【解決手段】本開示の表示装置は、表示領域と、前記表示領域を囲む非表示領域と、を有する矩形状の第1の基板を備え、前記第1の基板は、第1方向に延伸する第1の辺と第2の辺と、第2方向に延伸する第3の辺と第4の辺と、前記表示領域において前記第1方向および前記第2方向にマトリクス状に配置された複数の画素と、前記非表示領域において、前記第1の辺に沿って設けられた複数の第1のマークと、前記第2の辺に沿って設けられた複数の第2のマークと、を含み、前記複数の第1のマークと、前記複数の第2のマークとは、前記第3の辺の中心と前記第4の辺の中心を結ぶ線に対して、対称関係にある。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
[液晶表示装置]
本開示の第1の実施形態における表示装置について、図面を用いて以下に説明する。なお、本実施形態においては、表示装置の例として液晶表示装置を用いて説明するが、本開示はこれに限定されず、例えば有機ELディスプレイ等であってもよい。また、本実施形態では、COG(Chip On Glass)方式の液晶表示装置を例に挙げるが、これに限定されず、例えばCOF(Chip On Film)方式又はTCP(Tape Carrier Package)方式の液晶表示装置であってもよい。
【0011】
図1は、本実施形態に係る表示装置1の概略構成を示す平面図である。表示装置1は、表示パネル10、ソースドライバIC(Integrated Circuit)20、ゲートドライバIC30、及び、バックライト(図示せず)を含んで構成されている。表示パネル10は、複数のソース線と複数のゲート線を含む薄膜トランジスタ基板100、カラーフィルタを含むカラーフィルタ基板200、及び、両基板間に挟持された液晶層(図示せず)を含んでいる。
【0012】
薄膜トランジスタ基板100におけるソース辺(第4の辺)に沿った領域には、駆動回路としてのソースドライバIC20が搭載され、ゲート辺(第1の辺)に沿った領域には、駆動回路としてのゲートドライバIC30が搭載される。ソースドライバIC20及びゲートドライバIC30の数は限定されない。なお、本実施形態において、ソース辺に対向する辺を反ソース辺(第3の辺)とし、ゲート辺に対向する辺を反ゲート辺(第2の辺)とする。また、カラーフィルタ基板200は、ゲート辺側に第5の辺、反ゲート辺側に第6の辺、ソース辺側に第7の辺、反ソース辺側に第8の辺を有する。
【0013】
本実施形態においては、ゲートドライバIC30が搭載されるゲート辺のみならず、ゲートドライバIC30が搭載されない反ゲート辺においても、薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200とが、平面視で重畳されない構成としている。より具体的には、カラーフィルタ基板200側から見た平面視において、薄膜トランジスタ基板100が、ゲート辺、及び反ゲート辺において露出する構成としている。
【0014】
本実施形態においては、
図1に示すように第1の辺であるゲート辺と、第2の辺である反ゲート辺とには、ゲート辺、反ゲート辺に沿って配置された複数の分断用のマークMが設けられている。この分断用のマークMは、後述する第1の切断工程、又は第2の切断工程において、カラーフィルタ基板200、又は薄膜トランジスタ基板100が、所望の分断ラインで切断されているか否かを確認する検査に用いる。
【0015】
この複数のマークMの内、
図1に示す第1のマークM1は、ゲート辺に複数配置されており、第2のマークM2は、反ゲート辺に複数配置されている。複数の第1のマークM1と、複数の第2のマークM2とは、反ソース辺(第3の辺)の中心と、ソース辺(第4の辺)の中心を結ぶ線L1に対して、対称関係となるよう配置している。そして、対称関係にある第1のマークM1と第2のマークM2とを結ぶ線L2が、カラーフィルタ基板200に設けられたカラーフィルタと、平面視で重畳する構成としている。これは、カラーフィルタと平面視で重畳する位置で、カラーフィルタ基板200、薄膜トランジスタ基板100の少なくとも一方を意図的に切断することを意味している。第1のマークM1の一つ(本実施形態においては、第1のマークM1A)と、第2のマークM2の一つ(本実施形態においては、第2のマークM2A)が、反ソース辺(第3の辺)と、平面視で重畳している。
【0016】
図1に示すように、この複数の第1のマークM1の中心位置CP1、及び複数の第2のマークM2の中心位置CP2は、ソースドライバIC20が配置された第4の辺であるソース辺よりも、第3の辺である反ソース辺に近い側に配置されている。なお、複数の第1のマークM1の中心位置は、例えば、行方向、列方向をX、Y座標とした場合における、各第1のマークM1の位置の平均値によって求めることができる。同様に、複数の第2のマークM2の中心位置は、例えば、行方向、列方向をX、Y座標とした場合における、各第2のマークM2の位置の平均値によって求めることができる。反ソース辺は、後述する第1の切断工程、第2の切断工程において、カラーフィルタ基板200、又は薄膜トランジスタ基板100が切断される辺である。即ち、複数の分断用のマークMの内の少なくとも一部は、第1の切断工程、第2の切断工程が行われる反ソース辺(第3の辺)に近い側に配置されている。なお、この反ソース辺(第3の辺)には、上述したとおり、駆動回路としてのゲートドライバIC30が配置されており、当該ゲートドライバIC30は、複数の第1のマークM1の内、第4の辺であるソース辺に最も近い第1のマークM1(本実施形態においては、第1のマークM1B)と、ソース辺との間に配置されている。
【0017】
この分断用のマークM(第1のマークM1、第2のマークM2)は、例えば、金属膜からなり、薄膜トランジスタ基板100に配置されるソース線、又はゲート線を形成する工程において、これらソース線、ゲート線を形成するのに用いる材料を用いて、ソース線、又はゲート線の形成と同時に形成してもよい。
【0018】
図16は、本実施形態に係る、
図1のD−D’線の断面を示す断面図であり、
図17は、本実施形態における他の実施例に係る、
図1のD−D’線の断面を示す断面図である。
【0019】
図16に示す例では、ゲート線12が配置された層において、ゲート線12と分離して配置された金属膜として、上述した分断用のマークMを形成している。ゲート線12は、ゲート辺に沿う領域において引き回され、
図1に示したゲートドライバIC30に接続される。ゲート線12と同層に、ゲート線12と同じ金属材料を用いて分断用のマークMを形成することにより、ゲート線12の形成工程と同じ工程でマークMを形成することができるため、生産性に優れている。
【0020】
図17に示す例では、ソース線11(
