(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-152050(P2019-152050A)
(43)【公開日】2019年9月12日
(54)【発明の名称】二重床用の接合木質複合材と該複合材を用いた二重床構造
(51)【国際特許分類】
E04F 15/024 20060101AFI20190816BHJP
【FI】
E04F15/024 601Z
E04F15/024 601F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-38839(P2018-38839)
(22)【出願日】2018年3月5日
(11)【特許番号】特許第6562578号(P6562578)
(45)【特許公報発行日】2019年8月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】595046425
【氏名又は名称】スバル産業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591220780
【氏名又は名称】泰成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082429
【弁理士】
【氏名又は名称】森 義明
(74)【代理人】
【識別番号】100162754
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 真樹
(72)【発明者】
【氏名】井吉 拓也
(72)【発明者】
【氏名】渥美 匡喜
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 智幸
(72)【発明者】
【氏名】山口 稔
(72)【発明者】
【氏名】尾上 友厚
(72)【発明者】
【氏名】小林 正宏
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA19
2E220AA36
2E220AA37
2E220AA39
2E220AB08
2E220AC03
2E220AC11
2E220BA01
2E220CA14
2E220DA02
2E220DA13
2E220DB07
2E220EA05
2E220GA22X
2E220GA25X
2E220GB45X
2E220GB45Z
2E220GB47X
(57)【要約】
【課題】本発明は、床下地材なしの実継ぎによる接合木質複合材だけの施工で強度的に十分な二重床用の木質複合材の提供をその課題とする。
【解決手段】二重床用の木質複合材1は、木質芯材1aと、該芯材1aの上下両面に積層された木質繊維板1b・1cとで構成された矩形の部材である。木質芯材1aの隣接する二辺に雄実2が設けられ、残る二辺に雌実6が形成される。雌実6の下片6bの先端6f迄の長さL2は、上片6aの先端6e迄の長さL1より大きく形成されている。これにより、下片6b側の方が上片6a側より接着長さが大きくなり、この部分の接合力が上・下片103a・103bが同じ長さの本実結合に比べて増大する。そのため二重床に上から荷重Fが掛かって下方向に接合された木質複合材Aが撓んだ時、この実継ぎ部分Hに前記撓みによる引っ張り応力が加わったとしても、この部分Hでの破断が発生するようなことがない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質芯材と、該芯材の上下両面に積層された木質繊維板とで構成された矩形の二重床用の木質複合材であって、
前記木質芯材の隣接する二辺に雄実が設けられ、残る二辺に雌実が形成され、
前記雌実の下片の先端迄の長さは、同雌実の上片の先端迄の長さより大きく形成されていることを特徴とする二重床用の木質複合材。
【請求項2】
雄実が形成された辺における木質複合材の下面側において、下面側木質繊維板と木質芯材の一部とが段状に切除されて雌実の下辺が取り付けられる下面段状切除部が形成され、
前記木質複合材の上面側において、上面側木質繊維板と木質芯材の一部が段状に切除されて雌実の上辺が取り付けられる上面段状切除部が形成され、
前記上面段状切除部と下面段状切除部の間に雌実の溝に嵌め込まれる差込凸部が形成され、
前記上片の長さは、雄実の上面段状切除部の切除端から差込凸部の先端までの長さより長く形成され、且つ
下片の長さは、前記下面段状切除部の長さと、前記上片の長さから差込凸部の長さを引いた差分との和より短く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の木質複合材。
【請求項3】
2枚の木質複合材の短辺同士を実継ぎして形成した接合木質複合材において、
実継ぎ部分の下面において、隣接する木質複合材の短辺を跨いで補強板が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の接合木質複合材。
【請求項4】
