連結して車体骨格をなす、所謂、スペースフレーム構造である。このような車両1の車体構造について、図1から図10を用いて説明する。
【0035】
なお、図1は車両前方上方視における車両1の前部車体の外観斜視図を示し、図2はサスペンション支持構造体4、及び衝撃吸収構造体6の右側面図を示し、図3図2中のA−A矢視断面図を示し、図4はA−A矢視におけるサスペンション支持部材41と衝撃吸収部材61との連結箇所の要部拡大断面図を示している。
【0036】
さらに、図5図3中のB−B矢視における車両1の前部車体の断面図を示し、図6は車両前方上方視におけるボックス部材45の外観斜視図を示し、図7は車両前方上方視における車両左側の衝撃吸収部材61の外観斜視図を示し、図8図2中のC−C矢視断面図を示し、図9は車両後方上方視における部材取付け部66の外観斜視図を示し、図10はA−A矢視における部材取付け部66の要部拡大断面図を示している。
【0037】
また、図示を明確にするため、図1中において、車両右側のナックル31、ロアアーム32、アッパアーム33、及びフロントサスダンパ34の図示を省略している。
また、図中において、矢印Fr及びRrは前後方向を示しており、矢印Frは前方を示し、矢印Rrは後方を示している。
さらに、矢印Rh及びLhは幅方向を示しており、矢印Rhは右方向を示し、矢印Lhは左方向を示している。加えて、矢印INは車幅方向内側を示し、矢印OUTは車幅方向外側を示している。
【0038】
本実施形態における車両1の車体構造は、図1に示すように、乗員が乗り込む車室部2と、車室部2よりも車両前方の所望位置に配置されたフロントサスペンション3を支持するサスペンション支持構造体4と、車室部2とサスペンション支持構造体4とを連結する複数のフレーム部材5と、サスペンション支持構造体4の前端に連結されるとともに、車両前方からの衝撃荷重を吸収する衝撃吸収構造体6とを備えている。
【0039】
車室部2は、図1に示すように、車幅方向に所定間隔を隔てた位置で、車両前後方向に延びる左右一対のサイドシル21と、サイドシル21の車両上方に配設された左右一対のフロントピラー22と、サイドシル21の前端、及びフロントピラー22の前端を車両上下方向に連結する左右一対のヒンジピラー23と、車幅方向略中央の位置において、車両前後方向に延びるフロアトンネル24と、左右のヒンジピラー23を車幅方向に連結して、車室内外を隔てる隔壁をなすダッシュパネル25、及びダッシュアッパパネル26とを備えている。
【0040】
また、フロントサスペンション3は、図1に示すように、ダブルウィッシュボーン式サスペンション構造であって、車両1の前輪を回転自在に支持するナックル31と、車幅方向外側がナックル31の下部に連結され、車幅方向内側が車体に連結されたロアアーム32と、車幅方向外側がナックル31の上部に連結され、車幅方向内側が車体に連結されたアッパアーム33と、上端が車体に連結され、下端がロアアーム32に連結された伸縮可能なフロントサスダンパ34とで構成されている。
【0041】
また、サスペンション支持構造体4は、図1に示すように、車幅方向に所定間隔を隔てて配置されるとともに、所望位置に配置されたフロントサスペンション3を支持する左右一対のサスペンション支持部材41と、左右のサスペンション支持部材41の下端近傍を連結するサスクロス42と、サスクロス42よりも僅かに車両上方の位置で、左右のサスペンション支持部材41の下部を連結する下側クロスメンバ43と、左右のサスペンション支持部材41の上部を連結する上側クロスメンバ44と、上側クロスメンバ44に接合された左右一対のボックス部材45と、サスペンション支持部材41、及びサスクロス42を連結する左右一対の傾斜フレーム46とで構成されている。
【0042】
また、衝撃吸収構造体6は、図1に示すように、左右のサスペンション支持部材41の前端に連結された左右一対の衝撃吸収部材61と、衝撃吸収部材61の前端を車幅方向に連結するフロントバンパービーム62とで構成されている。
【0043】
引き続き、上述したフロントサスペンション3、サスペンション支持構造体4、及び衝撃吸収構造体6の各構成要素について、さらに詳述する。
まず、フロントサスペンション3は、上述したように、ナックル31、ロアアーム32、アッパアーム33、及びフロントサスダンパ34で構成されている。
【0044】
ナックル31は、アルミダイキャスト製であって、フロントハブを介して、車両1の前輪を回転自在に支持している。