図8を参照)が配置された層において、ソース線11と同じ金属膜を用いて、上述した分断用のマークMを形成している。ソース線11と同層に、ソース線11と同じ金属材料を用いて分断用のマークMを形成することにより、分断用のマークMをソース線11の形成工程で同時に形成することができるため、生産性に優れている。
【0021】
また、マークMとして、このような金属膜を用いる構成とすることにより、金属膜の反射を目視で確認することができるため、視認性の観点からも望ましい。
【0022】
ゲート辺、又は反ゲート辺に並べて配置された、複数の分断用のマークMは所定間隔で配置してもよい。例えば、複数の第1のマークM1、第2のマークM2は、相互に第1の距離をあけて配置されている。この第1の距離は、薄膜トランジスタ基板100に設けられた複数のゲート線の配置間隔である第2の距離に応じて決定する。例えば、第1の距離を、ゲート線の配置間隔である第2の距離の整数倍に設定すれば、その整数個の画素の間隔で第1のマークM1、第2のマークM2を配置することができる。このような構成とすることにより、所望の画素数に応じて、分断ラインを決定することができ、当該分断ラインで切断した際に、所望のラインで切断ができたか否の検査を、第1のマークM1、第2のマークM2を用いて行うことができる。
【0023】
図18は、
図1のA部を拡大した模式的な平面図である。
図18に示すように分断用のマークMは、例えば二つの三角形の頂点を対向させて配置させて様なマークであってもよい。更に、
図18に示すように、ゲート辺、又は反ゲート辺において、各辺に沿う方向に、このマークMと離間して配置された目盛Sを設けることが望ましい。このような目盛Sを設けることにより、第1の切断工程、又は第2の切断工程において、実際の切断ラインと所望の切断ラインとの間にずれが生じたような場合、ゲート辺、反ゲート辺それぞれにおいてどれだけのずれが生じているのかを確認することができる。その結果として、ゲート辺、反ゲート辺のずれ量に応じて、切断ラインの再調整を行うことができる。なお、第1のマークM1の近傍には、第1のマークM1と離間して第1の目盛S1が配置され、第2のマークM2の近傍には、第2のマークM2と離間して第2の目盛S2が配置されている。
【0024】
なお、この目盛Sは、例えば、金属膜からなり、薄膜トランジスタ基板100に配置されるソース線、又はゲート線を形成する工程において、これらソース線、ゲート線を形成するのに用いる材料を用いて、ソース線、又はゲート線の形成と同時に形成してもよい。
【0025】
なお、上述した例においては、薄膜トランジスタ基板100の端辺に分断用のマークM(第1のマークM1、第2のマークM2)を形成する例を説明したが、カラーフィルタ基板200の端辺に分断用のマークMを形成してもよい。その場合は、例えばブラックマトリクス222と同じ層に、ブラックマトリクス222と同じ材料を用いて、分断用のマークMを形成すれば、生産性が高く好ましい。
【0026】
表示パネル10は、ブラックマトリクス額縁領域40と、平面視でブラックマトリクス額縁領域40の外周側に配置されたカラーフィルタ素子層非形成領域41と、平面視でブラックマトリクス額縁領域40の内周側に配置された表示領域42と、平面視で表示領域42よりも反ソース辺側(反ソース辺に沿う領域)に配置された黒画像表示領域43と、平面視で黒画像表示領域43よりも更に反ソース辺側(反ソース辺に沿う領域)に配置されたTFT(thin film transistor)アレイ非形成領域44と、を含む。ここで、カラーフィルタ素子層非形成領域41、黒画像表示領域43、及びTFTアレイ非形成領域44は、非表示領域である。
【0027】
ブラックマトリクス額縁領域40とは、カラーフィルタ基板200において、ガラス基板とオーバコート層とに挟持されたブラックマトリクス222(
図7、8を参照)が額縁形状に形成され、これが平面視で重畳する領域である。本実施形態においては、ブラックマトリクス額縁領域40が、ゲート辺、ソース辺、及び反ゲート辺に沿うように配置されているが、反ソース辺に沿うようには配置されておらず、反ソース辺においては、その両端部のみに配置されている。
【0028】
カラーフィルタ素子層非形成領域41とは、カラーフィルタ基板200において、カラーフィルタ206及びブラックマトリクス222を含むカラーフィルタ素子層220(
図7、8を参照)が形成されていない部位と平面視で重畳する領域であり、画像を表示することができない領域である。本実施形態においては、カラーフィルタ素子層非形成領域41が、ゲート辺、ソース辺、及び反ゲート辺に沿うように配置されているが、反ソース辺に沿うようには配置されておらず、反ソース辺においては、その両端部のみに配置されている。
【0029】
本実施形態においては、このカラーフィルタ素子層非形成領域41における、薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200との間に、第2のシール部材310Bを配置し、両基板を貼り合わせる構成としている。従って、ソース辺、ゲート辺、及び反ゲート辺においては、第2のシール部材310Bとカラーフィルタ206とが平面視で重畳されない。
【0030】
表示領域42とは、カラーフィルタ基板200において、カラーフィルタ206及びブラックマトリクス222を含むカラーフィルタ素子層220と平面視で重畳する領域であり、ソースドライバIC20からデータ信号、及びゲートドライバIC30からゲート信号を制御することにより、所望の映像を表示することが可能な領域である。表示領域42は、行方向、及び列方向に、マトリクス状に配置された複数の画素を含んでいる。
【0031】
TFTアレイ非形成領域44とは、薄膜トランジスタ基板100において、
図2を用いて後述するTFTアレイ22が形成されていない部位と平面視で重畳する領域であり、画像を表示することができない領域である。なお、TFTアレイ非形成領域の一部において、ソース線やゲート線の一部が含まれている構成としても構わない。
【0032】
本実施形態においては、このTFTアレイ非形成領域44における、薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200との間に、第1のシール部材310Aを配置し、両基板を貼り合わせる構成としている。TFTアレイ非形成領域44においても、カラーフィルタ基板200においてはカラーフィルタ206(
図9を参照)が存在するため、第1のシール部材310Aとカラーフィルタ206とが平面視で重畳される。なお、
図1に示すように、反ソース辺に沿う領域において、第1のシール部材310Aは、TFTアレイ非形成領域44から、カラーフィルタ素子層非形成領域41の端部にまで延伸し、第2のシール部材310Bと接触している。
【0033】
更に、本実施形態においては、反ソース辺に沿う領域において、第1のシール部材310Aと並走する第3のシール部材310Cを設ける構成としている。この第3のシール部材310Cについても、TFTアレイ非形成領域44から、カラーフィルタ素子層非形成領域41の端部にまで延伸し、第2のシール部材310Bと接触する構成としている。
