特開2019-15115(P2019-15115A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2019015115-パワーウィンドウ装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-15115(P2019-15115A)
(43)【公開日】2019年1月31日
(54)【発明の名称】パワーウィンドウ装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/695 20150101AFI20190104BHJP
   B60J 1/17 20060101ALI20190104BHJP
   H02P 29/028 20160101ALI20190104BHJP
【FI】
   E05F15/695
   B60J1/17 A
   H02P29/028
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-133956(P2017-133956)
(22)【出願日】2017年7月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】出口 航平
(72)【発明者】
【氏名】小川 大輔
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 節彦
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 創
【テーマコード(参考)】
2E052
3D127
5H501
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052BA01
2E052CA06
2E052EA14
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA08
2E052KA08
2E052LA08
3D127AA07
3D127BB01
3D127CB05
3D127CC05
3D127DF04
3D127DF36
3D127FF06
5H501AA20
5H501BB08
5H501CC02
5H501DD01
5H501EE01
5H501EE08
5H501HA04
5H501LL52
5H501MM01
(57)【要約】
【課題】水没時に、誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、ウィンドウの下降動作を確保できるパワーウィンドウ装置を提供する。
【解決手段】
パワーウィンドウ装置100は、下降スイッチSW1及び上昇スイッチSW3、SW4のそれぞれが操作されたときにそれぞれ異なる電圧値を有する操作信号を第1信号線L1を介して出力し、下降スイッチSW2が操作されたときにさらに異なる電圧値を有する操作信号を第2信号線L2を介して出力し、スイッチ水没検出回路11により水没を検出したときにさらに異なる電圧値を有するスイッチ水没検出信号を出力するスイッチ装置10と、入力された操作信号の電圧値に基づき、ウィンドウガラスを下降動作及び上昇動作させる制御を行う制御装置20とを有する。制御装置20は、スイッチ水没検出信号が一旦入力された後は正常時制御を行わず、第2信号線L2から信号が入力されたときに、ウィンドウを下降動作させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のウィンドウガラスを下降動作および上昇動作させるためのパワーウィンドウ装置であって、
手動操作または自動操作で、前記ウィンドウガラスを下降動作させるための1以上の下降スイッチと前記ウィンドウガラスを上昇動作させるための1以上の上昇スイッチとを備え、前記下降スイッチが操作されたときと前記上昇スイッチが操作されたときとで異なる電圧値を有する操作信号を出力するスイッチ装置と、
前記スイッチ装置と別体に構成され、前記スイッチ装置と第1信号線および第2信号線により接続された制御装置であって、この制御装置は、前記第1信号線または前記第2信号線を介して前記スイッチ装置から前記操作信号が入力されて、この操作信号の電圧値に基づき、前記ウィンドウガラスを下降動作および上昇動作させるための駆動モータを制御する前記制御装置と、を備え、
前記スイッチ装置は、更に、
一の前記下降スイッチが操作されたときに第1電圧値を有する前記操作信号を前記第1信号線に出力し、且つ、前記上昇スイッチが操作されたときに前記第1電圧値とは異なる第2電圧値を有する前記操作信号を前記第1信号線に出力する第1スイッチ入力回路と、
自身内部への水の浸入を検出したときに前記第1電圧値および第2電圧値とは異なる第3電圧値を有するスイッチ水没検出信号を前記第1信号線に出力するスイッチ水没検出回路と、
他の前記下降スイッチが手動操作で下降動作するように操作されたときに前記第1電圧値および第2電圧値および第3電圧値とは異なる第4電圧値を有する所定信号を前記第2信号線に出力する第2スイッチ入力回路と、
を備え、
前記制御装置は、更に、
前記スイッチ装置の前記第1スイッチ入力回路から前記操作信号が入力されたときに、この操作信号が有する電圧値に応じて前記ウィンドウガラスを下降動作又は上昇動作させるように前記駆動モータを駆動する正常時制御を行い、且つ、前記スイッチ装置の前記スイッチ水没検出回路から前記スイッチ水没検出信号が一旦入力された後は、前記正常時制御を行わない制御回路と、