ロアアーム32は、アルミダイキャスト製のアーム部材であって、ナックル31の下部に連結される部分を頂部とする平面視略A字状に形成されている。このロアアーム32は、車両前後方向を回動中心として揺動可能な状態で、サスペンション支持部材41に連結されている。
【0045】
具体的には、ロアアーム32は、図2中の二点鎖線で示したように、フロントサスダンパ34よりも車両前方の位置で、サスペンション支持部材41に連結される前方連結部32aと、フロントサスダンパ34よりも車両後方の位置で、サスペンション支持部材41に連結される後方連結部32bとを、車幅方向内側端部に備えている。
【0046】
アッパアーム33は、アルミダイキャスト製のアーム部材であって、ナックル31の上部に連結される部分を頂部とする平面視略A字状に形成されている。このアッパアーム33は、車両前後方向を回動中心として揺動可能な状態で、サスペンション支持部材41に連結されている。
【0047】
具体的には、アッパアーム33は、図2中の二点鎖線で示したように、フロントサスダンパ34よりも車両前方の位置で、サスペンション支持部材41に連結される前方連結部33aと、フロントサスダンパ34よりも車両後方の位置で、サスペンション支持部材41に連結される後方連結部33bとを、車幅方向内側端部に備えている。
【0048】
フロントサスダンパ34は、図1に示すように、略車両上下方向に伸縮可能なダンパ本体部と、ダンパ本体部の伸縮に応じて伸縮するばね部とで一体構成されている。このフロントサスダンパ34は、図1、及び図2中の二点鎖線で示したように、上端である上方連結部34aが、サスペンション支持部材41に連結され、下端である下方連結部(図示省略)がロアアーム32に連結されている。
【0049】
また、サスペンション支持構造体4は、上述したように、左右一対のサスペンション支持部材41、サスクロス42、下側クロスメンバ43、上側クロスメンバ44、左右一対のボックス部材45、及び左右一対の傾斜フレーム46で構成されている。
【0050】
サスペンション支持部材41は、図1に示すように、車両1における前部車体を構成する車体骨格部材としての機能と、フロントサスペンション3を揺動可能に支持する機能とを有するアルミダイキャスト製の部材である。
【0051】
このサスペンション支持部材41は、図2及び図3に示すように、車幅方向に所定の厚みを有する板状部分に、車幅方向内側、及び車幅方向外側へそれぞれ立設した複数のリブを有する骨格本体部と、車両前後方向または車両上下方向に所定の厚みを有するとともに、車幅方向の長さが骨格本体部の厚みよりも幅広な略平板で、骨格本体部の縁端を囲繞した輪郭部とで一体形成されている。
【0052】
より詳しくは、サスペンション支持部材41は、図1及び図2に示すように、ロアアーム32を支持するロアアーム支持部411と、ロアアーム支持部411よりも車両上方でアッパアーム33を支持するアッパアーム支持部412と、ロアアーム支持部411の前部、及びアッパアーム支持部412の前部を車両上下方向に連結する前側連結部413と、ロアアーム支持部411の後部、及びアッパアーム支持部412の後部を車両上下方向に連結する後側連結部414とで、側面視略ロ字形状に一体形成されている。
【0053】
ロアアーム支持部411は、図2に示すように、側面視において、車両上下方向の長さに対して、車両前後方向の長さが長い側面視略矩形に形成されている。このロアアーム支持部411には、図2に示すように、ロアアーム32の前方連結部33aが締結固定されるロアアーム前方締結部分411aと、ロアアーム32の後方連結部33bが締結固定されるロアアーム後方締結部分411bとが、車幅方向外側の面に形成されている。
【0054】
なお、ロアアーム支持部411における車幅方向外側の面には、図2示すように、ロアアーム前方締結部分411aがロアアーム支持部411の前部に形成され、ロアアーム後方締結部分411bがロアアーム支持部411の後部に形成されている。
【0055】
アッパアーム支持部412は、図2に示すように、側面視において、上端が短辺となる側面視略台形状であって、アッパアーム33と、フロントサスダンパ34の上方連結部34aとを一体的に支持可能な形状に形成されている。
【0056】
具体的には、アッパアーム支持部412には、図2に示すように、フロントサスダンパ34の上方連結部34aが締結固定されるダンパ締結部分412aと、アッパアーム33の前方連結部33aが締結固定されるアッパアーム前方締結部分412bと、アッパアーム33の後方連結部33bが締結固定されるアッパアーム後方締結部分412cとが、車幅方向外側の面に形成されている。
