【解決手段】本発明にかかる内視鏡装置は、被写体からの観察光を取り込む入射端部を先端に有し、被検体内に挿入される挿入部と、紫外光を出射する紫外光源部と、を備え、入射端部には、紫外光源部が出射した紫外光を吸収することにより発熱する紫外光吸収フィルタが設けられている。
前記紫外光吸収フィルタが発する赤外光の強度に基づいて、該紫外光吸収フィルタの温度を測定し、測定結果に応じて前記紫外光源部が出射する前記紫外光の強度を制御する制御部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
紫外光を吸収することにより発熱する紫外光吸収フィルタを有し被写体からの観察光を取り込む入射端部が先端に設けられた、被検体内に挿入される挿入部を備える内視鏡に、着脱可能に接続する医療用撮像装置であって、
前記観察光を受光して撮像信号を生成する撮像部と、
前記観察光の光路上に設けられ、透過と反射とのいずれか一方により紫外光源部からの前記紫外光を前記紫外光吸収フィルタに導光するとともに、透過と反射とのいずれか他方により前記観察光の少なくとも可視領域の波長の光を前記撮像部に導光する、少なくとも一つのダイクロイックミラーと、
を備えることを特徴とする医療用撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。実施の形態では、本発明にかかる内視鏡装置の一例として、患者等の被検体内の画像を撮像して表示する医療用の内視鏡装置について説明する。また、この実施の形態により、この発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内視鏡装置1の概略構成を示す図である。内視鏡装置1は、医療分野において用いられ、人等の観察対象物の内部(生体内)の被写体を観察する装置である。この内視鏡装置1は、
図1に示すように、内視鏡2と、撮像装置3と、表示装置4と、制御装置5と、光源装置6とを備える。
【0020】
光源装置6は、ライトガイド7の一端が接続され、当該ライトガイド7の一端に生体内を照明するための例えば白色光や、赤外観察用の赤外光の照明光を供給する光源部61と、光源部61による照明光の出射を制御する光源制御部62と、を有する。光源部61が備える光源は、例えば、ハロゲンランプやキセノンランプ、LED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)が用いられる。
【0021】
ライトガイド7は、一端が光源装置6に着脱自在に接続されるとともに、他端が内視鏡2に着脱自在に接続される。そして、ライトガイド7は、光源装置6から供給された光を一端から他端に伝達し、内視鏡2に供給する。
【0022】
撮像装置3は、内視鏡2からの被写体像を撮像して当該撮像結果を出力する。この撮像装置3は、
図1に示すように、信号伝送部である伝送ケーブル8と、カメラヘッド9とを備える。本実施の形態1では、伝送ケーブル8とカメラヘッド9とにより医療用撮像装置が構成される。
【0023】
内視鏡2は、硬質で細長形状を有し、生体内に挿入される。この内視鏡2の内部には、1または複数のレンズを用いて構成され、被写体像を集光する観察光学系が設けられている。また、内視鏡2の先端には、カバーガラスが設けられている。内視鏡2は、ライトガイド7を介して供給された光を先端から出射し、生体内に照射する。そして、生体内に照射された光(被写体像)は、内視鏡2内の観察光学系(内視鏡側光学系21A)により導光される。
【0024】
カメラヘッド9は、内視鏡2の基端に着脱自在に接続される。そして、カメラヘッド9は、制御装置5による制御の下、内視鏡2にて集光された被写体像を撮像し、当該撮像による撮像信号を出力する。なお、カメラヘッド9の詳細な構成については、後述する。内視鏡2とカメラヘッド9とは、
図1に示すように着脱自在に構成してもよいし、一体化した構成であってもよい。
【0025】
伝送ケーブル8は、一端がコネクタを介して制御装置5に着脱自在に接続されるとともに、他端がコネクタを介してカメラヘッド9に着脱自在に接続される。具体的に、伝送ケーブル8は、最外層である外被の内側に複数の電気配線(図示略)が配設されたケーブルである。当該複数の電気配線は、カメラヘッド9から出力される撮像信号を制御装置5に、制御装置5から出力される制御信号、同期信号、クロック、及び電力をカメラヘッド9にそれぞれ伝送するための電気配線である。
【0026】
表示装置4は、制御装置5による制御のもと、制御装置5により生成された画像を表示する。表示装置4は、観察時の没入感を得やすくするために、表示部が55インチ以上を有するものが好ましいが、これに限らない。
【0027】
制御装置5は、カメラヘッド9から伝送ケーブル8を経由して入力された撮像信号を処理し、表示装置4へ画像信号を出力するとともに、カメラヘッド9及び表示装置4の動作を統括的に制御する。なお、制御装置5の詳細な構成については、後述する。
【0028】
次に、撮像装置3及び制御装置5の構成について説明する。
図2は、カメラヘッド9及び制御装置5の構成を示すブロック図である。なお、
図2では、カメラヘッド9及び伝送ケーブル8同士を着脱可能とするコネクタの図示を省略している。
【0029】
