【解決手段】第1アクチュエータアッセンブリ22Aおよび第2アクチュエータアッセンブリ22Bは、支持シャフト26に回動自在に支持された第1および第2アクチュエータブロック29と、第1および第2アクチュエータブロックの設置面29cに設置された第1および第2配線基板46と、複数のアーム30取り付けられたヘッドジンバルアッセンブリを有している。第1配線基板は、第1および第2アクチュエータブロック間の境界に隣接した第1接続部60aを有し、第2配線基板は、境界に隣接した第2接続部60bを有し、第1および第2接続部の少なくとも一方は、支持シャフト26から離間する方向あるいは支持シャフト26に接近する方向のいずれかに折曲げられている。
前記第1アクチュエータブロックの設置面は、前記境界近傍に設けられ前記支持シャフトに接近する方向に傾斜した第1傾斜面を有し、前記第1接続部は、前記第1傾斜面に沿って前記支持シャフトに接近する方向に曲がっている請求項1に記載のディスク装置。
前記第2アクチュエータブロックの設置面は、前記境界近傍に設けられ前記支持シャフトに接近する方向に傾斜した第2傾斜面を有し、前記第2接続部は、前記第2傾斜面に沿って前記支持シャフトに接近する方向に曲がっている請求項3に記載のディスク装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照しながら、実施形態に係るディスク装置ついて説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
(第1の実施形態)
ディスク装置として、第1の実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)について詳細に説明する。
図1は、トップカバーを外して示す第1の実施形態に係るHDDの分解斜視図である。
HDDは、偏平なほぼ矩形状の筐体10を備えている。この筐体10は、上面の開口した矩形箱状のベース12と、トップカバー14と、を有している。トップカバー14は、複数のねじ13によりベース12にねじ止めされ、ベース12の上端開口を閉塞する。ベース12は、トップカバー14と隙間を置いて対向する矩形状の底壁12aと、底壁の周縁に沿って立設された側壁12bとを有し、例えば、アルミニウムにより一体に成形されている。トップカバー14は、例えば、ステンレスにより矩形板状に形成されている。トップカバー14は、ベース12の側壁12b上にねじ止めされ、ベース12の上部開口を閉塞する。
【0012】
筐体10内に、記録媒体としての複数枚の磁気ディスク18、および磁気ディスク18を支持および回転させる駆動部としてのスピンドルモータ19が設けられている。スピンドルモータ19は、底壁12a上に配設されている。各磁気ディスク18は、例えば、直径88.9mm(3.5インチ)に形成され、その上面および/または下面に磁気記録層を有している。各磁気ディスク18は、スピンドルモータ19の図示しないハブに互いに同軸的に嵌合されているとともに、クランプばね20によりクランプされハブに固定されている。複数枚の磁気ディスク18は、所定の間隔を置いて、互いに平行に積層配置されている。また、磁気ディスク18は、ベース12の底壁12aと平行に位置した状態に支持されている。複数枚の磁気ディスク18は、スピンドルモータ19により所定の回転数で回転される。
なお、
図1に示すように、本実施形態では、例えば7枚の磁気ディスク18が筐体10内に配置されているが、磁気ディスク18の枚数はこれに限られない。
【0013】
筐体10内には、磁気ディスク18に対して情報の記録、再生を行なう複数の磁気ヘッド17、および、これらの磁気ヘッド17を磁気ディスク18に対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータアッセンブリが設けられている。本実施形態では、ヘッドアクチュエータアッセンブリは、複数のアクチュエータアッセンブリ、例えば、第1アクチュエータアッセンブリ22Aおよび第2アクチュエータアッセンブリ22Bを有するデュアルアクチュエータアッセンブリとして構成されている。第1および第2アクチュエータアッセンブリ22A、22Bは、共通の支持シャフト(枢軸)26の回りで回動自在に支持されている。
更に、筐体10内には、第1および第2アクチュエータアッセンブリ22A、22Bを回動および位置決めするボイスコイルモータ(VCM)24、磁気ヘッド17が磁気ディスク18の最外周に移動した際、磁気ヘッド17を磁気ディスク18から離間したアンロード位置に保持するランプロード機構25、および変換コネクタ等の電子部品が実装された基板ユニット(FPCユニット)21が設けられている。
