【解決手段】本取引装置は、顧客の識別情報が記録された媒体を受け付けて取引を実行する取引装置であって、前記取引が終了すると前記媒体を排出する排出手段と、前記排出手段からの前記媒体の取り忘れを検知する検知手段と、顧客の識別情報と連絡先とを対応付けて記憶する記憶手段にアクセスして、取り忘れが検知された前記媒体に記録された識別情報に対応付けられた連絡先を取得する取得手段と、取得した前記連絡先に対して取り忘れが検知された前記媒体の扱いについて問い合わせを送信する送信手段と、前記問い合わせに対する回答を受信し、取り忘れが検知された前記媒体を前記回答にしたがって扱う媒体処理手段と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、一実施形態に係るAutomatic Teller Machine(ATM)、情報処理方法および情報処理プログラムについて説明する。以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。
【0019】
<実施形態>
図1は、実施形態に係るATM2を含む取引媒体取り忘れ通知システム500の一例を示す図である。取引媒体取り忘れ通知システム500は、銀行サーバ1、ATM2、ウェブサーバ3、顧客端末4、ネットワークN1、N2を含む。取引媒体取り忘れ通知システム500では、取引開始の際にATM2に挿入した通帳やキャッシュカードに例示される取引媒体P1を取引終了後に顧客が取り忘れると、ATM2が顧客に対して当該取引媒体の取り扱いについて問い合わせを行う。ATM2は、問い合わせに対する顧客からの回答にしたがって、取引媒体P1を扱う。以下、
図1を参照して、実施形態に係る取引媒体取り忘れ通知システム500の一例について説明する。
【0020】
銀行サーバ1は、金融機関に設置される情報処理装置である。銀行サーバ1は、顧客の連絡先、口座番号等の顧客に係る情報と顧客を識別する顧客IDとを対応付けて記憶する。銀行サーバ1は、ATM2からの問い合わせに応じて、顧客の連絡先等の情報を提供する。顧客IDは、顧客のそれぞれに一意に割り当てられたID情報であってもよいし、顧客が保有する口座の口座番号であってもよい。顧客IDは、「識別情報」の一例である。
【0021】
ATM2は、口座への入金や口座からの出金、口座間の送金等の各種取引を実行する情報処理装置である。ATM2は、例えば、現金自動預入支払機、自動取引装置、自動窓口機および現金自動支払機とも称される。ATM2は、通帳やキャッシュカード等の取引媒体P1を受け付けることで取引を開始する。取引媒体P1には、磁気テープやICチップ等によって顧客を識別する顧客IDが記憶されており、ATM2は受け付けた取引媒体から顧客IDを取得して取引を開始する。
【0022】
図2は、ATM2の外観の一例を示す図である。ATM2は、正面ディスプレイ21、取引媒体挿入口22、硬貨投入口23、紙幣投入口24、操作画面25および入力部26を備える。取引媒体挿入口22は、取引の開始において、ATM2を利用して取引を行う顧客によって取引媒体P1が挿入される挿入口である。取引が終了すると、取引媒体P1は取引媒体挿入口22から排出されて顧客に返却される。取引媒体挿入口22は、通帳挿入口221およびカード挿入口222を含む。通帳挿入口221には通帳が挿入され、ATM2は挿入された通帳から顧客IDを読み取って取引を開始できる。通帳にはATM2を用いて実行された取引内容が記帳される。カード挿入口222にはキャッシュカードが挿入され、ATM2は挿入されたキャッシュカードから顧客IDを読み取って取引を開始できる。なお、取引の開始においては、通帳およびキャッシュカードの少なくとも一方が取引媒体挿入口22に挿入されればよい。硬貨投入口23は、硬貨を投入する硬貨投入口である。硬貨投入口23には、例えば、口座に入金する硬貨が投入される。紙幣投入口24は、紙幣を投入する紙幣投入口である。紙幣投入口24には、例えば、口座に入金する紙幣が投入される。また、紙幣投入口24は、口座から出金された紙幣の取り出し口でもある。正面ディスプレイ21および操作画面25は、表示装置である。操作画面25は、ATM2で取引を行う顧客が閲覧可能な位置であって、ATM2を操作する顧客以外の人物からは閲覧が困難な位置に設けられる。操作画面25には、例えば、ATM2を利用する顧客に対して操作手順の案内、操作結果等が表示される。入力部26は、ATM2を利用する顧客からの操作を受け付けるユーザーインタフェースである。入力部26は、例えば、タッチ操作を受け付けるタッチパネル、テンキーによって例示されるキーボード等である。ATM2は、「取引装置」の一例である。通帳やキャッシュカードは、「媒体」の一例である。取引媒体挿入口22、通帳挿入口221およびカード挿入口222は、「排出手段」の一例である。顧客は、「操作者」の一例である。
【0023】