以下、制御装置5の構成、及びカメラヘッド9の構成の順に説明する。なお、以下では、制御装置5の構成として、本発明の要部を主に説明する。制御装置5は、
図2に示すように、信号処理部51と、画像処理部52と、通信モジュール53と、入力部54と、出力部55と、制御部56と、メモリ57とを備える。なお、制御装置5には、制御装置5及びカメラヘッド9を駆動するための電源電圧を生成し、制御装置5の各部にそれぞれ供給するとともに、伝送ケーブル8を介してカメラヘッド9に供給する電源部(図示略)などが設けられていてもよい。
【0030】
信号処理部51は、カメラヘッド9が出力した撮像信号に対してノイズ除去や、必要に応じてA/D変換等の信号処理を行うことによって、デジタル化された撮像信号(パルス信号)を画像処理部52に出力する。
【0031】
また、信号処理部51は、撮像装置3及び制御装置5の同期信号、及びクロックを生成する。撮像装置3への同期信号(例えば、カメラヘッド9の撮像タイミングを指示する同期信号等)やクロック(例えばシリアル通信用のクロック)は、図示しないラインで撮像装置3に送られ、この同期信号やクロックを基に、撮像装置3は駆動する。
【0032】
画像処理部52は、信号処理部51から入力される撮像信号をもとに、表示装置4が表示する表示用の画像信号を生成する。画像処理部52は、撮像信号に対して、所定の信号処理を実行して被写体画像を含む表示用の画像信号を生成する。ここで、画像処理部52は、検波処理や、補間処理、色補正処理、色強調処理、及び輪郭強調処理等の各種画像処理等の公知の画像処理を行う。画像処理部52は、生成した画像信号を表示装置4に出力する。
【0033】
通信モジュール53は、制御部56から送信された後述する制御信号を含む制御装置5からの信号を撮像装置3に出力する。また、撮像装置3からの信号を制御装置5内の各部に出力する。つまり通信モジュール53は、撮像装置3へ出力する制御装置5の各部からの信号を、例えばパラレルシリアル変換等によりまとめて出力し、また撮像装置3から入力される信号を、例えばシリアルパラレル変換等により振り分け制御装置5の各部に出力する、中継デバイスである。
【0034】
入力部54は、キーボード、マウス、タッチパネル等のユーザインタフェースを用いて実現され、各種情報の入力を受け付ける。
【0035】
出力部55は、スピーカーやプリンタ、ディスプレイ等を用いて実現され、各種情報を出力する。
【0036】
制御部56は、制御装置5及びカメラヘッド9を含む各構成部の駆動制御、及び各構成部に対する情報の入出力制御などを行う。制御部56は、メモリ57に記録されている通信情報データ(例えば、通信用フォーマット情報など)を参照して制御信号を生成し、該生成した制御信号を、通信モジュール53を介して撮像装置3へ送信する。また、制御部56は、伝送ケーブル8を介して、カメラヘッド9に対して制御信号を出力する。制御部56は、例えば、入力部54を介して入力される観察法の切替指示により、光源装置6が出射する照明光の波長帯域を切り替える。観察法としては、白色光を出射する通常観察と、白色の波長帯域と異なる波長帯域の光を出射する特殊光観察とがある。本実施の形態1では、一例として、赤外の波長帯域の光を出射して赤外光を観察する赤外観察を特殊光観察とする。
【0037】
メモリ57は、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて実現され、通信情報データ(例えば、通信用フォーマット情報など)が記録されている。なお、メモリ57は、制御部56が実行する各種プログラム等が記録されていてもよい。
【0038】
なお、信号処理部51が、入力されたフレームの撮像信号を基に、各フレームの所定のAF用評価値を出力するAF処理部、及び、AF処理部からの各フレームのAF用評価値から、最も合焦位置として適したフレームまたはフォーカスレンズ位置等を選択するようなAF演算処理を行うAF演算部を有していてもよい。
【0039】
上述した信号処理部51、画像処理部52、通信モジュール53及び制御部56は、プログラムが記録された内部メモリ(図示略)を有するCPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサやASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の機能を実行する各種演算回路等の専用プロセッサを用いて実現される。また、プログラマブル集積回路の一種であるFPGA(Field Programmable Gate Array:図示略)を用いて構成するようにしてもよい。なお、FPGAにより構成される場合は、コンフィグレーションデータを記憶するメモリを設け、メモリから読み出したコンフィグレーションデータにより、プログラマブル集積回路であるFPGAをコンフィグレーションしてもよい。
【0040】
次に、カメラヘッド9の構成として、本発明の要部を主に説明する。カメラヘッド9は、
図2に示すように、観察光学系の一部であるレンズユニット91と、撮像部92と、通信モジュール93と、カメラヘッド制御部94とを備える。なお、本実施の形態1では、後述するように、カメラヘッド9には、所定の波長帯域の光をカットする観察側フィルタを有する構成と、このフィルタを有しない構成とが存在する。
【0041】
