【実施例】
【0015】
以下本発明の一実施例による高圧洗浄装置について説明する。
図1は本実施例による高圧洗浄装置の構成図である。
本実施例による高圧洗浄装置は、洗浄水を貯留する水タンク1と、水タンク1内の洗浄水を洗浄用ホース2に圧送する水ポンプ3と、洗浄用ホース2の先端に取り付けられる洗浄ノズル4と、水タンク1から水ポンプ3までをつなぐ吸水配管11と、水ポンプ3から洗浄用ホース2までをつなぐ吐水配管12と、吐水配管12の途中に設けた水圧調整弁5とを備えている。
本実施例では、洗浄ノズル4として、ジェットノズル4aとジェットガンノズル4bとを備えている。ジェットノズル4aは、メイン洗浄用ホース2aの先端に取り付けられ、ジェットガンノズル4bはサブ洗浄用ホース2bの先端に取り付けられる。メイン洗浄用ホース2aはメインリール6aに収容され、サブ洗浄用ホース2bはサブリール6bに収容される。ジェットノズル4aは、高圧洗浄流体の噴射によって、下水管や排水管などの管の内部を移動して管の内部を洗浄する。
【0016】
吸水配管11にはストレーナ13を設けている。吐水配管12には、メインバルブ14a、14bを設けている。
水圧調整弁5と水タンク1とは配水管15で接続されている。吐水配管12内の水圧が設定値を上回ると、水圧調整弁5は、吐水配管12内の水を配水管15によって水タンク1に戻す。メインバルブ14a、14bは、開状態とすることで吐水配管12内の水を洗浄用ホース2に導き、閉状態とすることで洗浄用ホース2への水の流れを遮断する。
吐水配管12には、吐水配管12内の水を水タンク1に戻すバイパス配管16を備えている。バイパス配管16には、バイパスバルブ14cを設けている。バイパスバルブ14cは、開状態とすることで吐水配管12内の水を水タンク1に導き、閉状態とすることで水タンク1への水の流れを遮断する。
【0017】
水圧調整弁5の設定圧力は、レギュレータ21によって調整される。メインバルブ14a、14b及びバイパスバルブ14cの開閉は、切り替えバルブ22によって行われる。レギュレータ21の調整、及び切り替えバルブ22の動作は、エアタンク23から供給されるエア圧によって行われる。エアタンク23には、コンプレッサ24からエアが供給される。エアタンク23からレギュレータ21及び切り替えバルブ22にエアを供給するエア管25にはエアフィルタ26を設けている。
水ポンプ3は、電動モータやエンジンなどの動力源7によって駆動される。水ポンプ3と動力源7とは駆動軸7aで連結されている。
水ポンプ3には、例えばプランジャーポンプを用いることができ、水圧調整弁5には、エア式水圧調整弁が適しており、レギュレータ21には、電気式エア圧調整弁が適している。動力源7には、車輌走行用のエンジンを用いることができる。
【0018】
洗浄用ホース2には、水ポンプ3によって水タンク1の水(洗浄流体)が送られる。水タンク1から水ポンプ3の吸込口3aまでは吸水配管11で接続され、水ポンプ3の吐出口3bから洗浄用ホース2までは吐水配管12で接続されている。
【0019】
水圧調整弁5の設定圧力を高くすることで、洗浄用ホース2内の流体圧力を高めることができ、洗浄ノズル4からの噴射水量を増加することができる。また、水圧調整弁5の設定圧力を低くすることで、洗浄用ホース2内の流体圧力を低下させることができ、洗浄ノズル4からの噴射水量を減少することができる。
洗浄用ホース2からの高圧洗浄流体の供給を停止するには、メインバルブ14a、14bを閉状態とし、バイパスバルブ14cを開状態とし、水ポンプ3は駆動を維持する。水ポンプ3から吐出される水は、洗浄用ホース2に導かれることなく、バイパス配管16から水タンク1に戻される。
洗浄用ホース2からの高圧洗浄流体の供給は、メインバルブ14a、14bを開状態とし、バイパスバルブ14cを閉状態とし、水ポンプ3は駆動を維持する。水ポンプ3から吐出される水は、バイパス配管16から水タンク1に戻されることなく、洗浄用ホース2に導かれる。
【0020】
本実施例による高圧洗浄装置は、検出器30と、コントローラ41と、バルブコントローラ42と、表示器43と、洗浄操作盤44と、メモリー45とを備えている。
検出器30として、下流側流量検出器31と上流側流量検出器32と回転数検出器33とを備えている。
