【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係る情報処理システムは、第1の暗号復号処理部を含む処理回路を有する情報処理装置と、前記情報処理装置に接続され、第2の暗号復号処理部を有する付属装置と、を備え、前記情報処理装置は、前記処理回路に電源を供給する第1の電源供給部と、前記第1の電源供給部から前記処理回路に流れる電流を測定する第1の電流測定部と、前記第1の電流測定部による電流の測定結果に基づいて、前記情報処理装置の電源グリッチを検出する検出部と、前記検出部が前記情報処理装置の電源グリッチを検出した場合に、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信を停止する制御部と、をさらに有することを特徴とするものである。
【0009】
第1の態様に係る情報処理システムによれば、第1の電流測定部は、第1の電源供給部から処理回路に流れる電流を測定し、検出部は、第1の電流測定部による電流の測定結果に基づいて情報処理装置の電源グリッチを検出する。これにより、情報処理装置の電源グリッチを簡易かつ確実に検出することが可能となる。また、制御部は、検出部が情報処理装置の電源グリッチを検出した場合に、フォールト攻撃の対策処理を実行する。従って、検出部が情報処理装置の電源グリッチを検出しない場合にはフォールト攻撃の対策処理は実行されないため、当該対策処理が常時実行されることに起因する情報処理システムの処理レイテンシの増大及びシステムパフォーマンスの低下を回避することが可能となる。さらに、情報処理装置の電源グリッチが検出された場合には、制御部は、情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信を停止する。従って、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、効果的に防止することが可能となる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る情報処理システムは、第1の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記制御部は、前記検出部が前記情報処理装置の電源グリッチを検出している間、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信停止状態を継続することを特徴とするものである。
【0011】
第2の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が情報処理装置の電源グリッチを検出している間、情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信停止状態を継続する。従って、フォールト攻撃のために電源グリッチが繰り返された場合であっても、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、確実に防止することが可能となる。
【0012】
本発明の第3の態様に係る情報処理システムは、第2の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記情報処理装置は、前記付属装置の正当性を認証するための認証処理を実行する第1の認証処理部をさらに有し、前記制御部は、前記検出部が前記情報処理装置の電源グリッチを検出した後、前記第1の認証処理部に認証処理を実行させることを特徴とするものである。
【0013】
第3の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が情報処理装置の電源グリッチを検出した後、第1の認証処理部に認証処理を実行させる。従って、誤った暗号化データを抜き取るべく情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信を再開させるためには、攻撃者は第1の認証処理部による認証処理を突破する必要があるため、攻撃者によるフォールト攻撃をさらに困難化することが可能となる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る情報処理システムは、第3の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記情報処理装置は、前記付属装置に電源を供給する第2の電源供給部と、前記第2の電源供給部から前記付属装置に流れる電流を測定する第2の電流測定部と、をさらに有し、前記第1の認証処理部は、前記付属装置を認証するための所定の電力消費動作を、通常動作に付加して前記付属装置に実行させ、前記付属装置が前記電力消費動作を実行している期間に前記第2の電流測定部によって測定された実測電流値と、正規品の前記付属装置が前記電力消費動作を実行した場合の電流値である既知の基準電流値とに基づいて、前記付属装置の正当性を認証することを特徴とするものである。
【0015】
第4の態様に係る情報処理システムによれば、第1の認証処理部は、付属装置を認証するための所定の電力消費動作を、通常動作に付加して付属装置に実行させ、付属装置が電力消費動作を実行している期間に第2の電流測定部によって測定された実測電流値と、正規品の付属装置が電力消費動作を実行した場合の電流値である既知の基準電流値とに基づいて、付属装置の正当性を認証する。従って、非正規品の付属装置が電力消費動作を実行できない場合には、実測電流値は基準電流値に一致しないため、第1の認証処理部によって付属装置の認証を容易に実行することができる。また、非正規品の付属装置が電力消費動作を実行できたとしても、デバイス構造や製造プロセスの相違等に起因して正規品と非正規品とでは消費電力特性が相違するため、非正規品の実測電流値は正規品の基準電流値に一致しない。従って、第1の認証処理部によって付属装置の認証を容易に実行することができる。しかも、付属装置を認証するための電力消費動作は、付属装置の通常動作そのものではなく、通常動作に付加される独立的な動作であるため、消費電流値及びその変化態様等が顕著となる恣意的な電力消費動作を付属装置に実行させることができる。その結果、第1の認証処理部による付属装置の認証精度を向上することが可能となる。