【0057】
なお、ダンパ締結部分412aが、アッパアーム支持部412における車両前後方向略中央、かつ車両上方の位置に形成され、アッパアーム前方締結部分412bが、サスペンション支持部材41の前面(後述する被後端連結部41a)よりも車両後方に所定間隔を隔てた位置で、かつダンパ締結部分412aよりも車両前方下方の位置に形成され、アッパアーム後方締結部分412cが、ダンパ締結部分412aよりも車両後方下方の位置に形成されている。
【0058】
このような構成のサスペンション支持部材41の前面は、図2から図4に示すように、アッパアーム支持部412における車両上下方向略中央近傍から、前側連結部413における車両上下方向略中央近傍に至る範囲を、衝撃吸収構造体6の衝撃吸収部材61(後述する衝撃吸収部材61の後端連結部613)が連結される被後端連結部41aとして構成している。
【0059】
そして、サスペンション支持部材41の被後端連結部41aには、図2から図4に示すように、後述する衝撃吸収構造体6の衝撃吸収部材61が取付けられる取付けプレート47が接合されている。
取付けプレート47は、図2から図4に示すように、アッパアーム支持部412における車両上下方向略中央近傍から前側連結部413における車両上下方向略中央近傍に至る車両上下方向の長さと、サスペンション支持部材41の被後端連結部41aよりも幅広な車幅方向の長さを有する略平板状に形成されている。
【0060】
サスクロス42は、アルミダイキャスト製であって、図1及び図3に示すように、ロアアーム支持部411の下部を車幅方向に連結する平面視略H字状に形成されている。
下側クロスメンバ43は、図5に示すように、押出し成型されたアルミ合金製の押出部材であって、略矩形の閉断面を車幅方向に延設した略筒状体に形成されている。この下側クロスメンバ43は、図2及び図5に示すように、サスペンション支持部材41におけるロアアーム前方締結部分411aと車幅方向で対向する部分に接合されている。
【0061】
上側クロスメンバ44は、図5に示すように、押出し成形されたアルミ合金製の押出部材であって、略矩形の閉断面を車幅方向に延設した略筒状体に形成されている。この上側クロスメンバ44は、図2図4、及び図5に示すように、サスペンション支持部材41の被後端連結部41aに対して、車両後方に所定間隔を隔てた位置に接合されている。
より詳しくは、上側クロスメンバ44は、図2及び図4に示すように、サスペンション支持部材41におけるアッパアーム前方締結部分412bと車幅方向で対向する部分に接合されている。
【0062】
ボックス部材45は、図4から図6に示すように、押出し成型されたアルミ合金製の押出部材であって、内部空間を車両前後方向に隔てる隔壁部45aを有する略矩形の閉断面を、車両上下方向に延設した略筒状体に形成されている。
【0063】
さらに、ボックス部材45の前面は、図4及び図6に示すように、車幅方向内側に対して、車幅方向外側が車両後方に位置する段付き形状に形成されている。このボックス部材45の前面において、車幅方向内側の面を前面部分451とし、前面部分451に対して車両後方に位置する面を段付き面部分452とする。
【0064】
このような構成のボックス部材45は、図4に示すように、その後面が上側クロスメンバ44の前面に接合され、前面のうち段付き面部分452がサスペンション支持部材41における被後端連結部41aの後面に接合され、前面部分451が取付けプレート47の後面に接合されている。
【0065】
左右一対の傾斜フレーム46は、図4及び図5に示すように、押出し成型されたアルミ合金製の押出部材であって、略矩形の閉断面を所定方向に延設した略筒状体に形成されている。この傾斜フレーム46は、図1及び図5に示すように、上側クロスメンバ44の車両後方側に配置されるとともに、所定方向の一端を上端として、上端に対して下端が車両下方、かつ車幅方向内側に位置するように車両1の前部車体に配置されている。
【0066】
そして、傾斜フレーム46は、図1図4、及び図5に示すように、サスペンション支持部材41におけるダンパ締結部分412aと車幅方向で対向する部分に上端が接合され、サスクロス42における車幅方向略中央、かつ前端近傍の位置に、連結部材48を介して下端が連結されている。
さらに、傾斜フレーム46は、図4に示すように、上側クロスメンバ44の後面に締結固定されている。
【0067】
また、衝撃吸収構造体6は、上述したように、左右一対の衝撃吸収部材61と、フロントバンパービーム62とで構成されている。
