特開2019-164854(P2019-164854A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2019-164854磁気ディスク装置およびその記録方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-164854(P2019-164854A)
(43)【公開日】2019年9月26日
(54)【発明の名称】磁気ディスク装置およびその記録方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/012 20060101AFI20190830BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20190830BHJP
   G11B 5/09 20060101ALI20190830BHJP
【FI】
   G11B5/012
   G11B20/10 311
   G11B5/09 311Z
   G11B5/09 331
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-51536(P2018-51536)
(22)【出願日】2018年3月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新堀 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 龍太
【テーマコード(参考)】
5D031
5D044
5D091
【Fターム(参考)】
5D031AA04
5D031CC20
5D031EE07
5D031EE08
5D044BC01
5D044CC04
5D044DE12
5D044DE37
5D044DE38
5D044FG19
5D044GK12
5D091AA10
5D091CC30
5D091GG33
(57)【要約】
【課題】瓦記録方式を行う磁気ディスク装置において、ゾーン境界による容量の無駄を減らす。
【解決手段】実施形態によれば、磁気ディスク装置は、磁気ディスクの記録領域にシングル磁気記録方式でデータを書き込む場合に、前記磁気ディスクの予めゾーン及びヘッドの領域が作成されている記録領域の全域を、一定サイズのトラック群で順に区切り、前記ゾーンの領域境界では前記ゾーンまたはヘッドを跨がるようにして複数のトラック群を作成し、前記トラック群毎に前記データの書き込みを制御する。このとき、前記全域のトラック群に、論理的に連続したトラック群の並びとしたユニークな番号を割り当て、トラック群毎にそれぞれ属しているゾーン及びヘッドを管理する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ディスクの記録領域にシングル磁気記録方式でデータを書き込む書込み手段と、
前記磁気ディスクの予めゾーン及びヘッドの領域が作成されている記録領域の全域を、一定サイズのトラック群で順に区切り、前記ゾーンの領域境界では前記ゾーンまたはヘッドを跨がるようにして複数のトラック群を作成し、前記トラック群毎に前記データの書き込みを制御する制御手段と
を具備し、
前記制御手段は、前記全域のトラック群に、論理的に連続したトラック群の並びとしたユニークな番号を割り当て、トラック群毎にそれぞれ属しているゾーン及びヘッドを管理する磁気ディスク装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記ゾーン及びヘッドに事前に順番を示す番号を付けて、複数のゾーン及びヘッドに属しているトラック群に識別符号を付加し、アドレス変換時に前記識別符号を認識して正しい物理位置に変換する請求項1記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ゾーンの終端の前記トラック群のサイズに満たない領域と次のゾーンの先頭の領域をまとめて1つのトラック群として管理する請求項1記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記ゾーンの終端の前記トラック群のサイズに満たない領域と次のヘッドの先頭の領域をまとめて1つのトラック群として管理する請求項1記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記トラック群のサイズを任意に変更する処理を実行するサイズ変更手段を備える請求項1記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
前記サイズ変更手段は、前記サイズの変更処理をユーザの要求に応じて実行する請求項5記載の磁気ディスク装置。
【請求項7】
磁気ディスクの記録領域にシングル磁気記録方式でデータを書き込む磁気ディスク装置に用いられ、
前記磁気ディスクの予めゾーン及びヘッドの領域が作成されている記録領域の全域を、一定サイズのトラック群で順に区切り、前記ゾーンの領域境界では前記ゾーンまたはヘッドを跨がるようにして複数のトラック群を作成し、前記全域のトラック群に、論理的に連続したトラック群の並びとしたユニークな番号を割り当て、トラック群毎にそれぞれ属しているゾーン及びヘッドを管理し、その管理情報に従って前記データの書込みを制御する磁気ディスク装置の記録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、磁気ディスク装置およびその記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置(以下、HDD(Hard Disk Drive)と表記する)において、いわゆるシングルドライト(shingled write、瓦記録とも呼ぶ)方式を採用する場合、同一のゾーン/ヘッド(以下、ZONE/HEADと表記する)内での転送レートを一定にするために、トラック群(以下、バンドと表記する)の分割も同一ZONE/HEAD内に限定して実施している。また、ライト/リード・エラー発生時のリトライ管理についても、同一ZONE/HEAD内であることを前提に管理している。