レンズユニット91は、1または複数のレンズを用いて構成され、入射した被写体像を、撮像部92を構成する撮像素子の撮像面に結像する。当該1または複数のレンズは、光軸に沿って移動可能に構成されている。そして、レンズユニット91には、当該1または複数のレンズを移動させて、画角を変化させる光学ズーム機構(図示略)や焦点位置を変化させるフォーカス機構が設けられている。なお、レンズユニット91は、内視鏡2において設けられる光学系とともに、内視鏡2に入射した観察光を撮像部92に導光する観察光学系を形成する。
【0042】
撮像部92は、カメラヘッド制御部94による制御の下、被写体を撮像する。この撮像部92は、レンズユニット91が結像した被写体像を受光して電気信号に変換する撮像素子を用いて構成されている。撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサにより構成される。撮像素子がCCDの場合は、例えば、当該撮像素子からの電気信号(アナログ信号)に対して信号処理(A/D変換等)を行って撮像信号を出力する信号処理部(図示略)がセンサチップなどに実装される。撮像素子がCMOSの場合は、例えば、光から電気信号に変換された電気信号(アナログ信号)に対して信号処理(A/D変換等)を行って撮像信号を出力する信号処理部(図示略)が撮像素子に含まれる。撮像部92は、生成した電気信号を通信モジュール93に出力する。
【0043】
通信モジュール93は、制御装置5から送信された信号をカメラヘッド制御部94等のカメラヘッド9内の各部に出力する。また、通信モジュール93は、カメラヘッド9の現在の状態に関する情報などを予め決められた伝送方式に応じた信号形式に変換し、伝送ケーブル8を介して当該変換した信号を制御装置5に出力する。つまり通信モジュール93は、制御装置5や伝送ケーブル8から入力される信号を、例えばシリアルパラレル変換等により振り分けカメラヘッド9の各部に出力し、また制御装置5や伝送ケーブル8へ出力するカメラヘッド9の各部からの信号を、例えばパラレルシリアル変換等によりまとめて出力する、中継デバイスである。
【0044】
カメラヘッド制御部94は、伝送ケーブル8を介して入力した駆動信号や、カメラヘッド9の外面に露出して設けられたスイッチ等の操作部へのユーザ操作により操作部から出力される指示信号等に応じて、カメラヘッド9全体の動作を制御する。また、カメラヘッド制御部94は、伝送ケーブル8を介して、カメラヘッド9の現在の状態に関する情報を制御装置5に出力する。
【0045】
なお、上述した通信モジュール93及びカメラヘッド制御部94は、プログラムが記録された内部メモリ(図示略)を有するCPU等の汎用プロセッサやASIC等の特定の機能を実行する各種演算回路等の専用プロセッサを用いて実現される。また、プログラマブル集積回路の一種であるFPGAを用いて構成するようにしてもよい。ここで、FPGAにより構成される場合は、コンフィグレーションデータを記憶するメモリを設け、メモリから読み出したコンフィグレーションデータにより、プログラマブル集積回路であるFPGAをコンフィグレーションしてもよい。
【0046】
また、カメラヘッド9や伝送ケーブル8に、通信モジュール93や撮像部92により生成された撮像信号に対して信号処理を施す信号処理部を構成するようにしてもよい。さらに、カメラヘッド9内部に設けられた発振器(図示略)で生成された基準クロックに基づいて、撮像部92を駆動するための撮像用クロック、及びカメラヘッド制御部94のための制御用クロックを生成し、撮像部92及びカメラヘッド制御部94にそれぞれ出力するようにしてもよいし、伝送ケーブル8を介して制御装置5から入力した同期信号に基づいて、撮像部92及びカメラヘッド制御部94における各種処理のタイミング信号を生成し、撮像部92及びカメラヘッド制御部94にそれぞれ出力するようにしてもよい。また、カメラヘッド制御部94をカメラヘッド9ではなく伝送ケーブル8や制御装置5に設けてもよい。
【0047】
図3は、本発明の実施の形態にかかる内視鏡2及びカメラヘッド9の構成を説明する模式図である。
図4は、本発明の実施の形態1にかかる内視鏡の先端構成を説明する模式図であって、内視鏡2の先端面の構成を示す平面図である。内視鏡2は、先端側で外部の光を取り込み、基端側でカメラヘッド9に電気的に接続する。
【0048】
内視鏡2は、挿入部21の内部に、観察光学系の一部である内視鏡側光学系21Aを備えている(例えば、
図3参照)。内視鏡側光学系21Aは、当該内視鏡側光学系21Aの光軸N
1に沿って、先端側から対物レンズ21a、第1リレー光学系21b、第2リレー光学系21c、第3リレー光学系21d、接眼レンズ21eの順で配置されてなる。
【0049】
内視鏡2の先端には、紫外光吸収フィルタ22(以下、UV吸収フィルタ22という)と、カバーガラス23と、照明窓24とが設けられている。カバーガラス23は、内視鏡側光学系21Aの観察光の入射側の先端に設けられる。カバーガラス23は、被写体からの観察光を取り込む入射窓であり、内視鏡2における入射端部を構成している。UV吸収フィルタ22は、カバーガラス23の表面であって、内視鏡側光学系21A側と反対側の表面を被覆している(
