特開2019-163680(P2019-163680A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-163680(P2019-163680A)
(43)【公開日】2019年9月26日
(54)【発明の名称】融雪設備
(51)【国際特許分類】
   E04H 9/16 20060101AFI20190830BHJP
   A01G 9/14 20060101ALI20190830BHJP
【FI】
   E04H9/16 K
   A01G9/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-74221(P2018-74221)
(22)【出願日】2018年3月20日
(71)【出願人】
【識別番号】515107188
【氏名又は名称】中野 譲二
(72)【発明者】
【氏名】中野 譲二
【テーマコード(参考)】
2B029
2E139
【Fターム(参考)】
2B029AA07
2B029XA03
2E139AA03
2E139DA25
2E139DA30
2E139DA40
2E139DB04
2E139DB09
2E139DB13
(57)【要約】
【課題】雪国では積雪による農業用ハウスの倒壊や住宅等の建造物の雪下ろし作業で死傷事故が発生しているが安価で融雪できる設備がなかった。
【解決手段】本発明の融雪設備は、給湯設備(40)に接続された配管(15)の一部が建造物の屋根の棟に対して傾斜するように支架され、少なくとも前記屋根に支架された配管には複数のスプリンクラー(20)と、前記給湯設備に接続された配管に配管内の残水を排水するための排水口を備えた融雪設備である。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業用ハウス又は家屋等の建造物に於いて、給湯設備に接続された配管の一部が前記建造物の屋根に支架され、前記配管の外側面にはヒーターが具備され且つ少なくとも前記屋根に支架された配管には複数の散水孔又は散水装置を備えた融雪設備
【請求項2】
農業用ハウス又は家屋等の建造物に於いて、給湯設備に接続された配管の一部が前記建造物の屋根の棟に対して平行又は傾斜するように支架され、少なくとも前記屋根に支架された配管には複数の散水孔又は散水装置が備わり、前記給湯設備に接続された配管には排水口を備えた融雪設備
【請求項3】
農業用ハウス又は家屋等の建造物に於いて、給湯設備に接続された配管の一部が前記建造物の屋根を跨ぐように立設され、前記屋根に位置する配管は前記建造物の棟に平行又は傾斜するように配置され且つ少なくとも前記屋根に位置する配管には複数の散水孔又は散水装置が備わり、前記給湯設備に接続された配管には排水口を備えた融雪設備
【請求項4】
請求項2と請求項3に記載の給湯設備に接続された配管には空気供給装置が設置され、前記配管内に空気を送風することを特徴とする融雪設備
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融雪装置に関する。
【背景技術】
【0002】
積雪地域や寒冷地での農業用ハウスに於いては、ボイラーや空調装置にてハウス室内の温度低下を制御しているが積雪による雪の重みでハウスの倒壊が後を絶たないのが現状である。また、一般民家に於いても積雪した屋根に登りスコップ等を用いて雪下ろしを行っている光景がテレビにて放映されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−320186号
【特許文献2】特開2008−72980号
【特許文献3】特許公報第4622090号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
毎年、雪国では積雪によるハウスの倒壊による被害や家屋の雪下ろしでの死傷事故が多数発生している。
【0005】
