特開2019-154426(P2019-154426A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2019-154426ブロックローテーションによる薬剤変更に代わる卵寄生蜂と薬剤感受性系統を導入した薬剤抵抗性の回避法 Avoidance of insecticide resistance instead of block rotation by induction of a sensitive gene for the same insecticide,using egg parasitoid.
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  • 特開2019154426-ブロックローテーションによる薬剤変更に代わる卵寄生蜂と薬剤感受性系統を導入した薬剤抵抗性の回避法  Avoidance  of  insecticide  resistance  instead  of  block  rotation  by  induction  of  a  sensitive  gene  for  the  same  insecticide,using  egg  parasitoid. 図000003
  • 特開2019154426-ブロックローテーションによる薬剤変更に代わる卵寄生蜂と薬剤感受性系統を導入した薬剤抵抗性の回避法  Avoidance  of  insecticide  resistance  instead  of  block  rotation  by  induction  of  a  sensitive  gene  for  the  same  insecticide,using  egg  parasitoid. 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-154426(P2019-154426A)
(43)【公開日】2019年9月19日
(54)【発明の名称】ブロックローテーションによる薬剤変更に代わる卵寄生蜂と薬剤感受性系統を導入した薬剤抵抗性の回避法 Avoidance of insecticide resistance instead of block rotation by induction of a sensitive gene for the same insecticide,using egg parasitoid.
(51)【国際特許分類】
   A01M 99/00 20060101AFI20190823BHJP
   A01N 63/00 20060101ALI20190823BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20190823BHJP
【FI】
   A01M99/00
   A01N63/00 Z
   A01P7/04
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-88451(P2018-88451)
(22)【出願日】2018年3月18日
(71)【出願人】
【識別番号】505257899
【氏名又は名称】渋谷 俊一
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 俊一
【テーマコード(参考)】
2B121
4H011
【Fターム(参考)】
2B121AA11
2B121CC02
2B121CC39
2B121EA21
2B121FA20
4H011AC08
4H011BB20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生物を利用した天敵による生物的防除において、卵寄生蜂の高度寄生を創出し、生物的防除素材としての卵寄生蜂の増殖を図る方法を提供する。