図4参照)。すなわち、UV吸収フィルタ22は、内視鏡2の先端における入射端部に設けられ、この入射端部を覆っている。UV吸収フィルタ22は、例えば400nm以下の波長帯域の光(紫外光)を吸収して発熱するフィルタである。UV吸収フィルタ22は、コーティングによってカバーガラス23に設けてもよいし、シールによってカバーガラス23に貼付してもよい。また、照明窓24は、被写体を照明する照明光を内視鏡2から出射する窓であり、内視鏡2における出射端部を構成している。
【0050】
カメラヘッド9は、内視鏡2に接続する側からレンズユニット91、撮像部92の順で配置されてなる。レンズユニット91および撮像部92の光軸は、内視鏡側光学系21Aの光軸N
1と一致している。本明細書において、内視鏡側光学系21Aとレンズユニット91とによって、観察光を撮像部92に導光する観察光学系を形成している。
【0051】
さらに、カメラヘッド9には、紫外光を出射するUV光源部95と、レンズユニット91の光軸上に配置されるダイクロイックミラー96とが設けられている。UV光源部95は、カメラヘッド制御部94の制御のもと、紫外光を出射する。UV光源部95は、紫外光を出射するLEDを用いて構成される。ダイクロイックミラー96は、観察光の光路と平行、かつ内視鏡側光学系21Aに向けて紫外光を反射し、かつ紫外の波長帯域以外の波長帯域の光を透過する。UV光源部95から出射された紫外光L
UVは、ダイクロイックミラー96で反射されて光軸N
1に沿って進行し、UV吸収フィルタ22に照射される。
【0052】
一方、光源装置6から供給される白色光又は赤外光は、ライドガイド7を経由して内視鏡2に入射し、照明窓24から外部に出射される(例えば、
図3に示す白色光L
WLI)。
通常観察時、白色光を構成するすべての光が撮像部92に入射する。白色光は、青色の波長帯域の光、緑色の波長帯域の光、赤色の波長帯域の光を含む。赤色の波長帯域には、赤外の波長帯域を含むが、赤外の波長帯域を含まなくてもよい。
これに対し、特殊光観察(赤外観察)時は、光源装置6から例えば赤外光が出射され、撮像部92が、観察部位からの赤外光を受光する。なお、光源装置6から赤外光でない励起光が出射され、この励起光による被写体からの蛍光である赤外光を、撮像部92が受光してもよい。
【0053】
通常観察及び赤外観察時、UV光源部95から紫外光が出射される。これにより、UV吸収フィルタ22に紫外光が照射される。UV吸収フィルタ22は、紫外光を吸収することによって発熱する。UV吸収フィルタ22の発熱によって、体腔の温度と、UV吸収フィルタ22又はカバーガラス23の温度との温度差が小さくなり、結露の発生が抑制される。なお、UV光源部95は、UV吸収フィルタ22の温度が37℃以上41℃以下で飽和するような出射光量に制御されている。
【0054】
上述した実施の形態1は、内視鏡2の先端に観察光学系21に入射する光の入射口に設けられるカバーガラス23の表面を、UV吸収フィルタ22で覆い、カメラヘッド9のUV光源部95から出射した紫外光をUV吸収フィルタ22に照射するようにした。本実施の形態1では、内視鏡2先端に設けたUV吸収フィルタ22を発熱させて結露の発生を抑制し、赤外の波長帯域の光はダイクロイックミラー96を通過して撮像部92が受光可能である。また、実施の形態1によれば、内視鏡2の先端にUV吸収フィルタ22を設ければよいため、挿入部21の太径化を抑制できる。
【0055】
また、上述した実施の形態1によれば、ダイクロイックミラー96を設けて紫外光と、その他の波長帯域の光とを分光するようにしたので、紫外光をUV吸収フィルタ22に導光するための専用の導光手段を設ける必要がなく、挿入部21が太径化することを抑制できるとともに、紫外光を効率的にUV吸収フィルタ22に導光することができる。
【0056】
なお、上述した実施の形態1において、UV吸収フィルタ22とカバーガラス23とを一体化する、すなわち、カバーガラス23を、紫外光を吸収する材料で構成するようにしてもよい。この場合、カバーガラス23が、内視鏡2における入射端部を構成するとともに、UV吸収フィルタの機能を担うことになる。
【0057】
また、上述した実施の形態1において、通常光観察のみを行う場合、ダイクロイックミラー96が透過する波長帯域は、少なくとも可視領域の波長の光を透過すればよい。また、ダイクロイックミラー96は、撮像部92とUV光源部95との配置に応じて、反射する光の波長帯域と、透過する波長帯域の光とを逆にしてもよい。撮像部92とUV光源部95との配置に応じて逆にした場合、ダイクロイックミラー96は、紫外光を透過し、かつ紫外の波長帯域以外の波長帯域の光を反射する。
【0058】
(実施の形態1の変形例1)
続いて、本発明の実施の形態1の変形例1について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1の変形例1にかかる内視鏡及び光源装置の構成を説明する模式図である。
図6は、本発明の実施の形態1の変形例1にかかる内視鏡の先端構成を説明する模式図であって、内視鏡2Aの先端面の構成を示す平面図である。本変形例1にかかる内視鏡装置は、上述した内視鏡装置1に対し、紫外光を出射するUV光源部の配置とUV吸収フィルタの被覆範囲のみが異なり、そのほかの構成は、上述した内視鏡装置1と同じである。以下、上述した実施の形態1とは異なる部分について説明する。
【0059】