雌実が設けられた短辺側の下面に、下辺の先端から、支持具の床支持部の取付幅の3/8〜5/8だけ離れた位置を起点とした位置に位置決め部材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の接合木質複合材。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の接合木質複合材の四隅に合わせて、床面に立設された複数の支持具と、
前記支持具上に敷設され、隣接する辺同士が実継ぎにされた接合木質複合材とで構成されたことを特徴とする二重床構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床下地材なしで二重床を構成できる木質複合材及び該複合材を用いた二重床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、集合住宅やオフィスビルなどの多くの多層階建造物のフリースペースに簡単に囲いをした欧米風のオープンな雰囲気を取り入れたおしゃれな仮設或いは常設の談話スペースや喫茶スペースを設けることが流行している。そのようなスペースの床には外観を損なう配線コードや設備配管などを床下に這わせることで外部に現れないように隠したり、当該スペースに多くの人が出入りする時の足音の階下への遮音ために二重床構造のものが採用されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−232796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような二重床では、
図6のように床下地施工の際には、パーティクルボードのような床下地材105を用い、コンクリートスラブのような床面110に立設した支持具120によってその四隅を支持するようにしている。上記床下地材105の長辺(例えば、1,800mm)は、短辺(例えば、600mm)の3倍の長さを有するので、コーナーごとに支持具120を設置するとなると、短辺側においては長辺側の3倍の本数の支持具120が設置されることになる。そしてその床下地材105の上に更に床仕上げ材100を敷設して二重床構造としている。床仕上げ材100の四周には本実加工(或いはピーリング加工やあいじゃくり加工も適用可能)がなされており、実継ぎにて接続されている。
【0005】
床下地材105に用いるパーティクルボードのような基材は、その特性上、床下地材105同士の間には10〜15mm程度の隙間107を設けることが必須となっている。この隙間107が存在するため、床仕上げ材100としてクッションフロアのような薄い仕上げ材を用いることができない。その結果、従来の二重床は、床下地材105と、前記隙間107の影響を受けないような厚い床仕上げ材100の二重構造となるため、二重床全体の厚みが厚くなったり、上記のように床下地施工と床仕上げ施工とを必要とするなど、施工期間やコストの面でも不都合があった。
【0006】
そこで、
図7示すように床下地材105を使用せず、一般的な木質フローリングのような床仕上げ材100を本実継ぎして、床下地材105の長辺・短辺とほぼ大きさの1枚の接合床仕上げ材Bとし、これを利用して床下地材105なしの二重床を構成することも考えられる。この床仕上げ材100の短辺の長さは、床下地材105の短辺の長さと同じであるものの、床仕上げ材100の長辺の長さは、床下地材105の長辺の長さの約1/2であるから支持具120の設置間隔を上記のような床下地材105の使用時の間隔とすると、本実継ぎの位置Hが支持具120の間に来る。当然、この部分Hには支持具120が設けられない。本実加工された雌実103は床仕上げ材の端面全長に溝が単に掘られただけのものであり、雌実103を構成する上辺103aと下辺103bは同じ寸法なので、本実加工された雌実103に雄実101の差込凸部101aを差し込み、この部分Hを接着したとしても下記のように強度的な問題がある。
【0007】
即ち、床下地材なしで実継ぎによる接合床仕上げ材Bだけの二重床構造では、二重床施工後に加わる荷重F(家具を設置した場合の静止荷重や、人の動きによる点荷重)に耐えられず、接合床仕上げ材B(特に、実継ぎの部分H)が破損するなどの不具合が発生する恐れがある。なお、この実継ぎ部分Hの下に支持具120を追加すれば床下地材105なしで本実継ぎによる床仕上げ材100だけの二重床構造でも上記荷重に耐えることができるが、支持具120の数が大幅に増えることになりコスト及び施工面で採用することができない。
【0008】
本発明は、上記従来例の問題点を解決するためになされたもので、床下地材なしの実継ぎによる接合木質複合材(接合床仕上げ材に相当)だけの施工で強度的に十分な二重床用の木質複合材と該複合材を用いた二重床構造の提供をその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、二重床用の木質複合材1の雌実6に関し、
木質芯材1aと、該芯材1aの上下両面に積層された木質繊維板1b・1cとで構成された矩形の二重床用の木質複合材1であって、