【0003】
ところで、瓦記録方式では、ランダムアクセスに弱いなどの弱点や使いにくい点を改善するためにZAC(Zoned device ATA Command set)規格がある。ZAC規格では装置全域を一律のセクタ数(容量)で分割して、なおかつ上位側(host)にそのサイズと境界を提示する。ただし、それによって使いやすくなった分、装置容量に無駄が生じてしまう。
【0004】
すなわち、ZAC規格のように全域のバンドが指定された同一セクタ数(容量)の固定バンドとなるように作成する場合、ZONE境界付近にバンドサイズに満たない端数トラックが発生してしまうため、必要な容量を満たすために、ZONE境界を必要な本数のトラック数分内周側に移動してバンドを作成するか、逆にZONE境界を外周側に移動して端数トラックを隣のZONEに組み入れる等の処置をしている。また、ZONE境界を移動したくない場合には、端数トラックをユーザ容量には含まれないスペア用のセクタ(ディフェクト発生時の代替用)としている。
【0005】
ZONE境界を移動した場合、その領域のディフェクト洗い出しを再度行わなければならず(ZONEが変わるとBPI(Bits Per Inch)が異なるため)、HDD製造工程での時間が長くなる問題がある。また、スペア領域にした場合には、装置容量が減ってしまう問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−246838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の実施形態の課題は、瓦記録方式を行う場合に、ゾーン境界による容量の無駄を減らし、ゾーン境界の移動も不要で、ゾーン境界のディフェクトの洗いなおしを不要とし、製造工程の時間を短縮することのできる磁気ディスク装置およびその記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、磁気ディスク装置は、磁気ディスクの記録領域にシングル磁気記録方式でデータを書き込む場合に、前記磁気ディスクの予めゾーン及びヘッドの領域が作成されている記録領域の全域を、一定サイズのトラック群で順に区切り、前記ゾーンの領域境界では前記ゾーンまたはヘッドを跨がるようにして複数のトラック群を作成し、前記トラック群毎に前記データの書き込みを制御する。このとき、前記全域のトラック群に、論理的に連続したトラック群の並びとしたユニークな番号を割り当て、トラック群毎にそれぞれ属しているゾーン及びヘッドを管理する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る磁気ディスク装置を概略的に示すブロック図。
図2図2は、実施形態において、バンド管理テーブルを生成する処理の流れを示すフローチャート。
図3図3は、実施形態において、バンド管理テーブルの具体例を示す図。
図4図4は、実施形態において、第1の実施例の処理内容を示す概念図。
図5図5は、実施形態において、第2の実施例の処理内容を示す概念図。
図6図6は、実施形態において、第3の実施例の処理内容を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施形態について説明する。
【0011】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0012】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る磁気ディスク装置(HDD)を概略的に示すブロック図である。図1に示すHDDは、大別して、ヘッド・ディスクアセンブリ(Head-Disk Assembly:HDA)部分と、ヘッドアンプ集積回路(以下、ヘッドアンプIC)11と、ハードディスクコントローラ(Head-Disk Controller:HDC)15とから構成されている。
【0013】
HDDは、記録媒体であるディスク1と、スピンドルモータ(SPindle Motor:SPM)2と、ヘッド10を搭載しているアーム3と、ボイスコイルモータ(Voice Coil Motor:VCM)4とを有する。ディスク1は、スピンドルモータ2より回転する。アーム3とVCM4は、アクチュエータを構成している。アクチュエータは、VCM4の駆動により、アーム3に搭載されているヘッド10をディスク1上の指定の位置まで移動制御する。
【0014】
ヘッド10はスライダを本体として、当該スライダに実装されているライトヘッド10W及びリードヘッド10Rを有する。リードヘッド10Rは、ディスク1上のデータトラックに記録されているデータを読み出す。ライトヘッド10Rは、ディスク1上にデータを書き込む。
【0015】
ヘッドアンプIC11は、リードアンプ及びライトドライバを有する。リードアンプは、リードヘッド10Rにより読み出されたリード信号を増幅して、リード/ライト(R/W)チャネル12に伝送する。一方、ライトドライバは、R/Wチャネル12から出力されるライトデータに応じたライト電流をライトヘッド10Wに伝送する。
