特開2019-166886(P2019-166886A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-166886(P2019-166886A)
(43)【公開日】2019年10月3日
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20190906BHJP
   B60K 37/02 20060101ALI20190906BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20190906BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20190906BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20190906BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20190906BHJP
   G01D 7/00 20060101ALI20190906BHJP
【FI】
   B60K35/00 A
   B60K37/02
   G09G5/00 510A
   G09G5/02 B
   G09G5/10 Z
   G09G5/36 510A
   G01D7/00 K
   G01D7/00 303F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-54488(P2018-54488)
(22)【出願日】2018年3月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100059959
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】楠本 信平
【テーマコード(参考)】
2F041
3D344
5C182
【Fターム(参考)】
2F041EA03
2F041EA04
2F041EA08
2F041GA01
2F041GA04
3D344AA21
3D344AA22
3D344AB01
3D344AC25
3D344AD02
5C182AA03
5C182AA04
5C182AA05
5C182AB15
5C182AB26
5C182AB31
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC33
5C182BA14
5C182BA46
5C182BA47
5C182BA56
5C182CA11
5C182CA32
5C182CB47
(57)【要約】
【課題】運転者が自車両の位置を容易に正確に把握することができる車両用表示装置を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明は、車両のフロントガラス(24)に情報を表示する車両用表示装置(1)であって、車両のインストゥルメントパネル(22)に配置されたメータ(4)と、車両のフロントガラス(24)に画像を投影するように構成されたヘッドアップディスプレイ(6)と、を有し、ヘッドアップディスプレイ(6)は、車両の運転者の正面前方に、運転者から見て、メータ(4)の外形と相似形状のメータ輪郭線(30)を表示するように構成されていることを特徴としている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロントガラスに情報を表示する車両用表示装置であって、
車両のインストゥルメントパネルに配置されたメータと、
車両のフロントガラスに画像を投影するように構成されたヘッドアップディスプレイと、を有し、
上記ヘッドアップディスプレイは、車両の運転者の正面前方に、運転者から見て、上記メータの外形と相似形状のメータ輪郭線を表示するように構成されていることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
上記ヘッドアップディスプレイは、運転者から見て、上記メータとほぼ同じ高さ位置に配置されていると視認されるように上記メータ輪郭線を表示する請求項1記載の車両用表示装置。
【請求項3】
上記ヘッドアップディスプレイは、運転者から見て、車両の前端部までの距離とほぼ同じ距離離れた位置に、上記メータとほぼ同じ大きさのものが配置されていると視認されるように上記メータ輪郭線を表示する請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