前記木質芯材1aの隣接する二辺に雄実2が設けられ、残る二辺に雌実6が形成され、
前記雌実6の下片6bの先端6f迄の長さL2は、同雌実6の上片6aの先端6e迄の長さL1より大きく形成されていることを特徴とする。
【0010】
この木質複合材1では、下片6bが上片6aより長く作られているので、隣接した木質複合材1を実継ぎすると下片6b側の方が上片6a側より接着長さが大きくなり、この部分の接合力が上・下片103a・103bが同じ長さの本実結合に比べて増大する。そのため二重床に上から荷重Fが掛かって下方向に接合された木質複合材A(以下、接合木質複合材Aと言い、下位概念で区別が必要となった場合には、Aに数字或いはアルファベット小文字を添え字して区別する。)が撓んだ時、この実継ぎ部分Hに前記撓みによる引っ張り応力が加わったとしても、この部分Hでの破断が発生するようなことがない。
なお、雄実2や雌実6は、木質芯材1aに設けられており、剛性や靱性を有する木質繊維板1b・1cには及んでいないため、特に、雌実6の下片6bの一部を構成する木質繊維板1cによる雌実6の強度保証を与えることができる。
【0011】
請求項2は、請求項1に記載の木質複合材1の雄実2と雌実6との接合関係に関し、
雄実2が形成された辺における木質複合材1の下面側において、下面側木質繊維板1cと木質芯材1aの一部とが段状に切除されて雌実6の下辺6bが取り付けられる下面段状切除部2bが形成され、
前記木質複合材1の上面側において、上面側木質繊維板1bと木質芯材1aの一部が段状に切除されて雌実6の上辺6aが取り付けられる上面段状切除部2aが形成され、
前記上面段状切除部2aと下面段状切除部2bの間に雌実6の溝6cに嵌め込まれる差込凸部2cが形成され、
前記上片6aの長さL1は、雄実2の上面段状切除部2aの切除端2sから差込凸部2cの先端2eまでの長さS1より長く形成され、且つ
下片6bの長さL2は、前記下面段状切除部2bの長さS2と、前記上片6aの長さL1から差込凸部2cの長さS1を引いた差分Dとの和より短く形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3は、請求項1又は2に記載の2枚の木質複合材1を接合した接合木質複合材Aに関し、
2枚の木質複合材1の短辺同士を実継ぎして形成した接合木質複合材Aにおいて、
実継ぎ部分Hの下面において、隣接する木質複合材1の短辺を跨いで補強板9が取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4は、請求項3に記載の接合木質複合材Aにおいて、
雌実6が設けられた短辺側の下面に、下辺6bの先端6fから、支持具20の床支持部26の取付幅Tの3/8〜5/8だけ離れた位置を起点8aとした位置に位置決め部材8が設けられていることを特徴とする。
【0014】
実形状が上記のように構成されているので、実継ぎした場合、上片6aの先端6eは上面段状切除部2aの切除端2sに当接することになる。この時、差込凸部2cの先端2eは雌実6の溝底6dから接触又は離間し、下片6bの先端6fは下面段状切除部2bの切除端2f接触又は離間することになる。
それ故、上記のように上から荷重Fが掛かり、接合木質複合材Aが下向きに撓もうとした時、その上面側では接合木質複合材Aを構成する木質複合材1の剛性が高く圧縮に対して高い耐性を持つ木質繊維板1b同士が実継ぎ部分において当接して変形せず、木質複合材1の下面側では同様に剛性や靱性が高い木質繊維板1b製の下辺6bが引っ張りに対して高い耐性を示すことになって下向きの撓みが規制されだけでなく、この部分Hの破断が回避される。
【0015】
また、実継ぎ部分Hの下面において、隣接する木質複合材1の短辺を跨いで補強板9が取り付けられておれば、下辺6bの更なる補強がなされ、該部分Hの破損を回避できる。
また、上記部分に位置決め部材8が設けられておれば、該雄実2側の短辺が取り付けられる支持具20の床支持部26の端部に上記位置決め部材8を突き当てて敷設すれば、実継ぎ部分Hが支持具20の床支持部26のほぼ中央に位置することになり、正確な二重床施工をより簡単に行える。
【0016】
請求項5は、請求項3又は4に記載の二重床用の接合木質複合材Aを用いた二重床構造で、
請求項3又は4に記載の接合木質複合材Aの四隅に合わせて、床面11に立設された複数の支持具20と、
前記支持具20上に敷設され、隣接する辺同士が実継ぎにされた接合木質複合材Aとで構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の二重床用の木質複合材は上記のような実形状を有しているので、床下地材なしでも実継ぎだけによる接合木質複合材だけの施工で強度的に十分な二重床を構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3】
図2の支持具にビス止めされた実継ぎ部分の拡大断面図である。
【
図4】