【0014】
底壁12aの外面には、図示しないプリント回路基板がねじ止めされている。プリント回路基板は制御部を構成し、この制御部は、スピンドルモータ19の動作を制御するとともに、基板ユニット21を介してVCM24および磁気ヘッド17の動作を制御する。
【0015】
図2は、デュアルアクチュエータアッセンブリおよびFPCユニットを有するヘッドアクチュエータアッセンブリを示す斜視図、
図3は、整列状態のデュアルアクチュエータアッセンブリの斜視図、
図4は、整列状態のデュアルアクチュエータアッセンブリの側面図である。
図2および
図3に示すように、デュアルアクチュエータアッセンブリは、第1アクチュエータアッセンブリ22Aおよび第2アクチュエータアッセンブリ22Bを有している。第1および第2アクチュエータアッセンブリ22A、22Bは、互いに重ねて配置され、また、ベース12の底壁12aに立設された共通の支持シャフト26の回りで互いに独立して回動可能に設けられている。第1アクチュエータアッセンブリ22Aおよび第2アクチュエータアッセンブリ22Bは、ほぼ同一の構造に構成されている。一例では、上側に配置されたアクチュエータアッセンブリを第1アクチュエータアッセンブリ22A、下側に配置されたアクチュエータアッセンブリを第2アクチュエータアッセンブリ22Bとしている。
【0016】
第1アクチュエータアッセンブリ22Aは、アクチュエータブロック(第1アクチュエータブロック)29と、アクチュエータブロック29から延出する4本のアーム30と、各アーム30に取付けられたヘッドジンバルアッセンブリ(HGA、サスペンションアッセンブリと称する場合もある)32と、HGA32に支持された磁気ヘッド17と、を備えている。アクチュエータブロック29は内孔31を有し、この内孔31に軸受けユニット(ユニット軸受)50が収納されている。アクチュエータブロック29は、軸受ユニット47により、支持シャフト26に回動自在に支持されている。
本実施形態において、アクチュエータブロック29および4本のアーム30はアルミニウム等により一体に成形され、いわゆるEブロックを構成している。アーム30は、例えば、細長い平板状に形成され、アクチュエータブロック29から支持シャフト26と直交する方向に延出している。4本のアーム30は、互いに隙間を置いて、平行に設けられている。
【0017】
第1アクチュエータアッセンブリ22Aは、アクチュエータブロック29からアーム30と反対の方向へ延出する支持フレーム34を有している。ボイスコイル36が支持フレーム34に支持されている。
図1および
図2に示すように、ボイスコイル36は、ベース12に設置された一対のヨーク38間に位置し、これらのヨーク38、および何れかのヨーク38に固定された磁石39とともにVCM24を構成している。
【0018】
図3および
図4に示すように、第1アクチュエータアッセンブリ22Aは、7本のHGA32を備え、これらのHGA32は各アーム30の延出端にそれぞれ取付けられている。複数のHGA32は、磁気ヘッド17を上向きに支持するアップヘッドHGAと、磁気ヘッド17を下向きに支持するダウンヘッドHGAと、を含んでいる。これらのアップヘッドHGAおよびダウンヘッドHGAは、同一構造のHGA32を上下向きを変えて配置することにより構成される。本実施形態では、第1アクチュエータアッセンブリ22Aにおいて、最上部のアーム30にダウンヘッドHGA32が取付けられ、他の3本のアーム30の各々に、アップヘッドHGA32およびダウンヘッドHGA32の2本のHGAが取り付けられている。
7本のHGA32は、4本のアーム30から延出し、互いにほぼ平行に、かつ、所定の間隔を置いて配置されている。最下部のダウンヘッドHGA32を除いて、他の3組のダウンヘッドHGA32およびアップヘッドHGA32に支持された2つの磁気ヘッド17は、所定の間隔を置いて互いに向かい合って位置している。これらの磁気ヘッド17は、対応する磁気ディスク18の両面に対向して位置する。なお、最下部のダウンヘッドHGA32の磁気ヘッド17は、後述する第2アクチュエータアッセンブリ22Bの最上部のアップヘッドHGA32の磁気ヘッド17との間に配置される磁気ディスク18の上面に対向して位置する。
【0019】
図5は、アップヘッドHGAを示す斜視図、