【解決手段】亜致死濃度の殺虫剤処理により生じた薬剤抵抗性ホモRR個体群と薬剤感受性個体群の交尾により薬剤感受性ヘテロ個体(SR)が生じ、その産下卵は胚盤葉期以前の発育段階に留まる未孵化卵となり、産卵期間中の全卵が卵寄生蜂の好適な寄生対象となる。これを利用して、薬剤抵抗性が出現し始めた地域内の圃場で高密度害虫発生部域となる部分防除(額縁処理)を同一薬剤の連用により、全体として卵寄生蜂の大量増殖とその定着により薬剤抵抗性ヘテロ(SR)個体群の壊滅を図りながら、殺虫剤が処理されなかった圃場中央部には薬剤感受性回復に非常に効果的な感受性ホモ(SS)個体群(wild type)の導入・増加を図り、その飼育場とし、圃場に3年以上額縁処理を導入する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物的防除素材としての卵寄生蜂の増殖と利用を行うためには、越冬後成虫の本田への飛来・侵入最盛期を的確に捉える必要がある。高冷地や寒冷地では春の気温変動が大きく、急激な温度上昇により、越冬成虫が短期間に出現する頻度が高い。これらの地域では、イネドロオイムシ成虫の産卵が短期間に集中して出現し、産卵直後に低温期が再来することが多いため、胚子は発育が遅延し、卵寄生蜂の寄生に好適な初期発育段階が続き、年次により卵寄生蜂の高度寄生が期待でき、大量の卵寄生蜂の採集が可能だった。イネドロオイムシ成虫の飛翔筋の発達のためには、生育に関与する平均気温の積算値ではなく日別に最高気温15℃以上の気温刺激を積算した値が60日℃以上必要であるという想定のもと、イネドロオイムシ越冬成虫出現時期の予測を過去10カ年以上に亘り実施し、イネドロオイムシ産卵調査地点の近隣の観測点のアメダスデータを用いた飛来最盛日とイネドロオイムシ成虫の水田圃場での発生最盛期、産卵始期の実測値を突き合わせた結果、飛来予測日と実測日が一致したことからこのイネドロオイムシ越冬後成虫出現時期の予測式を請求項とする。
【請求項2】
亜致死濃度の殺虫剤処理で成虫が生き残り、未孵化卵を産卵することになる殺卵効果のある薬剤では、処理後生き残った成虫は卵形成異常を生じ、卵は殆ど胚盤葉期(胚子発育以前の初期段階)で発育を停止する未孵化卵を産卵し、卵寄生蜂はこれらの卵(薬剤感受性・抵抗性ヘテロSR)を利用していることが分かった。完全な抵抗性個体群となる以前の対策として害虫の密度の高い部分(圃場の周辺部)で、これまで通りの常用濃度で浸透性殺虫剤の周辺部処理(額縁処理)を行い、卵寄生蜂の助けを借りながら、圃場中央部では感受性ホモ個体群(SS)を保護し、生物的防除と化学的防除で薬剤抵抗性を回避する。圃場周辺の一部だけに浸透性殺虫剤を処理することによって、感受性個体群(SS)が導入され、薬剤抵抗性個体群(RR)との交雑で生じた産下卵の大半を占める(SR)の胚発生は胚盤葉期以前の発育段階で停止し、圃場全体では卵寄生蜂が大量に出現し、地域個体群内の天敵卵寄生蜂が画期的に増加し、薬剤抵抗性予備軍の成虫が産卵した卵(薬剤抵抗性と感受性の中間型ヘテロ遺伝子:SR)からは100%近い卵寄生蜂による寄生率が得られる。
1.圃場周辺部では、周辺越冬地から侵入する害虫に対して化学的防除と生物的防除により、薬効及び卵寄生蜂による高度寄生により、薬剤感受性成虫(SS)と薬剤抵抗性成虫(RR)の交雑後に産下された卵(RR×SS→4SR)はほとんど全ての卵が死亡し、さらに薬剤感受性が進行した(SR×SR→個体群では卵寄生蜂の攻撃を逃れた一部の(RR)だけが生き残る。
2.圃場中央部の殺虫剤無処理地帯は主に薬剤抵抗性の回避・回復に非常に効果的な薬剤感受性の個体(SS)を導入・増殖する部域となる。
3.圃場全体では、卵寄生蜂の影響は全体に及び、卵寄生蜂の寄生を逃れて生き残った少数の越冬個体が翌年のSR主体の個体群の発生源(only SS+RR)となるとともに、大量の卵寄生蜂が越冬し、翌年の卵寄生蜂高度寄生の源となる。
3年以上の額縁処理を原則とし、害虫の未孵化卵の発生状況とその発育の停止段階により同一薬剤を使用した化学的防除剤による額縁散布を行い、イネドロオイムシ成幼虫の防除と卵寄生蜂の高度寄生を創出し、生物的防除素材としての卵寄生蜂の増殖を図り、感受性個体群の増殖を図る。
【請求項3】
寒冷地では薬剤施用期となる水稲苗移植時期から圃場へのイネドロオイムシ成虫侵入期までに間隔があり、殺虫剤の残効減退と作物の生長により亜致死濃度状態が醸成され、イネドロオイムシの産卵終期後、孵化幼虫期以後に薬剤抵抗性個体群(RR)が生成され易い。薬剤抵抗性個体群(RR)と薬剤感受性個体群(SS)の掛け合わせ後成虫が産下した卵(薬剤抵抗性が発達しつつある個体:SR)の胚発生初期段階停止卵は胚盤葉期以前で停止しており、飛来するイネドロオイムシ成虫の産卵期間中の全卵に、卵寄生蜂の寄生が可能であり、宿主卵への卵寄生蜂の産卵は累積し、非常に高いものとなるが、その後も年々同一薬剤の全面施用を連用すれば、この状態を脱してしまい、様々な発育態の胚子が出現するようになり(SR)3〜x、卵黄を狙った卵寄生蜂が寄生できなくなる。