【解決手段】脚立作業体験装置は、脚立と、前記脚立を、前記脚立の前後方向に沿う第一軸と、前記脚立の幅方向に沿う第二軸と、を含む軸回りに動かすことが可能に支持する支持部と、前記支持部に支持された前記脚立を、前記第一軸及び前記第二軸を含む軸回りに独立に動かすことが可能な駆動装置と、を備える。
前記第一駆動機構及び前記第二駆動機構のそれぞれは、前記複数のエアシリンダのうち一方のエアシリンダを伸ばし且つ他方のエアシリンダを縮めることによって前記脚立の初期位置を設定する
請求項5に記載の脚立作業体験装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0015】
[脚立作業体験装置1]
図1は、実施形態に係る脚立作業体験装置1の配置の一例を示す図である。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX方向(第一方向)、水平面内においてX方向と直交する方向をY方向(第二方向)、X方向及びY方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ方向(第三方向)とする。なお、脚立作業体験装置1において各構成要素の+Z方向側を「上側」、−Z方向側を「下側」とする。
【0016】
図1に示すように、研修設備EQの建屋の一階FLR1には、脚立作業体験装置1が設けられている。実施形態においては、2台の脚立作業体験装置1がY方向に並んで配置されている。図中符号BDは、脚立作業体験装置1の研修内容の説明が表示された研修内容説明板を示す。
【0017】
脚立作業体験装置1は、脚立2と、脚立2を複数軸回りに動かすことが可能に支持する支持部5と、支持部5に支持された脚立2を、複数軸回りに独立に動かすことが可能な駆動装置3と、を備える。
【0018】
[脚立2]
脚立2は、Z方向に長手を有している。具体的に、脚立2は、研修設備EQの建屋の一階FLR1から天井に向けて延びている。
【0019】
図12に示すように、脚立2は、X方向に間隔をあけて配置された一対の脚部2aと、一対の脚部2aの上端同士を連結する天板部2bと、を備える。
脚部2aは、梯子状をなす。脚部2aは、Z方向に長手を有するとともにY方向に間隔をあけて配置された一対の柱部2a1と、一対の柱部2a1に固定されるとともにZ方向に間隔をあけて配置された複数の足場部2a2と、を備える。
天板部2bは、X方向に長手を有するとともにZ方向に厚みを有する矩形板状をなす。
【0020】
実施形態において、X方向(第一方向)は、脚立2の前後方向である。ここで、脚立2の前後方向は、一対の脚部2aが対向する方向である。言い換えると、脚立2の前後方向は、水平面内において脚立2の幅方向と直交する方向である。ここで、脚立2の幅方向は、一対の柱部2a1が対向する方向である。言い換えると、脚立2の幅方向は、足場部2a2の長手方向である。
実施形態において、Y方向(第二方向)は、水平面内において脚立2の幅方向である。
【0021】
X軸(第一軸C1)は、水平面内において脚立2の幅方向と直交する軸である。
Y軸(第二軸C2)は、水平面内において脚立2の幅方向と平行な軸である。
実施形態において、第一軸C1及び第二軸C2のそれぞれは、脚立2の中心軸線2cと交差する。ここで、脚立2の中心軸線2cは、脚立2の起立方向と平行な仮想直線であって天板部2bの中心を通る軸線である。言い換えると、脚立2の移動前の状態において、脚立2の中心軸線2cは、天板部2bの中心を通る鉛直線である。
【0022】
[支持部5]
支持部5は、脚立2を、水平面内において、第一軸C1と第二軸C2とを含む複数軸回りに動かすことが可能に支持する。なお、複数軸には、水平面内において第一軸C1及び第二軸C2と交差する軸が含まれる。
図12においては、水平面内において第一軸C1及び第二軸C2と交差する第三軸C3及び第四軸C4を示している。例えば、第三軸C3及び第四軸C4のそれぞれは、水平面内において第一軸C1及び第二軸C2のなす角(直角)を二等分する軸である。
【0023】
図2は、実施形態に係る脚立作業体験装置1の一例を示す分解斜視図である。
図3は、実施形態に係る脚立作業体験装置1の要部を拡大した分解斜視図である。
図4は、実施形態に係る脚立作業体験装置1の一例を示す平面図である。
図5は、
図4の矢視Vを示す図である。
図6は、
図4の矢視VIを示す図である。便宜上、
図2から
図4においては、脚立2の図示を省略している。
【0024】
図2に示すように、支持部5は、脚立2を支持する支持構造10と、駆動装置3の土台となる土台構造20と、ユニバーサルジョイント71と、を備える。便宜上、
図2においては、支持構造10における第一プレート11(
図5参照)等の図示を省略している。
【0025】
[支持構造10]
支持構造10は、第一プレート11(
図5参照)、第一フレーム12及び第一基板13を備える。
図5に示すように、第一プレート11は、X方向に長手を有するとともにZ方向に厚みを有する矩形板状をなす。第一プレート11の角部には、脚立2における一対の脚部2aの下端が固定されている。第一プレート11は、第一フレーム12の上面に固定されている。図中符号14は、一対の脚部2aの下端を固定するための固定部材を示す。
【0026】
