(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-162330(P2019-162330A)
(43)【公開日】2019年9月26日
(54)【発明の名称】ベッド用オプションユニット
(51)【国際特許分類】
A47C 21/00 20060101AFI20190830BHJP
【FI】
A47C21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-52650(P2018-52650)
(22)【出願日】2018年3月20日
(71)【出願人】
【識別番号】594128625
【氏名又は名称】シモンズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100077241
【弁理士】
【氏名又は名称】桑原 稔
(72)【発明者】
【氏名】榊原 佳里
(57)【要約】
【課題】ベッドに対してそのフレーム内の空気の調整機能ないし改質機能を容易且つ適切に付与できるようにする。
【解決手段】一面2aを幅側構成板体13の内面13bに添わせた状態でフレーム11内に備え付け可能に構成されたボード体2と、連結具14の屈曲部14aを挟んだ他方側14cと幅側構成板体13の内面との間に挟み入れられる外側板部5とこの外側板部5との間にボード体2の端部を保持する間隔を開けて外側板部5の内方に位置される内側板部6とを一体に備えてなる左側保持部材3および右側保持部材4とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドのフレームを構成するベッドの長さ側構成板体と、ベットの幅側構成板体とを、水平断面L字状をなすと共に屈曲部を挟んだ一方側を長さ側構成板体の端部の内面に固定した連結具における前記屈曲部を挟んだ他方側に形成した通し部を通じて軸状固定体を前記幅側構成板体に止め付けることで組み合わせるようにしてなるベッドに対して、前記フレーム内の空気の調整機能ないし改質機能を付加させるユニットであって、
一面を前記幅側構成板体の内面に添わせた状態で前記フレーム内に備え付け可能に構成された前記機能を備えたボード体と、
前記連結具の前記屈曲部を挟んだ他方側と前記幅側構成板体の内面との間に挟み入れられる外側板部と、この外側板部との間に前記ボード体の左端部を保持する間隔を開けて前記外側板部の内方に位置される内側板部とを一体に備えてなる左側保持部材と、
前記連結具の前記屈曲部を挟んだ他方側と前記幅側構成板体の内面との間に挟み入れられる外側板部と、この外側板部との間に前記ボード体の右端部を保持する間隔を開けて前記外側板部の内方に位置される内側板部とを一体に備えてなる右側保持部材と、を備えてなるベッド用オプションユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、既存のベッドに対して、調湿、消臭、空気質改善、防虫、香りの放散などの少なくとも一種以上の機能を、付加させることができるオプションユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ベッドのフレームを構成するベッドの長さ側構成板体と、ベットの幅側構成板体とを、水平断面L字状をなすと共に屈曲部を挟んだ一方側を長さ側構成板体の端部の内面に固定した連結具における前記屈曲部を挟んだ他方側に形成した通し穴を通じて軸状固定体を前記幅側構成板体に止め付けることで組み合わせるようにしてなるベッドとして、特許文献1に示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3418356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、前記のような長さ側構成体と幅側構成体とを前記連結具をもって組み合わせるようにしてなるフレームを備えたベッドに対して、このフレーム内の空気の調整機能ないし改質機能を容易且つ適切に付与できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、この発明にあっては、ベッド用オプションユニットを、ベッドのフレームを構成するベッドの長さ側構成板体と、ベットの幅側構成板体とを、水平断面L字状をなすと共に屈曲部を挟んだ一方側を長さ側構成板体の端部の内面に固定した連結具における前記屈曲部を挟んだ他方側に形成した通し部を通じて軸状固定体を前記幅側構成板体に止め付けることで組み合わせるようにしてなるベッドに対して、前記フレーム内の空気の調整機能ないし改質機能を付加させるユニットであって、