本変形例1にかかる内視鏡装置は、内視鏡2Aと、撮像装置(伝送ケーブル8及びカメラヘッド9A)と、表示装置4と、制御装置5と、光源装置6Aとを備える。
【0060】
光源装置6Aは、ライトガイド7の一端が接続され、当該ライトガイド7の一端に生体内を照明するための例えば白色光や、赤外観察用の赤外光等の照明光を供給する光源部61と、光源部61による照明光の出射を制御する光源制御部62と、紫外光を出射するUV光源部63とを有する。
【0061】
内視鏡2Aは、硬質で細長形状を有し、生体内に挿入される。この内視鏡2Aは、上述した内視鏡側光学系21Aと、UV吸収フィルタ22Aと、カバーガラス23と、を有する。UV吸収フィルタ22Aは、400nm以下の波長帯域の光(紫外光)を吸収して発熱するフィルタである。UV吸収フィルタ22Aは、カバーガラス23と、照明窓24とを被覆している(
図6参照)。換言すれば、UV吸収フィルタ22Aは、入射端部であるカバーガラス23と、出射端部である照明窓24とに連接して設けられている。
【0062】
カメラヘッド9Aは、上述したレンズユニット91と、撮像部92と、通信モジュール93とカメラヘッド制御部94と、を有している。カメラヘッド9Aは、上述したカメラヘッド9の構成に対し、UV光源部95及びダイクロイックミラー96を有していない構成である。
【0063】
光源部61から供給される白色光又は赤外光は、ライドガイド7を経由して内視鏡2に入射し、照明窓24から外部に出射される(例えば、
図5に示す白色光L
WLI)。また、UV光源部63から出射された紫外光L
UVは、ライトガイド7を経由して照明光路に沿って進行し、UV吸収フィルタ22Aに照射される。
【0064】
通常観察及び赤外観察時、白色光又は赤外光に加え、UV光源部63から紫外光が出射される。これにより、UV吸収フィルタ22Aに紫外光が照射される。UV吸収フィルタ22Aは、紫外光を吸収することによって発熱する。UV吸収フィルタ22Aは、照明窓24側から加熱され、カバーガラス23側に熱が伝わる。UV吸収フィルタ22Aの発熱によって、体腔の温度と、UV吸収フィルタ22A又はカバーガラス23の温度との温度差が小さくなり、結露の発生が抑制される。
【0065】
上述した変形例1によれば、実施の形態1と同様に、挿入部21の太径化を抑制しつつ、挿入部21の先端の結露を抑制し、かつ赤外光を用いた観察を行うことができる。
【0066】
(実施の形態1の変形例2)
続いて、本発明の実施の形態1の変形例2について説明する。
図7は、本発明の実施の形態1の変形例2にかかる内視鏡及び光源装置の構成を説明する模式図である。本変形例2にかかる内視鏡装置は、上述した内視鏡装置1に対し、紫外光を出射するUV光源部の配置、及び、紫外光を観察光学系へ入射させる構成のみが異なり、そのほかの構成は、上述した内視鏡装置1と同じである。以下、上述した実施の形態1とは異なる部分について説明する。
【0067】
本変形例2にかかる内視鏡装置は、内視鏡2Bと、撮像装置(伝送ケーブル8及びカメラヘッド9A)と、表示装置4と、制御装置5と、光源装置6Aとを備える。
【0068】
光源装置6Aは、上述した変形例1と同じ構成である。光源部61から供給される白色光又は赤外光は、ライドガイド7を経由して内視鏡2に入射し、照明窓24から外部に出射される(例えば、
図7に示す白色光L
WLI)。
【0069】
内視鏡2Bは、硬質で細長形状を有し、生体内に挿入される。この内視鏡2Aは、上述した内視鏡側光学系21Aと、UV吸収フィルタ22と、カバーガラス23と、第1ダイクロイックミラー25と、第2ダイクロイックミラー26とを有する。第1ダイクロイックミラー25は、照明光の光路上に設けられ、紫外光を反射し、かつ紫外の波長帯域以外の波長帯域の光を透過する。第2ダイクロイックミラー26は、観察光学系の光軸N
1上に設けられ、紫外光を反射し、かつ紫外の波長帯域以外の波長帯域の光を透過する。UV光源部63から出射された紫外光L
UVは、ライトガイド7を経由して照明光路に沿って進行し、第1ダイクロイックミラー25及び第2ダイクロイックミラー26に反射されて観察光学系の光路に沿って進行し、UV吸収フィルタ22に照射される。
【0070】
カメラヘッド9Aは、上述したレンズユニット91と、撮像部92と、通信モジュール93とカメラヘッド制御部94と、を有している。カメラヘッド9Aは、上述した変形例1と同じ構成である。
【0071】
通常観察及び赤外観察時、白色光又は赤外光に加え、UV光源部63から紫外光が出射される。これにより、UV吸収フィルタ22に紫外光が照射される。UV吸収フィルタ22は、紫外光を吸収することによって発熱する。UV吸収フィルタ22の発熱によって、体腔の温度と、UV吸収フィルタ22又はカバーガラス23の温度との温度差が小さくなり、結露の発生が抑制される。
【0072】
上述した変形例2によれば、実施の形態1と同様に、挿入部21の太径化を抑制しつつ、挿入部21の先端の結露を抑制し、かつ赤外光を用いた観察を行うことができる。
【0073】
(実施の形態1の変形例3)