前記スイッチ装置の前記第2スイッチ入力回路から前記所定信号が入力されたときに、正常時、水没検出時に拘らず、前記ウィンドウガラスを下降動作させるように前記駆動モータを駆動する強制駆動回路と、を備える、
ことを特徴とするパワーウィンドウ装置。
【請求項2】
前記スイッチ装置の前記第1スイッチ入力回路は、前記一の下降スイッチが操作されたときに、第1抵抗値を有する第1回路を形成して、前記第1電圧値を有する前記操作信号を出力するよう構成され、且つ、前記上昇スイッチが操作されたときに、前記第1抵抗値とは異なる第2抵抗値を有する第2回路を形成して、前記第2電圧値を有する前記操作信号を出力するよう構成され、
前記スイッチ装置の前記スイッチ水没検出回路は、自身内部に水が浸入したときに、前記第1抵抗値および第2抵抗値とは異なる第3抵抗値を有する第3回路を形成して、前記第3電圧値を有する前記スイッチ水没検出信号を出力するよう構成され、
前記スイッチ装置の前記第2スイッチ入力回路は、前記他の下降スイッチが操作されたときに、前記第1抵抗値および第2抵抗値および第3抵抗値とは異なる第4抵抗値を有する第4回路を形成して、前記第4電圧値を有する前記所定信号を出力するように構成され、
前記スイッチ装置の前記第1スイッチ入力回路および前記スイッチ水没検出回路および前記第2スイッチ入力回路の構成により、前記第3電圧値は、前記第1電圧値および前記第2電圧値より小さく、前記第4電圧値は、前記第3電圧値より小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載のパワーウィンドウ装置。
【請求項3】
前記制御装置は、更に、自身内部への水の浸入を検出する制御装置水没検出回路を備え、
前記制御装置の前記制御回路は、前記制御装置水没検出回路が水の浸入を検出したときにも、制御装置水没検出信号を前記強制駆動回路に出力する、
ことと特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のパワーウィンドウ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーウィンドウ装置に係わり、特に、車両のウィンドウガラスを下降動作および上昇動作させて開閉するためのパワーウィンドウ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動モータ(電動モータ)により車両のウィンドウを開閉するパワーウィンドウ装置においては、操作スイッチの操作状況に応じて、モータを正転または逆転させ、ウィンドウの開閉を行うようにしている。例えば、操作スイッチを上昇側に操作すると、モータが正転してウィンドウが閉じ、操作スイッチを下降側に操作すると、モータが逆転してウィンドウが開くようになっている。モータの正転と逆転の制御は、操作スイッチからの操作信号に基づき、モータ駆動回路においてモータに流れる電流の方向を切り替えることにより行われる。
【0003】
例えば、特許文献1には、操作スイッチなどを備えるスイッチ装置(スイッチ部)と、スイッチ装置内の操作スイッチの操作に基づき、ウィンドウを駆動するモータを制御する制御装置(モータECU部)とが別体に構成されたパワーウィンドウ装置が開示されている。このようにスイッチ装置と制御装置とを別体に構成すると、装置が故障したときに(特にスイッチ装置が故障する傾向にある)、装置全体を交換せずに、スイッチ装置および制御装置を別々に交換すればよいので、修理コストを低減することができる。
【0004】
他方で、パワーウィンドウ装置では、装置が被水した場合に、誤動作などを防止できるようにすることが望ましい。この点、特許文献1に記載されたパワーウィンドウ装置では、制御装置に防水対策を施し、且つ、被水時に操作者の意図に反してウィンドウが上昇又は下降されるのを防止するように対策を施すことで、装置の被水に対処している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−339708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、パワーウィンドウ装置では、特に車両が水没したときに、装置の誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、乗員が車両から脱出できるようにすべく、ウィンドウの下降動作を確保できるように対策を施すことが望ましい。上記の特許文献1に記載されたパワーウィンドウ装置のようにスイッチ装置と制御装置とが別体に構成されていると、このようなウィンドウの下降動作を確保するための対策を、スイッチ装置および制御装置の両方に施す必要がある。特許文献1に記載されたパワーウィンドウ装置では、制御装置に防水対策を施しているが、完全に防水することが難しいことから、信頼性の点で課題がある。つまり、防水しきれずに水が浸入した場合に、ウィンドウの下降動作が確保されない可能性がある。また、制御装置の防水対策を強化しようとすると、コストが高くなってしまう。