一面を前記幅側構成板体の内面に添わせた状態で前記フレーム内に備え付け可能に構成された前記機能を備えたボード体と、
前記連結具の前記屈曲部を挟んだ他方側と前記幅側構成板体の内面との間に挟み入れられる外側板部と、この外側板部との間に前記ボード体の左端部を保持する間隔を開けて前記外側板部の内方に位置される内側板部とを一体に備えてなる左側保持部材と、
前記連結具の前記屈曲部を挟んだ他方側と前記幅側構成板体の内面との間に挟み入れられる外側板部と、この外側板部との間に前記ボード体の右端部を保持する間隔を開けて前記外側板部の内方に位置される内側板部とを一体に備えてなる右側保持部材と、を備えてなる、ものとした。
【0006】
サイドフレームに取り付けられた連結具の通し部に通された軸状固定体をフットフレームに本締め(ねじ込みきる)までにいたらない仮締めした状態において、左側の前記連結具の前記屈曲部を挟んだ他方側と前記幅側構成板体の内面との間に左側保持部材の外側板部を差し込む。また、右側の前記連結具の前記屈曲部を挟んだ他方側と前記幅側構成板体の内面との間に右側保持部材の外側板部を差し込む。それと共に、ボード体の左端部を左側保持部材に保持させ、かつ、ボード体の右端部を右側保持部材に保持させる。この後、前記軸状個体体を本締めすることで、サイドフレームの内面にボード体を密着させるようにしてフレーム内にボード体を備え付けることが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、既存の前記フレームを備えたベッドに対して、調湿、消臭、空気質改善、防虫、香りの放散などの少なくとも一種以上の機能を、容易且つ適切に付加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態にかかるベッド用オプションユニットの利用対象となるベッドの一例を示した斜視構成図である。
【
図3】
図3は、
図1のベッドに前記オプションユニットを備えさせた状態を示した要部平面構成図である。
【
図4】
図4は、
図1のベッドに前記オプションユニットを備えさせた状態を示した要部断面構成図である。
【
図5】
図5は、前記オプションユニットの斜視図である。
【
図6】
図6は、実施の形態にかかるベッド用オプションユニットの利用対象となるベッドの他の一例を示した斜視構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1〜
図6に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。この実施の形態にかかるベッド用オプションユニット1は、ベッド10のフレーム11を構成するベッド10の長さ側構成板体12と、ベッド10の幅側構成板体13とを、水平断面L字状をなすと共に屈曲部14aを挟んだ一方側14bを長さ側構成板体12の端部12aの内面12bに固定した連結具14における前記屈曲部14aを挟んだ他方側14cに形成した通し部14dを通じて軸状固定体15を前記幅側構成板体13に止め付けることで組み合わせるようにしてなるベッド10に対して、必要に応じて前記フレーム11内に備えられて、前記フレーム11内の空気、より具体的には、このフレーム11に支持される床板16の下方の空間の空気の調整機能ないし改質機能を付加させるものである。
【0010】
前記ベッド10の典型的構成例の一つを
図1及び