続いて、本発明の実施の形態1の変形例3について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1の変形例3にかかる内視鏡及び光源装置の構成を説明する模式図である。本変形例3にかかる内視鏡装置は、上述した内視鏡装置1に対し、紫外光を出射するUV光源部の配置、及び、紫外光を観察光学系へ入射させる構成のみが異なり、そのほかの構成は、上述した内視鏡装置1と同じである。以下、上述した実施の形態1とは異なる部分について説明する。
【0074】
本変形例3にかかる内視鏡装置は、内視鏡2と、撮像装置(伝送ケーブル8及びカメラヘッド9B)と、表示装置4と、制御装置5と、光源装置6Aとを備える。本変形例3では、光源装置6Aとカメラヘッド9Bとを接続するライトガイド10をさらに備える。
【0075】
光源装置6Aは、上述した変形例1と同じ構成である。光源部61から供給される白色光又は赤外光は、ライドガイド7を経由して内視鏡2に入射し、照明窓24から外部に出射される(例えば、
図8に示す白色光L
WLI)。
【0076】
カメラヘッド9Bは、上述したレンズユニット91と、撮像部92と、通信モジュール93とカメラヘッド制御部94と、第1折り曲げミラー97と、第2折り曲げミラー98と、ダイクロイックミラー99とを有している。ダイクロイックミラー99は、紫外光を反射し、かつ紫外の波長帯域以外の波長帯域の光を透過する。
【0077】
UV光源部63から出射された紫外光L
UVは、ライトガイド10を経由してカメラヘッド9Bに入射する。カメラヘッド9Bに入射した紫外光L
UVは、第1折り曲げミラー97、第2折り曲げミラー98及びダイクロイックミラー99を経て内視鏡側光学系21Aの光路に進入する。内視鏡側光学系21Aの光路に進入した紫外光L
UVは、光軸N
1に沿って進行し、UV吸収フィルタ22に照射される。
【0078】
通常観察及び赤外観察時、白色光又は赤外光に加え、UV光源部63から紫外光が出射される。これにより、UV吸収フィルタ22に紫外光が照射される。UV吸収フィルタ22の紫外光による発熱によって、体腔の温度と、UV吸収フィルタ22又はカバーガラス23の温度との温度差が小さくなり、結露の発生が抑制される。
【0079】
上述した変形例3によれば、実施の形態1と同様に、挿入部21の太径化を抑制しつつ、挿入部21の先端の結露を抑制し、かつ赤外光を用いた観察を行うことができる。
【0080】
(実施の形態1の変形例4)
続いて、本発明の実施の形態1の変形例4について説明する。
図9は、本発明の実施の形態1の変形例4にかかる内視鏡及び光源装置の構成を説明する模式図である。
図10は、本発明の実施の形態1の変形例4にかかる内視鏡の先端構成を説明する模式図であって、内視鏡2Bの先端面の構成を示す平面図である。本変形例4にかかる内視鏡装置は、上述した変形例1の構成に対し、UV吸収フィルタ22の温度を測定する構成をさらに備える。以下、上述した変形例1とは異なる部分について説明する。
【0081】
本変形例4にかかる内視鏡装置は、内視鏡2Cと、撮像装置(伝送ケーブル8及びカメラヘッド9A)と、表示装置4と、制御装置5と、光源装置6Aとを備える。
【0082】
光源装置6Aは、上述した変形例1と同じ構成である。光源部61から供給される白色光又は赤外光は、ライドガイド7を経由して内視鏡2に入射し、照明窓24から外部に出射される(例えば、
図9に示す白色光L
WLI)。また、UV光源部63から出射された紫外光L
UVは、ライトガイド7を経由して照明光路に沿って進行し、UV吸収フィルタ22Aに照射される。
【0083】
内視鏡2Cは、硬質で細長形状を有し、生体内に挿入される。この内視鏡2Cは、上述した内視鏡側光学系21Aと、UV吸収フィルタ22Aと、カバーガラス23と、照明用窓24と、温度測定窓27とを有する。
【0084】
カメラヘッド9Aは、上述したレンズユニット91と、撮像部92と、通信モジュール93とカメラヘッド制御部94と、を有している。カメラヘッド9Aは、上述した変形例1と同じ構成である。
【0085】
通常観察及び赤外観察時、白色光又は赤外光に加え、UV光源部63から紫外光が出射される。これにより、UV吸収フィルタ22Aに紫外光が照射される。UV吸収フィルタ22Aは、紫外光の吸収による発熱によって、体腔の温度と、UV吸収フィルタ22又はカバーガラス23の温度との温度差が小さくなり、結露の発生が抑制される。
【0086】
この際、UV吸収フィルタ22Aが発熱すると、UV吸収フィルタ22Aの表面から赤外光が発せられる。本変形例4では、UV吸収フィルタ22Aの表面から発せられる赤外光を測定することによって、UV吸収フィルタ22Aの温度を測定する。UV吸収フィルタ22Aの表面から発せられる赤外光は、挿入部21を経由して撮像部92に入射する。この際の赤外光は、ライトガイドを用いて導光してもよいし、光学系が形成する光路に沿って導光してもよい。撮像部92における赤外光の受光部922は、内視鏡側光学系21Aによって導光された観察光の受光領域921とは異なる領域となる(
図10参照)。撮像部92は、受光した赤外光を光電変化し、生成した電気信号を制御装置5に出力する。制御装置5において、制御部56は、電気信号の信号値から、UV吸収フィルタ22Aの温度を測定する。このようにして、観察光と、発熱による赤外光の受光領域とを分けて、別々に信号処理を施すことによって、UV吸収フィルタ22Aの温度を独立して測定することが可能となる。制御部56は、測定結果に応じて、UV光源部63による紫外光の強度(ゼロを含む)制御を行って、例えばUV吸収フィルタ22Aが37℃以上41℃以下となるように制御する。