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、スイッチ装置と制御装置とが別体に構成されたパワーウィンドウ装置において、制御装置に特別な防水対策を施さなくても、水没したときに、装置の誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、ウィンドウの下降動作を適切に確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、車両のウィンドウガラスを下降動作および上昇動作させるためのパワーウィンドウ装置であって、手動操作または自動操作で、ウィンドウガラスを下降動作させるための1以上の下降スイッチとウィンドウガラスを上昇動作させるための1以上の上昇スイッチとを備え、下降スイッチが操作されたときと上昇スイッチが操作されたときとで異なる電圧値を有する操作信号を出力するスイッチ装置と、スイッチ装置と別体に構成され、スイッチ装置と第1信号線および第2信号線により接続された制御装置であって、この制御装置は、第1信号線または第2信号線を介してスイッチ装置から操作信号が入力されて、この操作信号の電圧値に基づき、ウィンドウガラスを下降動作および上昇動作させるための駆動モータを制御する前記制御装置と、を備え、スイッチ装置は、更に、一の下降スイッチが操作されたときに第1電圧値を有する操作信号を第1信号線に出力し、且つ、上昇スイッチが操作されたときに第1電圧値とは異なる第2電圧値を有する操作信号を第1信号線に出力する第1スイッチ入力回路と、自身内部への水の浸入を検出したときに第1電圧値および第2電圧値とは異なる第3電圧値を有するスイッチ水没検出信号を第1信号線に出力するスイッチ水没検出回路と、他の下降スイッチが手動操作で下降動作するように操作されたときに第1電圧値および第2電圧値および第3電圧値とは異なる第4電圧値を有する所定信号を第2信号線に出力する第2スイッチ入力回路と、を備え、制御装置は、更に、スイッチ装置の第1スイッチ入力回路から操作信号が入力されたときに、この操作信号が有する電圧値に応じてウィンドウガラスを下降動作又は上昇動作させるように駆動モータを駆動する正常時制御を行い、且つ、スイッチ装置のスイッチ水没検出回路からスイッチ水没検出信号が一旦入力された後は、正常時制御を行わない制御回路と、スイッチ装置の第2スイッチ入力回路から所定信号が入力されたときに、正常時、水没検出時に拘らず、ウィンドウガラスを下降動作させるように駆動モータを駆動する強制駆動回路と、を備えることを特徴とするパワーウィンドウ装置が提供される。
これによれば、制御装置に特別な防水対策を施さなくても、水没したときに、装置の誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、ウィンドウの下降動作を適切に確保することができる。
【0009】
さらに、スイッチ装置の第1スイッチ入力回路は、一の下降スイッチが操作されたときに、第1抵抗値を有する第1回路を形成して、第1電圧値を有する操作信号を出力するよう構成され、且つ、上昇スイッチが操作されたときに、第1抵抗値とは異なる第2抵抗値を有する第2回路を形成して、第2電圧値を有する操作信号を出力するよう構成され、スイッチ装置のスイッチ水没検出回路は、自身内部に水が浸入したときに、第1および第2抵抗値とは異なる第3抵抗値を有する第3回路を形成して、第3電圧値を有するスイッチ水没検出信号を出力するよう構成され、スイッチ装置の第2スイッチ入力回路は、他の下降スイッチが操作されたときに、第1抵抗値および第2抵抗値および第3抵抗値とは異なる第4抵抗値を有する第4回路を形成して、第4電圧値を有する所定信号を出力するように構成され、スイッチ装置の第1スイッチ入力回路およびスイッチ水没検出回路および第2スイッチ入力回路の構成により、第3電圧値は、第1電圧値および第2電圧値より小さく、第4電圧値は、第3電圧値より小さいことを特徴としてもよい。
これによれば、第1スイッチ入力回路におけるスイッチが操作されたときに出力される信号の電圧値と、水没検出回路が水の浸入を検出したときに出力されるスイッチ水没検出信号の電圧値と、第2スイッチ入力回路におけるスイッチが操作されたときに出力される信号の電圧値とが異なるようにスイッチ装置を回路構成しているので、制御装置側でスイッチ装置の水没を適切に判別することができる。
【0010】
さらに、制御装置は、更に、自身内部への水の浸入を検出する制御装置水没検出回路を備え、制御装置の制御回路は、制御装置水没検出回路が水の浸入を検出したときにも、制御装置水没検出信号を強制駆動回路に出力することを特徴としてもよい。
これによれば、スイッチ装置だけでなく、制御装置にも水没検出回路を設けているので、スイッチ装置および制御装置のどちらが先に水没しても、各々の水没を適切に検出することができる。よって、スイッチ装置および制御装置のどちらが先に水没しても、装置の誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、ウィンドウの下降動作を適切に確保することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スイッチ装置と制御装置とが別体に構成されたパワーウィンドウ装置において、制御装置に特別な防水対策を施さなくても、水没したときに、装置の誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、ウィンドウの下降動作を適切に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態によるパワーウィンドウ装置の回路図である。