図2の補強板が取り付けられた実継ぎ部分の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。二重床用の木質複合材1は、木質芯材1aと、該木質芯材1aの上下両面に接着により一体的に積層された木質繊維板1b・1cとで構成された矩形(図示の実施例では長方形であるが、正方形でもよい。)の板材である。本実施例では木質複合材1は、長方形で短辺対長辺の比は、1対1.5である。そして、木質複合材1の短辺の長さは、床下地材105の短辺と同じ長さであり、その長辺側の長さWは、従来使用されていた床下地材105の長辺の長さYより小さい。即ち、木質複合材1の長辺の長さWは、床下地材105の長辺の長さYの1/2である。
【0020】
実際の寸法を例に取れば、従来使用されていた床下地材105の短辺の長さは600mm、長辺の長さは1,800mmであり、本発明の木質複合材1は、短辺の長さは600mm、長辺の長さは1900mmという事になる。
【0021】
木質芯材1aとしては、強度が大で方向性を持たない合板、配向性ストランドボード/OSB、或いは単板積層材/LVL(ラミネーティッド・ベニア・ランバー)などが使用される。板厚は、例えば9〜24mmであり、更に好ましくは、12〜15mmである。
木質繊維板1b・1cとしては、剛性と靭性を備える素材、例えば、木質繊維を原料とする成形板の一種である中密度繊維板が使用される。板厚は、例えば2.5〜4・0mmで、更に好ましくは、2.5〜4.0mmである。
【0022】
この木質複合材1の木質芯材1aには、その隣接する二辺に雄実2が全長にわたって設けられ、残る二辺に雌実6が全長にわたって形成されている。換言すれば、雌実6の溝6cは木質芯材1aだけに形成され、木質繊維板1b・1cに及ばない。
この雌実6の下片6bの長さL2は、溝6cの溝底6dからその先端6f迄の長さであり、上片6aの長さL1は、溝6cの溝底6dからその先端6e迄の長さである。そして、下片6bの長さL2は、上片6aの長さL1より大きく形成されている。本実施例では、長さL2は、長さL1の1.5倍から2.5倍程度である。そして上記下片6bの上片6aより突出している部分で、下片6bの上面にビス打ち込み用の窪み6kが形成されている。本発明の実部分の幅をZで示す。該窪み6kは下片6bの上面の全長にわたって一定間隔で設けてもよいし、後述する支持具20の床支持部26に合致するように木質複合材1のコーナー部における下片6bの上面に設けてもよい。
【0023】
雄実2は、雄実2が形成された辺における木質複合材1の下面側において、下面側木質繊維板1cと木質芯材1aの一部が段状に切除されて下面段状切除部2bが形成されている。同様に木質複合材1の上面側において、上面側木質繊維板1bと木質芯材1aの一部が段状に切除されて上面段状切除部2aが形成されている。前記上面段状切除部2aと下面段状切除部2bの間には前記雌実6の溝6cに嵌め込まれる、差込凸部2cが木質芯材1aの切残し部分で形成されている。
【0024】
上面段状切除部2aの長さS1は、差込凸部2cの先端2eから切除端2sまでの長さである。同様に、下面段状切除部2bの長さS2は、差込凸部2cの先端2eから切除端2fまでの長さである。下面段状切除部2bの長さS2は、上面段状切除部2aの長さS1より長く形成され、雌実6の下片6bが嵌め込まれて接着される大きさに形成される。
【0025】
雄実2と雌実6との結合関係は、実継ぎ部分Hの強度に大きく関係し、前記上片6aの長さL1は、雄実2の上面段状切除部2aの切除端2sから差込凸部2cの先端2eまでの長さS1より長く形成され、且つ下片6bの長さL2は、前記下面段状切除部2bの長さS2と、前記上片6aの長さL1から差込凸部2cの長さS1を引いた差分Dとの和より短く形成されている。雄実2と雌実6との結合状態は後述する。
【0026】
支持具20は周知の構造を持つ建築部材で、建物の床面11に接着固定される板状の設置部22と、設置部22に立設された支柱24、及び支柱24の上端に設けられた円形或いは矩形(ここでは正方形)の床支持部26とで構成されている。支柱24は円筒状で内面に雌ねじが刻設されている鞘部24aと、この鞘部24aの雌ねじに螺進・退可能に螺入され、且つ設置部22に対して回転可能に立設されている支柱ねじ24bとで構成されている。前記鞘部24aは床支持部26の下面から垂設されている。床支持部26には、図示しないドライバ孔が穿設されており、ドライバ孔を通して支柱ねじ24bを回転させ、床支持部26の高さ調整ができるようになっている。
【0027】
次に、二重床を構築する手順について説明する。木質複合材1の寸法は上記に限定されないが、ここでは理解を簡単にするために上記のような寸法を用いる。
本発明で使用される木質複合材1は、長方形でその長辺の長さWは、従来例で使用された床下地材105の長辺の1/2の長さとする。本発明の木質複合材1の短辺は床下地材105の短辺と同じ長さである。
そして二枚の木質複合材1を使用し、その短辺同士を接着剤を用いて実継ぎし、従来の床下地材105と同じ大きさとする。この接合された2枚の木質複合材1を接合木質複合材Aとする。既に述べたように、接合木質複合材Aを区別する必要がある場合は、Aにアラビア数字、或いはアルファベット小文字を付加する。
