(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-164997(P2019-164997A)
(43)【公開日】2019年9月26日
(54)【発明の名称】コネクタ構造
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6581 20110101AFI20190830BHJP
H01R 13/6463 20110101ALI20190830BHJP
H01R 13/6473 20110101ALI20190830BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R13/6463
H01R13/6473
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-32888(P2019-32888)
(22)【出願日】2019年2月26日
(31)【優先権主張番号】10 2018 104 253.1
(32)【優先日】2018年2月26日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】502095340
【氏名又は名称】ローゼンベルガー ホーフフレクベンツテクニック ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ゼブハウザー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ロッディング
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス シュミッド
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FB07
5E021FC20
5E021FC21
5E021FC23
5E021LA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改善された伝送特性を有するコネクタ構造の提供。
【解決手段】本発明は、コネクタ12と、コネクタに接続されたケーブル14とを有し、コネクタとケーブルは、差動信号を伝送するための第1導体および第2導体を有する少なくとも1つの導体対16をそれぞれ有するコネクタ構造10に関し、ケーブルは、第1の部分18を有し、コネクタは、第2の部分20を有し、ケーブルは、第1の部分のコネクタ側端部でコネクタに締結され、ケーブルの導体対の導体は、第2の部分のケーブル側端部でコネクタの導体に締結され、第1の部分と第2の部分との間に中間部分22が形成され、導体対は、中間部分、特に第1の部分および/または第2の部分において外部導体24によって囲まれ、外部導体は、中間部分の少なくとも一部に変形26を有し、変形は、外部導体と導体との間の距離Vおよび/または変形をした領域で導体間の距離Wを減少させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタと、前記コネクタに接続されたケーブルとを有し、前記コネクタおよび前記ケーブルは、差動信号を伝送するための第1導体および第2の導体を有する少なくとも1つの導体対をそれぞれ有する、コネクタ構造であって、
前記ケーブルは、第1の部分を有し、そして前記コネクタは、第2の部分を有し、前記導体対は電気接点を有し、
前記ケーブルは、前記第1の部分のコネクタ側端部で前記コネクタに締結され、前記ケーブルの前記導体対の導体は、前記第2の部分のケーブル側端部で前記コネクタの導体に締結され、
前記第1の部分と前記第2の部分との間に中間部分が形成され、
前記導体対は、前記中間部分、特に前記第1の部分または前記第2の部分において外部導体によって囲まれ、
前記外部導体は、前記中間部分の少なくとも一部に変形を有し、前記変形は、前記外部導体と前記導体との間の距離または前記変形をした領域で前記導体間の距離のうちの少なくとも1つを減少させる、コネクタ構造。
【請求項2】
前記変形は、前記コネクタ構造のインピーダンスを設置するように構成される
請求項1に記載のコネクタ構造。
【請求項3】
前記変形をした領域において、前記変形は、前記変形をする前または前記変形をした後のうちの少なくとも1つにおいて、基準インピーダンスに対する高インピーダンスを、前記基準インピーダンスに対する低インピーダンスで補償する
請求項2に記載のコネクタ構造。
【請求項4】
前記変形が、磁気成形、圧縮、皺、または折り曲げのうちの少なくとも1つによって形成される
請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ構造。
【請求項5】
前記変形をした領域において前記外部導体と前記導体との間の距離がゼロである
請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタ構造。
【請求項6】
前記変形をした領域における前記導体間の距離がゼロである