【0016】
HDC15は、R/Wチャネル12と、インターフェースコントローラ13と、マイクロプロセッサ(MPU)14とを含む1チップの集積回路から構成されている。R/Wチャネル12は、リードデータの信号処理を実行するリードチャネルと、ライトデータの信号処理を実行するライトチャネルとを含む。
【0017】
インターフェースコントローラ13は、ホストデバイス(以下単にホストと表記する場合がある)20とR/Wチャネル12との間のデータ転送を制御する。インターフェースコントローラ13は、バッファメモリ(DRAM)16を制御して、リードデータ及びライトデータをバッファメモリ16に一時的に格納することでデータ転送制御を実行する。また、インターフェースコントローラ13は、フラッシュメモリ17を制御して、各種の制御情報をフラッシュメモリ17に格納し、また読み出す。
【0018】
MPU14はドライブのメインコントローラであり、VCM4を制御してヘッド10の位置決めを行なうサーボ制御を実行する。さらに、MPU14は、瓦記録方式におけるZONE/HEAD CYLINDERの管理テーブルとバンド/バンド内トラックを管理するバンド管理テーブルを備え、アドレス変換部を用いてバンド作成を行う。
【0019】
上記構成において、図2乃至図5を参照して、本実施形態のバンド作成方法を説明する。
【0020】
HDDの磁気ディスクはZONEと呼ばれる領域で区切られており、それぞれのZONE/HEADではTPI(Tracks Per Inch)、BPI(Bits Per Inch)が異なる。これはディスク外径の違いによるもので、外周から内周へ向けて1トラックのセクタ数が減少する。このため、転送レートも同様に内周に向けて減少する。また、製品毎にディスク(メディア)やヘッドの性能差があり、必要容量の確保/信頼性向上のために、ZONE/HEAD毎にTPI、BPIを最適化する必要がある。瓦記録方式のHDDでは、記録領域がZONE/HEAD内をバンドと呼ばれる更に小さな領域に分割して使われる。通常、同一ZONE/HEAD内では同一のバンドサイズ(容量)とし、バンドとバンドとの間にはガードトラックを設けてお互いのデータに悪影響を及ぼさないようにしている。
【0021】
従来では、同一ZONE/HEAD内での転送レートを一定にするために、バンドの分割も同一ZONE/HEAD内に限定して実施していた。また、ライト/リード・エラー発生時のリトライ管理についても、同一ZONE/HEAD内であることを前提にしていた。しかし、ZAC規格を採用した瓦記録方式のHDDのように、バンドサイズを固定(容量固定)にする場合、同一ZONE/HEAD内で固定容量バンドを作成しようとすると、ユーザ容量に含まれないトラックが最小になるようにフレックスで分割していた従来の方法と比較して、ユーザ容量に含まれないトラックの本数が増大してしまう。また、従来のリトライ等の管理方法では、バンド内が同一ZONE/HEADであることを前提として管理しているために、HEAD/ZONEをまたいでバンドを作成することができなかった。
【0022】
容量・信頼性の観点からは、ZONE境界をデフォルトで設定した場所に固定せずに、製品毎にバンドに合わせてずらしたほうがよい。しかし、ZONE境界をずらす場合、当初のTPI/BPIで洗い出したディフェクト情報が利用できなくなるため、ずらした部分のトラックでのディフェクト洗い出しをやり直す必要がある。このやり直し作業は、必要容量になるまで繰り返し、全てのZONE境界で行う必要がある。また、最近のHDDの傾向として、ヘッド数が増加する傾向にあり、その分ZONE境界の数も増加している。また、シリンダ数も増加傾向にあり、ZONE内のシリンダ数を一定にした場合、ヘッド数の増加と同様にZONE境界の数も増加することになる。そのため、ZONE境界数の分だけ洗い出しに時間がかかり、ZAC規格を採用した瓦記録方式のHDDでは無駄なトラックも多くなる。
【0023】
このように、現状は、HEAD/ZONEをまたいでバンドを作成することができない、バンドサイズに分割した際に出た端数領域が装置容量に含まれない、または製造の時間が余計にかかるという問題がある。本実施形態はこれらの問題を解決する。
【0024】
瓦記録方式を行うHDDでは、ZAC方式などのように、全域のバンドが同一セクタ数の固定バンドとなるように作成する場合において、製造時にZONEをバンドと呼ばれる一定のサイズに区切り、その単位で利用する。バンド管理テーブルの生成は、図2に示すフローチャートに従って処理される。まず、順番に番号が付されたZONE/HEADの管理情報を読み取り(ステップS1)、最初のZONE(zone n=1 / head m=1)の領域先頭に所定幅Waのバンドa→1の領域を作成してバンド管理テーブルに登録し(ステップS2)、ZONE/HEADの残りの領域幅Wとバンド幅Waとを比較して(ステップS3)、WaがW領域内に収まる場合には、最初のZONE/HEAD領域内の続きにバンドa→a+1の領域を作成してバンド管理テーブルに登録し(ステップS4)、ステップS3,S4の処理をZONE/HEADの残りの領域幅Wがバンド幅Waに満たなくなるまで繰り返す。ZONE/HEADの残りの領域幅Wがバンド幅Waに満たなくなった場合には、次のZONE/HEADがあるか判断し(ステップS5)、次のZONE/HEADがある場合には、そのZONE/HEADを跨いてバンドa→a+1の領域を作成バンド管理テーブルに登録し(ステップS6)、次のZONE(または次のHEADのZONE)の領域内の跨いだバンドの続きにバンドa→a+1の領域を作成してバンド管理テーブルに登録し(ステップS7)、ステップS3,S4の処理をW>Waを満たすまで繰り返す。ステップS5で次のZONE/HEADの領域がない場合には、一連の処理を終了する。