【0028】
上記接合木質複合材Aの下面において、短辺の実継ぎ部分Hの全長にわたって補強板9を貼り付ける。接合木質複合材Aの下面に表れる実継ぎ部分Hの接合ライン7と補強板9の中心を一致させ、接合ライン7を中心として補強板9の左右の接着幅を等しくするように接着する。なお、補強板9の幅は実継ぎ部分Hをカバーできる大きさとすることが強度向上の上で好ましい。なお、補強板9の材質は、木質繊維板が好ましい。
【0029】
続いて、接合木質複合材Aの下面において、接合木質複合材Aの雌実6側の短辺(下片6bの先端6f)から所定寸法だけ離間させ、且つ該短辺に平行にて位置決め部材8を接着する。離間幅は支持具20の床支持部26の取付幅Tの3/8〜5/8(好ましくは、取付幅Tの1/2)だけ離れた位置に位置決め部材8が設けられる。換言すれば、上記同様、接合木質複合材Aの下面に表れる実継ぎ部分Hの接合ライン7と床支持部26の中心を一致させ、接合ライン7を中心として床支持部26の左右の取付幅を等しくするようにするのが好ましい。なお、床支持部26の幅Tは実継ぎ部分Hをカバーできる大きさとすることが強度向上の上で好ましい。また、位置決め部材8の接着は、接合木質複合材Aの下面の支持具20の取付部分である接合木質複合材Aのコーナー部分或いは雄実2側の短辺全長にわたって設けられる。図の例は後者である。
【0030】
次に、従来の床下地材105とほぼ同じ寸法である、接合木質複合材Aの寸法に合わせて支持具20を床面11に設置する。この場合、接合木質複合材Aの長辺方向では寸法Y、短辺方向では(1/3)・Yである。設置部22は床面11に接着固定される。続いて支柱ねじ24bを回して床支持部26の高さを調整し、最後に接合木質複合材Aを床支持部26上に順次敷設することになる。
【0031】
接合木質複合材Aの床支持部26上への敷設にあたって、1枚目の接合木質複合材A1の四隅を、対応するそれぞれ床支持部26上に設置する。この時、位置決め部材8を床支持部26の側面に当接させて位置決め部材8側の短辺が床支持部26の1/2を占めるように設置する。換言すれば、雌実6の下片6bの先端6fが出来る限り床支持部26の中央に位置するようにする。このように正確に位置決めした後、1枚目の接合木質複合材A1の雌実6の下辺6bの前後コーナー部分の窪み6kを目印に、該下辺6bを床支持部26にビス28にて固定する。
【0032】
この状態で2枚目の接合木質複合材A2の長辺を、ビス止めされた1枚目の接合木質複合材A1の長辺に沿って配設し、且つ上記のように位置決めを行いつつ長辺において実継ぎ行う。そして2枚目の接合木質複合材A2の雌実6の下辺6bを上記のようにビス止する。このようにして次々と長辺側の接合を行い、1行目の接合が終了すると2行目に移る。
【0033】
既に固定された、接合木質複合材A1のビス固定されている雌実6に2行目の接合木質複合材Amの雄実2を差し込んで実継ぎし、反対側の雌実6の下辺6bを上記同様支持具20の床支持部26にビス固定する。2行目の2番目の接合状態の木質複合材Anでは長短二辺の雄実2に対応する接合木質複合材A1・Amが既に敷設されてビス固定されているので、この接合木質複合材Anの実継ぎは、既に敷設されている接合木質複合材A1・Amの雌実6方向から前記接合木質複合材Anの雄実2を差し込み、実接合した後、その雌実6の下辺6bを上記に準じてビス止めする。これを繰り返して二重床を構築する。実接合部分は接着剤により接着される。
【0034】
最後に接合木質複合材Aの実接合により形成された二重床の四周の空きスペースに、木質複合材1を必要幅で切断した仕舞部材1xを張り巡らせ、二重床と床面11との間の床下部分を隠す板材1yを取り付け、必要に応じて接合木質複合材Aの上にタイルカーペットやフローリングなどの床材10を敷設して二重床の構築を終了する。
【0035】
このようにして二重床の構築が終了すると、その上にテーブルや椅子、その他の家具を設置し、更に二重床の下に配管や配線を設置する。そして設置が終了するとオープンし、人の受け入れを行う。人が訪れると二重床の上を歩行することになり、二重床には家具の静的荷重や人の移動による動的荷重が加わり、接合木質複合材Aを下向きに撓ませる方向の力が絶えず加わる。この時、接合木質複合材Aの中央部分に位置する実継ぎ部分Hに最大の撓みが発生するが、(a)実継ぎ部分Hにおける雌実6の下辺6bはその上辺6aにより長く、実継ぎ部分Hにおける接合力は従来の本実接合に比べて十分に大きいこと、(b)実継ぎ部分Hの下面に補強板9が張り付けられていること、(c)雄実2の差込凸部2c、及び雌実6の溝6cが合板などで形成された木質芯材1aに限定され、剛性と靱性を備えた木質繊維板1b・1cに及んでいないこと、から上記のように従来の床下地材105と同じスパンで支持具20を設置したとしても二重床を構成する接合状態の木質複合材Aが破断するようなことはない。
【0036】