図6は、ダウンヘッドHGAを示す斜視図である。図示のように、HGA32は、ほぼ矩形状のベースプレート50と、細長い板ばね状のロードビーム52と、細長い帯状のフレクシャ(配線部材)54と、を有している。ロードビーム52は、その基端部がベースプレート50の端部に重ねて固定されている。ロードビーム52は、ベースプレート50から延出し、延出端に向かって先細に形成されている。ベースプレート50およびロードビーム52は、例えば、ステンレスにより形成されている。一例では、ベースプレート50の板厚は、150μm程度に、ロードビーム52の板厚は、25〜30μm程度に形成されている。
【0020】
ベースプレート50は、第1表面50aおよび反対側の固定面となる第2表面50bを有している。ベースプレート50は、その基端部に円形の開口およびこの開口の周囲に位置する円環状の突起部53を有している。突起部53は、ベースプレート50の第2表面50bから突出している。ベースプレート50は、基端部側がアーム30の先端部30bの座面41上に重ねて配置される。アーム30に形成されたかしめ孔31にベースプレート50の突起部53を嵌合し、この突起部53をかしめることで、ベースプレート50はアーム30の先端部30bに締結されている。
ロードビーム52の基端部は、ベースプレート50の先端部に重ねて配置され、複数個所を溶接することによりベースプレート50に固定されている。
【0021】
HGA32のフレクシャ54は、ベースとなるステンレス等の金属板(裏打ち層)と、この金属板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成された複数の配線(配線パターン)を構成する導電層と、導電層を覆うカバー層(保護層、絶縁層)と、を有し、細長い帯状の積層板をなしている。フレクシャ54は、先端側部分54aと基端側部分54bとを有している。先端側部分54aは、ロードビーム52およびベースプレート50の第1表面52a上に取付けられている。基端側部分54bは、ベースプレート50の側縁から外側に延出し、更に、アーム30に沿ってアーム30の基端部まで延びている。
先端側部分54aの一部は、変異自在なジンバル部(弾性支持部56)を構成している。ジンバル部56は、ロードビーム52上に位置している。磁気ヘッド17はジンバル部56に搭載されている。フレクシャ454の配線は、磁気ヘッド17のリード素子、ライト素子、ヒータ、その他の部材に電気的に接続されている。
【0022】
フレクシャ54の基端側部分54bは、ベースプレート50の側縁から外側へ出た後、アーム30の側縁に形成された溝30a(
図3参照)内を通って、アーム30の基端まで延びている。基端側部分54bの先端にフレクシャ54の接続端部(テール接続端子部)55が形成されている。接続端部55は、細長い矩形状に形成されている。接続端部55は、基端側部分54bに対してほぼ直角に折り曲げられ、アーム30に対してほぼ垂直に位置している。なお、後述するように、2つのアクチュエータブロック間の境界近傍に配置される接続端部55は、他の接続端部55と異なる角度で、例えば、10〜60度で、折り曲げられる。
接続端部55には複数、例えば、9個の接続端子(接続パッド)58が設けられている。これらの接続端子58は、フレクシャ54の配線にそれぞれ接続されている。すなわち、フレクシャ54の複数の配線は、フレクシャ54のほぼ全長に亘って延び、一端は磁気ヘッド17に電気的に接続され、他端は、接続端部55の接続端子58に接続されている。
【0023】
図3および
図4に示すように、7つの接続端部55は、アクチュエータブロック29の設置面に設けられたフレキシブルプリント配線基板(FPC)に接合されている。各接続端部55の接続端子58は、FPCの接続端子にハンダ接合され、FPCに電気的かつ機械的に接合されている。7つの接続端部55は、支持シャフト26の軸方向に並んで配置され、互いにほぼ平行に隣接して配置されている。
【0024】
一方、第2アクチュエータアッセンブリ22Bは、第1アクチュエータアッセンブリ22Aと同様に構成されている。すなわち、
図2、
図3、
図4に示すように、第2アクチュエータアッセンブリ22Bは、軸受ユニット47を内蔵したアクチュエータブロック(第2アクチュエータブロック)29と、アクチュエータブロック29から延出する4本のアーム30と、それぞれアーム30に取り付けられた7本のHGA32と、各HGAに搭載された磁気ヘッド17と、ボイスコイル36を支持した支持フレーム34と、を有している。
【0025】
アクチュエータブロック29は、軸受ユニット47を介して、支持シャフト26に回転自在に支持されている。アクチュエータブロック(第2アクチュエータブロック)29は、支持シャフト26の基端部(底壁12a側の半分部)に支持され、第1アクチュエータブロック29の下方に同軸的に配置されている。アクチュエータブロック(第2アクチュエータブロック)29は、第1アクチュエータブロック29と僅かな隙間を置いて対向している。
