【解決手段】 支持部材1と、透光性を有するカバー5と、支持部材1およびカバー5によって規定された収容空間7に収容され、カバーを透してz方向における一方側に光を発するVCSEL素子4と、を備える半導体発光装置A1であって、収容空間7を外部に通じさせる通気部6を備える。
前記支持部材は、樹脂からなり前記第1方向視において前記VCSEL素子を囲む内側面および前記第1方向一方側を向く第1面を有する支持部材第1部を含む、請求項1に記載の半導体発光装置。
前記溝部は、前記内側面から前記第2方向に延びる第1部、前記第1部に繋がり且つ前記第2方向と交差する方向に延びる第2部および前記第2部に繋がり且つ前記第2方向に延びる第3部を有する、請求項7に記載の半導体発光装置。
前記第1方向視において前記溝部が前記内側面に開口する第1開口領域は、前記溝部が外部に開口する第2開口領域よりも小さい、請求項7ないし10のいずれかに記載の半導体発光装置。
前記第1方向視において前記溝部が前記収容空間に開口する第1開口領域は、前記溝部が外部に開口する第2開口領域よりも大きい、請求項7ないし10のいずれかに記載の半導体発光装置。
前記第1方向視において前記溝部が前記収容空間に開口する第1開口領域は、前記溝部が外部に開口する第2開口領域と同じ大きさである、請求項7ないし10のいずれかに記載の半導体発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1〜
図11は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置を示している。本開示の半導体発光装置A1は、支持部材1、VCSEL素子4、カバー5、通気部6および収容空間7を備えている。
【0013】
図1は、半導体発光装置A1を示す斜視図である。
図2は、半導体発光装置A1を示す要部平面図である。
図3は、
図2のIII−III線に沿う断面図である。
図4は、
図2のIV−IV線に沿う断面図である。
図5は、
図2のV−V線に沿う断面図である。
図6は、
図2のVI−VI線に沿う断面図である。
図7は、
図2のVII−VII線に沿う断面図である。
図8は、半導体発光装置A1を示す要部拡大平面図である。
図9は、
図8のIX−IX線に沿う要部拡大断面図である。
図10は、半導体発光装置A1のVCSEL素子を示す拡大断面斜視図である。
図11は、半導体発光装置A1のVCSEL素子を示す要部拡大断面図である。これらの図において、z方向は、本開示の第1方向に相当し、x方向は、本開示の第2方向に相当し、y方向は、本開示の第3方向に相当する。なお、
図2および
図8においては、理解の便宜上、カバー5を省略している。
【0014】
半導体発光装置A1の形状や大きさは特に限定されない。図示された例においては、半導体発光装置A1は、直方体形状である。半導体発光装置A1のx方向寸法は、たとえば1.6mm〜4.0mm程度であり、y方向寸法は、たとえば0.6mm〜2.0mm程度であり、z方向寸法は、たとえば0.3mm〜0.8mm程度である。
【0015】
支持部材1は、VCSEL素子4を支持するものである。支持部材1の構成は特に限定されず、本実施形態においては、支持部材1は、支持部材第1部2、第1導通部材3Aおよび第2導通部材3Bを有する。
【0016】
第1導通部材3Aおよび第2導通部材3Bは、x方向において互いに離間して配置されている。第1導通部材3Aは、x方向一方側に位置しており、第2導通部材3Bは、x方向他方側に位置している。第1導通部材3Aおよび第2導通部材3Bは、いずれも導電性材料からなり、たとえばCu等の金属からなる。また、第1導通部材3Aおよび第2導通部材3Bは、たとえばリードフレームを切断加工すること等によって形成してもよい。また、第1導通部材3Aおよび第2導通部材3Bの適所には、Ag、Ni、Pd、Au等のめっきを施してもよい。第1導通部材3Aおよび第2導通部材3Bのz方向寸法は、たとえば0.1mm〜0.2mmである。
【0017】
第1導通部材3Aは、第1面31A、第2面32A、第1部301A、第2部302A、第3部303A、第4部304A、第5部305A、第6部306A、第7部307Aおよび第8部308Aを有する。第1導通部材3Aには、VCSEL素子4が搭載されている。
【0018】
第1面31Aは、z方向一方側(
図3における図中上側)を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角である平坦な面である。第2面32Aは、第1面31Aとは反対側のz方向他方側(
図3における図中下側)を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角である平坦な面である。図示された例においては、第2面32Aは、z方向視において第1面31Aよりも小さく、z方向視において第1面31Aに内包されている。第2面32Aは、たとえば半導体発光装置A1が回路基板等に実装される際に、はんだ等によって接合される部位として用いられる。
【0019】
第1部301Aは、z方向視において第1面31Aおよび第2面32Aの双方が重なる部位である。すなわち、第1部301Aは、第1面31Aの一部と第2面32Aのすべてを含む部位である。第1部301Aのz方向最大寸法は、第1導通部材3Aのz方向最大寸法と同じである。図示された例においては、第1部301Aのz方向寸法は、一定である。図示された例においては、第1部301Aは、z方向視において矩形状である。
【0020】
第2部302Aは、第1部301Aからx方向一方側(
図2〜
図4における図中左側)に延出している。第2部302Aは、第1面31Aの一部を有しており、第2面32Aを有していない。第2部302Aのz方向寸法は、第1部301Aのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第2部302Aのy方向寸法は、第1部301Aのy方向寸法と同じか若干大きい。第2部302Aは、第1部301Aから第2導通部材3Bとは反対側に向かって延出しているといえる。
【0021】
第3部303Aは、第1部301Aからx方向他方側(
図2〜
図4における図中右側)に延出している。第3部303Aは、第1面31Aの一部を有しており、第2面32Aを有していない。第3部303Aのz方向寸法は、第1部301Aのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第3部303Aのy方向寸法は、第1部301Aのy方向寸法と同じか若干大きい。第3部303Aは、第1部301Aから第2導通部材3Bに向かって延出しているといえる。
【0022】
第4部304Aは、第1部301Aからy方向一方側(
図5および
図6における図中左側)に延出している。第4部304Aは、第1面31Aの一部を有しており、第2面32Aを有していない。第4部304Aのz方向寸法は、第1部301Aのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第4部304Aのx方向寸法は、第1部301Aのx方向寸法と同じか若干大きい。