特許文献1は、上面側に設けた受座により散水装置の散水パイプを支承させる架台の底部側に、温室・ハウスに装設せる雨樋の両側壁間に渡架される取付け座板を連結し、その取付け座板を架台が連結する側と架台に連結しない側とに2分し、それらを左右方向に伸縮調節自在に連結して取付け台に形成し、その取付け台を温室・ハウスの雨樋に対し、その雨樋の長手方向に適宜の間隔をおいて多連に並列させて取り付け、これら取付け台に、散水装置の散水パイプを支架して締結具により固定し、その散水装置の散水パイプに、温室・ハウスの屋根に向け水を噴出する散水ノズルを、雨樋の長手方向に沿い多連に並列させて装設することを特徴とする温室・ハウスにおける融雪用の散水装置である。
【0006】
特許文献2は、鉄骨で形成された屋根フレームに、透明なフィルムを上下二層に面状に張り渡して、この上下両フィルム間に断熱空間層を形成した農業用ハウスにおいて、前記農業用ハウス内に暖房機を設置し、この暖房機の温風供給ダクトの先端を断熱空間層の内部に挿着すると共に、下層フィルムの棟側に排気孔を開孔し、断熱空間層内の軒側に、長手方向に沿って複数の温風吹き出し孔を開孔した筒状の透明フィルムで形成されたエアーダクトを軒に沿って挿着し、このエアーダクトの一端側に前記温風供給ダクトの先端を接続して、エアーダクトから吹き出した温風を断熱空間層内に流通させて、結露を防止すると共に屋根に積もった雪を滑落させるようにしたことを特徴とする農業用ハウスの断熱空間構である。
【0007】
特許文献3は、ハウスの屋根に積雪した雪に流体熱を与えて融雪するための融雪パイプを屋根に沿って同方向に複数列配管すると共に、温水ボイラーからの温水が供給管を介して融雪パイプに供給され、該融雪パイプから回収管を介して温水ボイラーに還流する構成とし、隣接する屋根部の間の谷部には流樋を設け、該流樋と屋根部との接続部はシールによって密閉し、融雪パイプを、流樋を挟む左右両側に沿って配管する第一の融雪パイプと、流樋の上方部に沿って上下に配管する第二の融雪パイプと、屋根部の裏側面に沿って左右に配管する第三の融雪パイプとで構成し、少ない降雪の場合には第一の融雪パイプのみを利用し、多降雪の場合には第一の融雪パイプと第二の融雪パイプを利用し、更に融雪能力が必要な場合には第一の融雪パイプと第二の融雪パイプと第三の融雪パイプを利用する構成とし、屋根裏空間と温室内空間とを保温カーテンによって隔離し、温室内の温度センサの検出に基づいて保温カーテンを自動的に開閉制御する構成とし、流樋の直近に降雪を感知する降雪感知センサを設け、供給管又は回収管には水温センサを設け、降雪感知センサが降雪を感知するか又は水温センサの検出値が摂氏0度以下である場合、融雪パイプへの温水循環をさせる構成としたハウスの融雪装置である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、発明者は誠意工夫の結果、第一の実施形態として農業用ハウス又は家屋等の建造物に於いて、給湯設備に接続された配管の一部が前記建造物の屋根に支架され、前記配管の外側面にヒーター取り付けることにより配管内の残水に対して凍結防止を行うと共に、少なくとも前記屋根に支架された配管に取り付けた複数の散水孔又は散水装置にて散水を行うことを特徴とする融雪設備である。
【0009】
第二の実施形態として、農業用ハウス又は家屋等の建造物に於いて、給湯設備に接続された配管の一部が前記建造物の屋根の棟に対して平行又は傾斜するように支架され、少なくとも前記屋根に支架された配管に取り付けた複数の散水孔又は散水装置にて散水を行い、散水終了後に配管内の残水を排水するための排水口を備えたことを特徴とする融雪設備である。
【0010】
第三の実施形態として、農業用ハウス又は家屋等の建造物に於いて、給湯設備に接続された配管が前記建造物の屋根を跨ぐように配置され、前記屋根に位置する配管は前記建造物の棟に平行又は傾斜するように配置され且つ複数の散水孔又は散水装置が備わり、前記給湯設備に接続された配管には配管内の残水を排水するための排水口を備えたことを特徴とする融雪設備である。
【0011】