【0026】
第2アクチュエータアッセンブリ22Bにおいては、最下部のアーム30にアップヘッドHGA32が取付けられ、他の3本のアーム30の各々に、アップヘッドHGA32およびダウンヘッドHGA32の2本のHGAが取り付けられている。第2アクチュエータアッセンブリ22Bのボイスコイル36は、ベース12に設置された一対のヨーク38間に位置し、これらのヨーク38、および何れかのヨークに固定された磁石39とともにVCM24を構成している。
第1アクチュエータアッセンブリ22Aを駆動するVCM24と、第2アクチュエータアッセンブリ22Bを駆動するVCM24とは、互いに独立して設けられている。これにより、第1アクチュエータアッセンブリ22Aおよび第2アクチュエータアッセンブリ22Bは、それぞれ独立して駆動(回動)可能である。
【0027】
図2に示すように、FPCユニット21は、ほぼ矩形状のベース部42、ベース部42の一側縁から延出した2本の細長い帯状の中継部44、それぞれ中継部44の先端に連続して設けられた2つの接合部(配線基板)46と、を一体に有している。ベース部42、中継部44、および接合部46は、フレキシブルプリント配線基板により形成されている。フレキシブルプリント配線基板は、ポリイミド等の絶縁層と、この絶縁層上に形成され、配線、接続パッド等を形成する導電層と、導電層を覆う保護層とを有している。
【0028】
ベース部42上に、図示しない変換コネクタ、複数のコンデンサ等の電子部品が実装され、図示しない配線に電気的に接続されている。ベース部42に、補強板として機能する金属板45が貼付されている。ベース部42は、ベース12の底壁12a上に設置されている。2本の中継部44は、ベース部42の側縁から第1および第2アクチュエータアッセンブリ22A、22Bに向かって延びている。中継部44の延出端に設けられた接合部46は、それぞれ後述する裏打ち板を介してアクチュエータブロック29の一側面(設置面)に貼付され、更に、固定ねじにより設置面にねじ止め固定されている。
【0029】
図3および
図4に示すように、フレクシャ54の接続端部55は、各接合部46の複数の接続部に接合され、接合部46の配線に電気的に接続されている。接合部46上にヘッドIC(ヘッドアンプ)48が実装され、このヘッドIC48は配線を介して接続端部55およびベース部42に接続されている。更に、接合部46は、ボイスコイル36が接続された接続パッド49を有している。
第1アクチュエータアッセンブリ22Aの7個の磁気ヘッド17は、それぞれフレクシャ54の配線、接続端部55、FPCユニット21の接合部46、中継部44を通して、ベース部42に電気的に接続される。同様に、第2アクチュエータアッセンブリ22Bの7個の磁気ヘッド17は、それぞれフレクシャ54の配線、接続端部55、FPCユニット21の接合部46、中継部44を通して、ベース部42に電気的に接続される。更に、ベース部42は、変換コネクタを介して、筐体10の底面側のプリント回路基板に電気的に接続される。
【0030】
次に、接合部46の構成およびアクチュエータブロック間の境界部の構成について、詳細に説明する。
図7は、アクチュエータブロックおよび接合部を分解して示す斜視図、
図8はHGAを取外した状態のアクチュエータブロック部分を示す斜視図、
図9は、
図8の線A−Aに沿った、アクチュエータブロックおよび接合部を概略的に示す断面図である。なお、
図7ないし
図9では、FPCユニット21の中継部44を省略している。
図7および
図8に示すように、第1アクチュエータアッセンブリ22Aのアクチュエータブロック(第1アクチュエータブロック)29は、支持シャフト26と直交する上端面29aおよび下端面29b、並びに、支持シャフト26と平行に延在する平坦な側面(設置面)29cを有している。同様に、第2アクチュエータアッセンブリ22Bのアクチュエータブロック(第2アクチュエータブロック)29は、支持シャフト26と直交する上端面29aおよび下端面29b、並びに、支持シャフト26と平行に延在する平坦な側面(設置面)29cを有している。第1アクチュエータブロック29の下端面29bと、第2アクチュエータブロック29の上端面29aとは、僅かな隙間を置いて、対向している。
【0031】