図5は4枚の木質複合材1を縦継ぎと横継ぎで接合した接合木質複合材Aで、実接合部分の下面には縦・横全長にわたって補強板9が設けられている。位置決め部材8も同様の位置に隣接して長辺が接合された2枚の木質複合材1に取り付けられている。この場合、長辺を接合した2枚の木質複合材1の短辺の和は、1枚の木質複合材1の長辺Wの長さより長いが、縦継ぎした2枚の木質複合材1の長さYより短いので、この4枚の木質複合材1を縦継ぎと横継ぎで接合した接合木質複合材Aを用いて二重床を形成した場合、上記長辺を接合した2枚の木質複合材1の短辺の中間部分の支持具20を省略することが出来る。それ以外の点は、
図1の実施例と同じである。
ただし、本二重床構造を設置する際の要求性能や、配管・配線等の床下側の条件や、室内側の配置物(洗濯機等の重量物の設置スペースに該当するのが判明しているなど)の設置条件によっては、支持具20の本数を増やして施工することを妨げるものではない。
【符号の説明】
【0037】
A(A1〜An):接合木質複合材、F:荷重、H:実継ぎ部分、D:差分、L1:上片の長さ、L2:下片の長さ、S1:上面段状切除部の長さ、S2:下面段状切除部の長さ、T:床支持部の幅、W:木質複合材の長さ、Y:接合木質複合材の長さ、Z:本発明に係る実の長さ、1:木質複合材、1a:木質芯材、1b:上面側木質繊維板、1c:下面側木質繊維板、1x:仕舞部材、1y:板材、2:雄実、2a:上面段状切除部、2b:下面段状切除部、2c:差込凸部、2e:差込凸部の先端、2s:上面段状切除部の切除端、2f:下面段状切除部の切除端、6:雌実、6a:上片、6b:下片、6c:溝、6d:溝底、6k:窪み、7:接合ライン、8:位置決め部材、8a:起点、9:補強板、10:床材、11:床面、20:支持具、22:設置部、24:支柱、24a:鞘部、24b:支柱ねじ、26:床支持部、28:ビス、100:従来の床仕上げ材、101:本実の雄実、101a:本実の差込凸部、103:本実の雌実、103a:上辺、103b:下辺、105:床下地材、107:隙間、110:床面、120:支持具、122:設置部、124支柱、126:床支持部
【手続補正書】
【提出日】2019年4月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質芯材と、該芯材の上下両面に積層された木質繊維板とで構成され、前記木質芯材の隣接する二辺に雄実が設けられ、残る二辺に雌実が形成され、前記雌実の下片の先端迄の長さは、同雌実の上片の先端迄の長さより大きく形成された二重床用の2枚の木質複合材を用い、両木質複合材の短辺同士を実継ぎして形成され、その四隅だけが支持具の取付部分となっている接合木質複合材において、
実継ぎ部分の下面において、隣接する木質複合材の短辺を跨ぎ、前記実継ぎ部分をカバーする幅を有する補強板が接着されていることを特徴とする接合木質複合材。
【請求項2】
雄実が形成された辺における木質複合材の下面側において、下面側木質繊維板と木質芯材の一部とが段状に切除されて雌実の下片が取り付けられる下面段状切除部が形成され、
前記木質複合材の上面側において、上面側木質繊維板と木質芯材の一部が段状に切除されて雌実の上片が取り付けられる上面段状切除部が形成され、
前記上面段状切除部と下面段状切除部の間に雌実の溝に嵌め込まれる差込凸部が形成され、前記上片の長さは、雄実の上面段状切除部の切除端から差込凸部の先端までの長さより長く形成され、且つ
前記雌実の前記溝の溝底からその先端迄の長さである下片の長さは、前記差込凸部の先端から切除端までの長さである前記下面段状切除部の長さと、前記溝の前記溝底からその先端迄の長さである前記上片の長さから、前記差込凸部の先端から切除端までの長さである差込凸部の長さを引いた差分との和より短く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の接合木質複合材。
【請求項3】
雌実が設けられた短辺側の下面に、下片の先端から、支持具の床支持部の取付幅の3/8〜5/8だけ離れた位置を起点とした位置に位置決め部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の接合木質複合材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の接合木質複合材の四隅に合わせて、床面に立設された複数の支持具と、
前記支持具上に敷設され、隣接する辺同士が実継ぎされた接合木質複合材とで構成されたことを特徴とする二重床構造。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、床下地なしで二重床を構成できる
接合木質複合材及び該複合材を用いた二重床構造に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
そこで、
