特開2019-162225(P2019-162225A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-162225(P2019-162225A)
(43)【公開日】2019年9月26日
(54)【発明の名称】冷却補助容器
(51)【国際特許分類】
   A47G 23/04 20060101AFI20190830BHJP
   B65D 81/18 20060101ALI20190830BHJP
   A61J 9/00 20060101ALN20190830BHJP
【FI】
   A47G23/04
   B65D81/18 B
   A61J9/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-51057(P2018-51057)
(22)【出願日】2018年3月19日
(71)【出願人】
【識別番号】306029349
【氏名又は名称】ゼネラル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089462
【弁理士】
【氏名又は名称】溝上 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100129827
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 進
(74)【代理人】
【識別番号】100204021
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】平田 周孝
【テーマコード(参考)】
3B115
3E067
4C047
【Fターム(参考)】
3B115AA22
3B115DC12
3E067AB01
3E067BA01A
3E067EE29
3E067EE59
3E067GA02
4C047PP12
4C047PP20
(57)【要約】
【課題】従来の冷却補助容器は、飲食物が入った容器の外側で氷を収容する空間を要していたので、飲食物が入った容器に対して全体が大きくなる、といった点を改善する。
【解決手段】本発明の冷却補助容器1は、飲食物を入れる容器2と、この容器2の側面を内嵌する外容器3と、容器2の外面と外容器3の内面で形成される水収納部3Aと、外容器3の内面の一部と容器2の外面との一部との間に形成された氷水の注ぎ口3Bとを備え、水収納部3Aと注ぎ口3Bが連通部を介して連通し、注ぎ口3Bから注いだ氷水中の水を水収納部3Aへ流入させ、氷を注ぎ口3bで滞留させる構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物を入れる容器と、この容器の側面を内嵌する外容器と、前記容器の外面と前記外容器の内面で形成される水収納部と、前記外容器の内面の一部と前記容器の外面との一部との間に形成された氷水の注ぎ口とを備え、前記水収納部と前記注ぎ口が連通部を介して連通し、前記注ぎ口から注いだ氷水中の水を前記水収納部へ流入させ、氷を前記注ぎ口で滞留させる構成としたことを特徴とする冷却補助容器。
【請求項2】
水収納部は、注ぎ口側から、離反する方向へ下り勾配の傾斜が設けられていることを特徴とする請求項1記載の冷却補助容器。
【請求項3】
外容器に容器を固定する固定機構を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の冷却補助容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型化を抑制して携帯可能な冷却補助容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、以下の特許文献1〜3には、いずれも、熱せられた飲食物の入った容器を氷水に浸して冷却するように構成された冷却補助容器が示されている。
【0003】
特許文献1は、保冷時間の長期化と外面が結露しないようにすることを目的として、断熱保冷構造の容器の口部へ着脱自在に蓋装される栓体に竪穴状の挿置口を貫設し、該挿置口より筒状の食品挿置体を導下して容器内に収容させ、食品挿置体の外周に冷却室を形成した構成が示されている。
【0004】
特許文献2は、縦長形状の容器の冷却時の取扱いが便利で冷却や保冷時に倒れにくくすることを目的として、氷水を収容するための容器内を仕切り材によって少なくとも2つの領域に区画し、仕切り材自体又は仕切り材の端部に領域間の流体のみの通過を許容する連通部を形成し、領域の一方に収容した被冷却物に領域の他方に収容した氷が干渉しないようにした構成が示されている。
【0005】
特許文献3は、哺乳瓶に入った液体を簡便に素早く衛生的で安価に適温まで冷却することを目的として、哺乳瓶を覆う冷却筒を有し、冷却筒内に哺乳瓶を保持する哺乳瓶台を備え、氷や水などの冷却媒体を収納する空間を設けた構成が示されている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1〜3に示す冷却補助容器は、いずれも、飲食物が入った容器の上面を除く側方と底部に氷水における氷を収容する空間を要するので、飲食物が入った容器は小さいとしても、全体として非常に大きくなり、持ち運び難くなるといった不具合や、食べにくくなるといった不具合があった。
【0007】
