【実施例】
【0040】
以下の成分を、
図1に示す各実施例と各比較例の配合で調製したポリウレタンフォーム組成物を混合撹拌し、各実施例及び各比較例のポリウレタンフォームを製造した。なお、
図1における「総EO%」は、使用したポリオール全体の(総)エチレンオキサイド含有率である。
【0041】
・ポリオール−A:ポリエーテルポリオール、官能基数3、分子量3000、水酸基価56mgKOH/g、エチレンオキサイド含有率8%、品名;GP−3050NS、三洋化成工業(株)製
・ポリオール−B:ポリエーテルポリオール、官能基数3、分子量5000、水酸基価27.6mgKOH/g、エチレンオキサイド含有率15%、品名;GP6015、カーペンター社製
・ポリオール−C:ポリエーテルポリオール、官能基数3、分子量4000、水酸基価52mgKOH/g、エチレンオキサイド含有率75%、品名;EP−505S、三井化学(株)製
・ポリオール−D:ポリマーポリオール、官能基数3、分子量5000、水酸基価27.5mgKOH/g、エチレンオキサイド含有率11%、品名;POP−3128、三井化学(株)製
・セルロース:品名;ARBOCEL(登録商標)UFC100、レッテンマイヤー社製
・CMC−A:水不溶性カルボキシメチルセルロースナトリウム、エーテル化度0.2〜0.3、品名;サンローズ(登録商標)SLD−F1、日本製紙(株)製
・CMC−B:水溶性カルボキシメチルセルロースナトリウム、エーテル化度0.9、品名;CMCダイセル(登録商標)2252、ダイセルファインケム(株)製
・整泡剤:シリコーン系界面活性剤、品名;B−8110、エボニック社製
・アミン触媒:N,N−ジメチルアミノヘキサノール、品名;カオーライザーNo.25、花王(株)製
・スズ触媒:オクチル酸第一スズ、品名;MRH−110、城北化学工業(株)製
・ポリイソシアネート:2,4トリレンジイソシアネート/2,6トリレンジイソシアネート=80/20、品名;コスモネートT−80、三井化学(株)製
【0042】
得られた各実施例及び各比較例のポリウレタンフォームに対して、前記の方法によって密度、吸湿率、放湿率及び膨潤率を測定し、洗濯性を判断した。また、測定結果及び判断結果に基づき、吸湿性評価、放湿性評価、膨潤性評価、洗濯性評価を行い、それらの評価に基づき総合評価を行った。
【0043】
吸湿性評価は、吸湿率4.0%以上:「〇」、3%〜4%未満:「△」、3%未満:「×」である。
放湿性評価は、放湿率50%以上:「〇」、50%〜30%未満:「△」、30%未満:「×」である。
膨潤性評価は、膨潤率105%未満「◎」、105〜130%未満:「〇」、130%以上:「×」である。
洗濯性評価は、変形、脆化(粉化)の何れも無い場合「〇」、何れか一つでもある場合「×」である。
総合評価は、吸湿性評価、放湿性評価、膨潤性評価及び洗濯性評価における最低の評価とする。例えば、全て「〇」以上の場合は総合評価「〇」、一つでも「△」が存在し、他が「〇」以上の場合は総合評価「△」、一つでも「×」が存在し、他が「〇」又は「△」以上の場合は総合評価「×」である。
【0044】
実施例1は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率8%のポリオールAを100重量部使用し、カルボキシメチルセルロースとしてCMC−Aを25重量部使用する例であり、総EO%は8%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は25重量部である。実施例1は、密度23.8kg/m
3、吸湿率4.0%で吸湿性評価「〇」、放湿率75%、放湿性評価「〇」、膨潤率101%、膨潤性評価「◎」、洗濯性評価「〇」、総合評価「〇」であった。
【0045】
実施例2は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率8%のポリオールAを100重量部使用し、カルボキシメチルセルロースとしてCMC−Bを6重量部使用する例であり、総EO%は8%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は6重量部である。実施例2は、密度26.4kg/m
3、吸湿率4.4%、吸湿性評価「〇」、放湿率73%、放湿性評価「〇」、膨潤率101%、膨潤性評価「◎」、洗濯性評価「〇」、総合評価「〇」であった。
【0046】
実施例3は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率8%のポリオールAを100重量部使用し、カルボキシメチルセルロースとしてCMC−Bを30重量部使用する例であり、総EO%は8%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は30重量部である。実施例3は、密度26.3kg/m
3、吸湿率10.7%、吸湿性評価「〇」、放湿率54%、放湿性評価「〇」、膨潤率101%、膨潤性評価「◎」、洗濯性評価「〇」、総合評価「〇」であった。
【0047】
実施例4は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率8%のポリオールAを100重量部使用し、セルロースを15重量部と、カルボキシメチルセルロースとしてCMC−Bを15重量部使用する例であり、総EO%は8%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は15重量部である。実施例4は、密度24.7kg/m