この薬剤抵抗性の回避対応策として非常に効果的な感受性個体群(SS)の導入年を決定するため、また、イネドロオイムシ産卵期後半に生ずる薬剤抵抗性個体群(RR)の発生を確認し、卵寄生蜂の当代と共に幾何級数的に増大した次世代卵寄生蜂の多発生によりこれを壊滅するため、イネドロオイムシ越冬後成虫の本田侵入盛期を的確に予測し、産卵開始から終了まで水稲圃場でのイネドロオイムシ各態の発生消長と未孵化卵の胚子発育段階の構成を期日毎に的確に順次観察するため、生息数調査、および被害状況調査時に採卵した卵を保存飼育し、卵寄生蜂ドロムシムクゲタマゴバチが卵内で成熟した時期を狙って未孵化卵を固定し、後日除殻、必要に応じて染色・包埋して顕微鏡下で未孵化卵の胚子発育段階の構成を確認し、薬剤抵抗性の発現の進行程度を明らかにし、SS個体群の導入の時期と継続期間を判断し、水稲害虫の薬剤抵抗性の発現の指標害虫としてイネドロオイムシを指定した上で薬剤抵抗性発達の回避を指導する監査業務を請求項とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特開2014−227416の改訂版であり、新たなデータを加え、ブロックローテーションに替わる薬剤抵抗性対策として、薬剤抵抗性の進行程度によっては同一薬剤連用下においても、害虫に対する薬剤感受性の回復が可能であることを加えたものである。
水稲の箱処理剤は処理が簡単で植物全体を長期間に亘って保護するため、広範囲で使用されてきた。淘汰圧が効率的で卓効がある浸透性殺虫剤は成幼虫とも薬剤による淘汰圧が特に厳しいが故に一層薬剤抵抗性害虫の出現が問題となっている。薬剤抵抗性の出現による効果が減退した例が多数認められ、近年ではPHC剤の製造中止、販売中止が見られる。対策として3年毎に異なる系統の他薬剤を選択するブロックローテーションがある。しかし、新規の殺虫剤開発数は少なくなっており、新規開発殺虫剤は大切に使用していかねばならない。
また、近年水田圃場周辺でブロックローテーションによる薬剤変更ショックでミツバチ個体群の激減が起り、賠償・補償問題となっている。これを避けるためには、作物等の圃場で感受性個体の増加を図り、殺虫剤に対する薬剤抵抗性個体の出現を抑制し、対象とする薬剤の半永久的使用を目指しながら、同時に同一薬剤の連用によるミツバチに対する薬剤抵抗性の獲得を図る手法を確立することが急務である。
【背景技術】
【0002】
効果のない化学的防除剤はなく、浸透移行型の水稲苗移植時施用箱処理剤は2ヶ月程度の残効が保証されている。しかし、稲体中の殺虫剤成分の含有割合は移植後2ヶ月程度には残効が切れ、苗の生長に伴いさらに幾何級数的に減少するので、この時期の以後の産下卵からの孵化幼虫は亜致死濃度下の淘汰圧で選択され、6世代(6年後)以降には薬剤抵抗性個体(RR)が出現することが予想される。
殺虫剤の導入当初の圃場では優性遺伝子をホモに持つ薬剤感受性Wild type(SS)の害虫がすべてであるが、同一の化学的防除剤の連用により近隣の越冬地では薬剤感受性Wild type(SS)が急減するとともに、亜致死濃度下で生じた薬剤抵抗性遺伝子ホモ個体(RR)が圃場に侵入し、薬剤感受性遺伝子ホモ個体(SS)との掛け合わせにより(SR)個体群が生じるが、優性遺伝の法則により薬剤感受性優性下でのヘテロ遺伝子(SR)は薬剤淘汰圧によりほとんど消滅するため(RR×SS→4SR)、多少の薬剤抵抗性個体(RR)の侵入は問題とならないハズであるが、各地で薬剤全面処理連用下の水田で水稲の主要害虫イネドロオイムシ成虫が出現し、その食痕と産卵が認められ、薬剤抵抗性の出現が疑われている。それらの卵は未孵化卵であり、2013年まで幼虫の被害は確認できていないが、薬剤抵抗性遺伝子ホモ個体(RR)にしても薬剤感受性遺伝子ホモ個体(SS)にしても世代を全うすることができるので未孵化卵を産下する成虫はこれらの遺伝子をヘテロに持った中間段階の薬剤抵抗性害虫(SR)と考えられる。現状の主な薬剤抵抗性管理技術は化学的防除剤のIRAC(殺虫剤抵抗性委員会)による殺虫剤の分類の殺虫剤作用機作(mode of action)により地域毎、3年毎に異なる別系統の他薬剤を選択するブロックローテーションである。しかし、この方法では同一薬剤の使用を止め薬剤感受性個体群(SS)の自然回復を待つだけで展望は長期的であり、その同じ薬剤に対する薬剤抵抗性遺伝子(RR)、(SR)の減少や薬剤感受性遺伝子(SS)の増加は望めない。 一方、ミツバチにとってブロックローテーションは長年にわたる同一薬剤の連用で獲得した薬剤抵抗性を3年毎の薬剤変更ショックにより失うことになり、ミツバチの大量死が問題となり、養蜂農家の廃業も目立っている。農村部で共存する有用昆虫利用農家にとって薬剤抵抗性の獲得は絶対必要な形質である。害虫と有用昆虫のどちらにとっても同一薬剤の連用下において薬剤抵抗性の出現をブロックローテーションによる薬剤変更以外の方法で回避する必要がある。