図2】本発明の第1実施形態によるパワーウィンドウ装置のスイッチ装置が先に水没したときの回路状態を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態によるパワーウィンドウ装置の制御装置が先に水没したときの回路状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるパワーウィンドウ装置について説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1を参照して、本実施形態によるパワーウィンドウ装置100ついて説明する。パワーウィンドウ装置100は、車両に備えられ、車両のウィンドウガラスを下降動作および上昇動作させて開閉するための装置である。パワーウィンドウ装置100は、複数のスイッチSW1〜SW4を備えるスイッチ装置10と、スイッチ装置10と別体に構成され、第1信号線L1、第2信号線L2およびグランド線GLによりスイッチ装置10と接続された制御装置20と、制御装置20により制御されて、車両のウィンドウ(不図示)を下降動作および上昇動作させる駆動モータ30と、を有する。
【0015】
スイッチ装置10は、一度オンするとウィンドウガラスを自動で下降動作させる(換言すると一の操作でウィンドウガラスを一気に下降動作させる。本発明における自動操作の一例に相当する。)ためのスイッチSW1と、手動でオンさせている間だけウィンドウガラスを下降動作させる(換言するとウィンドウを段階的に下降動作させる。本発明における手動操作の一例に相当する。)ためのスイッチSW2と、一度オンするとウィンドウガラスを自動で上昇動作させる(換言すると一の操作でウィンドウを一気に上昇動作させる。本発明における自動操作の一例に相当する。)ためのスイッチSW3と、手動でオンさせている間だけウィンドウガラスを上昇動作させる(換言するとウィンドウを段階的に上昇動作させる。本発明における手動操作の一例に相当する。)ためのスイッチSW4と、を有する。スイッチSW1、SW2は、本発明における下降スイッチの一例に相当し、スイッチSW3、SW4は、本発明における上昇スイッチの一例に相当する。
【0016】
スイッチSW1は、一端が抵抗R11と抵抗R12を介して第1信号線L1に接続され、且つ、他端がグランド線GLを介してグランドに接続されている。スイッチSW2は、一端が第2信号線L2に直接接続され、且つ、他端がグランド線GLを介してグランドに接続されている。スイッチSW3は、一端が抵抗R11、抵抗R12、抵抗R13を介して第1信号線L1に接続され、且つ、他端がグランド線GLを介してグランドに接続されている。スイッチSW4は、一端が抵抗R11、抵抗R12、抵抗R13、抵抗R14を介して第1信号線L1に接続され、且つ、他端がグランド線GLを介してグランドに接続されている。
【0017】
このように、並列に設けたスイッチSW1、SW3、SW4間に抵抗R11〜R14を設けることで、スイッチSW1、SW3、SW4のそれぞれがオンになったときに形成される回路の抵抗値が変わる。具体的には、スイッチSW1をオンにしたときには抵抗R11と抵抗R12を含むが抵抗R13と抵抗R14を含まない回路(本発明における第1回路の一例に相当する)が形成され、スイッチSW3をオンにしたときには抵抗R11〜抵抗R13を含む回路(本発明における第2回路の一例に相当する)が形成され、スイッチSW4をオンにしたときには抵抗R11〜抵抗R14を含む回路(本発明における第2回路の一例に相当する)が形成される。これにより、スイッチSW1、SW3、SW4のそれぞれがオンになったときに、第1信号線L1における電位、つまり第1信号線L1を介して制御装置20へと出力される操作信号の電圧値が変わる。
【0018】
また、スイッチSW2の一端は抵抗を介さずに直接第2信号線L2に接続されているので、電圧降下が生じない操作信号の電圧値が第2信号線L2に伝えられ、スイッチSW2の他端はグランドに接地されているので(本発明における第4回路の一例に相当する)、ほぼゼロの電圧値が第2信号線L2に伝えられる。ここで、スイッチSW1〜SW4のそれぞれがオンとなったときに制御装置20へと出力される操作信号の電圧値をV1〜V4と表記すると、第1信号線L1と第2信号線L2の制御装置20側では同じ電圧値をかけているとすると、これら電圧値V1〜V4の関係は、V2<<V1<V3<V4となる。電圧値V1は、本発明における第1電圧値の一例に相当し、電圧値V3、V4は、本発明における第2電圧値の一例に相当し、電圧値V2は、本発明における第4電圧値の一例に相当する。また、スイッチSW1、SW3、SW4および抵抗R11〜R14は、本発明における第1スイッチ入力回路の一例に相当し、スイッチSW2は、第2スイッチ入力回路の一例に相当する。
【0019】
さらに、スイッチ装置10は、自身内部への水の浸入を検出可能に構成されたスイッチ水没検出回路11を有する。スイッチ水没検出回路11は、2つの離間したパッド(導体としての2つの電極に相当する)を備えており、内部に水が浸入したときに2つのパッド間に水が満たされて、この水を介して電流が流れることで、自身内部への水の浸入(スイッチ装置10の水没に相当する)を検出できるようになっている。スイッチ水没検出回路11は、一端がグランドに接続され、且つ、他端が抵抗R15を介してトランジスタTR1のベースに接続され、このトランジスタTR1のエミッタは、第1信号線L1に接続されている。
【0020】