【0023】
第5部305Aは、第1部301Aからy方向他方側(
図5および
図6における図中右側)に延出している。第5部305Aは、第1面31Aの一部を有しており、第2面32Aを有していない。第5部305Aのz方向寸法は、第1部301Aのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第5部305Aのx方向寸法は、第1部301Aのx方向寸法と同じか若干大きい。
【0024】
第6部306Aは、第2部302Aからx方向一方側(
図2〜
図4における図中左側)に延出している。第6部306Aは、第1面31Aの一部を有しており、第2面32Aを有していない。第6部306Aのz方向寸法は、第1部301Aのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第6部306Aのy方向寸法は、第1部301Aのx方向寸法よりも小さく、第2部302Aのx方向寸法よりも小さい。
【0025】
第7部307Aは、第4部304Aからy方向一方側(
図5および
図6における図中左側)に延出している。第7部307Aは、第1面31Aの一部を有しており、第2面32Aを有していない。第7部307Aのz方向寸法は、第1部301Aのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第7部307Aのx方向寸法は、第1部301Aのx方向寸法よりも小さく、第4部304Aのx方向寸法よりも小さい。
【0026】
第8部308Aは、第5部305Aからy方向他方側(
図5および
図6における図中右側)に延出している。第8部308Aは、第1面31Aの一部を有しており、第2面32Aを有していない。第8部308Aのz方向寸法は、第1部301Aのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第8部308Aのx方向寸法は、第1部301Aのx方向寸法よりも小さく、第5部305Aのx方向寸法よりも小さい。
【0027】
第2導通部材3Bは、第1面31B、第2面32B、第1部301B、第2部302B、第3部303B、第4部304B、第5部305B、第6部306B、第7部307Bおよび第8部308Bを有する。第2導通部材3Bは、VCSEL素子4と導通している。
【0028】
第1面31Bは、z方向一方側(
図3における図中上側)を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角である平坦な面である。第2面32Bは、第1面31Bとは反対側のz方向他方側(
図3における図中下側)を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角である平坦な面である。図示された例においては、第2面32Bは、z方向視において第1面31Bよりも小さく、z方向視において第1面31Bに内包されている。また、図示された例においては、第1面31Bは、z方向視において第1面31Aよりも小さい。また、第2面32Bは、z方向視において第2面32Aよりも小さい。第2面32Bは、たとえば半導体発光装置A1が回路基板等に実装される際に、はんだ等によって接合される部位として用いられる。
【0029】
第1部301Bは、z方向視において第1面31Bおよび第2面32Bの双方が重なる部位である。すなわち、第1部301Bは、第1面31Bの一部と第2面32Bのすべてを含む部位である。第1部301Bのz方向最大寸法は、第2導通部材3Bのz方向最大寸法と同じである。図示された例においては、第1部301Bのz方向寸法は、一定である。図示された例においては、第1部301Bは、z方向視において矩形状である。また、図示された例においては、第1部301Bは、z方向視において第1部301Aよりも小さい。
【0030】
第2部302Bは、第1部301Bからx方向一方側他方側(
図2〜
図4における図中右側)に延出している。第2部302Bは、第1面31Bの一部を有しており、第2面32Bを有していない。第2部302Bのz方向寸法は、第1部301Bのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第2部302Bのy方向寸法は、第1部301Bのy方向寸法と同じか若干大きい。第2部302Bは、第1部301Bから第1導通部材3Aとは反対側に向かって延出しているといえる。
【0031】
第3部303Bは、第1部301Bからx方向一方側(
図2〜
図4における図中左側)に延出している。第3部303Bは、第1面31Bの一部を有しており、第2面32Bを有していない。第3部303Bのz方向寸法は、第1部301Bのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第3部303Bのy方向寸法は、第1部301Bのy方向寸法と同じか若干大きい。第3部303Bは、第1部301Bから第1導通部材3Aに向かって延出しているといえる。
【0032】
第4部304Bは、第1部301Bからy方向一方側(
図7における図中左側)に延出している。第4部304Bは、第1面31Bの一部を有しており、第2面32Bを有していない。第4部304Bのz方向寸法は、第1部301Bのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第4部304Bのx方向寸法は、第1部301Bのx方向寸法と同じか若干大きい。
【0033】
第5部305Bは、第1部301Bからy方向他方側(
図7における図中右側)に延出している。第5部305Bは、第1面31Bの一部を有しており、第2面32Bを有していない。第5部305Bのz方向寸法は、第1部301Bのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第5部305Bのx方向寸法は、第1部301Bのx方向寸法と同じか若干大きい。
【0034】
第6部306Bは、第2部302Bからx方向他方側(
図2〜
図4における図中右側)に延出している。第6部306Bは、第1面31Bの一部を有しており、第2面32Bを有していない。第6部306Bのz方向寸法は、第1部301Bのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第6部306Bのy方向寸法は、第1部301Bのx方向寸法よりも小さく、第2部302Bのx方向寸法よりも小さい。
【0035】
第7部307Bは、第4部304Bからy方向一方側(
図2における図中下側)に延出している。第7部307Bは、第1面31Bの一部を有しており、第2面32Bを有していない。第7部307Bのz方向寸法は、第1部301Bのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第7部307Bのx方向寸法は、第1部301Bのx方向寸法よりも小さく、第4部304Bのx方向寸法よりも小さい。
【0036】
第8部308Bは、第5部305Bからy方向他方側(