請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタ構造。
【請求項7】
前記変形をした領域における前記外部導体の最小直径が、非変形領域における導体の直径より小さいか、または前記変形をした領域における前記外部導体の最大直径が、非変形領域における導体の2倍より小さいかのうちの少なくとも1つである
請求項5または6に記載のコネクタ構造。
【請求項8】
前記外部導体が、前記変形をした領域の外部において、縦方向間隙を有する
請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクタ構造。
【請求項9】
前記変形をした領域の縦方向間隙がより小さくなるか、または閉じられる
請求項1から8のいずれか一項に記載のコネクタ構造。
【請求項10】
前記変形をした部分以外の領域においてクリンプを有する
請求項1から9のいずれか一項に記載のコネクタ構造。
【請求項11】
前記変形が、前記外部導体の上側、対向する底側、または前記上側と前記底側との間の側面のうちの少なくとも1つに形成される
請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクタ構造。
【請求項12】
前記変形がコルゲーションとして形成される
請求項1から11のいずれか一項に記載のコネクタ構造。
【請求項13】
前記変形が平面変形として形成される
請求項1から11のいずれか一項に記載のコネクタ構造。
【請求項14】
コネクタと前記コネクタに接続されたケーブルとを有するコネクタ構造を提供するステップであって、前記コネクタおよび前記ケーブルは、差動信号を伝送するための少なくとも1つの導体対をそれぞれ有し、前記コネクタは第1の部分を有し、前記コネクタは第2の部分を有し、前記導体対は電気接点を有し、前記ケーブルは、前記第1の部分のコネクタ側端部で前記コネクタに締結され、前記ケーブルの前記導体対の導体は、前記第2の部分のケーブル側端部で前記コネクタの導体に締結され、前記第1の部分と前記第2の部分との間に中間部分が形成され、前記導体対は、前記中間部分、特に前記第1の部分または前記第2の部分のうちの少なくとも1つにおいて外部導体によって囲まれるようにするステップと、
前記中間部分の少なくとも一部において、前記外部導体を変形させるステップと、を有する、コネクタ構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタとコネクタに接続されたケーブルとを有するコネクタ構造に関する。ケーブルは、相応する差動信号を送信するための少なくとも1つの導体対をガイドする。
【背景技術】
【0002】
DE 202015000753 U1は、スリーブ部材を含むコネクタ構造を開示している。この場合、差動信号を伝送するためのコア対はケーブル内で延伸し、ケーブルの内部、コア対のコア間に第1の相互距離を有する。コネクタの方向のシースを有するケーブル部分から、コア対の2つのコアは、それらがコネクタのガイド部分に入るまで中間部分で分岐し、ガイド部分において2つのコアの間には第2の相互距離を有し、第2の相互距離は、第1の相互距離より大きい。
【0003】
2つのコア間の距離の変化により、その差動インピーダンスが変化し、これは、干渉点の現れをもたらす可能性がある。
【0004】
これは改善が必要な状態である。
【発明の概要】
【0005】
この背景に対して、本発明は、改善された伝送特性を有する差動信号を伝送するためのコネクタ構造を提供することを目的とする。
【0006】
本発明によれば、目的は、請求項1の特徴を有するコネクタ構造および請求項14の特徴を有する製造方法によって達成される。
【0007】
従って、本発明は、
コネクタと、コネクタに接続されたケーブルとを有し、コネクタとケーブルは、差動信号を伝送するための第1導体および第2の導体を有する少なくとも1つの導体対をそれぞれ有するコネクタ構造であって、ケーブルは、第1の部分を有し、コネクタは、第2の部分を有し、導体対は電気接点を有し、ケーブルは、第1の部分のコネクタ側端部でコネクタに締結され、ケーブルの導体対の導体は、第2の部分のケーブル側端部でコネクタの導体に締結され、第1の部分と第2の部分との間に中間部分が形成され、導体対は、中間部分、特に第1の部分および/または第2の部分において外部導体によって囲まれ、外部導体は、中間部分の少なくとも一部に変形を有し、変形は、外部導体と導体との間の距離(V)および/または変形をした領域で導体間の距離(W)を減少させるコネクタ構造と、
コネクタ構造の製造方法であって、コネクタとコネクタに接続されたケーブルとを有するコネクタ構造を提供するステップであって、コネクタとケーブルは、差動信号を伝送するための少なくとも1つの導体対をそれぞれ有し、ケーブルは第1の部分を有し、コネクタは第2の部分を有し、導体対は電気接点を有し、ケーブルは、第1の部分のコネクタ側端部でコネクタに締結され、ケーブルの導体対の導体は、第2の部分のケーブル側端部でコネクタの導体に締結され、第1の部分と第2の部分との間に中間部分が形成され、導体対は、中間部分、特に第1の部分および/または第2の部分において外部導体によって囲まれるようにするステップと、中間部分の少なくとも一部において、外部導体を変形させるステップと、を有するコネクタ構造用製造方法と、を提供する。