衝撃吸収部材61は、繊維強化樹脂製であって、例えば、炭素繊維強化プラスチックで形成されている。
【0068】
この衝撃吸収部材61は、図3図7、及び図8に示すように、車幅方向外側が開口した断面略M字状の開断面を車両前後方向に延設した衝撃吸収本体部611と、衝撃吸収本体部611の前端から車幅方向内側へ延設された略平板状の前端連結部612と、衝撃吸収本体部611の後端から車幅方向外側へ延設された略平板状の後端連結部613とで一体形成されている。
【0069】
衝撃吸収部材61の衝撃吸収本体部611は、図8に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、車幅方向外側へ向けて凸設された山部分と、車幅方向内側へ向けて凹設された谷部分と、車幅方向外側へ向けて凸設された山部分とを、車両上方からこの順番で一体形成した断面略M字状の開断面形状に形成されている。なお、衝撃吸収本体部611は、車幅方向に沿った縦断面において、一定の肉厚の開断面形状に形成されている。
【0070】
より詳しくは、衝撃吸収本体部611は、図8に示すように、衝撃吸収本体部611の上面をなす本体上面部分611aと、本体上面部分611aにおける車幅方向内側の縁端から車両下方へ延設した上方側壁部分611bと、上方側壁部分611bの下端から車幅方向外側、かつ僅かに車両下方へ延設した上側傾斜面部分611cと、上側傾斜面部分611cにおける車幅方向外側の縁端から車両下方へ延設した谷底部分611dと、谷底部分611dの下端から車幅方向外側、かつ僅かに車両下方へ延設した下側傾斜面部分611eと、下側傾斜面部分611eにおける車幅方向内側の縁端から車両下方へ延設した下方側壁部分611fと、下方側壁部分611fの下端から車幅方向外側へ延設されるとともに、衝撃吸収本体部611の下面をなす本体下面部分611gとで一体形成されている。
【0071】
このうち、上方側壁部分611b、及び下方側壁部分611fが、車幅方向の略同位置に形成され、谷底部分611dが、本体上面部分611a、及び本体下面部分611gにおける車幅方向略中央に対して、僅かに車幅方向内側の位置に形成されている。
【0072】
さらに、衝撃吸収部材61の衝撃吸収本体部611は、図3に示すように、前端における車幅方向の長さが、後端における車幅方向の長さに対して、幅狭な平面視略三角形状をなすように、略M字状の開断面を車両前後方向に延設している。
【0073】
具体的には、衝撃吸収部材61の衝撃吸収本体部611は、図3に示すように、平面視において、車幅方向外側の縁端が車両上下方向に沿った略直線状に形成され、車幅方向内側の縁端が前端に対して後端が車幅方向内側に位置するよう傾斜した形状に形成されている。換言すると、衝撃吸収本体部611は、前端から後端かけて略M字状の開断面の断面積が徐々に大きくなる形状に形成されている。
【0074】
衝撃吸収部材61の前端連結部612は、図7及び図9に示すように、背面視における衝撃吸収本体部611の開口を覆う大きさの略平板状に形成されている。
具体的には、前端連結部612は、図7及び図9に示すように、衝撃吸収本体部611における車幅方向内側の端部よりも車幅方向内側に僅かに突出する大きさで、衝撃吸収本体部611の前端から車幅方向内側へ延設されている。さらに、前端連結部612には、後述するフロントバンパービーム62に締結固定するためのボルトが挿通する挿通孔が複数開口形成されている。
【0075】
衝撃吸収部材61の後端連結部613は、図7及び図8に示すように、正面視における衝撃吸収本体部611の開口を覆う大きさの略平板状に形成されている。
具体的には、後端連結部613は、図7及び図8に示すように、衝撃吸収本体部611における車幅方向外側の端部よりも車幅方向外側に僅かに突出する大きさで、衝撃吸収本体部611の後端から車幅方向外側へ延設されている。さらに、後端連結部613には、後述するセットプレート63に締結固定するためのボルトが挿通するボルト挿通孔が複数開口形成されている。
【0076】
このような構成の衝撃吸収部材61は、図8に示すように、正面視において、衝撃吸収部材61における車幅方向略中央をとおる形状中心の位置Sが、サスペンション支持部材41における取付けプレート47の車幅方向略中央をとおる形状中心の位置Xに近接する状態で、セットプレート63を介して、サスペンション支持部材41に連結固定されている。
【0077】
