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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-153373(P2019-153373A)
(43)【公開日】2019年9月12日
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20190816BHJP
【FI】
   H01R13/52 301H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-35460(P2018-35460)
(22)【出願日】2018年2月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182028
【弁理士】
【氏名又は名称】多原 伸宜
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 学
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【弁理士】
【氏名又は名称】来山 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】小野 直之
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE14
5E087FF05
5E087LL04
5E087LL12
5E087RR04
5E087RR06
5E087RR25
(57)【要約】
【課題】小型化及び薄型化することができると共に生産性を向上させること。
【解決手段】電気コネクタ1は、板状部12と、板状部12の後方に設けられると共に板状部12よりも側方に突出する本体部11と、を備える絶縁性のハウジング10と、ハウジング10に保持されると共に、板状部12において露出して相手側コネクタの相手側コンタクトに接続する接続部21a及び接続部21bと、本体部11より突出する端子部22a及び端子部22bと、を備える導電性を有するコンタクト20と、本体部11に設けられる弾性変形可能なシール部材50と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方突出部と、前記前方突出部の後方に設けられると共に前記前方突出部よりも側方に突出する本体部と、を備える絶縁性の保持部材と、
前記保持部材に保持されると共に、前記前方突出部において露出して相手側コネクタの相手側コンタクトに接続する接続部と、前記本体部より突出する端子部と、を備える導電性を有するコンタクトと、
前記本体部に設けられる弾性変形可能なシール部材と、
を有することを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記本体部の外周を覆う筒状のシェル部材を有し、
前記シール部材は、
前記シェル部材を介して前記本体部に設けられる、
ことを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記シェル部材は、
前記シール部材よりも前方において側方に突出する側方突出部を備える、
ことを特徴とする請求項2記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記シール部材は、
前記側方突出部よりも側方に突出して被取付部材に圧接する圧接部を備える、
ことを特徴とする請求項3記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記シール部材は、
前記側方突出部の後端に当接する、
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記側方突出部は、
被取付部材に当接して前記被取付部材に対する前記シェル部材の前方への移動を阻止する、
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記シェル部材は、
導電性を有し、
前記シール部材は、
導電性を有する、
ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水機能を有する電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器等の機器に取り付けられる電気コネクタに対しては、機器の内部を外部から防水する防水機能を設けることが要求されている。かかる電気コネクタとしては、機器に取り付けられた際に、外部から機器との間を介して機器の内部に侵入しようとする液体を、機器の内部に侵入しないように止水する構成を有するものが知られている。
【0003】
特許文献1は、防水機能を有する電気コネクタに関し、シール材6を筐体2の接続端子挿入側の端部近傍かつ筐体2の外周に周設する構成を開示している。特許文献1の電気コネクタは、筐体2が内装されるケースの接続端子挿入側の面にシール材6が圧接することにより、外部からケースと筐体2との間に水が入り込むことを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5155492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、筐体の接続端子挿入側にシール材を保持する部分を設ける必要があるため、電気コネクタを小型化及び薄型化できないという課題を有する。また、特許文献1においては、電気コネクタの大型化を抑制するためにはシール材の厚みを薄くせざるを得ないため、ケースに対するシール材の適正圧縮率における圧接可能範囲が縮小してしまい、電気コネクタをケースに取り付ける際にケースに対して高精度な寸法管理が必要となり、生産性が低下するという課題を有する。
【0006】
本発明の目的は、小型化及び薄型化することができると共に生産性を向上させることができる電気コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電気コネクタは、前方突出部と、前記前方突出部の後方に設けられると共に前記前方突出部よりも側方に突出する本体部と、を備える絶縁性の保持部材と、前記保持部材に保持されると共に、前記前方突出部において露出して前記相手側コネクタの相手側コンタクトに接続する接続部と、前記本体部より突出する端子部と、を備える導電性を有するコンタクトと、前記本体部に設けられる弾性変形可能なシール部材と、を有する。
【0008】
電気コネクタが被取付部材に対して後方から前方に向けて挿入されて取り付けられる際に、まず前方突出部が被取付部材に挿入された後に本体部が被取付部材に挿入されて、シール部材が被取付部材に当接すると共に圧接することにより、外部から保持部材と被取付部材との間を介して被取付部材の内部に侵入しようとする液体をシール部材で阻止する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型化及び薄型化することができると共に生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電気コネクタの上方の斜め前方から見た斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る電気コネクタの上方の斜め後方から見た斜視図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る電気コネクタの平面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る電気コネクタの側面図である。
図5図3のA−A断面図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係るシェル部材の側面図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係るシェル部材の背面図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係るシール部材の断面図である。
図9】本発明の第1の実施形態に係る電気コネクタの使用状態を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る電気コネクタの断面図である。
図11】本発明の第3の実施形態に係る電気コネクタの斜視図である。
図12図11のB−B断面図である。
図13】本発明の第4の実施形態に係る電気コネクタの斜視図である。
図14図13のC−C断面図である。
図15】本発明の第5の実施形態に係る電気コネクタの斜視図である。
図16図15のD−D断面図である。
図17】本発明の第6の実施形態に係る電気コネクタの斜視図である。
図18図17のE−E断面図である。
図19】本発明の第7の実施形態に係る電気コネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態に係る電気コネクタにつき、詳細に説明する。図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系を成し、y軸の正方向を前方向、y軸の負方向を後ろ方向、x軸方向を左右方向、z軸の正方向を上方向、及びz軸の負方向を下方向として説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
<電気コネクタの構成>
本発明の第1の実施形態に係る電気コネクタ1の構成につき、図1から図8を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0013】
本実施形態に係る電気コネクタ1は、ハウジング10と、コンタクト20と、シェル部材40と、シール部材50と、遮蔽板60と、を有している。
【0014】
ハウジング10は、絶縁性を有する材料により形成されており、コンタクト20を保持する保持部材である。ハウジング10は、コンタクト20の外周面に沿ってコンタクト20に密着する部分にシランカップリング剤を含んでいる。ここで、シランカップリング剤は、無機質材料と化学結合可能な反応基と、有機質材料と化学結合可能な反応基と、を有しており、有機質材料と無機質材料とを結びつけることが可能な性質を有している。
【0015】
ハウジング10は、本体部11と、板状部12と、を備えている。
【0016】
本体部11は、コンタクト20を保持していると共に、板状部12の後方に設けられて板状部12よりも側方(前後方向と直交する方向)に突出しており、図5に示すように、前方部111と、後方部112と、当接部113と、を備えている。
【0017】
前方部111は、当接部113の前端から前方に突出している。
【0018】
後方部112は、当接部113の後端から後方に突出すると共にシランカップリング剤を含まない前端部112dと、ハウジング10の後端に設けられると共にシランカップリング剤を含まない後端部112aと、前端部112dと後端部112aとの間に設けられると共にシランカップリング剤を含む防水樹脂部112cと、により構成されている。
【0019】