上記ヘッドアップディスプレイは、車両の走行状況に基づいて、上記メータ輪郭線を表示する輝度又は色を変化させる請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
上記ヘッドアップディスプレイは、車両が旋回する際、表示される上記メータ輪郭線の輝度を上げ、又は上記メータ輪郭線の色を運転者に視認されやすい色に変更する請求項4記載の車両用表示装置。
【請求項6】
上記ヘッドアップディスプレイは上記メータ輪郭線の内側に情報を表示するように構成され、上記メータ輪郭線の内側に表示される情報には、上記メータが指示している情報以外の情報が含まれている請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置に関し、特に、車両のフロントガラスに情報を表示する車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2017−144889号公報(特許文献1)には、車両装置、車両装置の制御方法及び車載装置の制御プログラムが記載されている。この車両装置においては、運転者の目の高さ位置に合わせて消失点が設定され、この消失点に基づいて一点透視図法により表現された表示像が、ヘッドアップディスプレイにより車両のフロントガラス上に表示される。具体的には、表示像として、周辺状況取得部によって検出された他車両の走行方向を示す矢印状のマークや、自車両の走行予定方向を示す矢印状のマークが、フロントガラス上に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−144889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、本件発明者の研究によれば、遠方の消失点から延びる軸線(オプティカルフロー)に対する感覚である「軸感」を運転者に意識させることにより、運転者は車線内における自車両の位置を把握しやすくなり、確実に車線内の適正位置を走行できるようになることが明らかとなっている。しかしながら、特許文献1記載の車載装置では、運転者に自然に軸感を感じさせるにはなお改善の余地があり、運転者によってはフロントガラス上に表示される表示像を邪魔に感じる場合がある。
【0005】
従って、本発明は、運転者が自車両の位置を容易に正確に把握することができる車両用表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、車両のフロントガラスに情報を表示する車両用表示装置であって、車両のインストゥルメントパネルに配置されたメータと、車両のフロントガラスに画像を投影するように構成されたヘッドアップディスプレイと、を有し、ヘッドアップディスプレイは、車両の運転者の正面前方に、運転者から見て、メータの外形と相似形状のメータ輪郭線を表示するように構成されていることを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明においては、車両のインストゥルメントパネルにメータが配置されており、車両のフロントガラスには、運転者の正面前方に、運転者から見てメータの外形と相似形状のメータ輪郭線がヘッドアップディスプレイにより表示される。
【0008】
このように構成された本発明によれば、運転者の正面前方に、メータの外形と相似形状のメータ輪郭線が表示されるので、運転者は無意識のうちに、インストゥルメントパネルのメータと、正面前方に表示されたメータ輪郭線の繋がり(関連性)を感じ、これらを繋ぐ「軸線」を感じ取るようになる。即ち、車両の運転者は、消失点から前後方向に延びる軸線を無意識のうちに感じ取ることができ、自車両の位置を容易に正確に把握できるようになる。
【0009】
本発明において、好ましくは、ヘッドアップディスプレイは、運転者から見て、メータとほぼ同じ高さ位置に配置されていると視認されるようにメータ輪郭線を表示する。
【0010】
このように構成された本発明によれば、メータ輪郭線がメータとほぼ同じ高さ位置に配置されていると視認されるように表示されるので、インストゥルメントパネルのメータと、メータ輪郭線との繋がりを、より確実に運転者に意識させることができ、運転者により明確な「軸感」を与えることができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、ヘッドアップディスプレイは、運転者から見て、車両の前端部までの距離とほぼ同じ距離離れた位置に、メータとほぼ同じ大きさのものが配置されていると視認されるようにメータ輪郭線を表示する。