図2における図中上側)に延出している。第8部308Bは、第1面31Bの一部を有しており、第2面32Bを有していない。第8部308Bのz方向寸法は、第1部301Bのz方向寸法よりも小である。図示された例においては、第8部308Bのx方向寸法は、第1部301Bのx方向寸法よりも小さく、第5部305Bのx方向寸法よりも小さい。
【0037】
支持部材第1部2は、たとえばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の絶縁材料からなり、本実施形態においては、第1導通部材3Aおよび第2導通部材3Bの一部ずつを覆っている。図示された例においては、支持部材第1部2は、第1面21、第2面22、第3面23、第4面24、第5面25、第6面26、内側面27、第8面28および溝部211を有する。
【0038】
第1面21は、z方向一方側を向く面である。図示された例においては、第1面21は、z方向に対して直角な平坦な面である。また、図示された例においては、第1面21は、z方向視において矩形環状である。
【0039】
第2面22は、第1面21とは反対側のz方向他方側を向く面である。図示された例においては、第2面22は、z方向に対して直角な平坦な面である。また、図示された例においては、第2面22からは、第1導通部材3Aの第2面32Aと第2導通部材3Bの第2面32Bとが露出している。第2面22と第2面32Aおよび第2面32Bとは、たとえば面一である。
【0040】
第3面23は、x方向一方側(
図3における図中左側)を向く面であり、第1面21と第2面22とに繋がっている。図示された例においては、第3面23は、x方向に対して直角な面である。第3面23からは、第1導通部材3Aの第6部306Aが露出している。
【0041】
第4面24は、x方向他方側(
図3における図中右側)を向く面であり、第1面21と第2面22とに繋がっている。図示された例においては、第4面24は、x方向に対して直角な面である。第4面24からは、第2導通部材3Bの第6部306Bが露出している。
【0042】
第5面25は、y方向一方側(
図5における図中左側)を向く面であり、第1面21と第2面22とに繋がっている。図示された例においては、第5面25は、y方向に対して直角な面である。第5面25からは、第1導通部材3Aの第7部307Aおよび第2導通部材3Bの第7部307Bが露出している。
【0043】
第6面26は、y方向他方側(
図5における図中右側)を向く面であり、第1面21と第2面22とに繋がっている。図示された例においては、第6面26は、y方向に対して直角な面である。第6面26からは、第1導通部材3Aの第8部308Aおよび第2導通部材3Bの第8部308Bが露出している。
【0044】
内側面27は、
図2に示すように、z方向視において環状をなしており、第3面23、第4面24、第5面25および第6面26とは反対側の内側を向く面である。図示された例においては、内側面27は、内側面第1部271、内側面第2部272、内側面第3部273および内側面第4部274を有している。内側面27は、第1面31Aの一部および第2面32Aの一部をそれぞれ露出されている。
【0045】
内側面第1部271は、x方向一方側に位置しており、x方向他方側を向いている。図示された例においては、内側面第1部271は、z方向に対して若干傾いた平坦な面である。
【0046】
内側面第2部272は、x方向他方側に位置しており、x方向一方側を向いている。図示された例においては、内側面第2部272は、z方向に対して若干傾いた平坦な面である。
【0047】
内側面第3部273は、y方向一方側に位置しており、y方向他方側を向いている。図示された例においては、内側面第3部273は、z方向に対して若干傾いた平坦な面である。
【0048】
内側面第4部274は、y方向他方側に位置しており、y方向一方側を向いている。図示された例においては、内側面第4部274は、z方向に対して若干傾いた平坦な面である。
【0049】
本例においては、支持部材第1部2は、第1導通部材3Aの第2部302A、第3部303A、第4部304A、第5部305A、第6部306A、第7部307Aおよび第8部308Aと、第2導通部材3Bの第2部302B、第3部303B、第4部304B、第5部305B、第6部306B、第7部307Bおよび第8部308Bとをz方向他方側から覆っている。
【0050】
第8面28は、z方向視において内側面27に囲まれた領域に位置し、z方向一方側(
図3における上側)を向く面である。
図2および
図3に示すように、本実施形態においては、第8面28は、内側面第3部273および内側面第4部274に繋がっており、第1導通部材3Aの第1面31A(第3部303A)と第2導通部材3Bの第1面31B(第3部303B)との間に位置している。図示された例においては、第8面28は、第1面31Aおよび第1面31Bと面一である平坦な面である。
【0051】
溝部211は、第1面21から凹んでおり、内側面27と支持部材第1部2の外部とに到達している。支持部材第1部2の外部としては、本実施形態においては、第3面23、第4面24、第5面25および第6面26が該当する。溝部211の具体的な形状や大きさおよび位置は特に限定されない。図示された例においては、溝部211は、y方向他方側において内側面27に到達している。より具体的には、溝部211は、内側面第2部272と第4面24とに到達している。
【0052】
図示された例においては、溝部211は、x方向に対して傾いた方向に延びている。すなわち、溝部211が内側面27(内側面第2部272)に開口する領域である第1開口領域S1と、溝部211が外部(第4面24)に開口する領域である第2開口領域S2とは、y方向に互いにずれた位置関係である。
【0053】
図示された例においては、第1開口領域S1は、y方向において内側面第4部274寄りに位置しており、より具体的には、内側面第4部274に隣接している。第2開口領域S2は、第1開口領域S1よりもy方向において内側面第4部274から離間した位置に設けられている。図示された例においては、第1開口領域S1と第2開口領域S2とのy方向寸法は同じである。
【0054】
図8および
図9に示すように、図示された例においては、溝部211は、第1面2111、一対の第2面2112、第3面2113および第4面2114を有する。
【0055】
第1面2111は、溝部211のうちz方向最深部に位置する面である。図示された例においては、第1面2111は、z方向に対して直角である平坦な面である。一対の第2面2112は、第1面2111と第1面21とをそれぞれ繋いでいる。図示された例においては、一対の第2面2112は、z方向に対して若干傾いているが、これに限定されるものではない。
【0056】
第3面2113は、第4面24と一方の第2面2112との間に介在している。第3面2113は、z方向視において凸形状の曲面である。なお、第4面24と他方の第2面2112との間に、第3面2113と類似の曲面が介在してもよい。
【0057】
第4面2114は、内側面第2部272と他方の第2面2112との間に介在している。第4面2114は、z方向視において凸形状の曲面である。なお、内側面第2部272と一方の第2面2112との間に、第4面2114と類似の曲面が介在してもよい。