FPCユニット21の各接合部46は、設置面29cとほぼ等しい大きさの矩形状に形成されている。各接合部46の裏面に、補強板として、例えば、アルミニウムからなる裏打ち板64が貼付されている。裏打ち板64は、接合部46とほぼ同一の大きさおよび形状に形成されている。各接合部46は、裏打ち板64を介して、アクチュエータブロック29の設置面29cに貼付およびねじ止めされている。接合部46の上側縁は、設置面29cの上側縁と整列して位置し、同様に、接合部46の下側縁は、設置面29cの下側縁と整列して位置している。
【0032】
接合部46は、HGA32の接続端部55に対応する7個の接続パッド群60を有している。各接続パッド群60は、1列に並んで設けられた例えば9個の接続パッド61を有している。各接続パッド61は、FPCの配線を介してベース部42に電気的に接続されている。各接続パッド群60は、支持シャフト26とほぼ直交する方向に、すなわち、接合部46の上側縁および下側縁とほぼ平行な方向に、延在している。また、7個の接続パッド群61は、互いに間隔を置いて、支持シャフト26の軸方向に並んで設けられている。
【0033】
第1アクチュエータアッセンブリ22Aの接合部(第1配線基板)46において、複数の接続パッド群60の内、最下部の接続パッド群、すなわち、接合部46の下側縁近傍(第1アクチュエータブロックと第2アクチュエータブロックとの境界近傍)に位置する接続パッド群60、が設けられている矩形状の下端接続部(第1接続部)60aは、裏打ち板64の対応する部分と共に、支持シャフト26あるいは設置面29cから離れる方向に切り起こされている、すなわち、折り曲げられている。
図9に示すように、下端接続部60aは、接合部46の表面に対して、角度θ(例えば、30〜80度)だけ外側に傾斜している。これにより、下端接続部60aは、接合部46上の他の接続部と異なる角度で設けられている。なお、上記および以下の説明において、「折り曲げる」とは、折り曲がった状態であることを含み、真っ直ぐなものを折って曲げることにより折り曲がった状態にすることに限定されない。すなわち、予め曲がった状態で形成されている構成も含いんでいる。
【0034】
図7および
図8に示すように、第2アクチュエータアッセンブリ22Bの接合部(第2配線基板)46において、複数の接続パッド群60の内、最上部の接続パッド群、すなわち、接合部46の上側縁近傍(第1アクチュエータブロックと第2アクチュエータブロックとの境界近傍)に位置する接続パッド群60、が設けられている矩形状の上端接続部(第2接続部)60bは、裏打ち板64の対応する部分と共に、支持シャフト26あるいは設置面29cから離れる方向に切り起こされている、すなわち、折り曲げられている。
図9に示すように、上端接続部60bは、接合部46の表面に対して、角度θ(例えば、30〜80度)だけ傾斜している。これにより、上端接続部60bは、接合部46上の他の接続部と異なる角度で設けられている。
【0035】
図8および
図9に示すよう、接合部46を第1アクチュエータブロックの設置面29cおよび第2アクチュエータブロック29の設置面29cにそれぞれ固定した状態において、下端接続部60aと上端接続部60bとは、互いに干渉することなく、隙間を置いて対向している。下端接続部60aおよび上端接続部60bは、それぞれ設置面29cから離間する方向に折曲げられていることから、第1および第2アクチュエータブロック29間の隙間Gを小さく設定した場合でも、下端接続部60aと上端接続部60bとの間隔を充分に確保することができる。
【0036】
図3および
図4に示したように、複数のフレクシャ54の接続端部55は、それぞれ接合部46の対応する接続部(接続パッド群)に重ねて配置されている。接続端部55の複数の接続端子58は、例えば、ハンダにより、対応する接続パッド群60に電気的かつ機械的に接合されている。第1アクチュエータアッセンブリ22Aにおいて、最下部に位置する接続端部55は、接合部46の下端接続部60aに重ねて配置され、接続パッド群60に接合されている。これにより、最下部の接続端部55は、下端接続部60aと共に、設置面29cから離れる方向に折れ曲がった状態で配置されている。
第2アクチュエータアッセンブリ22Bにおいて、最上部に位置する接続端部55は、接合部46の上端接続部60bに重ねて配置され、接続パッド群60に接合されている。最上部の接続端部55は、上端接続部60bに沿って、設置面29cから離れる方向に折れ曲がった状態に配置されている。
【0037】