【0012】
このように構成された本発明によれば、車両の前端部までの距離とほぼ同じ距離離れた位置に、メータとほぼ同じ大きさのものが配置されていると視認されるようにメータ輪郭線が表示されるので、運転者に遠近感を把握しやすくさせることができる。即ち、メータとほぼ同じ大きさのものが車両の前端部に配置されていたとすれば、このような大きさに見える、という遠近感の基準を運転者に与えることができ、運転者は遠近感をより正確に把握できるようになる。
【0013】
本発明において、好ましくは、ヘッドアップディスプレイは、車両の走行状況に基づいて、メータ輪郭線を表示する輝度又は色を変化させる。
【0014】
ヘッドアップディスプレイにより表示されるメータ輪郭線は、運転者により適度に意識されるように、運転者の視界に存在していることが好ましい。しかしながら、車両の走行状況によっては、運転者の意識がメータ輪郭線から離れてしまい、運転者に「軸感」を与えにくくなる場合がある。上記のように構成された本発明によれば、メータ輪郭線を表示する輝度又は色が車両の走行状況によって変化されるので、走行状況が変化した場合でも、運転者の意識をメータ輪郭線に適度に向けさせることができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、ヘッドアップディスプレイは、車両が旋回する際、表示されるメータ輪郭線の輝度を上げ、又はメータ輪郭線の色を運転者に視認されやすい色に変更する。
【0016】
車両が旋回する場合には、運転者の視線が正面前方から外れるため、表示されているメータ輪郭線は運転者の周辺視野に入り、運転者によって意識されにくくなる。上記のように構成された本発明によれば、車両が旋回する際、表示されるメータ輪郭線の輝度が上げられ、又は色が運転者に視認されやすい色に変更されるので、旋回の際にも、運転者の意識をメータ輪郭線に適度に向けさせることができる。
【0017】
本発明において、好ましくは、ヘッドアップディスプレイはメータ輪郭線の内側に情報を表示するように構成され、メータ輪郭線の内側に表示される情報には、メータが指示している情報以外の情報が含まれている。
【0018】
このように構成された本発明によれば、メータ輪郭線の内側に表示される情報には、メータが指示している情報以外の情報が含まれているので、運転者に「軸感」を意識させると同時に、メータが指示している情報以外の情報を与えることができ、より自然に運転者に意識を向けさせることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の車両用表示装置によれば、運転者が自車両の位置を容易に正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】車両を運転する運転者が視認する車外の景色を模式的に示した図である。
図2】本発明の実施形態による車両用表示装置全体を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態による車両用表示装を備えた車両の運転席から前方を見た状態の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態による車両用表示装において、車両に搭載されたメータとヘッドアップディスプレイによって表示される画像の位置関係を示す平面図である。
図5】本発明の実施形態による車両用表示装において、車両に搭載されたメータとヘッドアップディスプレイによって表示される画像の位置関係を示す側面図である。
図6】本発明の実施形態による車両用表示装におけるヘッドアップディスプレイの構成を模式的に示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は、車両を運転する運転者が視認する車外の景色を模式的に示した図である。
【0022】
図1に示すように、運転者は、運転中に車外の景色を視認しながら、車両が走行する空間内における自車両の位置を把握し、ステアリング操作等、適正な運転行動を行っている。この際、運転者は、無意識のうちに遠方の消失点Pと、この消失点Pから放射状に延びる仮想的な軸線A1〜8等を認識しながら、空間内の自車両の位置を把握している。ここで、消失点Pは、遠方の地平線L上の点であって、図1に示す例のように、車両が、幅一定の直線車線を走行している場合には、車線の両側の境界線と一致している軸線A2と軸線A7の交点に位置する。