図2に示すように、第一フレーム12は、X方向に長手を有するとともにZ方向に開口する格子状をなす。第一フレーム12には、Z方向に開口する複数の貫通孔が形成されている。実施形態において、第一フレーム12には、3行3列の9個の貫通孔が形成されている。
【0027】
第一基板13は、Z方向に厚みを有する矩形板状をなす。第一基板13は、第一フレーム12の中央下部に固定されている。具体的に、第一基板13は、第一フレーム12のうち、X方向中央かつY方向中央に位置する矩形枠状部の下面に固定されている。
【0028】
[土台構造20]
土台構造20は、第二プレート21、第二フレーム22及び第二基板23を備える。
第二プレート21は、X方向に長手を有するとともにZ方向に厚みを有する矩形板状をなす。第二プレート21は、第二フレーム22の下面に固定されている。
【0029】
第二フレーム22は、X方向に長手を有するとともにZ方向に開口する格子状をなす土台部22aと、土台部22aの中央部から上方に起立する起立部22bと、を備える。
土台部22aには、Z方向に開口する複数の貫通孔が形成されている。実施形態において、土台部22aには、3行3列の9個の貫通孔が形成されている。土台部22aは、第一フレーム12と実質的に同じ外形を有する。
起立部22bは、土台部22aのうち、X方向中央かつY方向中央に位置する矩形枠状部の上面から上方に起立している。
【0030】
第二基板23は、Z方向に厚みを有する矩形板状をなす。第二基板23は、第二フレーム22に固定されている。具体的に、第二基板23は、第二フレーム22のうち、起立部22bの上面に固定されている。
【0031】
[ユニバーサルジョイント71]
ユニバーサルジョイント71は、脚立2の中心軸線2c、第一軸C1及び第二軸C2が交差する中心位置Pc(
図12参照)に配置されている。
ユニバーサルジョイント71は、クロス部材72、ジョイント上支持部73及びジョイント下支持部74を備える。
【0032】
クロス部材72は、第一軸C1(
図12参照)を構成する第一軸部72aと、第二軸C2(
図12参照)を構成する第二軸部72bと、を備える。クロス部材72は、第一軸部72aと第二軸部72bとが中心位置Pc(
図12参照)で直交するX字状をなす。
【0033】
ジョイント上支持部73は、クロス部材72の第二軸部72bを回動可能に支持する。X方向視で、ジョイント上支持部73は、下方に開放するU字状(逆U字状)をなす。具体的に、ジョイント上支持部73は、Y方向に間隔をあけて配置された一対のジョイント上側壁部73aと、一対のジョイント上側壁部73aの上端同士を連結するジョイント上連結壁部73bと、を備える。
【0034】
一対のジョイント上側壁部73aには、Y方向に開口するジョイント上挿通孔73hが形成されている。ジョイント上挿通孔73hは、第二軸部72bを挿通可能な大きさを有する。一対のジョイント上側壁部73aは、Y方向において第一軸部72aの直径よりも大きい間隔をあけて配置されている。ジョイント上連結壁部73bは、支持構造10における第一基板13の下面中央部に固定されている。
【0035】
ジョイント下支持部74は、クロス部材72の第一軸部72aを回動可能に支持する。Y方向視で、ジョイント下支持部74は、U字状をなす。具体的に、ジョイント下支持部74は、X方向に間隔をあけて配置された一対のジョイント下側壁部74aと、一対のジョイント下側壁部74aの下端同士を連結するジョイント下連結壁部74bと、を備える。
【0036】
一対のジョイント下側壁部74aには、X方向に開口するジョイント下挿通孔74hが形成されている。ジョイント下挿通孔74hは、第一軸部72aを挿通可能な大きさを有する。一対のジョイント下側壁部74aは、X方向において第二軸部72bの直径よりも大きい間隔をあけて配置されている。ジョイント下連結壁部74bは、土台構造20における第二基板23の上面中央部に固定されている。
【0037】
[駆動装置3]
駆動装置3は、支持部5に支持された脚立2を、水平面内において第一軸C1及び第二軸C2を含む軸回り(
図12参照)に独立に動かすことが可能である。
【0038】
[駆動機構30,40]
駆動装置3は、複数の駆動機構30,40を備える。複数の駆動機構30,40は、第一軸C1(
図12参照)の片側のみに配置された第一駆動機構30と、第二軸C2(
図12参照)の片側のみに配置された第二駆動機構40と、である。
【0039】
[第一駆動機構30]
第一駆動機構30は、支持構造10を第二軸C2(
図12参照)回りに動かすことが可能である。
図5に示すように、第一駆動機構30は、起立部22bよりも−X方向側に配置されている。第一駆動機構30は、第一駆動源31、第一上支持部32及び第一下支持部33を備える。
【0040】
[第一駆動源31]
実施形態において、第一駆動源31は、鉛直方向において同軸に配置された一対のエアシリンダを備える。第一駆動源31は、第一駆動源31の上部に位置する第一上駆動源35と、第一駆動源31の下部に位置する第一下駆動源36と、を備える。
【0041】
第一上駆動源35は、Z方向に長手を有する第一上シリンダ本体35aと、Z方向に長手を有するとともに第一上シリンダ本体35aに対してZ方向に移動可能な第一上ロッド35bと、を備える。
図2に示すように、第一上ロッド35bの+Z方向端(以下「第一上ロッド35b先端部」という。)には、Y方向に開口する第一上開口部35hが形成されている。
【0042】