【0058】
VCSEL素子4は、半導体発光装置A1における光源であり、所定の波長帯の光を発する。VCSEL素子4は、第1導通部材3Aの第1部301Aにダイボンディングされており、第1導通部材3Aの第1面31Aに搭載されている。
【0059】
図3に示すように、VCSEL素子4は、平面視において第1電極41と複数の発光領域460が設けられている。第1電極41は、x方向他方側寄り(第2導通部材3B寄り)に配置されている。複数の発光領域460は、VCSEL素子4の平面視において第1電極41を除く領域に離散配置されている。
【0060】
図10および
図11に示すように、本例のVCSEL素子4は、第1電極41、第2電極42、第2基板451、第4半導体層452、活性層453、第5半導体層454、電流狭窄層455、絶縁層456および導電層457を備え、複数の発光領域460が形成されている。なお、同図に示す構成例は、VCSEL素子4としてのVCSEL素子の一例であり、本構成に限定されるものではない。
図11は、1つの発光領域460を含む部分を拡大して示している。
【0061】
第2基板451は、は半導体よりなる。第2基板451を構成する半導体は、たとえば、GaAsである。第2基板451を構成する半導体は、GaAs以外であってもよい。
【0062】
活性層453は、自然放出および誘導放出によって、たとえば、980nm帯(以下、「λa」とする)の波長の光を放出する化合物半導体により構成されている。活性層453は、第4半導体層452と第5半導体層454との間に位置している。
【0063】
第4半導体層452は、典型的にはDBR(Distributed Bragg Reflector)層であり、第2基板451に形成されている。第4半導体層452は第1導電型を有する半導体よりなる。本例では第1導電型はn型である。第4半導体層452は、活性層453から発せられる光を効率よく反射させるためのDBRとして構成されている。より具体的には、活性層453は、厚さλa/4のAlGaAs層であってそれぞれ反射率が異なる2層からなるペアを、複数段重ね合わせることにより構成されている。
【0064】
第5半導体層454は、典型的にはDBR層であり、第2導電型を有する半導体よりなる。本例では第2導電型はp型である。本実施形態とは異なり、第1導電型がp型であり、第2導電型がn型であってもよい。第5半導体層454および第2基板451の間に、第4半導体層452が位置している。第5半導体層454は、活性層453から発せられる光を効率よく反射させるためのDBRとして構成されている。より具体的には、第5半導体層454は、厚さλa/4のAlGaAs層であってそれぞれ反射率が異なる2層からなるペアを、複数段重ね合わせることにより構成されている。
【0065】
電流狭窄層455は、第5半導体層454内に位置している。電流狭窄層455はたとえばAlを多く含み、酸化しやすい層からなる。電流狭窄層455は、この酸化しやすい層を酸化することにより形成される。電流狭窄層455は、酸化によって形成される必要は必ずしもなく、その他の方法(たとえばイオン注入)によって形成されてもよい。電流狭窄層455には開口4551が形成されている。開口4551を電流が流れる。
【0066】
絶縁層456は第5半導体層454に形成されている。絶縁層456は、たとえば、SiO
2よりなる。絶縁層456には、開口4561が形成されている。
【0067】
導電層457は、絶縁層456に形成されている。導電層457は導電材料(たとえば金属)よりなる。導電層457は、絶縁層456の開口4561を通じて第5導電354に導通している。導電層457は、開口4571を有する。
【0068】
発光領域460は、活性層453からの光が直接または反射の後に出射される領域である。本例においては、発光領域460は、平面視円環形状であるが、その形状は特に限定されない。発光領域460は、上述した第5半導体層454、電流狭窄層455、絶縁層456および導電層457が積層され、電流狭窄層455の開口4551、絶縁層456の開口4561および導電層457の開口4571等が形成されることにより設けられている。発光領域460においては、活性層453からの光が、導電層457の開口4571を通じて出射される。
【0069】
第1電極41は、たとえば金属からなり、第5半導体層454に導通している。第2電極42は、第2基板451の裏面に形成されており、たとえば金属からなる。第2電極42は、たとえばAg等の金属を含むペーストまたははんだ等によって第1部301A(第1面31A)にダイボンディングされている。これにより、第2電極42は、第1導通部材3Aと導通している。
【0070】
本実施形態においては、第1電極41は、第1導電接合材49を介して第2導通部材3Bと導通している。第1電極41は、たとえばAu等の金属からなり、第1電極41と第2導通部材3Bの第1部301B(第1面31B)にそれぞれボンディングされている。
【0071】
図示された例においては、
図2に示すように、支持部材1のx方向における中心線CL1と、VCSEL素子4のx方向における中心線CL2とは、互いにずれている。また、第1開口領域S1は、x方向視においてVCSEL素子4と重ならない位置に設けられている。第2開口領域S2は、x方向視においてVCSEL素子4と重なる位置に設けられており、図示された例においては、第2開口領域S2のすべてがVCSEL素子4が重なっている。
【0072】
カバー5は、VCSEL素子4からの光を透過させる材質からなり、たとえば透明なガラスや樹脂等からなる。カバー5は、支持部材1に固定されており、本実施形態においては、支持部材第1部2の第1面21に接合層59を介して接合されている。接合層59は、たとえば樹脂等を主成分とする接着剤である。
【0073】
カバー5の形状や大きさは特に限定されず、図示された例においては、カバー5は、z方向視矩形状の板状である。カバー5は、第1面51、第2面52、第3面53、第4面54、第5面55および第6面56を有する。
【0074】
第1面51は、z方向一方側を向く面である。第2面52は、z方向において第1面51とは反対側の他方側を向く面である。第3面53は、x方向一方側を向く面であり、図示された例においては、第3面23と面一である。第4面54は、x方向他方側を向く面であり、第4面24と面一である。第5面55は、y方向一方側を向く面であり、図示された例においては、第5面25と面一である。第6面56は、y方向他方側を向く面であり、図示された例においては、第6面26と面一である。
【0075】
図示された例においては、カバー5の第2面52と支持部材第1部2の第1面21とが、接合層59によって接合されている。なお、
図7に示すように、本例においては、接合層59は、支持部材第1部2の溝部211を避けた位置に設けられている。
【0076】