【0025】
図3にバンド管理テーブルの具体例を示す。この例では、ZONE/HEAD/CYLINDERによる管理から、バンド/バンド内トラックによる管理に移行する。これにより、HEAD/ZONEを跨いでバンドを作成することができるようになる。図3において、まず、ZONE/HEADには事前に順番を示す番号を付けておき、次のZONE/HEADがわかるようにしておく。次に、バンドにユニークな番号a, a+1, a+2, …を割り当て(論理的に連続したバンドの並び)、それぞれのバンドa, a+1, a+2, …に対してそのバンドが属しているZONE/HEADの情報a=(zone n / head m)、a+1=(zone n, n+1 / head m, m+1)、a+2=(zone n+1 / head m+1)、…を付加する。
【0026】
ここで、ステップS6において、バンドの管理テーブルに、ZONE/HEADを跨ぐバンドとして、特殊なバンドで有ることを示すマーク*を付加する。このマークをアドレス変換部が認識して、前半のZONE/HEADに収まるかどうかを計算し、収まる場合にはその前半のZONE/HEAD(n, m)を指し、収まらない場合には次のZONE/HEAD(n+1, m+1)を指すような処理を追加し、正しい物理位置(ZONE/HEAD/CYLINDER)に変換する仕組みとする。これにより、アドレス変換部以外の処理では、バンドの物理位置を考慮する必要が無くなる。
【0027】
アドレス変換部以外では、バンドの管理(リトライ含む)を従来のZONE/HEAD/CYLINDERの管理から、バンド/バンド内トラックで全て管理するように変更する。これによりZONE/HEADを跨ぐバンドを作成することが可能となる。
【0028】
図4に第1の実施例を示す。本実施例では、ZONE=zone nにおいて、その先頭からバンドサイズで区切っていく(バンド1〜3)。ZONEの終端まで区切っていくと、その終端にバンドサイズに満たない端数領域が発生する。この端数領域と次のZONEの先頭領域をまとめて、論理的に1つのバンドとして扱う(バンド4)。これにより、端数領域を有効利用し装置容量に含むことができる。なおかつZONEをバンドサイズに合うように境界をずらす必要がなくなるため、ディフェクトの洗い直しが不要となり、製造時間を短縮することができる。
【0029】
図5に第2の実施例を示す。本実施例では、ZONE=zone nにおいて、その先頭からバンドサイズで区切っていく(バンド1〜3)。ZONEの終端まで区切っていくと、その終端にバンドサイズに満たない端数領域が発生する。この端数領域と次のHEADの先頭領域をまとめて、論理的に1つのバンドとして扱う(バンド4)。これにより、端数領域を有効利用し装置容量に含むことができる。なおかつZONEをバンドサイズに合うように境界をずらす必要がなくなるため、ディフェクトの洗い直しが不要となり、製造時間を短縮することができる。
【0030】
図6に第3の実施例を示す。本実施例では、予め、バンドサイズを任意のサイズに変更する特殊コマンドを用意しておく。このコマンドは装置の先頭から指定されたバンドサイズで区切り直すことができる。この時、ZONEの終端の端数領域と次のZONEの先頭領域をまとめて、論理的に1つのバンドを作成できる。そして、ディフェクトの洗い出しが終わった製造の最終段階や、製造が完了している装置に対してこのコマンドを使用すると、後から任意のバンドサイズに変更できる。この時、ZONE境界をずらさないため、ディフェクトの洗い出しなど製造工程を経る必要なく、ZONE境界付近のバンドサイズに満たない無駄な端数トラックを発生させることもない。また、ユーザー環境においても同様で、ユーザー自分が任意のバンドサイズに変更することもできる。
【0031】
以上のように、本実施形態に係るHDDでは、端数トラックと次のZONEまたはHEADの先頭のトラックとをまとめて1つのバンドとするようにしているので、容量の無駄を減らすことができる。また、ZONEの境界を移動する必要もなくなるので、ZONEの境界のディフェクトの洗い直しが不要となり、製造工程の時間が長くなる問題を解決することができる。また、ZONE内で指定容量のバンドを作成する仕組みとして予め用意した特殊コマンドを用いることで、製造工程完了後にバンドサイズを変更する場合にも、製造工程のやり直しを必要とせずにバンドサイズを変更することができる。
【0032】
その他、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0033】
11…ヘッドアンプ集積回路、15…ハードディスクコントローラ(HDC)、1…ディスク、2…スピンドルモータ(SPM)、10…ヘッド、10W…ライトヘッド、10R…リードヘッド、3…アーム、4…ボイスコイルモータ(VCM)、11…ヘッドアンプ集積回路(IC)、12…リード/ライト(R/W)チャネル、13…インターフェースコントローラ、14…マイクロプロセッサ(MPU)、20…ホストデバイス、16…バッファメモリ(DRAM)、17…フラッシュメモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6