防水樹脂部112cは、コンタクト20の外周面に沿ってコンタクト20に密着していると共に、シェル部材40の内周面の周方向に沿ってシェル部材40に密着している。防水樹脂部112cを構成している樹脂は、板状部12、前方部111、後端部112a、前端部112d及び当接部113を構成している樹脂と異なる種類の樹脂であって、板状部12、前方部111、後端部112a、前端部112d及び当接部113を構成している樹脂よりも溶融温度が低い性質を有している。
【0020】
なお、前端部112dと後端部112aと防水樹脂部112cとの図5に示す境界線は、説明の便宜上、明確に記載しているが、前端部112dと防水樹脂部112cとの接する部分が製造工程において溶融及び結合すると共に、後端部112aと防水樹脂部112cとの接する部分が製造工程において溶融及び結合することにより、実際には曖昧になっている。
【0021】
当接部113は、前方部111と後方部112との間において前方部111及び後方部112よりも側方に突出している。当接部113の前端には、前方から接続される図示しない相手側コネクタと当接して相手側コネクタの後方への移動を阻止する前端面113aと、電気コネクタ1が被取付部材に取り付けられた際に被取付部材に当接する当接面113bと、が設けられている。当接面113bは、前端面113aに対して直交する面である。前端面113aは、前方部111の周囲に周状に設けられている。当接面113bは、当接部113の外周に周状に設けられている。
【0022】
前方突出部としての板状部12は、板状であり、本体部11より前方に突出している。
【0023】
コンタクト20は、導電性を有する材料により形成されており、ハウジング10に保持されている。コンタクト20は、第1のコンタクト20aと、第1のコンタクト20aの下方に配置される第2のコンタクト20bと、により構成されている。第1のコンタクト20aと第2のコンタクト20bとは、ハウジング10により互いに絶縁されている。
【0024】
第1のコンタクト20aは、ハウジング10の前方側に露出していると共に板状部12の上面に露出して図示しない相手側コネクタの相手側コンタクトに接続する接続部21aと、ハウジング10の後方部112より後方に突出して図示しない基板の導電部に半田付けされる端子部22aと、を備えている。第1のコンタクト20aは、接続部21aと端子部22aとの間が前方部111、後方部112及び当接部113に埋設されている。第1のコンタクト20aは、外周面に沿って防水樹脂部112cに密着している。第1のコンタクト20aの防水樹脂部112cに密着している部分は、左右方向及び上方に折り曲げられた形状を有している。
【0025】
第2のコンタクト20bは、ハウジング10の前方側に露出していると共に板状部12の下面に露出して図示しない相手側コネクタの相手側コンタクトに接続する接続部21bと、ハウジング10の後方部112より後方に突出して図示しない基板に半田付けされる端子部22bと、を備えている。第2のコンタクト20bは、接続部21bと端子部22bとの間が前方部111、後方部112及び当接部113に埋設されている。第2のコンタクト20bは、外周面に沿って防水樹脂部112cに密着している。第2のコンタクト20bの防水樹脂部112cに密着している部分は、左右方向及び下方に折り曲げられた形状を有している。端子部22aの下端と端子部22bの下端とは上下方向において同一高さになっている。
【0026】
シェル部材40は、導電性を有する材料又は絶縁性を有する材料で形成されており、前後方向に貫通する筒状である。シェル部材40は、拡径部41と狭窄部42とを備えており、後方に向けて窄まった形状を有している。側方突出部としての拡径部41は、狭窄部42よりも側方に突出している。拡径部41は、後端にシール部材50の前端部53が当接する後端部43を備えており、当接部113に保持されている。狭窄部42は、拡径部41の後方に連設されていると共に拡径部41よりも小径であり、後方部112に保持されている。狭窄部42は、内周面の周方向に沿って防水樹脂部112cに密着している。シェル部材40の前端は、前端面113aよりも後方に位置している。シェル部材40は、金属板材を加工(絞り加工等)して形成、ダイキャストにより形成又はメタルインジェクションモールディング(Metal Injection Molding:MIM)により形成されている。
【0027】
シール部材50は、環状であり、シェル部材40の外周に設けられていると共に、シェル部材40を介して本体部11に設けられている。シール部材50は、図8に示すように、シェル部材40の拡径部41よりも側方に突出して被取付部材に圧接する圧接部51と、シェル部材40の狭窄部42の外周に当接又は圧接する内壁部52と、シェル部材40の拡径部41の後端部43に当接又は圧接する前端部53と、狭窄部42に固定される固定部分としての根元部54と、を備えている。内壁部52は狭窄部42の外周に接着剤で接着等されることにより固定されていると共に、前端部53は後端部43に接着剤で接着等されることにより固定されている。
【0028】
シール部材50は、弾性力を有すると共に、絶縁性又は導電性を有する。絶縁性を有するシール部材50は、熱可塑性エラストマー等の絶縁性を有する弾性部材により形成される。また、導電性を有するシール部材50は、熱可塑性エラストマー等の絶縁性を有する弾性部材に、銀等の金属粒子又はカーボンブラック等の導電粉を分散配合して形成される。
【0029】
なお、シール部材50は、シェル部材40に接着されて固定される場合に限らず、シェル部材40に後方より圧入されて固定されていてもよいし、任意の方法でシェル部材40に固定することができる。また、シール部材50は、シール部材50の圧接部51以外の一部がシェル部材40の拡径部41よりも側方に突出していてもよい。
【0030】
遮蔽板60は、導電性を有する材料により形成されており、板状である。遮蔽板60は、ハウジング10に埋設されている。遮蔽板60は、第1のコンタクト20a及び第2のコンタクト20bと絶縁された状態で、第1のコンタクト20aと第2のコンタクト20bとの間に設けられている。
【0031】
<電気コネクタの被取付部材に対する取付方法>
本発明の第1の実施形態に係る電気コネクタ1の被取付部材に対する取付方法につき、図9を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0032】
電気コネクタ1が取り付けられる電子機器の被取付部材である筐体200には、前端が外部に開放された取付孔201と、取付孔201の後方に取付孔201に連通して設けられていると共に後端が外部に開放された取付孔202と、が形成されている。取付孔202の内径D2は、取付孔201の内径D1よりも大きい。取付孔202の内径D2を取付孔201の内径D1よりも大きくすることにより筐体200には当接面204が形成されている。筐体200は、絶縁性又は導電性を有する。
【0033】
電気コネクタ1が取付孔202に対して後方から前方に向けて挿入されて取り付けられる際に、まず板状部12及び前方部111が取付孔202に後方から挿入された後に、続いて当接部113及び後方部112が取付孔202に後方から挿入され、更にシェル部材40が取付孔202に後方から挿入される。また、板状部12及び前方部111が取付孔201に後方から挿入された後に、続いて当接部113が取付孔201に後方から挿入される。この際に、当接部113の当接面113bを設けた部分の外径が取付孔201の内径D1と略同一であるか又は僅かに小さいため、当接面113bが内壁205に当接する。
【0034】
また、取付孔202の内壁203に対してシール部材50の圧接部51が圧接してシール部材50が内方に弾性変形する。この際に、シール部材50の狭窄部42に対する固定部分である根元部54は拡径部41より側方に突出していないため、電気コネクタ1が取付孔201及び取付孔202に対して挿入される途中で、例えば前後方向に直交する方向に移動した際等であっても、根元部54が筐体200に引っ掛かることを防ぐことができ、シール部材50の破損又は位置ずれを防ぐことができる。
【0035】
そして、拡径部41の前端が筐体200の当接面204に当接することにより電気コネクタ1の前方への移動が規制され、取付孔202に対する電気コネクタ1の挿入を完了する。このように、拡径部41が当接面204に当接することで筐体200に対するシェル部材40の前方への移動を阻止することにより、拡径部41を筐体200に対する電気コネクタ1の位置決め部材としても用いることができる。
【0036】
取付孔202に対する電気コネクタ1の取り付けが完了した状態において、筐体200の取付孔201は相手側コネクタが前方から挿入される際の挿入孔を構成すると共に、取付孔201の内壁205と前端面113aとにより相手側コネクタとの嵌合部を構成している。また、取付孔202に対する電気コネクタ1の取り付けが完了した状態では、当接面113bが内壁205に当接すると共に、シール部材50の全体が内壁203より均等に押圧力を受けることにより、板状部12が内壁205に沿って取付孔201の中央に配置されるため、電気コネクタ1と相手側コネクタとを確実に接続することができる。
【0037】
電気コネクタ1の上記の嵌合部に対して前方より相手側コネクタが挿入された際に、相手側コネクタの挿入方向の先端が前端面113aに当接することにより、相手側コネクタの後方への移動が阻止されると共に、相手側コネクタと電気コネクタ1との接続が完了する。なお、相手側コネクタと電気コネクタ1との接続が完了した状態において、相手側コネクタの相手側コンタクトと電気コネクタ1のコンタクト20とが電気的に接続する。
【0038】
シール部材50を拡径部41よりも小径の狭窄部42に設けることにより、取付孔202の内径D2を拡径部41の外径D3と略同一の大きさにすることができる。また、電気コネクタ1を取付孔201及び取付孔202に取り付けた際において、拡径部41の外径D3と狭窄部42の外径との間の距離において内壁203によりシール部材50を圧縮可能であるため、シール部材50の圧縮限界を考慮することなく、取付孔202の内径D2を設定することができる。これにより、取付孔202の内径D2を小さくすることができ、電子機器の筐体200を小型化及び薄型化することができる。
【0039】
また、電気コネクタ1を取付孔201及び取付孔202に取り付けた際において、拡径部41の外径D3と狭窄部42の外径との間の距離において内壁203によりシール部材50を圧縮可能であるため、内壁203に対するシール部材50の圧接力を所定値に設定する場合に、従来に比べて取付孔202の内径D2を拡大することなくシール部材50の圧縮率を軽減する寸法に設定でき、電気コネクタ1を小型化及び薄型化することができると共に、内壁203からのシール部材50に対する圧縮負荷を低減してシール部材50を長寿命にすることができる。
【0040】
また、電気コネクタ1を取付孔201及び取付孔202に取り付けた際において、拡径部41の外径D3と狭窄部42の外径との間の距離において内壁203によりシール部材50を圧縮可能であることにより、シール部材50の圧縮部分の厚みを大きくすることができるため、内壁203に対するシール部材50の適正圧縮率における圧接可能範囲を拡大することができ、内壁203に対して高精度な寸法管理を必要としないために生産性を高くすることができる。
【0041】
また、電気コネクタ1の嵌合部の一部を構成する筐体200が導電性を有する場合には、外部からのノイズを低減して電気コネクタ1の電気的性能を向上させることができる。