【0034】
なお、シール部材が配置された領域においては、配向膜を形成することができないため、このTFTアレイ非形成領域44においては、バックライトの光が、TFTアレイ非形成領域44から抜け出やすい構成となっている。そのため、TFTアレイ非形成領域44の表示面側には、例えば黒色の遮光テープ402(
図9を参照)などを貼り付けることにより、バックライトの光が、TFTアレイ非形成領域44から漏れ出ない構成とすることが望ましい。
【0035】
黒画像表示領域43とは、カラーフィルタ基板200に形成されたカラーフィルタ206及びブラックマトリクス222を含むカラーフィルタ素子層220(
図9を参照)と、薄膜トランジスタ基板100に形成されたTFTアレイ22とが平面視で重畳する領域であり、常に黒色の画像を表示する領域である。黒画像表示領域43が、常に黒色の画像を表示することにより、上述したTFTアレイ非形成領域44における、遮光テープ402(
図9を参照)の貼り付け精度の高低によらず、例えばきれいな直線状に、黒色を表示することが可能となる。また、表示領域42側とTFTアレイ非形成領域44の間に、黒画像表示領域43を設けることにより、バックライトの光が、TFTアレイ非形成領域44から漏れ出るのを抑制することができる。
【0036】
図1に示すように、本実施形態においては、反ソース辺において、薄膜トランジスタ基板100の端面と、カラーフィルタ基板200の端面とが、平面視で重畳されない構成としている。より具体的には、反ソース辺において、薄膜トランジスタ基板100の端面が、カラーフィルタ基板200の端面よりも外側に配置されており、カラーフィルタ基板200側からの平面視で、薄膜トランジスタ基板100の表面が露出する構成としている。
【0037】
なお、反ソース辺において、薄膜トランジスタ基板100の端面が、カラーフィルタ基板200の端面よりも内側に配置されており、薄膜トランジスタ基板100側からの平面視で、カラーフィルタ基板200の表面が露出する構成としてもよい。また、反ソース辺において、薄膜トランジスタ基板100の端面が、カラーフィルタ基板200の端面と平面視で重畳する構成としてもよい。
【0038】
図7は、
図1のVII−VII線における断面を示す断面図であり、ゲート辺近傍における断面を示す。
図8は、
図1のVIII−VIII線における断面を示す断面図であり、ソース辺近傍における断面を示す。
図9は、
図1のIX−IX線における断面を示す断面図であり、反ソース辺近傍における断面を示す。
【0039】
図7、8、9に示すように、薄膜トランジスタ基板100は、第1のガラス基板103と、第1のガラス基板103の表示面側に形成された薄膜トランジスタ素子層120と、第1のガラス基板103の背面側に形成された第1の偏光板130と、を含んでいる。
【0040】
図7に示すように、ゲート辺に沿う領域における、カラーフィルタ素子層非形成領域41よりもゲート辺に近い領域において、薄膜トランジスタ素子層120の表示面側に第1の端子部31Aが設けられている。第1の端子部31AはゲートドライバIC30に電気的に接続されている。
図8に示すように、ソース辺に沿う領域における、カラーフィルタ素子層非形成領域41よりもソース辺に近い領域において、薄膜トランジスタ素子層120の表示面側に第2の端子部31Bが設けられている。第2の端子部31BはソースドライバIC20に電気的に接続されている。
【0041】
図9に示すように、反ソース辺に沿う領域においては、カラーフィルタ基板200の端面から、カラーフィルタ206の一部が露出している。即ち、平面視で、カラーフィルタ基板200の端面が、カラーフィルタ206の端面と重畳する構成としている。
【0042】
図7、8、9に示すように、カラーフィルタ基板200は、第2のガラス基板203と、第2のガラス基板203の背面側に形成されたカラーフィルタ素子層220と、カラーフィルタ素子層220の背面側に形成されたオーバコート層223と、第2のガラス基板203の表示面側に形成された第2の偏光板230と、を含んでいる。カラーフィルタ素子層220は、カラーフィルタ206とブラックマトリクス222とを含む。
【0043】
図7、8、9に示すように、薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200との間には液晶層300が配置されており、液晶層300の周囲には第1のシール部材310A、第2のシール部材310B、第3のシール部材310Cが形成されている。具体的には、
図7、8、及び
図1において示したように、ゲート辺、ソース辺、及び反ゲート辺に沿う領域においては、液晶層300の周囲に第2のシール部材310Bが形成されており、
図9、及び
図1において示したように、反ソース辺に沿う領域においては、液晶層300の周囲に第1のシール部材310Aと、第1のシール部材310Aに沿うように配置された第3のシール部材310Cとが形成されている。
【0044】
図7、8に示すように、ゲート辺、ソース辺に沿う領域においては、カラーフィルタ基板200の端辺がカラーフィルタ素子層非形成領域41となっている。これに対して、
図9に示すように、反ソース辺に沿う領域においては、カラーフィルタ基板200の端辺においても、カラーフィルタ素子層220が形成されている。そのため、反ソース辺に沿う領域における薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200との距離d1(
図9を参照)は、ソース辺、ゲート辺に沿う領域における薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200との距離d2(
図7、8を参照)よりも、カラーフィルタ素子層220の膜厚に応じて、小さくなっている。なお、反ゲート辺に沿う領域においても、ゲート辺、ソース辺と同様にカラーフィルタ基板200の端辺がカラーフィルタ素子層非形成領域41となっている。そのため、反ゲート辺に沿う領域における薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200との距離は、ゲート辺、ソース辺と同様に距離d2となる。
【0045】
更に、本実施形態においては、
図9に示すように、薄膜トランジスタ基板100内にTFTアレイ22(
図2を参照)が形成されていないTFTアレイ非形成領域44において、カラーフィルタ基板200の表示面側に、例えば黒色の遮光テープ402を貼り付けている。遮光テープ402が、TFTアレイ非形成領域44の表示面側に配置された構成とすることにより、バックライトの光が、TFTアレイ非形成領域44の表示面側から漏れ出るのを抑制することができる。
【0046】
更に、