また、トランジスタTR1のベースとエミッタとの間には、抵抗R16がさらに接続されている。そして、トランジスタTR1のコレクタは、抵抗R17を介してトランジスタTR2のベースに接続され、このトランジスタTR2のエミッタは、抵抗R11と抵抗R12との間に接続されている。加えて、トランジスタTR2のコレクタは、グランド線GLを介してグランドに接続され、トランジスタTR2のベースとエミッタとの間には、抵抗R18が更に接続されている。また、スイッチ水没検出回路11の他端は、さらにコンデンサC1の一端に接続されており、コンデンサC1の他端は第1信号線L1に接続されている。
【0021】
このような回路構成により、スイッチ水没検出回路11が水の浸入を検出したとき、つまりスイッチ水没検出回路11内に浸入した水により2つのパッドが導通したとき、トランジスタTR1がオンとなり、それによりトランジスタTR2もオンとなる。その結果、抵抗R11と抵抗R12との間がグランドに接続されることとなる。これは、スイッチSW1〜SW4および抵抗R12、抵抗R13、抵抗R14をバイパスし、抵抗R11のみを含む回路が形成されたことになる(本発明における第3回路の一例に相当する)。したがって、トランジスタTR2がオンになったときにスイッチ装置10から第1信号線L1を介して制御装置20へと出力される信号(スイッチ水没検出信号)の電圧値をV5とすると、この電圧値V5と上記した電圧値V1〜V4との関係は、V2<<V5<V1<V3<V4となる。なお、電圧値V5は、本発明における第3電圧値の一例に相当する。
【0022】
次いで、制御装置20は、第1信号線L1または第2信号線L2を介してスイッチ装置10から操作信号が入力され、操作信号の電圧値に基づき、ウィンドウガラスを下降動作および上昇動作させるよう制御を行う制御回路22と、制御回路22による制御のもとで駆動モータ30を駆動するモータ駆動回路23と、一端をグランドに他端をコンデンサC2を介して電源Bに接続され、自身内部への水の浸入を検出可能に構成された制御装置水没検出回路21と、コンデンサC2と制御装置水没検出回路21の間の接続点および制御回路22に入力側を接続されたAND等価回路24と、AND等価回路24の出力側と抵抗R22を介してベースを接続され、電源Bにエミッタを接続されたトランジスタTR4と、トランジスタTR4のコレクタと抵抗R28を介してベースを接続され、制御回路22とモータ駆動回路23を結ぶ配線Lとエミッタを接続され、且つ第2信号線L2と制御回路22の間にコレクタを接続されたトランジスタTR5と、を有する。
【0023】
制御回路22と第1信号線L1との間には抵抗R21を介して電源B(例えば5V又は12V)が接続され、また、制御回路22と第2信号線L2との間には抵抗R27を介して電源Bが接続されている。制御装置水没検出回路21は、上記したスイッチ水没検出回路11と同様の構成を有しており、自身内部への水の浸入(制御装置20の水没に相当する)を検出できるようになっている。スイッチSW2に直接接続された第2信号線L2を監視することで(たとえば、第2信号線L2とグランドとの間にリーク抵抗(図示せず)を設けることで)、第2信号線L2と、車両のボディアースやグランド線GLなどのグランドとのリークを検知し、後述するようにスイッチ装置10の水没を検知する。制御回路22とモータ駆動回路23とは、抵抗R25と抵抗R9が設けられた配線Lにより接続されている。配線Lは、抵抗R26を介してグランドに接続されている。
【0024】
制御回路22は、通常時(スイッチ装置10又は制御装置20が水没していない状況を意味する。以下同様とする。)においては、スイッチ装置10から第1信号線L1を介して入力された操作信号の電圧値がV3又はV4である場合、つまりウィンドウを上昇動作させるためのスイッチSW3又はSW4が操作された場合、配線Lを介して、ウィンドウを上昇動作させるための信号をモータ駆動回路23に出力する。このときに、モータ駆動回路23は、ウィンドウを上昇動作させるように駆動モータ30を駆動する。具体的には、モータ駆動回路23は、制御回路22に入力された操作信号の電圧値の大きさ(V3又はV4)に応じた態様にて、すなわち、操作信号の電圧値がV3の場合は一度オンするとウィンドウを自動で上昇動作させ、操作信号の電圧値がV4の場合は手動でオンさせている間だけウィンドウを上昇動作させるように駆動モータ30を駆動する。
【0025】
また、制御回路22は、通常時において、スイッチ装置10から入力された操作信号の電圧値が、第1信号線L1を通してV1である場合、または、第2信号線L2を通してV2である場合、つまりウィンドウを下降動作させるためのスイッチSW1又はSW2が操作された場合、配線Lを介して、ウィンドウを下降動作させるための信号をモータ駆動回路23に出力する。このときに、モータ駆動回路23は、ウィンドウを下降動作させるように駆動モータ30を駆動する。具体的には、モータ駆動回路23は、制御回路22に入力された操作信号の電圧値の大きさ(V1又はV2)に応じた態様にて、すなわち、操作信号の電圧値がV1の場合は一度オンするとウィンドウを自動で下昇動作させ、操作信号の電圧値がV2の場合は手動でオンさせている間だけウィンドウを下昇動作させるように駆動モータ30を駆動する。
【0026】
他方で、制御装置水没検出回路21は、一端がグランドに接続され、他端がAND等価回路24の一の入力に接続されている。AND等価回路24の他の入力は、制御回路22の端子T1に接続されている。なお、制御回路22は、第1信号線L1からV5の電圧値が入力された場合、すなわちスイッチ装置10が水没したことを示すスイッチ水没検出信号が入力された場合、端子T1に“L”を出力するように構成されている。AND等価回路24の出力は、抵抗R22を介してトランジスタTR4のベースに接続されている。また、AND等価回路24の一の入力は、コンデンサC2の一端に接続されている。トランジスタTR4のエミッタは、電源Bに接続されている。
