【解決手段】 少なくともモノマー、顔料、重合開始剤および表面張力調整剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物であって、25℃における表面張力が20〜35mN/mであり、該表面張力調整剤を添加していない未調整インク組成物との表面張力の差が5〜15mN/mである、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
少なくともモノマー、顔料、重合開始剤および表面張力調整剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物であって、25℃における表面張力が20〜35mN/mであり、該表面張力調整剤を添加していない未調整インク組成物との表面張力の差が5〜15mN/mである、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
表面張力が33〜42mN/mであるモノマーが、含有するモノマー全体の50質量%以上である請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
前記表面張力調整剤が、HLBが7.6〜12であるポリエーテル変性シリコン系表面調整剤である請求項1〜3いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
少なくともモノマー、顔料、重合開始剤および表面張力調整剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物による印刷方法であって、該インク組成物は25℃における表面張力が20〜35mN/mであり、該表面張力調整剤を添加していない未調整インク組成物との表面張力の差が5〜15mN/mである、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物であり、該インク組成物のインク射出時の粘度が5.5〜7.5mPa・sとなるような温度でインク組成物を射出する印刷方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。
<活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物>
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物(以下インク組成物ともいう)は、少なくともモノマー、顔料、重合開始剤および表面張力調整剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物であって、25℃における表面張力が20〜35mN/mであり、該表面張力調整剤を添加していない未調整インク組成物との表面張力の差が5〜15mN/mである、ことを特徴とする。
つまり表面調整剤を入れる前の表面張力と表面調整剤を入れた後の表面張力の差が一定の範囲内であれば、優れた吐出安定性が得られることを見出したものである。
【0013】
≪モノマー≫
本発明のインク組成物では、単官能モノマー、多官能モノマー(官能基数2〜4)を適宜単独で、または混合して使用することができる。好ましい単官能モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシキプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレンモノ(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、デシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、EO(エチレンオキシド)変性2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、及びエトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】
本発明の多官能モノマーとしては、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO(プロピレンオキシド)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0015】
本発明を達成する上で好ましいモノマーとしては、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートを同時に表した化合物名を意味するものである。
【0016】
本発明のインク組成物では、表面張力が33〜42mN/mであるモノマーが、含有するモノマー全体の50質量%以上であることが好ましい。インク組成物として25℃における表面張力が20〜35mN/mであり、表面張力調整剤を添加していない未調整インク組成物との表面張力の差が5〜15mN/mであることを特徴とするが、主にモノマーの選択により、表面張力を調整することが好ましい。
【0017】
インク組成物中における単官能モノマーの量は25〜85質量%、特に40〜85質量%であることが好ましい。多官能モノマーの量は4〜50質量%、特に4〜45質量%であることが好ましい。
【0018】
本発明のインク組成物は、印刷層の強度を上げるため、アクリレートオリゴマーを含んでもよい。アクリレートオリゴマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
アクリレートオリゴマーとは、アクリロイルオキシ基(CH
2=CHCOO−)を一つ以上有するオリゴマーであり、官能基数は2〜6であることが好ましい。また、アクリレートオリゴマーは、分子量が2000〜20000であることが好ましい。なお、該分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0020】
アクリレートオリゴマーの具体例としては、アミノアクリレートオリゴマー[アミノ基(−NH
2)を複数持つアクリレートオリゴマー]、ウレタンアクリレートオリゴマー[ウレタン結合(−NHCOO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エポキシアクリレートオリゴマー[エポキシ基を複数持つアクリレートオリゴマー]、シリコーンアクリレートオリゴマー[シロキサン結合(−SiO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エステルアクリレートオリゴマー[エステル結合(−COO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]及びブタジエンアクリレートオリゴマー[ブタジエン単位を複数持つアクリレートオリゴマー]等が挙げられる。
【0021】