3、吸湿率7.8%、吸湿性評価「〇」、放湿率59%、放湿性評価「〇」、膨潤率100%、膨潤性評価「◎」、洗濯性評価「〇」、総合評価「〇」であった。
【0048】
実施例5は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率8%のポリオールAを60重量部とエチレンオキサイド含有率15%のポリオールBを40重量部使用し、カルボキシメチルセルロースとしてCMC−Bを30重量部使用する例であり、総EO%は11%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は30重量部である。実施例5は、密度25.9kg/m
3、吸湿率10.8%、吸湿性評価「〇」、放湿率54%、放湿性評価「〇」、膨潤率101%、膨潤性評価「◎」、洗濯性評価「〇」、総合評価「〇」であった。
【0049】
比較例1は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率70%のポリオールCを70重量部とエチレンオキサイド含有率11%のポリオールDを30重量部使用し、カルボキシメチルセルロースを使用しない例であり、総EO%は56%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は0重量部である。比較例1は、密度34.9kg/m
3、吸湿率8.2%、吸湿性評価「〇」、放湿率43%、放湿性評価「△」、膨潤率109%、膨潤性評価「〇」、洗濯性評価「×」、総合評価「×」であった。
【0050】
比較例2は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率8%のポリオールAを100重量部使用し、カルボキシメチルセルロースを使用しない例であり、総EO%は8%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は0重量部である。比較例2は、密度26.6kg/m
3、吸湿率1.0%、吸湿性評価「×」、放湿率100%、放湿性評価「〇」、膨潤率101%、膨潤性評価「◎」、洗濯性評価「〇」、総合評価「×」であった。
【0051】
比較例3は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率8%のポリオールAを100重量部と、セルロースを30重量部使用し、カルボキシメチルセルロースを使用しない例であり、総EO%は8%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は0重量部である。比較例3は、密度23.0kg/m
3、吸湿率2.4%、吸湿性評価「×」、放湿率71%、放湿性評価「〇」、膨潤率101%、膨潤性評価「◎」、洗濯性評価「〇」、総合評価「×」であった。
【0052】
比較例4は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率8%のポリオールAを100重量部と、カルボキシメチルセルロースとしてCMC−Bを5重量部使用する例であり、総EO%は8%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は5重量部である。比較例4は、密度26.5kg/m
3、吸湿率3.8%、吸湿性評価「△」、放湿率72%、放湿性評価「〇」、膨潤率101%、膨潤性評価「◎」、洗濯性評価「〇」、総合評価「△」であった。
【0053】
比較例5は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率8%のポリオールAを100重量部と、セルロースを2.5重量部と、カルボキシメチルセルロースとしてCMC−Bを2.5重量部使用する例であり、総EO%は8%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は2.5重量部である。比較例5は、密度25.6kg/m
3、吸湿率3.9%、吸湿性評価「△」、放湿率78%、放湿性評価「〇」、膨潤率100%、膨潤性評価「◎」、洗濯性評価「〇」、総合評価「△」であった。
【0054】
比較例6は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率8%のポリオールAを60重量部とエチレンオキサイド含有率15%のポリオールBを40重量部使用し、カルボキシメチルセルロースを使用しない例であり、総EO%は11%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は0重量部である。比較例6は、密度26.4kg/m
3、吸湿率1.4%、吸湿性評価「×」、放湿率75%、放湿性評価「〇」、膨潤率101%、膨潤性評価「◎」、洗濯性評価「〇」、総合評価「×」であった。
【0055】
比較例7は、ポリオールとしてエチレンオキサイド含有率8%のポリオールAを50重量部とエチレンオキサイド含有率15%のポリオールBを50重量部使用し、カルボキシメチルセルロースを使用しない例であり、総EO%は12%、カルボキシメチルセルロース分の合計量は0重量部である。比較例7は、密度26.0kg/m
3、吸湿率1.7%、吸湿性評価「×」、放湿率83%、放湿性評価「〇」、膨潤率101%、膨潤性評価「◎」、洗濯性評価「×」、総合評価「×」であった。
【0056】
このように、本発明によれば、吸湿性及び放湿性が良好で膨潤性が低いポリウレタンフォームを得ることができ、マットレスなどの寝具用クッションや、肩パットやブラパットなどの衣料用パットなどに好適である。