ここで、車幅方向外側が開口した開断面で衝撃吸収本体部611が形成されているため、衝撃吸収部材61の衝撃吸収本体部611は、図8に示すように、正面視において、衝撃吸収部材61における形状中心の位置Sに対して、衝撃吸収本体部611における荷重中心の位置Lが車幅方向内側に位置していることになる。
【0078】
すなわち、衝撃吸収部材61は、図8に示すように、正面視において、衝撃吸収本体部611における荷重中心の位置Lが、サスペンション支持部材41における形状中心の位置Xよりも車幅方向内側に位置するよう形成されている。
【0079】
なお、上述したセットプレート63は、図4に示すように、押出し成形されたアルミ合金製の押出部材であって、取付けプレート47と略同じ車幅方向の長さを有する略ハット状の開断面を、取付けプレート47と略同等の車両上下方向の長さで、車両上下方向に延設した形状に形成されている。
【0080】
このセットプレート63は、図4に示すように、車幅方向外側、及び車幅方向内側が、それぞれ取付けプレート47の前面に締結固定され、車両前方側に突出した面に、上述した衝撃吸収部材61の後端連結部613が締結固定されている。
【0081】
フロントバンパービーム62は、図3に示すように、平面視において、車幅方向の両端に対して、車幅方向略中央が車両前方へ突出するように僅かに湾曲した平面視略円弧形状に形成されている。
【0082】
このフロントバンパービーム62は、図1及び図9に示すように、車両上下方向に所定間隔を隔てて、車幅方向に延びる上下一対の本体フレーム64と、上下の本体フレーム64における車幅方向略中央を連結する補強フレーム65と、本体フレーム64の両端にそれぞれ接合されるとともに、衝撃吸収部材61の前端が取付けられる部材取付け部66とで構成されている。
【0083】
上下一対の本体フレーム64は、図9に示すように、押出し成型されたアルミ合金製の押出部材であって、略矩形の閉断面を平面視略円弧状になるように車幅方向へ延設した略筒状体に形成されている。
【0084】
補強フレーム65は、図3及び図5に示すように、押出し成型されたアルミ合金製の押出部材であって、略矩形の閉断面を車両上下方向に延設した略筒状体に形成されている。この補強フレーム65は、車両上方に位置する本体フレーム64の下面に上端が接合され、車両下方に位置する本体フレーム64の上面に下端が接合されている。
【0085】
部材取付け部66は、図9及び図10に示すように、衝撃吸収部材61が取付けられる取付け部本体661と、取付け部本体661の剛性を向上させる上下一対の補強プレート662とで構成されている。
【0086】
取付け部本体661は、図9及び図10に示すように、押出し成型されたアルミ合金製の押出部材であって、衝撃吸収部材61の前端連結部612が締結固定される略平板状の被前端連結部分661aと、被前端連結部分661aにおける車幅方向外側の縁端から車両後方へ立設した外方側壁部分661bと、被前端連結部分661aにおける車幅方向内側の縁端から車両後方へ立設した内方側壁部分661cとで一体形成されている。
【0087】
取付け部本体661の被前端連結部分661aは、図9及び図10に示すように、本体フレーム64の前面と略同じ肉厚の厚みを車両前後方向に有する略平板状であって、その前面が、本体フレーム64の前面と連続するように配設されている。この被前端連結部分661aには、車幅方向略中央よりも車幅方向外側の位置に、衝撃吸収部材61の前端連結部612が締結固定されている。
【0088】
取付け部本体661の外方側壁部分661b、及び内方側壁部分661cは、図9及び図10に示すように、本体フレーム64の閉断面と略同じ車両前後方向の長さを有する略矩形の閉断面を、車両上下方向に延設した略筒状体に形成されている。
【0089】
上述したように、衝撃吸収部材61に対して取付け部本体661の被前端連結部分661aが車幅方向内側にオフセットしているため、外方側壁部分661b、及び内方側壁部分661cは、車幅方向における衝撃吸収部材61からの間隔が、それぞれ異なる位置に配設されている。
【0090】
具体的には、外方側壁部分661bは、図9及び図10に示すように、衝撃吸収部材61の衝撃吸収本体部611に対して車幅方向外側で近接するよう配設されている。
一方、内方側壁部分661cは、図9及び図10に示すように、衝撃吸収部材61の衝撃吸収本体部611に対して、車幅方向内側に所定間隔を隔てた位置に配設されている。
【0091】
上下一対の補強プレート662は、図9及び図10に示すように、外方側壁部分661bにおける車幅方向内側の側面と、内方側壁部分661cにおける車幅方向外側の側面とを連結する形状に形成されている。