図1に戻り、ウェブサーバ3は、ウェブページをネットワークN2上に公開する情報処理装置である。ウェブサーバ3は、例えば、取り忘れた取引媒体P1の扱いを顧客に回答させる回答受付ページを公開する。
【0024】
顧客端末4は、顧客が保有する情報処理装置である。顧客端末4は、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ノートブック型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータ、Personal Digital Assistant(PDA)、携帯電話等である。
【0025】
ネットワークN1およびネットワークN2は、コンピュータを相互に接続するコンピュータネットワークである。ネットワークN1は、例えば、金融機関が保有する専用ネットワークであり、銀行サーバ1とATM2とはネットワークN1によって相互に通信可能に接続される。ネットワークN2は、例えば、インターネットによって例示される公衆通信網であり、ATM2、ウェブサーバ3および顧客端末4はネットワークN2によって相互に通信可能に接続される。
【0026】
図3は、情報処理装置600のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置600は、Central Processing Unit(CPU)601、主記憶部602、補助記憶部6
03、通信部604および接続バスB1を含む。CPU601、主記憶部602、補助記憶部603および通信部604は、接続バスB1によって相互に接続されている。情報処理装置600は、銀行サーバ1、ウェブサーバ3、顧客端末4として利用できる。
【0027】
CPU601は、マイクロプロセッサユニット(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。CPU601は、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU601がマルチコア構成を有していても良い。CPU601が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU601
以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサで行われても良い。また、CPU601が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のディジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU601の少なくとも一部にアナログ回路が含まれても良い。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(AS
IC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。CPU601は、プロセッサと集積回路
との組み合わせであっても良い。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。情報処理装置600では、CPU601が補助記憶部603に記憶されたプログラムを主記憶部602の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、情報処理装置600は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部602および補助記憶部603は、情報処理装置600が読み取り可能な記録媒体である。
【0028】
主記憶部602は、CPU601から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部602は、Random Access Memory(RAM)およびRead Only Memory(ROM)を含む。
【0029】
補助記憶部603は、各種のプログラムおよび各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部603は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部603には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部604を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピュータネットワーク等で接続された、他の情報処理装置および外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部603は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドシステムの一部であってもよい。