【0023】
しかしながら、消失点Pから延びる仮想的な軸線Aは、運転者自身の足下に到達する前に、フロントウインドウの窓枠Wによって遮られてしまう。このため、運転者は窓枠Wの外へ延びる仮想的な軸線を頭の中でイメージしながら運転行動を行っている。ところが、運転者には、運転席に着座した運転者が前方を視認したときの消失点から運転者へ延びる軸線に対する意識が薄くなる場合があることを本件発明者は見出した。そして、消失点から運転者へ延びる軸線上に目印となる像を配置することにより、運転者の視線が消失点に誘導され、消失点から延びる軸線を意識しやすくなることが明らかとなった。即ち、消失点から延びる軸線上に目印を設けておくことにより、運転者は、消失点から自身の足下まで延びる軸線のイメージである「軸感」を得やすくなり、車両が走行する空間内における自車両の位置を適確に把握できるようになる。
【0024】
次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施形態による車両用表示装置の概略構成を説明する。図2は、本発明の実施形態による車両用表示装置全体を示すブロック図である。図3は、本発明の実施形態による車両用表示装を備えた車両の運転席から前方を見た状態の一例を示す図である。
【0025】
図2に示すように、本実施形態の車両用表示装置1は、車両に搭載されたECU2(Electronic Control Unit)と、車両のインストゥルメントパネル22(図3)に配置されたメータ4と、車両のフロントガラス24(図3)に画像を投影するように構成されたヘッドアップディスプレイ(HUD)6と、を有する。さらに、ECU2には、車速センサ8からの情報や、カーナビゲーションシステム10、ヨーレートセンサ12、ステアリングセンサ14、車室内カメラ16、車室外カメラ18等からの情報が入力され、これらの情報に基づいてメータ4、及びヘッドアップディスプレイ6に種々の情報が表示される。
【0026】
車速センサ8は、車両の車軸の回転数を検出するように構成されている。検出された回転数の情報はECU2に入力され、ここで車両の絶対速度が計算される。ECU2において計算された車速は、メータ4やヘッドアップディスプレイ6に入力され、表示される。
【0027】
カーナビゲーションシステム10は、GPS衛星からの電波を受信して自車両の位置を検出すると共に、内部に地図情報を格納しており、ECU2へ地図情報を提供することができる。ECU2は、地図情報及び現在車両位置情報に基づいて、車両の周囲(特に、進行方向前方)に存在する道路、交差点、交通信号、建造物等を特定する。地図情報は、ECU2内に格納されていてもよい。
【0028】
ヨーレートセンサ12は、自車両のヨー角速度を検出するように構成され、検出されたヨー角速度の情報をECU2に出力するように構成されている。検出されたヨー角速度に基づいて、車両が旋回しているか否か等を判断することができる。
【0029】
ステアリングセンサ14は、車両のステアリングホイール26(図3)の回転角を検出し、検出された回転角の情報をECU2に出力するように構成されている。検出されたステアリングホイール26の回転角に基づいて、運転者による操舵を検知することができる。
【0030】
車室内カメラ16は、車両の車室内を、特に車両の運転者を撮影するように構成されている。車室内カメラ16によって撮影された画像はECU2に出力され、ここで画像解析されることにより、運転者の運転行動や、視線の方向等を検出することができる。
【0031】
車室外カメラ18は、車両の周囲を、特に車両の前方を撮影するように構成されている。車室外カメラ18によって撮影された画像はECU2に出力され、ここで画像解析されることにより、車両の走行車線を検出したり、走行経路に沿って設けられている標識や、走行経路上にある障害物等を検出したりすることができる。なお、車両の側方や、後方を撮影するために複数の車室外カメラを設けることもできる。
【0032】
上記の各種センサ等によって検出された情報はECU2に入力され、ここで所定の情報処理が行われた後、車両に搭載されたメータ4及びヘッドアップディスプレイ6に送られ、これらによって車両の運転者に提示される。メータ4及びヘッドアップディスプレイ6によって提示される情報は全て同一であっても良いし、一部が重複、或いは全て異なっていても良い。また、ヘッドアップディスプレイ6による情報の表示はオフにすることもできる。
【0033】