図5に示すように、第一下駆動源36は、Z方向に長手を有する第一下シリンダ本体36aと、Z方向に長手を有するとともに第一下シリンダ本体36aに対してZ方向に移動可能な第一下ロッド36bと、を備える。第一下シリンダ本体36aの上面は、第一上シリンダ本体35aの下面に固定されている。
図2に示すように、第一下ロッド36bの−Z方向端(以下「第一下ロッド36b先端部」という。)には、Y方向に開口する第一下開口部36hが形成されている。
【0043】
[第一上支持部32]
第一上支持部32は、第一駆動源31の上端部を回動可能に支持する。第一上支持部32は、第一上ブラケット32aと、第一上シャフト32bと、を備える。
【0044】
X方向視で、第一上ブラケット32aは、下方に開放するU字状(逆U字状)をなす。具体的に、第一上ブラケット32aは、Y方向に間隔をあけて配置された一対の第一上側壁部32a1と、一対の第一上側壁部32a1の上端同士を連結する第一上連結壁部32a2と、を備える。なお、一対の第一上側壁部32a1は、Y方向において第一上ロッド35b先端部の幅よりも大きい間隔をあけて配置されている。第一上連結壁部32a2は、第一フレーム12の−X方向側に位置する貫通孔を介して、第一プレート11(
図5参照)に固定されている。
【0045】
第一上シャフト32bは、一対の第一上側壁部32a1に対して第一上ロッド35b先端部を回動可能に軸支する。第一上シャフト32bは、Y方向に長手を有する円柱状をなす。第一上シャフト32bのY方向両端部は、それぞれ一対の第一上側壁部32a1に固定されている。
【0046】
[第一下支持部33]
第一下支持部33は、第一駆動源31の下端部を回動可能に支持する。第一下支持部33は、第一下ブラケット33aと、第一下シャフト33bと、を備える。
【0047】
X方向視で、第一下ブラケット33aは、U字状をなす。具体的に、第一下ブラケット33aは、Y方向に間隔をあけて配置された一対の第一下側壁部33a1と、一対の第一下側壁部33a1の下端同士を連結する第一下連結壁部33a2と、を備える。なお、一対の第一下側壁部33a1は、Y方向において第一下ロッド36b先端部の幅よりも大きい間隔をあけて配置されている。第一下連結壁部33a2は、第二フレーム22の−X方向側に位置する貫通孔を介して、第二プレート21に固定されている。
【0048】
第一下シャフト33bは、一対の第一下側壁部33a1に対して第一下ロッド36b先端部を回動可能に軸支する。第一下シャフト33bは、Y方向に長手を有する円柱状をなす。第一下シャフト33bのY方向両端部は、それぞれ一対の第一下側壁部33a1に固定されている。
【0049】
[第二駆動機構40]
第二駆動機構40は、支持構造10を第一軸C1(
図12参照)回りに動かすことが可能である。
図6に示すように、第二駆動機構40は、起立部22bよりも−Y方向側に配置されている。第二駆動機構40は、第二駆動源41、第二上支持部42及び第二下支持部43を備える。
【0050】
[第二駆動源41]
実施形態において、第二駆動源41は、鉛直方向において同軸に配置された一対のエアシリンダを備える。第二駆動源41は、第二駆動源41の上部に位置する第二上駆動源45と、第二駆動源41の下部に位置する第二下駆動源46と、を備える。
【0051】
第二上駆動源45は、Z方向に長手を有する第二上シリンダ本体45aと、Z方向に長手を有するとともに第二上シリンダ本体45aに対してZ方向に移動可能な第二上ロッド45bと、を備える。
図2に示すように、第二上ロッド45bの+Z方向端(以下「第二上ロッド45b先端部」という。)には、X方向に開口する第二上開口部45hが形成されている。
【0052】
図6に示すように、第二下駆動源46は、Z方向に長手を有する第二下シリンダ本体46aと、Z方向に長手を有するとともに第二下シリンダ本体46aに対してZ方向に移動可能な第二下ロッド46bと、を備える。第二下シリンダ本体46aの上面は、第二上シリンダ本体45aの下面に固定されている。
図2に示すように、第二下ロッド46bの−Z方向端(以下「第二下ロッド46b先端部」という。)には、X方向に開口する第二下開口部46hが形成されている。
【0053】
[第二上支持部42]
第二上支持部42は、第二駆動源41の上端部を回動可能に支持する。第二上支持部42は、第二上ブラケット42aと、第二上シャフト42bと、を備える。
【0054】
Y方向視で、第二上ブラケット42aは、下方に開放するU字状(逆U字状)をなす。具体的に、第二上ブラケット42aは、X方向に間隔をあけて配置された一対の第二上側壁部42a1と、一対の第二上側壁部42a1の上端同士を連結する第二上連結壁部42a2と、を備える。なお、一対の第二上側壁部42a1は、X方向において第二上ロッド45b先端部の幅よりも大きい間隔をあけて配置されている。第二上連結壁部42a2は、第一フレーム12の−Y方向側に位置する貫通孔を介して、第一プレート11(
図6参照)に固定されている。
【0055】
第二上シャフト42bは、一対の第二上側壁部42a1に対して第二上ロッド45b先端部を回動可能に軸支する。第二上シャフト42bは、X方向に長手を有する円柱状をなす。第二上シャフト42bのX方向両端部は、それぞれ一対の第二上側壁部42a1に固定されている。
【0056】
[第二下支持部43]