【0042】
また、当接部113及び後方部112の外周に設けられて当接部113及び後方部112を覆うシェル部材40が導電性を有する場合には、外部からのノイズを低減して電気コネクタ1の電気的性能を向上させることができる。
【0043】
更に、筐体200及びシェル部材40が導電性を有する場合には、シェル部材40の拡径部41の前端と筐体200とが接続して、ハウジング10の外周を筐体200とシェル部材40とで覆うことにより、外部からのノイズを低減して電気コネクタ1の電気的性能を向上させることができる。
【0044】
このように、本実施形態によれば、板状部12と、板状部12の後方に設けられると共に板状部12よりも側方に突出する本体部11と、を備える絶縁性のハウジング10を有し、弾性変形可能なシール部材50を本体部11に設けることにより、ハウジング10の前端側にシール部材50を保持する部分を設ける必要をなくすることができるため、電気コネクタ1を小型化及び薄型化することができると共に、シール部材50の厚みを必要以上に薄くしなくてもよいため、筐体200に対するシール部材50の適正圧縮率における圧接可能範囲を大きくすることができ、電気コネクタ1を筐体200に取り付ける際に筐体200に対して高精度な寸法管理を不要にして、生産性を向上させることができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、シール部材50をシェル部材40を介して本体部11に設けることにより、本体部11を保護することができると共に、シェル部材40が導電性を有する場合にはシェル部材40により外部からのノイズを遮蔽して電気コネクタ1の電気的性能を向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、シェル部材40がシール部材50よりも前方において側方に突出する拡径部41を備えることにより、電気コネクタ1を筐体200に取り付ける際に、シール部材50の根元部54に筐体200が引っ掛かることを拡径部41で防ぐことができ、シール部材50の破損又はハウジング10に対する位置ずれを防ぐことができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、シール部材50は、拡径部41よりも側方に突出して被取付部材に圧接する圧接部51を備えることにより、被取付部材に対してシール部材50を確実に圧接させることができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、シール部材50は、拡径部41の後端部43に当接することにより、シール部材50をシェル部材40に対して容易に位置決めすることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、シール部材50の内壁52を狭窄部42に接着等して固定すると共にシール部材50の前端部53を拡径部41の後端部43に接着等して固定することにより、シェル部材40に対するシール部材50の固定面の面積を大きくすることができるため、シール部材50をシェル部材40に強固に固定することができ、シール部材50の脱落を防ぐことができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、シェル部材40の外周にシール部材50を設けることにより、シール部材50を設けるための筐体を不要にすることができるため、電気コネクタ1を小型化及び薄型化することができる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、電気コネクタ1は、シェル部材40、シール部材50及び筐体200が導電性を有する場合において電気コネクタ1を筐体200に取り付けた際に、シェル部材40と、シール部材50と、筐体200と、を電気的に接続することができるため、筐体200が電子機器の金属筐体等である場合に、この電子機器のシールド性能の向上又は静電対策に寄与することができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、シランカップリング剤を含む防水樹脂部112cがシェル部材40の内周面に密着し、防水樹脂部112cとシェル部材40との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ1を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング10とシェル部材40との間の隙間から密閉して、防水することができる。また、電気コネクタ1は、シランカップリング剤を含む防水樹脂部112cがコンタクト20の外周面に密着し、防水樹脂部112cとコンタクト20との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ1を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング10とコンタクト20との間の隙間から密閉して、防水することができる。更に、電気コネクタ1は、コンタクト20と狭窄部42との間に防水樹脂部112cのみを設けて止水することができるため、後方側を小型化することができる。
【0053】
なお、本実施形態において、ハウジング10の本体部11の形状は、板状部12よりも側方に突出すると共にシェル部材40に収納できれば任意の形状にすることができる。
【0054】
また、本実施形態において、シェル部材の構成としては拡径部41を無くして後方部112に設けられる狭窄部42のみにしてもよい。
【0055】
(第2の実施形態)
<電気コネクタの構成>
本発明の第2の実施形態に係る電気コネクタ2の構成につき、図10を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0056】
なお、図10において、図1から図8と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0057】
本実施形態に係る電気コネクタ2は、ハウジング10と、コンタクト20と、シール部材50と、遮蔽板60と、シェル部材140と、を有している。
【0058】
シェル部材140は、導電性を有する材料又は絶縁性を有する材料により形成されており、前後方向に貫通する筒状である。シェル部材140の狭窄部42の外周には、側方に突出すると共に拡径部41よりも側方に突出しない一対のリブ141が設けられている。一対のリブ141の前後方向の間隔は、シール部材50をシェル部材140に取り付けた際のシール部材50の前後方向の長さと同一あるいはこの長さよりも若干大きくなっている。なお、シェル部材140の上記以外の構成はシェル部材40の構成と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0059】
シール部材50は、一対のリブ141の間に収納されることによりシェル部材140に取り付けられる。
【0060】
なお、本実施形態における電気コネクタ2の取付方法は電気コネクタ1の取付方法と同一方法であるので、その説明を省略する。
【0061】
このように、本実施形態によれば、板状部12と、板状部12の後方に設けられると共に板状部12よりも側方に突出する本体部11と、を備える絶縁性のハウジング10を有し、弾性変形可能なシール部材50を本体部11に設けることにより、ハウジング10の前端側にシール部材50を保持する部分を設ける必要をなくすることができるため、電気コネクタ2を小型化及び薄型化することができると共に、シール部材50の厚みを必要以上に薄くしなくてもよいため、筐体200に対するシール部材50の適正圧縮率における圧接可能範囲を大きくすることができ、電気コネクタ2を筐体200に取り付ける際に筐体200に対して高精度な寸法管理を不要にして、生産性を向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、シール部材50をシェル部材140を介して本体部11に設けることにより、本体部11を保護することができると共に、シェル部材140が導電性を有する場合にはシェル部材140により外部からのノイズを遮蔽して電気コネクタ2の電気的性能を向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、シェル部材140がシール部材50よりも前方において側方に突出する拡径部41を備えることにより、電気コネクタ2を筐体200に取り付ける際に、ハウジング10に対するシール部材50の根元部54に筐体200が引っ掛かることを防ぐことができ、シール部材50の破損又はハウジング10に対する位置ずれを防ぐことができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、シール部材50は、拡径部41よりも側方に突出して被取付部材に圧接する圧接部51を備えることにより、被取付部材に対してシール部材50を確実に圧接させることができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、シール部材50は、拡径部41の後端部43に当接することにより、シール部材50をシェル部材140に対して容易に位置決めすることができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、シール部材50の内壁52を狭窄部42に接着等して固定すると共にシール部材50の前端部53を拡径部41の後端部43に接着等して固定することにより、シェル部材140に対するシール部材50の固定面の面積を大きくすることができるため、シール部材50をシェル部材140に強固に固定することができ、シール部材50の脱落を防ぐことができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、シェル部材140の外周にシール部材50を設けることにより、シール部材50を設けるための筐体を不要にすることができるため、電気コネクタ2を小型化及び薄型化することができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、シランカップリング剤を含む防水樹脂部112cがシェル部材140の内周面に密着し、防水樹脂部112cとシェル部材140との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ2を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング10とシェル部材140との間の隙間から密閉して、防水することができる。また、電気コネクタ2は、シランカップリング剤を含む防水樹脂部112cがコンタクト20の外周面に密着し、防水樹脂部112cとコンタクト20との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ2を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング10とコンタクト20との間の隙間から密閉して、防水することができる。更に、電気コネクタ2は、コンタクト20と狭窄部42との間に防水樹脂部112cのみを設けて止水することができるため、後方側を小型化することができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、電気コネクタ2は、シール部材50、シェル部材140及び筐体200が導電性を有する場合において電気コネクタ2を筐体200に取り付けた際に、シェル部材140と、シール部材50と、筐体200と、を電気的に接続することができるため、筐体200が電子機器の金属筐体等である場合に、この電子機器のシールド性能の向上又は静電対策に寄与することができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、シェル部材140に設けたリブ141によりシール部材50を位置決めすることにより、シェル部材140に対してシール部材50を所望の位置に設けることができる。