その他のアクリレートオリゴマーの具体例としては、ビームセット502H、ビームセット505A−6、ビームセット550B、ビームセット575、ビームセットAQ−17(荒川化学工業社製)、UA−306H、UA−306I、UA−510H、UF−8001G(共栄社化学社製)、CN929、CN940、CN944B85、CN959、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J75、CN964、CN964A85、CN964E75、CN965、CN965A80、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN966R60、CN968、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN982P90、CN983、CN985B88、CN989、CN991、CN996、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9014、CN9178、CN9788、CN9893(サートマー社製)、U−4HA、U−6HA、U−6LPA、UA−1100H、UA−53H、UA−33H、U−200PA、UA−4200、UA−122P(新中村化学工業社製)、ニューフロンティアR−1214、ニューフロンティアR−1301、ニューフロンティアR−1304、ニューフロンティアR−1306X、ニューフロンティアR−1150D(第一工業製薬社製)、EBECRYL230、EBECRYL244、EBECRYL245、EBECRYL264、EBECRYL265、EBECRYL270、EBECRYL284、EBECRYL285、EBECRYL294、EBECRYL1290、EBECRYL4820、EBECRYL5129、EBECRYL8201、EBECRYL8402、(ダイセル・サイテック社製)、UV−1700B、UV−7600B、UV−7605B、UV−6630B、UV−7000B、UV−7461TE、UV−3000B、UV−3310B、UV−3520TL、UV−3700B(日本合成化学社製)、アートレジンUN−333、UN−1255、UN−2600、UN−2700、UN−5500、UN−5507、UN−6060P、UN−6200、UN−6300、UN−6301、UN−7600、UN−7700、UN−9000PEP、UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HC、UN−904(根上工業社製)等が挙げられる。
【0022】
これらの中でも、耐候性や付着性の観点から、ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく、構造中に芳香環を持たない脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーが更に好ましい。なお、アクリレートオリゴマーの含有量は、例えば、インク組成物の全質量中1〜10質量%である。
【0023】
≪顔料≫
本発明のインク組成物は、染料や顔料等の着色剤を更に含有してもよいが、耐候性の観点から、顔料を含有することが好ましい。なお、着色剤の含有量は、インク組成物中0.1〜15質量%である。また、着色剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
上記着色剤の具体例としては、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、24、32、34、35、36、37、41、42、43、49、53、55、60、61、62、63、65、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、99、100、101、104、105、106、108、109、110、111、113、114、116、117、119、120、123、124、126、127、128、129、130、133、138、139、150、151、152、153、154、155、165、167、168、169、170、172、173、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、191、193、194、199、205、206、209、212、213、214、215、219、
C.I.Pigment Orange 1、2、3、4、5、13、15、16、17、19、20、21、24、31、34、36、38、40、43、46、48、49、51、60、61、62、64、65、66、67、68、69、71、72、73、74、81、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、38、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、52、52:1、52:2、53:1、54、57:1、58、60:1、63、64:1、68、81:1、83、88、89、95、101、104、105、108、112、114、119、122、123、136、144、146、147、149、150、164、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、211、213、214、216、220、220、221、224、226、237、238、239、242、245、247、248、251、253、254、255、256、257、258、260、262、263、264、266、268、269、270、271、272、279、
C.I.Pigment Violet 1、2、3、3:1、3:3、5:1、13、15、16、17、19、23、25、27、29、31、32、36、37、38、42、50、
C.I.Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、17:1、24、24:1、25、26、27、28、29、36、56、60、61、62、63、75、79、80、
C.I.Pigment Green 1、4、7、8、10、15、17、26、36、50、
C.I.Pigment Brown 5、6、23、24、25、32、41、42、
C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、20、26、28、31、32、34、
C.I.Pigment White 1、2、4、5、6、7、11、12、18、19、21、22、23、26、27、28、
アルミニウムフレーク、ガラスフレーク、及び中空粒子等が挙げられる。
【0025】
これらの中でも、印刷物の耐候性と色再現性の観点から
C.I.PigmentBlack7、
C.I.PigmentBlue15:3、C.I.PigmentBlue15:4、C.I.PigmentBlue28、
C.I.PigmentRed101、C.I.PigmentRed122、
C.I.PigmentRed202、C.I.PigmentRed254、
C.I.PigmentRed282、
C.I.PigmentViolet19、
C.I.PigmentWhite7、
C.I.PigmentYellow42、C.I.PigmentYellow120、
C.I.PigmentYellow138、C.I.PigmentYellow139、C.I.PigmentYellow150、C.I.PigmentYellow151、C.I.PigmentYellow155、C.I.PigmentYellow213が好ましい。
【0026】
吐出安定性の観点から、インク組成物中に分散している顔料粒子は、体積平均粒子径が0.05〜0.4μmであり且つ体積最大粒子径が0.2〜1μmであることが好ましい。体積平均粒子径が0.4μmより大きく且つ体積最大粒子径が1μmよりも大きいと、インク組成物を安定に吐出することが困難となる傾向がある。なお、体積平均粒子径及び体積最大粒子径は、動的光散乱法を用いた測定機器によって測定できる。
【0027】
顔料を分散させるために、必要に応じて顔料分散剤を更に含有してもよい。なお、顔料分散剤の含有量は、例えばインク組成物中0.1〜5質量%である。また、顔料分散剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
≪重合開始剤≫
本発明の重合開始剤は、活性エネルギー線を照射されることによって、重合性モノマーの重合を開始させる作用を有する光重合開始剤である。光重合開始剤の含有量は、該インク組成物中1〜25質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。更に、光重合開始剤の開始反応を促進させるため、光増感剤等の助剤を併用することも可能である。
【0029】
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物等が挙げられるが、硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光重合開始剤の吸収波長ができるだけ重複するものが好ましい。
