【解決手段】第1レシーバ204は、第2回路300から送信された第2シリアルデータD2Sを受信する。第2レシーバ302は、第1回路200から送信された第1シリアルデータD1Sを受信する。自動調整回路304は、第2レシーバ302が受信した第1シリアルデータD1Sの誤り率が低下するように制御信号CTRL1を生成する。第2ドライバ306は、制御信号CTRL1を含む第2シリアルデータDS2に応じて差動伝送路102を駆動する。第1ドライバ202の動作パラメータは、第2シリアルデータD2Sに含まれる制御信号CTRL1にもとづいて設定される。
前記自動調整回路は、前記イコライザ機能の調節後に、前記制御信号によって前記第1回路の前記第1ドライバの前記動作パラメータを調節することを特徴とする請求項5に記載の双方向伝送システム。
前記自動調整回路は、前記イコライザ機能の調節後に、前記制御信号によって前記シリアライザ回路の前記第1ドライバの前記動作パラメータを調節することを特徴とする請求項14に記載のデシリアライザ回路。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態の概要)
本明細書に開示される一実施の形態は、双方向伝送システムに関する。双方向伝送システムは、差動伝送路を介して接続される第1回路および第2回路を備える。第1回路は、差動伝送路の一端とカップリングされ、第1シリアルデータに応じて差動伝送路を駆動する第1ドライバと、差動伝送路の一端とカップリングされ、第2回路から送信された第2シリアルデータを受信する第1レシーバと、第2シリアルデータに含まれる制御信号にもとづいて、第1ドライバの動作パラメータを設定するコントローラと、を備える。第2回路は、差動伝送路の他端とカップリングされ、第1回路から送信された第1シリアルデータを受信する第2レシーバと、第2レシーバが受信した第1シリアルデータの誤り率が低下するように制御信号を生成する自動調整回路と、差動伝送路の他端とカップリングされ、制御信号を含む第2シリアルデータに応じて差動伝送路を駆動する第2ドライバと、を備える。
【0013】
この態様によると、第2回路において、受信した第1シリアルデータの誤り率を監視し、誤り率が低下するように制御信号を第1回路にフィードバックすることにより、第1ドライバの動作パラメータを自動最適化できる。
【0014】
なお、誤り率は、一般的には、所定の時間区間の間に送られる、符号(ビットやシンボル)の総数に対する、誤った符号(ビットやシンボル)の数の比率をいうが、本明細書においてはより広義に捉えることができ、通信の品質を示す指標を広く誤り率と総称する。たとえば、所定の時間区間の間に送られる符号の総数が一定の場合には、誤った符号の数を、誤り率として扱うことができる。
【0015】
第1ドライバは、差動伝送路を伝送する信号の振幅が調節可能であり、制御信号は、振幅を制御するためのデータを含んでもよい。これにより、伝送線路の状態に応じて、差動信号の振幅が最適化され、誤り率を改善できる。
【0016】
第1ドライバは、プリエンファシス機能を有し、プリエンファシス量および波形の少なくとも一方が調節可能であり、制御信号は、プリエンファシス機能を制御するためのデータを含んでもよい。これにより、伝送線路の状態に応じて、プリエンファシス機能のパラメータが最適化され、誤り率を改善できる。
【0017】
第1ドライバは、デエンファシス機能を有し、デエンファシス量および波形の少なくとも一方が調節可能であり、制御信号は、デエンファシス機能を制御するためのデータを含んでもよい。これにより、伝送線路の状態に応じて、デエンファシス機能のパラメータが最適化され、誤り率を改善できる。
【0018】
第2レシーバはイコライザ機能を備えてもよい。自動調整回路は、第2レシーバが受信した第1シリアルデータの誤り率が低下するように第2レシーバのイコライザ機能を調節してもよい。これにより、伝送線路の状態に応じて、イコライザ機能のパラメータが最適化され、誤り率を改善できる。
【0019】
自動調整回路は、イコライザ機能の調節後に、制御信号によって第1回路の第1ドライバの動作パラメータを調節してもよい。
【0020】
第1シリアルデータは第1回路において所定の方式で符号化されており、自動調整回路は、受信した第1シリアルデータが正しいシンボルでないとき、誤りと判定してもよい。これにより、伝送されるシリアルデータ自体の値と無関係に、誤り率を検出できる。所定の方式は、8b/10bであってもよい。
【0021】