【0071】
なお、本実施形態において、一対のリブ141を設けたが、狭窄部42に1つのリブを設けて、このリブと拡径部41の後端部43との間にシール部材50を収納するようにしてもよい。
【0072】
また、本実施の形態において、狭窄部42と一体のリブ141を設けたが、シェル部材140と別体の部材をシェル部材140に設けて、この別体の部材にシール部材50を位置決めする部分を設けてもよい。
【0073】
また、本実施形態において、ハウジング10の本体部11の形状は、板状部12よりも側方に突出すると共にシェル部材140に収納できれば任意の形状にすることができる。
【0074】
また、本実施形態において、シェル部材の構成としては拡径部41を無くして後方部112に設けられる狭窄部42のみにしてもよい。
【0075】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る電気コネクタ3の構成につき、図11及び図12を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0076】
なお、図11及び図12において、図1から図8と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0077】
本実施形態に係る電気コネクタ3は、コンタクト20と、シール部材50と、遮蔽板60と、ハウジング310と、シェル部材340と、を有している。
【0078】
ハウジング310は、絶縁性を有する材料により形成されており、コンタクト20を保持する保持部材である。ハウジング310は、コンタクト20の外周面に沿ってコンタクト20に密着する部分にシランカップリング剤を含んでいる。
【0079】
ハウジング310は、本体部311と、板状部312と、を備えている。
【0080】
本体部311は、コンタクト20を保持していると共に、板状部312の後方に設けられて板状部312よりも側方に突出しており、前方部3111と、後方部3112と、を備えている。
【0081】
前方部3111は、後方部3112の前端から前方に突出している。
【0082】
後方部3112は、前方部3111の後方に設けられていると共に、板状部312及び前方部3111よりも側方に突出している。後方部3112は、シランカップリング剤を含まない前端部3112dと、ハウジング310の後端に設けられると共にシランカップリング剤を含まない後端部3112aと、前端部3112dと後端部3112aとの間に設けられると共にシランカップリング剤を含む防水樹脂部3112cと、により構成されている。
【0083】
防水樹脂部3112cは、コンタクト20の外周面に沿ってコンタクト20に密着していると共に、シェル部材340の内周面の周方向に沿ってシェル部材340に密着している。防水樹脂部3112cを構成している樹脂は、板状部312、前方部3111、後端部3112a及び前端部3112dを構成している樹脂と異なる種類の樹脂であって、板状部312、前方部3111、後端部3112a及び前端部3112dを構成している樹脂よりも溶融温度が低い性質を有している。
【0084】
なお、前端部3112dと後端部3112aと防水樹脂部3112cとの図12に示す境界線は、説明の便宜上、明確に記載しているが、前端部3112dと防水樹脂部3112cとの接する部分が製造工程において溶融及び結合すると共に、後端部3112aと防水樹脂部3112cとの接する部分が製造工程において溶融及び結合することにより、実際には曖昧になっている。
【0085】
前方突出部としての板状部312は、板状であり、本体部311より前方に突出している。
【0086】
シェル部材340は、導電性を有する材料又は絶縁性を有する材料で形成されており、前後方向に貫通する筒状である。シェル部材340は、後方部3112に保持されており、内周面の周方向に沿って防水樹脂部3112cに密着している。シェル部材340は、金属板材を加工(絞り加工等)して形成、ダイキャストにより形成又はメタルインジェクションモールディングにより形成されている。
【0087】
シェル部材340は、リブ341と、当接部342と、当接部343と、を備えている。
【0088】
側方突出部としてのリブ341は、シェル部材340の外周に周方向に沿って設けられ、シール部材50の前方においてシェル部材340の外周から側方に突出している。リブ341は、シール部材50の前端部53が当接している当接面341aと、電気コネクタ3が被取付部材に取り付けられた際に被取付部材(例えば図9に示す当接面204)に当接する当接面341bと、を備えている。
【0089】
当接部342は、シェル部材340の前端が内側に折り曲げられて形成されており、前方から接続される図示しない相手側コネクタと当接して相手側コネクタの後方への移動を阻止する。
【0090】
当接部343は、シェル部材340の前端の周囲に周状に設けられており、電気コネクタ3を被取付部材に取り付けた際に被取付部材(例えば図9に示す内壁205)に当接する。
【0091】
シール部材50は、環状であり、シェル部材340の外周に設けられていると共に、シェル部材340を介して本体部311に設けられている。シール部材50は、図12に示すように、シェル部材340のリブ341よりも側方に突出して被取付部材に圧接する圧接部51と、シェル部材340の外周に当接又は圧接する内壁部52と、シェル部材340のリブ341の当接面341aに当接又は圧接する前端部53と、シェル部材341の外周に固定される固定部分としての根元部54と、を備えている。内壁部52はシェル部材340の外周に接着剤で接着等されることにより固定されていると共に、前端部53は当接面341aに接着剤で接着等されることにより固定されている。
【0092】
<電気コネクタの被取付部材に対する取付方法>
本発明の第3の実施形態に係る電気コネクタ3の被取付部材に対する取付方法につき、以下に詳細に説明する。なお、ここでは、電気コネクタ3を図9に示す筐体200に取り付ける場合の取付方法を例に説明する。
【0093】
電気コネクタ3が取付孔202に対して後方から前方に向けて挿入されて取り付けられる際に、まず板状部312が取付孔202に後方から挿入された後に、本体部311が取付孔202に後方から挿入されると共に、シェル部材340が取付孔202に後方から挿入され、続いて板状部312が取付孔201に後方から挿入される。この際に、シェル部材340の当接部343の外径が取付孔201の内径D1と略同一であるか又は僅かに小さいため、当接部343が内壁205に当接する。
【0094】
また、取付孔202の内壁203に対してシール部材50の圧接部51が圧接してシール部材50が内方に弾性変形する。この際に、シール部材50のシェル部材340に対する固定部分である根元部54はリブ341よりも側方に突出していないため、電気コネクタ3が取付孔201及び取付孔202に対して挿入される途中で、例えば前後方向に直交する方向に移動した際等であっても、根元部54が筐体200に引っ掛かることを防ぐことができ、シール部材50の破損又は位置ずれを防ぐことができる。
【0095】
また、シール部材50の厚みを厚くしても電気コネクタ3の大型化を抑制することができることにより、内径D2を大きくすることなくシール部材50の圧縮部分の厚みを大きくすることができるため、内壁203に対するシール部材50の適正圧縮率における圧接可能範囲を拡大することができ、内壁203に対して高精度な寸法管理を必要としないために生産性を高くすることができる。
【0096】
そして、シェル部材340のリブ341の当接面341bが筐体200の当接面204に当接することにより電気コネクタ3の前方への移動が規制されることにより、筐体200に対する電気コネクタ3の取り付けを完了する。
【0097】
このように、シェル部材340のリブ341の当接面341bが当接面204に当接することで筐体200に対するシェル部材340の前方への移動を阻止することにより、シェル部材340を筐体200に対する電気コネクタ3の位置決め部材としても用いることができる。
【0098】
また、電気コネクタ3の嵌合部の一部を構成する筐体200が導電性を有する場合には、外部からのノイズを低減して電気コネクタ3の電気的性能を向上させることができる。
【0099】
また、後方部3112の外周に設けられて後方部3112を覆うシェル部材340が導電性を有する場合には、外部からのノイズを低減して電気コネクタ3の電気的性能を向上させることができる。
【0100】
更に、筐体200及びシェル部材340が導電性を有する場合には、当接部343と筐体200とが接続して、ハウジング310の外周を筐体200とシェル部材340とで覆うことにより、外部からのノイズを低減して電気コネクタ3の電気的性能を向上させることができる。
【0101】
筐体200に対する電気コネクタ3の取り付けが完了した状態において、筐体200の取付孔201は相手側コネクタが前方から挿入される際の挿入孔を構成すると共に、取付孔201の内壁205と当接部342とにより相手側コネクタとの嵌合部を構成している。また、筐体200に対する電気コネクタ3の取り付けが完了した状態では、当接部343が内壁205に当接すると共に、シール部材50の全体が内壁203より均等に押圧力を受けることにより、板状部312が内壁205に沿って取付孔201の中央に配置されるため、電気コネクタ3と相手側コネクタとを確実に接続することができる。
【0102】
電気コネクタ3の上記の嵌合部に対して前方より相手側コネクタが挿入された際に、相手側コネクタの挿入方向の先端が当接部342に当接することにより、相手側コネクタの後方への移動が阻止されると共に、相手側コネクタと電気コネクタ3との接続が完了する。なお、相手側コネクタと電気コネクタ3との接続が完了した状態において、相手側コネクタの相手側コンタクトと電気コネクタ3のコンタクト20とが電気的に接続する。
【0103】
このように、本実施形態によれば、板状部312と、板状部312の後方に設けられると共に板状部312よりも側方に突出する本体部311と、を備える絶縁性のハウジング310を有し、弾性変形可能なシール部材50を本体部311に設けることにより、ハウジング310の前端側にシール部材50を保持する部分を設ける必要をなくすることができるため、電気コネクタ3を小型化及び薄型化することができると共に、シール部材50の厚みを必要以上に薄くしなくてもよいため、筐体200に対するシール部材50の適正圧縮率における圧接可能範囲を大きくすることができ、電気コネクタ3を筐体200に取り付ける際に筐体200に対して高精度な寸法管理を不要にして、生産性を向上させることができる。