第一の実施形態から第三の実施形態に於いて、給湯設備から出湯される圧力が高い場合には直接農業用ハウスや家屋の屋根部に湯を供給し、複数の散水孔又は散水装置を備えた配管から屋根表面に向けて湯を散水することで融雪させることができる。前記給湯設備から出湯される圧力が低い場合には給湯加圧ポンプにより湯を汲み上げる必要があり、前記給湯加圧ポンプは給湯設備から出湯を検出し当該ポンプを自動発停するスイッチを内蔵させることが好ましい。尚、前記給湯設備の設置場所に関しては農業用ハウスの場合には当該ハウス内に設置しても良い。
【0012】
第一の実施形態に於いては、給湯設備からの出湯が停止されている時に配管内部の残水が凍結することを防止するためにヒーターを配管外側に巻き付け凍結防止を行う。尚、ヒーター作動に関しては、温度センサにより配管温度が氷点下以下になる場合に自動的に加熱させる方式とすることが好ましい。
【0013】
第二の実施形態と第三の実施形態に於いては、給湯設備からの出湯が停止している間に配管内の残水が凍結する恐れがあるために前記配管に排水口を備えることで配管内の残水を排水できる構造としている。排水位置に関しては、配管配置構造に依存するが少なくとも前記給湯設備に接続された配管の近傍に前記排水口を備えることが好ましい。
【0014】
第三の実施形態に於いては、農業用ハウス又は家屋等の建造物に直接配管を支架できない場合に前記建造物の屋根を跨ぐように立設する方法であり、当該配管のみの立設では強度的に問題がある場合には補助柱など用いても良い。
【0015】
第二の実施形態と第三の実施形態に於いては、配管内の残水を排水した場合でも散水装置や散水孔には僅かな水や水滴が残るために凍結する。しかし、配管内に供給される湯により解凍させることも可能であるが安定した散水が出来ないため配管内の残水を排水した後に空気供給装置を介して配管内に高圧空気を送風することで散水孔や散水装置内の僅かな残水や水滴を飛ばすことにより凍結の可能性は著しく低減でき、安定稼働が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一般的な農業用ハウスの外観図
図2図1記載の農業用ハウスをX方向から見た骨組み構造の簡略図
図3図1記載の農業用ハウスをY方向から見た骨組み構造の簡略図
図4】第一の実施形態である融雪設備を図1記載の農業用ハウスに設置した状態でありX方向から見た簡略図
図5】第一の実施形態である融雪設備を図1記載の農業用ハウスに設置した状態でありY方向から見た簡略図
図6】第二の実施形態である融雪設備であり屋根に位置する配管が棟に対して平行に支架させた場合の農業用ハウスの簡略図
図7図6記載の融雪設備に空気供給装置を備えた農業用ハウスの簡略図
図8図7記載の農業用ハウスをY方向から見た簡略図
図9】第二の実施形態である融雪設備であり屋根に位置する配管が棟に対して傾斜させて支架させた場合の農業用ハウスの簡略図
図10図9記載の屋根に支架させた配管の傾斜方向を逆にした時の融雪設備であり農業用ハウスに設置した簡略図
図11】第三の実施形態である融雪設備であり屋根に位置する配管が棟に対して平行に立設させた場合の農業用ハウスの簡略図
図12】第三の実施形態である融雪設備であり屋根に位置する配管が棟に対して傾斜するように立設させた場合の農業用ハウスの簡略図
図13】第一の実施形態である融雪設備の配管概略図
図14】第一の実施形態である融雪設備に給湯加圧ポンプを接続させた場合の配管概略図
図15】第一の実施形態であり住宅等に設置されている給湯設備を利用する場合の融雪設備の配管概略図
図16】第二の実施形態又は第三の実施形態である融雪設備に排水口を備えた配管概略図
図17図16記載の融雪設備に空気供給装置を接続させた配管概略図
図18】散水孔を具備した配管断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施の形態を図面により説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、一般的な農業ハウスの外観構造を示しておりパイプ支柱(1)と母屋パイプ(2)及び棟部パイプ(3)が連結部材(4)により骨組みされ、前記骨組みにビニールシート(5)が貼られた構造である。図2は、図1記載の農業ハウスをX方向から観察した骨組み構造の簡略図であり図3はY方向から観察した骨組み構造の簡略図である。