上記のように構成されたデュアルアクチュエータアッセンブリによれば、第1アクチュエータアッセンブリ22Aと、第2アクチュエータアッセンブリ22Bとの境界部において、下端接続部60aおよび接続端部55を支持シャフト26あるいは設置面29cから離れる方向に折り曲げて配置している。そのため、第1アクチュエータブロック29および第2アクチュエータブロック29を互いに接近して配置した場合でも、下端接続部60aと上端接続部60bとが干渉することなく、これらの間に充分な隙間が確保される。これにより、第1アクチュエータブロック29と第2アクチュエータブロック29との間のギャップGを小さく設定することが可能となり、第1アクチュエータアッセンブリ22Aと第2アクチュエータアッセンブリ22Bとの境界に対応する磁気ディスクの積層間隔を拡げる必要がなくなる。
【0038】
図1に示すように、ヘッドアクチュエータアッセンブリを筐体10に組み込んだ状態において、支持シャフト26は、底壁12aに固定され、スピンドルモータ19のスピンドルとほぼ平行に立設されている。各磁気ディスク18は2本のHGA32間に位置する。HDDの動作時、第1アクチュエータアッセンブリ22Aおよび第2アクチュエータアッセンブリ22Bは、支持シャフト26の回りで、互いに独立して、あるいは、一体的に回動される。HGA32の磁気ヘッド17は、磁気ディスク18の上面および下面にそれぞれ対向する。FPCユニット21のベース部42は、底壁12aに固定されている。
【0039】
以上のように構成されたHDDおよびアクチュエータアッセンブリによれば、独立して駆動可能な複数のアクチュエータアッセンブリを重ねて配置した構成であるにも係らず、境界部分の磁気ヘッドあるいは磁気ディスクを削減することなく、アクチュエータアッセンブリ間の間隔を所望の間隔に設定することが可能となる。これにより、記憶容量を減らすことなく、アクチュエータアッセンブリのマルチ化が可能なディスク装置が得られる。
なお、第1の実施形態においては、第1アクチュエータアッセンブリ側のFPC接合部46の下端接続部60aおよび第2アクチュエータアッセンブリ側のFPC接合部46の上端接続部60bの両方を折り曲げる構成としているが、これに限らず、下端接続部60aおよび上端接続部60bのいずれか一方のみを折り曲げる構成としてもよい。この場合でも、アクチュエータブロック間の隙間を小さく設定することが可能となる。
【0040】
次に、他の実施形態に係るHDDの配線部材について説明する。以下に述べる他の実施形態において、上述した第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略あるいは簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係るHDDのアクチュエータアッセンブリを示す斜視図、
図11は、前記アクチュエータアッセンブリのアクチュエータブロックおよびFPC接合部を示す分解斜視図、
図12は、HGAの接続端部が接続されていない状態のFPC接合部およびアクチュエータブロックを示す斜視図、
図13は、
図12の線B−Bに沿ったアクチュエータブロック部分の概略断面図である。
【0041】
第2の実施形態によれば、FPCの接合部(配線基板)46の下端接続部(第1接続部)60aおよび上端接続部(第2接続部)60bは、それぞれ第1の実施形態と逆方向(支持シャフト26に接近する方向)に折曲げられている。
図11に示すように、第1アクチュエータブロック29において、設置面29cと下端面29bとが交差する角部が斜めに切欠かれ、設置面29cの下端部は、設置面29cから支持シャフト26側に傾斜した傾斜面68aを形成している。第2アクチュエータブロック29において、設置面29cと上端面29aとが交差する角部が斜めに切欠かれ、設置面29cの上端部は、設置面29cから支持シャフト26側に傾斜した傾斜面68bを形成している。
【0042】
図11および
図13に示すように、第1アクチュエータアッセンブリ22Aの接合部(第1配線基板)46において、最下部の接続パッド群60が設けられている矩形状の下端接続部60aは、裏打ち板64の対応する部分と共に、接合部46の他の部分に対して、第1アクチュエータブロック29側、すなわち、支持シャフト26側に折曲げられている。下端接続部60aは、接合部46の表面に対して、角度θ(例えば、30〜70度)だけ傾斜している。これにより、下端接続部60a上の接続パッド群60は、他の接続パッド群60と異なる角度で設けられている。
【0043】