第二下支持部43は、第二駆動源41の下端部を回動可能に支持する。第二下支持部43は、第二下ブラケット43aと、第二下シャフト43bと、を備える。
【0057】
Y方向視で、第二下ブラケット43aは、U字状をなす。具体的に、第二下ブラケット43aは、X方向に間隔をあけて配置された一対の第二下側壁部43a1と、一対の第二下側壁部43a1の下端同士を連結する第二下連結壁部43a2と、を備える。なお、一対の第二下側壁部43a1は、X方向において第二下ロッド46b先端部の幅よりも大きい間隔をあけて配置されている。第二下連結壁部43a2は、第二フレーム22の−Y方向側に位置する貫通孔を介して、第二プレート21に固定されている。
【0058】
第二下シャフト43bは、一対の第二下側壁部43a1に対して第二下ロッド46b先端部を回動可能に軸支する。第二下シャフト43bは、X方向に長手を有する円柱状をなす。第二下シャフト43bのX方向両端部は、それぞれ一対の第二下側壁部43a1に固定されている。
【0059】
[規制部50,60]
図2に示すように、脚立作業体験装置1は、第一軸及び第二軸を含む軸回りにおける脚立2の動きを規制可能な規制部50,60を更に備える。
規制部50,60は、第一軸C1(
図12参照)の片側のみに配置された第一規制部50と、第二軸C2(
図12参照)の片側のみに配置された第二規制部60と、である。
【0060】
[第一規制部50]
第一規制部50は、第二軸C2(
図12参照)回りにおける支持構造10の動きを規制可能である。第一規制部50は、第一ロック用駆動源51、第一基台52、第一ロックブラケット53及び第一ロックプレート54を備える。
【0061】
実施形態において、第一ロック用駆動源51は、エアシリンダである。第一ロック用駆動源51は、X方向に長手を有する第一ロック用シリンダ本体51aと、X方向に長手を有するとともに第一ロック用シリンダ本体51aに対してX方向に移動可能な第一ロック用ロッド51bと、を備える。第一ロック用ロッド51bの+X方向端(以下「第一ロック用ロッド51b先端」という。)は、第一ロックプレート54の+X側開口部54hに進退可能とされている。
【0062】
図3に示すように、第一ロック用ロッド51bは、接合ボルト51b3によって、第一ロック用シリンダ本体51aの突出部51b1に、ロックピン51b2を連結した構造を有する。例えば、接合ボルト51b3の軸部(雄ネジ部)は、筒状のロックピン51b2の貫通孔を通じて突出部51b1の凹部(雌ネジ部)に螺着されている。
【0063】
図2に示すように、第一基台52は、第一ロックブラケット53の下端部を支持する。第一基台52は、直方体のブロック状をなす。第一基台52は、土台構造20における第二フレーム22の−X方向端部に固定されている。第一基台52は、第二フレーム22の−X方向端部のY方向中央部に配置されている。
【0064】
第一ロックブラケット53は、−X方向側に開放するU字状をなすとともに、上下に延びる柱状をなす。第一ロックブラケット53の上端部には、第一ロック用シリンダ本体51aが固定されている。第一ロックブラケット53は、第一ロックプレート54よりも−X方向側に配置されている。第一ロックブラケット53の上端部のX方向側壁には、X方向に開口する−X側開口部53hが形成されている。−X側開口部53hは、第一ロック用ロッド51bの直径よりも大きい。すなわち、−X側開口部53hは、第一ロック用ロッド51bのX方向への移動を許容する。
【0065】
第一ロックプレート54は、支持構造10における第一フレーム12の−X方向端部に固定されている。第一ロックプレート54は、第一フレーム12の−X方向端部から下方に延出するとともに、X方向に厚みを有する板状をなす。第一ロックプレート54は、第一ロックブラケット53よりも+X方向側に配置されている。第一ロックプレート54には、X方向に開口するとともに、第一ロック用ロッド51b先端が進退可能な+X側開口部54hが形成されている。
【0066】
[第一ブッシュケース55]
図2に示すように、第一ロック用ロッド51bの周囲には、弾性変形可能な第一ブッシュケース55が設けられている。第一ブッシュケース55は、直方体状をなす。
【0067】
第一ブッシュケース55は、第一ロック用駆動源51と第一ロックブラケット53との間に配置されている。第一ブッシュケース55は、第一ロックブラケット53の上端部に固定されている。
【0068】
第一ブッシュケース55には、X方向に開口する開口部55h(以下「第一ブッシュ側開口部55h」ともいう。)が形成されている。第一ブッシュ側開口部55hは、第一ロック用ロッド51bの直径よりも大きい。すなわち、第一ブッシュ側開口部55hは、第一ロック用ロッド51bのX方向への移動を許容する。
【0069】
[第二規制部60]
第二規制部60は、第一軸C1(
図12参照)回りにおける支持構造10の動きを規制可能である。第二規制部60は、第二ロック用駆動源61、第二基台62、第二ロックブラケット63及び第二ロックプレート64を備える。
【0070】
実施形態において、第二ロック用駆動源61は、エアシリンダである。第二ロック用駆動源61は、Y方向に長手を有する第二ロック用シリンダ本体61aと、Y方向に長手を有するとともに第二ロック用シリンダ本体61aに対してY方向に移動可能な第二ロック用ロッド61bと、を備える。第二ロック用ロッド61bの+Y方向端(以下「第二ロック用ロッド61b先端」という。)は、第二ロックプレート64の+Y側開口部64hに進退可能とされている。なお、第二ロック用ロッド61bは、第一ロック用ロッド51bと同様、接合ボルトによって、第二ロック用シリンダ本体61aの突出部に、ロックピンを連結した構造を有する(不図示)。