本明細書の一実施の形態には、差動伝送路を介してデシリアライザ回路と接続されて双方向伝送システムを構成するシリアライザ回路が開示される。デシリアライザ回路は、差動伝送路の一端とカップリングされ、シリアライザ回路から送信された第1シリアルデータを受信する第2レシーバと、第2レシーバが受信した第1シリアルデータの誤り率が低下するように制御信号を生成する自動調整回路と、差動伝送路の一端とカップリングされ、制御信号を含む第2シリアルデータに応じて差動伝送路を駆動する第2ドライバと、を備える。シリアライザ回路は、差動伝送路の他端とカップリングされ、第1シリアルデータに応じて差動伝送路を駆動する第1ドライバと、差動伝送路の他端とカップリングされ、デシリアライザ回路から送信された第2シリアルデータを受信する第1レシーバと、第2シリアルデータに含まれる制御信号にもとづいて、第1ドライバの動作パラメータを設定するコントローラと、を備える。
【0022】
本明細書の一実施の形態には、差動伝送路を介してシリアライザ回路と接続されて双方向伝送システムを構成するデシリアライザ回路が開示される。シリアライザ回路は、差動伝送路の一端とカップリングされ、第1シリアルデータに応じて差動伝送路を駆動する第1ドライバと、差動伝送路の一端とカップリングされ、デシリアライザ回路から送信された第2シリアルデータを受信する第1レシーバと、第2シリアルデータに含まれる制御信号にもとづいて、第1ドライバの動作パラメータを設定するコントローラと、を備える。デシリアライザ回路は、差動伝送路の他端とカップリングされ、シリアライザ回路から送信された第1シリアルデータを受信する第2レシーバと、第2レシーバが受信した第1シリアルデータの誤り率が低下するように制御信号を生成する自動調整回路と、差動伝送路の他端とカップリングされ、制御信号を含む第2シリアルデータに応じて差動伝送路を駆動する第2ドライバと、を備える。
【0023】
所定の方式は、8b/10bであってもよい。
【0024】
本明細書の一実施の形態には自動車が開示される。自動車は、カメラと、プロセッサと、カメラとプロセッサの間に設けられる上述の双方向伝送システムと、を備えてもよい。
【0025】
(実施の形態)
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0026】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0027】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0028】
<双方向伝送システム100の構成>
図1は、実施の形態に係る双方向伝送システム100のブロック図である。双方向伝送システム100は、差動伝送路102を介して接続される第1回路200および第2回路300を備える。第1回路200は、差動伝送路102の対応する一端と、キャパシタC1
P/C1
Nを介して結合され、第2回路300は、差動伝送路102の対応する一端と、キャパシタC2
P/C2
Nを介して結合される。
【0029】
第1回路200と第2回路300は、双方向にシリアル伝送可能であるが、第1回路200から第2回路300への伝送レートと、第2回路300から第1回路200への伝送レートと、は異なっていてよい。たとえば第1回路200から第2回路300へは、画像データなどの大容量データを数Gbpsで伝送し、第2回路300から第1回路200へは、第1回路200あるいは第1回路200に接続される他の回路を制御するためのデータが、数十Mbpsで伝送される。
【0030】
<第1回路200の構成>
第1回路200は、第1ドライバ202、第1レシーバ204、コントローラ206、パラレルシリアル変換器210、シリアルパラレル変換器212を備える。
【0031】
第1回路200の内部(あるいは外部)において、第2回路300に送信すべき第1パラレルデータD1P
TXが生成される。第1パラレルデータD1P
TXの内容は特に限定されず、画像データやオーディオデータ、あるいはその他のデータを含みうる。パラレルシリアル変換器210は、第1パラレルデータD1P
TXを第1シリアルデータD1S
TXに変換する。第1ドライバ202は、差動伝送路102の一端とキャパシタを介してACカップリングされ、第1シリアルデータD1S
TXに応じて差動伝送路102を駆動する。かくして第1シリアルデータD1Sが、第1回路200から第2回路300に送信される。
【0032】
また、第2回路300から第1回路200へは、第2シリアルデータD2Sが送信される。第1レシーバ204は、差動伝送路102の一端とカップリングされ、第2回路300から送信された第2シリアルデータD2Sを受信する。
【0033】
コントローラ206は、第2シリアルデータD2Sに含まれる制御信号CTRL1にもとづいて、第1ドライバ202の動作パラメータPRMを設定する。具体的には、受信した第2シリアルデータD2S
RXは、シリアルパラレル変換器212によって第2パラレルデータD2P
RXに変換され、第2パラレルデータD2P
RXから制御信号CTRL1が抽出してもよい。以上が第1回路200の構成である。