第2アクチュエータアッセンブリ22Bの接合部(第2配線基板)46において、最上部の接続パッド群60が設けられている上端接続部60bは、裏打ち板64の対応する部分と共に、接合部46の他の部分に対して、第2アクチュエータブロック29側、すなわち、支持シャフト26側に折曲げられている。上端接続部60bは、接合部46の表面に対して、角度θ(例えば、30〜70度)だけ傾斜している。これにより、上端接続部60b上の接続パッド群60は、他の接続パッド群60と異なる角度で設けられている。
【0044】
図12および
図13に示すよう、接合部46を第1アクチュエータブロック29の設置面29cおよび第2アクチュエータブロック29の設置面29cにそれぞれ固定した状態において、下端接続部60aは傾斜面68a上に配置され、上端接続部60bは傾斜面68b上に配置される。下端接続部60aおよび上端接続部60bは、アクチュエータブロック29内に食込んで配置され、互いに干渉することなく、隙間を置いて対向している。このように、下端接続部60aおよび上端接続部60bは、それぞれ支持シャフト26に接近する方向に折曲げられていることから、第1および第2アクチュエータブロック29間の隙間Gを小さく設定した場合でも、下端接続部60aと上端接続部60bとの間隔を充分に確保することができる。
【0045】
図10に示したように、複数のフレクシャ54の接続端部55は、それぞれ接合部46の対応する接続位置に重ねて配置されている。接続端部55の複数の接続端子58は、例えば、ハンダにより、対応する接続パッド群60に電気的かつ機械的に接合されている。第1アクチュエータアッセンブリ22Aにおいて、最下部に位置する接続端部55は、接合部46の下端接続部60aに重ねて配置され、接続パッド群60に接合されている。これにより、最下部の接続端部55は、下端接続部60aに沿って、設置面29cから支持シャフト26側に折れ曲がった状態で配置されている。
第2アクチュエータアッセンブリ22Bにおいて、最上部に位置する接続端部55は、接合部46の上端接続部60bに重ねて配置され、接続パッド群60に接合されている。最上部の接続端部55は、上端接続部60bに沿って、設置面29cから支持シャフト26側に折れ曲がった状態で配置されている。
第2の実施形態において、HDDの他の構成は、前述した第1の実施形態に係るHDDと同一である。
【0046】
上記のように構成されたデュアルアクチュエータアッセンブリによれば、第1アクチュエータアッセンブリ22Aと、第2アクチュエータアッセンブリ22Bとの境界部において、下端接続部60aおよび接続端部55を設置面29cから支持シャフト26側に折り曲げて配置するとともに、上端接続部60bおよび接続端部55を設置面29cから支持シャフト26側に折り曲げて配置している。そのため、第1アクチュエータブロック29および第2アクチュエータブロック29を互いに接近して配置した場合でも、下端接続部60aと上端接続部60bとが干渉することなく、これらの間に充分な隙間が確保される。これにより、第1アクチュエータブロック29と第2アクチュエータブロック29との間のギャップGを小さく設定することが可能となり、第1アクチュエータアッセンブリ22Aと第2アクチュエータアッセンブリ22Bとの境界に対応する磁気ディスクの積層間隔を拡げる必要がなくなる。
【0047】
以上のことから、第2の実施形態によれば、記憶容量を減らすことなく、アクチュエータアッセンブリのマルチ化が可能なディスク装置が得られる。
なお、第2の実施形態においては、第1アクチュエータアッセンブリ側のFPC接合部46の下端接続部60aおよび第2アクチュエータアッセンブリ側のFPC接合部46の上端接続部60bの両方を折り曲げる構成としているが、これに限らず、下端接続部60aおよび上端接続部60bのいずれか一方のみを折り曲げる構成としてもよい。この場合でも、アクチュエータブロック間の隙間を小さく設定することが可能となる。
【0048】
本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
アクチュエータアッセンブリは、第1および第2の2つに限らず、3つ以上のアクチュエータアッセンブリを共通の支持シャフト上に回動自在に支持する構成としてもよい。この場合、上下に隣り合うアクチュエータアッセンブリの境界近傍に位置する上端接続部あるいは下端接続部を折り曲げて配置する構成とすればよい。
磁気ディスクは7枚に限らず、6枚以下あるいは8枚以上としてもよく、HGAの数および磁気ヘッドの数も磁気ディスクの設置枚数に応じて増減すればよい。HGAの接続端部において、接続端子の数は9個に限らず、必要に応じて増減可能である。ディスク装置を構成する要素の材料、形状、大きさ等は、上述した実施形態に限定されることなく、必要に応じて種々変更可能である。