【0030】
具体的には、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
ベンゾフェノン、
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、
2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、
フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、
2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、
2,4−ジエチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン等が挙げられる。
【0031】
これらの中でも、インクの硬化性の観点から、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド及び2,4−ジエチルチオキサントンが好ましく、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドが特に好ましい。なお、これら光重合開始剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
上記活性エネルギー線硬化型インクは、光安定剤を更に含有してもよい。光安定剤は、紫外線を吸収し、紫外線による劣化を防止する作用を有する。光安定剤としては、シアノアクリレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンジリデンカンファー系化合物、無機微粒子等が挙げられ、中でも、紫外線吸収がより短波長にあるヒドロキシフェニルトリアジン系化合物がインクの硬化性の観点から好ましい。硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光安定剤の吸収波長が出来るだけ重複しないものが好ましい。
【0033】
上記光安定剤の具体例としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシッド、
2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン−2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、
ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2―ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−(ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、
メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物、
2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,6−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、
ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。なお、これら光安定剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
上記活性エネルギー線硬化型インクは、重合禁止剤を更に含有してもよい。重合禁止剤は、インク中に発生する活性ラジカルと反応し、重合反応が起こることを防止する機能を有する。また、活性エネルギー線硬化型インクに重合禁止剤を配合すると、更に保存安定性を向上できることを見出した。上記重合禁止剤の含有量は、インクの全質量中0.001〜5質量%であることが好ましく、0.001〜1質量%であることが更に好ましい。
【0035】
上記重合禁止剤としては、ハイドロキノン系化合物、フェノール系化合物、フェノチアジン系化合物、ニトロソ系化合物、N−オキシル系化合物等が挙げられる。
【0036】
上記重合禁止剤の具体例としては、フェノール、o−、m−又はp−クレゾール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、6−t−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−メチル−4−t−ブチルフェノール、4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェノール等のフェノール系化合物、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2−メチル−p−ハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン4−メチルベンズカテキン、t−ブチルハイドロキノン、3−メチルベンズカテキン、2−メチル−p−ハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ベンゾキノン、t−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等のハイドロキノン系化合物、フェノチアジン等のフェノチアジン系化合物、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等のニトロソ系化合物、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系化合物等が挙げられる。なお、これら重合禁止剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
≪表面張力調整剤≫
本発明のインク組成物は、被記録媒体表面に対する濡れ性の向上およびはじきの防止を目的として表面調整剤を含有することが好ましい。本明細書において、「表面調整剤」とは、分子構造中に親水性部位と疎水性部位を有し、添加することによりインク組成物の表面張力を調整し得る物質のことを意味する。
【0038】
本発明のインク組成物に含有し得る表面調整剤としては、具体的に、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性表面調整剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性表面調整剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性表面調整剤、シリコン系表面調整剤、およびフッ素系表面調整剤などが挙げられる。
【0039】
特に、シリコン系表面調整剤、アクリル系表面調整剤であることが好ましく、ビックケミー社、エボニック社、東レ・ダウコーニング社等の市販品を使用することができる。これらの表面調整剤を単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。さらにシリコン系表面調整剤の場合、ポリエーテル変性シリコーンオイルであり、かつHLBが7.6〜12であることが好ましい。
本発明のインク組成物における表面調整剤の含有量は、使用目的により適宜選択し得るが、例えばインク組成物中、0.01〜1質量%であることが好ましい。
【0040】
上記表面調整剤の具体例としては、
BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−313、BYK−315N、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−326、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−342、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−350、BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358N、BYK−361N、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−378、BYK−381、BYK−392、BYK−394、BYK−399、BYK−3440、BYK−3441、BYK−3455、BYK−3550、BYK−3560、BYK−3565、BYK−3760、BYK−DYNWET 800N、BYK−SILCLEAN 3700、BYK−SILCLEAN 3701、BYK−SILCLEAN 3720、BYK−UV3500、BYK−UV3505、BYK−UV3510、BYK−UV3530、BYK−UV3535、BYK−UV3570、BYK−UV3575、BYK−UV3576(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、
TEGO Flow 300、TEGO Flow 370、TEGO Flow 425、TEGO Flow ATF 2、TEGO Flow ZFS 460、TEGO Glide 100、TEGO Glide 110、TEGO Glide 130、TEGO Glide 406、TEGO Glide 410、TEGO Glide 411、TEGO Glide 415、TEGO Glide 432、TEGO Glide 435、TEGO Glide 440、TEGO Glide 450、TEGO Glide 482、TEGO GlideA 115、TEGO GlideB 1484、TEGO GlideZG 400(以上、エボニック ジャパン社製)、
501W ADDITIVE、FZ−2104、FZ−2110、FZ−2123、FZ−2164、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2215、FZ−2222、FZ−5609、L−7001、L−7002、L−7604、OFX−0193、OFX−0309 FLUID、OFX−5211 FLUID、SF 8410 FLUID、SH3771、SH 3746 FLUID、SH 8400 FLUID、SH 8700 FLUID、Y−7006(以上、東レ・ダウコーニング社製)、
KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−640、KF−642、KF−643、KF−644、KF−945、KF−6004、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017、KF−6020、KF−6204、X−22−2516、X−22−4515(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0041】
これらの中でも、構造およびHLBの観点から、501W ADDITIVE、FZ−2104、FZ−2123、FZ−2215、L−7002、OFX−0309 FLUID、OFX−5211 FLUID、SH 8400 FLUID、KF−351A、KF−353、KF−355A、KF−615A、KF−642、KF−644、KF−6004、KF−6011、KF−6204が好ましい。
【0042】
なお、本発明インク組成物は、顔料を分散させるために、必要に応じて顔料分散剤を更に含有してもよい。顔料分散剤の含有量は、例えばインク組成物の0.1〜5質量%である。また、顔料分散剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】
上記顔料分散剤の具体例としては、
ANTI−TERRA−U、ANTI−TERRA−U100、
ANTI−TERRA−204、ANTI−TERRA−205、
DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、
DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、
DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、
DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、
DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、
DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、
DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、
DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、
DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、
DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、
DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、
DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、
DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、
DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、
DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、
DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、
DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2020、
DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、
DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2096、
DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155、
DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、
BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、
BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S、BYKJET−9150、BYKJET−9151(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、
Solsperse3000、Solsperse5000、
Solsperse9000、Solsperse11200、
Solsperse13240、Solsperse13650、
Solsperse13940、Solsperse16000、
Solsperse17000、Solsperse18000、
Solsperse20000、Solsperse21000、
Solsperse24000SC、Solsperse24000GR、
Solsperse26000、Solsperse27000、
Solsperse28000、Solsperse32000、
Solsperse32500、Solsperse32550、
Solsperse32600、Solsperse33000、
Solsperse34750、Solsperse35100、
Solsperse35200、Solsperse36000、