【0034】
<第2回路300の構成>
続いて第2回路300の構成を説明する。第2回路300は、第2レシーバ302、自動調整回路304、第2ドライバ306、シリアルパラレル変換器310、パラレルシリアル変換器312を含む。
【0035】
第2レシーバ302は、差動伝送路102の他端とカップリングされ、第1回路200から送信された第1シリアルデータD1Sを受信する。シリアルパラレル変換器310は、第2レシーバ302が受信した第1シリアルデータD1S
RXを第1パラレルデータD1P
RXに変換する。第1パラレルデータD1P
RXは、図示しない回路ブロックへと供給される。
【0036】
自動調整回路304は、第2レシーバ302が受信した第1シリアルデータD1S
RXを監視し、その誤り率が低下するように制御信号CTRL1を生成する。
【0037】
パラレルシリアル変換器312は、制御信号CTRL1を受け、それを含む第2シリアルデータD2S
TXに変換する。第2ドライバ306は、差動伝送路102の他端とカップリングされ、制御信号CTRL1を含む第2シリアルデータD2S
TXに応じて差動伝送路102を駆動する。以上が第2回路300の構成である。
【0038】
<双方向伝送システム100の動作>
図2は、
図1の双方向伝送システム100の動作を説明するフローチャートである。双方向伝送システム100が起動すると、自動調整モードにセットされ(S100)、第1回路200および第2回路300のパラメータが初期化される。
【0039】
第1回路200は、第2回路300に対して、第1シリアルデータD1S
TXを伝送する(S104)。この伝送は、ある時間区間にわたり発生する。第1シリアルデータD1S
TXは、コントローラ206が生成する自動調整用の自動調整用のデータシーケンスを、パラレルシリアル変換器210によってシリアルデータに変換することにより生成してもよい。
【0040】
第2回路300において、自動調整回路304は、第2レシーバ302が受信した第1シリアルデータD1S
RXの誤り率ERを取得する(S106)。
【0041】
自動調整回路304は、誤り率ERを許容されるしきい値THと比較する(S108)。そして誤り率ERがしきい値THより低ければ(S108のY)、自動調整モードを終了する(S110)。反対に、誤り率ERがしきい値THより高ければ(S108のN)、制御信号CTRL1を生成する(S110)。
【0042】
制御信号CTRL1を含む第2シリアルデータD2Sが、第2回路300から第1回路200に伝送される(S112)。第1回路200は、受信した第2シリアルデータD2Sに含まれる制御信号CTRL1にもとづいて、第1ドライバ202の動作パラメータを更新する(S112)。そして処理S104に戻る。
【0043】
図3は、
図1の双方向伝送システム100の動作を示すタイムチャートである。1回目の伝送期間T
1において、第1シリアルデータD1Sが伝送され、その区間の誤り率ER
1が測定される。このときの誤り率ER
1はしきい値THより高いため、新たな制御信号CTRL1が第2回路300から第1回路200にフィードバックされ、第1ドライバ202の動作パラメータが変化する。
【0044】
続いて、2回目の伝送期間T
2においても第1シリアルデータD1Sが伝送され、その区間の誤り率ER
2が測定される。このときの誤り率ER
2もしきい値THより高いため、新たな制御信号CTRL1が第2回路300から第1回路200にフィードバックされ、第1ドライバ202の動作パラメータがさらに変化する。
【0045】
この動作を繰り返すことにより、誤り率ERが徐々に低下していく。N回目の伝送区間T
Nにおいて誤り率ERがしきい値THより低くなると、自動調整が完了する。自動調整が完了すると、そのときの動作パラメータがメモリに保持され、通常の伝送モードに移行する。
【0046】
以上が双方向伝送システム100の動作である。この双方向伝送システム100によれば、第2回路300において、受信した第1シリアルデータD1S
RXの誤り率を監視し、誤り率が低下するように制御信号CTRL1を第1回路200にフィードバックすることにより、第1ドライバ2202の動作パラメータを自動最適化できる。これによりセットの設計者を、トライアンドエラーでパラメータを最適化する作業から解放することができる。
【0047】
<ドライバの動作パラメータ>
図4は、第1ドライバ202の動作パラメータを説明する図である。
図4には、第1ドライバ202の出力波形(非反転出力V
OUTP)が示される。
【0048】
第1ドライバ202は、差動伝送路102を伝搬する差動信号の振幅V
AMPを調節可能に構成される。第1ドライバ202の動作パラメータのひとつはこの振幅V
AMPであり、制御信号CTRL1は、振幅を制御するための第1データを含む。第1データは、振幅レベルV