図3に示すように、本実施形態においては、インストゥルメントパネル22に設けられたメータ4には3つの指針式の計器が備えら、これらの計器は夫々円形で、左右対称に配置されている。中央に設けられた計器はスピードメータ4aであり、3つのうちで最も直径が大きく、車両の速度を指針の回転角で表示するように構成されている。スピードメータ4aの右側に設けられた計器は回転数メータ4bであり、スピードメータ4aよりも直径が小さく、車両に搭載されたエンジン出力軸の、単位時間当たりの回転数を指針の回転角で表示するように構成されている。スピードメータ4aの左側に設けられた計器は水温・燃料メータ4cであり、回転数メータ4bと同一の直径を有し、車両に搭載されたエンジンの冷却水の温度、燃料タンク内の燃料の残量を表示するように構成されている。
【0034】
これらスピードメータ4a、回転数メータ4b、及び水温・燃料メータ4cの一部又は全部は、機械式の針で指示値を指示するように構成されていても良いし、液晶等の表示画面によって指針を表示するように構成されていても良い。また、各メータの一部又は全部を、数値で指示値を表示するディジタル式のメータとすることもできる。また、メータ4によって表示される情報は、上記の情報の一部であっても良いし、上記以外の情報が表示されるようにメータ4を構成することもできる。さらに、各メータを液晶等の表示画面によって構成する場合には、車両の走行状況等に応じて、異なる情報が表示されるように本発明を構成することもできる。
【0035】
ヘッドアップディスプレイ6は、車両のフロントガラス24に画像を投影することにより、車両の運転者の正面前方に情報を表示するように構成されている。また、ヘッドアップディスプレイ6は、インストゥルメントパネル22の裏側の、ダッシュボード28の下側に設けられており、ダッシュボード28を通してフロントガラス24上に光を投射するように構成されている。
【0036】
図3に示すように、本実施形態においては、ヘッドアップディスプレイ6によって表示される画像には、3つの円からなるメータ輪郭線30が含まれている。このメータ輪郭線30は、最も直径が大きい円形の第1輪郭線30aと、第1輪郭線30aの右側に配置された、第1輪郭線30aよりも直径が小さい第2輪郭線30bと、第1輪郭線30aの左側に配置された、第2輪郭線30bと同一直径の第3輪郭線30cから構成されている。
【0037】
図3に示す例では、中央の第1輪郭線30aの内側には車両の現在の車速が数値でディジタル表示され、左側の第3輪郭線30cの内側には現在走行中の車線の制限速度が標識として表示されている。また、右側の第2輪郭線30bの内側には、カーナビゲーションシステム10において設定されている目的地に到達するための走行経路が指示されている(図3では、次の交差点における右折が指示されている)。上記の他、ヘッドアップディスプレイ6によって任意の情報を表示することができる。このように、メータ輪郭線30の内側に表示される情報には、メータ4が指示している情報以外の情報が含まれていても良い。
【0038】
さらに、メータ輪郭線30は、車両の運転者から見て、メータ4の外形と相似形状に構成されている。即ち、スピードメータ4aの直径と第1輪郭線30aの直径の比、回転数メータ4bの直径と第2輪郭線30bの直径の比、及び水温・燃料メータ4cの直径と第3輪郭線30cの直径の比が全て等しくなるように構成されている。加えて、メータ4におけるスピードメータ4a、回転数メータ4b、及び水温・燃料メータ4cの位置関係と、メータ輪郭線30における第1、第2、第3輪郭線の位置関係も同等にされており、メータ輪郭線30はメータ4の外形と相似形状にされている。
【0039】
また、図3に破線で示すように、スピードメータ4aの両端と第1輪郭線30aの両端を結ぶ直線、回転数メータ4bの両端と第2輪郭線30bの両端を結ぶ直線、及び水温・燃料メータ4cの両端と第3輪郭線30cの両端を結ぶ直線は夫々、運転席に着席している運転者から見た消失点Pにおいて交わっている。このように、メータ4の外形とメータ輪郭線30を相似形に構成することにより、運転者は車室内のメータ4とヘッドアップディスプレイ6によって表示される画像の繋がり(関連性)を無意識のうちに感じるようになる。さらに、メータ4の外形とメータ輪郭線30の対応する点を夫々結ぶ直線が消失点Pにおいて交わるように画像を配置することにより、運転者は無意識のうちに遠方の消失点Pを認識することができ、走行する空間内における自車両の位置を適確に把握できるようになる。
【0040】
次に、図4乃至図6を参照して、本実施形態の車両用表示装置1におけるヘッドアップディスプレイ6の構成等を説明する。