【0019】
図4は、第一の実施形態である融雪設備を図1記載の農業用ハウスに設置した状態でありX方向から見た簡略図、図5はY方向から見た簡略図を示す。ボイラー(40)の出湯側に接続されたヒーターを取り付けた配管(10)は、農業用ハウス(100)のパイプ支柱(1)、棟部パイプ(3)及び連結部材(4)に取り付けた留め金(30)にて支架されている。又、前記配管(10)の屋根部領域には散水装置としてスプリンクラー(20)が前記屋根部全域に散水できるように複数取り付けられている。図示していないが図16に示すように前記ボイラー(40)の付近には自動開閉が可能である排水口配管用バルブ(V5)を備えた排水口が備わっており配管内の残水を排水できる構造としている。前記ヒーターに関しては、前記配管外管に温度センサを設置しており配管温度が氷点下以下になる場合に自動的に加熱させる方式としている。
【0020】
図6は、第二の実施形態でありを図1記載の農業用ハウスに設置した状態でありX方向から見た簡略図を示す。ボイラー(40)出湯側に接続された配管(15)は、農業用ハウス(100)のパイプ支柱(1)、棟部パイプ(3)及び連結部材(4)に取り付けた留め金(30)にて支架されており、屋根に位置する配管(15)は棟に対して平行であり散水装置として複数のスプリンクラー(20)が屋根部に散水できるように取り付けられている。第二の実施形態ではヒーターを取り付けた配管ではないのでボイラー(40)からの出湯を停止した場合には配管内の残水が凍結する恐れがあるため図示していないが図16に示すような前記ボイラー(40)の付近に自動開閉が可能である排水口配管用バルブ(V5)を備えた排水口が備わっており配管内の残水を排水できる構造としている。
【0021】
図7は、図6記載の融雪設備に空気供給装置(50)を接続した時のX方向から見た簡略図、図8はY方向から見た簡略図を示す。配管内の残水は上述したように前記ボイラー(40)の付近に自動開閉が可能である排水口配管用バルブ(V5)を備えた排水口にて排水する構造としている。更に排水だけでは若干の残水や水滴は散水装置内や散水孔に残り凍結する恐れがあるため図17に示すような空気供給装置(50)を配管に接続させ前記配管内に空気を送風することで残水や水滴を吹き飛ばし安定稼働させることが可能となる。
【0022】
図9は、第二の実施形態である融雪設備を図1記載の農業用ハウスに設置した状態でありX方向から見た簡略図である。ボイラー(40)出湯側に接続された配管(15)は、農業用ハウス(100)のパイプ支柱(1)、棟部パイプ(3)及び連結部材(4)に取り付けた留め金(30)にて支架されており、屋根に位置する配管(15)は前記ボイラー側が下がるように傾斜させ他端部はメクラ蓋が設置され、且つ散水装置として複数のスプリンクラー(20)が屋根部に散水できるように取り付けられている。本構造であれば配管内の残水は前記ボイラー(40)に接続した配管(15)に向かって流れるため前記ボイラー(40)の出湯側に接続された配管の直近に自動開閉バルブの備わった排水口があれば容易に排水が可能となる。
【0023】
図10は、図9記載の屋根に位置する配管を逆方向に傾斜させた場合でありボイラー(40)から垂直に配置した配管(15)内の残水は同様にボイラー(40)の出湯側に接続された配管の直近に排水口にて排水を行うと共に、図示していないが前記配管の他端部にも自動開閉バルブの備わった排水口を設ければ容易に排水が可能となる。
【0024】
図11は第三の実施形態でありボイラー(40)の出湯側に接続された配管(15)は農業用ハウスを跨ぐように立設され、屋根に位置する配管は棟に対して平行であり、図12は屋根に位置する配管は傾斜する構造としている。図11図12記載のボイラー(40)の出湯側に接続された配管の直近に排水口が備わっており、図示していないが前記配管の他端部にも自動開閉バルブの備わった排水口を備えている。前記ボイラー(40)に垂直方向に立設した配管と相対する配管の上部は湯が流れないようにメクラ構造とすることで排水口を備えなくても良くなる。