【0030】
補助記憶部603は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッド
ステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk
Drive、HDD)等である。また、補助記憶部603は、例えば、Compact Disc(CD)ドライブ装置、Digital Versatile Disc(DVD)ドライブ装置、Blu-ray(登録商標)Disc(BD)ドライブ装置等である。また、補助記憶部603は、Network Attached Storage(NAS)あるいはStorage Area Network(SAN)によって提供されてもよい。
【0031】
通信部604は、コンピュータネットワークとのインターフェースである。通信部604は、例えば、ネットワークN1、N2等のコンピュータネットワークを介して外部の装置と通信を行う。通信部604は、例えば、ネットワークインターフェースカード(NIC)である。通信部604が複数備えられ、通信部604のそれぞれが互いに異なるコンピュータネットワークに接続されてもよい。
【0032】
情報処理装置600は、例えば、ユーザ等からの操作指示等を受け付ける入力部をさらに備えてもよい。このような入力部として、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、加速度センサーあるいは音声入力装置といった入力デバイスを例示できる。
【0033】
情報処理装置600は、例えば、CPU601で処理されるデータや主記憶部602に記憶されるデータを出力する出力部を備えるものとしてもよい。このような、出力部として、Cathode Ray Tube(CRT)ディスプレイ、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパネル
あるいはプリンタといった出力デバイスを例示できる。
【0034】
情報処理装置600は、例えば、Global Positioning System, Global Positioning Satellite(GPS)によって例示される測位システムを備えてもよい。情報処理装置60
0は、例えば、GPSによって現在位置を取得し、取得した現在位置を出力デバイスに出力したり、他の情報処理装置600に提供したりしてもよい。
【0035】
図4は、ATM2のハードウェア構成の一例を示す図である。ATM2は、CPU601、主記憶部602、補助記憶部603、通信部604、第1保管部605、第2保管部606および接続バスB1を含む。情報処理装置600と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
第1保管部605および第2保管部606は、取引終了後に顧客が取り忘れた取引媒体P1が保管される保管庫である。第1保管部605は、取り忘れた取引媒体P1を顧客が取りに戻る場合に取引媒体P1が格納される。第1保管部605は、取り出し手段を備えており、取り忘れた顧客が所定の手続きを行うと、媒体処理部201が当該顧客の取引媒体P1を第1保管部605から取り出して、顧客に返却する。第1保管部605は、「保管庫」の一例である。
【0037】
第2保管部606は、取り忘れた取引媒体P1を顧客が取りに戻らない場合に取引媒体P1が格納される。第2保管部606に格納された取引媒体P1は、例えば、ATM2の管理者によって取り出される。ATM2の管理者は、例えば、ATM2を所有する金融機関の職員や、当該金融機関から委託された作業員である。第2保管部606は、「保管庫」の一例である。
【0038】
図5は、第1保管部605の一例を示す図である。第1保管部605は、箱状に形成されており、
図5は、箱状に形成された第1保管部605の斜視図の一例となっている。第1保管部605の内部は、複数の区画A1に区切られている。第1保管部605において、取り忘れた取引媒体P1は、各区画A1にひとつずつ格納される。なお、通帳とキャッシュカードとでは、形状および大きさが異なるため、取引媒体P1の種別毎に第1保管部605が設けられることが好ましい。
【0039】
図6は、第2保管部606の一例を示す図である。第2保管部606は第1保管部605と同じく箱状に形成されるが、その内部は複数の区画A1に区切られておらず、第2保管部606の内壁によって単一の収容部A2が形成される。そのため、第2保管部606では、複数の取り忘れた取引媒体P1が同じ収容部A2内に保管される。第2保管部は第1保管部605とは異なり取り出し手段を備えない。複数の区画A1に区切られておらず、取り出し手段も備えないため、設置スペース当たりにおける保管可能な取引媒体P1の数は、第2保管部606の方が第1保管部605よりも多くなる。
【0040】