【0104】
また、本実施形態によれば、シール部材50をシェル部材340を介して本体部311に設けることにより、本体部311を保護することができると共に、シェル部材340が導電性を有する場合にはシェル部材340により外部からのノイズを遮蔽して電気コネクタ3の電気的性能を向上させることができる。
【0105】
また、本実施形態によれば、シェル部材340がシール部材50よりも前方において側方に突出するリブ341を備えることにより、電気コネクタ3を筐体200に取り付ける際に、シール部材50の根元部54に筐体200が引っ掛かることをリブ341で防ぐことができ、シール部材50の破損又はハウジング310に対する位置ずれを防ぐことができる。
【0106】
また、本実施形態によれば、シール部材50は、リブ341よりも側方に突出して被取付部材に圧接する圧接部51を備えることにより、被取付部材に対してシール部材50を確実に圧接させることができる。
【0107】
また、本実施形態によれば、シール部材50は、リブ341の当接面341aに当接することにより、シール部材50をシェル部材340に対して容易に位置決めすることができる。
【0108】
また、本実施形態によれば、シール部材50の内壁52をシェル部材340の外周に接着等して固定すると共に、シール部材50の前端部53をリブ341の当接面341aに接着等して固定することにより、シェル部材340に対するシール部材50の固定面の面積を大きくすることができるため、シール部材50をシェル部材340に強固に固定することができ、シール部材50の脱落を防ぐことができる。
【0109】
また、本実施形態によれば、シェル部材340の外周にシール部材50を設けることにより、シール部材50を設けるための筐体を不要にすることができるため、電気コネクタ3を小型化及び薄型化することができる。
【0110】
また、本実施の形態によれば、電気コネクタ3は、シール部材50、筐体200及びシェル部材340が導電性を有する場合において電気コネクタ3を筐体200に取り付けた際に、シェル部材340と、シール部材50と、筐体200と、を電気的に接続することができるため、筐体200が電子機器の金属筐体等である場合に、この電子機器のシールド性能の向上又は静電対策に寄与することができる。
【0111】
また、本実施形態によれば、シランカップリング剤を含む防水樹脂部3112cがシェル部材340の内周面に密着し、防水樹脂部3112cとシェル部材340との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ3を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング310とシェル部材340との間の隙間から密閉して、防水することができる。また、電気コネクタ3は、シランカップリング剤を含む防水樹脂部3112cがコンタクト20の外周面に密着し、防水樹脂部3112cとコンタクト20との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ3を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング310とコンタクト20との間の隙間から密閉して、防水することができる。更に、電気コネクタ3は、コンタクト20とシェル部材340との間に防水樹脂部3112cのみを設けて止水することができるため、後方側を小型化することができる。
【0112】
なお、本実施形態において、ハウジング310の本体部311の形状は、板状部312よりも側方に突出すると共にシェル部材340に収納できれば任意の形状にすることができる。
【0113】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る電気コネクタ4の構成につき、図13及び図14を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0114】
なお、図13及び図14において、図1から図8と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0115】
本実施形態に係る電気コネクタ4は、コンタクト20と、シール部材50と、遮蔽板60と、ハウジング410と、シェル部材440と、を有している。
【0116】
ハウジング410は、絶縁性を有する材料により形成されており、コンタクト20を保持する保持部材である。ハウジング410は、コンタクト20の外周面に沿ってコンタクト20に密着する部分にシランカップリング剤を含んでいる。
【0117】
ハウジング410は、本体部411と、板状部412と、を備えている。
【0118】
本体部411は、コンタクト20を保持していると共に、板状部412の後方に設けられて板状部412よりも側方に突出しており、前方部4111と、後方部4112と、を備えている。
【0119】
前方部4111は、後方部4112の前端から前方に突出している。
【0120】
後方部4112は、前方部4111の後方に設けられていると共に、板状部412及び前方部4111よりも側方に突出している。後方部4112は、シランカップリング剤を含まない前端部4112dと、ハウジング410の後端に設けられると共にシランカップリング剤を含まない後端部4112aと、前端部4112dと後端部4112aとの間に設けられると共にシランカップリング剤を含む防水樹脂部4112cと、により構成されている。
【0121】
防水樹脂部4112cは、コンタクト20の外周面に沿ってコンタクト20に密着していると共に、シェル部材440の内周面の周方向に沿ってシェル部材440に密着している。防水樹脂部4112cを構成している樹脂は、板状部412、前方部4111、後端部4112a及び前端部4112dを構成している樹脂と異なる種類の樹脂であって、板状部412、前方部4111、後端部4112a及び前端部4112dを構成している樹脂よりも溶融温度が低い性質を有している。
【0122】
なお、前端部4112dと後端部4112aと防水樹脂部4112cとの図14に示す境界線は、説明の便宜上、明確に記載しているが、前端部4112dと防水樹脂部4112cとの接する部分が製造工程において溶融及び結合すると共に、後端部4112aと防水樹脂部4112cとの接する部分が製造工程において溶融及び結合することにより、実際には曖昧になっている。
【0123】
前方突出部としての板状部412は、板状であり、本体部411より前方に突出している。
【0124】
シェル部材440は、導電性を有する材料又は絶縁性を有する材料で形成されており、前後方向に貫通する筒状である。シェル部材440は、後方部4112に保持されており、内周面の周方向に沿って防水樹脂部4112cに密着している。シェル部材440は、金属板材を加工(絞り加工等)して形成、ダイキャストにより形成又はメタルインジェクションモールディングにより形成されている。
【0125】
シェル部材440は、当接部442と、当接部443と、を備えている。
【0126】
当接部442は、シェル部材440の前端が内側に折り曲げられて形成されており、前方から接続される図示しない相手側コネクタと当接して相手側コネクタの後方への移動を阻止する。
【0127】
当接部443は、シェル部材440の前端の周囲に周状に設けられており、電気コネクタ4を被取付部材に取り付けた際に被取付部材(例えば図9に示す内壁205)に当接する。
【0128】
シール部材50は、環状であり、シェル部材440の外周に設けられていると共に、シェル部材440を介して本体部411に設けられている。シール部材50は、図14に示すように、被取付部材に圧接する圧接部51と、シェル部材440の外周に当接又は圧接する内壁部52と、前端部53と、シェル部材440の外周に固定される固定部分としての根元部54と、を備えている。内壁部52はシェル部材440の外周に接着剤で接着等されることにより固定されている。
【0129】
<電気コネクタの被取付部材に対する取付方法>
本発明の第4の実施形態に係る電気コネクタ4の被取付部材に対する取付方法につき、以下に詳細に説明する。なお、ここでは、電気コネクタ4を図9に示す筐体200に取り付ける場合の取付方法を例に説明する。
【0130】
電気コネクタ4が取付孔202に対して後方から前方に向けて挿入されて取り付けられる際に、まず板状部412が取付孔202に後方から挿入された後に、本体部411が取付孔202に後方から挿入されると共に、シェル部材440が取付孔202に後方から挿入され、続いて板状部412が取付孔201に後方から挿入される。この際に、シェル部材440の当接部443の外径が取付孔201の内径D1と略同一であるか又は僅かに小さいため、当接部443が内壁205に当接する。
【0131】
また、取付孔202の内壁203に対してシール部材50の圧接部51が圧接してシール部材50が内方に弾性変形する。この際に、シール部材50の厚みを厚くしても電気コネクタ4の大型化を抑制することができることにより、内径D2を大きくすることなくシール部材50の圧縮部分の厚みを大きくすることができるため、内壁203に対するシール部材50の適正圧縮率における圧接可能範囲を拡大することができ、内壁203に対して高精度な寸法管理を必要としないために生産性を高くすることができる。
【0132】
そして、電気コネクタ4及び筐体200に設けた図示しない位置決め手段により筐体200に対して電気コネクタ4を位置決めすることにより、筐体200に対する電気コネクタ4の取り付けを完了する。
【0133】
また、電気コネクタ4の嵌合部の一部を構成する筐体200が導電性を有する場合には、外部からのノイズを低減して電気コネクタ4の電気的性能を向上させることができる。
【0134】
また、後方部4112の外周に設けられて後方部4112を覆うシェル部材440が導電性を有する場合には、外部からのノイズを低減して電気コネクタ4の電気的性能を向上させることができる。
【0135】
更に、筐体200及びシェル部材440が導電性を有する場合には、当接部443と筐体200とが接続して、ハウジング410の外周を筐体200とシェル部材440とで覆うことにより、外部からのノイズを低減して電気コネクタ4の電気的性能を向上させることができる。
【0136】
筐体200に対する電気コネクタ4の取り付けが完了した状態において、筐体200の取付孔201は相手側コネクタが前方から挿入される際の挿入孔を構成すると共に、取付孔201の内壁205と当接部442とにより相手側コネクタとの嵌合部を構成している。また、取付孔202に対する電気コネクタ4の取り付けが完了した状態では、当接部443が内壁205に当接すると共に、シール部材50の全体が内壁203より均等に押圧力を受けることにより、板状部412が内壁205に沿って取付孔201の中央に配置されるため、電気コネクタ4と相手側コネクタとを確実に接続することができる。
【0137】
電気コネクタ4の上記の嵌合部に対して前方より相手側コネクタが挿入された際に、相手側コネクタの挿入方向の先端が当接部442に当接することにより、相手側コネクタの後方への移動が阻止されると共に、相手側コネクタと電気コネクタ4との接続が完了する。なお、相手側コネクタと電気コネクタ4との接続が完了した状態において、相手側コネクタの相手側コンタクトと電気コネクタ4のコンタクト20とが電気的に接続する。