【0027】
トランジスタTR4のベースとエミッタとの間にある抵抗R23、コンデンサC2の他端およびトランジスタTR4のエミッタは、電源Bにおよび抵抗R21を介して第1信号線L1に接続されている。さらに、トランジスタTR4のコレクタは、抵抗R24とダイオードD1を介して配線Lに接続され、さらに抵抗R9を介してモータ駆動回路23に接続されている。加えて、トランジスタTR4のコレクタは、抵抗R24とダイオードD1を介して配線Lに接続され、さらに抵抗R25を介して制御回路22に接続されている(この抵抗R25はさらに抵抗R26を介してグランドに接続されている)。さらに、トランジスタTR4のコレクタは、トランジスタTR5のベースに接続されている。トランジスタTR5のエミッタは、抵抗R25と抵抗R9の間の配線Lに接続され、トランジスタTR5のコレクタは、ダイオードD2を介して制御回路22と第2信号線L2の間に接続されている。また、トランジスタTR5のベースとエミッタとの間には、抵抗R29がさらに接続されている。
【0028】
制御回路22は、スイッチ装置10から電圧値V5を有するスイッチ水没検出信号が第1信号線L1を経由して入力されたとき、つまりスイッチ装置10のスイッチ水没検出回路11が水の浸入を検出したとき端子T1からスイッチ水没検出信号(“L”)を出力する。したがって、AND等価回路24には“L”が入力される。制御回路22は、スイッチ装置10から電圧値V5を有するスイッチ水没検出信号が一旦入力されると、その後にスイッチ装置10から電圧値V1、V3、V4を有する操作信号が入力されても、上記したような通常時での操作信号に応じた制御(正常時制御)を行わないようにする。一方、制御回路22は、スイッチ装置10のスイッチ水没検出信号を検出しない場合はスイッチ水没検出信号を出力せず、“H”を出力し続ける。したがって、AND等価回路24には“H”が入力される。また、制御回路22は、自身が水没して機能しなくなった場合は、当然“H”を出力することができないので、ゼロ(“L”)を出力することになる。
【0029】
また、制御装置水没検出回路21は、制御装置20の内部への水の浸入を検出したときグランドと導通するので、AND等価回路24のもう一方の入力に“L”が入力される(制御装置水没検出信号)。一方、制御装置水没検出回路21が制御装置20の内部への水の浸入を検出しない場合はAND等価回路24の入力には“H”が入力される。したがって、AND等価回路24は、スイッチ水没検出信号および制御装置水没検出信号のいずれかまたは両方が入力された場合には“L”が出力され、いずれも入力されない場合すなわち通常時には“H”を出力する。その結果、通常時にはトランジスタTR4はオフとなり、それに伴いトランジスタTR5もオフとなり、スイッチ装置10から第1信号線L1を介して電圧値V1、V3、V4を有する操作信号または第2信号線L2を介して電圧値V2を有する操作信号が入力されると、制御装置20は、配線Lを介して、操作信号の電圧値の大きさ(V1〜V4)に応じた態様にて駆動モータ30を制御する。なお、電圧値V2を有する操作信号は、本発明における所定信号の一例に相当する。
【0030】
一方、スイッチ装置10と制御装置20のいずれかまたは両方において水の侵入を検出した場合、トランジスタTR4はオンとなり、それに伴いトランジスタTR5もオンとなる。この場合において、スイッチ装置10が機能していて、第1信号線L1を介して電圧値がV1、V3、V4の操作信号が入力されても、制御回路22が機能していないのでモータ駆動回路23は、駆動モータ30を駆動することはない。また、スイッチSW2がオフのままである場合には、制御回路22には、抵抗R27を介した電源Bの電圧値V6を供給される。電圧値V6は、スイッチ装置10からの最も高い電圧値であるV4よりも、高い電圧値として(V4<V6)提供されるように、抵抗R27は調整されている。一方、この場合において、スイッチSW2がオンされるとほぼゼロに近い電圧値V2が直接モータ駆動回路23に入力される。換言すれば、スイッチSW2の物理的動作のみにより、モータ駆動回路23へは接地レベルの電圧が与えられる。その結果、モータ駆動回路23は、スイッチSW2の手動操作により駆動モータ30を下降動作させるように駆動する。
【0031】
第2信号線L2の電位に着目すれば、水没していない時であってスイッチSW2がオフである場合には電圧値V6という最も高い電圧値であり、水没していない時であってスイッチSW2がオンである場合にはほぼゼロに近い電池値V2という最も高い電圧値である。一方、水没している時であってスイッチSW2がオフの場合、第2信号線L2の電位は、抵抗R27だけ降下した電圧値(上述のリーク抵抗がある場合にはR27とリーク抵抗の分圧)となるため、水没していない時には取りえない電圧になったことを検知し、水没と判断する。
【0032】
このように、本実施例に係るパワーウィンドウ装置100は、スイッチ装置10や制御装置20が水没した状態であっても、制御回路22において電圧値V6と電圧値V2を入力可能に構成されており、制御回路22は、電圧値V6が入力されるとスイッチSW2がオフ状態、電圧値V2が入力されるとスイッチSW2がオン状態であるとするようにモータ駆動回路23を制御する。また、制御回路22が水没により機能しなくなった場合においても、電圧値V2はモータ駆動回路23へ入力される。なお、AND等価回路24、トランジスタTR4、トランジスタTR5は、本発明における強制駆動回路の一例に相当する。