図2に示す。図中符号12’は前記長さ側構成板体12としてのサイドフレーム、符号13’は前記幅側構成板体13としてのヘッドボード、符号13”は前記幅側構成板体13としてのフットフレームである。サイドフレーム12’のベッド10のヘッド側10bの端部12aと、ベッド10のフット側10aの端部12aとにはそれぞれ、前記連結具14が前記のように取り付けられている。連結具14は、典型的には金属製であり、金属の板体を成形して構成されている。連結具14の屈曲部14aを挟んだ他方側14cの外面は、サイドフレーム12’の端末面12cと実質的に同面上に位置される。連結具14の屈曲部14aを挟んだ一方側14bは、その外面をサイドフレーム12’の内面12bに密着させた状態でサイドフレーム12’にネジ付けられるボルトなどを利用してサイドフレーム12’に固定される。図示の例では、連結具14の屈曲部14aを挟んだ他方側14cには、上下にそれぞれ軸状固定体15の通し部14dが形成されている。サイドフレーム12’とヘッドボード13’とは、サイドフレーム12’の連結具14の上下の通し部14dにそれぞれフレーム11の内側となる側から通した前記軸状固定体15としてのボルト15aをヘッドボード13’に形成された通し穴13aに通し、ヘッドボード13’の外面側からこの通し穴13aに入れ込まれるナット17をこのボルト15aに螺合させることで固定されるようになっている。また、サイドフレーム12’とフットフレーム13”とは、サイドフレーム12’の連結具14の上下の通し部14dにそれぞれフレーム11の内側となる側から通したボルト15aをフットフレーム13”にネジ付けることで固定されるようになっている。このように組み合わされる左右のサイドフレーム12’と、ヘッドボード13’と、フットフレーム13”とから、前記フレーム11が構成される。図中符号12dで示すのは、サイドフレーム12’の内面12bに形成された床板16の支持部であり、
図1及び
図2に示される典型的構成例では、この支持部12dを利用してヘッド側10b及びフット側10aの床板16がそれぞれ支持されるようになっている。
【0011】
図6に示されるように、フレーム11に対し床板16をヘッドボード13’の側に傾動中心を位置させるようにして傾動可能に組み合わせる場合もある。
図6中、符号18は前記傾動を可能とするヒンジ部材、符号19はガススプリングである。このようにした場合、床板16のフット側10aの端部を上方に持ち上げることで床板16を傾動させてフレーム11内の空間にアクセスし易くなる。
【0012】
一組の前記ユニット1は、一面2aを前記幅側構成板体13の内面に添わせた状態で前記フレーム11内に備え付け可能に構成されたボード体2と、
前記連結具14を利用して前記ボード体2の左端部2bを保持する左側保持部材3と、
前記連結具14を利用して前記ボード体2の右端部2cを保持する右側保持部材4との三点から構成されている。
【0013】
一組の前記ユニット1によって、一枚のボード体2がフレーム11内に備え付けられる。
図3及び
図4は、フットフレーム13”の内側にに一枚のボード体2を備え付けた様子を示している。図示は省略するが、ヘッドボード13’の内側にも同様にして一枚のボード体2を備え付け可能である。フットフレーム13”の内側とヘッドボード13’の内側とにそれぞれボード体2を備え付けるようにする場合は、二組の前記ユニット1が必要となる。
【0014】
前記ボード体2を、調湿機能を備えたものとすれば、前記フレーム11内の空気の湿度を一定の範囲に調整可能となる。
【0015】
前記ボード体2を、消臭機能を備えたものとすれば、前記フレーム11内の空気中から不要な匂い成分を除去可能となる。
【0016】
前記ボード体2を、空気質の改質機能を備えたものとすれば、前記フレーム11内の空気中から有害なガス成分を除去可能となる。
【0017】
前記ボード体2を、防虫機能を備えたものとすれば、前記フレーム11内の空気中に害虫を忌避などさせるガス成分を付与可能となる。
【0018】
前記ボード体2を、香りの放散機能を備えたものとすれば、前記フレーム11内の空気中に芳香を付与可能となる。
【0019】
前記ボード体2は、こうした調湿、消臭、空気質改善、防虫、香りの放散などの少なくとも一種以上の機能を備えた公知の素材から構成される。当然のことながら、前記ボード体2は、前記機能の二種以上を備えた素材から構成しても構わない。特に、調湿、防虫機能は床板16下方の前記フレーム11内の空間を収納として利用する場合に有益となる。
【0020】
前記ボード体2は、前記幅側構成板体13の内面13b(フレーム11内に位置される面)内に納まる上下寸法(幅寸法)と左右寸法(長さ寸法)とを持つように構成される。図示の例では、前記ボード体2は、フットフレーム13”の左右寸法よりもやや短い左右寸法と、フットフレーム13”の上下寸法と実質的に等しい上下寸法とを持つように構成されている。
【0021】