収容空間7は、VCSEL素子4を収容する空間である。本実施形態においては、収容空間7は、支持部材1およびカバー5によって囲まれた空間である。より具体的には、収容空間7は、支持部材第1部2の内側面27および第8面28、第1導通部材3Aの第1面31A、第2導通部材3Bの第1面31Bおよびカバー5の第2面52によって囲まれた空間である。
【0077】
通気部6は、収容空間7を半導体発光装置A1の外部に通じさせている。本実施形態においては、収容空間7は、支持部材第1部2の溝部211とカバー5の第2面52とによって構成されている。
図9によく表れているように、収容空間7は、第1面2111、一対の第2面2112および第2面52によって囲まれている。また、図示された例においては、第2面52と溝部211との間には接合層59は、設けられていない。第1開口領域S1および第2開口領域S2は、それぞれ通気部6の開口領域となっている。すなわち、本例の通気部6は、内側面27の内側面第2部272と第4面24とに到達している。
【0078】
次に、半導体発光装置A1の作用について説明する。
【0079】
本実施形態によれば、収容空間7は、通気部6を介して外部に通じている。半導体発光装置A1がたとえば回路基板に実装される際に、リフロー炉等において加熱されると、収容空間7内の気体が膨張する。この膨張した気体を、通気部6を通じて外部へと導くことが可能である。これにより、収容空間7の内圧が不当に高くなることを回避し、たとえばカバー5が支持部材1から外れてしまうことを抑制することが可能である。したがって、半導体発光装置A1の信頼性を高めることができる。
【0080】
本実施形態においては、支持部材第1部2に溝部211を設けることにより、通気部6が構成されている。支持部材第1部2は、たとえば樹脂からなり、たとえば金型成形される。このような支持部材第1部2には、より精度良く溝部211を形成することが可能である。したがって、所望の位置に、所望の形状および大きさの溝部211(通気部6)を設けることが可能である。
【0081】
図2に示すように、通気部6(溝部211)は、x方向他方側から収容空間7に通じている。半導体発光装置A1においては、VCSEL素子4は、第1導通部材3Aが位置するx方向一方側に配置されている。このため、VCSEL素子4と通気部6との距離を拡大することが可能であり、通気部6から意図しない物体(たとえば洗浄液等)が仮に浸入したとしても、この物体がVCSEL素子4に到達することを抑制することができる。VCSEL素子4の中心線CL2が支持部材1の中心線CL1よりもx方向一方側に位置することは、VCSEL素子4の保護に好ましい。
【0082】
通気部6(溝部211)がx方向に対して傾いて設けられていることにより、意図しない物体が通気部6に浸入する経路を延長することが可能である。これは、VCSEL素子4の保護に好ましい。
【0083】
第1開口領域S1がx方向視においてVCSEL素子4とずれていることにより、通気部6から浸入した意図しない物体がVCSEL素子4に到達することをより確実に抑制することができる。
【0084】
金属からなる第1導通部材3AにVCSEL素子4を搭載することにより、VCSEL素子4からの熱を外部へとより効率よく放熱することができる。第1導通部材3Aが、第2部302A、第3部303A、第4部304A、第5部305A、第6部306A、第7部307Aおよびを第8部308Aを有することは、第1導通部材3Aが支持部材第1部2からz方向他方側に外れることを防止するのに好ましい。また、第2導通部材3Bが、第2部302B、第3部303B、第4部304B、第5部305B、第6部306B、第7部307Bおよびを第8部308Bを有することは、第2導通部材3Bが支持部材第1部2からz方向他方側に外れることを防止するのに好ましい。
【0085】
図12〜
図35は、本開示の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0086】
〔第1実施形態 第1変形例〕
図12は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の第1変形例を示す要部拡大断面図である。本例の半導体発光装置A11は、溝部211の断面形状が上述した実施形態と異なる。本例の溝部211は、第1面2111、一対の第2面2112および一対の第5面2115を有する。
【0087】
第1面2111は、溝部211のうちz方向最深部に位置する面である。図示された例においては、第1面2111は、z方向に対して直角である平坦な面である。一対の第2面2112は、第1面2111に繋がっている。第2面2112は、たとえばz方向に対して傾いている。一対の第5面2115は、第1面2111と一対の第2面2112との間に介在している。第5面2115は、凹形状の曲面である。本例によっても、半導体発光装置A11の信頼性を向上させることができる。
【0088】
〔第1実施形態 第2変形例〕
図13は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の第2変形例を示す要部拡大断面図である。本例の半導体発光装置A12は、溝部211の形状が上述した例と異なる。本例の溝部211は、第6面2116を有する。第6面2116は、y方向両端が第1面21に繋がっており、第1面21からz方向他方側(図中下側)に凹む曲面である。本例によっても、半導体発光装置A12の信頼性を向上させることができる。
【0089】
〔第1実施形態 第3変形例〕
図14は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の第3変形例を示す要部拡大断面図である。本例の半導体発光装置A13は、溝部211の形状が上述した例と異なる。本例の溝部211は、一対の第2面2112を有する。一対の第2面2112は、各々が第1面21に繋がり、且つ互いに繋がっている。一対の第2面2112は、z方向に対して傾いている。本例によっても、半導体発光装置A13の信頼性を向上させることができる。
【0090】
半導体発光装置A1とその変形例である半導体発光装置A11〜半導体発光装置A13とに示すように、溝部211(通気部6)の断面形状は、特に限定されない。これらの断面形状は、以下の変形例および実施形態において適宜採用可能である。
【0091】
〔第1実施形態 第4変形例〕
図15は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の第4変形例を示す要部拡大平面図である。本例の半導体発光装置A14は、溝部211のz方向視における形状が上述した例と異なる。本例の溝部211は、第1開口領域S1のy方向寸法が、第2開口領域S2のy方向寸法よりも大きい。また、溝部211のy方向寸法は、内側面第2部272から第4面24に向かうほど小さくなっている。すなわち、溝部211は、z方向視において第4面24側(外部側)に小であるテーパ形状である。
【0092】
本例によっても、半導体発光装置A14の信頼性を高めることができる。また、第2開口領域S2のy方向寸法を縮小することにより、意図しない物体の浸入をより抑制することができる。
【0093】
〔第1実施形態 第5変形例〕