【0071】
第二基台62は、第二ロックブラケット63の下端部を支持する。第二基台62は、直方体のブロック状をなす。第二基台62は、土台構造20における第二フレーム22の−Y方向端部に固定されている。第二基台62は、第二フレーム22の−Y方向端部のX方向中央部に配置されている。
【0072】
第二ロックブラケット63は、−Y方向側に開放するU字状をなすとともに、上下に延びる柱状をなす。第二ロックブラケット63の上端部には、第二ロック用シリンダ本体61aが固定されている。第二ロックブラケット63は、第二ロックプレート64よりも−Y方向側に配置されている。第二ロックブラケット63の上端部のY方向側壁には、Y方向に開口する−Y側開口部63hが形成されている。−Y側開口部63hは、第二ロック用ロッド61bの直径よりも大きい。すなわち、−Y側開口部63hは、第二ロック用ロッド61bのY方向への移動を許容する。
【0073】
第二ロックプレート64は、支持構造10における第一フレーム12の−Y方向端部に固定されている。第一ロックプレート54は、第一フレーム12の−Y方向端部から下方に延出するとともに、Y方向に厚みを有する板状をなす。第二ロックプレート64は、第二ロックブラケット63よりも+Y方向側に配置されている。第二ロックプレート64には、Y方向に開口するとともに、第二ロック用ロッド61b先端が進退可能な+Y側開口部64hが形成されている。
【0074】
[第二ブッシュケース65]
図2に示すように、第二ロック用ロッド61bの周囲には、弾性変形可能な第二ブッシュケース65が設けられている。第二ブッシュケース65は、直方体状をなす。
【0075】
第二ブッシュケース65は、第二ロック用駆動源61と第二ロックブラケット63との間に配置されている。第二ブッシュケース65は、第二ロックブラケット63の上端部に固定されている。
【0076】
第二ブッシュケース65には、Y方向に開口する開口部65h(以下「第二ブッシュ側開口部65h」ともいう。)が形成されている。第二ブッシュ側開口部65hは、第二ロック用ロッド61bの直径よりも大きい。すなわち、第二ブッシュ側開口部65hは、第二ロック用ロッド61bのY方向への移動を許容する。
【0077】
[駆動装置3の動作]
[第一駆動機構30の動作]
図7は、実施形態に係る第一駆動機構30の動作の一例を示す図である。
図7に示すように、第一駆動機構30は、支持構造10を第二軸C2回りに動かすことが可能である。
図7においては、第一駆動機構30が支持構造10を矢印V1方向(第二軸C2を回転中心とした反時計回り)に最大限動かした後の最大V1移動位置を実線で示し、支持構造10の移動前の初期位置を二点鎖線で示している。
【0078】
図5に示すように、初期位置において、第一駆動機構30は、一方のエアシリンダを伸ばし且つ他方のエアシリンダを縮めることによって、支持構造10の上面を水平にしている。実施形態において、第一駆動機構30は、第一上駆動源35の第一上ロッド35bを伸ばし且つ第一下駆動源36の第一下ロッド36bを縮めることによって、支持構造10の上面を水平にしている。初期位置において、第一規制部50における第一ロック用ロッド51b先端は、第一ロックプレート54における+X側開口部54hに進入している。一方、支持構造10を移動するタイミングでは、第一規制部50における第一ロック用ロッド51b先端は、第一ロックプレート54における+X側開口部54hから退避している(
図7、
図8参照)。
【0079】
図7に示すように、支持構造10の最大V1移動位置では、第一駆動機構30は、第一上駆動源35の第一上ロッド35bを伸ばし且つ第一下駆動源36の第一下ロッド36bを伸ばすことによって、支持構造10の上面を傾斜させている。支持構造10の最大V1移動位置において、支持構造10の上面は、+X方向側ほど下方に位置するように傾斜している。
【0080】
図8は、実施形態に係る第一駆動機構30の動作の他の例を示す図である。
図8においては、第一駆動機構30が支持構造10を矢印V2方向(第二軸C2を回転中心とした時計回り)に最大限動かした後の最大V2移動位置を実線で示し、支持構造10の移動前の初期位置を二点鎖線で示している。
【0081】
図8に示すように、支持構造10の最大V2移動位置では、第一駆動機構30は、第一上駆動源35の第一上ロッド35bを縮め且つ第一下駆動源36の第一下ロッド36bを縮めることによって、支持構造10の上面を傾斜させている。支持構造10の最大V2移動位置において、支持構造10の上面は、−X方向側ほど下方に位置するように傾斜している。
【0082】
[第二駆動機構40の動作]
図9は、実施形態に係る第二駆動機構40の動作の一例を示す図である。
図9に示すように、第二駆動機構40は、支持構造10を第一軸C1回りに動かすことが可能である。
図9においては、第二駆動機構40が支持構造10を矢印V3方向(第一軸C1を回転中心とした反時計回り)に最大限動かした後の最大V3移動位置を実線で示し、支持構造10の移動前の初期位置を二点鎖線で示している。