【0016】
本発明の第5の態様に係る情報処理システムは、第4の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第1の認証処理部は、前記第2の電流測定部によって測定された複数の実測電流値を時系列順に配列することによって、実測電流値パターンを作成するパターン作成部と、前記パターン作成部によって作成された実測電流値パターンと、基準電流値が時系列順に配列された既知の基準電流値パターンとを比較するパターン比較部と、を有し、前記パターン比較部による比較結果に基づいて、前記付属装置の正当性を認証することを特徴とするものである。
【0017】
第5の態様に係る情報処理システムによれば、パターン比較部は、パターン作成部によって作成された実測電流値パターンと、基準電流値が時系列順に配列された既知の基準電流値パターンとを比較し、第1の認証処理部は、パターン比較部による比較結果に基づいて、付属装置の正当性を認証する。非正規品は粗悪品であることが多いため、非正規品の消費電流の絶対値は正規品のそれより大きい場合が多い。第5の態様に係る情報処理システムによれば、第1の認証処理部は、消費電流の変化率パターンではなく実測電流値パターンと基準電流値パターンとを比較するため、たとえ正規品と非正規品とで消費電流の変化率パターンが近似している場合であっても、付属装置の認証を高精度に実行することが可能となる。
【0018】
本発明の第6の態様に係る情報処理システムは、第3〜第5のいずれか一つの態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記制御部は、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信を停止した後、前記検出部が前記情報処理装置の電源グリッチを検出せず、かつ、前記第1の認証処理部による認証処理が成功した場合に、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信を再開することを特徴とするものである。
【0019】
第6の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が情報処理装置の電源グリッチを検出せず、かつ、第1の認証処理部による認証処理が成功した場合に、情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信を再開する。従って、フォールト攻撃が終了した後には、第1の認証処理部による認証処理が成功したことを条件として情報処理システムの通常動作が再開されるため、システムの可用性を向上することが可能となる。また、静電気等の突発性ノイズに起因して情報処理装置の電源グリッチが検出された場合には、第1の認証処理部による認証処理が成功したことを条件として情報処理システムの通常動作が再開されるため、システムの可用性を向上することが可能となる。
【0020】
本発明の第7の態様に係る情報処理システムは、第4又は第5の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記検出部はさらに、前記第2の電流測定部による電流の測定結果に基づいて、前記付属装置の電源グリッチを検出し、前記制御部はさらに、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出した場合に、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を停止することを特徴とするものである。
【0021】
第7の態様に係る情報処理システムによれば、第2の電流測定部は、第2の電源供給部から付属装置に流れる電流を測定し、検出部は、第2の電流測定部による電流の測定結果に基づいて付属装置の電源グリッチを検出する。これにより、付属装置の電源グリッチを簡易かつ確実に検出することが可能となる。また、制御部は、検出部が付属装置の電源グリッチを検出した場合に、フォールト攻撃の対策処理を実行する。従って、検出部が付属装置の電源グリッチを検出しない場合にはフォールト攻撃の対策処理は実行されないため、当該対策処理が常時実行されることに起因する情報処理システムの処理レイテンシの増大及びシステムパフォーマンスの低下を回避することが可能となる。さらに、付属装置の電源グリッチが検出された場合には、制御部は、付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信を停止する。従って、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、効果的に防止することが可能となる。
【0022】
本発明の第8の態様に係る情報処理システムは、第7の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記制御部はさらに、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出している間、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信停止状態を継続することを特徴とするものである。
【0023】
第8の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が付属装置の電源グリッチを検出している間、付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信停止状態を継続する。従って、フォールト攻撃のために電源グリッチが繰り返された場合であっても、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、確実に防止することが可能となる。
【0024】