図16は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の第5変形例を示す要部拡大平面図である。本例の半導体発光装置A15は、溝部211のz方向視における形状が上述した例と異なる。本例の溝部211は、第1開口領域S1のy方向寸法が、第2開口領域S2のy方向寸法よりも小さい。また、溝部211のy方向寸法は、内側面第2部272から第4面24に向かうほど大きくなっている。すなわち、溝部211は、z方向視において第4面24(外部側)に大であるテーパ形状である。
【0094】
本例によっても、半導体発光装置A15の信頼性を高めることができる。また、第1開口領域S1のy方向寸法を縮小することにより、仮に意図しない物体が第4面24側(外部側)から溝部211(通気部6)に浸入しても、第1開口領域S1において通気部6に浸入することを抑制することができる。
【0095】
〔第1実施形態 第6変形例〕
図17は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の第6変形例を示す要部拡大平面図である。本例の半導体発光装置A16は、溝部211のz方向視形状が上述した例と異なる。本例の溝部211は、x方向に沿った形状であり、x方向に平行である。また、溝部211は、内側面第4部274に隣接して設けられている。本例によっても、半導体発光装置A16の信頼性を高めることができる。
【0096】
〔第1実施形態 第7変形例〕
図18は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の第7変形例を示す要部拡大平面図である。本例の半導体発光装置A17は、溝部211のz方向視形状が上述した例と異なる。本例の溝部211は、第1部211a、第2部211bおよび第3部211cを有する。第1部211aは、内側面第2部272に繋がっており、x方向に延びる形状である。第3部211cは、第4面24に繋がっており、x方向に延びる形状である。第2部211bは、第1部211aおよび第3部211cに繋がっており、x方向に対して交差する方向に延びており、たとえばy方向に沿って延びている。このような溝部211は、z方向においていわゆるクランク形状とされている。
【0097】
本例によっても半導体発光装置A17の信頼性を高めることができる。また、溝部211をクランク形状とすることにより、意図しないと物体の浸入を、たとえば第2部211bにおいてより確実に抑制することができる。
【0098】
〔第1実施形態 第8変形例〕
図19は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の第8変形例を示す要部拡大平面図である。本例の半導体発光装置A18は、溝部211のy方向における位置が上述した実施形態と異なっている。本例の溝部211は、y方向において内側面第4部274および内側面第3部273のいずれからも離れた位置に設けられている。本例によっても半導体発光装置A18の信頼性を高めることができる。
【0099】
半導体発光装置A1とその変形例である半導体発光装置A14〜半導体発光装置A18とに示すように、溝部211(通気部6)のz方向視形状および位置等は、特に限定されない。これらの形状および位置等は、上述および以下の変形例および実施形態において適宜採用可能である。
【0100】
〔第1実施形態 第9変形例〕
図20は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の第9変形例を示す要部拡大平面図であり、
図21は、
図20のXXI−XXI線に沿う要部拡大断面図である。本例の半導体発光装置A19は、支持部材第1部2が、凹部212を有する。本例の溝部211は、上述した半導体発光装置A1の溝部211と類似の構成であるが、上述した例のいずれの溝部211を採用してもよい。
【0101】
凹部212は、第1面21から凹んでおり、溝部211に隣接している。また、図示された凹部212は、内側面第2部272および第4面24に到達しているが、いずれか一方のみに到達していてもよいし、いずれにも到達していなくてもよい。
図21に示すように、本例の凹部212は、断面形状が円弧形状であるが、その形状や大きさは特に限定されない。図示された例においては、支持部材第1部2は、一対の凹部212を有する。一対の凹部212は、溝部211を挟んでy方向両側に配置されている。
【0102】
本例によっても、半導体発光装置A19の信頼性を高めることができる。また、
図21に示すように、支持部材第1部2にカバー5を固定する際に、第1面21と第2面52との間に接合層59を形成するための接着剤を塗布した場合、この接着剤が押圧によって広がりうる。本例においては、溝部211に向けて広がってくる接着剤を凹部212に滞留させることが可能である。したがって、溝部211に接合層59が意図せず重なってしまうことを抑制可能であり、通気部6をより確実に形成することができる。
【0103】
〔第1実施形態 第10変形例〕
図22は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の第10変形例を示す平面図である。本例の半導体発光装置A1aは、溝部211の位置が上述した例と異なっている。本例においては、溝部211は、内側面第4部274と第6面26とに繋がっている。即ち、溝部211は、y方向に通気させる構成である。溝部211は、x方向において他方側に位置している。溝部211のx方向における位置は、第2導通部材3Bと重なっている。
【0104】
本例によっても半導体発光装置A1aの信頼性を高めることができる。また、通気部6から意図せず浸入した物体が、VCSEL素子4に向かうことを抑制することができる。
【0105】
〔第1実施形態 第11変形例〕
図23は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の第11変形例を示す平面図である。本例の半導体発光装置A1bは、半導体発光装置A1aと同様に、溝部211が内側面第4部274と第6面26とに繋がっている。本例においては、第1開口領域S1と第2開口領域S2とのx方向位置が異なっている。第1開口領域S1は、第2開口領域S2よりもx方向他方側(第4面24側)に位置している。溝部211は、z方向視においてx方向に対して傾いた方向に延びている。第1開口領域S1のx方向における位置(x方向において占める範囲)は、第2導通部材3Bのx方向位置と重なっている。第2開口領域S2のx方向位置は、VCSEL素子4のx方向位置と重なっている。
【0106】
本例によっても半導体発光装置A1bの信頼性を高めることができる。また、通気部6に意図せず進入した物体がVCSEL素子4に向かうことをより確実に抑制することができる。
【0107】
なお、図示された例に限定されず、溝部211は、内側面第3部273と第5面25とに繋がっていてもよい。
【0108】
〔第2実施形態〕