【0092】
より詳しくは、補強プレート662は、押出し成形されたアルミ合金製の押出部材であって、車両上下方向に所定の厚みを有する略平板状の平面部分662aと、平面部分662aの後端から車両上方、及び車両下方に延設された略平板状の後面部分662bとで、車両前後方向に沿った縦断面の縦断面形状が断面略T字状になるよう形成されている。
【0093】
この補強プレート662は、後面部分662bの後面が、取付け部本体661の外方側壁部分661bの後面、及び内方側壁部分661cの後面と連続する車両前後方向の位置に配設されている。
そして、補強プレート662は、平面部分662aが、取付け部本体661の被前端連結部分661a、外方側壁部分661b、及び内方側壁部分661cに接合され、後面部分662bが、外方側壁部分661b、及び内方側壁部分661cに接合されている。
【0094】
以上のように、車両1の車幅方向に所定間隔を隔てて配設されるとともに、車両1の車体を構成する左右一対のサスペンション支持部材41と、サスペンション支持部材41の前端に連結されるとともに、車両前後方向に延びる左右一対の衝撃吸収部材61とを備えた車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61が、車幅方向外側が開口した開断面を車両前後方向に延設した衝撃吸収本体部611を備えるとともに、サスペンション支持部材41の形状中心に対して衝撃吸収部材61の形状中心を車幅方向に近接させた状態で、サスペンション支持部材41に連結され、衝撃吸収部材61の衝撃吸収本体部611が、衝撃吸収部材61の形状中心に対して、衝撃吸収本体部611の荷重中心を車幅方向内側にオフセットさせた開断面形状に形成され、サスペンション支持部材41の前端近傍における車幅方向内側に、サスペンション支持部材41とは異なる別の車体骨格部材である上側クロスメンバ44が連結されたことにより、衝撃吸収部材61を介して伝達された衝撃荷重がサスペンション支持部材41に作用した際、サスペンション支持部材41の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することを抑制できる。
【0095】
具体的には、サスペンション支持部材41の前端近傍に連結した上側クロスメンバ44により、車両1の前部車体構造は、車幅方向におけるサスペンション支持部材41の支持剛性を向上することができる。さらに、衝撃吸収部材61を介してサスペンション支持部材41の前端に衝撃荷重が作用した際、車両1の前部車体構造は、サスペンション支持部材41を介した荷重伝達経路と、上側クロスメンバ44を介した荷重伝達経路とに、衝撃荷重を分散伝達することができる。
【0096】
これにより、サスペンション支持部材41の形状中心に対して、衝撃吸収部材61の荷重中心が車幅方向内側にオフセットした状態であっても、車両1の前部車体構造は、サスペンション支持部材41の前端近傍に作用する衝撃荷重を低減することができる。
【0097】
従って、車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61を介して伝達された衝撃荷重がサスペンション支持部材41に作用した際、サスペンション支持部材41の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することを抑制できる。
【0098】
また、上側クロスメンバ44が、左右のサスペンション支持部材41を車幅方向に連結する上側クロスメンバ44で構成されたことにより、車両1の前部車体構造は、車幅方向におけるサスペンション支持部材41の剛性を、比較的高剛性な上側クロスメンバ44で向上することができる。
【0099】
このため、車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61を介して伝達された衝撃荷重がサスペンション支持部材41に作用した際、サスペンション支持部材41の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することを抑制できる。
【0100】
また、上側クロスメンバ44が、サスペンション支持部材41の前端から車両後方に所定間隔を隔てた位置に配設され、上側クロスメンバ44に連結されるとともに、衝撃吸収部材61と上側クロスメンバ44との間に介在させた略ボックス状のボックス部材45を備えたことにより、車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61からの衝撃荷重を、ボックス部材45を介して上側クロスメンバ44により確実に伝達することができる。
