特開2019-162074(P2019-162074A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-162074(P2019-162074A)
(43)【公開日】2019年9月26日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/32 20060101AFI20190830BHJP
【FI】
   A01F12/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-52372(P2018-52372)
(22)【出願日】2018年3月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】乙倉 進
(72)【発明者】
【氏名】正野 潤一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英一
(72)【発明者】
【氏名】猶原 康裕
(72)【発明者】
【氏名】福井 一
【テーマコード(参考)】
2B095
【Fターム(参考)】
2B095AA01
2B095AA07
2B095AA12
2B095BA04
2B095BA07
2B095BA11
2B095BA21
2B095BA25
2B095BA29
2B095BB12
2B095BB13
2B095BB48
2B095CA02
(57)【要約】
【課題】篩い線を支持する部材に脱穀処理物が巻き付くことを防止できるコンバインを提供する。
【解決手段】扱胴を有する脱穀部と、その脱穀部の左右一側方に設けられた支持体である脱穀側板37と、その脱穀側板37に取り付けられたアーム7によって、脱穀側板37に対して前後方向に揺動可能に支持された篩い線414とを備える。これによって、篩い線414を支持する部材であるアーム7に脱穀処理物が巻き付くことを防止する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱胴を有する脱穀部と、
前記脱穀部の左右一側方に設けられた支持体と、
前記支持体に取り付けられたアームによって、前記支持体に対して前後方向に揺動可能に支持された篩い線とを備えるコンバイン。
【請求項2】
前後方向に揺動することにより受網から漏下した脱穀処理物を揺動選別する揺動選別部を備え、
前記アームが、前記支持体に取り付けられた第1アーム部材と、前記揺動選別部に取り付けられ且つ前記第1アーム部材に対して回動可能に取り付けられた第2アーム部材とを有し、
前記篩い線が前記第2アーム部材に取り付けられている請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記アームに被さるようにして配置される保護カバーを備える請求項1または2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記脱穀部が、
前記アームを取り付けた前記支持体が設けられている左右一側方において前記扱胴を横外方に臨ませる開口と、
前記開口に対して開閉自在に設けられた脱穀サイドカバーとを有する請求項1〜3いずれか1項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
脱穀部の受網から漏下した脱穀処理物をフィードパンで受け止め、チャフシーブに至る前に篩い線によって補助的に揺動選別するように構成されたコンバインが公知である。篩い線で補助選別を行うことにより、チャフシーブの処理負担を軽減し、穀粒を多く含む脱穀処理物がチャフシーブに積載されたまま後方から排出されてしまうことを抑制できる。
【0003】
特許文献1に記載されたコンバインでは、フィードパン(グレンパン)の後端部に篩い線が取り付けられている。しかし、かかる構成では、藁屑などを含んだ脱穀処理物が篩い線を支持するフレームに巻き付きやすく、その巻き付いた脱穀処理物が堆積すると、篩い線による補助選別を妨げるなどの問題を生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−14329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、篩い線を支持する部材に脱穀処理物が巻き付くことを防止できるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンバインは、扱胴を有する脱穀部と、前記脱穀部の左右一側方に設けられた支持体と、前記支持体に取り付けられたアームによって、前記支持体に対して前後方向に揺動可能に支持された篩い線とを備える。受網から漏下する脱穀処理物の漏下量は、脱穀部の幅方向中央部で多く、脱穀部の幅方向端部では少ない。そのため、脱穀部の左右一側方の支持体に取り付けたアームで篩い線を支持することにより、篩い線を支持する部材(即ち、アーム)に脱穀処理物が巻き付くことを防止できる。しかも、篩い線が支持体に対して前後方向に揺動可能に支持されているので、篩い線による補助選別が適切に行われる。