図24は、本開示の第2実施形態に係る半導体発光装置を示す要部拡大断面図である。本実施形態の半導体発光装置A2は、カバー5に溝部511が形成されている。溝部511は、第2面52からz方向一方側に凹んでおり第1面21とともに、通気部6を構成する部位である。すなわち、溝部511は、収容空間7と半導体発光装置A1の外部とに繋がっている。
【0109】
溝部511の平面視における形状や大きさおよび位置は、上述した溝部211と同様であってもよい。図示された例においては、溝部511は、第1面5111および一対の第2面5112を有しているが、溝部511の断面形状は、上述した例の溝部211を同様であってもよい。第1面5111は、溝部511の最深部に位置する面である。一対の第2面5112は、第2面52と第1面5111とに繋がっており、たとえばz方向に対して傾いている。
【0110】
本実施形態によっても、半導体発光装置A2の信頼性を高めることができる。また、本実施形態から理解されるように、収容空間7を外部に通じさせる通気部6の具体的構成は何ら限定されない。
【0111】
〔第2実施形態 第1変形例〕
図25は、本開示の第2実施形態に係る半導体発光装置の第1変形例を示す要部拡大断面図である。本例の半導体発光装置A21においては、通気部6が、支持部材第1部2の溝部211とカバー5の溝部511とによって構成されている。このように、通気部6を構成する具体的構造としては、溝部211や溝部511のような凹んだ溝状の部位を適宜組み合わせた構造を採用してもよい。
【0112】
〔第3実施形態〕
図26〜
図32は、本開示の第3実施形態に係る半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置A3は、通気部6の構成が上述した実施形態と異なっている。
【0113】
本実施形態においては、支持部材第1部2およびカバー5には、上述した実施形態の溝部211や溝部511は、形成されていない。本実施形態のカバー5は、第2面52が第1領域521および第2領域522を有する。
【0114】
第1領域521および第2領域522は、z方向視において互いに区画されている。
図26においては、理解の便宜上、第2領域522にハッチングを付している。第1領域521は、第2領域522よりも接合層59との接合力が弱い領域である。また第1領域521は、z方向視において支持部材第1部2の第1面21に重なっており、且つ内側面27と外部とに到達している。図示された例においては、第1領域521は、内側面第2部272と第4面24とに到達している。また第1領域521は、z方向視において収容空間7の一部と重なる。
【0115】
本実施形態においては、
図29および
図30に模式的に示すように、第1領域521と第2領域522との表面粗さが互いに異なることにより、接合層59との接合力が相違している。たとえば、第1領域521の表面粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.1μm程度であるのに対し、第2領域522の表面粗さ(Ra)が、1.0μm〜20μm程度と、第1領域521よりも粗い。なお、カバー5の厚さは、たとえば0.2mm〜0.5mm程度であり、接合層59の厚さは、たとえば15μm〜40μm程度である。このような第2領域522を形成する手法としては、たとえばサンドブラスト処理等の機械的処理や薬液による化学的処理等が挙げられる。相対的に表面粗さが平滑である第1領域521は、第2領域522よりも接合層59の接合力が弱くなる。また、第2面52の一部に、接合層59との接合力を低下させる化学的処理や機械的処理を施すことにより、第1領域521を形成してもよい。このような処理の一例としては、剥離剤等の薬剤を第2面52の一部に塗布する化学的処理が挙げられる。
【0116】
本実施形態においては、第2面52の第1領域521と接合層59とに挟まれた部位が、通気部6を構成している。ただし、半導体発光装置A3が通常の搬送や保管および使用されている状態においては、第1領域521においても、接合層59によってカバー5と支持部材第1部2とが接合されており、通気部6は、収容空間7を外部に通じさせる明瞭な孔等とはなっていない。
【0117】
図31および
図32は、たとえばリフロー炉を用いた半導体発光装置A3の実装工程において収容空間7の内圧が高まった状態を模式的に示している。収容空間7の内圧が上昇すると、接合層59からカバー5を剥離させる力が作用する。この力によって、相対的に接合力が弱い箇所として設定された第1領域521の接合箇所に、局所的な剥離が生じる。これにより、通気部6が隙間の形態となり、収容空間7と外部とを通じさせる。なお、
図31および
図32においては、理解の便宜上、通気部6が明瞭な隙間である形態を示しているが、実際の通気部6は、収容空間7の気体を外部に逃がしうるものであればよい。第1領域521と接合層59とがわずかに剥離することによって、収容空間7の気体を外部に導くことができる。この通気により、収容空間7の内圧が低下すると、第1領域521と接合層59とは、再び当接した状態となる。
【0118】
このような実施形態によっても、半導体発光装置A3の信頼性を向上させることができる。また、第1領域521を用いた通気部6は、通常の使用等の状態においては、塞がった形態である。このため、水分等の意図しない物体の浸入をより確実に抑制することができる。また、
図31および
図32を参照して説明した通気が実現された後は、通気部6は、再び塞がった状態となりうる。これにより、これ以降の使用等においても、意図しない物体の浸入を抑制することができる。
【0119】
〔第4実施形態〕
図33は、本開示の第4実施形態に係る半導体発光装置を示す断面図である。本実施形態においては、カバー5に孔58が形成されている。孔58は、第1面51と第2面52とに繋がっており、カバー5をz方向に貫通している。本実施形態においては、孔58によって通気部6が構成されている。
【0120】
このような実施形態によっても半導体発光装置A4の信頼性を高めることができる。
【0121】
〔第5実施形態〕
図34は、本開示の第5実施形態に係る半導体発光装置を示す断面図である。本実施形態の半導体発光装置A5は、支持部材1の構成が上述した実施形態と異なる。
【0122】
本実施形態においては、支持部材1は、支持部材第1部2、基材3Cおよび導電層3Dを有する。基材3Cおよび導電層3Dは、一般的に配線基板と称される場合がある構成である。
【0123】
基材3Cは、ガラスエポキシ樹脂やセラミックス等の絶縁材料からなる板状部材である。基材3Cは、第1面31Cおよび第2面32Cを有する。第1面31Cは、z方向一方側を向く面である。第2面32Cは、z方向他方側を向く面である。
【0124】
導電層3Dは、たとえばCu、Pd、Au等の金属めっきからなる層である。導電層3Dは、第1導電部31D、第2導電部32Dおよび第3導電部33Dを有する。
【0125】
第1導電部31Dは、基材3Cの第1面31Cに形成された部位である。図示された例においては、第1導電部31Dは、第1部311Dおよび第2部312Dを有する。第1部311Dおよび第2部312Dは、x方向において互いに離間している。第1部311Dには、VCSEL素子4が搭載されている。第2部312Dには、第1導電接合材49がボンディングされており、VCSEL素子4と導通している。