図10に示す例においては、カラーフィルタ基板200の端面を覆う樹脂膜401を設けている。カラーフィルタ基板200の端面から、カラーフィルタ素子層220が露出されてしまう構成とした場合、表示装置1外からの水分の浸入により、カラーフィルタ素子層220に含まれるブラックマトリクス222が膨潤してしまう可能性がある。しかし、本実施形態においては、樹脂膜401が、カラーフィルタ基板200の端面を覆う構成とすることにより、水分等が、カラーフィルタ素子層220に浸入するのを抑制することができる。その結果として、カラーフィルタ素子層220に含まれるブラックマトリクス222が膨潤することを抑制し、カラーフィルタ基板200から第1のシール部材310Aが剥がれる可能性を低減することができる。なお、樹脂膜401が、カラーフィルタ基板200の端面のみならず、薄膜トランジスタ素子層120の端面も覆う構成としてもよい。
【0047】
なお、
図1を用いて上述したように、本実施形態においては、反ソース辺において、薄膜トランジスタ基板100の端面と、カラーフィルタ基板200の端面とが、平面視で重畳されない構成としている。このような構成とすることにより、樹脂膜401を塗布しやすく、且つ樹脂膜401の留まりを良くすることができる。
【0048】
図2は、表示パネル10におけるTFTアレイ22の概略構成を示す平面図(等価回路図)である。TFTアレイ22は、第1方向(例えば列方向)に延在する複数のソース線11と、第2方向(例えば行方向)に延在する複数のゲート線12とを含む。各ソース線11と各ゲート線12との各交差部には、薄膜トランジスタ13が設けられている。各ソース線11はソースドライバIC20(
図1を参照)に電気的に接続されており、各ゲート線12はゲートドライバIC30(
図1を参照)に電気的に接続されている。また、TFTアレイ22は、各ソース線11と各ゲート線12との各交差部に対応して、マトリクス状(行方向及び列方向)に配置された複数の画素14と、画素14ごとに配置された複数の画素電極15と、複数の画素14に共通する共通電極16とを含む。
【0049】
各ソース線11には、ソースドライバIC20からデータ信号(データ電圧)が供給され、各ゲート線12には、ゲートドライバIC30からゲート信号(ゲートオン電圧、ゲートオフ電圧)が供給される。共通電極16には、コモンドライバ(図示せず)から共通電圧Vcomが供給される。ゲート信号のオン電圧(ゲートオン電圧)がゲート線12に供給されると、ゲート線12に接続された薄膜トランジスタ13がオンし、薄膜トランジスタ13に接続されたソース線11を介して、データ電圧が画素電極15に供給される。画素電極15に供給されたデータ電圧と、共通電極16に供給された共通電圧Vcomとの差により電界が生じる。この電界により液晶を駆動してバックライトの光の透過率を制御することによって画像表示を行う。なお、カラー表示を行う場合は、例えばストライプ状に配置された赤色、緑色、青色のカラーフィルタを、各画素14に対応するように配置し、画素電極15に接続されたソース線11に、所望のデータ電圧を供給することによりカラー画像表示を実現する。
【0050】
図3は、画素14の構成を示す平面図である。
図4は、
図3のB−B´線における断面を示す断面図であり、
図5は、
図3のC−C´線における断面を示す断面図である。
図3、4、5を参照しつつ、表示パネル10の具体的な構成について説明する。
【0051】
図3において、隣り合う2本のソース線11と、隣り合う2本のゲート線12とで区画された領域が1つの画素14に相当する。各画素14には、薄膜トランジスタ13が設けられている。
図3に示すように、薄膜トランジスタ13は、絶縁膜121(
図4を参照)上に形成された半導体層17と、半導体層17上に形成されたドレイン電極18及びソース電極19とを含んで構成されている。ドレイン電極18はソース線11に電気的に接続されており、ソース電極19はスルーホール21を介して画素電極15に電気的に接続されている。
【0052】
各画素14には、ITO等の透明導電膜からなる画素電極15が形成されている。画素電極15は、複数の開口部(スリット)を有しており、ストライプ状に形成されている。各画素14に共通して、表示領域全体にITO等の透明導電膜からなる1つの共通電極16が形成されている。なお、共通電極16における、スルーホール21及び薄膜トランジスタ13のソース電極19に重なる領域には、画素電極15とソース電極19とを電気的に接続させるための開口部が形成されている。
【0053】
図4及び
図5に示すように、表示パネル10は、背面側に配置された薄膜トランジスタ基板100と、表示面側に配置されたカラーフィルタ基板200と、薄膜トランジスタ基板100及びカラーフィルタ基板200の間に介在する液晶層300と、を含んでいる。
【0054】
図5に示すように、薄膜トランジスタ基板100では、第1のガラス基板103の表示面側に第1の拡散防止層104を介してゲート線12が形成され、ゲート線12を覆うように絶縁膜121が形成されている。また、
図4に示すように、絶縁膜121の表示面側にはソース線11が形成されており、ソース線11を覆うように絶縁膜122が形成されている。絶縁膜122の表示面側には共通電極16が形成され、共通電極16を覆うように絶縁膜123が形成されている。絶縁膜123の表示面側には画素電極15が形成され、画素電極15を覆うように第1の配向膜124が形成されている。第1のガラス基板103の背面側には、第1の偏光板130が形成されている。
【0055】
カラーフィルタ基板200では、第2のガラス基板203の背面側に第2の拡散防止層204を介してカラーフィルタ素子層220が形成されている。カラーフィルタ素子層220は、ブラックマトリクス222及びカラーフィルタ206(例えば、赤色カラーフィルタ206r、緑色カラーフィルタ206g、青色カラーフィルタ206b)を含む。そして、カラーフィルタ素子層220の背面側を覆うようにオーバコート層223が形成されている。オーバコート層223の背面側には第2の配向膜224が形成されている。第2のガラス基板203の表示面側には、第2の偏光板230が形成されている。
【0056】
液晶層300には、液晶301が封入されている。液晶301は、誘電率異方性が負のネガ型液晶であってもよいし、誘電率異方性が正のポジ型液晶であってもよい。
【0057】
第1の配向膜124、第2の配向膜224は、ラビング配向処理が施された配向膜であってもよいし、光配向処理が施された光配向膜であってもよい。
【0058】
画素14を構成する各部の積層構造は、
図4及び
図5の構成に限定されるものではなく、周知の構成を適用することができる。また本実施形態においては、表示装置1が、IPS(In Plane Switching)方式の構成を有する例を示したが、表示装置1の構成は、上記構成に限定されない。
【0059】