図7示すように床下地材105を使用せず、一般的な木質フローリングのような床仕上げ材100を本実継ぎして、床下地材105の長辺・短辺とほぼ大きさの1枚の接合床仕上げ材Bとし、これを利用して床下地材105なしの二重床を構成することも考えられる。この床仕上げ材100の短辺の長さは、床下地材105の短辺の長さと同じであるものの、床仕上げ材100の長辺の長さは、床下地材105の長辺の長さの約1/2であるから支持具120の設置間隔を上記のような床下地材105の使用時の間隔とすると、本実継ぎの位置Hが支持具120の間に来る。当然、この部分Hには支持具120が設けられない。本実加工された雌実103は床仕上げ材の端面全長に溝が単に掘られただけのものであり、雌実103を構成する
上片103aと
下片103bは同じ寸法なので、本実加工された雌実103に雄実101の差込凸部101aを差し込み、この部分Hを接着したとしても下記のように強度的な問題がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、上記従来例の問題点を解決するためになされたもので、床下地材なしの実継ぎによる接合木質複合材(接合床仕上げ材に相当)
と、前記接合木質複合材だけの施工で強度的に十分な二重床構造の提供をその課題とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求項1に記載の
発明は、
木質芯材1aと、該芯材1aの上下両面に積層された木質繊維板1b・1cとで
構成され、前記木質芯材1aの隣接する二辺に雄実2が設けられ、残る二辺に雌実6が形成され、前記雌実6の下片6bの先端6f迄の長さL2は、同雌実6の上片6aの先端6e迄の長さL1より大きく形成された
二重床用の2枚の木質複合材1を用い、両木質複合材1の短辺同士を実継ぎして形成され、その四隅だけが支持具20の取付部分となっている接合木質複合材Aにおいて、
実継ぎ部分Hの下面において、隣接する木質複合材1の短辺を跨ぎ、前記実継ぎ部分Hをカバーする幅を有する補強板9が接着されていることを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
請求項2は、請求項1に記載の木質複合材1の雄実2と雌実6との接合関係に関し、
雄実2が形成された辺における木質複合材1の下面側において、下面側木質繊維板1cと木質芯材1aの一部とが段状に切除されて雌実6の
下片6bが取り付けられる下面段状切除部2bが形成され、
前記木質複合材1の上面側において、上面側木質繊維板1bと木質芯材1aの一部が段状に切除されて雌実6の
上片6aが取り付けられる上面段状切除部2aが形成され、
前記上面段状切除部2aと下面段状切除部2bの間に雌実6の溝6cに嵌め込まれる差込凸部2cが形成され、
前記上片6aの長さL1は、雄実2の上面段状切除部2aの切除端2sから差込凸部2cの先端2eまでの長さS1より長く形成され、且つ
前記雌実6の前記溝6cの溝底6dからその先端6f迄の長さである下片6bの長さL2は、
前記差込凸部2cの先端2eから切除端2fまでの長さである前記下面段状切除部2bの長さS2と、
前記溝6cの前記溝底6dからその先端6e迄の長さである前記上片6aの長さL1から、
前記差込凸部2cの先端2eから切除端2sまでの長さである差込凸部2cの長さS1を引いた差分Dとの和より短く形成されていることを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
請求項3は、請求項1又は2に記載の接合木質複合材Aにおいて、
雌実6が設けられた短辺側の下面に、
下片6bの先端6fから、支持具20の床支持部26の取付幅Tの3/8〜5/8だけ離れた位置を起点8aとした位置に位置決め部材8が設けられていることを特徴とする。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
実形状が上記のように構成されているので、実継ぎした場合、上片6aの先端6eは上面段状切除部2aの切除端2sに当接することになる。この時、差込凸部2cの先端2eは雌実6の溝底6dから接触又は離間し、下片6bの先端6fは下面段状切除部2bの切除端2f接触又は離間することになる。
それ故、上記のように上から荷重Fが掛かり、接合木質複合材Aが下向きに撓もうとした時、その上面側では接合木質複合材Aを構成する木質複合材1の剛性が高く圧縮に対して高い耐性を持つ木質繊維板1b同士が実継ぎ部分において当接して変形せず、木質複合材1の下面側では同様に剛性や靱性が高い木質繊維板1b製の
下片6bが引っ張りに対して高い耐性を示すことになって下向きの撓みが規制されだけでなく、この部分Hの破断が回避される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、実継ぎ部分Hの下面において、隣接する木質複合材1の短辺を跨いで補強板9が取り付けられておれば、
下片6bの更なる補強がなされ、該部分Hの破損を回避できる。