【0007】
前後方向に揺動することにより受網から漏下した脱穀処理物を揺動選別する揺動選別部を備え、前記アームが、前記支持体に取り付けられた第1アーム部材と、前記揺動選別部に取り付けられ且つ前記第1アーム部材に対して回動可能に取り付けられた第2アーム部材とを有し、前記篩い線が前記第2アーム部材に取り付けられていることが好ましい。かかる構成によれば、第2アーム部材が、揺動選別部とともに揺動しながら、支持体に取り付けられた第1アーム部材に対して回動することにより、篩い線を揺動させることができる。
【0008】
前記アームに被さるようにして配置される保護カバーを備えることが好ましい。これにより、受網から漏下した脱穀処理物がアームに接触することを防いで、脱穀処理物の巻き付きをより確実に防止できる。
【0009】
前記アームを取り付けた前記支持体が設けられている左右一側方において前記扱胴を横外方に臨ませる開口と、前記開口に対して開閉自在に設けられた脱穀サイドカバーとを有する場合には、アームのメンテナンスを行う際の作業性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】コンバインの左側面図
図2】コンバインの右側面図
図3】コンバインの平面図
図4】脱穀装置と選別装置とを示す図
図5】揺動選別部の斜視図
図6】篩い線の周辺部を示す斜視図
図7】篩い線の周辺部を示す斜視図
図8】篩い線の平面図
図9】(a)第1の姿勢にある篩い線の側面図、及び、(b)第2の姿勢にある篩い線の側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るコンバインの一例について説明する。まずは、コンバインの全体構造について簡単に説明する。次に、そのコンバインが備える脱穀装置及び選別装置について説明し、その後に篩い線の支持構造について詳しく説明する。
【0012】
[コンバインの全体構造]
図1〜3は、それぞれ、本実施形態のコンバイン100の左側面、右側面、及び平面を示す。図中には、コンバイン100の前後方向、左右方向、及び、上下方向を矢印で示している。コンバイン100は、走行装置1と、刈取装置2と、脱穀装置3と、選別装置4と、貯留装置5と、動力装置6とを備える。
【0013】
走行装置1は、機体フレーム10の下方に設けられている。走行装置1は、トランスミッション11と、左右一対に設けられたクローラ装置12とを有する。トランスミッション11は、機体フレーム10に搭載された動力装置6の動力をクローラ装置12に伝達する。クローラ装置12は、コンバイン100を前後方向に走行させたり、コンバイン100を左右方向に旋回させたりする。
【0014】
刈取装置2は、走行装置1の前方に設けられている。刈取装置2は、リール21と、カッター(刈刃)22と、オーガ(横送りスクリュー)23と、搬送コンベア24とを有する。リール21は、回転することによって圃場の穀稈をカッター22へ案内する。カッター22は、リール21によって案内された穀稈を切断する。オーガ23は、カッター22によって切断された穀稈を所定の位置(搬送コンベア24の穀稈供給口)に集合させる。搬送コンベア24は、オーガ23によって集合させた穀稈を脱穀装置3のフロントロータ33(図4参照)まで搬送する。
【0015】
脱穀装置3は、刈取装置2の後方に設けられている。脱穀部である脱穀装置3は、扱胴31を有する。扱胴31は、扱室30(図4参照)に収容されている。扱胴31は、回転することによって穀稈を脱穀しながら後方へ搬送する。また、脱穀装置3は、扱胴31の下方に設けられた受網32を有する。受網32は、扱胴31によって搬送される穀稈を支持するとともに、脱穀処理物を選別装置4へ落下させる。扱胴31の下方には、穀粒搬送用のスクリューコンベアである一番コンベア143と二番コンベア144(図4参照)とが設けられている。これらは、いずれも脱穀処理された穀粒を水平方向に搬送する。
【0016】
選別装置4は、脱穀装置3の下方に設けられている。選別装置4は、前後方向に揺動することにより受網32から漏下した脱穀処理物を揺動選別する揺動選別部41を有する。揺動選別部41で選別された穀粒は、一番コンベア143と揚穀コンベア151とによって搬送され、投入口153を介してグレンタンク51に投入される。また、選別装置4は、揺動選別部41に向けて風を送る送風部42を有する。送風部42は、脱穀処理物に含まれる藁屑などの夾雑物を吹き飛ばす。藁屑などの夾雑物は、選別装置4の後方に設けられた排稈口45から外部へ排出される。
