(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-163729(P2019-163729A)
(43)【公開日】2019年9月26日
(54)【発明の名称】エンジン作業機
(51)【国際特許分類】
F02B 77/13 20060101AFI20190830BHJP
F02B 63/04 20060101ALI20190830BHJP
F02B 63/06 20060101ALI20190830BHJP
【FI】
F02B77/13 C
F02B63/04 C
F02B63/06 Z
F02B77/13 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-52476(P2018-52476)
(22)【出願日】2018年3月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】檜山 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】高山 浩司
(72)【発明者】
【氏名】奥村 高好
(72)【発明者】
【氏名】櫻木 勇人
(57)【要約】
【課題】オイルガードのメンテナンスや掃除を簡単に行うことができるエンジン作業機を提供する。
【解決手段】発電機14とエンジン15とを収容したケーシング12の下部に、オイルガード18を設ける。オイルガード18は、内部にオイルガード18の上縁よりも低い鉛直方向の仕切壁18aを設け、仕切壁18aの一側方にドレン室19を設ける。仕切壁18aの他側方の上方に、オイルガード18の他側壁18bから仕切壁18aに向けて下方に傾斜する天井壁18cを形成し、この天井壁18cにより、燃料タンク部20と、オイルガード部21とを形成する。天井壁18cに機器支持フレーム13a,13bを一体に取り付ける。ドレン室19に、オイルガード18の底壁18fよりも下方に突出する突出部19aを設け、突出部19aにドレンポート19bを形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に作業機と該作業機を駆動するエンジンとを収容したケーシングの下部に、上部がケーシング内に開口し、油分が外部へ流出することを防止するオイルガードを備えたエンジン作業機において、
前記オイルガードは、内部に該オイルガードの上縁よりも低い鉛直方向の仕切壁を設け、該仕切壁の一側方にドレン室を設け、前記仕切壁の他側方の上方に、前記オイルガードの他側壁から前記仕切壁に向けて下方に傾斜する天井壁を形成し、前記天井壁と、前記仕切壁と、前記オイルガードの三方の側壁と、前記オイルガードの底壁とで囲まれた燃料タンク部と、該天井壁より上方に形成されるオイルガード部とを形成し、前記天井壁に前記作業機と前記エンジンとを支持する機器支持フレームを一体に取り付けるとともに、前記ドレン室は、前記オイルガードの前記底壁よりも下方に突出する突出部を設け、該突出部にドレンポートを形成したことを特徴とするエンジン作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン作業機に関し、詳しくは、エンジン及び作業機を収容するケーシングの下部に、上部がケーシング内に開口したオイルガードを備えたエンジン作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
建築や土木工事などの現場あるいは災害時の現場や避難所では、発電機、コンプレッサ、油圧ユニットなどの各種作業機をディーゼルエンジンで駆動する可搬式のエンジン作業機が多く用いられている。このようなエンジン作業機として、防音構造を有するケーシングの下部に設けられた架台上に作業機と該作業機を駆動するエンジンとを収容し、ケーシングの下部に、燃料タンクを配置するとともに、該燃料タンクの周囲に、エンジンや燃料タンクからエンジンオイルや燃料が漏洩したとしても、これらの油分が外部へ流出することを防止するためのオイルガードを設けたエンジン作業機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−47048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1のエンジン作業機では、箱形に形成されたオイルガードの内部に燃料タンクが配置されており、オイルガードと燃料タンクとの間に形成される隙間に汚れが溜まり、また、その状態を目視することができないことから、オイルガードや燃料タンクのメンテナンス作業や清掃作業をする際には、各種機器を架台から下ろした後、オイルガードの上部から架台を外すとともに、燃料タンクをオイルガードの外に移動させ、オイルガードの上部を開放した状態としなくてはならないことから、作業に手間が掛かっていた。
【0005】