【0126】
第2導電部32Dは、基材3Cの第2面32Cに形成された部位である。図示された例においては、第2導電部32Dは、第1部321Dおよび第2部322Dを有する。第1部321Dおよび第2部322Dは、x方向において互いに離間している。第1部321Dは、z方向視において第1部311Dと重なり、第2部322Dは、z方向視において第2部312Dと重なる。
【0127】
第3導電部33Dは、第1導電部31Dと第2導電部32Dとを導通させる部位である。図示された例においては、第3導電部33Dは、第1部331Dおよび第2部332Dを有する。第1部331Dは、第1導電部31Dの第1部311Dと第2導電部32Dの第1部321Dとに繋がっている。第2部332Dは、第1導電部31Dの第2部312Dと第2導電部32Dの第2部322Dとに繋がっている。
【0128】
本実施形態の支持部材第1部2は、基材3Cの第1面31Cに固定されている。支持部材第1部2の材質等は、たとえば上述した実施形態の支持部材第1部2と同様である。図示された例においては、支持部材第1部2に溝部211が形成されることにより通気部6が構成されているが、これは通気部6の一構成例であり、上述した実施形態の通気部6を適宜採用することができる。
【0129】
本実施形態によっても、半導体発光装置A5の信頼性を向上させることができる。また、本実施形態から理解されるように、支持部材1の具体的構成は特に限定されず、種々の構成を採用することができる。
【0130】
〔第6実施形態〕
図35は、本開示の第6実施形態に係る半導体発光装置を示す断面図である。本実施形態の半導体発光装置A6は、通気部6が設けられている位置が上述した実施形態と異なる。本実施形態においては、通気部6(溝部211)は、x方向一方側から収容空間7に通じている。図示された例においては、溝部211は、内側面第1部271および第3面23に到達している。
【0131】
本実施形態によっても、半導体発光装置A6の信頼性を向上させることができる。ただし、通気部6による内圧上昇の抑制効果を奏しつつ、意図しない物体の浸入によるVCSEL素子4の不具合を抑制する観点からは、上述した実施形態のように、通気部6がx方向他方側から収容空間7に通じる構成が好ましい。
【0132】
本開示に係る半導体発光装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係る半導体発光装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0133】
〔付記1〕
支持部材と、
透光性を有するカバーと、
前記支持部材および前記カバーによって規定された収容空間に収容され、前記カバーを透して第1方向における一方側に光を発するVCSEL素子と、を備える半導体発光装置であって、
前記収容空間を外部に通じさせる通気部を備える、半導体発光装置。
〔付記2〕
前記支持部材は、樹脂からなり前記第1方向視において前記VCSEL素子を囲む内側面および前記第1方向一方側を向く第1面を有する支持部材第1部を含む、付記1に記載の半導体発光装置。
〔付記3〕
前記支持部材第1部は、前記第1面から凹み且つ前記内側面と外部とに到達する溝部を有し、
前記通気部は、前記溝部と前記カバーとによって構成されている、付記2に記載の半導体発光装置。
〔付記4〕
前記支持部材第1部は、前記第1面から凹み且つ前記溝部に隣り合う凹部を有する、付記3に記載の半導体発光装置。
〔付記5〕
前記支持部材第1部は、前記溝部を挟むように配置された一対の前記凹部を有する、付記4に記載の半導体発光装置。
〔付記6〕
前記支持部材は、前記第1方向と直角である第2方向一方側に位置する第1導通部材および前記第2方向他方側に位置する第2導通部材を含み、
前記第1導通部材には、前記VCSEL素子が搭載されており、
前記第2導通部材は、前記VCSEL素子に導通する、付記3ないし5のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔付記7〕
前記溝部は、前記第2方向他方側において前記内側面に到達している、付記6に記載の半導体発光装置。
〔付記8〕
前記溝部は、前記第1方向視において前記第2方向に対して傾いている、付記7に記載の半導体発光装置。
〔付記9〕
前記溝部は、前記第1方向視において前記第2方向に沿っている、付記7に記載の半導体発光装置。
〔付記10〕
前記溝部は、前記内側面から前記第2方向に延びる第1部、前記第1部に繋がり且つ前記第2方向と交差する方向に延びる第2部および前記第2部に繋がり且つ前記第2方向に延びる第3部を有する、付記7に記載の半導体発光装置。
〔付記11〕
前記第1方向視において前記溝部が前記内側面に開口する第1開口領域は、前記溝部が外部に開口する第2開口領域よりも小さい、付記7ないし10のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔付記12〕
前記第1方向視において前記溝部が前記収容空間に開口する第1開口領域は、前記溝部が外部に開口する第2開口領域よりも大きい、付記7ないし10のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔付記13〕
前記第1方向視において前記溝部が前記収容空間に開口する第1開口領域は、前記溝部が外部に開口する第2開口領域と同じ大きさである、付記7ないし10のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔付記14〕
前記第1開口領域は、前記第2方向視において前記VCSEL素子と重ならない、付記11ないし13のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔付記15〕
前記溝部は、前記第1方向および前記第2方向に直角である第3方向から前記収容空間に通じている、付記6に記載の半導体発光装置。
〔付記16〕
前記溝部が前記内側面に開口する第1開口領域は、前記第2方向における位置が前記VCSEL素子と重なり、
前記溝部が外部に開口する第2開口領域は、前記第2方向における位置が前記第2導通部材に重なる、付記15に記載の半導体発光装置。
〔付記17〕
前記カバーは、前記支持部材第1部の前記第1面に対面する第2面および当該第2面から凹む溝部を有し、
前記通気部は、前記カバーの前記溝部と前記支持部材第1部とによって構成されている、付記3に記載の半導体発光装置。
〔付記18〕
前記カバーは、前記支持部材第1部の前記第1面に対面する第2面を有し、
前記支持部材の前記第1面と前記カバーの前記第2面とを接合する接合層を備え、
前記第2面は、前記第1方向視において互いに区画された第1領域および第2領域を有し、
前記第1領域は、前記第2領域よりも前記接合層との接合力が弱く且つ前記第1方向視において前記支持部材第1部の前記第1面と重なり、
前記カバーの前記第1領域と前記接合層との間に生じた隙間が、前記通気部を構成する、付記3に記載の半導体発光装置。