【0138】
このように、本実施形態によれば、板状部412と、板状部412の後方に設けられると共に板状部412よりも側方に突出する本体部411と、を備える絶縁性のハウジング410を有し、弾性変形可能なシール部材50を本体部411に設けることにより、ハウジング410の前端側にシール部材50を保持する部分を設ける必要をなくすることができるため、電気コネクタ4を小型化及び薄型化することができると共に、シール部材50の厚みを必要以上に薄くしなくてもよいため、筐体200に対するシール部材50の適正圧縮率における圧接可能範囲を大きくすることができ、電気コネクタ4を筐体200に取り付ける際に筐体200に対して高精度な寸法管理を不要にして、生産性を向上させることができる。
【0139】
また、本実施形態によれば、シール部材50をシェル部材440を介して本体部411に設けることにより、本体部411を保護することができると共に、シェル部材440が導電性を有する場合にはシェル部材440により外部からのノイズを遮蔽して電気コネクタ4の電気的性能を向上させることができる。
【0140】
また、本実施形態によれば、シール部材50は、側方に突出して被取付部材に圧接する圧接部51を備えることにより、被取付部材に対してシール部材50を確実に圧接させることができる。
【0141】
また、本実施形態によれば、シェル部材440の外周にシール部材50を設けることにより、シール部材50を設けるための筐体を不要にすることができるため、電気コネクタ4を小型化及び薄型化することができる。
【0142】
また、本実施の形態によれば、電気コネクタ4は、シール部材50、筐体200及びシェル部材440が導電性を有する場合において電気コネクタ4を筐体200に取り付けた際に、シェル部材440と、シール部材50と、筐体200と、を電気的に接続することができるため、筐体200が電子機器の金属筐体等である場合に、この電子機器のシールド性能の向上又は静電対策に寄与することができる。
【0143】
また、本実施形態によれば、シランカップリング剤を含む防水樹脂部4112cがシェル部材440の内周面に密着し、防水樹脂部4112cとシェル部材440との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ4を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング410とシェル部材440との間の隙間から密閉して、防水することができる。また、電気コネクタ4は、シランカップリング剤を含む防水樹脂部4112cがコンタクト20の外周面に密着し、防水樹脂部4112cとコンタクト20との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ4を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング410とコンタクト20との間の隙間から密閉して、防水することができる。更に、電気コネクタ4は、コンタクト20とシェル部材440との間に防水樹脂部4112cのみを設けて止水することができるため、後方側を小型化することができる。
【0144】
また、本実施形態によれば、シェル部材440を凹凸の少ない円筒形状にすることができるため、シェル部材440を容易に形成することできる。
【0145】
なお、本実施形態において、ハウジング410の本体部411の形状は、板状部412よりも側方に突出すると共にシェル部材440に収納できれば任意の形状にすることができる。
【0146】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る電気コネクタ5の構成につき、図15及び図16を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0147】
なお、図15及び図16において、図1から図8と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0148】
本実施形態に係る電気コネクタ5は、コンタクト20と、シール部材50と、遮蔽板60と、ハウジング510と、シェル部材540と、を有している。
【0149】
ハウジング510は、絶縁性を有する材料により形成されており、コンタクト20を保持する保持部材である。ハウジング510は、コンタクト20の外周面に沿ってコンタクト20に密着する部分にシランカップリング剤を含んでいる。
【0150】
ハウジング510は、本体部511と、板状部512と、を備えている。
【0151】
本体部511は、コンタクト20を保持していると共に、板状部512の後方に設けられて板状部512よりも側方に突出しており、前方部5111と、後方部5112と、を備えている。
【0152】
前方部5111は、後方部5112の前端から前方に突出している。
【0153】
後方部5112は、前方部5111の後方に設けられていると共に、板状部512及び前方部5111よりも側方に突出している。後方部5112は、シランカップリング剤を含まない前端部5112dと、ハウジング510の後端に設けられると共にシランカップリング剤を含まない後端部5112aと、前端部5112dと後端部5112aとの間に設けられると共にシランカップリング剤を含む防水樹脂部5112cと、により構成されている。
【0154】
防水樹脂部5112cは、コンタクト20の外周面に沿ってコンタクト20に密着していると共に、シェル部材540の内周面の周方向に沿ってシェル部材540に密着している。防水樹脂部5112cを構成している樹脂は、板状部512、前方部5111、後端部5112a及び前端部5112dを構成している樹脂と異なる種類の樹脂であって、板状部512、前方部5111、後端部5112a及び前端部5112dを構成している樹脂よりも溶融温度が低い性質を有している。
【0155】
前端部5112dは、前方から接続される図示しない相手側コネクタと当接して相手側コネクタの後方への移動を阻止する当接部5113を備えている。
【0156】
なお、前端部5112dと後端部5112aと防水樹脂部5112cとの図16に示す境界線は、説明の便宜上、明確に記載しているが、前端部5112dと防水樹脂部5112cとの接する部分が製造工程において溶融及び結合すると共に、後端部5112aと防水樹脂部5112cとの接する部分が製造工程において溶融及び結合することにより、実際には曖昧になっている。
【0157】
前方突出部としての板状部512は、板状であり、本体部511より前方に突出している。
【0158】
シェル部材540は、導電性を有する材料又は絶縁性を有する材料で形成されており、前後方向に貫通する筒状である。シェル部材540は、後方部5112に保持されており、内周面の周方向に沿って防水樹脂部5112cに密着している。シェル部材540は、金属板材を加工(絞り加工等)して形成、ダイキャストにより形成又はメタルインジェクションモールディングにより形成されている。
【0159】
シェル部材540は、当接部542と、当接部543と、を備えている。
【0160】
当接部542は、前方から接続される図示しない相手側コネクタと当接して相手側コネクタの後方への移動を阻止する。
【0161】
当接部543は、シェル部材540の前端の周囲に周状に設けられており、電気コネクタ5を被取付部材に取り付けた際に被取付部材(例えば図9に示す内壁205)に当接する。
【0162】
シール部材50は、環状であり、シェル部材540の外周に設けられていると共に、シェル部材540を介して本体部511に設けられている。シール部材50は、図16に示すように、被取付部材に圧接する圧接部51と、シェル部材540の外周に当接又は圧接する内壁部52と、被取付部材に当接又は圧接する前端部53と、シェル部材540の外周に固定される固定部分としての根元部54と、を備えている。内壁部52はシェル部材540の外周に接着剤で接着等されることにより固定されている。
【0163】
<電気コネクタの被取付部材に対する取付方法>
本発明の第5の実施形態に係る電気コネクタ5の被取付部材に対する取付方法につき、以下に詳細に説明する。なお、ここでは、電気コネクタ5を図9に示す筐体200に取り付ける場合の取付方法を例に説明する。
【0164】
電気コネクタ5が取付孔202に対して後方から前方に向けて挿入されて取り付けられる際に、まず板状部512が取付孔202に後方から挿入された後に、本体部511が取付孔202に後方から挿入されると共に、シェル部材540が取付孔202に後方から挿入され、続いて板状部512が取付孔201に後方から挿入される。この際に、シェル部材540の当接部543の外径が取付孔201の内径D1と略同一であるか又は僅かに小さいため、当接部543が内壁205に当接する。
【0165】
また、取付孔202の内壁203に対してシール部材50の圧接部51が圧接してシール部材50が内方に弾性変形する。この際に、シール部材50の厚みを厚くしても電気コネクタ5の大型化を抑制することができることにより、内径D2を大きくすることなくシール部材50の圧縮部分の厚みを大きくすることができるため、内壁203に対するシール部材50の適正圧縮率における圧接可能範囲を拡大することができ、内壁203に対して高精度な寸法管理を必要としないために生産性を高くすることができる。
【0166】
そして、電気コネクタ5及び筐体200に設けた図示しない位置決め手段により筐体200に対して電気コネクタ5を位置決めすることにより、筐体200に対する電気コネクタ5の取り付けを完了する。
【0167】
また、電気コネクタ5の嵌合部の一部を構成する筐体200が導電性を有する場合には、外部からのノイズを低減して電気コネクタ5の電気的性能を向上させることができる。
【0168】
また、後方部5112の外周に設けられて後方部5112を覆うシェル部材540が導電性を有する場合には、外部からのノイズを低減して電気コネクタ5の電気的性能を向上させることができる。
【0169】
更に、筐体200及びシェル部材540が導電性を有する場合には、当接部543と筐体200とが接続して、ハウジング510の外周を筐体200とシェル部材540とで覆うことにより、外部からのノイズを低減して電気コネクタ5の電気的性能を向上させることができる。
【0170】
筐体200に対する電気コネクタ5の取り付けが完了した状態において、筐体200の取付孔201は相手側コネクタが前方から挿入される際の挿入孔を構成すると共に、取付孔201の内壁205と当接部542と当接部5113とにより相手側コネクタとの嵌合部を構成している。また、取付孔202に対する電気コネクタ5の取り付けが完了した状態では、当接部543が内壁205に当接すると共に、シール部材50の全体が内壁203より均等に押圧力を受けることにより、板状部512が内壁205に沿って取付孔201の中央に配置されるため、電気コネクタ5と相手側コネクタとを確実に接続することができる。
【0171】