【0101】
さらに、車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61と上側クロスメンバ44とが当接していない場合であっても、衝撃吸収部材61における車幅方向内側の端部が、車両後方へ変位することを、ボックス部材45、及び上側クロスメンバ44で阻止することができる。
【0102】
従って、車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61と上側クロスメンバ44との間に介在させたボックス部材45により、サスペンション支持部材41の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することをより抑制できる。
【0103】
また、ボックス部材45が、内部空間を車両前後方向に隔てる隔壁部45aを備えたことにより、車両1の前部車体構造は、ボックス部材45における荷重伝達経路である側面の剛性を向上することができる。このため、車両1の前部車体構造は、衝撃荷重がボックス部材45に作用した際、衝撃荷重によるボックス部材45の変形を、隔壁部45aによって阻止することができる。
【0104】
さらに、車両1の前部車体構造は、ボックス部材45の荷重伝達効率を向上できるため、衝撃吸収部材61からの衝撃荷重を、ボックス部材45を介してより効率よく上側クロスメンバ44へ伝達することができる。
【0105】
従って、車両1の前部車体構造は、ボックス部材45の内部空間に隔壁部45aを設けたことにより、サスペンション支持部材41の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することをより確実に抑制できる。
【0106】
また、サスペンション支持部材41が、車両1のアッパアーム33が連結されるアッパアーム前方締結部分412bを備え、上側クロスメンバ44が、アッパアーム前方締結部分412bに対して車幅方向内側に対向配置されたことにより、車両1の前部車体構造は、サスペンション支持部材41の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することを抑制できるとともに、車幅方向におけるアッパアーム前方締結部分412bの剛性を向上することができる。
【0107】
また、サスペンション支持部材41が、衝撃吸収部材61が連結される略平板状の被後端連結部41aと、被後端連結部41aから車両後方に延設されるとともに、被後端連結部41aにおける車幅方向の長さよりも薄い厚みを車幅方向に有する板状部分に、複数のリブが立設された骨格本体部とを備え、骨格本体部と被後端連結部41aとが、アルミダイキャストで一体形成されたことにより、車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61とサスペンション支持部材41との接触面積を大きく確保できるため、車両1の前部が被接触物に衝突した際、衝撃吸収部材61からの衝撃荷重を被後端連結部41aで安定して受け止めることができる。
【0108】
このため、車両1の前部車体構造は、サスペンション支持部材41を介した荷重伝達経路と、ボックス部材45、及び上側クロスメンバ44を介した荷重伝達経路とに、衝撃荷重を確実に分散伝達することができる。
【0109】
さらに、アルミダイキャスト製のサスペンション支持部材41により、車両1の前部車体構造は、サスペンション支持部材41の高剛性化と、サスペンション支持部材41の軽量化とを両立することができる。
従って、車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61を介して伝達された衝撃荷重がサスペンション支持部材41に作用した際、サスペンション支持部材41の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することをさらに抑制できる。
【0110】