本発明の第9の態様に係る情報処理システムは、第8の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記付属装置は、前記情報処理装置の正当性を認証するための認証処理を実行する第2の認証処理部をさらに有し、前記制御部は、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出した後、前記第2の認証処理部に認証処理を実行させることを特徴とするものである。
【0025】
第9の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が付属装置の電源グリッチを検出した後、第2の認証処理部に認証処理を実行させる。従って、誤った暗号化データを抜き取るべく付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信を再開させるためには、攻撃者は第2の認証処理部による認証処理を突破する必要があるため、攻撃者によるフォールト攻撃をさらに困難化することが可能となる。
【0026】
本発明の第10の態様に係る情報処理システムは、第9の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記制御部は、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を停止した後、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出せず、かつ、前記第2の認証処理部による認証処理が成功した場合に、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を再開することを特徴とするものである。
【0027】
第10の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が付属装置の電源グリッチを検出せず、かつ、第2の認証処理部による認証処理が成功した場合に、付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信を再開する。従って、フォールト攻撃が終了した後には、第2の認証処理部による認証処理が成功したことを条件として情報処理システムの通常動作が再開されるため、システムの可用性を向上することが可能となる。また、静電気等の突発性ノイズに起因して付属装置の電源グリッチが検出された場合には、第2の認証処理部による認証処理が成功したことを条件として情報処理システムの通常動作が再開されるため、システムの可用性を向上することが可能となる。
【0028】
本発明の第11の態様に係る情報処理システムは、第1の暗号復号処理部を有する情報処理装置と、前記情報処理装置に接続され、第2の暗号復号処理部を有する付属装置と、を備え、前記情報処理装置は、前記付属装置に電源を供給する電源供給部と、前記電源供給部から前記付属装置に流れる電流を測定する電流測定部と、前記電流測定部による電流の測定結果に基づいて、前記付属装置の電源グリッチを検出する検出部と、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出した場合に、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を停止する制御部と、をさらに有することを特徴とするものである。
【0029】
第11の態様に係る情報処理システムによれば、電流測定部は、電源供給部から付属装置に流れる電流を測定し、検出部は、電流測定部による電流の測定結果に基づいて付属装置の電源グリッチを検出する。これにより、付属装置の電源グリッチを簡易かつ確実に検出することが可能となる。また、制御部は、検出部が付属装置の電源グリッチを検出した場合に、フォールト攻撃の対策処理を実行する。従って、検出部が付属装置の電源グリッチを検出しない場合にはフォールト攻撃の対策処理は実行されないため、当該対策処理が常時実行されることに起因する情報処理システムの処理レイテンシの増大及びシステムパフォーマンスの低下を回避することが可能となる。さらに、付属装置の電源グリッチが検出された場合には、制御部は、付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信を停止する。従って、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、効果的に防止することが可能となる。
【0030】
本発明の第12の態様に係る情報処理システムは、第11の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記制御部は、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出している間、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信停止状態を継続することを特徴とするものである。
【0031】
第12の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が付属装置の電源グリッチを検出している間、付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信停止状態を継続する。従って、フォールト攻撃のために電源グリッチが繰り返された場合であっても、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、確実に防止することが可能となる。
【0032】
本発明の第13の態様に係る情報処理システムは、第12の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記付属装置は、前記情報処理装置の正当性を認証するための認証処理を実行する認証処理部をさらに有し、前記制御部は、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出した後、前記認証処理部に認証処理を実行させることを特徴とするものである。