【先行技術文献】
【0003】
【非特許文献】
【非特許文献】・Svetlana Kontsedalov(2008),Toxicity of spiromesifen to the developmental stages of Bemisia tabaci biotype B,Pest Manag Sci Doi 10.1002/ps.1636,www.interscience.wiley.com/journal/ps ・G Christopher Cutler(2005),Acute and subleathal toxicity of novaluron,a novel chitin synthsis inhibitor,to Leptinotarsa decemlineata(Coleoptera:Chrysomelidae),Pest Manag Sci 61 Doi:10.1002/ps.1091:1060−1068 ・F.perveen(2011),Effects of subleahtal doses of Chlorfluazuron on the ovarian biochemical constituents of Spodoptera litura,African Journal of Biotechnology Vol.10(62)12 October,2011,pp.13598−13604 ・Rui−min ZHANG(2013),The Sublethal Effects of Chlorantraniliprole on Helicoverpa armigera(Lepidoptera:Noctuidae),Vol.12.issue 3,March 2013,p457−466 ・Lefebvre M,Bostanian NJ(2012),Laboratory−based toxicological assessments of new insecticides on mortality and fecundity of Neoseiulus fallacis(Acari:Phytoseiidae),J Econ Entomol.2012 Jun:105(3):866−71
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生物的防除剤としての卵寄生蜂の大量増殖と防除対象となる害虫に対する化学的防除剤の薬剤抵抗性発達の回避及び薬剤感受性の回復とミツバチの保護。
【課題を解決するための手段】
【0005】
対象とする化学的防除剤の亜致死濃度下で出現した薬剤抵抗性個体(RR)の越冬後成虫が移植後の水田に野生型感受性個体群(SS)ともに侵入と、それら成虫の掛け合わせ後の産下卵(SR)を観察した時点で、できるだけ早い卵寄生蜂による生物的防除と対象となる化学的防除剤(常用濃度)の部分防除により、地域内の薬剤抵抗性個体予備軍(SR)の減少と対象薬剤に対する感受性をもった個体(SS)の増加を図る。さらに、薬剤抵抗性が進行した状況でも、薬剤抵抗性個体予備軍(SR)の胚子発育状況観察により完全な薬剤抵抗性が確立される以前であれば、これまでの薬剤と同一薬剤の部分防除による薬剤感受性個体群(SS)の導入・継続により、亜致死濃度下出現した薬剤抵抗性成虫侵入時点(RR+SS)まで回復が可能である。
【発明の効果】
【0006】
薬剤抵抗性の出現を卵寄生蜂による生物的防除と化学的防除の部分防除(額縁処理)で阻止できる。
亜致死濃度で生き残った成虫(薬剤抵抗性が発達しつつあるSR個体の最初の段階)が産下した卵は胚発生の初期段階(胚盤葉期以前とされている)で停止し、宿主卵の葉上での存在期間中、卵寄生蜂の寄生が可能であり、イネドロオイムシの産卵期間中、宿主卵塊群への産卵は累積し、非常に高いものとなる。卵寄生蜂の大量発生が可能となり、卵寄生蜂を利用した生物的防除剤と亜致死濃度となった化学的防除剤との同時防除により、卵寄生蜂により地域内の薬剤感受性個体(SR)の減少が図られ、部分防除により感受性個体(SS)の増加を図られ、地域内で常に感受性個体群が優勢の状態を作出し、さらなる薬剤抵抗性の進行を阻止できる。更に薬剤抵抗性が進んだ状態であっても、進行状況によっては同一薬剤の額縁処理の3年以上の継続によりSR個体群を含まない感受性個体群(優性遺伝子ホモ:SS)と薬剤抵抗性個体群(劣性遺伝子ホモ:RR)のみの小さな個体群にまで薬剤感受性の回復が可能である。