Solsperse36600、Solsperse37500、
Solsperse38500、Solsperse39000、
Solsperse41000、Solsperse54000、
Solsperse55000、Solsperse56000、
Solsperse71000、Solsperse76500、
SolsperseX300(以上、ルブリゾール社製)、
ディスパロンDA−7301、ディスパロンDA−325、
ディスパロンDA−375、ディスパロンDA−234(以上、楠本化成社製)、
フローレンAF−1000、フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−15BHFS、フローレンDOPA−17HF、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−33、フローレンG−600、フローレンG−700、フローレンG−700AMP、フローレンG−700DMEA、フローレンG−820、フローレンG−900、フローレンGW−1500、フローレンKDG−2400、フローレンNC−500、フローレンWK−13E、(以上、共栄社化学社製)、
TEGO Dispers610、TEGO Dispers610S、
TEGO Dispers630、TEGO Dispers650、
TEGO Dispers652、TEGO Dispers655、
TEGO Dispers662C、TEGO Dispers670、
TEGO Dispers685、TEGO Dispers700、
TEGO Dispers710、TEGO Dispers740W、
LIPOTIN A、LIPOTIN BL、
LIPOTIN DB、LIPOTIN SB(以上、エボニック ジャパン社製)、
PB821、PB822、PN411、PA111(以上味の素ファインテクノ社製)、
テキサホール963、テキサホール964、テキサホール987、テキサホールP60、テキサホールP61、テキサホールP63、テキサホール3250、テキサホールSF71、テキサホールUV20、テキサホールUV21(以上、コグニス社製)、
BorchiGenSN88、BorchiGen0451(以上、ボーシャス社製)等が挙げられる。
【0044】
<インク射出時の温度での粘度>
本発明のインク組成物は、インク射出時の温度における粘度が、5.5〜7.5mPa・sであることが好ましい。25℃での粘度は、50mPa・s以下であれば、取扱いに困難性はないが、25mPa・sであることが好ましい。
インク射出時の温度は、インクジェットプリンタによって適宜選択されるが、室温(20℃)〜60℃であることが好ましい。
【0045】
<その他の添加剤>
本発明のインク組成物には、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤が挙げられ、その他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
【0046】
<インク組成物の製造方法>
本発明のインク組成物は、上記モノマー、顔料、重合開始剤および表面調整剤と、必要に応じて適宜選択される各種成分とを混合し、必要に応じて、使用するインクジェットプリントヘッドのノズル径の約1/10以下のポアサイズを持つフィルターを用い、得られた混合物を濾過することによって、調製できる。モノマーと顔料とを別途分散し、その後他の成分と混合してもよい。
【0047】
<適用できるインクジェットプリンタ>
本発明のインク組成物は、種々のインクジェットプリンタに使用することができる。インクジェットプリンタとしては、例えば、荷電制御方式又はピエゾ方式によりインク組成物を噴出させるインクジェットプリンタを挙げることができる。また、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、特に大型インクジェットプリンタ、具体例としては工業ラインで生産される物品への印刷を目的としたインクジェットプリンタに好適に適用できる。そしてインクジェットプリンタによるインク射出温度は、インク組成物の粘度が5.5〜7.5mPa・sとなるように調整することが好ましい。
【0048】
なお、インクジェットプリンタによる印刷後、活性エネルギー線を照射して印刷層を硬化させることによって、耐候性が良好な印刷層を形成することができる。また、上記印刷層を硬化させるために照射する活性エネルギー線の波長は、光重合開始剤の吸収波長と重複していることが好ましく、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に対しては、活性エネルギー線の主波長が、360〜425nmであることが好ましい。
【実施例】
【0049】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<インク調製方法>
表1〜4に示す配合処方に従う混合物を得、これをビーズミルで練合して均質にし、実施例1〜26及び比較例1〜6の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを調製した。表の数値は、質量部である。
調製したインク組成物について下記の評価を行った。結果を表5〜8に示す。
【0050】
≪表面張力の測定方法≫
温度25℃にて表面張力計(協和界面化学製CBVP−Z)を用いて測定した。
≪粘度の測定方法≫
吐出温度にて、ずり速度10s−1にてレオメーター(AntonpaarPysica社製MCR301)を用いて測定した。
【0051】
≪連続吐出性≫
活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いたインクジェットプリンタによって、10分間断続的に吐出し、その吐出安定性を下記基準で判定した。
○:10分間安定的に吐出することができる。
△:不吐出とはならないが、わずかに飛行曲りが発生する。
×:吐出途中に不吐出となる。
【0052】
≪再吐出性≫
インクジェットプリンタによって、コピー用紙にノズルチェック画像を印刷した後、吐出温度にて10分待機後に再びノズルチェック画像を印刷し、その再吐出性を下記の基準に従い評価した。
○:再開後、最初の液滴から安定的に吐出することができる。
△:再開後、最初の液滴は、不吐出とはならないが、わずかに飛行曲りが発生する。
×:再開後、最初の液滴が不吐出になる。
【0053】
≪ミスト≫
インクジェットプリンタによって、コピー用紙にノズルチェック画像を印刷し、画像周辺をマイクロスコープで観察して、ミストの状態を評価した。
○:ミストによる汚染は見られない。
△:わずかにミストによる汚染が見られるが、良好なレベル。
×:ミストによる汚染が許容できないレベル。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
【表7】
【0061】
【表8】
【0062】
上記表1〜4に記載される配合剤は、下記のとおりである。
a)顔料分散剤(ビックケミージャパン社製)
b)光重合開始剤(Lambson社製)
c)表面調整剤(東レ・ダウコーニング社製、HLB値10)
d)表面調整剤(東レ・ダウコーニング社製、HLB値8)
e)表面調整剤(信越化学工業社製、HLB値12)
f)表面調整剤(信越化学工業社製、HLB値7)
g)表面調整剤(東レ・ダウコーニング社製、HLB値15)
【0063】
表5〜8から明らかなように、25℃における表面張力が20〜35mN/mであり、表面張力調整剤を添加していない未調整インク組成物との表面張力の差が5〜15mN/mであると、吐出安定性が良好なインクジェットインク組成物を得ることができた(実施例1〜26)。
【0064】
一方、25℃における表面張力が20〜35mN/mの範囲外であったり(比較例1・2)、表面張力調整剤を添加していない未調整インク組成物との表面張力の差が5〜15mN/mの範囲外であった場合は(比較例3・4・5・6)、吐出安定性が充分ではなかった。