【0033】
第13の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が付属装置の電源グリッチを検出した後、認証処理部に認証処理を実行させる。従って、誤った暗号化データを抜き取るべく付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信を再開させるためには、攻撃者は認証処理部による認証処理を突破する必要があるため、攻撃者によるフォールト攻撃をさらに困難化することが可能となる。
【0034】
本発明の第14の態様に係る情報処理システムは、第13の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記制御部は、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を停止した後、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出せず、かつ、前記認証処理部による認証処理が成功した場合に、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を再開することを特徴とするものである。
【0035】
第14の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が付属装置の電源グリッチを検出せず、かつ、認証処理部による認証処理が成功した場合に、付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信を再開する。従って、フォールト攻撃が終了した後には、認証処理部による認証処理が成功したことを条件として情報処理システムの通常動作が再開されるため、システムの可用性を向上することが可能となる。また、静電気等の突発性ノイズに起因して付属装置の電源グリッチが検出された場合には、認証処理部による認証処理が成功したことを条件として情報処理システムの通常動作が再開されるため、システムの可用性を向上することが可能となる。
【0036】
本発明の第15の態様に係る情報処理システムは、第1の暗号復号処理部を含む処理回路を有する情報処理装置と、前記情報処理装置に接続され、第2の暗号復号処理部を有する付属装置と、を備え、前記情報処理装置は、前記処理回路及び前記付属装置に電源を供給する電源供給部と、前記電源供給部から前記処理回路及び前記付属装置に流れる電流を測定する電流測定部と、前記電流測定部による電流の測定結果に基づいて、前記情報処理装置及び前記付属装置の電源グリッチを検出する検出部と、前記検出部が前記情報処理装置の電源グリッチを検出した場合に、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信を停止し、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出した場合に、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を停止する制御部と、をさらに有することを特徴とするものである。
【0037】
第15の態様に係る情報処理システムによれば、電流測定部は、電源供給部から処理回路及び付属装置に流れる電流を測定し、検出部は、電流測定部による電流の測定結果に基づいて情報処理装置及び付属装置の電源グリッチを検出する。これにより、情報処理装置及び付属装置の電源グリッチを簡易かつ確実に検出することが可能となる。また、制御部は、検出部が情報処理装置又は付属装置の電源グリッチを検出した場合に、フォールト攻撃の対策処理を実行する。従って、検出部が情報処理装置及び付属装置の電源グリッチを検出しない場合にはフォールト攻撃の対策処理は実行されないため、当該対策処理が常時実行されることに起因する情報処理システムの処理レイテンシの増大及びシステムパフォーマンスの低下を回避することが可能となる。さらに、制御部は、情報処理装置の電源グリッチが検出された場合には情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信を停止し、付属装置の電源グリッチが検出された場合には付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信を停止する。従って、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、効果的に防止することが可能となる。
【0038】
本発明の第16の態様に係る情報処理システムは、第15の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記制御部は、前記検出部が前記情報処理装置の電源グリッチを検出している間、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信停止状態を継続し、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出している間、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信停止状態を継続することを特徴とするものである。
【0039】
第16の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が情報処理装置の電源グリッチを検出している間、情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信停止状態を継続し、検出部が付属装置の電源グリッチを検出している間、付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信停止状態を継続する。従って、フォールト攻撃のために電源グリッチが繰り返された場合であっても、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、確実に防止することが可能となる。