図4に戻り、第1センサー607および第2センサー608は、取引媒体挿入口22に残留する取引媒体P1を検知する物体検知センサーである。第1センサー607および第2センサー608が取引媒体挿入口22に残留する取引媒体P1を検知する方式に限定は無い。第1センサー607および第2センサー608は、例えば、機械式センサー、超音波センサー、光電センサー等である。第1センサー607は、通帳挿入口221に設けられて通帳挿入口221に残留する通帳を検知する。第2センサー608は、カード挿入口222に設けられてカード挿入口222に残留するキャッシュカードを検知する。
【0041】
<取引媒体取り忘れ通知システム500の処理ブロック>
図7は、取引媒体取り忘れ通知システム500の処理ブロックの一例を示す図である。
銀行サーバ1、ATM2、ウェブサーバ3および顧客端末4の各々は、主記憶部602に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU601が実行することで、
図7に例示される各部としての処理を実行する。
【0042】
<銀行サーバ1の処理ブロック>
銀行サーバ1は、
図7に例示されるように、受付部101、抽出部102および顧客データベース(図中では顧客DBと記載)103を備える。以下、
図7を参照して、銀行サーバ1の処理ブロックについて説明する。
【0043】
顧客データベース103は、顧客の連絡先、口座番号等の顧客に係る情報と顧客を識別する顧客IDとを対応付けて記憶するデータベースである。
図8は、顧客データベース103の顧客管理テーブル1031の一例を示す図である。顧客管理テーブル1031では、口座番号、電話番号、メールアドレスの各項目が顧客IDと対応付けて管理される。口座番号は、顧客IDで識別される顧客が保有する口座を示す番号である。電話番号およびメールアドレスは顧客IDで示される顧客の連絡先である。
図8において、顧客管理テーブル1031は、連絡先として電話番号とメールアドレスを含むが、連絡先は電話番号とメールアドレスのうちいずれか一方であってもよいし、電話番号やメールアドレス以外の連絡先がさらに格納されてもよい。顧客データベース103および顧客管理テーブル1031は、「記憶手段」の一例である。電話番号およびメールアドレスは、「連絡先」の一例である。
【0044】
受付部101は、ATM2からの顧客IDを含む連絡先取得要求を受け付ける。受付部101は、連絡先取得要求を受け付けると、連絡先取得要求に含まれる顧客IDを抽出部102に渡して、顧客IDに対応付けられた連絡先の抽出を依頼する。抽出部102から連絡先を受け取った受付部101は、受け取った連絡先を要求元であるATM2に送信する。
【0045】
抽出部102は、受付部101から受け取った顧客IDをキーとして顧客管理テーブル1031を検索し、顧客IDに対応付けられた連絡先を抽出する。抽出部102は、抽出した連絡先を受付部101に渡す。
【0046】
<ATM2の処理ブロック>
ATM2は、
図7に例示されるように、媒体処理部201、検知部202、取得部203、送信部204、認証処理部205および媒体管理データベース(図中では媒体管理DBと記載)206を備える。以下、
図7を参照して、ATM2の処理ブロックについて説明する。
【0047】
媒体管理データベース206は、第1保管部605に格納された取引媒体P1の位置を管理するデータベースである。
図9は、媒体管理データベース206の格納位置管理テーブル2061の一例を示す図である。格納位置管理テーブル2061は、顧客ID、保管庫および区画の位置の各項目を含む。保管庫および区画の位置は、取り忘れた取引媒体P1が格納される位置を示す情報である。保管庫の項目には、例えば、キャッシュカードを格納する第1保管部605(図中では「カード」と記載)または通帳を格納する第1保管部605(図中では「通帳」)のいずれかを示す情報が格納される。区画の位置の項目には、例えば、第1保管部605における区画の位置を示す情報が格納される。
【0048】
媒体処理部201は、取引媒体挿入口22に挿入された通帳やキャッシュカードに例示される取引媒体P1の受け入れを行う。媒体処理部201が取引媒体P1に記録された顧客IDを読み取ることで、ATM2による取引が開始される。媒体処理部201は、読み取った顧客IDをATM2の主記憶部602や補助記憶部603に記憶させる。取引が終
了すると、媒体処理部201は、受け入れた取引媒体挿入口22から排出する。さらに、媒体処理部201は、取引媒体P1の扱いについての顧客からの回答にしたがって、顧客が取り忘れた取引媒体P1を第1保管部406や第2保管部407に格納する。媒体処理部201は、取引媒体P1を第1保管部406や第2保管部407に格納する際に、当該取引媒体P1に記録されている顧客IDと、当該取引媒体P1の格納先を示す情報を格納位置管理テーブル2061に登録する。媒体処理部201は、「媒体処理手段」の一例である。