なお、本実施形態においては、反ソース辺を切断するため、第1の辺としてのゲート辺、及び第2の辺としての反ゲート辺において、分断用のマークMを形成する例を示したが、反ゲート辺を切断する場合は、第1の辺をソース辺、第2の辺を反ソース辺とし、ソース辺と反ソース辺とに分断用のマークMを形成してもよい。
【0060】
[変形例]
なお、上述した実施例においては、第1の辺であるゲート辺、及び第2の辺である反ゲート辺において、薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200とが、平面視で重畳されない構成を例示したが、薄膜トランジスタ基板100の第1の辺と、カラーフィルタ基板200の第5の辺と、が平面視で重畳する、又は、薄膜トランジスタ基板100の第2の辺と、カラーフィルタ基板200の第6の辺と、が平面視で重畳する構成や、薄膜トランジスタ基板100の第1の辺と、カラーフィルタ基板200の第5の辺と、が平面視で重畳し、且つ、薄膜トランジスタ基板100の第2の辺と、カラーフィルタ基板200の第6の辺と、が平面視で重畳する構成においても、本開示は有効である。
【0061】
本変形例においては、以下、
図19から
図24を用いて、ゲート辺、反ゲート辺において、薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200とが、平面視で重畳する構成について説明する。即ち、薄膜トランジスタ基板100の第1の辺と、カラーフィルタ基板200の第5の辺と、が平面視で重畳し、且つ、薄膜トランジスタ基板100の第2の辺と、カラーフィルタ基板200の第6の辺と、が平面視で重畳する構成について説明する。
【0062】
図19は、本実施形態の変形例に係る液晶表示装置の概略構成を示す模式的な平面図である。
【0063】
本変形例では、
図19に示すように、第4の辺に、ソースドライバIC20、ゲートドライバIC30の双方を配置しており、第1の辺、及び第2の辺で、薄膜トランジスタ基板100、及びカラーフィルタ基板200が、平面視で重畳する構成としている。
【0064】
本変形例では、分断用の第3のマークM3、及び第4のマークM4を、カラーフィルタ基板200に設ける構成としている。カラーフィルタ基板200の第5の辺には、複数の第3のマークM3を配置しており、第6の辺には、複数の第4のマークM4を配置している。カラーフィルタ基板200に設ける第3のマークM3、第4のマークM4としては、例えばカラーフィルタ素子層220に含まれたブラックマトリクス222を用いることができる。ブラックマトリクス222は、可視光をほとんど透過しないため、視認性の観点からも望ましい。複数の第3のマークM3と、複数の第4のマークM4とは、第7の辺の中心と第8の辺の中心を結ぶ線Lに対して、対称関係にある。
【0065】
図20は、
図19のF部を拡大した模式的な平面図であり、本変形例に係る分断用のマークの一例を示す。
【0066】
本変形例では、
図20に示すように、端辺領域41Aにおいて、ブラックマトリクス222からなる分断用のマークMを配置している。この端辺領域41Aは、カラーフィルタ基板200の第5の辺に沿った領域であり、第5の辺とブラックマトリクス額縁領域40との間の領域である。第5の辺、第6の辺に沿って延伸する端辺領域41Aと、カラーフィルタ206との間には、このブラックマトリクス額縁領域40の一部が配置されている。本変形例においては、この端辺領域41Aにおいて、分断用のマークM(第3のマークM3、第4のマークM4)としてのブラックマトリクス222を配置している。本変形例では、端辺領域41Aの限られたスペース内でマークMを形成する必要があるため、マークMの形状は、
図18に示した形状と異なり、ブラックマトリクス額縁領域40側に底辺を有する三角形状としている。
【0067】
なお、この第3のマークM3、第4のマークM4とブラックマトリクス額縁領域40との間には、
図20に示すように、隙間を設けておくことが望ましい。このような構成とすることにより、端辺側から第3のマークM3、第4のマークM4が腐食するようなことがあっても、この腐食が、ブラックマトリクス額縁領域40にまで伝わってしまうのを抑制することができる。
【0068】
また、
図20に示すように、第5の辺、又は第6の辺において、各辺に沿う方向に、このマークMと離間して配置された目盛Sを設けることが望ましい。このような目盛Sを設けることにより、第1の切断工程、又は第2の切断工程において、実際の切断ラインと所望の切断ラインとの間でずれが生じたような場合、ゲート辺、反ゲート辺それぞれにおいてどれだけのずれが生じているのかを確認することができる。その結果として、ゲート辺、反ゲート辺のずれ量に応じて、切断ラインの再調整を行うことができる。この目盛Sについても、マークM(第3のマークM3、第4のマークM4)と同様に、ブラックマトリクス222を用いて形成することができる。
【0069】
なお、マークMが、カラーフィルタ基板200の端辺領域41Aに設けられた、ブラックマトリクス222のみならず、薄膜トランジスタ基板100に設けられた金属膜を含む構成としてもよい。また、薄膜トランジスタ基板100に設けられた、マークM(第1のマークM1、第2のマークM2)は、カラーフィルタ基板200の端辺領域41Aに設けられた、マークM(第3のマークM3、第4のマークM4)と、平面視で重畳するよう形成してもよい。
【0070】
図23は、
図19のF部を背面側から見て拡大した模式的な平面図である。
図23に示すように、本変形例においては、金属膜からなるマークM(第1のマークM1、第2のマークM2)が、薄膜トランジスタ基板100の第1の辺、及び第2の辺に複数設けられている。第1の辺に設けられた複数の第1のマークM1の少なくとも一部は、カラーフィルタ基板200の端辺領域41Aと平面視で重畳しており、第2のマークM2の少なくとも一部も同様に、カラーフィルタ基板200の端辺領域41Aと平面視で重畳している。
【0071】
更に本実施形態においては、端辺領域41Aに対してゲート辺または反ゲート辺と逆側に配置された金属膜MFと、マークM(第1のマークM1、第2のマークM2)と、の間に隙間を設けている。このような構成とすることにより、端辺側からマークM(第1のマークM1、第2のマークM2)が腐食するようなことがあっても、この腐食が、金属膜MFにまで伝わってしまうのを抑制することができる。
【0072】
また、
図23に示すように、第5の辺、又は第6の辺において、各辺に沿う方向に、このマークM(第1のマークM1、第2のマークM2)と離間して配置された目盛Sを設けることが望ましい。このような目盛Sを設けることにより、第1の切断工程、又は第2の切断工程において、実際の切断ラインと所望の切断ラインとの間でずれが生じたような場合、ゲート辺、反ゲート辺それぞれにおいてどれだけのずれが生じているのかを確認することができる。その結果として、ゲート辺、反ゲート辺のずれ量に応じて、切断ラインの再調整を行うことができる。この目盛Sについても、マークMと同様に、金属膜を用いて形成することができる。