【0033】
上述したように構成された本実施形態におけるパワーウィンドウ装置100において、制御装置20が、スイッチ装置10のスイッチ水没検出回路11からスイッチ水没検出信号が入力されたときに、スイッチ装置10から第1信号線L1を介して仮にウィンドウガラスを上昇動作させる信号が入力されても正常時制御を行わないようにすると共に、第2信号線L2を介してウィンドウガラスを下降動作させる操作信号が入力されたときにはウィンドウガラスを下降動作させるように駆動モータ30を駆動する。これにより、制御装置20に特別な防水対策を施さなくても、水没したときに、装置の誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、ウィンドウの下降動作を適切に確保することができる。
【0034】
特に、本パワーウィンドウ装置100によれば、強制駆動回路を制御装置20内に設けることで、水没時において、制御装置20内の制御回路22を介さずに、この強制駆動回路によってウィンドウガラスを下降動作させるように駆動モータ30を直接駆動することができる。よって、たとえ水没時に制御回路22が故障したとしても、装置の誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、ウィンドウの下降動作を適切に確保することができる。また、手動で下降動作をさせるスイッチSW2からの信号を他のスイッチSW1、SW3、SW4からの信号とは別に専用の第2信号線L2を設けることにより、水没時のウィンドウの下降動作を確実なものとすることができる。
【0035】
また、スイッチSW1〜SW4が操作されたときに出力される操作信号の電圧値V1〜V4と、スイッチ水没検出回路11が水の浸入を検出したときに出力されるスイッチ水没検出信号の電圧値V5とが異なるようにスイッチ装置10を回路構成しているので、制御装置20側でスイッチ装置10の水没を適切に判別することができる。また、スイッチSW2のオフ時の電圧値V6を他のスイッチSW1、SW3、SW4のいずれの場合の電圧値よりも高くし、さらに、スイッチSW2のオン時の電圧値V2を他のスイッチSW1、SW3、SW4のいずれの場合の電圧値よりもさらに低くした(ほぼゼロとした)ことで、スイッチSW2の操作により誤検知、誤動作を防止することができる。
【0036】
また、スイッチ装置10だけでなく、制御装置20にも制御装置水没検出回路21を設けているので、スイッチ装置10および制御装置20のどちらが先に水没しても、各々の水没を適切に検出することができる。よって、スイッチ装置10および制御装置20のどちらが先に水没しても、装置の誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、ウィンドウの下降動作を適切に確保することができる。
【0037】
次に、図2および図3を参照して、本実施形態によるパワーウィンドウ装置100が水没したときの動作について具体的に説明する。
図2は、本実施形態によるパワーウィンドウ装置100のスイッチ装置10が先に水没したときの回路状態を示す図である。図2に示すように、スイッチ装置10のスイッチ水没検出回路11が水の浸入を検出したとき、つまりスイッチ水没検出回路11内に浸入した水により2つのパッドが導通したとき、トランジスタTR1がオンとなり、それによりトランジスタTR2もオンとなる。その結果、抵抗R11と抵抗R12との間がグランドに接続されることとなる。こうしてトランジスタTR2がオンになったときに(スイッチSW1〜SW4はオフであるものとする)、上記した操作信号の電圧値V1〜V4とは異なる電圧値V5を有するスイッチ水没検出信号が、スイッチ装置10から第1信号線L1を介して制御装置20に出力される。
【0038】
また、上記のようにトランジスタTR2がオンになった状態では、スイッチSW1、SW3、SW4をオンにしても、スイッチ装置10から電圧値V1、V3、V4を有する操作信号は出力されず、スイッチ装置10から電圧値V5を有するスイッチ水没検出信号が出力され続ける。スイッチSW1、SW3、SW4をオンにしたときに形成される回路は、オンの状態にあるトランジスタTR2により形成される回路と比較すると、抵抗R12、R13、R14が付加された回路となっている。そのため、スイッチSW1、SW3、SW4をオンにしても、スイッチSW1、SW3、SW4を含む回路には電流が流れずに、トランジスタTR2により形成される回路のほうに電流が流れるため、スイッチ装置10から電圧値V5を有するスイッチ水没検出信号が出力され続けることになる。
【0039】
一方、トランジスタTR2がオンになった状態においても、スイッチSW2をオンにした場合には、スイッチ装置10から電圧値V2を有する操作信号が出力される。オンの状態にあるトランジスタTR2により形成される回路は、スイッチSW2をオンにしたときに形成される回路と比較すると、抵抗R11が付加された回路となっている。そのため、スイッチSW2をオンにすると、そのままスイッチSW2を含む回路のほうに電流が流れて、スイッチ装置10から電圧値V2を有する操作信号が出力されることになる。
【0040】