下流側流量検出器31は、水圧調整弁5より下流に位置する吐水配管12を流れる下流側水量を検出する。
上流側流量検出器32は、水圧調整弁5より上流に位置する吐水配管12を流れる上流側水量を検出する。
回転数検出器33は、水ポンプ3の回転数を検出する。
下流側流量検出器31は、水圧調整弁5より下流に位置する吐水配管12に設ける。上流側流量検出器32は、水圧調整弁5より上流に位置する吐水配管12に設ける。
なお、上流側流量検出器32を用いることなく、回転数検出器33によって上流側水量を決定することができる。
【0021】
コントローラ41は、下流側流量検出器31、上流側流量検出器32、及び回転数検出器33で検出される検出値を入力し、これらの検出値によって動力源7に対して駆動制御する。
コントローラ41は、水圧調整弁5より下流に位置する吐水配管12を流れる下流側水量が、水圧調整弁5より上流に位置する吐水配管12を流れる上流側水量より少なくなると、水量の差分だけ水圧調整弁5は吐水配管12内の水を配水管15から水タンク1に戻していることになるため、上流側水量が下流側水量と等しくなるように水ポンプ3の回転数を低下させるように動力源7を制御する。このように、水ポンプ3から吐出される水が無駄に水圧調整弁5から水タンク1に戻ることをなくすことができるため、エネルギー消費量、騒音、及び圧力調整弁の消耗を防止できる。
またコントローラ41は、下流側水量が上流側水量より少なくなった後に、水ポンプ3の回転数を低下させることで上流側水量が下流側水量と等しくなった時の水ポンプ3の回転数を、洗浄ノズル4における上限回転数としてメモリー45に記憶する。洗浄ノズル4が最大能力を発揮する吐出回転数をメモリー45に記憶できるため、例えば最大能力に対して80%の噴出能力や、60%の噴出能力などの調整を行うことができる。なお、本実施例では、洗浄ノズル4として、ジェットノズル4aとジェットガンノズル4bとを備えているため、ジェットノズル4aが最大能力を発揮する吐出回転数と、ジェットガンノズル4bが最大能力を発揮する吐出回転数とを記憶することができる。
【0022】
バルブコントローラ42は、レギュレータ21の調整、及び切り替えバルブ22の動作を行わせる。
表示器43は、コントローラ41で判断したジェットノズル4aにおける上限回転数やジェットガンノズル4bにおける上限回転数を、最大能力を発揮する吐出回転数として表示することができ、スロットルによる手動操作を容易にすることができる。
【0023】
洗浄操作盤44は、洗浄用ホース2からの高圧洗浄流体の供給と停止指示を行う。
洗浄操作盤44で、高圧洗浄流体の供給が指示されると、バルブコントローラ42によって、メインバルブ14a、14bを開状態、バイパスバルブ14cを閉状態とし、高圧洗浄流体の供給停止が指示されると、バルブコントローラ42によって、メインバルブ14a、14bを閉状態とし、バイパスバルブ14cを開状態とする。
また、洗浄操作盤44で、高圧洗浄流体の供給が指示されると、コントローラ41は、下流側水量が上流側水量より少なくなる状態まで動力源7の回転を上昇させ、下流側水量が上流側水量より少なくなった後に、上流側水量と下流側水量とを等しくなるまで動力源7の回転を低下させることで、洗浄ノズル4における上限回転数を検出する。
なお、洗浄操作盤44では、レギュレータ21の調整指示を行えることが好ましく、洗浄操作盤44で、レギュレータ21の調整指示がされると、バルブコントローラ42によって、レギュレータ21が調整され、水圧調整弁5の設定圧力を変更できる。
水圧調整弁5の設定圧力を変更した場合には、改めて、コントローラ41は、下流側水量が上流側水量より少なくなる状態まで動力源7の回転を上昇させ、下流側水量が上流側水量より少なくなった後に、上流側水量と下流側水量とを等しくなるまで動力源7の回転を低下させることで、洗浄ノズル4における上限回転数を検出する。
【0024】
本実施例による高圧洗浄装置は、メイン洗浄用ホース2aを収容するメインリール6aと、サブ洗浄用ホース2bを収容するサブリール6bを備えて車輌に搭載される高圧洗浄車とした場合には、エネルギー消費量や騒音が少ない高圧洗浄車を提供できる。