【0087】
上述した変形例4によれば、実施の形態1と同様に、挿入部21の太径化を抑制しつつ、挿入部21の先端の結露を抑制し、かつ赤外光を用いた観察を行うことができる。さらに、本変形例4によれば、UV吸収フィルタ22の温度を設定された温度に適切に制御することができる。
【0088】
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2について説明する。
図11は、本発明の実施の形態2にかかる内視鏡装置200の概略構成を示す図である。
図12は、本発明の実施の形態2にかかる内視鏡201及び光源装置210の構成を説明する模式図である。上述した実施の形態1では、内視鏡2として、硬性鏡を用いた内視鏡装置1を説明したが、これに限られず、軟性の内視鏡を用いた内視鏡装置としても構わない。本実施の形態2では、軟性の内視鏡の挿入部の先端にUV吸収フィルタを設ける場合の例を説明する。
【0089】
内視鏡装置200は、被検体内に挿入部202を挿入することによって観察部位の体内画像を撮像して撮像信号を生成する内視鏡201と、内視鏡201の先端から出射する照明光を発生する光源装置210と、内視鏡201が取得した撮像信号に所定の画像処理を施すとともに、内視鏡装置200全体の動作を統括的に制御する制御装置220と、制御装置22が画像処理を施した体内画像を表示する表示装置230と、を備える。内視鏡装置200は、患者等の被検体内に、挿入部202を挿入して被検体内の体内画像を取得する。なお、制御装置220は、上述した信号処理部51、画像生成部52などの機能を有している。
【0090】
内視鏡201は、可撓性を有する細長形状をなす挿入部202と、挿入部202の基端側に接続され、各種の操作信号の入力を受け付ける操作部203と、操作部203から挿入部202が延びる方向と異なる方向に延び、光源装置210及び制御装置220に接続する各種ケーブルを内蔵するユニバーサルコード204と、を備える。
【0091】
挿入部202は、撮像部を内蔵した先端部205と、複数の湾曲駒によって構成された湾曲自在な湾曲部206と、湾曲部206の基端側に接続され、可撓性を有する長尺状の可撓管部207と、を有する。
【0092】
先端部205は、レンズユニット2051と、撮像部2052と、カバーガラス2053とを備える。レンズユニット2051は、1または複数のレンズを用いて構成され、カバーガラス2053を介して入射した被写体像を、撮像部2052を構成する撮像素子の撮像面に結像する。撮像部2052は、制御装置220による制御の下、被写体を撮像する。この撮像部2052は、レンズユニット2051が結像した被写体像を受光して電気信号に変換する撮像素子を用いて構成されている。撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサにより構成される。レンズユニット2051及び撮像部2052は、光軸N
2に沿って配列されている。撮像部2052は、生成した電気信号を、挿入部202及び操作部203を経由して制御装置220に出力する。
【0093】
また、先端部205のカバーガラス2053の外表面、及び、光源部211からの照明光を出射する照明窓(図示せず)の外表面は、UV吸収フィルタ208に被覆されている(
図12参照)。UV吸収フィルタ208は、400nm以下の波長帯域の光(紫外光)を吸収するフィルタである。
【0094】
光源装置210は、白色光と、赤外光との出射を切り替え可能な光源部211と、紫外光を出射するUV光源部212とを備える。光源部211から供給される白色光又は赤外光は、挿入部202を経由して先端部205に入射し、照明窓から外部に出射される(例えば、
図12に示す白色光L
WLI)。また、UV光源部212から出射された紫外光L
UVは、挿入部202を経由して照明光路に沿って進行し、UV吸収フィルタ208に照射される。
【0095】
上述した内視鏡装置200では、実施の形態1や変形例と同様にして、通常観察及び赤外観察時、白色光又は赤外光に加え、UV光源部212から紫外光が出射される。これにより、UV吸収フィルタ208に紫外光が照射される。UV吸収フィルタ208は、紫外光の吸収による発熱によって、体腔の温度と、UV吸収フィルタ208又はカバーガラス2053の温度との温度差が小さくなり、結露の発生が抑制される。
【0096】
以上説明したように、軟性の内視鏡201を備える内視鏡装置200であっても、上述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0097】
(実施の形態2の変形例1)
続いて、本発明の実施の形態2の変形例1について説明する。
図13は、本発明の実施の形態2の変形例1にかかる内視鏡及び光源装置の構成を説明する模式図である。本変形例1にかかる内視鏡装置は、上述した内視鏡装置200に対し、UV吸収フィルタの配置、及び、紫外光を観察光学系へ入射させる構成のみが異なり、そのほかの構成は、上述した内視鏡装置200と同じである。以下、上述した実施の形態2とは異なる部分について説明する。
【0098】
本変形例1にかかる内視鏡装置は、内視鏡201Aと、光源装置210と、制御装置220とを備える。