電気コネクタ5の上記の嵌合部に対して前方より相手側コネクタが挿入された際に、相手側コネクタの挿入方向の先端が当接部542及び当接部5113に当接することにより、相手側コネクタの後方への移動が阻止されると共に、相手側コネクタと電気コネクタ5との接続が完了する。なお、相手側コネクタと電気コネクタ5との接続が完了した状態において、相手側コネクタの相手側コンタクトと電気コネクタ5のコンタクト20とが電気的に接続する。
【0172】
このように、本実施形態によれば、板状部512と、板状部512の後方に設けられると共に板状部512よりも側方に突出する本体部511と、を備える絶縁性のハウジング510を有し、弾性変形可能なシール部材50を本体部511に設けることにより、ハウジング510の前端側にシール部材50を保持する部分を設ける必要をなくすることができるため、電気コネクタ5を小型化及び薄型化することができると共に、シール部材50の厚みを必要以上に薄くしなくてもよいため、筐体200に対するシール部材50の適正圧縮率における圧接可能範囲を大きくすることができ、電気コネクタ5を筐体200に取り付ける際に筐体200に対して高精度な寸法管理を不要にして、生産性を向上させることができる。
【0173】
また、本実施形態によれば、シール部材50をシェル部材540を介して本体部511に設けることにより、本体部511を保護することができると共に、シェル部材540が導電性を有する場合にはシェル部材540により外部からのノイズを遮蔽して電気コネクタ5の電気的性能を向上させることができる。
【0174】
また、本実施形態によれば、シール部材50は、側方に突出して被取付部材に圧接する圧接部51を備えることにより、被取付部材に対してシール部材50を確実に圧接させることができる。
【0175】
また、本実施形態によれば、シェル部材540の外周にシール部材50を設けることにより、シール部材50を設けるための筐体を不要にすることができるため、電気コネクタ5を小型化及び薄型化することができる。
【0176】
また、本実施の形態によれば、電気コネクタ5は、シール部材50、筐体200及びシェル部材540が導電性を有する場合において電気コネクタ5を筐体200に取り付けた際に、シェル部材540と、シール部材50と、筐体200と、を電気的に接続することができるため、筐体200が電子機器の金属筐体等である場合に、この電子機器のシールド性能の向上又は静電対策に寄与することができる。
【0177】
また、本実施形態によれば、シランカップリング剤を含む防水樹脂部5112cがシェル部材540の内周面に密着し、防水樹脂部5112cとシェル部材540との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ5を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング510とシェル部材540との間の隙間から密閉して、防水することができる。また、電気コネクタ5は、シランカップリング剤を含む防水樹脂部5112cがコンタクト20の外周面に密着し、防水樹脂部5112cとコンタクト20との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ5を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング510とコンタクト20との間の隙間から密閉して、防水することができる。更に、電気コネクタ5は、コンタクト20とシェル部材540との間に防水樹脂部5112cのみを設けて止水することができるため、後方側を小型化することができる。
【0178】
また、本実施形態によれば、シェル部材540を凹凸の少ない円筒形状にすることができるため、シェル部材540を容易に形成することできる。
【0179】
なお、本実施形態において、ハウジング510の本体部511の形状は、板状部512よりも側方に突出すると共にシェル部材540に収納できれば任意の形状にすることができる。
【0180】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る電気コネクタ6の構成につき、図17及び図18を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0181】
なお、図17及び図18において、図1から図8と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0182】
本実施形態に係る電気コネクタ6は、コンタクト20と、シール部材50と、遮蔽板60と、ハウジング610と、シェル部材640と、を有している。
【0183】
ハウジング610は、絶縁性を有する材料により形成されており、コンタクト20を保持する保持部材である。ハウジング610は、コンタクト20の外周面に沿ってコンタクト20に密着する部分にシランカップリング剤を含んでいる。
【0184】
ハウジング610は、本体部611と、板状部612と、を備えている。
【0185】
本体部611は、コンタクト20を保持していると共に、板状部612の後方に設けられて板状部612よりも側方に突出しており、前方部6111と、後方部6112と、を備えている。
【0186】
前方部6111は、後方部6112の前端から前方に突出している。
【0187】
後方部6112は、前方部6111の後方に設けられていると共に、板状部612及び前方部6111よりも側方に突出している。後方部6112は、シランカップリング剤を含まない前端部6112dと、ハウジング610の後端に設けられると共にシランカップリング剤を含まない後端部6112aと、前端部6112dと後端部6112aとの間に設けられると共にシランカップリング剤を含む防水樹脂部6112cと、により構成されている。
【0188】
防水樹脂部6112cは、コンタクト20の外周面に沿ってコンタクト20に密着していると共に、シェル部材640の内周面の周方向に沿ってシェル部材640に密着している。防水樹脂部6112cを構成している樹脂は、板状部612、前方部6111、後端部6112a及び前端部6112dを構成している樹脂と異なる種類の樹脂であって、板状部612、前方部6111、後端部6112a及び前端部6112dを構成している樹脂よりも溶融温度が低い性質を有している。
【0189】
前端部6112dは、前方から接続される図示しない相手側コネクタと当接して相手側コネクタの後方への移動を阻止する当接部6113を備えている。
【0190】
なお、前端部6112dと後端部6112aと防水樹脂部6112cとの図18に示す境界線は、説明の便宜上、明確に記載しているが、前端部6112dと防水樹脂部6112cとの接する部分が製造工程において溶融及び結合すると共に、後端部6112aと防水樹脂部6112cとの接する部分が製造工程において溶融及び結合することにより、実際には曖昧になっている。
【0191】
前方突出部としての板状部612は、板状であり、本体部611より前方に突出している。
【0192】
シェル部材640は、導電性を有する材料又は絶縁性を有する材料で形成されており、前後方向に貫通する筒状である。シェル部材640は、後方部6112に保持されており、内周面の周方向に沿って防水樹脂部6112cに密着している。シェル部材640は、金属板材を加工(絞り加工等)して形成、ダイキャストにより形成又はメタルインジェクションモールディングにより形成されている。
【0193】
シェル部材640は、リブ641と、当接部642と、当接部643と、を備えている。
【0194】
側方突出部としてのリブ641は、シェル部材640の外周に周方向に沿って設けられ、シェル部材640の外周から側方に突出している。リブ641は、シール部材50の前端部53が当接している当接面641aと、電気コネクタ6が被取付部材に取り付けられた際に被取付部材(例えば図9に示す当接面204)に当接する当接面641bと、を備えている。
【0195】
当接部642は、前方から接続される図示しない相手側コネクタと当接して相手側コネクタの後方への移動を阻止する。
【0196】
当接部643は、シェル部材640の前端の周囲に周状に設けられており、電気コネクタ6を被取付部材に取り付けた際に被取付部材(例えば図9に示す内壁205)に当接する。
【0197】
シール部材50は、環状であり、シェル部材640の外周に設けられていると共に、シェル部材640を介して本体部611に設けられている。シール部材50は、図18に示すように、シェル部材640のリブ641よりも側方に突出して被取付部材に圧接する圧接部51と、シェル部材640の外周に当接又は圧接する内壁部52と、シェル部材640のリブ641の当接面641aに当接又は圧接する前端部53と、シェル部材641の外周に固定される固定部分としての根元部54と、を備えている。内壁部52はシェル部材640の外周に接着剤で接着等されることにより固定されていると共に、前端部53は当接面641aに接着剤で接着等されることにより固定されている。
【0198】
<電気コネクタの被取付部材に対する取付方法>
本発明の第3の実施形態に係る電気コネクタ6の被取付部材に対する取付方法につき、以下に詳細に説明する。なお、ここでは、電気コネクタ6を図9に示す筐体200に取り付ける場合の取付方法を例に説明する。
【0199】
電気コネクタ6が取付孔202に対して後方から前方に向けて挿入されて取り付けられる際に、まず板状部612が取付孔202に後方から挿入された後に、本体部611が取付孔202に後方から挿入されると共に、シェル部材640が取付孔202に後方から挿入され、続いて板状部612が取付孔201に後方から挿入される。この際に、シェル部材640の当接部643の外径が取付孔201の内径D1と略同一であるか又は僅かに小さいため、当接部643が内壁205に当接する。
【0200】
また、取付孔202の内壁203に対してシール部材50の圧接部51が圧接してシール部材50が内方に弾性変形する。この際に、シール部材50のシェル部材640に対する固定部分である根元部54はリブ641より側方に突出していないため、電気コネクタ6が取付孔201及び取付孔202に対して挿入される途中で、例えば前後方向に直交する方向に移動した際等であっても、根元部54が筐体200に引っ掛かることを防ぐことができ、シール部材50の破損又は位置ずれを防ぐことができる。
【0201】
また、シール部材50の厚みを厚くしても電気コネクタ6の大型化を抑制することができることにより、内径D2を大きくすることなくシール部材50の圧縮部分の厚みを大きくすることができるため、内壁203に対するシール部材50の適正圧縮率における圧接可能範囲を拡大することができ、内壁203に対して高精度な寸法管理を必要としないために生産性を高くすることができる。
【0202】
そして、シェル部材640のリブ641の当接面641bが筐体200の当接面204に当接することにより電気コネクタ6の前方への移動が規制され、筐体200に対する電気コネクタ6の取り付けを完了する。
【0203】
このように、シェル部材640のリブ641の当接面641bが当接面204に当接することで筐体200に対するシェル部材640の前方への移動を阻止することにより、シェル部材640を筐体200に対する電気コネクタ6の位置決め部材としても用いることができる。
【0204】
また、電気コネクタ6の嵌合部の一部を構成する筐体200が導電性を有する場合には、外部からのノイズを低減して電気コネクタ6の電気的性能を向上させることができる。