また、上記部分に位置決め部材8が設けられておれば、該雄実2側の短辺が取り付けられる支持具20の床支持部26の端部に上記位置決め部材8を突き当てて敷設すれば、実継ぎ部分Hが支持具20の床支持部26のほぼ中央に位置することになり、正確な二重床施工をより簡単に行える。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
請求項4は、請求項1〜3のいずれかに記載の二重床用の接合木質複合材Aを用いた二重床構造で、
請求項1〜3のいずれかに記載の接合木質複合材Aの四隅に合わせて、床面11に立設された複数の支持具20と、
前記支持具20上に敷設され、隣接する辺同士が実継ぎにされた接合木質複合材Aとで構成されたことを特徴とする。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
接合木質複合材Aの床支持部26上への敷設にあたって、1枚目の接合木質複合材A1の四隅を、対応するそれぞれ床支持部26上に設置する。この時、位置決め部材8を床支持部26の側面に当接させて位置決め部材8側の短辺が床支持部26の1/2を占めるように設置する。換言すれば、雌実6の下片6bの先端6fが出来る限り床支持部26の中央に位置するようにする。このように正確に位置決めした後、1枚目の接合木質複合材A1の雌実6の
下片6bの前後コーナー部分の窪み6kを目印に、該
下片6bを床支持部26にビス28にて固定する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
この状態で2枚目の接合木質複合材A2の長辺を、ビス止めされた1枚目の接合木質複合材A1の長辺に沿って配設し、且つ上記のように位置決めを行いつつ長辺において実継ぎ行う。そして2枚目の接合木質複合材A2の雌実6の
下片6bを上記のようにビス止する。このようにして次々と長辺側の接合を行い、1行目の接合が終了すると2行目に移る。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
既に固定された、接合木質複合材A1のビス固定されている雌実6に2行目の接合木質複合材Amの雄実2を差し込んで実継ぎし、反対側の雌実6の
下片6bを上記同様支持具20の床支持部26にビス固定する。2行目の2番目の接合状態の木質複合材Anでは長短二辺の雄実2に対応する接合木質複合材A1・Amが既に敷設されてビス固定されているので、この接合木質複合材Anの実継ぎは、既に敷設されている接合木質複合材A1・Amの雌実6方向から前記接合木質複合材Anの雄実2を差し込み、実接合合した後、その雌実6の
下片6bを上記に準じてビス止めする。これを繰り返して二重床を構築する。実接合部分は接着剤により接着される。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
このようにして二重床の構築が終了すると、その上にテーブルや椅子、その他の家具を設置し、更に二重床の下に配管や配線を設置する。そして設置が終了するとオープンし、人の受け入れを行う。人が訪れると二重床の上を歩行することになり、二重床には家具の静的荷重や人の移動による動的荷重が加わり、接合木質複合材Aを下向きに撓ませる方向の力が絶えず加わる。この時、接合木質複合材Aの中央部分に位置する実継ぎ部分Hに最大の撓みが発生するが、(a)実継ぎ部分Hにおける雌実6の
下片6bはその
上片6aにより長く、実継ぎ部分Hにおける接合力は従来の本実接合に比べて十分に大きいこと、(b)実継ぎ部分Hの下面に補強板9が張り付けられていること、(c)雄実2の差込凸部2c、及び雌実6の溝6cが合板などで形成された木質芯材1aに限定され、剛性と靱性を備えた木質繊維板1b・1cに及んでいないこと、から上記のように従来の床下地材105と同じスパンで支持具20を設置したとしても二重床を構成する接合状態の木質複合材Aが破断するようなことはない。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
A(A1〜An):接合木質複合材、F:荷重、H:実継ぎ部分、D:差分、L1:上片の長さ、L2:下片の長さ、S1:上面段状切除部の長さ、S2:下面段状切除部の長さ、T:床支持部の幅、W:木質複合材の長さ、Y:接合木質複合材の長さ、Z:本発明に係る実の長さ、1:木質複合材、1a:木質芯材、1b:上面側木質繊維板、1c:下面側木質繊維板、1x:仕舞部材、1y:板材、2:雄実、2a:上面段状切除部、2b:下面段状切除部、2c:差込凸部、2e:差込凸部の先端、2s:上面段状切除部の切除端、2f:下面段状切除部の切除端、6:雌実、6a:上片、6b:下片、6c:溝、6d:溝底、6k:窪み、7:接合ライン、8:位置決め部材、8a:起点、9:補強板、10:床材、11:床面、20:支持具、22:設置部、24:支柱、24a:鞘部、24b:支柱ねじ、26:床支持部、28:ビス、100:従来の床仕上げ材、101:本実の雄実、101a:本実の差込凸部、103:本実の雌実、103a:
上片、103b:
下片、105:床下地材、107:隙間、110:床面、120:支持具、122:設置部、124支柱、126:床支持部