【0017】
貯留装置5は、脱穀装置3及び選別装置4の右側方に設けられている。脱穀装置3及び選別装置4と、貯留装置5とは、機体フレーム10の上方で左右に並列配置されている。貯留装置5は、穀粒を貯留するためのグレンタンク51を備える。グレンタンク51は、選別装置4から一番コンベア143及び揚穀コンベア151を介して搬送されてきた穀粒を貯留する。グレンタンク51内の穀粒を排出する際には、排出オーガ52が用いられる。排出オーガ52は、上下左右方向に回動自在に構成されており、穀粒を任意の場所に排出できる。
【0018】
動力装置6は、運転部13の下方で且つ貯留装置5の前方に設けられている。動力装置6は、エンジン61で構成されている。本実施形態のエンジン61は、ディーゼルエンジンであり、燃料を燃焼させて得た熱エネルギーを運動エネルギーに変換する。より具体的に説明すると、エンジン61は、燃料を燃焼させて得た熱エネルギーを、走行装置1など各部を駆動する動力に変換する。動力装置6は、電気によって動力を発生させる電動モータであっても構わない。また、動力装置6はエンジン61と電動モータの双方を備えていてもよい。
【0019】
運転部13は、グレンタンク51の前方で機体フレーム10の右側前部に設けられている。運転部13には、オペレータが着席する運転座席14や、その運転座席14の前方に配置された操向ハンドル15が設置され、それらの周囲に変速レバーやクラッチレバー、スイッチ類など種々の操作具が配置されている。
【0020】
[脱穀装置]
図4に示すように、脱穀装置3は、扱室30と、扱胴31と、受網32と、フロントロータ33とを有する。扱室30は、受網32、機枠300、及び、上部カバー301などによって区画形成されている。機枠300には、扱胴31の上方に配置された上部カバー301と、扱胴31の前方に配置された前壁部材302と、扱胴31の後方に配置された後壁部材303と、扱胴31の右側方に配置された右側壁部材304とが取り付けられている。搬送コンベア24で搬送されてきた穀稈は、フロントロータ33によって扱室30内へ送り込まれる。フロントロータ33は、穀稈を搬送するだけでなく、予備的な脱穀(プレ脱穀)を行う機能も有する。
【0021】
扱胴31は、前後方向に沿って延びた扱胴軸311と、掻き込みスクリュー312と、ツースバー(扱歯支持部材)313とを有する。扱胴31は、扱胴軸311を中心に回転する。扱胴軸311は、前壁部材302及び後壁部材303によって回転自在に支持されている。扱胴軸311にはエンジン61からの回転動力が伝達される。扱胴軸311は、直線状に形成された構造体であり、掻き込みスクリュー312と複数のツースバー313とを支持する。
【0022】
掻き込みスクリュー312は、扱胴31の前部に配置されている。掻き込みスクリュー312は、螺旋状のインペラ(掻き込み羽根)312bが着脱可能に形成された構造体である。掻き込みスクリュー312は、フロントロータ33によって送り込まれてきた穀稈を掻き込む。つまり、掻き込みスクリュー312は、回転することにより、フロントロータ33によって送り込まれてきた穀稈を取り込んで後方へ送り出す。掻き込みスクリュー312は、螺旋状のインペラ312bが形成された構造に限られず、複数のブレードが形成された構造でも構わない。
【0023】
掻き込みスクリュー312の後方には、扱胴軸311を中心として複数のツースバー313が配置されている。ツースバー313は、複数の扱歯313tが所定の間隔を設けて互いに平行に配置された構造体である。ツースバー313は、掻き込みスクリュー312が送り出した穀稈を脱穀する。つまり、ツースバー313は、回転することにより、掻き込みスクリュー312が送り出した穀稈を揉み込み、また打撃して脱穀物を落とす。ツースバー313は、複数の扱歯313tを有する構造に限られず、螺旋状のブレードを有する構造でもよい。本実施形態では、複数のツースバー313と、各ツースバー313同士に亘って設けられる複数の板部材314とにより、扱胴31の内部空間と扱胴31の外部空間とを隔てて全体として円筒状をなす回転体を構成しているが、これに代えて、円筒形状の回転体に複数の扱歯313tを備えた構造としてもよい。
【0024】
受網32は、扱胴31の下側外周面に沿って設けられ、前後方向から見て略U字状に形成されている。本実施形態では、複数のツースバー313によって構成される回転体の下方を覆うように、受網32が配置されている。受網32は、ツースバー313によって揉み込まれる穀稈を支持する。受網32は、主に網体321によって構成されている。網体321は、所定の間隔で平行にワイヤを張り巡らせてなる構造体である。受網32は、網体321の隙間を通じて、扱胴31により脱穀処理された脱穀処理物を漏下させる。受網支持枠36は、受網32を下方から支持している。受網支持枠36は、脱穀装置3の幅方向中央部において前後方向に延びている。