【0007】
高冷地や寒冷地では春の気温変動が大きく、急激な温度上昇により、越冬後成虫が短期間に出現する頻度が高い。これらの地域では、イネドロオイムシ成虫が移植後20〜30日位に短期間に集中して出現し、その産卵直後に低温期が再来することが多いため、胚子は発育が遅延し、卵寄生蜂の寄生に好適な初期発育段階が続く。このため、年次により卵寄生蜂の高度寄生が期待でき、大量の卵寄生蜂の採集が可能であり、生物的防除素材としての卵寄生蜂の増殖と利用に好都合である。また、寒冷地の北海道の南岸太平洋側では寒流の影響が大きく、気温の上昇は緩やかであり、成虫の出現はさらに遅く、その発生も緩やかであり、産卵期間は7月上旬まで長引くため、亜致死濃度下での薬剤抵抗性ホモ個体群(RR)が出現しやすい。このような地域では、年次により化学的防除剤と生物的防除資材である卵寄生蜂をより効率的に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】亜致死濃度毒性で処理されたイネドロオイムシ成虫による産下卵内に対するドロムシムクゲタマゴバチの寄生 Fig.1 Parasitism of Anaphes nipponicus for laid eggs by oulema oryzae adult treated with sblethal toxity.図1は本発明の特許請求の請求項1から8に記載の亜致死濃度フィプロニル剤処理成虫の産下卵に対する卵寄生蜂の高度寄生の例であり、胚発育初期段階で発育停止する卵に対する卵寄生蜂の累積的で重複的な高度寄生を示している。
図2】亜致死濃度下で処理されたイネドロオイムシ成虫が産下した卵に対するドロムシムクゲタマゴバチの寄生率と孵化率の構成 Fig.2 Parasitism of Anaphes nipponicus & Hatched rate for laid eggs by Oulema oryzae adult treated with Sublethal toxicity 図2は他剤の薬剤抵抗性がかなり進み、幼虫の孵化が認められ、残存する卵の卵内観察により多様な発育段階の胚子が存在し、卵寄生蜂による寄生がイネドロオイムシの飛来するタイミングでのみ確認されたことを示すものである。
【符号の説明】
【0009】
図 1
Y軸 100卵あたりのドロムシムクゲタマゴバチの羽化成虫数(数値)と未寄生未孵化卵率(%)、重複寄生卵率(%)
Number of Anaphes nipponicus adult emerged per 100 eggs and
Destructed egg rate(%),
Overlapped parasitism(%)
X軸 採集された日
Day collected
凡例 上から順に
・寄生されることのなかったイネドロオイムシの胚子発育不全卵率(%)
Oulema oryzae destructed egg not to be parasitized(%)
・ドロムシムクゲタマゴバチの重複寄生卵率(%)
Overlapped parasitism by Anaphes ni pponicus(%)
・100卵当たりのドロムシムクゲタマゴバチの羽化成虫数(値)
Number of Anaphes nipponicus adult emerged per 100 eggs(value)
図2
Y軸 イネドロオイムシ幼虫の孵化率(%)、イネドロオイムシ卵から出現したドロ ムシムクゲタマゴバチ成虫の羽化率(%)と胚発育を様々な発育段階で停止している寄生蜂未寄生卵の未孵化卵率(%)、
Parasitism,Hatched rate,
X軸 採集された日
Day collected
凡例 上から順に
Oulema oryuzae’s lapae hatched rate (%)
Anaphes nipponicus adult emerged ra te(%)
Oulema oryzae’s destructed Egg unpa rasitized rate(%)
・イネドロオイムシ孵化率(%)
・ドロムシムクゲタマゴバチ羽化率(%)
・寄生されることのなかったイネドロオイムシの胚子発育不全卵率(%)
図1
図2