【0008】
本発明の基本的な思想は、外部導体を変形させることによって、異なる特性に関してコネクタ構造を改善することである。例えば、インピーダンスまたはEMC互換性などの電気的特性は、変形によって有利に影響を受けることができる。さらに、装着スペースも縮小または変更することができ、そして、コネクタ構造での導体対の保持力を改善することができる。
【0009】
図面を参照しつつ、従属請求項および詳細な説明から有利な構成および改善が得られる。
【0010】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、変形は、コネクタ構造のインピーダンスを設定するように構成される。インピーダンスは、外部導体と導体対の導体との間の距離、または導体対の導体間の距離を変えることによって設定することができる。
【0011】
従って、コネクタ構造の中間部分におけるインピーダンスの干渉点の現れを防止するように提供することができる。この場合、中間部分のインピーダンスはコネクタの基準インピーダンスに対応する。基準インピーダンスは、多くの場合、100オームである。
【0012】
代替例として、変形をした領域中の低インピーダンスによって、変形の前および/または後に高インピーダンスを補償することが変形にとって有利である。高インピーダンスは、基準インピーダンスより大きく、低インピーダンスは、基準インピーダンスより小さい。
【0013】
インピーダンスは周波数の複素数関数として与えられる。インピーダンスは、正弦交流電圧に対する正弦交流電圧の振幅と正弦交流電流の振幅との比、および2つの変数間の位相角のシフトを含む。
【0014】
したがって、変形の最初に過剰に補償されるコネクタ構造のインピーダンス値を規定することができ、これにより、変形前および/または変形後の高インピーダンスと変形をした領域における低インピーダンスが少なくとも部分的に互いに相殺される。
【0015】
本発明の1つの好ましい改善態様によれば、変形は、磁気成形、圧縮、皺および/または折り曲げによって形成される。特に圧縮は、使用出来る変形として、特に単純なタイプの変形である。
【0016】
本発明の1つの好ましい改善態様によれば、変形は、変形をした領域における外部導体と導体対の導体との間の距離がなくなるよう形成される。この場合、変形が圧縮によって形成されれば、変形によって外部導体が過剰に押圧されたということができる。
【0017】
したがって、例えば、コネクタの保持力も高めることができる。
【0018】
この点に関して、変形をした領域における外部導体の上側又は底側に変形が形成されるときに、外部導体の最小内径が非変形領域の導体の直径と等しい、または直径以下であるときに、有利である。
【0019】
代替例又は補充例として、変形が外部導体の側面に形成されるときに、外部導体の最大内径が非変形領域中の導体の2倍よりも小さいときに、有利である。
【0020】
従って、外部導体も過剰に押圧されることが可能である。このようにして、変形をした領域の外部の基準インピーダンスに対する高インピーダンスは、変形をした領域における基準インピーダンスに対する低インピーダンスによって過剰補償することができる。
【0021】
本発明の1つの好ましい改善形態によれば、外部導体は、変形をした領域の外部で縦方向間隙を有する。縦方向間隙は、外部導体の対向する縦方向縁が互いに接続されていないときに、外部導体でコネクタ構造を巻きつけることによって生じる。
【0022】
これにより、コネクタの製造コストを低減することができる。
【0023】
この場合、外部導体がもはや縦方向間隙を有しないように、縦方向間隙が変形によってより小さくなるかまたは完全に閉じられるようにすると特に有利である。これは、変形後の外部導体が変形前よりも小さい外周を有することによって可能になる。したがって、コネクタ構造の電気的特性、特にEMC特性を改善させることができる。
【0024】
本発明の1つの好ましい改善形態によれば、コネクタ構造は、変形をした領域の外部においてクリンプを有する。したがって、上述したように、コネクタ構造の変形は、ケーブルの導体と電気接点との間の接続技術としては提供されにくい。したがって、ケーブルの導体と電気接点との間に別途の接続装置を提供することが有利である。
【0025】
本発明の1つの好ましい改善形態によれば、変形は、外部導体の上側、対向する底側、および/または上側と底側との間の側面に形成される。
【0026】
上側、底側および側面は、特許出願の図面および関連する説明において画定される。
【0027】
本発明の1つの好ましい改善形態によれば、変形はコルゲーションとして形成される。コルゲーションは、一連の道具によって、例えば、尖った物体によって変形をした領域を衝撃するような、特に簡単な方式で製造することができる。
【0028】