図4は、車両に搭載されたメータ4とヘッドアップディスプレイ6によって表示される画像の位置関係を示す平面図であり、図5はその側面図である。図6はヘッドアップディスプレイ6の構成を模式的に示す側面断面図である。
【0041】
図4に示すように、車両用表示装置1に備えられたメータ4は、インストゥルメントパネル22上の、運転者(運転席)の正面前方に配置されている。一方、ヘッドアップディスプレイ6によって表示されるメータ輪郭線30は、運転者(運転席)の正面前方に、車両の前端部付近に表示される。ここで、ヘッドアップディスプレイ6は車両のフロントガラス24に光を投射し、これによって反射された光が運転者の眼に入射することにより、運転者によって画像として認識される。しかしながら、運転席の運転者には、恰もフロントガラス24よりも前方に物体が存在するかのように、ヘッドアップディスプレイ6による像(虚像)が視認される。
【0042】
これにより、ヘッドアップディスプレイ6は、図4に示すように、運転者から見て、車両の前端部までの距離とほぼ同じ距離離れた位置に、メータ4とほぼ同じ大きさのものが配置されていると視認されるようにメータ輪郭線30を表示することができる。さらに、図5に示すように、ヘッドアップディスプレイ6は、運転者から見て、メータ4とほぼ同じ高さ位置に配置されていると視認されるようにメータ輪郭線30を表示する。なお、メータ輪郭線30の内側に表示される画像(図3)も、メータ輪郭線30と同じ位置に配置されているものと認識されるように表示される。
【0043】
図6に示すように、ヘッドアップディスプレイ6は、光源装置32と、この光源装置32から射出された光を透過させる液晶パネル34と、液晶パネル34を透過した光を反射させる拡大鏡36と、を有する。これらの光源装置32、液晶パネル34、及び拡大鏡36は、インストゥルメントパネル22の背面側、且つダッシュボード28の下側に配置されている。
【0044】
光源装置32は、赤色、緑色、及び青色の発光ダイオードを備えた光源であり、液晶パネル34に向けて光を射出するように構成されている。
液晶パネル34は、ヘッドアップディスプレイ6を介して運転者に提示すべき画像を表示するためのパネルであり、表示すべき情報に応じて種々の画像を形成できるように構成されている。
【0045】
拡大鏡36は、光源装置32から射出され、液晶パネル34を透過した光を所定の方向に反射するように構成された鏡である。拡大鏡36により反射された光は、ダッシュボード28に設けられた開口28aを通ってフロントガラス24に入射し、フロントガラス24によって反射された光が運転者の眼eに入射して画像として認識される。また、本実施形態においては、拡大鏡36に対して傾斜し、湾曲したフロントガラス24によって反射された光が、運転者によって正常な像として認識されるよう、所定の曲面に形成された自由曲面鏡が拡大鏡36として使用されている。
【0046】
ここで、フロントガラス24によって反射され、運転者の眼eに入射する光の光路は、図6に想像線で示すメータ輪郭線30から発せられた光の光路と等価なものとなる。このため、運転者の眼eに実際に入射する光は、フロントガラス24によって反射された光であるが、運転者には、恰もフロントガラス24よりも前方に配置された物体を見ているかの如く視認される。
【0047】
さらに、本実施形態において、このようにヘッドアップディスプレイ6を構成することにより、表示されるメータ輪郭線30は、運転者によって、メータ4の外形と同一の形状及び寸法を有する物体が車両の前端部付近に配置されている(図4図5)かの如く視認される。このように、メータ4と同一の形状及び寸法を有する物体が、車両の前端部付近に視認されると、運転者に遠近感の基準が与えられ、運転者は、より正確に周辺の対象物までの距離を把握することができるようになる。
【0048】
また、ヘッドアップディスプレイ6は、車両の走行状況に基づいて、メータ輪郭線30を表示する輝度を変化させるように構成されている。具体的には、ヘッドアップディスプレイ6は、車両が旋回する際、表示されるメータ輪郭線30の輝度を上げるように構成されている。即ち、本実施形態においては、車室内に配置されたメータ4と、その正面前方に視認されるメータ輪郭線30が運転者によって同時に視認されることにより、運転者に「軸感」が与えられ、自車両の位置を容易に正確に把握できるようになる。しかしながら、車両が右折、左折等により旋回走行する場合には、運転者の視線が正面前方から逸れるので、運転者は、その周辺視野でメータ輪郭線30を視認することとなる。このため、旋回走行時等には、ヘッドアップディスプレイ6により表示されているメータ輪郭線30が運転者によって意識されにくくなる。