【0099】
内視鏡201Aは、可撓性を有する細長形状をなす挿入部202Aと、挿入部202Aの基端側に接続され、各種の操作信号の入力を受け付ける操作部203と、上述したユニバーサルコード204と、を備える。また、挿入部202Aは、上述した先端部205、湾曲自在な湾曲部206、及び可撓管部207と、を有する。
【0100】
挿入部202Aは、先端部205において、第1ダイクロイックミラー2054と、第2ダイクロイックミラー2055とをさらに備える。第1ダイクロイックミラー2054は、照明光の光路上に設けられ、紫外光を反射し、かつ紫外の波長帯域以外の波長帯域の光を透過する。第2ダイクロイックミラー2055は、観察光学系の光軸N
2上に設けられ、紫外光を反射し、かつ紫外の波長帯域以外の波長帯域の光を透過する。
【0101】
また、先端部205のカバーガラス2053の外表面は、UV吸収フィルタ209に被覆されている。UV吸収フィルタ209は、400nm以下の波長帯域の光(紫外光)を吸収するフィルタである。
【0102】
UV光源部212から出射された紫外光L
UVは、挿入部202Aを経由して照明光路に沿って進行し、第1ダイクロイックミラー2054及び第2ダイクロイックミラー2055に反射されて観察光学系の光路に沿って進行し、UV吸収フィルタ209に照射される。
【0103】
通常観察及び赤外観察時、白色光又は赤外光に加え、UV光源部212から紫外光が出射される。これにより、UV吸収フィルタ209に紫外光が照射される。UV吸収フィルタ209は、紫外光を吸収することによって発熱する。UV吸収フィルタ209の発熱によって、体腔の温度と、UV吸収フィルタ209又はカバーガラス2053の温度との温度差が小さくなり、結露の発生が抑制される。
【0104】
上述した変形例1によれば、実施の形態2と同様に、挿入部202の太径化を抑制しつつ、挿入部202の先端の結露を抑制し、かつ赤外光を用いた観察を行うことができる。
【0105】
(実施の形態2の変形例2)
続いて、本発明の実施の形態2の変形例2について説明する。
図14は、本発明の実施の形態2の変形例2にかかる内視鏡及び光源装置の構成を説明する模式図である。本変形例2にかかる内視鏡装置は、上述した内視鏡装置200に対し、UV吸収フィルタ及びUV光源部の配置のみが異なり、そのほかの構成は、上述した内視鏡装置200と同じである。以下、上述した実施の形態2とは異なる部分について説明する。
【0106】
本変形例2にかかる内視鏡装置は、内視鏡201Bと、光源装置210Aと、制御装置220とを備える。
【0107】
内視鏡201Bは、可撓性を有する細長形状をなす挿入部202Bと、挿入部202Bの基端側に接続され、各種の操作信号の入力を受け付ける操作部203と、上述したユニバーサルコード204と、を備える。また、挿入部202Bは、上述した先端部205、湾曲自在な湾曲部206、及び可撓管部207と、を有する。
【0108】
また、先端部205のカバーガラス2053の外表面は、UV吸収フィルタ209に被覆されている。UV吸収フィルタ209は、400nm以下の波長帯域の光(紫外光)を吸収するフィルタである。
【0109】
挿入部202Bは、先端部205において、UV光源部2056をさらに備える。UV光源部2056から出射された紫外光L
UVは、UV吸収フィルタ209に照射される。UV光源部2056は、LEDを用いることによって、小型の光源を先端部205に配置することができる。
【0110】
光源装置210Aは、白色光と、赤外光との出射を切り替え可能な光源部211を備える。光源部211から供給される白色光又は赤外光は、挿入部202Bを経由して先端部205に入射し、照明窓から外部に出射される(例えば、
図14に示す白色光L
WLI)。
【0111】
通常観察及び赤外観察時、白色光又は赤外光に加え、UV光源部2056から紫外光が出射される。これにより、UV吸収フィルタ209に紫外光が照射される。UV吸収フィルタ209は、紫外光を吸収することによって発熱する。UV吸収フィルタ209の発熱によって、体腔の温度と、UV吸収フィルタ209又はカバーガラス2053の温度との温度差が小さくなり、結露の発生が抑制される。
【0112】
上述した変形例2によれば、実施の形態2と同様に、挿入部202の太径化を抑制しつつ、挿入部202の先端の結露を抑制し、かつ赤外光を用いた観察を行うことができる。
【0113】
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。上述した実施の形態では、制御装置5が信号処理などを行うものとして説明したが、カメラヘッド9側で行うものであってもよい。
【0114】
また、上述した実施の形態1、2及びその変形例において、UV吸収フィルタの外表面に親水性の被膜を設けてもよい。
図15は、本発明の他の実施の形態にかかる内視鏡の先端構成を説明する模式図である。
図15に示すように、UV吸収フィルタ22の外表面に親水性の被膜28を設けてもよい。UV吸収フィルタの外表面を親水性とすることで、体液等が外表面に留まることを抑制できる。
【0115】
以上のように、本発明にかかる内視鏡装置は、挿入部の太径化を抑制しつつ、挿入部先端の結露を抑制し、かつ赤外光を用いた赤外観察を行うのに有用である。