【0025】
脱穀装置3は、左側方において扱胴31を横外方に臨ませる開口34(図6,7参照)と、その開口34に対して開閉自在に設けられた脱穀サイドカバー35(図1,3参照)とを有する。扱胴31の左側方は脱穀サイドカバー35によって覆われている。脱穀サイドカバー35は、図1,3で示した開口34を閉じる閉位置と、開口34を開く開位置との間で上下揺動可能に機枠300に取り付けられている。したがって、脱穀サイドカバー35を上下に揺動させることにより開口34を開閉できる。作業者は、脱穀サイドカバー35を開位置にすることで、その開口34から扱胴31や受網32などのメンテナンスを行うことができる。
【0026】
[選別装置]
図4に示すように、選別装置4は、揺動選別部41と、送風部42とを備える。揺動選別部41は、脱穀処理物を篩いにかけることによって穀粒を選別する。送風部42は、脱穀処理物に含まれる藁屑などの夾雑物を吹き飛ばすことによって穀粒を選別する。
【0027】
図5に示すように、揺動選別部41は、フィードパン411と、チャフシーブ412と、ストローラック413と、篩い線414と、揺動フレーム415とを備える。フィードパン411、チャフシーブ412及びストローラック413は、揺動フレーム415に取り付けられている。フィードパン411の後方下部にはチャフシーブ412が配置され、そのチャフシーブ412の後方にストローラック413が配置されている。篩い線414は、フィードパン411の後方であってチャフシーブ412の上方に配置されている。篩い線414は、後述するように支持体としての脱穀側板37(図6,7参照)に取り付けられたアーム7によって支持されている。
【0028】
揺動選別部41の後部下方には、左右方向に延びた軸41aの回転に連動して前後に揺動する偏心カム式の揺動駆動機構410が設けられている。揺動選別部41は、揺動駆動機構410によって前後に揺動可能に構成されている。揺動選別部41は、図5に示していない左右の脱穀側板37,38(図6参照)の間に配置されている。揺動フレーム415の上縁には、揺動選別部41と脱穀側板37,38との隙間から脱穀処理物が脱落しないよう、ブラケット417を介してゴムシート418が取り付けられている。
【0029】
フィードパン411は、広く平らに形成された構造体である。フィードパン411は、受網32から落下してきた脱穀処理物を受け止める。フィードパン411は、前後に揺動することにより、フィードパン411上の脱穀処理物を均しながら後方に移動させる。このとき、脱穀処理物は、斜めに取り付けられたフィン411fによって左右方向にも満遍なく広げられる。
【0030】
チャフシーブ412は、所定の間隔を設けて相互に平行に並べられた複数のシーブプレート412pを有する。複数のシーブプレート412pは、左右方向に沿って延在しつつ前後方向に並設されている。シーブプレート412pの角度は、脱穀処理物の量に応じて調整可能である。チャフシーブ412は、前後に揺動することにより、フィードパン411から送られてきた脱穀処理物を篩いにかけ、混入している夾雑物を浮き上がらせて穀粒と分離する。チャフシーブ412で選別された脱穀処理物(穀粒のみとなっている)は、篩い網416を通った後に、第一流穀板431で案内されて一番樋43に落下し、一番コンベア143によって搬送される。チャフシーブ412上に残った脱穀処理物は、後方に移動してストローラック413へ送られる。
【0031】
ストローラック413は、所定の間隔を設けて相互に平行に並べられた複数のラックプレート413pを有する。ストローラック413は、前後に揺動することにより、チャフシーブ412から送られてきた脱穀処理物を篩いにかけ、混入している比較的大きな夾雑物を支持して穀粒と分離する。ストローラック413で選別された脱穀処理物(穀粒と少数の小さな夾雑物となっている)は、第二流穀板441で案内されて二番樋44に落下し、二番コンベア144によって選別装置4の前端側に還元搬送され、再度の選別処理に供される。ストローラック413上に残った脱穀処理物は、後方に移動して外部へ排出される。
【0032】
篩い線414は、所定の間隔を設けて相互に平行に並べられた複数の線材414sを有する。篩い線414は、前後方向に揺動することにより、フィードパン411から送られてきた脱穀処理物を篩いにかけ、脱穀処理物に混入している比較的に大きな夾雑物を引っ掛けて穀粒と分離する。篩い線414で選別された脱穀処理物(穀粒と多数の小さな夾雑物となっている)は、チャフシーブ412に落下し、更に篩いにかけられて選別される。このように、フィードパン411で受け止められた脱穀処理物は、チャフシーブ412に至る前に篩い線414によって補助的に揺動選別される。