【0083】
図6に示すように、初期位置において、第二駆動機構40は、一方のエアシリンダを伸ばし且つ他方のエアシリンダを縮めることによって、支持構造10の上面を水平にしている。実施形態において、第二駆動機構40は、第二上駆動源45の第二上ロッド45bを伸ばし且つ第二下駆動源46の第二下ロッド46bを縮めることによって、支持構造10の上面を水平にしている。初期位置において、第二規制部60における第二ロック用ロッド61b先端は、第二ロックプレート64における+Y側開口部64hに進入している。一方、支持構造10を移動するタイミングでは、第二規制部60における第二ロック用ロッド61b先端は、第二ロックプレート64における+Y側開口部64hから退避している(
図9、
図10参照)。
【0084】
図9に示すように、支持構造10の最大V3移動位置では、第二駆動機構40は、第二上駆動源45の第二上ロッド45bを伸ばし且つ第二下駆動源46の第二下ロッド46bを伸ばすことによって、支持構造10の上面を傾斜させている。支持構造10の最大V3移動位置において、支持構造10の上面は、+Y方向側ほど下方に位置するように傾斜している。
【0085】
図10は、実施形態に係る第二駆動機構40の動作の他の例を示す図である。
図10においては、第二駆動機構40が支持構造10を矢印V4方向(第一軸C1を回転中心とした時計回り)に最大限動かした後の最大V4移動位置を実線で示し、支持構造10の移動前の初期位置を二点鎖線で示している。
【0086】
図10に示すように、支持構造10の最大V4移動位置では、第二駆動機構40は、第二上駆動源45の第二上ロッド45bを縮め且つ第二下駆動源46の第二下ロッド46bを縮めることによって、支持構造10の上面を傾斜させている。支持構造10の最大V4移動位置において、支持構造10の上面は、−Y方向側ほど下方に位置するように傾斜している。
【0087】
[脚立作業体験装置1の機能構成]
図11は、実施形態に係る脚立作業体験装置1の機能構成を示すブロック図である。
図11に示すように、脚立作業体験装置1は、電源部80、操作部81、エアコンプレッサ82、複数の電磁弁83a〜83f及び複数のエアシリンダ84a〜84fを備える。
【0088】
電源部80は、操作部81に電力を供給可能である。
操作部81は、ユーザの入力を受け付ける。操作部81には、複数のスイッチ81a〜81iが設けられている。複数のスイッチ81a〜81iは、第一スイッチ81a、第二スイッチ81b、第三スイッチ81c、第四スイッチ81d、第五スイッチ81e、第六スイッチ81f、第七スイッチ81g、第八スイッチ81h及び第九スイッチ81iである。複数のスイッチ81a〜81iは、支持部5に支持された脚立2を第一軸C1及び第二軸C2を含む軸回りに独立に動かすための8つのスイッチ81a〜81hと、第一軸及び第二軸を含む軸回りにおける脚立2の動きを規制するための1つのスイッチ81iと、である。
第一スイッチ81aは、第一上駆動源35(
図5参照)を駆動させるためのスイッチである。第二スイッチ81bは、第一下駆動源36(
図5参照)を駆動させるためのスイッチである。第三スイッチ81cは、第二上駆動源45(
図6参照)を駆動させるためのスイッチである。第四スイッチ81dは、第二下駆動源46を駆動(
図6参照)させるためのスイッチである。第五スイッチ81eは、第一上駆動源35(
図5参照)及び第二下駆動源46を駆動(
図6参照)させるためのスイッチである。第六スイッチ81fは、第一下駆動源36(
図5参照)及び第二上駆動源45を駆動(
図6参照)させるためのスイッチである。第七スイッチ81gは、第一下駆動源36(
図5参照)及び第二下駆動源46を駆動(
図6参照)させるためのスイッチである。第八スイッチ81hは、第一上駆動源35(
図5参照)及び第二上駆動源45(
図6参照)を駆動させるためのスイッチである。第九スイッチ81iは、第一ロック用駆動源51(
図5参照)及び第二ロック用駆動源61(
図6参照)を駆動させるためのスイッチである。
【0089】
エアコンプレッサ82は、複数のエアシリンダ84a〜84fに向けて圧縮空気を供給可能である。
複数の電磁弁83a〜83fは、第一電磁弁83a、第二電磁弁83b、第三電磁弁83c、第四電磁弁83d、第五電磁弁83e及び第六電磁弁83fである。電磁弁83a〜83fは、エアコンプレッサ82からエアシリンダ84a〜84fに向かう圧縮空気の流れを制御可能である。
【0090】
複数のエアシリンダ84a〜84fは、第一エアシリンダ84a、第二エアシリンダ84b、第三エアシリンダ84c、第四エアシリンダ84d、第五エアシリンダ84e及び第六エアシリンダ84fである。第一エアシリンダ84a、第二エアシリンダ84b、第三エアシリンダ84c、第四エアシリンダ84d、第五エアシリンダ84e及び第六エアシリンダ84fは、それぞれ第一上駆動源35、第一下駆動源36、第二上駆動源45、第二下駆動源46、第一ロック用駆動源51、第二ロック用駆動源61に相当する(
図2参照)。
【0091】
[脚立作業体験装置1の動作]
図12は、実施形態に係る脚立作業体験装置1の動作の一例を示す図である。
【0092】
[初期位置]
図12においては、支持構造10の移動前の初期位置を示している。
例えば、初期位置においては、第一スイッチ81a(