【0049】
このメータ輪郭線30に対する運転者の意識の低下を補うため、本実施形態においては、旋回走行時等、運転者の意識がメータ輪郭線30から離れやすい走行状況において、メータ輪郭線30を表示する輝度を高くし、メータ輪郭線30に意識が向かいやすいようにしている。車両の旋回走行は、ヨーレートセンサ12や、ステアリングセンサ14からECU2に入力された情報に基づいて検出することができる。また、車室外カメラ18や車室内カメラ16によって撮像された画像に基づいて、旋回走行を検出することもできる。
【0050】
また、旋回走行ばかりでなく、運転者の視線が正面前方から外れていることが車室内カメラ16によって検知された場合等に、メータ輪郭線30の表示輝度が高くなるように本発明を構成することもできる。或いは、メータ輪郭線30を表示する色を運転者に視認されやすい色に、例えば彩度の高い色等に変更することにより、運転者の意識をメータ輪郭線30に向けさせるように本発明を構成することもできる。好ましくは、メータ輪郭線30の輝度を高めたり、色彩を変更したりすることにより、運転者が周辺視野で視認している場合でも、中心視野で視認している場合と同程度の意識がメータ輪郭線30に向けられるようにする。
【0051】
本発明の実施形態の車両用表示装置1によれば、運転者の正面前方に、メータ4の外形と相似形状のメータ輪郭線30が表示されるので、運転者は無意識のうちに、インストゥルメントパネル22のメータ4と、正面前方に表示されたメータ輪郭線30の繋がり(関連性)を感じ、これらを繋ぐ「軸線」を感じ取るようになる。即ち、車両の運転者は、消失点Pから前後方向に延びる軸線を無意識のうちに感じ取ることができ、自車両の位置を容易に正確に把握できるようになる。
【0052】
また、本実施形態の車両用表示装置1によれば、メータ輪郭線30がメータ4とほぼ同じ高さ位置に配置されていると視認されるように表示されるので、インストゥルメントパネル22のメータ4と、メータ輪郭線30との繋がりを、より確実に運転者に意識させることができ、運転者により明確な「軸感」を与えることができる。
【0053】
さらに、本実施形態の車両用表示装置1によれば、車両の前端部までの距離とほぼ同じ距離離れた位置に、メータ4とほぼ同じ大きさのものが配置されていると視認されるようにメータ輪郭線30が表示されるので、運転者に遠近感を把握しやすくさせることができる。
【0054】
また、本実施形態の車両用表示装置1によれば、メータ輪郭線30を表示する輝度が車両の走行状況によって変化されるので、走行状況が変化した場合でも、運転者の意識をメータ輪郭線30に適度に向けさせることができる。
【0055】
さらに、本実施形態の車両用表示装置1によれば、車両が旋回する際、表示されるメータ輪郭線30の輝度が上げられるので、旋回の際にも、運転者の意識をメータ輪郭線30に適度に向けさせることができる。
【0056】
また、本実施形態の車両用表示装置1によれば、メータ輪郭線30の内側に表示される情報には、メータ4が指示している情報以外の情報が含まれているので、運転者に「軸感」を意識させると同時に、メータ4が指示している情報以外の情報を与えることができ、より自然に運転者に意識を向けさせることができる。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した本発明の実施形態においては、メータ4は、スピードメータ4a、回転数メータ4b、及び水温・燃料メータ4cの3つの円形の計器を備えていたが、メータ4に備えられている計器の個数、外形は任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 車両用表示装置
2 ECU
4 メータ
4a スピードメータ
4b 回転数メータ
4c 水温・燃料メータ
6 ヘッドアップディスプレイ
8 車速センサ
10 カーナビゲーションシステム
12 ヨーレートセンサ
14 ステアリングセンサ
16 車室内カメラ
18 車室外カメラ
22 インストゥルメントパネル
24 フロントガラス
26 ステアリングホイール
28 ダッシュボード
28a 開口
30 メータ輪郭線
30a 第1輪郭線
30b 第2輪郭線
30c 第3輪郭線
32 光源装置
34 液晶パネル
36 拡大鏡
図1
図2
図3
図4
図5
図6