【0033】
送風部42は、揺動選別部41の前部下方に配置され、揺動選別部41に向かって選別風を供給する。送風部42は、ファン421と、ファンケース422とを備えている。本実施形態では、フィードパン411の下方にファン421が配置され、そのファン421を覆うようにファンケース422が配置されている。ファン421は、所定の角度で取り付けられた複数のファンプレート421pを有する。ファン421は、回転して風を送り出すことにより、チャフシーブ412及びストローラック413に載った夾雑物や、それらから落下した夾雑物を吹き飛ばす。ファンケース422は、板材を折り曲げて形成された構造体である。ファンケース422は、ファン421を覆うとともに、そのファン421が送り出した風を所定の方向へ案内する。
【0034】
[篩い線の支持構造]
図6は、扱胴31や受網32、上部カバー301、右側壁部材304などを取り外した状態の脱穀装置3を示す。図7は、更に脱穀サイドカバー35などを取り外した状態の脱穀装置3を示す。受網支持枠36は、脱穀装置3の幅方向中央部において前後方向に延びている。脱穀装置3の左側方の機壁は、主に脱穀サイドカバー35と脱穀側板37とで構成されている。脱穀側板37は、扱室30の左側方下部に設けられている。脱穀装置3の右側方の機壁は、主に右側壁部材304と脱穀側板38とで構成されている。脱穀側板38は、扱室30の右側方下部に設けられている。脱穀側板37,38は、それぞれ機枠300の一部を構成しており、揺動選別部41が揺動してもこれらは揺動しない。
【0035】
本実施形態では、脱穀部である脱穀装置3の左右一側方(本実施形態では、左側方)に設けられた脱穀側板37を支持体とし、篩い線414が、その脱穀側板37に取り付けられたアーム7によって、脱穀側板37に対して前後方向に揺動可能に支持されている。アーム7は、篩い線414とともに受網32の下方に配置されている。受網32から漏下する脱穀処理物の漏下量は、脱穀装置3の幅方向中央部で多く、脱穀装置3の幅方向端部では少ないため、脱穀側板37に取り付けたアーム7で篩い線414を支持することにより、アーム7に脱穀処理物が巻き付くことを防止できる。なお、フィードパン411の後端部に他の篩い線を取り付けてもよいし、取り付けなくてもよい。
【0036】
アーム7は、脱穀側板37に取り付けられた第1アーム部材71と、揺動選別部41に取り付けられ且つ第1アーム部材71に対して回動可能に取り付けられた第2アーム部材72とを有する。篩い線414は、第2アーム部材72に取り付けられている。アーム7は、揺動しない脱穀側板37に取り付けられているが、第2アーム部材72が、揺動選別部41とともに揺動しながら、脱穀側板37に取り付けられた第1アーム部材71に対して回動することにより、篩い線414を揺動させることができる。本実施形態では、第1アーム部材71及び第2アーム部材72が、それぞれ面外方向を左右に向けた板材で形成されている。
【0037】
図7〜9に示すように、第1アーム部材71は、脱穀側板37に対して相対回動可能に取り付けられた一端部71aと、第2アーム部材72の一端部72aに対して相対回動可能に取り付けられた他端部71bとを有する。第1アーム部材71は、脱穀側板37に対して回動軸73を支点として回動する。回動軸73は、ブラケット74を介して脱穀側板37に固定されているとともに、軸受75を介して第1アーム部材71の一端部71aに連結されている。第2アーム部材72は、第1アーム部材71に対して回動軸76を支点として回動する。回動軸76は、第1アーム部材71の他端部71bに固定されているとともに、軸受77を介して第2アーム部材72の一端部72aに連結されている。
【0038】
第2アーム部材72は、第1アーム部材71の他端部71bに対して相対回動可能に取り付けられた一端部72aと、揺動選別部41(の篩い線414)に取り付けられた他端部72bとを有する。第2アーム部材72の他端部72bは、篩い線414に固定されており、本実施形態では溶接で固定されている。アーム7は、平面視で前後方向に延在し、第1アーム部材71の一端部71aから後方へ延びて第2アーム部材72の他端部72bに至る。第2アーム部材72の両端部間の長さは、第1アーム部材71の両端部間の長さよりも小さく、これにより、揺動選別部41を脱穀機枠に装着する際に、アーム7が垂れ下がって邪魔にならないようにしている。なお、第2アーム部材72の他端部72bは、篩い線414にボルト等の締結部材により固定されていてもよい。
【0039】