図11参照)をオフにし、第一上駆動源35の第一上ロッド35bを伸ばす(
図5参照)。加えて、第二スイッチ81b(
図11参照)をオフにし、第一下駆動源36の第一下ロッド36bを縮める(
図5参照)。加えて、第三スイッチ81c(
図11参照)をオフにし、第二上駆動源45の第二上ロッド45bを伸ばす(
図6参照)。加えて、第四スイッチ81d(
図11参照)をオフにし、第二下駆動源46の第二下ロッド46bを縮める(
図6参照)。これにより、支持構造10の上面を水平にする。
【0093】
加えて、第九スイッチ81i(
図11参照)をオンにし、第一ロック用駆動源51の第一ロック用ロッド51bを伸ばすとともに、第二ロック用駆動源61の第二ロック用ロッド61bを伸ばす。これにより、第一ロック用ロッド51b先端を第一ロックプレート54における+X側開口部54hに進入させる(
図5参照)とともに、第二ロック用ロッド61b先端を第二ロックプレート64における+Y側開口部64hに進入させる(
図6参照)。これにより、初期位置においては、支持構造10を移動不能にする。
【0094】
[稼働時]
例えば、支持構造10を移動する稼働時においては、第九スイッチ81i(
図11参照)をオフにし、第一ロック用駆動源51の第一ロック用ロッド51bを縮めるとともに、第一ロック用駆動源51の第一ロック用ロッド51bを縮める。これにより、第一ロック用ロッド51b先端を第一ロックプレート54における+X側開口部54hから退避させる(
図7参照)とともに、
図6に示す第二ロック用ロッド61b先端を第二ロックプレート64における+Y側開口部64hから退避させる。これにより、
図12に示すように、支持構造10を矢印V1〜V8方向に移動可能にする。
【0095】
[矢印V1方向への移動]
例えば、支持構造10を矢印V1方向に移動するタイミングでは、第二スイッチ81bをオンにする。これにより、第一上駆動源35の第一上ロッド35bを伸ばした状態で第一下駆動源36の第一下ロッド36bを伸ばし、支持構造10の上面を矢印V1方向に傾斜させることが可能である(
図7参照)。したがって、脚立2を矢印V1方向に傾斜させることが可能である。
【0096】
[矢印V2方向への移動]
例えば、支持構造10を矢印V2方向に移動するタイミングでは、第一スイッチ81aをオンにする。これにより、第一下駆動源36の第一下ロッド36bを縮めた状態で第一上駆動源35の第一上ロッド35bを縮め、支持構造10の上面を矢印V2方向に傾斜させることが可能である(
図8参照)。したがって、脚立2を矢印V2方向に傾斜させることが可能である。
【0097】
[矢印V3方向への移動]
例えば、支持構造10を矢印V3方向に移動するタイミングでは、第四スイッチ81dをオンにする。これにより、第二上駆動源45の第二上ロッド45bを伸ばした状態で第二下駆動源46の第二下ロッド46bを伸ばし、支持構造10の上面を矢印V3方向に傾斜させることが可能である(
図9参照)。したがって、脚立2を矢印V3方向に傾斜させることが可能である。
【0098】
[矢印V4方向への移動]
例えば、支持構造10を矢印V4方向に移動するタイミングでは、第三スイッチ81cをオンにする。これにより、第二下駆動源46の第二下ロッド46bを縮めた状態で第二上駆動源45の第二上ロッド45bを縮め、支持構造10の上面を矢印V4方向に傾斜させることが可能である(
図10参照)。したがって、脚立2を矢印V4方向に傾斜させることが可能である。
【0099】
[矢印V5方向への移動]
例えば、支持構造10を矢印V5方向に移動するタイミングでは、第六スイッチ81fをオンにする。これにより、第一上駆動源35の第一上ロッド35bを伸ばした状態で第一下駆動源36の第一下ロッド36bを伸ばすとともに、第二下駆動源46の第二下ロッド46bを縮めた状態で第二上駆動源45の第二上ロッド45bを縮め、支持構造10の上面を矢印V5方向に傾斜させることが可能である。したがって、脚立2を矢印V5方向に傾斜させることが可能である。
【0100】
[矢印V6方向への移動]
例えば、支持構造10を矢印V6方向に移動するタイミングでは、第五スイッチ81eをオンにする。これにより、第一下駆動源36の第一下ロッド36bを縮めた状態で第一上駆動源35の第一上ロッド35bを縮めるとともに、第二上駆動源45の第二上ロッド45bを伸ばした状態で第二下駆動源46の第二下ロッド46bを伸ばし、支持構造10の上面を矢印V6方向に傾斜させることが可能である。したがって、脚立2を矢印V6方向に傾斜させることが可能である。
【0101】
[矢印V7方向への移動]
例えば、支持構造10を矢印V7方向に移動するタイミングでは、第七スイッチ81gをオンにする。これにより、第一上駆動源35の第一上ロッド35bを伸ばした状態で第一下駆動源36の第一下ロッド36bを伸ばすとともに、第二上駆動源45の第二上ロッド45bを伸ばした状態で第二下駆動源46の第二下ロッド46bを伸ばし、支持構造10の上面を矢印V7方向に傾斜させることが可能である。したがって、脚立2を矢印V7方向に傾斜させることが可能である。
【0102】
[矢印V8方向への移動]
例えば、支持構造10を矢印V8方向に移動するタイミングでは、第八スイッチ81hをオンにする。これにより、第一下駆動源36の第一下ロッド36bを縮めた状態で第一上駆動源35の第一上ロッド35bを縮めるとともに、第二下駆動源46の第二下ロッド46bを縮めた状態で第二上駆動源45の第二上ロッド45bを縮め、支持構造10の上面を矢印V8方向に傾斜させることが可能である。したがって、脚立2を矢印V8方向に傾斜させることが可能である。