【0049】
検知部202は、第1センサー607や第2センサー608によって所定時間以上継続して、取引媒体挿入口22に残留する取引媒体P1が検知される場合に、当該取引媒体P1を取り忘れた取引媒体P1として検知する。検知部202は、例えば、第1センサー607が所定時間以上継続して通帳挿入口221に残留する通帳を検知すると、当該通帳を取り忘れた通帳として検知する。また、検知部202は、例えば、第2センサー608が所定時間以上継続してカード挿入口222に残留するキャッシュカードを検知すると、当該キャッシュカードを取り忘れたキャッシュカードとして検知する。検知部202は、「検知手段」の一例である。
【0050】
取得部203は、取引媒体P1から取得した顧客IDを基に、当該顧客IDに対応付けられた連絡先を銀行サーバ1から取得する。換言すれば、取得部203は、取引媒体P1の所有者の連絡先を銀行サーバ1から取得する。取得部203は、例えば、顧客IDを含む連絡先取得要求を銀行サーバ1に送信する。取得部203は、銀行サーバ1から連絡先取得要求の応答として、当該顧客IDに対応付けられた連絡先を受信する。取得部203は、取得した連絡先を送信部204に渡す。取得部203は、「取得手段」の一例である。
【0051】
送信部204は、取得部203から受け取った連絡先に対して、取り忘れた取引媒体P1の扱いを確認する問い合わせを送信する。問い合わせは、例えば、メール、電話等によって行われる。問い合わせは、例えば、問い合わせに対する回答の入力を受け付けるウェブページのUniform Resource Locator(URL)を含んでもよい。受け取った連絡先が複数ある場合(例えば、メールアドレス、自宅の電話番号および携帯電話の電話番号を受け取った場合)、送信部204は携帯電話の電話番号に対して優先的に問い合わせを送信する。携帯電話に問い合わせを送信することで、携帯電話であれば他の連絡先よりも確実に顧客と連絡を取りやすいと考えられるからである。なお、顧客の希望する連絡先がある場合、送信部204は希望された連絡先を優先して問い合わせを送信してもよい。送信部204は、「送信手段」の一例である。
【0052】
図10は、問い合わせで送信されるメールの文章の一例である。メールでは、取引媒体P1を取り忘れた旨を通知するとともに、ウェブサーバ3によって公開されるウェブページである回答受付ページ3011のURLが記載される。顧客端末4においてメールの文章に記載されたURLがクリックされると、例えば、顧客端末4においてインターネットブラウザが起動する。顧客端末4は、インターネットブラウザを用いて回答受付ページ3011にアクセスする。顧客端末4のインターネットブラウザは、回答受付ページ3011を取得して表示する。顧客端末4は、回答受付ページ3011を介して取り忘れた取引媒体P1の扱いについての回答をATM2に送信する。
【0053】
図7に戻り、認証処理部205は、取り忘れた取引媒体P1を受け取る顧客の認証処理を行う。認証処理には、様々な方式を採用可能である。認証処理部205は、例えば、顧客が通帳とキャッシュカードとを保有する場合のように取引媒体P1を複数保有する場合、取り忘れた取引媒体P1がキャッシュカードである場合、取引媒体P1を受け取る顧客は、通帳挿入口221に通帳を挿入する。ATM2の認証処理部205は、顧客が挿入し
た通帳から顧客IDを読み取り、読み取った顧客IDと一致する顧客IDが記録されたキャッシュカードの格納場所を格納位置管理テーブル2061から取得する。認証処理部205は、取得した位置からキャッシュカードを取り出し、カード挿入口222から排出する。認証処理部205は、読み取った顧客IDと一致する顧客IDが記録されたキャッシュカードが格納位置管理テーブル2061に記録されていない場合、該当するキャッシュカードは無い旨を正面ディスプレイ21や操作画面25に出力すればよい。取り忘れた取引媒体P1が通帳の場合も同様に処理することが可能である。
【0054】
また、例えば、認証処理部205による認証処理は、ATM2が静脈認証装置や指紋認証装置を備え、これらの認証装置を用いた生体認証であってもよい。また、例えば、認証処理部205による認証処理は、暗証番号による認証であってもよい。また、例えば、認証処理部205による認証処理は、ATM2がカメラを備え、当該カメラによって顧客の顔を撮影して実行される顔認証であってもよい。認証処理は、ATM2が取り忘れた取引媒体P1を受け取る顧客の顧客IDを取得できればよい。認証処理部205は、「認証手段」の一例である。
【0055】
<ウェブサーバ3の処理ブロック>
ウェブサーバ3は、
図7に例示されるように、ウェブサービス301を備える。ウェブサービス301は、Hypertext Transfer Protocol(HTTP)を処理し、ウェブページ