【0205】
また、後方部6112の外周に設けられて後方部6112を覆うシェル部材640が導電性を有する場合には、外部からのノイズを低減して電気コネクタ6の電気的性能を向上させることができる。
【0206】
更に、筐体200及びシェル部材640が導電性を有する場合には、当接部643と筐体200とが接続して、ハウジング610の外周を筐体200とシェル部材640とで覆うことにより、外部からのノイズを低減して電気コネクタ6の電気的性能を向上させることができる。
【0207】
筐体200に対する電気コネクタ6の取り付けが完了した状態において、筐体200の取付孔201は相手側コネクタが前方から挿入される際の挿入孔を構成すると共に、取付孔201の内壁205と当接部642と当接部6113とにより相手側コネクタとの嵌合部を構成している。また、取付孔202に対する電気コネクタ6の取り付けが完了した状態では、当接部643が内壁205に当接すると共に、シール部材50の全体が内壁203より均等に押圧力を受けることにより、板状部612が内壁205に沿って取付孔201の中央に配置されるため、電気コネクタ6と相手側コネクタとを確実に接続することができる。
【0208】
電気コネクタ6の上記の嵌合部に対して前方より相手側コネクタが挿入された際に、相手側コネクタの挿入方向の先端が当接部642及び当接部6113に当接することにより、相手側コネクタの後方への移動が阻止されると共に、相手側コネクタと電気コネクタ6との接続が完了する。なお、相手側コネクタと電気コネクタ6との接続が完了した状態において、相手側コネクタの相手側コンタクトと電気コネクタ6のコンタクト20とが電気的に接続する。
【0209】
このように、本実施形態によれば、板状部612と、板状部612の後方に設けられると共に板状部612よりも側方に突出する本体部611と、を備える絶縁性のハウジング610を有し、弾性変形可能なシール部材50を本体部611に設けることにより、ハウジング610の前端側にシール部材50を保持する部分を設ける必要をなくすることができるため、電気コネクタ6を小型化及び薄型化することができると共に、シール部材50の厚みを必要以上に薄くしなくてもよいため、筐体200に対するシール部材50の適正圧縮率における圧接可能範囲を大きくすることができ、電気コネクタ6を筐体200に取り付ける際に筐体200に対して高精度な寸法管理を不要にして、生産性を向上させることができる。
【0210】
また、本実施形態によれば、シール部材50をシェル部材640を介して本体部611に設けることにより、本体部11を保護することができると共に、シェル部材640が導電性を有する場合にはシェル部材640により外部からのノイズを遮蔽して電気コネクタ6の電気的性能を向上させることができる。
【0211】
また、本実施形態によれば、シェル部材640がシール部材50よりも前方において側方に突出するリブ641を備えることにより、電気コネクタ6を筐体200に取り付ける際に、シール部材50の根元部54に筐体200が引っ掛かることをリブ641で防ぐことができ、シール部材50の破損又はハウジング610に対する位置ずれを防ぐことができる。
【0212】
また、本実施形態によれば、シール部材50は、リブ641よりも側方に突出して被取付部材に圧接する圧接部51を備えることにより、被取付部材に対してシール部材50を確実に圧接させることができる。
【0213】
また、本実施形態によれば、シール部材50は、リブ641の当接面641aに当接することにより、シール部材50をシェル部材640に対して容易に位置決めすることができる。
【0214】
また、本実施形態によれば、シール部材50の内壁52をシェル部材640の外周に接着等して固定すると共に、シール部材50の前端部53をリブ641の当接面641aに接着等して固定することにより、シェル部材640に対するシール部材50の固定面の面積を大きくすることができるため、シール部材50をシェル部材640に強固に固定することができ、シール部材50の脱落を防ぐことができる。
【0215】
また、本実施形態によれば、シェル部材640の外周にシール部材50を設けることにより、シール部材50を設けるための筐体を不要にすることができるため、電気コネクタ6を小型化及び薄型化することができる。
【0216】
また、本実施の形態によれば、電気コネクタ6は、シール部材50、筐体200及びシェル部材640が導電性を有する場合において電気コネクタ6を筐体200に取り付けた際に、シェル部材640と、シール部材50と、筐体200と、を電気的に接続することができるため、筐体200が電子機器の金属筐体等である場合に、この電子機器のシールド性能の向上又は静電対策に寄与することができる。
【0217】
また、本実施形態によれば、シランカップリング剤を含む防水樹脂部6112cがシェル部材640の内周面に密着し、防水樹脂部6112cとシェル部材640との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ6を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング610とシェル部材640との間の隙間から密閉して、防水することができる。また、電気コネクタ6は、シランカップリング剤を含む防水樹脂部6112cがコンタクト20の外周面に密着し、防水樹脂部6112cとコンタクト20との間の隙間を塞ぐので、電気コネクタ6を取り付ける電子機器の内部を、ハウジング610とコンタクト20との間の隙間から密閉して、防水することができる。更に、電気コネクタ6は、コンタクト20とシェル部材640との間に防水樹脂部6112cのみを設けて止水することができるため、後方側を小型化することができる。
【0218】
なお、本実施形態において、ハウジング610の本体部611の形状は、板状部612よりも側方に突出すると共にシェル部材640に収納できれば任意の形状にすることができる。
【0219】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る電気コネクタ7の構成につき、図19を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0220】
なお、図19において、図1から図8と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0221】
本実施形態に係る電気コネクタ7は、コンタクト20と、シール部材50と、遮蔽板60と、ハウジング710と、を有している。
【0222】
ハウジング710は、絶縁性を有する材料により形成されており、コンタクト20を保持する保持部材である。ハウジング710は、板状部12と、本体部711と、を備えている。
【0223】
本体部711は、コンタクト20を保持していると共に、板状部12の後方に設けられて板状部12よりも側方に突出しており、図19に示すように、前方部111と、当接部113と、後方部7112と、を備えている。
【0224】
後方部7112は、当接部113の後端から後方に突出している。
【0225】
当接部113は、前方部111と後方部7112との間において前方部111及び後方部7112よりも側方に突出している。当接部113の前端には、前方から接続される図示しない相手側コネクタと当接して相手側コネクタの後方への移動を阻止する前端面113aと、電気コネクタ7が被取付部材に取り付けられた際に被取付部材に当接する当接面113bと、が設けられている。当接面113bは、前端面113aに対して直交する面である。前端面113aは、前方部111の周囲に周状に設けられている。当接面113bは、当接部113の外周に周状に設けられている。
【0226】
前方突出部としての板状部12は、板状であり、本体部711より前方に突出している。
【0227】
シール部材50は、環状であり、ハウジング710の後方部7112の外周に設けられている。シール部材50は、当接部113よりも側方に突出して被取付部材に圧接する圧接部51と、後方部7112の外周に圧接する内壁部52と、当接部113の後端に圧接する前端部53と、後方部7112に固定される固定部分としての根元部54と、を備えている。内壁部52は後方部7112の外周に接着剤で接着等されることにより固定されていると共に、前端部53は当接部113の後端に接着剤で接着等されることにより固定されている。
【0228】
なお、シール部材50は、後方部7112に接着されて固定される場合に限らず、後方部7112に後方より圧入されて固定されていてもよいし、任意の方法で後方部7112に固定することができる。また、シール部材50は、シール部材50の圧接部51以外の一部が当接部113よりも側方に突出していてもよい。また、シール部材50における上記以外の構成は上記第1の実施形態のシール部材50の構成と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0229】
電気コネクタ7はシェル部材を有さない構成であるが、電気コネクタ7を取り付ける筐体が導電性を有する場合には、この筐体により電気コネクタ7は前端から後端まで覆われるため、外部からのノイズを低減して電気コネクタ7の電気的性能を向上させることができる。
【0230】
このように、本実施形態によれば、本体部711の後方部7112に弾性変形可能なシール部材50を設けることにより、ハウジング710に対するシール部材50の根元部54に被取付部材が引っ掛かることを防ぐことができ、小型化及び薄型化することができると共に生産性を向上させることができる。
【0231】
また、本実施形態によれば、シェル部材を設けないため、電気コネクタ7を更に薄型化及び小型化することができる。
【0232】
なお、本実施形態において、ハウジングの本体部の形状は、図19の本体部711の形状に限らず、板状部12よりも側方に突出していれば任意の形状にすることができる。
【0233】
本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0234】
本発明は、防水機能を有する電気コネクタに好適である。
【符号の説明】
【0235】
1 電気コネクタ
2 電気コネクタ
3 電気コネクタ
4 電気コネクタ
5 電気コネクタ
6 電気コネクタ
7 電気コネクタ
10 ハウジング
11 本体部
12 板状部
20 コンタクト
20a 第1のコンタクト
20b 第2のコンタクト
40 シェル部材
41 拡径部
42 狭窄部
43 後端部
50 シール部材
51 圧接部
52 内壁部
53 前端部
54 根元部
60 遮蔽板
111 前方部
112 後方部
113 当接部
140 シェル部材
200 筐体
201 取付孔
202 取付孔
203 内壁
204 当接面
205 内壁
310 ハウジング
311 本体部
312 板状部
340 シェル部材
341 リブ
410 ハウジング
411 本体部
412 板状部
440 シェル部材
510 ハウジング
511 本体部
512 板状部
540 シェル部材
610 ハウジング
611 本体部
612 板状部
640 シェル部材
641 リブ
710 ハウジング
711 本体部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19