一方、前記左側保持部材3は、左側のサイドフレーム12’の前記連結具14の前記屈曲部14aを挟んだ他方側14cと前記幅側構成板体13の内面13bとの間に挟み入れられる外側板部5と、この外側板部5との間に前記ボード体2の左端部2bを保持する間隔を開けて前記外側板部5の内方に位置される内側板部6とを一体に備えている。
【0022】
また、前記右側保持部材4は、右側のサイドフレーム12’の前記連結具14の前記屈曲部14aを挟んだ他方側14cと前記幅側構成板体13の内面との間に挟み入れられる外側板部5と、この外側板部5との間に前記ボード体2の右端部2cを保持する間隔を開けて前記外側板部5の内方に位置される内側板部6とを一体に備えている。
【0023】
図示の例では、左側保持部材3と右側保持部材4とは同寸同型の構成となっており、後述の導入口8を、左側保持部材3においては右側を向けるようにして、右側保持部材4においては左側を向けるようにして、幅側構成板体13の内面13bに備えられる点のみが異なることから、以下では左側保持部材3について説明し、右側保持部材4の説明は省略する。
【0024】
左側保持部材3は、上下方向における各位置においてぞれぞれ、水平断面を実質的に等しくした長尺材によって構成されている。左側保持部材3は、典型的には、プラスチックの押し出し成形品を前記幅側構成板体13の上下寸法に相応した長さに切断して構成される。
【0025】
図示の例では、内側板部6はその左右方向の寸法を、外側板部5の左右方向の寸法よりも短くする。外側板部5の左右方向中程の位置には、外側板部5及び内側板部6に実質的に直交する板面を持った連結板部7が形成されている。連結板部7の一端は外側板部5に一体化され、連結板部7の他端は内側板部6に一体化されている。内側板部6は、左端を連結板部7に一体化させ、右端と内側板部6との間を前記ボード体2の左端部2bの導入口8とするように形成されている。図示の例では、内側端部の右端には、内向きの折り返し部9が形成されており、実際は、この折り返し部9と内側板部6との間にボード体2の左端部2bが保持されるようになっている。すなわち、内側板部6の折り返し部9と外側板部5との間の距離が前記ボード体2の厚さと実質的に等しくなっている。
【0026】
サイドフレーム12’に取り付けられた連結具14の通し部14dに通されたボルト15aをフットフレーム13”に本締め(ねじ込みきる)までにいたらない仮締めした状態において、左側の前記連結具14の前記屈曲部14aを挟んだ他方側14cと前記幅側構成板体13の内面13bとの間に左側保持部材3の外側板部5を差し込む。具体的には、前記連結具14の前記屈曲部14aを挟んだ他方側14cの縁部に左側保持部材3の連結板部7の外面が突き当たるようにして前記外側板部5の左側を前記連結具14の前記屈曲部14aを挟んだ他方側14cと前記幅側構成板体13の内面13bとの間に差し込む。また、右側の前記連結具14の前記屈曲部14aを挟んだ他方側14cと前記幅側構成板体13の内面13bとの間に右側保持部材4の外側板部5を差し込む。具体的には、前記連結具14の前記屈曲部14aを挟んだ他方側14cの縁部に右側保持部材4の連結板部7の外面が突き当たるようにして前記外側板部5の右側を前記連結具14の前記屈曲部14aを挟んだ他方側14cと前記幅側構成板体13の内面13bとの間に差し込む。それと共に、ボード体2の左端部2bを左側保持部材3の導入口8を利用して左側保持部材3に保持させ、かつ、ボード体2の右端部2cを右側保持部材4の導入口8を利用して右側保持部材4に保持させる。この後、前記ボルト15aを本締めすることで、サイドフレーム12’の内面12bにボード体2を近接させた状態でフレーム11内にボード体2を備え付けることが可能となる。
【0027】
この実施の形態にかかるベッド10用オプションユニット1によれば、既存の前記フレーム11を備えたベッド10に対して、調湿、消臭、空気質改善、防虫、香りの放散などの少なくとも一種以上の機能を、容易且つ適切に付加させることができる。
【0028】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0029】
2 ボード体
2a 一面
3 左側保持部材
4 右側保持部材
5 外側板部
6 内側板部
11 フレーム
13 幅側構成板体
13b 内面
14 連結具
14a 屈曲部
14c 他方側