篩い線414は、左右方向に延びた回動軸414aを支点として回動自在に支持されている。図8に示すように、チャフシーブ412には、回動軸414aの両端部を軸支するための一対の台座412s,412sが取り付けられている。一対の台座412s,412sは、それぞれ軸受412bを介して回動軸414aを支持している。圃場に砂が多い地域など高耐久が強く要求される地域では、当該構成により高耐久を実現することが可能である。なお、高耐久が強く要求されない地域においては、一対の台座412s,412sのうち片方のみに軸受412bを設けるとともに、もう片方は、軸受412bを使用せずに樹脂にて構成して回動軸414aを回動可能に支承する構成としたり、一対の台座412s,412sの双方について樹脂にて構成して回動軸414aを回動可能に支承する構成としたりしてもよい。軸受412bを使用せずに樹脂にて回転可能に支承する構成とすることで、コストを低減させることができる。また、本実施形態では、台座412sがチャフシーブ412に固定されているが、これに限られず、例えば揺動フレーム415に固定することも可能である。
【0040】
本実施形態では、揺動選別部41の前後方向の揺動に応じて、篩い線414が回動軸414aを中心にして上下方向に揺動し、篩い線414の姿勢が、図9(a)に示した第1の姿勢と、図9(b)に示した第2姿勢との間で変化する。第1の姿勢は、揺動選別部41が前方に位置するときの姿勢であり、第2の姿勢は、揺動選別部41が後方に位置するときの姿勢である。第2の姿勢では、篩い線414が後ろ上がり(前低後高)の状態となり、篩い線414の後端部が篩い線414の前端部よりも高くなる。このため、篩い線414に載った脱穀処理物を放り上げて選別効果を高めることができる。
【0041】
第1の姿勢では、篩い線414が後ろ下がり(前高後低)の状態となり、篩い線414の後端部が篩い線414の前端部よりも低くなる。このため、篩い線414に載った脱穀処理物の搬送を堰き止めることなく、後方へ脱穀処理物を適切に送り出すことができる。このように、本実施形態では、揺動選別部41が前方に位置するときに篩い線414は後ろ下がりとなり、揺動選別部41が後方に位置するときに篩い線414は後ろ上がりとなるが、これらは逆でもよい。また、脱穀処理物の搬送を妨げないようにする観点から、第1の姿勢または第2姿勢の少なくとも一方では、図9(a)のように篩い線414が後ろ下がりの状態になることが好ましい。
【0042】
図6のように、本実施形態のコンバイン100は、アーム7に被さるようにして配置される保護カバー81を備える。これにより、受網32から漏下した脱穀処理物がアーム7に接触することを防いで、脱穀処理物の巻き付きをより確実に防止できる。保護カバー81は板状に形成されているが、これに限られない。保護カバー81は、脱穀サイドカバー35の内面に着脱自在に取り付けられており、脱穀サイドカバー35を外すと保護カバー81も一緒に外れる。保護カバー81は、チェーンやベルトなどの動力伝動系を保護する保護カバー82,83と比べて、脱穀装置3の幅方向中央部に向けて大きく迫り出している。図示しないが、アーム7が位置する左右一側方とは反対側(本実施形態では、右側方)にも、回動軸414aの軸支箇所を保護する目的で、このような保護カバーが設けられている。
【0043】
既述のように、脱穀装置3は、扱胴31を横外方に臨ませる開口34と、その開口34に対して開閉自在に設けられた脱穀サイドカバー35とを有する。図6,7に示すように、開口34は、アーム7を取り付けた脱穀側板37が設けられている左右一側方である左側方において扱胴31を横外方に臨ませる。かかる構成によれば、脱穀サイドカバー35を開いたときに、作業者の手前側に篩い線414が位置するため、アーム7のメンテナンスを行う際の作業性に優れる。
【0044】
本実施形態では、脱穀装置3の左側方に設けられた脱穀側板37を支持体としてアーム7を取り付けた例を示したが、これに限られず、脱穀装置3の右側方に設けられた脱穀側板38を支持体としてアーム7を取り付けてもよい。また、アーム7が取り付けられる支持体は、脱穀側板37,38に限られず、脱穀装置3の側方に位置する他の固定部材(揺動選別部の揺動に応じて揺動しない部材)でも構わない。
【0045】
本実施形態では普通型コンバインの例を示したが、これに限られず、本発明は自脱型コンバインであってもよい。
【0046】
本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
3 脱穀装置(脱穀部)
4 選別装置
7 アーム
31 扱胴
32 受網
34 開口
35 脱穀サイドカバー
36 受網支持枠
36 脱穀側板(支持体の一例)
37 脱穀側板
41 揺動選別部
71 第1アーム部材
72 第2アーム部材
81 保護カバー
100 コンバイン
411 フィードパン
412 チャフシーブ
414 篩い線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9