【0040】
本発明の第17の態様に係る情報処理システムは、第16の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記情報処理装置は、前記付属装置の正当性を認証するための認証処理を実行する第1の認証処理部をさらに有し、前記付属装置は、前記情報処理装置の正当性を認証するための認証処理を実行する第2の認証処理部をさらに有し、前記制御部は、前記検出部が前記情報処理装置の電源グリッチを検出した後、前記第1の認証処理部に認証処理を実行させ、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出した後、前記第2の認証処理部に認証処理を実行させることを特徴とするものである。
【0041】
第17の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が情報処理装置の電源グリッチを検出した後、第1の認証処理部に認証処理を実行させる。従って、誤った暗号化データを抜き取るべく情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信を再開させるためには、攻撃者は第1の認証処理部による認証処理を突破する必要があるため、攻撃者によるフォールト攻撃をさらに困難化することが可能となる。また、制御部は、検出部が付属装置の電源グリッチを検出した後、第2の認証処理部に認証処理を実行させる。従って、誤った暗号化データを抜き取るべく付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信を再開させるためには、攻撃者は第2の認証処理部による認証処理を突破する必要があるため、攻撃者によるフォールト攻撃をさらに困難化することが可能となる。
【0042】
本発明の第18の態様に係る情報処理システムは、第17の態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記制御部は、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信を停止した後、前記検出部が前記情報処理装置の電源グリッチを検出せず、かつ、前記第1の認証処理部による認証処理が成功した場合に、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信を再開し、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を停止した後、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出せず、かつ、前記第2の認証処理部による認証処理が成功した場合に、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を再開することを特徴とするものである。
【0043】
第18の態様に係る情報処理システムによれば、制御部は、検出部が情報処理装置の電源グリッチを検出せず、かつ、第1の認証処理部による認証処理が成功した場合に、情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信を再開する。従って、フォールト攻撃が終了した後には、第1の認証処理部による認証処理が成功したことを条件として情報処理システムの通常動作が再開されるため、システムの可用性を向上することが可能となる。また、静電気等の突発性ノイズに起因して情報処理装置の電源グリッチが検出された場合には、第1の認証処理部による認証処理が成功したことを条件として情報処理システムの通常動作が再開されるため、システムの可用性を向上することが可能となる。また、制御部は、検出部が付属装置の電源グリッチを検出せず、かつ、第2の認証処理部による認証処理が成功した場合に、付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信を再開する。従って、フォールト攻撃が終了した後には、第2の認証処理部による認証処理が成功したことを条件として情報処理システムの通常動作が再開されるため、システムの可用性を向上することが可能となる。また、静電気等の突発性ノイズに起因して付属装置の電源グリッチが検出された場合には、第2の認証処理部による認証処理が成功したことを条件として情報処理システムの通常動作が再開されるため、システムの可用性を向上することが可能となる。
【0044】
本発明の第19の態様に係る情報処理システムは、第1〜第18のいずれか一つの態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第1の暗号復号処理部と前記制御部とは、同一のダイに形成されていることを特徴とするものである。
【0045】
第19の態様に係る情報処理システムによれば、第1の暗号復号処理部と制御部とは同一のダイに形成されている。従って、第1の暗号復号処理部と制御部とが異なるダイに形成されている場合と比較すると、部品点数及び製造コストを削減することが可能となる。また、第1の暗号復号処理部と制御部との間でセキュア通信を行う必要がないため、システムを簡略化することが可能となる。
【0046】
本発明の第20の態様に係る情報処理システムは、第1〜第18のいずれか一つの態様に係る情報処理システムにおいて特に、前記第1の暗号復号処理部と前記制御部とは、異なるダイに形成されていることを特徴とするものである。
【0047】
第20の態様に係る情報処理システムによれば、第1の暗号復号処理部と制御部とは異なるダイに形成されている。従って、攻撃者は第1の暗号復号処理部のみならず制御部をも解析対象とする必要があるため、攻撃者による解析をさらに困難化することが可能となる。
【0048】