【0073】
なお、薄膜トランジスタ基板100に設ける第1のマークM1、第2のマークM2の形状と、カラーフィルタ基板200に設ける第3のマークM3、第4のマークM4の形状とは、あえて異ならせておくことが望ましい。
図24は、
図19のF部を背面側から見て拡大した模式的な平面図であり、第1のマークM1と第3のマークM3とを重ねて表示した図である。例えば、所望の分断ラインで切断されているか否かを確認する検査を、背面側から行う場合は、薄膜トランジスタ基板100に設ける第1のマークM1を第3のマークM3よりも小さく形成しておく。逆に、所望の分断ラインで切断されているか否かを確認する検査を、表示面側から行う場合は、カラーフィルタ基板200に設ける第3のマークM3を第1のマークM1よりも小さく形成しておく。このような構成とすることにより、薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200とが、ずれて貼り合わされていないかについても検査することが可能となる。
【0074】
図21は、本変形例に係る、
図20のE−E’線の断面を示す断面図であり、
図22は、本変形例における他の実施例に係る、
図20のE−E’線の断面を示す断面図である。
【0075】
図21に示す例では、ゲート線12が配置された層において、ゲート線12と分離して配置された金属膜として、分断用のマークM(第1のマークM1、第2のマークM2)を形成している。分断用のマークM(第1のマークM1、第2のマークM2)をゲート線12の形成工程で同時に形成することができるため、生産性に優れている。また、
図22に示す例では、ソース線11(
図8を参照)が配置された層において、ソース線11と同じ金属膜を用いて、上述した分断用のマークM(第1のマークM1、第2のマークM2)を形成している。分断用のマークM(第1のマークM1、第2のマークM2)をソース線11の形成工程で同時に形成することができるため、生産性に優れている。
【0076】
なお、
図20を用いて説明した目盛Sについても、マークM(第1のマークM1、第2のマークM2)と同様に、薄膜トランジスタ基板100に設けられた金属膜と、カラーフィルタ基板200に設けられたブラックマトリクス222と、を含む構成としてもよい。
【0077】
なお、上述した例においては、薄膜トランジスタ基板100、カラーフィルタ基板200の双方に、マークMを設ける構成を例示したが、薄膜トランジスタ基板100のみにマークM(第1のマークM1、第2のマークM2)を設ける構成としてもよく、カラーフィルタ基板200のみにマークM(第3のマークM3、第4のマークM4)を設ける構成としてもよい。
【0078】
[液晶表示装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る表示装置1の製造方法について説明する。表示装置1の製造方法は、複数のソース線と複数のゲート線を含む薄膜トランジスタ基板100を準備する薄膜トランジスタ基板準備工程(第1基板準備工程)と、カラーフィルタを含むカラーフィルタ基板200を準備するカラーフィルタ基板準備工程(第2基板準備工程)と、薄膜トランジスタ基板100及びカラーフィルタ基板200を、第1のシール部材310Aを用いて貼り合せる基板貼り合わせ工程と、カラーフィルタ基板200を表示パネル10ごとに切断する第1切断工程と、薄膜トランジスタ基板100を表示パネル10ごとに切断する第2切断工程と、端子部(第1の端子部31A、第2の端子部31B)を露出させる第3切断工程等を含んでいる。
【0079】
図6は、基板貼り合せ工程後の状態を示す平面図である。
図11は、
図6のXI−XI線における断面を示す断面図であり、ゲート辺に沿った領域の断面を示す。
図12は、
図6のXII−XII線における断面を示す断面図であり、ソース辺に沿った領域の断面を示す。
図13は、
図6のXIII−XIII線における断面を示す断面図であり、反ソース辺に沿った領域の断面を示す。
図6に示す例では、第1の切断線CL1においてカラーフィルタ基板200を切断し、第2の切断線CL2において薄膜トランジスタ基板100を切断することにより、2枚の表示パネル10(第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10B)を製造する工程を示している。
【0080】
図11、12に示すように、薄膜トランジスタ基板準備工程では、先ず、第1のガラス基板103(マザーガラス)の表示面側に、薄膜トランジスタ素子層120を形成する。薄膜トランジスタ素子層120には、
図4及び
図5等に示した、各構成部材(ソース線11、ゲート線12、薄膜トランジスタ13、画素電極15、共通電極16、絶縁膜121、絶縁膜123等)が含まれる。
【0081】
本実施形態においては、この薄膜トランジスタ素子層120に含まれる、ソース線11、又はゲート線12を形成する際に、
図16、17、21、22を用いて上述した分断用のマークM(第1のマークM1、第2のマークM2、第3のマークM3、及び第4のマークM4)を形成する。
【0082】
次に、薄膜トランジスタ素子層120の表示面側において第1の端子部31A、第2の端子部31Bを形成する。第1の端子部31A、第2の端子部31Bは、後述する基板貼り合わせ工程で、第2のシール部材310Bを形成する領域よりも端辺側に形成する。以上の工程により、薄膜トランジスタ基板100が製造される。
【0083】
なお、薄膜トランジスタ基板準備工程において、薄膜トランジスタ基板100のTFTアレイ22は、第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10Bに応じた形状に形成し、2つのTFTアレイ22が互いに電気的に絶縁された構成としてもよく、第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10Bの双方を覆う一枚のTFTアレイ22を形成してもよい。本実施形態においては、TFTアレイ22を、第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10Bに応じた形状に形成するため、
図13に示すように、薄膜トランジスタ基板100内においてTFTアレイ22が形成されないTFTアレイ非形成領域44が設けられる。なお、このTFTアレイ非形成領域44においても、一部のソース線11やゲート線12が含まれる構成としてもよい。
【0084】
カラーフィルタ基板準備工程では、先ず、第2のガラス基板203(マザーガラス)の背面側に、カラーフィルタ素子層220を形成する。カラーフィルタ素子層220には、
図4及び
