【実施例】
【0018】
図1は、一般的な農業ハウスの外観構造を示しておりパイプ支柱(1)と母屋パイプ(2)及び棟部パイプ(3)が連結部材(4)により骨組みされ、前記骨組みにビニールシート(5)が貼られた構造である。
図2は、
図1記載の農業ハウスをX方向から観察した骨組み構造の簡略図であり
図3はY方向から観察した骨組み構造の簡略図である。
【0019】
図4は、第一の実施形態である融雪設備を
図1記載の農業用ハウスに設置した状態でありX方向から見た簡略図、
図5はY方向から見た簡略図を示す。ボイラー(40)の出湯側に接続されたヒーターを取り付けた配管(10)は、農業用ハウス(100)のパイプ支柱(1)、棟部パイプ(3)及び連結部材(4)に取り付けた留め金(30)にて支架されている。又、前記配管(10)の屋根部領域には散水装置としてスプリンクラー(20)が前記屋根部全域に散水できるように複数取り付けられている。図示していないが
図16に示すように前記ボイラー(40)の付近には自動開閉が可能である排水口配管用バルブ(V5)を備えた排水口が備わっており配管内の残水を排水できる構造としている。前記ヒーターに関しては、前記配管外管に温度センサを設置しており配管温度が氷点下以下になる場合に自動的に加熱させる方式としている。
【0020】
図6は、第二の実施形態でありを
図1記載の農業用ハウスに設置した状態でありX方向から見た簡略図を示す。ボイラー(40)出湯側に接続された配管(15)は、農業用ハウス(100)のパイプ支柱(1)、棟部パイプ(3)及び連結部材(4)に取り付けた留め金(30)にて支架されており、屋根に位置する配管(15)は棟に対して平行であり散水装置として複数のスプリンクラー(20)が屋根部に散水できるように取り付けられている。第二の実施形態ではヒーターを取り付けた配管ではないのでボイラー(40)からの出湯を停止した場合には配管内の残水が凍結する恐れがあるため図示していないが
図16に示すような前記ボイラー(40)の付近に自動開閉が可能である排水口配管用バルブ(V5)を備えた排水口が備わっており配管内の残水を排水できる構造としている。
【0021】
図7は、
図6記載の融雪設備に空気供給装置(50)を接続した時のX方向から見た簡略図、
図8はY方向から見た簡略図を示す。配管内の残水は上述したように前記ボイラー(40)の付近に自動開閉が可能である排水口配管用バルブ(V5)を備えた排水口にて排水する構造としている。更に排水だけでは若干の残水や水滴は散水装置内や散水孔に残り凍結する恐れがあるため
図17に示すような空気供給装置(50)を配管に接続させ前記配管内に空気を送風することで残水や水滴を吹き飛ばし安定稼働させることが可能となる。
【0022】
図9は、第二の実施形態である融雪設備を
図1記載の農業用ハウスに設置した状態でありX方向から見た簡略図である。ボイラー(40)出湯側に接続された配管(15)は、農業用ハウス(100)のパイプ支柱(1)、棟部パイプ(3)及び連結部材(4)に取り付けた留め金(30)にて支架されており、屋根に位置する配管(15)は前記ボイラー側が下がるように傾斜させ他端部はメクラ蓋が設置され、且つ散水装置として複数のスプリンクラー(20)が屋根部に散水できるように取り付けられている。本構造であれば配管内の残水は前記ボイラー(40)に接続した配管(15)に向かって流れるため前記ボイラー(40)の出湯側に接続された配管の直近に自動開閉バルブの備わった排水口があれば容易に排水が可能となる。
【0023】
図10は、
図9記載の屋根に位置する配管を逆方向に傾斜させた場合でありボイラー(40)から垂直に配置した配管(15)内の残水は同様にボイラー(40)の出湯側に接続された配管の直近に排水口にて排水を行うと共に、図示していないが前記配管の他端部にも自動開閉バルブの備わった排水口を設ければ容易に排水が可能となる。