を外部に公開するサービスである。ウェブサーバ3は、ウェブサービス301によって、取り忘れた取引媒体P1の扱いを顧客に回答させる回答受付ページ3011を公開する。
図11は、回答受付ページ3011の一例を示す図である。回答受付ページ3011は、本文T1、ラジオボタンR1、回答選択肢K1、回答送信ボタンW1を含む。回答受付ページ3011では、ラジオボタンR1によって回答選択肢K1に表示された回答が選択される。回答送信ボタンW1が押下されると、ラジオボタンR1によって選択された回答がATM2に送信される。
【0056】
<顧客端末4の処理ブロック>
顧客端末4は、
図7に例示されるように、回答部401を備える。以下、
図7を参照して、顧客端末4の処理ブロックについて説明する。
【0057】
回答部401は、ATM2からの問い合わせを受信する。回答部401は、受信した問い合わせを、例えば、顧客端末4のディスプレイに出力する。回答部401は、顧客からの入力操作に応じて、問い合わせに対する回答を行う。例えば、回答部401は、顧客が選択した回答をATM2に送信する。
【0058】
<処理シーケンス>
図12は、実施形態に係る取引媒体取り忘れ通知システム500の処理シーケンスの一例を示す図である。以下、
図12を参照して、実施形態に係る取引媒体取り忘れ通知システム500の処理シーケンスの一例について説明する。
【0059】
S1では、取引を終えたATM2の媒体処理部201は、取引媒体P1を取引媒体挿入口22から排出する。S1の処理は、「排出ステップ」の一例である。S2では、ATM2の検知部202は、取引媒体挿入口22に取り忘れた取引媒体P1を検知する。検知部202は、例えば、取引が終了して取引媒体挿入口22に排出された取引媒体P1を所定時間以上継続して検知すると、取引媒体P1の取り忘れとして検知する。S2の処理は、「検知ステップ」の一例である。
【0060】
S3では、ATM2の取得部203は、銀行サーバ1に対して、顧客IDを含む連絡先取得要求を送信する。顧客IDは、例えば、取引開始時に取引媒体P1から取得されて、
ATM2の主記憶部602または補助記憶部603に記憶されている。そのため、取得部203は補助記憶部603から顧客IDを取得し、取得した顧客IDを含む連絡先取得要求を銀行サーバ1に対して送信できる。
【0061】
S4では、銀行サーバ1の受付部101は、ATM2からの連絡先取得要求を受け付けると、受け付けた連絡先取得要求に含まれる顧客IDを抽出部102に渡す。抽出部102は、受付部101から受け取った顧客IDに対応付けられた連絡先を顧客管理テーブル1031から抽出する。抽出部102は、抽出した連絡先を受付部101に渡す。S5では、受付部101は、抽出部102から受け取った連絡先をATM2に送信する。ATM2の取得部203は、銀行サーバ1が送信した連絡先を受信する。S3からS5の処理は、「取得ステップ」の一例である。
【0062】
S6では、ATM2の取得部203は、受信した連絡先を送信部204に渡す。送信部204は、取得部203から受け取った連絡先を宛先として、取り忘れた取引媒体P1の扱いを確認する問い合わせを送信する。例えば、連絡先はメールアドレスであり、問い合わせは当該メールアドレス宛にメールを送信することによって行われる。S6の処理は、「送信ステップ」の一例である。
【0063】
S7では、顧客端末4の回答部401は、ATM2からの問い合わせを受信する。回答部401は、問い合わせとして受信したメールを顧客端末4のディスプレイに表示する。メールの本文には、例えば、回答受付ページ3011のURLが含まれている。顧客端末4の回答部401は、メールの本文に含まれるURLにアクセスして、回答受付ページ3011を顧客端末4のディスプレイに出力する。回答部401は、回答受付ページ3011において、例えば、選択した回答に対応するラジオボタンR1をオンにすることで、回答を行う。S8では、顧客端末4が回答受付ページ3011で行った回答を、ATM2に送信する。すなわち、顧客端末4は、ウェブサーバ3を介して回答をATM2に送信する。
【0064】
S9では、ATM2の媒体処理部201は、ウェブサーバ3を介して顧客端末4からの回答を受信する。媒体処理部201は、受信した回答にしたがって、取り忘れた取引媒体P1を扱う。例えば、回答が「取りに戻る(本日)」である場合、媒体処理部201は、取り忘れた取引媒体P1を第1保管部605に格納する。また、例えば、回答が「取りに戻る(後日)」または「取りに戻らない」である場合、媒体処理部201は、取り忘れた取引媒体P1を第2保管部606に格納する。
【0065】
S10では、ATM2は取引媒体P1の返却処理を行う。S9で受信した回答が「取りに戻る(本日)」である場合、顧客がATM2の前に戻るまでの間、取引媒体P1は第1保管部605に保管される。認証処理部205は、取りに戻った顧客の認証処理を行い、当該顧客の顧客IDを基に格納位置管理テーブル2061を参照して、取引媒体P1の格納位置を取得する。認証処理部205は、取得した格納位置から取引媒体P1を取り出し、取引媒体挿入口22から排出する。当該顧客の顧客IDが記録された取引媒体P1が第1保管部605に存在しない場合、認証処理部205は、その旨を示すメッセージを操作画面25等に出力すればよい。