そこで本発明は、オイルガードのメンテナンスや掃除を簡単に行うことができるエンジン作業機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のエンジン作業機は、内部に作業機と該作業機を駆動するエンジンとを収容したケーシングの下部に、上部がケーシング内に開口し、油分が外部へ流出することを防止するオイルガードを備えたエンジン作業機において、前記オイルガードは、内部に該オイルガードの上縁よりも低い鉛直方向の仕切壁を設け、該仕切壁の一側方にドレン室を設け、前記仕切壁の他側方の上方に、前記オイルガードの他側壁から前記仕切壁に向けて下方に傾斜する天井壁を形成し、前記天井壁と、前記仕切壁と、前記オイルガードの三方の側壁と、前記オイルガードの底壁とで囲まれた燃料タンク部と、該天井壁より上方に形成されるオイルガード部とを形成し、前記天井壁に前記作業機と前記エンジンとを支持する機器支持フレームを一体に取り付けるとともに、前記ドレン室は、前記オイルガードの前記底壁よりも下方に突出する突出部を設け、該突出部にドレンポートを形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明のエンジン作業機によれば、ケーシングに形成された点検扉を開けて、燃料タンク部や、燃料タンク部の上部に設けられたオイルガード部を目視しながらメンテナンス作業や清掃作業を行うことができることから、従来に比べて、メンテナンス作業や清掃作業の作業工程を大幅に減少させることができる。また、エンジンから漏れたエンジンオイルや、給油中に溢れた燃料や、ケーシング内に浸入した雨水は、天井壁に落下し、該天井壁の傾斜に沿って、ドレン室に集められ、ドレンポートから抜き取ることができる。さらに、燃料タンク部とオイルガード部とを一体に形成するとともに、天井壁に作業機とエンジンとを支持する機器支持フレームを一体に取り付けたことから、部品点数の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一形態例を示すエンジン作業機の断面側面図である。
【
図4】本発明の一形態例を示すオイルガードの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1乃至
図6は本発明のエンジン作業機の一形態例を示す図で、エンジン作業機11は、防音構造を有するケーシング12の下部に設けられた複数の機器支持フレーム13の上に、作業機の一つである発電機14と、該発電機14を駆動するエンジン15と、ラジエータ16,マフラ17などの機器を収容するとともに、ケーシング12の下部には、上部がケーシング12内に開口し、油分が外部へ流出することを防止するオイルガード18が設けられている。また、ケーシング12には、内部機器の保守作業を行うための複数の点検扉(図示せず)が設けられている。
【0010】
オイルガード18は、内部にオイルガード18の上縁よりも低い鉛直方向の仕切壁18aを設け、該仕切壁18aの一側方にドレン室19が設けられる。仕切壁18aの他側方の上方には、オイルガード18の他側壁18bから仕切壁18aに向けて下方に傾斜する天井壁18cが形成され、この天井壁18cにより、天井壁18cと、仕切壁18aと、オイルガード18の他側壁18bと前壁18dと後壁18eと底壁18fとで囲まれた燃料タンク部20と、天井壁18cよりも上方に形成されるオイルガード部21とが形成される。
【0011】
燃料タンク部20は、天井壁18cに、燃料タンク部20に給油する給油口20aと、発電機14を支持する発電機用の機器支持フレーム13aと、エンジン15を支持するエンジン用の機器支持フレーム13bとが一体に設けられている。また、燃料タンク部20には、燃料の吸込み用配管20bと燃料の戻り用配管20cがそれぞれ連結され、仕切壁18aの下端部には、ドレン室19を通過して外部に突出する排油ポート20dが設けられている。ドレン室19は、オイルガード18の底壁18fよりも下方に突出する突出部19aが設けられ、該突出部19aにドレンポート19bが形成されている。
【0012】
本形態例は上述のように形成されていることから、ケーシング12に形成された点検扉を開けて、燃料タンク部20や、燃料タンク部20の上部に設けられたオイルガード部21を目視しながらメンテナンス作業や清掃作業を行うことができる。従って、従来に比べて、メンテナンス作業や清掃作業の作業工程を大幅に減少させることができる。また、エンジン15から漏れたエンジンオイルや、燃料タンク部20を給油中に溢れた燃料や、ケーシング12内に浸入した雨水は、天井壁18cに落下し、該天井壁18cの傾斜に沿って、ドレン室19に集められ、ドレンポート19bから抜き取ることができる。さらに、燃料タンク部20とオイルガード部21とを一体に形成するとともに、天井壁18cに発電機14とエンジン15とを支持する機器支持フレーム13a,13bを一体に取り付けたことから、部品点数の低減を図ることができる。
【0013】
なお、本発明は上述の形態例に限るものではなく、燃料タンク部に設けられる給油口の形成位置や、吸い込み用配管、及び、戻り用配管の配置位置は任意である。
【符号の説明】
【0014】
11…エンジン作業機、12…ケーシング、13,13a,13b…機器支持フレーム、14…発電機、15…エンジン、16…ラジエータ、17…マフラ、18…オイルガード、18a…仕切壁、18b…他側壁、18c…天井壁、18d…前壁、18e…後壁、18f…底壁、19…ドレン室、19a…突出部、19b…ドレンポート、20…燃料タンク部、20a…給油口、20b…吸込み用配管、20c…戻り用配管、20d…排油ポート、21…オイルガード部