次いで、制御装置20の制御回路22は、上記のようにしてスイッチ装置10から電圧値V5を有するスイッチ水没検出信号が入力されたときに、端子T1から“L”を出力する(矢印TL1)。このときに、制御装置水没検出回路21の出力値に拘らず、AND等価回路24は“L”を出力するので、トランジスタTR4はオンになり、その結果、矢印TL2に示すように、トランジスタTR5のベースが“H”となるので、トランジスタTR5もオンになる。この状態のときには、すなわち、スイッチSW2がオフの時には電圧値V6が制御回路22に入力されることになるので駆動モータ30が駆動されることはない。そして、この状態においてスイッチSW2がオンされた場合、第2信号線L2にはほぼゼロの電圧値V2が制御回路22とモータ駆動回路23に入力され、制御回路22が機能している場合には制御回路22がモータ駆動回路23に対してウィンドウを下降動作させ、制御回路22が機能していない場合であっても、モータ駆動回路23は直接電圧値V2に近い電圧値を入力されることで、ウィンドウを下降動作させるように駆動モータ30を駆動する。
【0041】
次に、図3は、本実施形態によるパワーウィンドウ装置100の制御装置20が先に水没したときの回路状態を示す図である。図3に示すように、制御装置20の制御装置水没検出回路21は、自身内部への水の浸入を検出したときに、AND等価回路24に“L”が入力される(矢印CL1)。AND等価回路24は、制御回路22の端子T1の状態に拘らず、“L”を出力するので、トランジスタTR4はオンになり、その結果、矢印CL2に示すように、トランジスタTR5のベースが“H”となるので、トランジスタTR5もオンになる。
【0042】
この状態において、スイッチ装置10のスイッチSW1、SW3、SW4が操作されても、制御回路22は機能していないので、モータ駆動回路23に入力されることはない。したがって、制御装置水没検出回路21が水の浸入を一旦検出すると、その後にスイッチ装置10から電圧値V1、V3、V4を有する操作信号が入力されても、上述したような通常時での操作信号に応じた制御(正常時制御)を行わない。また、この状態において、ウィンドウを下降動作させるためのスイッチSW2が操作された場合、制御回路22が機能していなくても、トランジスタTR5を経由して直接モータ駆動回路23にほぼゼロの電圧値V2が伝えられるので、ウィンドウを下降動作させるように駆動モータ30は駆動される。
【0043】
以上説明した本実施形態によれば、スイッチ装置10と制御装置20とが別体に構成されたパワーウィンドウ装置100において、制御装置20が、スイッチ装置10のスイッチ水没検出回路11からスイッチ水没検出信号が入力されたときに、電圧値V2以外は正常時制御を行わないようにし、スイッチ装置10からウィンドウを下降動作させるための電圧値V2を有する操作信号が入力されたときに、ウィンドウガラスを下降動作させるように駆動モータ30を駆動する。これにより、制御装置20に特別な防水対策を施さなくても、水没時において、装置の誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、ウィンドウの下降動作を適切に確保することができる。
【0044】
特に、AND等価回路24、トランジスタTR4、トランジスタTR5による強制駆動回路を制御装置20内に構成することで、水没時において、制御装置20内の制御回路22を介さずに、この強制駆動回路によってウィンドウガラスを下降動作させるように駆動モータ30を直接駆動することができる。よって、たとえ水没時に制御回路22が故障したとしても、装置の誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、ウィンドウの下降動作を適切に確保することができる。また、手動で下降動作をさせるスイッチSW2からの信号を他のスイッチSW1、SW3、SW4からの信号とは別に専用の第2信号線L2を設けることにより、水没時のウィンドウの下降動作を確実なものとすることができる。
【0045】
また、スイッチSW1〜SW4が操作されたときに出力される操作信号の電圧値V1〜V4と、スイッチ水没検出回路11が水の浸入を検出したときに出力されるスイッチ水没検出信号の電圧値V5とが異なるようにスイッチ装置10を回路構成しているので、制御装置20側でスイッチ装置10の水没を適切に判別することができる。また、スイッチSW2のオフ時の電圧値(V6)を他のスイッチSW1、SW3、SW4のいずれの場合の電圧値よりも高くし、さらに、スイッチSW2のオン時の電圧値(V2)を他のスイッチSW1、SW3、SW4のいずれの場合の電圧値よりもさらに低くした(ほぼゼロとした)ことで、スイッチSW2の操作による誤検知、誤動作を防止することができる。
【0046】
また、スイッチ装置10だけでなく、制御装置20にも制御装置水没検出回路21を設けているので、スイッチ装置10および制御装置20のどちらが先に水没しても、各々の水没を適切に検出することができる。よって、スイッチ装置10および制御装置20のどちらが先に水没しても、装置の誤動作やウィンドウの上昇動作を防止しつつ、ウィンドウの下降動作を適切に確保することができる。
【0047】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【符号の説明】
【0048】
100 パワーウィンドウ装置
10 スイッチ装置
11 スイッチ水没検出回路
SW1〜SW4 スイッチ
20 制御装置
21 制御装置水没検出回路
22 制御回路
23 モータ駆動回路
24 AND等価回路
L1 第1信号線
L2 第2信号線
30 駆動モータ
図1
図2
図3