【0024】
図11は第三の実施形態でありボイラー(40)の出湯側に接続された配管(15)は農業用ハウスを跨ぐように立設され、屋根に位置する配管は棟に対して平行であり、
図12は屋根に位置する配管は傾斜する構造としている。
図11と
図12記載のボイラー(40)の出湯側に接続された配管の直近に排水口が備わっており、図示していないが前記配管の他端部にも自動開閉バルブの備わった排水口を備えている。前記ボイラー(40)に垂直方向に立設した配管と相対する配管の上部は湯が流れないようにメクラ構造とすることで排水口を備えなくても良くなる。
【0025】
図13は、第一の実施形態である融雪設備の配管概略図を示す。ボイラー(40)内の熱交換器(41)に接続された給水配管(W1)と出湯配管側のヒーターを取り付けた配管(10)に接続された給水配管用バルブ(V1)と出湯配管用バルブ(V2)が開状態になると前記熱交換器を介して前記配管(10)から湯が供給されるためにスプリンクラー(20)から散水される構造であり、前記ヒーター取り付けた配管(10)のヒーターを動作させることで配管内の残水の凍結を防止できる。
図14は、出湯側の圧力が弱く前記スプリンクラー(20)を動作できない場合に前記配管に給湯加圧ポンプ(P)を接続させることで散水が可能となる。
【0026】
図15は、住宅や事務所等の建造物に既設されている給湯設備を利用する場合の融雪設備の配管概略図を示す。ボイラー(40)内の熱交換器(41)に接続された出湯側のヒーターを取り付けた配管(10)は建屋用と融雪用の配管に分岐されており家庭用出湯配管バルブ(V3)と散水配管用バルブ(V2)により切り替える構造となっている。散水用配管内の出湯側の圧力が弱くスプリンクラー(20)を動作できない場合には前記配管に給湯加圧ポンプ(P)を接続させることで散水が可能となる。
【0027】
図16は、排水口を備える融雪設備の配管概略図である。ボイラー(40)内の熱交換器(41)に接続された給水配管(W1)と出湯側の配管(15)に接続された給水配管用バルブ(V1)、散水配管用バルブ(V2)及び出湯配管用バルブ(V4)が開状態になると前記熱交換器を介して配管(15)から湯が供給されることでスプリンクラー(20)から散水される。配管内の残水の排水に関しては、散水配管用バルブ(V2)と排水口配管用バルブ(V5)を開状態にすることで容易に排水が可能となる。
【0028】
図17は、
図16記載の融雪設備に空気供給装置(60)を接続した場合の配管概略図を示す。配管(15)内の残水を排水した後に、前記配管内やスプリンクラー(20)内部に付着した水滴や僅かな残水は空気供給配管用バルブ(V6)を開状態とし加圧ポンプ(5)みて圧縮空気を配管内に導入することで水滴等を吹き飛ばし安定して融雪設備を稼働できる。
【0029】
図18は、スプリンクラーの代わりに配管に複数の排水孔を設けた時の配管断面図を示す。本構造による散水であれば装置価格も安価となり、空気供給設備からの空気送風により容易に水を飛ばすことが可能となる利点がある。
【0030】
本発明の融雪設備の稼働に関しては、操作パネルにタイマーを設置することで、例えば所定時間毎に散水を行うことや積雪センサを農業用ハウス屋根等に設置して所定の積雪になった段階で自動的に散水する制御を行うことが好ましい。
【0031】
尚、本発明の実施形態は一例であり本発明を逸脱しない範囲での変更は可能であり、例えば、空気供給配管用バルブ(V6)の設置位置は散水配管用バルブ(V2)と排水口配管用バルブ(V5)の間に接続することも可能である。また、農業用ハウスや家屋等の建造物だけでなく太陽光パネルに積雪した雪も本発明の装置を設置することで簡単に融雪できるため発電効率の低下も改善することが可能となる。