図5等に示した、各構成部材(カラーフィルタ206、ブラックマトリクス222等)が含まれる。
【0085】
ここで、
図19から
図22を用いて上述した変形例に示す構成においては、端辺領域41Aの一部にもブラックマトリクス222を形成し、
図19に示したような分断用のマークMを端辺領域41Aに配置する。
【0086】
ここで、本実施形態においては、カラーフィルタ素子層220を、表示パネル10の形状によらず、
図6に示したカラーフィルタ素子層形成領域45にカラーフィルタ素子層220を形成している。そのため、各表示パネル10(第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10B)の形状に合わせて、個別にマスクを準備する必要がなく、予め作成した1枚のマスクを用いて、カラーフィルタ素子層220を形成することが可能となる。なお、本実施形態においては、
図6に示すように、表示パネル10の数に合わせて、2つのカラーフィルタ素子層形成領域45を設ける例を説明するが、
図15に示すように、第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10Bに跨る1つのカラーフィルタ素子層形成領域45を設ける方法としてもよい。更には、カラーフィルタ基板200全面に、カラーフィルタ素子層形成領域45を設ける方法としてもよい。
【0087】
その後、
図11、12に示すように、カラーフィルタ素子層220の背面側を覆うように、オーバコート層223を形成する。以上の工程により、カラーフィルタ基板200が製造される。
【0088】
基板貼り合わせ工程では、先ず、
図11、12に示すように、カラーフィルタ基板準備工程を経て製造されたカラーフィルタ基板200のオーバコート層223の背面側に第2のシール部材310Bを塗布するとともに、
図13に示すように、第1のシール部材310Aを塗布する。ここで、
図6、11、12に示すように、第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10Bにおける、ソース辺、ゲート辺、及び反ゲート辺に沿う領域においては、第2のシール部材310Bをカラーフィルタ素子層非形成領域41に塗布する、第2シール部材配置工程を行う。そのため、第2のシール部材310Bは、カラーフィルタ206と平面視で重畳されない。一方、
図6、13に示すように、第1の切断線CL1にて切断された後に反ソース辺となる領域においては、第1のシール部材310Aを平面視でカラーフィルタ素子層220と重畳するように塗布する。即ち、後述する切断工程でカラーフィルタ基板200を切断する第1の切断線CL1に沿って、カラーフィルタ素子層220に含まれるカラーフィルタ206と、平面視で重畳されるよう、第1のシール部材310Aを塗布する。また、その際、
図11、12、13に示すように、カラーフィルタ基板200と薄膜トランジスタ基板100との間隔を調整する複数のスペーサ302を、カラーフィルタ基板200と薄膜トランジスタ基板100との間に配置しておく。
【0089】
その後、カラーフィルタ基板200のオーバコート層223の背面側に液晶301を滴下する。次に、薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200とを貼り合わせ、紫外線を照射し第1のシール部材310A、第2のシール部材310Bを硬化させる。なお、薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルタ基板200を貼り合わせた後、液晶301を第1のシール部材310A、第2のシール部材310Bに囲われた領域内に注入する方法としても構わない。
【0090】
本実施形態においては、上述したとおり、TFTアレイ22を、第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10Bに応じた形状に、電気的に絶縁された状態で形成する。そのため、
図15に示すように、2つの表示パネル10(第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10B)に跨る1つのカラーフィルタ素子層形成領域45を設ける方法とした場合、一つのカラーフィルタ素子層形成領域45が、薄膜トランジスタ基板100において相互に電気的に絶縁された複数のTFTアレイ22の形成領域と対向することとなる。即ち、基板貼り合わせ工程において、一つのカラーフィルタ素子層220形成領域が、第1の表示パネル10AにおけるTFTアレイ22、及び第2の表示パネル10BにおけるTFTアレイ22と対向することとなる。
【0091】
更に、本実施形態においては、
図6に示すように、反ソース辺に沿う領域に、第1のシール部材310Aと並走する第3のシール部材310Cを塗布する第3シール部材配置工程を行う。第3のシール部材310Cは、第1の表示パネル10Aにおいて、第1のシール部材310Aよりも内側に形成する。
【0092】
第1切断工程では、上述した基板貼り合せ工程後に、カラーフィルタ基板200を第1の表示パネル10Aと第2の表示パネル10Bとに分離し、第2切断工程では、薄膜トランジスタ基板100を第1の表示パネル10A、及び第2の表示パネル10Bの形状に合わせて切断する。
【0093】
本実施形態においては、カラーフィルタ基板200を、
図6に示す第1の切断線CL1で切断する第1切断工程を行い、カラーフィルタ素子層220の形状を、予め形成していたカラーフィルタ素子層形成領域45よりも、ゲート辺の長さが短い矩形状とする。
【0094】
ここで、
図6に示すように、第1の切断線CL1は、ゲート辺に設けた一つの分断用の第1のマークM1と、反ゲート辺に設けた一つの分断用の第2のマークM2と重畳しており、且つこの第1の切断線CL1が、カラーフィルタ素子層220と平面視で重畳している。なお、第1の切断線CL1と第2の切断線CL2とが異なる場合は、それぞれの切断線に合わせて、複数のマークMを配置しておいてもよいが、
図6においては、図示の便宜上、第1の切断線CL1と重畳するマークMのみを表示している。
【0095】
また、薄膜トランジスタ基板100を、
図6に示す第2の切断線CL2で切断する第2切断工程を行う。なお、第1切断工程と第2切断工程は同時に行ってもよく、別工程としてもよい。切断方法としては、例えば、
図6に示した第1の切断線CL1、第2の切断線CL2に沿って、赤外線レーザ、赤外ランプなどを用いた赤外線照射を行う、あるいは第1の切断線CL1、第2の切断線CL2に沿ってカッター等により切断する。この第1の切断工程により、複数の第1のマークM1の内の一つ、複数の第2のマークM2の内の一つ、及びカラーフィルタ基板200の反ソース辺が平面視で重畳する。また、第2の切断工程により、複数の第1のマークM1の内の一つ、複数の第2のマークM2の内の一つ、及び薄膜トランジスタ基板100の反ソース辺が平面視で重畳する。