ちなみに、特許文献2は、氷水を収容するための容器内を仕切り材によって2つの領域に区画し、領域の一方に収容した被冷却物に領域の他方に収容した氷が干渉しないようにしているものの、区画した他方の領域が飲食物が入った容器の上面を除く側方と底部に存在するので、結局、この氷を収容する(特許文献2で言う「領域の他方」)空間分だけ大型化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−9175号公報
【特許文献2】実用新案登録第3085906号公報
【特許文献3】特開2015−33636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題は、従来の冷却補助容器は、飲食物が入った容器の外側で氷を収容する空間を要していたので、飲食物が入った容器に対して全体が大きくなる、といった点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、飲食物を入れる容器と、この容器の側面を内嵌する外容器と、前記容器の外面と前記外容器の内面で形成される水収納部と、前記外容器の内面の一部と前記容器の外面との一部との間に形成された氷水の注ぎ口とを備え、前記水収納部と前記注ぎ口が連通部を介して連通し、前記注ぎ口から注いだ氷水中の水を前記水収納部へ流入させ、氷を前記注ぎ口で滞留させる構成としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の冷却補助容器は、注ぎ口と水収納部との連通部分に、氷水における氷を注ぎ口で滞留させて水収納部へ流入しないように、つまり水収納部では氷が分離された水だけが流入するように容器を配置する構成としているので、外容器の内側に嵌合した容器の側部に面する一部、つまり注ぎ口を除いた容器の側部と底部に氷を収容する空間を設ける必要はなく、その分だけ全体を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の冷却補助容器を示す斜視図である。
図2】本発明の冷却補助容器の容器と外容器を分離した状態を示す斜視図である。
図3】本発明の冷却補助容器の水収納部と注ぎ口の構造を説明するための部分端面図である。
図4】本発明の冷却補助容器の水収納部と注ぎ口の構造を説明するための上方から視た図である。
図5】本発明の冷却補助容器の抉れ部を説明するための側方から視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の冷却補助容器は、従来の飲食物が入った容器の外側において氷を収容する空間が存在していたことに起因して全体が大きくなるという不具合を、外容器の内面の一部と容器の外面との一部との間に形成された氷水の注ぎ口とを備え、水収納部と注ぎ口が連通部を介して連通し、注ぎ口から注いだ氷水中の水を水収納部へ流入させ、氷を注ぎ口で滞留させることで改善した。
【0014】
例えば外容器の注ぎ口は例えば容器の側部に面する一部分的に該容器の外側方向に膨出させた構成の場合は、注ぎ口で氷を滞留させ、水収納部では水だけを収納する空間にできるので、容器に対する外容器を小型化することができる。
【0015】
また本発明は、上記において、水収納部は、注ぎ口側から、離反する方向へ下り勾配の傾斜が設けられていてもよい。水収納部において、注ぎ口側から該注ぎ口から離反する方向に下り勾配の傾斜を設けることで、水収納部内で容器によって温まった水は上方へ移動しようとする一方で注ぎ口において氷で冷えた水は下方へ移動しようとする。水収納部において注ぎ口側から離反する方向へ下り勾配の傾斜を設けることで、水の対流を促すこととなり、容器を効率良く冷やすことができる。
【0016】
さらに、本発明は、上記において、外容器に、容器を固定する固定機構を備えてもよい。こうすることで、水収納部における水に容器が浮かんで周方向に回転したり、不安定になることを防止できる。
【実施例】
【0017】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。1は、本発明の冷却補助容器である。この冷却補助容器1は、飲食物を入れる容器2と、この容器2の側面と底面が嵌合される外容器3と、を備える。
【0018】
容器2は、熱伝導率の高いステンレスやアルマイトなどの金属が用いられると好適であるが、必須というわけではなく、電子レンジで使用できる樹脂を材質としたものであっても構わない。
【0019】
また、容器2は、底面部の面積が広く確保され、若干の深さがあるいわゆるスープ皿のような形状とされ、その開口上面縁部(リム)には底面部に対して平行に外径側に突出した係合部2Aが形成されている。さらに、容器2の係合部2Aの直径対向位置には該係合部2Aからさらに外径方向に延出された取手2a,2aが形成されている。また、容器2の内底面には例えば食材の磨りつぶし用の突起2bが形成されている。
【0020】
なお、容器2は、開口上面縁部に係合部2Aが形成され、かつ外容器3の後述の注ぎ口3Bと水収納部3Aの連通部において該注ぎ口3Bで氷が該水収納部3Aに流入しないように遮る(水は水収納部3Aに流入可能)ことができれば、形状は限定しない。
【0021】
外容器3は、内側に容器2が嵌まるように構成されている。また、外容器3は、倒れにくいように下面(設置面)の方が上面(容器2を挿入する側の面)より面積が大きく、側面視では略台形状とされている。
【0022】
さらに、外容器3は、該外容器3の内側と、嵌合した容器2の外周部と底部と、において水が浸入する隙間が形成され、ここを水収納部3Aとしている。また、外容器3は、例えば容器2が嵌る側部の一部に、外径方向に突出して形成された氷水の注ぎ口3Bが形成されている。つまり、本例では、注ぎ口3Bは、外容器3の内側に嵌合した容器2の側部に面する一部が平面視で該容器2の外側方向に膨出した状態に形成されている。