本発明の第21の態様に係る情報処理装置は、第1の暗号復号処理部を有する処理回路を備える情報処理装置であって、前記情報処理装置には、第2の暗号復号処理部を備える付属装置が接続され、前記情報処理装置は、前記処理回路に電源を供給する電源供給部と、前記電源供給部から前記処理回路に流れる電流を測定する電流測定部と、前記電流測定部による電流の測定結果に基づいて、前記情報処理装置の電源グリッチを検出する検出部と、前記検出部が前記情報処理装置の電源グリッチを検出した場合に、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信を停止する制御部と、をさらに備えることを特徴とするものである。
【0049】
第21の態様に係る情報処理装置によれば、電流測定部は、電源供給部から処理回路に流れる電流を測定し、検出部は、電流測定部による電流の測定結果に基づいて情報処理装置の電源グリッチを検出する。これにより、情報処理装置の電源グリッチを簡易かつ確実に検出することが可能となる。また、制御部は、検出部が情報処理装置の電源グリッチを検出した場合に、フォールト攻撃の対策処理を実行する。従って、検出部が情報処理装置の電源グリッチを検出しない場合にはフォールト攻撃の対策処理は実行されないため、当該対策処理が常時実行されることに起因する情報処理システムの処理レイテンシの増大及びシステムパフォーマンスの低下を回避することが可能となる。さらに、情報処理装置の電源グリッチが検出された場合には、制御部は、情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信を停止する。従って、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、効果的に防止することが可能となる。
【0050】
本発明の第22の態様に係る情報処理装置は、第1の暗号復号処理部を備える情報処理装置であって、前記情報処理装置には、第2の暗号復号処理部を備える付属装置が接続され、前記情報処理装置は、前記付属装置に電源を供給する電源供給部と、前記電源供給部から前記付属装置に流れる電流を測定する電流測定部と、前記電流測定部による電流の測定結果に基づいて、前記付属装置の電源グリッチを検出する検出部と、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出した場合に、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を停止する制御部と、をさらに備えることを特徴とするものである。
【0051】
第22の態様に係る情報処理装置によれば、電流測定部は、電源供給部から付属装置に流れる電流を測定し、検出部は、電流測定部による電流の測定結果に基づいて付属装置の電源グリッチを検出する。これにより、付属装置の電源グリッチを簡易かつ確実に検出することが可能となる。また、制御部は、検出部が付属装置の電源グリッチを検出した場合に、フォールト攻撃の対策処理を実行する。従って、検出部が付属装置の電源グリッチを検出しない場合にはフォールト攻撃の対策処理は実行されないため、当該対策処理が常時実行されることに起因する情報処理システムの処理レイテンシの増大及びシステムパフォーマンスの低下を回避することが可能となる。さらに、付属装置の電源グリッチが検出された場合には、制御部は、付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信を停止する。従って、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、効果的に防止することが可能となる。
【0052】
本発明の第23の態様に係る情報処理装置は、第1の暗号復号処理部を有する処理回路を備える情報処理装置であって、前記情報処理装置には、第2の暗号復号処理部を備える付属装置が接続され、前記情報処理装置は、前記処理回路及び前記付属装置に電源を供給する電源供給部と、前記電源供給部から前記処理回路及び前記付属装置に流れる電流を測定する電流測定部と、前記電流測定部による電流の測定結果に基づいて、前記情報処理装置及び前記付属装置の電源グリッチを検出する検出部と、前記検出部が前記情報処理装置の電源グリッチを検出した場合に、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信を停止し、前記検出部が前記付属装置の電源グリッチを検出した場合に、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を停止する制御部と、をさらに備えることを特徴とするものである。
【0053】
第23の態様に係る情報処理装置によれば、電流測定部は、電源供給部から処理回路及び付属装置に流れる電流を測定し、検出部は、電流測定部による電流の測定結果に基づいて情報処理装置及び付属装置の電源グリッチを検出する。これにより、情報処理装置及び付属装置の電源グリッチを簡易かつ確実に検出することが可能となる。また、制御部は、検出部が情報処理装置又は付属装置の電源グリッチを検出した場合に、フォールト攻撃の対策処理を実行する。従って、検出部が情報処理装置及び付属装置の電源グリッチを検出しない場合にはフォールト攻撃の対策処理は実行されないため、当該対策処理が常時実行されることに起因する情報処理システムの処理レイテンシの増大及びシステムパフォーマンスの低下を回避することが可能となる。さらに、制御部は、情報処理装置の電源グリッチが検出された場合には情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信を停止し、付属装置の電源グリッチが検出された場合には付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信を停止する。従って、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、効果的に防止することが可能となる。
【0054】