【0103】
以上説明したように、上記実施形態に係る脚立作業体験装置1は、脚立2と、脚立2を、脚立2の前後方向に沿う第一軸C1と、脚立2の幅方向に沿う第二軸C2と、を含む軸回りに動かすことが可能に支持する支持部5と、支持部5に支持された脚立2を、第一軸C1及び第二軸C2を含む軸回りに独立に動かすことが可能な駆動装置3と、を備える。
この構成によれば、脚立2を使用して被研修者に災害の様子を体験させる場合、駆動装置を駆動させることによって脚立2を第一軸C1及び第二軸C2を含む軸回りに独立に動かすことができるため、脚立2を用いた作業において災害の回避に対して効果的な研修を行うことができる。加えて、災害の発生に至るプロセス、発生状況、原因について当事者の立場に立って考えさせることができる。そのため、脚立2を使用する作業現場に潜む危険を察知する能力、災害へつながる行動を阻止する能力、実行力を養うことができ、安全に対する意識を高めることができる。
【0104】
また、上記実施形態では、支持部5は、脚立2の中心軸線2c、第一軸C1及び第二軸C2が交差する中心位置Pcに配置されたユニバーサルジョイント71を備えることで、以下の効果を奏する。ユニバーサルジョイント71によって中心位置Pcの回りの脚立2の変位を許容することができるため、脚立2を各方向にスムーズに傾斜させることができる。
【0105】
また、上記実施形態では、第一軸C1及び第二軸C2を含む軸回りにおける脚立2の動きを規制可能な規制部50,60を更に備えることで、以下の効果を奏する。規制部50,60によって第一軸C1及び第二軸C2を含む軸回りにおける脚立2の動きを規制することができるため、脚立2を不使用時にロックすることができる。
【0106】
また、上記実施形態では、駆動装置3は、第一軸C1の片側のみに配置された第一駆動機構30と、第二軸C2の片側のみに配置された第二駆動機構40と、を備えることで、以下の効果を奏する。第一駆動機構30又は第二駆動機構40を駆動させることによって、被研修者に災害発生時の脚立2の複雑な動きを体験させることができるため、脚立2を用いた作業において災害の回避に対してより一層効果的な研修を行うことができる。加えて、第一駆動機構30及び第二駆動機構40の少なくとも一方を駆動させる場合、第一駆動機構30と第二駆動機構40とが干渉することを回避し、駆動領域を広く確保することができる。
【0107】
また、上記実施形態では、第一駆動機構30及び第二駆動機構40のそれぞれは、鉛直方向において同軸に配置された一対のエアシリンダを備えることで、以下の効果を奏する。第一駆動機構30及び第二駆動機構40のそれぞれにおいて複数のエアシリンダを伸縮させることによって、脚立2の動きの自由度を高めることができる。例えば、脚立2の水平状態、浮き状態及び沈み状態の3アクションを実現することができる。
【0108】
また、上記実施形態では、第一駆動機構30及び第二駆動機構40のそれぞれは、一対のエアシリンダのうち一方のエアシリンダを伸ばし且つ他方のエアシリンダを縮めることによって脚立2の初期位置を設定することで、以下の効果を奏する。第一駆動機構30及び前記第二駆動機構40のそれぞれにおいて一方のエアシリンダを伸ばし且つ他方のエアシリンダを縮めることによって、脚立2の初期位置として脚立2を水平にすることができる。加えて、脚立2の水平状態において、縮んだ状態の他方のエアシリンダを伸ばすことによって、脚立2を水平複数軸回りに単独を含む複合的に傾斜させることができる。例えば、脚立2を、「前」、「後」、「左」及び「右」の4方向に傾斜させることができる。加えて、脚立2を、「前左」、「前右」、「後左」及び「後右」を含む8方向に傾斜させることができる。したがって、被研修者に災害発生時の脚立2の動きを広い範囲で体験させることができる。加えて、駆動装置の駆動源としてソレノイドを設けた場合と比較して、脚立2を動かすときのストロークを長くすることができるため、被研修者に災害発生時の脚立2の動きを広い範囲で体験させることができる。
【0109】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0110】
上記実施形態では、第一駆動機構30及び第二駆動機構40のそれぞれは、鉛直方向において同軸に配置された一対のエアシリンダを備える例を挙げたが、これに限らない。例えば、第一駆動機構30及び第二駆動機構40のそれぞれは、鉛直方向において同軸に配置された3つ以上の複数のエアシリンダを備えていてもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、エアシリンダの駆動速度を制御可能なスピードコントローラを更に備えていてもよい。スピードコントローラによってエアシリンダの駆動速度を制御することができるため、被研修者に災害発生時の脚立2の動きを任意の速度で体験させることができる。加えて、脚立2を動かすときのストロークを長くした場合には、被研修者に災害発生時の脚立2のダイナミックな動きを体験させることができる。
【0112】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。