【0096】
図13は、
図6のXIII−XIII断面図であり、反ソース辺に沿った領域の断面を示す。
図13に示すように、第1の切断線CL1を面内に含む第1の切断面CS1において、カラーフィルタ基板200からカラーフィルタ206が露出される。
【0097】
また、本実施形態においては、TFTアレイ22を、第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10Bに応じた形状に形成しているため、
図13に示すように、薄膜トランジスタ素子層120に含まれるソース線11、ゲート線12が、第2の切断線CL2から露出されない構成としている。なお、薄膜トランジスタ基板100がTFTアレイ22を有さないTFTアレイ非形成領域44においても、ソース線、ゲート線12の一部が含まれる構成としても構わない。
【0098】
なお、上述した薄膜トランジスタ基板準備工程において、TFTアレイ22を第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10B双方を覆う一枚のTFTアレイとして形成した場合、第2の切断線CL2と、ソース線11、ゲート線12の少なくとも一部とが、平面視で重畳し、第2の切断線CL2を含む第2の切断面CS2から、薄膜トランジスタ素子層120に含まれるソース線11、ゲート線12の内の少なくとも一方が露出される構成となる。
【0099】
なお、
図13に示す例においては、カラーフィルタ基板200を切断する第1の切断面CS1と、薄膜トランジスタ基板100を切断する第2の切断面CS2とが異なる切断面である例を示しているが、第1の切断面CS1と第2の切断面CS2とを同一の切断面とする製造方法としてもよい。ただし、後述する樹脂膜形成工程を行うことを考慮すると、第1の切断面CS1と第2の切断面CS2とは、異なる切断面とすることが望ましい。
【0100】
図14は、カラーフィルタ基板200を第1の切断線CL1で切断する第1切断工程を行った後、薄膜トランジスタ基板100を第2の切断線CL2で切断する第2切断工程を行う前の状態を示す平面図である。
図14を用いて、第3切断工程について説明する。第3切断工程では、
図14に示すように、カラーフィルタ基板200における平面視で第1の端子部31A、第2の端子部31Bに重なる部分を除去する。具体的には、ゲート辺に沿った第3の切断線CL3においてカラーフィルタ基板200を切断することにより、ゲートドライバIC30が搭載される第1の端子部31Aを露出させる。また、ソース辺に沿った第4の切断線CL4おいてカラーフィルタ基板200を切断することにより、ソースドライバIC20が搭載される第2の端子部31Bを露出させる。
【0101】
ここで、
図14に示すように、第1の表示パネル10Aと第2の表示パネル10Bとは隣り合い、且つ第1の表示パネル10Aのゲート辺が配置される側に、第2の表示パネル10Bの反ゲート辺が配置され、第1の表示パネル10Aの反ゲート辺が配置される側に、第2の表示パネル10Bのゲート辺が配置される構成となっている。そのため、第3の切断線CL3でカラーフィルタ基板200を切断する際に、ゲートドライバIC30が搭載されない、第1の表示パネル10Aの反ゲート辺、及び第2の表示パネル10Bの反ゲート辺についても切断することとなる。その結果として、
図1において示したように、ゲートドライバIC30が搭載されない反ゲート辺においても、カラーフィルタ基板200の端面と薄膜トランジスタ基板100の端面とが、平面視で重畳されない構成となる。
【0102】
なお、第3切断工程は、薄膜トランジスタ基板100を第2の切断線CL2で切断する第2切断工程の後に行ってもよい。
【0103】
図9は、遮光テープ貼り付け工程がなされた状態を示す断面図である。遮光テープ貼り付け工程では、
図9に示すように、TFTアレイが形成されていないTFTアレイ非形成領域44における、カラーフィルタ基板200の表示面側に、例えば黒色の遮光テープ402を貼り付ける。遮光テープ402をTFTアレイ非形成領域44におけるカラーフィルタ基板200の表示面側に貼り付けることにより、バックライトの光が、TFTアレイ非形成領域44の表示面側に漏れ出るのを抑制することができる。
【0104】
図10は、樹脂膜形成工程がなされた状態を示す断面図である。樹脂膜形成工程では、
図10に示したように、カラーフィルタ基板200の切断面である第1の切断面CS1を覆う樹脂膜401を塗布する。樹脂膜401が、第1の切断面CS1を覆うことにより、水分がカラーフィルタ素子層220に浸入するのを抑制することができる。なお、樹脂膜401が、カラーフィルタ基板200の端面のみならず、薄膜トランジスタ素子層120の端面も覆う構成としてもよい。
【0105】
この樹脂材塗布工程を行う場合を考慮すると、第1切断工程、及び第2切断工程において上述した通り、第1の切断面CS1と、薄膜トランジスタ基板100の切断面である第2の切断面CS2とは、異なる切断面とすることが望ましい。第1の切断面CS1と第2の切断面CS2とが異なる切断面であるほうが、樹脂膜401を塗布しやすく、且つ樹脂膜401の留まりが良いためである。
【0106】
以上の工程を経て、表示装置1が製造される。上記製造方法によれば、カラーフィルタ基板準備工程において、表示パネル10(第1の表示パネル10A、第2の表示パネル10B)の形状によらず、予め準備した1枚のマスクを用いてカラーフィルタ素子層220を形成することができるため、各表示パネル10の形状に合わせてマスクを個別に準備することなく、カラーフィルタ素子層220を形成することが可能となる。その結果として、生産効率の更なる向上が可能となる。
【0107】
また、第1の辺、第2の辺に沿って複数の分断用のマークMを形成することにより、上述した第1の切断工程、又は第2の切断工程において、カラーフィルタ基板200、又は薄膜トランジスタ基板100が、所望の分断ラインで切断されているか否かを確認することができる。
【0108】
更に、上述した目盛Sを設けることにより、第1の切断工程、又は第2の切断工程において、実際の切断ラインと所望の切断ラインとの間で、ずれが生じたような場合、第1の辺、第2の辺それぞれにおいてどれだけのずれが生じているのかを確認することができる。その結果として、第1の辺、第2の辺のずれ量に応じて、切断ラインの再調整を行うことができる。
【0109】
なお、本実施形態においては、矩形状の表示パネル10を形成する例を用いて説明したが、表示パネル10の形状は矩形状に限定されず、例えば湾曲状の辺を有する形状としても構わない。
【0110】
以上、第1の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。また、上述した製造工程は、適宜その順序を変えてもよく、本実施形態において説明した順序に限定される必要はない。