AMPを規定する多階調データであってもよい。あるいは第1データは、現在の振幅レベルV
AMPから増加させるか、低下させるかを指示する2値のデータであってもよい。
【0049】
また第1ドライバ202は、プリエンファシス機能を備える。第1ドライバ202の動作パラメータのひとつはプリエンファシス量V
PEであってもよく、制御信号CTRL1は、プリエンファシス量V
PEを制御するための第2データを含む。また第1ドライバ202の動作パラメータのひとつはプリエンファシス
PEの波形であってもよく、波形を規定するパラメータとしては、時定数τが例示される。制御信号CTRL1は、時定数τを制御するための第3データを含んでもよい。
【0050】
一実施例において、自動調整回路304ははじめに、プリエンファシスに関するパラメータ(V
PE、τ)を初期値に固定しておき、振幅V
AMPを初期値から徐々に増大させていってもよい。そして、振幅V
AMPがある値に到達しても、依然として誤り率ERがしきい値THより高い場合には、振幅V
AMPをその状態で固定し、プリエンファシスに関するパラメータのひとつ(たとえばプリエンファシス量V
PE)を増加させていってもよい。そしてプリエンファシス量V
PEがある値に到達しても、依然として誤り率ERがしきい値THより高い場合には、プリエンファシス量V
PEをその状態で固定し、残りのパラメータ(時定数τ)を変化させてもよい。
【0051】
なお自動調整回路304による動作パラメータの最適化の方法は、特に限定されず、山登り法をはじめとする公知の最適解の探索アルゴリズムを用いることができる。
【0052】
<誤り率の検出>
第1回路200において、第1シリアルデータD1Sは、所定の方式で符号化される。自動調整回路304は、受信した第1シリアルデータD1S
RXが正しいシンボルでないとき、誤りと判定してもよい。たとえば符号化には、8b10bを用いることができる。この場合、00h〜FFhの8ビットのデータは、D00.0〜D31.7と命名される32通りのシンボルで表される。受信側において、受信したデータが、D00.0〜D31.7のいずれでも無い場合に、誤りと判定することができる。この方法によれば、伝送される8ビットのデータに依存せずに、誤り検出が可能となる。
【0053】
<変形例1>
図5は、変形例1に係る双方向伝送システム100Aのブロック図である。この変形例において、第2回路300Aの第2レシーバ302Aはイコライザ機能を備え、イコライザのパラメータは、制御信号CTRL2に応じて制御可能である。自動調整回路304Aは、誤り率が低下するように、制御信号CTRL1に加えて、制御信号CTRL2を最適化する。
【0054】
変形例1において、自動調整回路304は、第2レシーバ302Aのイコライザのパラメータを変化させ、それでの誤り率がしきい値より高い場合に、第1ドライバ202の動作パラメータを変化させてもよい。
【0055】
<用途>
続いて、双方向伝送システム100の用途を説明する。
図6は、双方向伝送システム100を備える画像処理システム400のブロック図である。
【0056】
画像処理システム400は、複数のカメラ402と、SOC(System on Chip)404とを備える。SOC404は、複数のカメラ402から得られた画像データIMGに対して、所定の画像処理を施す。またSOC404は、複数のカメラ402に対して、それらを制御するための信号(カメラ制御信号)を供給する。たとえば複数のカメラ402の撮像タイミングは、カメラ制御信号のひとつである同期信号SYNCにもとづいて同期がとられる。
図6には2個のカメラを示すが、より多くのカメラ402が設けられてもよいし、カメラは1個でもよい。
【0057】
カメラ402とSOC404の距離が遠い場合、カメラ402が内蔵するインタフェース回路では、SOC404に対して画像データIMGを正確に送信することが難しい。反対に、SOC404が内蔵するインタフェース回路では、カメラ402に対してカメラ制御信号を正確に伝送することが難しい。このような用途において、上述の双方向伝送システム100が好適に利用できる。
【0058】
双方向伝送システム406は、カメラ402とSOC404の間に設けられ、上述の双方向伝送システム100のアーキテクチャを用いて構成されている。双方向伝送システム406は、カメラ402の画像データIMGを、第1シリアルデータD1SとしてSOC404に伝送する。また双方向伝送システム100は、同期信号SYNCを含む第2シリアルデータD2Sをカメラ402に送信する。
【0059】
双方向伝送システム406は、シリアライザ回路410、デシリアライザ回路420、差動伝送路430を備える。シリアライザ回路410は、第1回路200に相当し、デシリアライザ回路420は第2回路300に相当し、差動伝送路430は差動伝送路102に相当する。