【0023】
注ぎ口3Bと水収納部3Aとは連通した状態とされ、容器2を外容器3に嵌入することで注ぎ口3Bにおける水収納部3A側への連通部が部分的に遮られる。部分的にとは、本実施例では、具体的には、前記連通部のうち、外容器3の内底近くを除いた部位を意味する。つまり、本発明の冷却補助容器1は、容器2を外容器3に嵌入することで、氷が注ぎ口3Bに滞留して水収納部3Aへ流入しないように構成されている。
【0024】
飲食物を冷却するため、注ぎ口3Bから、例えば立方体形状の氷の入った氷水を注入すると、氷は容器2に遮られて、また、水収納部3Aは、容器2の外面と外容器3の内面によって形成される空間であるが、そもそも水収納部3Aと注ぎ口3Bとの連通部は氷が沈む深さ位置にはなく、また、ブロック状の氷が浸入可能な広さとなっていないので、氷は水収納部3Aへは浸入せず、注ぎ口3Bに滞留し、氷水における水だけが水収納部3Aへ流入することとなる。なお、溶けたり割れた小粒の氷は氷水を注いだいきおいで水収納部3Aへ流入することはある。
【0025】
このように、本発明の冷却補助容器1は、氷を注ぎ口3Bにおいて滞留させ、水収納部3Aでは水だけを流入させる構成とすることで、氷を流入させる空間を確保する必要がない分だけ大型化を抑制できる。
【0026】
また、図3に示すように、本実施例における冷却補助容器1は、水収納部3Aにおいて、注ぎ口3B側から、離反する方向へ下り勾配の傾斜3Aaが設けられている。この傾斜3Aaを設けることにより、水の温度差による対流を傾斜3Aaによって促進することができる。
【0027】
すなわち、注ぎ口3Bにおいて滞留する氷で冷えた水は水収納部3Aの傾斜3Aaに促されて該水収納部3Aの深い(底)部分へ移動し、水収納部3Aにおいて容器2により温められた水は水収納部3Aの上方へ移動する。
【0028】
このとき、傾斜部3Aaを形成しておけば、注ぎ口3Bで冷えた水の傾斜部3Aaに促された移動により、水収納部3Aにおける全体の水が対流することとなり、容器2を速やかに冷やすことができる。
【0029】
さらに、外容器3は、容器2が嵌入する開口上端における直径対向位置に、該容器2を固定する固定機構3C,3Cを設けている。この固定機構3C,3Cは、容器2の係合部2A(開口上端縁部)をフック状の部材で係合しておく構造としているが、特にこれに限定されない。
【0030】
なお、外容器3は、容器2の係合部2Aの下部が当接する水収納部3Aの開口上縁部にシール部材2cを設けておけば、上記固定機構3C,3Cによって容器2が移動しないように固定しておくことができるうえ、容器2の係合部2Aの裏側と密着することによって、該水収納部3Aの水が該容器2内へ、容器2の飲食物が水収納部3Aへ、流入することを防止できる。
【0031】
また、外容器3における注ぎ口3Bの開口における、容器2から離間する方向の端縁部にはこの端縁部以外と較べて高さの低い段部3Baが形成されている。氷水の入ったコップを注ぎ口3Bから注ぐ際、該コップの開口端部を段部3Baに当接させれば、氷水をこぼすことなく上手く注ぎ口3Bに注ぐことができる。
【0032】
さらに、図4に示すように、注ぎ口3Bの内側、本実施例では上記段差3Baの下部に、水位(水の量)の目安となる水位表示3aが形成されている。本実施例では、外食産業で利用される一般的なコップの水量である200ミリリットルを目安としている。
【0033】
また、図5に示すように、外容器3の外周部、本実施例では注ぎ口3Bと直径方向に対向した位置には、内側に抉れた抉れ部3bが形成されている。この抉れ部3bは、例えば冷却補助容器1により容器2内で十分に冷却された飲食物を他の容器に移す際、他の容器の縁を外容器3に接近させて、移しやすくするためのものである。
【0034】
なお、本実施例では、図示していないが、冷却補助容器1には、容器2に対しての蓋を備えていてもよい。蓋を設けておけば、容器2の冷却中、少しの時間でも容器2内の飲食物が外気に接触しないようにでき、衛生的である。
【0035】
また、冷却補助容器1は、注ぎ口3Bの開口を覆う開閉自在な蓋部材を備えておいてもよい。注ぎ口3Bに蓋部材を備えておけば、氷水を注ぐ時以外は蓋部材を閉じた状態として、不意に冷却補助容器1毎移動させても氷水を外容器3外へこぼすことがない。
【0036】
例えば出来たてのお粥は熱くて直ぐに食べることができないが、以上の構成とされた冷却補助容器1における容器2にお粥を入れて、外容器3に容器2を嵌入して注ぎ口3Bから氷水を注げば、該容器2(の内容物であるお粥)が速やかに適度に冷却され、冷めるのを待つ時間が短縮されて早く食べ始めることができる。
【0037】
さらに、本発明の冷却補助容器1は、容器2が電子レンジ使用可能な樹脂製の場合、該容器2に上記で蓋などをして、電子レンジで加熱し、その加熱した後の容器2を外容器3に装着して、氷水を注ぎ口3Bから注いで適温に冷やして飲食するといった使用も可能である。
【0038】
そして、本発明の冷却補助容器1は、水収納部3Aに氷が浸入せず、氷は注ぎ口3Bに滞留させる構成であるため、該水収納部3Aは氷を収納しなくてよい分だけ外形形状を小型化することができ、したがって、外食時に、携帯することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 冷却補助容器
2 容器
3 外容器
3A 水収納部
3Aa 傾斜
3B 注ぎ口
3Ba 段部
図1
図2
図3
図4
図5