本発明の第24の態様に係る情報処理装置の制御方法は、第1の暗号復号処理部を有する処理回路を備える情報処理装置の制御方法であって、前記情報処理装置には、第2の暗号復号処理部を備える付属装置が接続され、(A)前記情報処理装置が備える電源供給部から前記処理回路に電源を供給するステップと、(B)前記電源供給部から前記処理回路に流れる電流を測定するステップと、(C)前記ステップ(B)による電流の測定結果に基づいて、前記情報処理装置の電源グリッチを検出するステップと、(D)前記ステップ(C)によって前記情報処理装置の電源グリッチが検出された場合に、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信を停止するステップと、を備えることを特徴とするものである。
【0055】
第24の態様に係る情報処理装置の制御方法によれば、ステップ(B)では、電源供給部から処理回路に流れる電流が測定され、ステップ(C)では、ステップ(B)による電流の測定結果に基づいて情報処理装置の電源グリッチが検出される。これにより、情報処理装置の電源グリッチを簡易かつ確実に検出することが可能となる。また、ステップ(D)では、ステップ(C)によって情報処理装置の電源グリッチが検出された場合に、フォールト攻撃の対策処理が実行される。従って、ステップ(C)によって情報処理装置の電源グリッチが検出されない場合にはフォールト攻撃の対策処理は実行されないため、当該対策処理が常時実行されることに起因する情報処理システムの処理レイテンシの増大及びシステムパフォーマンスの低下を回避することが可能となる。さらに、ステップ(C)によって情報処理装置の電源グリッチが検出された場合には、ステップ(D)によって情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信が停止される。従って、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、効果的に防止することが可能となる。
【0056】
本発明の第25の態様に係る情報処理装置の制御方法は、第1の暗号復号処理部を有する処理回路を備える情報処理装置の制御方法であって、前記情報処理装置には、第2の暗号復号処理部を備える付属装置が接続され、(A)前記情報処理装置が備える電源供給部から前記付属装置に電源を供給するステップと、(B)前記電源供給部から前記付属装置に流れる電流を測定するステップと、(C)前記ステップ(B)による電流の測定結果に基づいて、前記付属装置の電源グリッチを検出するステップと、(D)前記ステップ(C)によって前記付属装置の電源グリッチが検出された場合に、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を停止するステップと、を備えることを特徴とするものである。
【0057】
第25の態様に係る情報処理装置の制御方法によれば、ステップ(B)では、電源供給部から付属装置に流れる電流が測定され、ステップ(C)では、ステップ(B)による電流の測定結果に基づいて付属装置の電源グリッチが検出される。これにより、付属装置の電源グリッチを簡易かつ確実に検出することが可能となる。また、ステップ(D)では、ステップ(C)によって付属装置の電源グリッチが検出された場合に、フォールト攻撃の対策処理が実行される。従って、ステップ(C)によって付属装置の電源グリッチが検出されない場合にはフォールト攻撃の対策処理は実行されないため、当該対策処理が常時実行されることに起因する情報処理システムの処理レイテンシの増大及びシステムパフォーマンスの低下を回避することが可能となる。さらに、ステップ(C)によって付属装置の電源グリッチが検出された場合には、ステップ(D)によって付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信が停止される。従って、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、効果的に防止することが可能となる。
【0058】
本発明の第26の態様に係る情報処理装置の制御方法は、第1の暗号復号処理部を有する処理回路を備える情報処理装置の制御方法であって、前記情報処理装置には、第2の暗号復号処理部を備える付属装置が接続され、(A)前記情報処理装置が備える電源供給部から前記処理回路及び前記付属装置に電源を供給するステップと、(B)前記電源供給部から前記処理回路及び前記付属装置に流れる電流を測定するステップと、(C)前記ステップ(B)による電流の測定結果に基づいて、前記情報処理装置及び前記付属装置の電源グリッチを検出するステップと、(D)前記ステップ(C)によって前記情報処理装置の電源グリッチが検出された場合に、前記情報処理装置から前記付属装置への暗号化データの送信を停止し、前記ステップ(C)によって前記付属装置の電源グリッチが検出された場合に、前記付属装置から前記情報処理装置への暗号化データの送信を停止するステップと、を備えることを特徴とするものである。
【0059】
第26の態様に係る情報処理装置の制御方法によれば、ステップ(B)では、電源供給部から処理回路及び付属装置に流れる電流が測定され、ステップ(C)では、ステップ(B)による電流の測定結果に基づいて情報処理装置及び付属装置の電源グリッチが検出される。これにより、情報処理装置及び付属装置の電源グリッチを簡易かつ確実に検出することが可能となる。また、ステップ(D)では、ステップ(C)によって情報処理装置又は付属装置の電源グリッチが検出された場合に、フォールト攻撃の対策処理が実行される。従って、ステップ(C)によって情報処理装置及び付属装置の電源グリッチが検出されない場合にはフォールト攻撃の対策処理は実行されないため、当該対策処理が常時実行されることに起因する情報処理システムの処理レイテンシの増大及びシステムパフォーマンスの低下を回避することが可能となる。さらに、ステップ(C)によって情報処理装置の電源グリッチが検出された場合には、ステップ(D)によって情報処理装置から付属装置への暗号化データの送信が停止され、ステップ(C)によって付属装置の電源グリッチが検出された場合には、ステップ(D)によって付属装置から情報処理装置への暗号化データの送信が停止される。従って、フォールト攻撃の解析対象となる誤った暗号化データが攻撃者によって抜き取られることを、効果的に防止することが可能となる。