代替例又は補充例として、変形は平面変形であってもよい。平面変形は、例えば適切なジョーを有するプライヤーによって、または磁気成形によって形成することができる。
【0029】
本発明の保護範囲から逸脱しない状況で、上述の特徴および以下に説明される特徴が、それぞれ特定された組み合わせだけでなく、他の組み合わせまたは単独でも使用されることができることは言うまでもない。
【0030】
上記の構成および改善は、組み合わせが合理的である限り必要に応じて互いに組み合わせることができる。本発明の他の可能な配置、改善及び実施形態は、例示的な実施例に関して上記又は以下の文中に明示されていない本発明の特徴の組み合わせを含む。特に、ここでは、当業者は、本発明の基本形態に対する改良又は補足として各態様を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
以下、図面の模式図で詳細に説明される実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
添付の図面は、本発明の実施例のさらなる理解を与えることを意図している。図面は、実施例を示し、明細書と併せて、本発明の原理及び概念を説明する。図面に結び付けて、他の実施例と、言及された多くの利点とがもたらされる。図面に示された要素の間の互いに対する比率は、必ずしも実際の比率とは限らない。
【0052】
図面において、同一の要素、機能的に同一な要素、および同一の作用をする要素、特徴及び部品は、別途の記載がない限り、それぞれ同じ参照符号とともに提供される。
【0053】
以下図面について、一貫し、総合的な説明を行う。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1の(A)、(B)、(C)、(D)は、コネクタ構造10の断面模式図をそれぞれ示す。コネクタ構造10は、コネクタ12と、コネクタ12に接続されたケーブル14とを含む。ケーブル14およびコネクタ12は、差動信号を送信するための少なくとも1つの導体対16をそれぞれ有する。導体対16は、電気接点対としてコネクタに形成されることができる。ケーブルにおいて、導体対はコア対として形成されることができる。
【0055】
コネクタ構造10は、ケーブルにおいて第1の部分18を有する。なお、コネクタ構造10は、コネクタ側に第2の部分20を有する。第1の部分18と第2の部分20との間に中間部分22が形成される。中間部分22において、導体対16の導体間の距離は、第1の部分18におけるコア間のより小さい距離が第2の部分20における電気接点間のより大きい距離まで増大する。
【0056】
コネクタ構造10は、第1の部分18、第2の部分20、及び中間部分22において全部外部導体24を有する。
【0057】
中間部分22における導体対16の導体間の距離をWで表示する。中間部分22における外部導体24と導体対16の導体との間の距離をVで表示する。
【0058】
図1の(A)は、外部導体24が中間部分22の領域で変形される前のコネクタ10を示す。
【0059】
図1の(B)は、変形された外部導体24を有するコネクタ構造10を示す。従って、
図1の(B)によるコネクタ構造10は、中間部分22に変形26を有し、変形は、導体対16の導体と外部導体24との間の距離を減少させる。変形26は平面の変形として形成される。
【0060】
図1の(C)によるコネクタ構造10は、中間部分22に外部導体24の変形26を有する。
図1の(C)において、変形26は、相対的に平坦なコルゲーションとして形成され、外部導体24と導体対16との間の距離を減少させる。なお、
図1の(C)の変形26は、導体対16の導体間の互いに対する距離をさらに減少させる。
【0061】
図1の(D)によるコネクタ構造は、中間部分22に外部導体24の変形26を有する。変形26は、コルゲーションとして形成される。
図1の(D)中のコルゲーションは、外部導体24と導体対16の導体とが部分的に重なるように折り曲げられるため、過度に押圧される。
【0062】
図2は、本発明の一実施例によるコネクタ構造10の断面模式図を示す。
図2は、平面として設計された他の変形26を示す。
【0063】
図3Aから
図3Jは、コネクタ構造10の断面図をそれぞれ示す。
図3Aは、変形を除外した領域におけるコネクタ構造10の横断面図を示す。したがって、
図3Aは、外部導体24の変形を示していない。外部導体24は、上側30と、対向する底側32と、上側30と底側32との間にそれぞれ形成された2つの側面34とを有する。異なる辺の長さを有する構造において、本特許出願では、長辺は、それぞれ底側32および上側30を形成する。短辺34は側面を形成する。
【0064】
図3Bから
図3Jは、それぞれ、変形26の領域におけるコネクタ構造10の断面図を示す。
【0065】
図3Bにおいて、変形26は、外部導体24の底側32上にコルゲーション36として形成される。
図3Bにおいて、コルゲーション36は、外部導体24と導体対の導体16との導体間の距離Vを減少させる。
【0066】