【0060】
通常の動作モードにおいてシリアライザ回路410は、カメラ402からの画像データIMGを受け、第1シリアルデータD1Sに変換して、デシリアライザ回路420に送信する。デシリアライザ回路420は、第1シリアルデータD1Sを受信し、画像データIMGをSOC404に供給する。
【0061】
また通常の動作モードにおいてデシリアライザ回路420は、SOC404からのカメラ制御信号(同期信号SYNC)を受け、それを第2シリアルデータD2Sに変換して、シリアライザ回路410に送信する。
【0062】
画像処理システム400の起動後、通常動作モードに移行する前に、自動調整モードにセットされる。自動調整モードにおける第1シリアルデータD1Sは、画像データIMGである必要はない。自動調整モードの間、第2シリアルデータD2Sは、制御信号CTRL1を含み、シリアライザ回路410(第1回路200)に内蔵される第1ドライバ202の動作パラメータが最適化される。
【0063】
図7は、
図6の画像処理システム400を備える自動車を示す図である。自動車500は、複数のカメラ402を備える。各カメラ402は、双方向伝送システム406を介してSOC404と接続される。たとえばSOC404は、自動車500の走行状態に応じて、複数のカメラ402を制御するとともに、それらからの画像データを処理する。たとえばSOC404は、バック走行時には、後方のカメラ402Bを有効として、それからの画像を、車載ディスプレイ502に表示する。駐車する際にアラウンドビューモードが選択されると、SOC404は、複数のカメラ402を有効とし、それらから得られる画像を合成し、合成後の画像を車載ディスプレイ502に表示する。
【0064】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0065】
<デエンファシス機能>
実施の形態では、第1ドライバ202がプリエンファシス機能を備える場合を説明したが、その限りでなく、デエンファシス機能を備えてもよい。この場合、デエンファシスの動作パラメータを、制御信号CTRL1に応じて変化させればよい。
【0066】
<誤り検出>
誤り検出の方法は、8b10bを用いた方法などに限定されない。たとえば、自動調整モードにおいて、第1回路200は、第1シリアルデータD1Sとして、所定のビットシーケンスを送信してもよい。たとえば再現可能な疑似ランダム信号(PRBS:Pseudo Random Binary Sequence)を利用してもよい。第1回路200は、受信したビットシーケンスが、その期待値と一致するか否かを判定し、誤りを検出してもよい。
【0067】
<第1ドライバの動作パラメータ>
図4では、第1ドライバの波形を規定するパラメータとして、時定数τを例示したが、その限りでない。
図8は、第1ドライバの別の動作パラメータを説明する図である。第1ドライバの出力電圧V
OUTPは、ピークレベルV
AMP+V
PEを維持する期間Tdが調整可能であり、この期間Tdを動作パラメータとしてもよい。すなわち、出力電圧V
OUTPの波形が、可変となっている。これにより、出力電圧V
OUTPが所定電圧レベルまで減衰するのに要する実効的な時定数τ’を調節することができる。制御信号CTRL1は、ピーク維持時間Tdを制御するための第3データを含んでもよい。この変形例によれば、時定数τを変化させる場合に比べて、回路構成を簡素化することができる。
【0068】
<動作パラメータの最適化>
動作パラメータの最適化の手法は、さまざまな変形例が存在しうる。たとえば
図8の動作パラメータを最適化する際に、以下の処理を行ってもよい。
【0069】
自動調整回路304ははじめに、プリエンファシスに関する複数のパラメータ(V
PE、V
AMP,Td)を初期化する。この状態でBERを測定し、しきい値と比較して良否(pass/fail)を判定する。そしてパス判定であった場合、終了する。
【0070】
フェイル判定であった場合、複数のパラメータのひとつ(たとえばV
AMP)を、1ステップ変化させる。パス判定が得られればそこで終了する。パス判定が得られない場合、パス判定が得られるまで、別のパラメータV
PEとTdを交互に1ステップずつ変化させていく。V
PEとTdそれぞれを、所定ステップ数、変化させても、パス判定が得られない場合、V
AMPをさらに1ステップ変化させ、その状態で、パス判定が得られるまで、パラメータV
PEとTdを交互に1ステップずつ変化させていく。この処理が、V
AMPを所定数ステップ変化させるまで繰り返される。
【0071】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用の一側面を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。