【0066】
なお、S9で受信した回答が「取りに戻る(本日)」であるにも関わらず、顧客が取引媒体P1を取りに戻らなかった場合、すなわち、所定時期を経過しても取引媒体P1が第1保管部605に保管している場合、媒体処理部201は、取引媒体P1を第2保管部606に格納する。所定時期は、例えば、「取りに戻る(本日)」であれば翌日になる時期(午前0時)とされてもよいし、ある程度の余裕を考慮して数日後とされてもよい。
【0067】
S9で受信した回答が「取りに戻る(後日)」または「取りに戻らない」である場合、第2保管部606に格納された取引媒体P1は、ATM2の管理者によって取り出される。S9で受信した回答が「取りに戻る(後日)」の場合、回収された取引媒体P1は窓口において保管され、顧客に返却される。S9で受信した回答が「取りに戻らない」である場合、回収された取引媒体P1は郵送によって顧客に返却される。S9およびS10の処理は、「媒体処理ステップ」の一例である。
【0068】
<実施形態の効果>
実施形態では、取引媒体P1の取り忘れを検知部202が検知すると、取得部203が取引媒体P1の所有者の連絡先を銀行サーバ1から取得する。送信部204は、取得した連絡先に対して、取り忘れた取引媒体P1の扱いについて問い合わせを送信する。そのため、実施形態によれば、取引媒体P1の取り忘れを顧客に通知することができる。
【0069】
実施形態では、ATM2の媒体処理部201は、問い合わせに対する回答にしたがって、取引媒体P1を取り扱う。媒体処理部201は、例えば、「取りに戻る」との回答を受信すると、取引媒体P1を第1保管部605に保管する。第1保管部605に保管された取引媒体P1は、媒体処理部201によって顧客に返却可能である。そのため、実施形態によれば、ATM2は、顧客が取りに戻るまでの間、取り忘れた取引媒体P1を顧客に返却可能な状態で保管することができる。
【0070】
実施形態では、顧客が取りに戻ると、認証処理部205によって認証を行い、認証によって得られた顧客IDが記録された取引媒体P1が第1保管部605から取り出され、取引媒体挿入口22から排出される。そのため、実施形態によれば、取りに戻った顧客に対してATM2が取引媒体P1を返却できるため、顧客が取り忘れた取引媒体の返却に係るATM2の管理者の負担を軽減できる。
【0071】
実施形態に係る第1保管部605は、上記の通り、第2保管部606よりも設置スペース当たりの保管可能な取引媒体P1の数が少ない。そのため、取り忘れた取引媒体P1のすべてを第1保管部605に保管する構成を採用すると、ATM2の内部スペースの利用効率が低下する。そこで、実施形態では、取り忘れた取引媒体P1のうち、「取りに戻る(本日)」と回答した顧客の取引媒体P1を第1保管部605に格納する。そして、「取りに戻る(本日)」以外の回答をした顧客の取引媒体P1については、設置スペース当たりの保管可能枚数が第1保管部605よりも多い第2保管部606に保管することで、より多くの取引媒体P1をATM2内に保管でき、ATM2の内部スペースの利用効率を高めることができる。
【0072】
<第1変形例>
実施形態に係るATM2では、検知部202は、排出されてから所定時間以上継続して取引媒体P1が取引媒体挿入口22に残留すると取り忘れを検知した。第1変形例では、ATMが備えるカメラを利用して取り忘れを検知する構成について説明する。
【0073】
図13は、第1変形例に係るATM2Aの外観の一例を示す図である。第1変形例に係るATM2Aは、ATM2Aを操作する顧客を認識するカメラ27を備える。カメラ27は、静止画を撮影するスチルカメラであっても、動画を撮影するビデオカメラであってもよい。第1変形例に係るATM2Aでは、検知部202の物体検知センサーが取引媒体挿入口22に取引媒体P1の存在を検知している状態で、顧客がATM2Aから離れることをカメラ27によって検知すると、検知部202は取引媒体P1の取り忘れを検知する。顧客がATM2Aから離れたと判定する条件は、例えば、顧客がカメラ27の撮影範囲から出た場合を挙げることができる。カメラ27は、「撮影手段」の一例である。
【0074】
なお、第1変形例においてカメラ27はATM2Aに備えられたが、カメラ27はATM2A以外の箇所に備えられてもよい。カメラ27は、ATM2やATM2Aが設置されるATMコーナーにおいて、ATM2やATM2Aを操作する顧客を撮影可能な位置に設けられればよい。
【0075】
<第2変形例>