図3Cは、コネクタ構造10の上側30および底側32上の変形を示す。上側30および底側32上の変形はそれぞれコルゲーション36として形成され、そして当該領域では導体対16の導体と外部導体24との間の距離Vを減少させる。
【0067】
図3Dにおいて、外部導体24は、絶縁部分101の輪郭とほぼ一致するように変形される。したがって、外部導体24と導体対16の導体との間の距離は減少される。このような変形は、例えば磁気成形によって生成できる。したがって、
図3Dの変形は、外部導体24と導体対16の導体との間の距離Vおよび導体対16の各導体間の互いに対する距離Wを変化させる。
【0068】
図3Eは、外部導体24の上側30における平面変形38を示す。
【0069】
図3Fは、外部導体24の上側30およびその底側32に平面変形38をそれぞれ有する外部導体を示す。
【0070】
図3Gは、外部導体24の側面34における変形を示す。したがって、変形34は、導体対16の導体間の距離Wおよび外部導体24と導体対16の導体との間の距離Vを変化させる。
【0071】
図3Aから
図3Gは楕円形の外部導体をそれぞれ示す。しかしながら、言うまでもなく、
図3Bから
図3Gによると外部導体24を変形させる可能性は他の外部導体形状にも関連する。
【0072】
一例を挙げると、他の外部導体形状は
図3H〜
図3Jに示されている。
図3H〜
図3Jは、非変形領域におけるコネクタ構造10の横断面Aと、変形をした領域におけるコネクタ構造10の横断面Bとをそれぞれ示す。
【0073】
図3Hは、断面Aにおいて、非変形領域にある円形の外部導体24を示す。
図3Hの横断面Bにおいて、変形をした領域にあるコネクタ構造10を示す。変形は横方向の変形として形成され、そして導体対16の導体間の互いに対する距離W、および導体対16の導体と外部導体24との間の距離Vを減少させる。
【0074】
図3Iの横断面Aは、円形の外部導体24を有するコネクタ構造10を示す。
図3Iの横断面Bにおいて、外部導体24は、楕円形状を形成するように変形されている。したがって、
図3Iの変形26は、外部導体24と導体対16の導体との間の距離Vを変化させる。
【0075】
図3Jは、横断面Aにおいて、四角形の外部導体24を有するコネクタ構造10を示す。
図3Jの横断面Bにおいて、外部導体24の上側30および底側32に変形38を有する。
【0076】
図4Aは、非変形領域における、または変形前のコネクタ構造10の横断面図を示す。
図4Aのコネクタ構造10は、コネクタ構造10の絶縁部分101に巻かれた外部導体24を有する。したがって、
図4A中の外部導体24は、2つの対向する縦方向縁103および104を有する。縦方向間隙28は、対向する縦方向縁103と104との間に位置する。
【0077】
図4Bおよび
図4Cは、
図4Aによる縦方向間隙28が変形26によって閉鎖された後のコネクタ構造10の変形した領域における断面図を示す。
【0078】
図4Bおよび
図4Cにおいて、導体対16の導体と外部導体24との間の距離Vがそれぞれの場合において減少されるため、縦方向間隙28は、それぞれ閉じられている。
【0079】
図4Bにおいて、変形は平面変形38として形成される。
【0080】
図4Cにおいて、変形はコルゲーション36として形成される。
【0081】
図4Bおよび
図4Cにおいて、外部導体24は、その対向する縁103および104が互いに重なるか、または互いに接触するまで、変形されている。接続技術(例えば接合技術により、特に溶接)を用いて、対向する縁103および104を互いに締結するようにしてもよい。
【0082】
図5は、変形前のコネクタ構造の外部導体24のさらなる模式
図5のAおよび縦方向間隙28が変形によって閉じられた後のコネクタ構造の外部導体24のさらなる
図5のBを示す。
【0083】
縦方向間隙28が、外部導体24の対向する縦方向縁103と104との間の中間部分22に形成されていることが
図5のAで分かる。縦方向間隙28は中間部分22だけで延びる。
【0084】
図5のBは、外部導体24を示し、外部導体24の対向する縦方向縁103と104との間の間隙28が重なるように外部導体24の中間部分22が変形される。
【0085】
本発明は、例示された実施例、修正例、およびサブ変形例に限定されない。本発明は、個々の請求項においてそれぞれ請求される特徴の組み合わせを包含し、このような特徴は技術的に実用的である限り明細書においてそれぞれ開示され、図面にそれぞれ示される。
【0086】
本発明を好ましい例示的な実施例に基づいて本発明を十分に説明したが、本発明はそれらに限定されず、多様な方法で修正可能である。
【符号の説明】
【0087】
10 コネクタ構造
12 コネクタ
14 ケーブル
16 導体対
18 第1の部分
20 第2の部分
22 中間部分
24 外部導体
26 変形
28 縦方向間隙
30 上側
32 底側
34 側面
36 コルゲーション
38 変形
103と104 対向する縦方向の縁
V 外部導体と導体との間の距離
W 変形をした領域における導体間の距離
【外国語明細書】