【0025】
図13は、第一の実施形態である融雪設備の配管概略図を示す。ボイラー(40)内の熱交換器(41)に接続された給水配管(W1)と出湯配管側のヒーターを取り付けた配管(10)に接続された給水配管用バルブ(V1)と出湯配管用バルブ(V2)が開状態になると前記熱交換器を介して前記配管(10)から湯が供給されるためにスプリンクラー(20)から散水される構造であり、前記ヒーター取り付けた配管(10)のヒーターを動作させることで配管内の残水の凍結を防止できる。図14は、出湯側の圧力が弱く前記スプリンクラー(20)を動作できない場合に前記配管に給湯加圧ポンプ(P)を接続させることで散水が可能となる。
【0026】
図15は、住宅や事務所等の建造物に既設されている給湯設備を利用する場合の融雪設備の配管概略図を示す。ボイラー(40)内の熱交換器(41)に接続された出湯側のヒーターを取り付けた配管(10)は建屋用と融雪用の配管に分岐されており家庭用出湯配管バルブ(V3)と散水配管用バルブ(V2)により切り替える構造となっている。散水用配管内の出湯側の圧力が弱くスプリンクラー(20)を動作できない場合には前記配管に給湯加圧ポンプ(P)を接続させることで散水が可能となる。
【0027】
図16は、排水口を備える融雪設備の配管概略図である。ボイラー(40)内の熱交換器(41)に接続された給水配管(W1)と出湯側の配管(15)に接続された給水配管用バルブ(V1)、散水配管用バルブ(V2)及び出湯配管用バルブ(V4)が開状態になると前記熱交換器を介して配管(15)から湯が供給されることでスプリンクラー(20)から散水される。配管内の残水の排水に関しては、散水配管用バルブ(V2)と排水口配管用バルブ(V5)を開状態にすることで容易に排水が可能となる。
【0028】
図17は、図16記載の融雪設備に空気供給装置(60)を接続した場合の配管概略図を示す。配管(15)内の残水を排水した後に、前記配管内やスプリンクラー(20)内部に付着した水滴や僅かな残水は空気供給配管用バルブ(V6)を開状態とし加圧ポンプ(5)みて圧縮空気を配管内に導入することで水滴等を吹き飛ばし安定して融雪設備を稼働できる。
【0029】
図18は、スプリンクラーの代わりに配管に複数の排水孔を設けた時の配管断面図を示す。本構造による散水であれば装置価格も安価となり、空気供給設備からの空気送風により容易に水を飛ばすことが可能となる利点がある。
【0030】
本発明の融雪設備の稼働に関しては、操作パネルにタイマーを設置することで、例えば所定時間毎に散水を行うことや積雪センサを農業用ハウス屋根等に設置して所定の積雪になった段階で自動的に散水する制御を行うことが好ましい。
【0031】
尚、本発明の実施形態は一例であり本発明を逸脱しない範囲での変更は可能であり、例えば、空気供給配管用バルブ(V6)の設置位置は散水配管用バルブ(V2)と排水口配管用バルブ(V5)の間に接続することも可能である。また、農業用ハウスや家屋等の建造物だけでなく太陽光パネルに積雪した雪も本発明の装置を設置することで簡単に融雪できるため発電効率の低下も改善することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明によれば、豪雪地域での積雪による農業ハウスの倒壊を回避できるだけでなく、家屋の屋根の雪下ろし時の死傷事故数を低減できる。
【符号の説明】
【0033】
1 パイプ支柱
2 母屋パイプ
3 棟部パイプ
4 連結部材
5 ビニールシート
10 ヒーターを取り付けた配管
15 配管
20 スプリンクラー
30 留め金
40 ボイラー
41 熱交換器
50 空気供給装置
100 農業用ハウス
W1 給水配管
V1 給水配管用バルブ
V2 散水配管用バルブ
V3 家庭出湯配管用バルブ
V4 出湯配管用バルブ
V5 排水口配管用バルブ
V6 空気供給配管用バルブ
P 給湯加圧ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18