実施形態では、問い合わせはメールによって行われたが、問い合わせはメールによるものに限定されない。例えば、ATM2の取得部203が連絡先として電話番号を取得し、送信部204は、取得した電話番号に対して架電して自動音声による取引媒体P1の取り扱いについての案内を実行してもよい。この場合、当該案内に対する回答が顧客端末4のボタン操作等によって受け付られればよい。
【0076】
<第3変形例>
実施形態に係る問い合わせでは、顧客の現在位置に関わりなく同じ内容の問い合わせが行われた。しかしながら、問い合わせの内容は、顧客の現在位置に応じて変化してもよい。
図14は、第3変形例に係る取引媒体取り忘れ通知システム500Aの処理ブロックの一例を示す図である。第3変形例に係る取引媒体取り忘れ通知システム500Aでは、ATM2Bが送信部204の代わりに送信部204Aを備えるとともに位置情報取得部207をさらに備え、顧客端末4Aが位置情報提供部402をさらに備える点で、実施形態に係る取引媒体取り忘れ通知システム500と異なる。
【0077】
顧客端末4Aの位置情報提供部402は、顧客端末4Aが備えるGPS等の測位システムから現在位置を取得し、取得した現在位置をATM2Bに送信する。位置情報提供部402は、現在位置の送信を所定間隔で実行する。
【0078】
ATM2Bの位置情報取得部207は、顧客端末4Aから送信される顧客端末4Aを保有する顧客の現在位置を取得する。位置情報取得部207は、「位置取得手段」の一例である。送信部204Aは、位置情報取得部207が取得した現在位置に応じて、問い合わせの内容を変更する。送信部204Aは、例えば、位置情報取得部207が取得した現在位置とATM2Bとの間の距離が所定範囲内である場合、
図11に例示するような、「取りに戻る(本日)」、「取りに戻る(後日)」または「取りに戻らない」の選択肢を含む問い合わせを顧客端末4Aに対して送信する。また、送信部204Aは、位置情報取得部207が取得した現在位置とATM2Bとの間の距離が所定範囲外である場合には、例えば、「取りに戻る(後日)」または「取りに戻らない」の選択肢を含む問い合わせを顧客端末4Aに対して送信する。顧客端末4Aの現在位置に応じて問い合わせ内容を変更することで、顧客の現在位置に適した問い合わせを送信することができる。例えば、ATM2Bにまで当日のうちに戻ることが困難な場所に移動した顧客に対して、「取りに戻る(本日)」という実現が困難な選択肢を提示することを回避することができる。
【0079】
<第4変形例>
実施形態では、回答受付ページ3011はウェブサーバ3によって公開されたが、ATM2によって公開されてもよい。この場合、ATM2においてウェブサービスが実行されればよい。
【0080】
<第5変形例>
実施形態では、
図12のS9で受信した回答が「取りに戻る(本日)」である場合、顧客がATM2の前に戻るまでの間、取引媒体P1は第1保管部605に保管されるが、第1保管部605が既に満杯で取引媒体P1を新たに格納する余裕が無い場合、ATM2の媒体処理部201は、取引媒体P1を第2保管部606に格納してもよい。この場合、送信部204は、顧客に対して取引媒体P1の回収には窓口を訪れるように案内してもよい
。
【0081】
<第6変形例>
実施形態では、
図12のS6において、ATM2の送信部204は、銀行サーバ1から取得した連絡先に対して、問い合わせを送信する。しかしながら、連絡先が登録されていない等の理由により、銀行サーバ1から連絡先を取得できない場合も考えられる。また、メールまたは電話による連絡が行われても所定期間内に応答が無い場合も考えられる。このような場合には顧客がすぐに取引媒体P1を取りに戻ることは難しいと考えられる。そこで、このような場合には、ATM2の媒体処理部201は、顧客が取り忘れた取引媒体P1を第2保管部606に格納すればよい。
【0082】
<第7変形例>
実施形態では、送信部204はATM2に備えられた。しかしながら、送信部204はATM2以外の装置が備えてもよい。例えば、ATM2に接続され、ATM2を監視するATM監視装置を取引媒体取り忘れ通知システム500が備える場合、当該ATM監視装置が送信部204を備えてもよい。
【0083】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
【0084】
<<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0085】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD−ROM)、Compact Disc - Recordable(CD−R)、Compact Disc - ReWriterable(CD−RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブ
ルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。