また、サスペンション支持部材41の被後端連結部41aと衝撃吸収部材61との間に介在する取付けプレート47を備え、取付けプレート47が、車両前後方向に厚みを有するとともに、サスペンション支持部材41の被後端連結部41aよりも車幅方向に幅広な略平板状に形成され、衝撃吸収部材61が、取付けプレート47を介して、サスペンション支持部材41の被後端連結部41aに連結され、ボックス部材45が、取付けプレート47に連結されたことにより、車両1の前部車体構造は、取付けプレート47、及びボックス部材45を介して、上側クロスメンバ44と衝撃吸収部材61とを連結できるとともに、衝撃吸収部材61、及び上側クロスメンバ44に対するボックス部材45の相対位置を安定させることができる。
【0111】
これにより、車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61における車幅方向内側の端部の支持剛性を向上できるとともに、衝撃吸収部材61から上側クロスメンバ44への荷重伝達効率を向上させることができる。
【0112】
従って、車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61を介して伝達された衝撃荷重がサスペンション支持部材41に作用した際、サスペンション支持部材41の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側、かつ車両後方へ向けて変形することをさらに確実に抑制できる。
【0113】
また、ボックス部材45が、サスペンション支持部材41の被後端連結部41aと、取付けプレート47との双方に連結されたことにより、車両1の前部車体構造は、サスペンション支持部材41の被後端連結部41aに作用する衝撃荷重の一部を、ボックス部材45を介して上側クロスメンバ44に伝達することができる。
【0114】
このため、車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61からの衝撃荷重によって、サスペンション支持部材41の被後端連結部41aが変位することをより確実に防止できる。
従って、車両1の前部車体構造は、衝撃吸収部材61を介して伝達された衝撃荷重がサスペンション支持部材41に作用した際、サスペンション支持部材41の前端近傍が、衝撃荷重によって車幅方向内側側、かつ車両後方へ向けて変形することをより一層抑制することができる。
【0115】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の車体骨格部材は、実施形態のサスペンション支持部材41に対応し、
以下同様に、
車幅方向の一方は、車幅方向外側に対応し、
本体部は、衝撃吸収本体部611に対応し、
車幅方向の他方は、車幅方向内側に対応し、
別の車体骨格部材、及びクロスメンバは、上側クロスメンバ44に対応し、
サスペンションは、アッパアーム33に対応し、
サスペンション連結部は、アッパアーム前方締結部分412bに対応し、
被連結部は、被後端連結部41aに対応し、
連結プレートは、取付けプレート47に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0116】
例えば、上述した実施形態において、略M字状の開断面を車両前後方向に延設した衝撃吸収部材61としたが、これに限定せず、車幅方向の一方側が開口した開断面であれば、適宜の形状の開断面を車両前後方向に延設した衝撃吸収部材としてもよい。例えば、車幅方向の一方側が開口した略門型形状の開断面、あるいは車幅方向の一方側が開口した略ハット状の開断面を、車両前後方向に延設した衝撃吸収部材としてもよい。
【0117】
サスペンション支持部材41の前端近傍に上側クロスメンバ44を接合した構成としたが、これに限定せず、サスペンション支持部材41の前端近傍に、例えば傾斜フレーム46を連結した構成としてもよい。この場合、傾斜フレーム46の前面にボックス部材45を接合する。
【0118】
また、車両上下方向が開口したボックス部材45としたが、これに限定せず、内部中空の六面体形状のボックス部材であってもよい。
また、アッパアーム前方締結部分412bに対して車幅方向内側に上側クロスメンバ44を対向配置したが、これに限定せず、例えば、ダンパ締結部分412aに対して車幅方向内側に上側クロスメンバ44を対向配置してもよい。
【符号の説明】
【0119】
1…車両
33…アッパアーム
41…サスペンション支持部材
41a…被後端連結部
44…上側クロスメンバ
45…ボックス部材
45a…隔壁部
47…取付けプレート
61…衝撃吸収部材
412b…アッパアーム前方締結部分
611…衝撃吸収本体部
図1
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